過去ログ - 晶葉「どうにも私は、恋をしているらしい」
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1: ◆zefPw5mKfA
2015/11/26(木) 23:57:00.42 ID:R0pRVnAw0
デレマス、池袋晶葉をメインとした話です。
長いです。

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2: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:04:17.05 ID:NjB6h2Aj0
私の名前は池袋晶葉。
天才発明家にして、絶賛売出し中のアイドルでもある。
発明家を専業としていた頃、孤高を貫いていた私が今は同じアイドルの仲間達と共に居る。
そんな日々を過ごす事に強い充実感を得ると共に、今の私にとって発明がどれほど大事だったかを知った。

以下略



3: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:05:30.03 ID:NjB6h2Aj0
        ※        ※        ※

「はぁー……晶葉しゃん、恋ばしよっとね?」

事務所のソファに背もたれうだうだと体を揺らしていた私の話を聞いて、上田鈴帆が大げさ目に息を吐いた。
以下略



4: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:06:32.51 ID:NjB6h2Aj0

「さて、それじゃどげんしてPしゃんにその思いば伝えようかね」

「思いを…伝える……」

以下略



5: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:07:34.34 ID:NjB6h2Aj0

「おはようございます」

「あ、頼子しゃん!」

以下略



6: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:09:19.94 ID:NjB6h2Aj0

「……なるほど、そういう事でしたか」

私の話を聞いた頼子は、少しの間自分の髪を撫でつけるように触れてから頷いた。

以下略



7: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:10:31.31 ID:NjB6h2Aj0
考える。
頼子の言葉に間違いはない。真っ直ぐにぶつけるというのは、結果が出るというのはそういう事だ。
恋が成就した。私はPと寄り添い、同じ道を行く。だが、私という偶像の価値が変わる。
恋が叶わなかった。私とPの距離は……どうなるのだろうか。

以下略



8: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:11:35.37 ID:NjB6h2Aj0
顔をあげると頼子が私を見ていた。心配そうな目だった。
首を回すと鈴帆が私を見ていた。口を噤んで、何か言いたいのを我慢している顔だった。
私はまた、視線を落として深く思考する。
彼でなくても、それは出来るのではないかと。
足りない男出は、仲間達で乗り越えればいい。聞けない感想は、別の者に聞けばいい。笑い合う相手もまた――
以下略



9: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:12:40.70 ID:NjB6h2Aj0

「晶葉さん?」

頼子の声が聞こえる。心配そうな声音なのが分かれば、私の心は定まった。

以下略



10: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:13:37.84 ID:NjB6h2Aj0
私はアイドルで、発明家だ。
一つの新しい物を作り上げるために、何度だって失敗し、何度だって挑戦する。
何が良くて何が駄目なのか、それを何度も何度も精査して成功へと辿り着く。
それはアイドルでも同じだ。
求められるアイドルという姿を、何度もレッスンし、何度も舞台に立ち、作り上げていく。
以下略



11: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:14:35.07 ID:NjB6h2Aj0

「強い、か」

鈴帆だけでなく頼子にまでそう言われて、再びソファに腰かけた私はその言葉について考えを巡らせる。
心が強い。そう評してくれているのだという事は分かった。
以下略



12: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:15:42.47 ID:NjB6h2Aj0

「さぁ、そうと決まったらPしゃんを待って、突撃あるのみばい!」

鈴帆が両の拳を握って気合を入れた。腹を括って見届けてくれるという事だろう。
時計を見れば、そろそろ頼子はレッスンの時間で、彼が帰ってくる時間が間近に迫っていた。
以下略



13: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:16:33.81 ID:NjB6h2Aj0

「………!」

床を踏み鳴らす。足をアースにして緊張という名の電気を逃がす。
二人が手を離した。私は迷わずに一歩前に出る。
以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2015/11/27(金) 00:17:02.66 ID:NCQuwmBUo
いいぞ


15: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:17:48.89 ID:NjB6h2Aj0
        ※        ※        ※

今、私は不貞寝している。
ソファの背もたれに顔の正面を預け、向かいに腰かける鈴帆、志希、心に背中を向けているのだ。

以下略



16: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:19:47.38 ID:NjB6h2Aj0

「ねーねー鈴帆ちゃーん。アタシさ〜、入って来たの後続じゃない? だからプロデューサーと晶葉ちゃんの馴れ初めとか知らないんだよね〜」

再び不貞寝した私から興味を失ったのか、それとも何かの実験か。唐突に志希が口火を切った。

以下略



17: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:21:01.06 ID:NjB6h2Aj0

「と言っても、ウチが話せるのはおもちつき大会の時の二人ばい。馴れ初めとはちと違うけんね」

「あー…」

以下略



18: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:22:25.88 ID:NjB6h2Aj0

当時の私といえば、発明品を思うままに作り続けるだけの、可愛げのない女の子だった。
父が発明家で、私もそれに倣って同じ道に入り、そして敵うだけの才覚を発揮していっただけだ。
父という存在は常に私の手本で、私の道の先に立つ人で、私の壁だった。
だから私はその壁を越える事を、父に認められようと躍起になっていたんだ。
以下略



19: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:23:55.10 ID:NjB6h2Aj0

その日は完成したロボットの試運転の為に、近所の公園へと来ていた。
ラジコン式で、従来の物よりもより複雑な動きを可能とするための機構を備えた私謹製の逸品だ。
そこには休日という事もあって大勢の人が来ていたが、私はその中で特に目立った存在とはならなかった。
同世代の他人はその時の流行りの遊びに興じていたし、家族連れも自分達の遊びに夢中で、私の発明になど興味を持つ様子がない。
以下略



20: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:24:42.78 ID:NjB6h2Aj0

スーツがよれよれだったんだ。
髪もセットした先からボサボサにしてしまっているのだろうという体たらくだった。
体格は違うんだが、それがどことなく、父に似ているなと思ったんだ。

以下略



21: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:25:46.29 ID:NjB6h2Aj0

「この天才少女の手にかかれば物言わぬ機械も生を得る……そう、口にしていたんだ」

「天才ロボ少女、池袋晶葉の爆誕ばい!」

以下略



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