過去ログ - 五十鈴華「流されることのない、わたくしの汚穢」
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1:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 18:37:50.08 ID:uefm+U0co
今日の朝食は、白いご飯を三杯、お味噌汁、焼き魚、お漬物、うどん一杯でした。

六時から戦車道の練習もあるので、朝はいつも控えめにしています。
もし戦車に乗っているときに、体調を崩してしまったら大変ですので、朝食はいつも少なく済ませます。

練習を終えたあとはすぐに始業のチャイムが鳴ってしまいます。
朝食が少ない所為もあり、恥ずかしながら授業中にお腹の虫が鳴いてしまうことが多々あります。

五十鈴家の長女として、また戦車道を嗜む乙女として、そのような醜態を晒すわけにはいきません。
お腹が騒がないようにグラウンドから教室へ行く間に、しっかりとおにぎりを3個ほど食します。

「華さんって、本当に健啖家だよね」

そんなことをみほさんが言いました。

「むしろみなさんは食べなくてもいいのですか?」

当然の疑問を投げかけてみたところ、沙織さんや優花里さんは驚いている様子でした。
みほさんはその端正な顔に戸惑いの色を浮かべ、

「朝食をちゃんと食べてるから、平気かな」

と、間食など不要だと言い切りました。

なるほど。長年、戦車道を歩んでいるみほさんは、必要な食事量を見極めているということですか。

「そもそも朝からそんなに食べられないだろ」

冷泉さんは本当に食べていなさそうで、心配になりますわ。

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2:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 18:48:17.92 ID:uefm+U0co
授業中、おにぎりの効果は十分にあったようで、特に音が鳴ることはありませんでした。
時折、沙織さんから聞こえてくることがありましたが。

「やはり朝練後の食事も摂ったほうがいいのでは?」

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 18:56:31.05 ID:uefm+U0co
お昼休みが近づくと、流石に胃の中は殆ど空なります。
授業中に何かを口にするわけにも行かず、午前最後の授業はいつも厳しい戦いを強いられてしまいます。

だからと、姿勢を崩すわけには参りません。
表情に出すことも許されません。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 19:06:44.84 ID:uefm+U0co
あんこうチームのみなさんと共に食堂へ。

「では、五十鈴殿、どうぞ」

優花里さんは普段お弁当なのですが時折こうして食堂の料理を購入することもあります。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 19:15:23.67 ID:uefm+U0co
食卓を確保し、手にした料理を並べます。
大洗女子学園の食堂は綺麗で広いのですが、一つ一つのテーブルがもうちょっとだけ大きければと思います。
会長へ要望書を出したほうがいいのでしょうか。

「いつものことだが五十鈴さんのモノばかりが並ぶな」
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 19:27:24.26 ID:uefm+U0co
昨日の練習、昨日みたテレビ番組、戦車のお話、放課後の約束。

そうした会話に花を咲かせながら、慎ましくも賑やかな昼食は進んでいきます。

「やっぱり、あそこはM4シャーマンでの攻撃が正しいのでは?」
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 19:56:01.00 ID:uefm+U0co
冷泉さんが水を飲みほしたところで、食事を終える。
わたくしたちの暗黙の了解となっていることです。

「そろそろ準備しなきゃね」

以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 20:07:43.07 ID:uefm+U0co
「午後もお願いします」

そう頭を下げたのは澤さんでした。
みほさんのことを一番尊敬しているのは澤さんかもしれませんわ。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 20:17:51.87 ID:uefm+U0co
そういう問題ではないような気もします。

「今日はここにします!!」

優花里さんが選んだ個室はVI号戦車ティーガーUの砲音がする部屋のようです。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 20:43:30.13 ID:uefm+U0co
軽く息を吐き、目を閉じる。

神経を下腹部へと集中させます。

力を込めるとき、声が出てしまいます。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 20:57:36.57 ID:uefm+U0co
別の場所から戦車の咆哮が聞こえてきました。
これでお二人が部屋から出たということになります。
時間がかかりすぎていますわ。そろそろ決めないと。

「ふぅー……」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 21:11:33.66 ID:uefm+U0co
快楽に身を委ねてしまいそうになる自分自身を叱責し、奮い立たせる。
三度目の砲撃音が聞こえてくる。急がなくては。

紙を適量に千切り、汚れをふき取る。

以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2017/01/13(金) 21:14:25.46 ID:NvOxmvTno
興奮してきた


14:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 21:21:03.96 ID:uefm+U0co
滝が流れていく。
わたくしはその音を背にして扉の鍵に手をかけました。

しかし、何か違う。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 21:31:15.77 ID:uefm+U0co
しかしながら、ここでこれを放置することもできません。
戦車道受講者のみなさんは必ずと言っていいほど、このトイレを利用します。
この個室だけを都合よく使わないということは考えられません。

それに戦車道受講者以外も利用します。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 21:44:04.97 ID:uefm+U0co
いくら考えても打つ手がありません。
こんなとき、みほさんならどうするのかと思考した直後、

「華さん、大丈夫?」

以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 21:59:12.92 ID:uefm+U0co
とっさに便座の蓋を閉じてみたものの、こんなもの何の意味もありません。
見えずとも隠し切れない神々しさは溢れてくるばかり。

ふと上を見上げてみると、扉と天井の間には隙間があるのがわかりました。
密閉されていれば、まだ時間が稼げたものの、塞ぐものがなければ発覚の時間は見る見るうちになくなってしまいます。
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2017/01/13(金) 22:06:31.74 ID:Ocmh39RL0
あかん


19:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 22:09:34.95 ID:uefm+U0co
わたくしは頭を振りました。

ありえないですわ。
上からにしろ、下からにしろ、出したものを戻すなど、無理に決まっています。

以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 22:23:01.00 ID:uefm+U0co
息遣いが荒くなる。

自分を止めることができない。

こんなものがわたくしの中に入っていたことすら驚きなのに、今からわたくしは食そうとしている。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2017/01/13(金) 22:32:13.24 ID:uefm+U0co
掴んでしまえば、終わる。
僅かに残る理性がそう言う。

でも、掴まなければ築き上げたものを失う。
もう一人のわたくしが背中を押す。
以下略



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