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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その38 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/22(木) 21:41:04.90 ID:wdhTVgwfo
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
┃. │ _| レ _ノ `"⌒) o ,__,,」 ノ´ 、ノ .| 丿 /^\ .o .o ━┛
. ̄
――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。
――かもしれない……。
〜前回までのあらすじ〜
召喚士、戦士、魔道士、盗賊からなる4人の冒険者達。
5年にも及ぶ人間対魔族の闘いはいよいよ佳境を迎えた。
君臨する魔王ベルゼブブの前に散りゆく仲間達。
はたして大戦の結末とはいかに……。
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます!)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
◆かぎまとめ様(日々のまとめありがとうございます!)
http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-3022.html
◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html
◆絵とかのあぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/
◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329994650/
◆前スレ(その37)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329482009/
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1332420059
(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/
渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/
二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/
佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/
全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/22(木) 21:42:55.50 ID:wdhTVgwfo
◆過去ログ(その1〜36)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312161458/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315821180/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318927989/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1322122521/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324391535/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1327155768/
◆あっちのスレ?(その1〜その2)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257262778/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301828985/
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/22(木) 23:13:59.76 ID:vbCr1toIO
祝38スレ目!!
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
:2012/03/23(金) 00:12:26.28 ID:wwkXJyG+0
>>1
乙
ブロローグもようやく佳境か・・・
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/23(金) 00:30:45.89 ID:kpiwpkua0
>>1
おつ
楽しませてくれてありがと
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/23(金) 00:46:41.98 ID:efa/fxj9o
40ぐらいで終われるといいな
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/03/23(金) 07:09:38.45 ID:kVMq/MzAO
嫌だなぁ、まだ半分も行ってないじゃないか
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/23(金) 09:40:52.95 ID:vFhyA32Bo
あと62スレでプロローグ終了か…
9 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:45:29.38 ID:2FRVhCnpo
……――
優女『……あ……っ』
お父『元気か……ってのもおかしいか』
優男『おかえり優女。そしてお父、色々と世話になったな』
お父『お前らには散々、世話になったんだ。この程度、恩返しにもならんさ』
優女『優男、あなたが居るって事は……』
優男『ああ。迎えにきたよ……君達2人をね』
優女『そう……そうなのね、ありがとう』
優男『幼女なら心配は要らないさ。そうだろ?』
優女『ええ……何も心配は要らないわ』
お父『幼女は本当に強い子だ。これからはきっと……』
フワアアァァァァ……
お父『きっと、自分自身の幸せの為に生きていく事だろう』
優女『うん……。さようなら……幼女』
優男『さぁ、また3人で……旅立とうじゃないか――』
10 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:46:17.85 ID:2FRVhCnpo
――……
ゴッゴオオオオォォォォ……
幼女「…………っ」
剣士「……泣くなよ弓使い、幼女が我慢してるんだ……っ」
弓使い「……ぐすっ、ひっく……うん」ゴシゴシ
剣士「……幼女」スタスタ
幼女「……」
剣士「幼女、聞いてくれ。その……女賢者さんは……な」
幼女「言わないでっ!!」
剣士「……」
幼女「それ以上……聞きたくないから。言わないで……お願い……っ」
剣士「……ああ、分かった」
幼女「さぁ、行こうっ。お父さん、お母さん」ニコッ
涙でぐしゃぐしゃの顔をした幼女は剣士の方へ振り返ると、精一杯の笑みを見せた。
その表情はとても12歳の少女とは思えぬ程、大人びていて、純粋で、美しかった。
11 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:47:04.78 ID:2FRVhCnpo
…
ネクロマンサー「……どういう事だッ、何故……全ての因果を突破されているのですッ」
シュバッ!! スタッ
ネクロマンサー「ッ!!」
影忍「それが人の力だ、ネクロマンサー。最早、そんな事すらも忘れてしまったか?」
ネクロマンサー「どうして結界に入れたッ!? 因果とはそういうものなのか……?」
盗賊「人の肉体は操る事が出来ても、人の心までは思い通りになど出来ぬ!」
ネクロマンサー「……この私に……意見する気かぁ!!」
ザッザッザッ……ゴゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「――ッ!!」ゾクッ!!
戦士「……やっと見つけたぜ、このクソヤローが」ザッザッ
ネクロマンサー「お……のれ……ッ――」ゾクゥ!!
剣士「ここまでだなネクロマンサー。観念しろっ!」ジャキッ
弓使い「お父さんの……そして、女賢者さんの仇っ、取らせて貰うわよ!」
幼女「あなただけは絶対に……許さない!」
12 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:47:50.72 ID:2FRVhCnpo
…
召喚士「く……っ!!」
魔剣士「……」
召喚士「あなたに怨みはないが、俺達にはしなければならない事があるんだっ!」
魔剣士「……」
召喚士「魔道士さん、一気にいきますよっ! 援護をお願いします!」
魔道士「はいっ!」キュイイィィィィ
召喚士「行けぇっ! コカトリス!!」
シュイイィィィィン……バシュウウゥゥゥゥ!!
魔剣士「……」フッ
召喚士「早いっ!! だが……っ!!」
コカトリスの猛攻を交わし続ける魔剣士。召喚士は続けざまにスキュラ、ワイバーン、
そして新たに契約した白虎召喚獣である、スレイプニルを召喚した。
魔剣士「……」
魔道士「な、何なのこの人……っ」ギュオッ!!
13 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:48:29.68 ID:2FRVhCnpo
召喚士「俺の召喚獣を全てかわしながら……魔道士さんの魔法まで回避するなんて……っ」
魔剣士「……」ヒュオッ
召喚士「しかも顔色1つ変えずに……」
魔剣士「……」スタッ
召喚士「顔色が変わらないのは、余裕なのかそれとも……」ザッ
ズガアアァァァァ!!
スフィンクス「じゃじゃーん! いきなり登場からの〜ふいうちぱーんちっ!」
ゴッシャアアアアァァァァ!!
魔剣士「……」ズズッ
スフィンクス「受け止めたぁ!?」
召喚士「流石は天才さんの弟子で……再来の1人……っ」
魔剣士「……」スチャッ
召喚士「だが、これならどうだっ!!」
4属性4対の召喚獣が金色に輝き共鳴を見せ始めた。それは即ち、五行に近しいもの。
それに気圧されたか、無表情のままではあるが魔剣士に戸惑いのようなものが一瞬見えた。
14 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:49:02.36 ID:2FRVhCnpo
召喚士「いっけええぇぇ!!」
ゴアッ!!
魔剣士「……」ヒュンッ
大きく跳躍して金色の召喚獣達をかわす魔剣士だったが、もう1体の召喚獣までには気付かず、
まんまとその召喚獣の餌食となり、地面へと勢い良く叩きつけられた。
スフィンクス「まわりこみ……だぶるはんまーぱーんち!!」
ドゴッシャアアアアァァァァ!!
魔剣士「――――ッ!!」ゴシャッ!!
魔道士「やあぁーっ!!」ズドドドドッ!!
倒れた魔剣士めがけ、魔道士の追撃魔法が雨霰の如く降り注ぐ。
ドドオオオオォォォォ……
魔道士「それにしても凄い……っ。合体召喚まで囮に使うなんて……」
召喚士「魔道士さん、流石だな。完璧な追撃のタイミングだ」
魔道士「以前とは明らかに違うっ。完璧にコントロール出来てるんだ……っ」
召喚士「それにあれだけの魔法を撃っても、疲労を感じさせないなんて……凄いな」
15 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:49:57.40 ID:2FRVhCnpo
ザシャッ!!
召喚士「!?」
魔剣士「……」ポンポン
魔道士「ぜ、全然……効いてない……っ!」
召喚士「いやっ、そんなはずはないです! 見えないだけでダメージはあるはず!」
魔道士「だったら……」
キュイイイイィィィィ……
召喚士「こ、この光は……っ!!」
魔道士「うまく……コントロール出来ればっ、私にも……」
召喚士「駄目だ魔道士さんっ!!」
魔道士「!?」
召喚士「1人で五行は危険すぎるっ! 俺がいきますからっ!」ダッ!!
魔剣士「……」スッ
召喚士「……?」
魔道士「に、逃げる……の?」
16 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:50:57.09 ID:2FRVhCnpo
起き上がると同時に突然、背を向けて歩き出す魔剣士。
召喚士「何をするつもりだ……?」
魔剣士「……」ザッザッザッ……フッ
魔道士「消え――!?」
召喚士(どういうつもりだ!? どうしていきなり……)
フッ
召喚士「!?」
魔道士「い、今……景色が一瞬だけっ、ぶれたというか……」
召喚士「……ええ。ようやく解放されたみたいですね」
魔道士「でもっ、他の人達は……」キョロキョロ
召喚士「――っ!!」
魔道士「あ、あれって! 東方司令さんっ!?」
タタタッ!! グイッ
召喚士「東方司令さんっ!! しっかり!! 東方司令さんっ!!」
東方司令「…………」
17 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:51:22.47 ID:2FRVhCnpo
〜六道門・餓鬼〜
大軍師「あれが噂の、アスタロスという魔物ですか」
青年兵「……ええ。東方では全く、実力は分かりませんでしたが」
西方参謀「何はともあれアレを倒さん事には、先に進めそうもないわな……ヒック」
南方司令「倒すさ。正義の為にな!」ザッ
青年兵は懸念していた。敵は恐らく軍団長クラス。それも魔王城の六道門の1つを
単体にて負かされた者。強さはおそらく尋常ではない、と。
青年兵(よりにもよって要人ばかり。僕らはまだいいけど……)チラッ
皇太子「青年兵」
青年兵「!?」
皇太子「今更、私の身を案じるなどという下らない事は考えぬように」
青年兵「……っ」ゴクッ
皇太子「ふっ。私に考えを暴かれるとはまだまだ青いな、大元帥殿」
青年兵「失礼を致しました……っ」
皇太子「かといって死ぬつもりも毛頭ない。皆で無事、生きて帰るぞ……本国に」
18 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 17:52:33.09 ID:2FRVhCnpo
ズゴゴゴゴゴ……
南方参謀「来るわよぉーっ!!」
アスタロス「邪魔者は……排除する」ドウッ!!
青年兵「回避――」
ドゴオオォォォォ!!
青年兵「!?」
西方司令「だーれが回避だこのクソッタコがああぁぁぁぁ!!」ズギャッ!!
青年兵「西方司令さんっ!」
大軍師「皆様っ、援護しますよっ!」ババッ!!
南方司令「クソッタコとは何だ?」
南方副司令「知るかっ! 後で本人に聞け!」ズバッ!!
青年兵「最初から全力でいくぞ! 出でよっ、バハムート!」
シュイイイイィィィィン
バハムート「ゴッガアアアアァァァァーッ!!」
アスタロス「……」
19 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:07:32.02 ID:2FRVhCnpo
魔王ベルゼブブの片腕ともいえる魔族、アスタロス。
その人型とも獣型とも言えぬような不可思議な姿の魔物は、
襲い掛かる複数の敵を冷静に見据え、淡々といなしてゆく。
しかし多勢に無勢。やがて均衡は崩れ始め、アスタロスは徐々に押され始めた。
西方司令「だりゃっしゃああああぁぁぁぁ!!」
ズガッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
西方副司令「援護よっ、援護!」
大軍師「食らいなさいっ」ゴアッ!!
アスタロス「人間……これが人間の力なのか」
西方参謀「敵さんも戸惑ってるぞぉ! もう一押しだ!」
エリート「隙ありぃ!!」
ズガシュウウゥゥッ!! ズザザアアァァ……
アスタロス「……」
南方司令「さぁどうした? まだ私は必殺のジャスティスパンチも出してはいないぞ!」
南方参謀「出しなさいよっ! 速攻だって言ってるでしょ!」
20 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:10:51.30 ID:2FRVhCnpo
アスタロス「ククッ」
青年兵「!?」
アスタロス「……他の魔王が焦る気持ち……少しだけ理解」
大軍師「いよいよ本気のようですね」
皇太子「ああ。今までとは何か、雰囲気が違うな」
アスタロス「これ以上、この姿で居るは不利。止む無しか」
青年兵「……この姿?」
大軍師「どうやら変身型のようですね。本気とはまさにこの事だったようです」
ズゴゴゴゴゴゴ……
西方副司令「う……っ」
エリート「な、何だこれは……っ。周囲の空気が張り詰めている……!?」
西方参謀「風が遡ってらぁ。ヤローさんの内部に取り込まれてんだ……ヒック」
西方司令「何が変身だ。変身だか変態だかしらんが先にぶっ潰してやる!!」ザッ
大軍師「お待ちなさいっ!!」
西方司令「あぁ!?」
21 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:12:01.14 ID:2FRVhCnpo
大軍師「分からないのですか? あの……発せられる邪悪な気が……っ」
青年兵(大軍師さんが汗を……!? そ、そんなにも――)
ピキイイィィィィ
青年兵「――!?」
皇太子「くっ、平常を保たねば……気を失いそうな威圧だな……っ」
西方副司令「息が……苦し……っ」
ズゴゴゴゴゴゴ……
南方副司令「んなっ!?」
床を壊す事もなくせり上がり現れる魔物。その姿はドラゴンのようであった。
ベルゼブブはその背に押されるようにドラゴンの背中へと居場所を移し、
隆起した両肩の背後からは、不気味な黒い翼が生えてきた。
人型ではあるが、まさに悪魔の顔とも言うべき恐ろしい表情と、
右腕に同化しているかのように巻きつく、毒々しい色をした蛇が印象的であった。
1つ呼吸を吐くと、アスタロスの口内からは灰色の吐息がゆっくりと漏れた。
アスタロス「さぁ来るが良い人間共。貴様等を……排除する!」
22 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:13:17.15 ID:2FRVhCnpo
〜六道門・修羅〜
ドグンッ!!
天才「……っ」ググッ
落ちてくる天井が天才の全身を押し潰すように、重く圧し掛かる。
ウォッチマン「キャーッキャッキャッキャ! いい加減ッ、諦めたらッ!?」
天才「諦めたらなぁ……そこでぇ、終わりなんだよ……っ!!」ググッ
ウォッチマン「キャキャッ! だけどォ〜もう打つ手なしジャーン!」
天才「……ハーッハッハッハ!!」
ウォッチマン「……? 気でも狂った?」
天才「手なんざ打たなくてもなぁ、何とかなるんだよ」
ウォッチマン「ハァ〜?」
天才「俺様がいちいち手を打つまでもねぇって言ってんだよ、バーカ!」
ウォッチマン「――ッ」
ギュオッ!!
ウォッチマン「生意気だよッ、キミはぁ!!」
23 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:14:04.44 ID:2FRVhCnpo
バキィ!! ドゴッ!! ドカァ!!
ウォッチマン「動けないくせにッ! 強がってんじゃあないヨッ! エェッ!」
天才「……ちっとも……効かねぇぞコラ」ギロッ
ウォッチマン「……ッ。な、生意気――」
ガッシャアアアアァァァァン!!
ウォッチマン「…………え?」
スタッ!! ゴロゴロゴロッ……ズザッ!!
天才「遅せぇんだよ……バーカ」
格闘家「すみません」
ボス「ここは……元の場所かっ!」
女隊員「やっと帰って来れたッス!」
男隊員「いいから司令を助けろっ! 天井を支えろぉ!」ググッ
天才「……んで、デッカイ土産……持って帰って来たじゃねぇか」
男隊員「……ん、まぁ」
天才「……やれんだろうな? あ?」
24 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:14:45.50 ID:2FRVhCnpo
ガッシイイィィィィ!!
隊長「ここは……俺が引き受ける!」
天才「上等ぉ!!」ザッ
ウォッチマン「ババッ、バカなああぁぁぁぁッ!?」
隊長「お前らも行け!!」
男隊員「!?」
隊長「ここは俺が1人で引き受ける」
女隊員「無茶ッスよ!」
隊長「そうでなくばこの門は突破出来んっ! いいから行けぇ!」グググッ
天才「そいつの言う通りだ」
格闘家「……」
天才「こいつは言わば砂時計。生きてる人間にゃ時間を課せられるが……」
ボス「……」
天才「死んだ人間には無意味って事だ」
隊長「そうだ。それにこの門は入ると出る、同一人物しか成し得ない」
25 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:16:06.92 ID:2FRVhCnpo
ボス「ど、どういう……」
隊長「門外より入り込んだ俺には、ここから出る術はないと言う事だ」
女隊員「――っ!?」
隊長「ましてや無理矢理コイツの結界をブチ破って現実世界に戻ってきたんだ」
男隊員「ふ……ざけんなよっ! だったらアンタは最初から助からないと分かってて――」
隊長「言っただろ。俺はもう死んでいる。終わった人間なんだよ」
天才「だからテメーはわざわざ、根暗ヤローから人形を借りたって事か」
ウォッチマン「ウルサイウルサイッ! まとめてさっさと死ねヨッ! 死ね――」
ガシッ!!
ウォッチマン「――ッ!!」
天才「黙ってろよクズが。もうちょいしたら軽くブチ殺してやるからよ」グイッ
隊長「分かったのなら……早く行け。チンタラしているとお前らまで下敷きになるぞ」グググッ
男隊員「……っ」
女隊員「隊長ぉ……」
隊長「早く……行けと言っている。俺からの……頼みだ」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/03/23(金) 18:23:00.73 ID:2FRVhCnpo
それではキリよくここまでにて失礼致します!
また後で来れたら来ますね!週末もノンビリですがよろしくです!ノシ
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/23(金) 18:28:29.49 ID:/JOPt/CDO
いちょつ
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/03/23(金) 18:57:53.24 ID:qF2O6A/oo
ちょつ
・・・なんか一瞬、ベルゼブブの姿があったような気がするけど
たぶん気のせいだろう、うん
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/23(金) 18:59:35.23 ID:aNE9n7jDO
魔道士ちゃんが自画自賛してた気がしたが、そんなことはなかったぜ!
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/23(金) 19:09:01.48 ID:f7tPILvho
乙
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/23(金) 19:46:00.71 ID:tuBuZamIO
ベルゼたん出たがりだからな!
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/23(金) 20:23:35.73 ID:wbGDo9Sv0
おっつっつ
召喚士も魔道士ちゃんもお互いのこと大好きだなオイ
リア充爆発しろ
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/03/23(金) 21:12:48.87 ID:YVeXYnW0o
おつ
魔剣士の顔色が変わらないのはアンデッドだからでは・・・
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/23(金) 23:20:03.27 ID:zgUHAdLIO
天才がその台詞を言うと初登場の頃を思い出して胸熱。
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/24(土) 02:32:27.68 ID:YhTPDGDR0
>>1
おつ
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/24(土) 05:50:39.32 ID:XwXwSf3DO
>>1
乙!
新スレおめでとうございます
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/24(土) 18:22:56.16 ID:BUx/ptMDO
やっと鯖エラなおったか
カモン
>>1
↓
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/03/24(土) 18:29:37.29 ID:m2LKi/pNo
__
/。 \
|ノ ゚|
ノ ゴ ハ
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/24(土) 19:54:03.41 ID:6JJtEyS1o
__
/。 \
|ノ ゚|
ノ ゴ ハ
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/24(土) 20:01:37.05 ID:kukzmqRlo
__
/。 \
|ノ ゚|
ノ ゴ ハ
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/24(土) 20:21:56.58 ID:o4XkWCPVo
黒き三連星である
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/24(土) 20:40:08.95 ID:vOgb52Xx0
>>38
-
>>40
ワロタ
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/03/24(土) 23:32:59.17 ID:NcIUqTXb0
この流れ久し振りだなと思ったらまさかの三連wwww
44 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/24(土) 23:54:53.50 ID:2D2LyeT1o
女隊員「そしたら隊長はっ、どうなるんスかぁ……」
隊長「……」
女隊員「隊長ぉ! 答えて下さいッスよぉ!」
隊長「……俺は」
女隊員「……?」
隊長「俺は、お前らに出会えて、本当に良かったと思ってる」
女隊員「――っ!!」
隊長「こんな俺を……ずっと慕って……」
男隊員「やめろ!!」
隊長「……」
男隊員「もうそれ以上喋らないでくれよ……なぁ」
隊長「男隊員……」ググッ
男隊員「それ以上……アンタの言葉を聞いてると……っ」
隊長「……」
男隊員「聞いてるとっ、別れが……辛くなんだろうがっ」
45 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/24(土) 23:55:31.22 ID:2D2LyeT1o
女隊員「何でそんな事、言うんすか!!」
男隊員「……」
女隊員「隊長の事っ、諦めるんスか!? あんたがいっつも言ってるじゃないッスか!」
隊長「……」
女隊員「隊長は生きてるって! 隊長は……必ず帰ってくるって!」
男隊員「……隊長は……死んだんだよ」
女隊員「……っ」
男隊員「会ってみて分かったよ。隊長は……もう、いないんだ」
格闘家「……っ」
女隊員「そんな……だって、現実に隊長は……」
男隊員「……『アレ』はもう、隊長なんかじゃねぇよ」
女隊員「本気で言ってんス――」ガシッ!!
格闘家「……行きましょう」
女隊員「……っ?」
格闘家「辛いでしょうが、最後は2人きりに」
46 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/24(土) 23:56:13.70 ID:2D2LyeT1o
女隊員「何言って――」
格闘家「1番辛いのは、あの人なんだと思います」
男隊員「……」
格闘家「最後の刻くらい、2人きりで別れをさせてあげましょう」
女隊員「……隊長おおぉぉ!!」
隊長「女隊員!」
女隊員「なんスかああぁぁ!!」
隊長「……早く、いい男でも捕まえろよっ!」
女隊員「――――っ!!」
隊長「じゃあな」
女隊員「余計な……お世話ッスよぉ!! 隊長ぉ!!」
格闘家「……行きましょう」
ボス「……っ」
ザッザッザッ……
隊長「……さて」
47 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/24(土) 23:56:46.25 ID:2D2LyeT1o
男隊員「……」
隊長「色々とありがとな」
男隊員「……なぁ、隊長」
隊長「ん?」
男隊員「俺は、あんたになれるかな?」
隊長「……無理だな」
男隊員「……だよなぁ」
隊長「お前はお前だ。俺なんかにはなれない」
男隊員「……」
隊長「お前は俺なんかより、もっと格好いいぜ」
男隊員「……っ」グッ
隊長「新しい時代にゃ俺みたいな男より、お前みたいな男の方が必要さ」ググッ
男隊員「んな事……っ」
隊長「俺は手を汚しすぎた。そういう連中は新世界には不要なのさ」
天才「……ああ、そうだな」
48 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/24(土) 23:57:20.74 ID:2D2LyeT1o
男隊員「そんなん、あんたらが決める事じゃねーだろ!」
隊長「決める事だよ。自分の引き際くらい自分で決める。それが男だ」
男隊員「……バカ……言ってんじゃねぇよ」
隊長「さぁ、もう終いだ。これで……全任務……完了だ」
男隊員「……隊長ぉ!!」
隊長「本当にありがとな。俺はお前を……弟のように……」
男隊員「俺だってっ、アンタの事を兄のようにっ!!」
隊長は何も言わず、ただにっこりと微笑んだ。
男隊員「ありがとうござい――――」
ドッズウウウウゥゥゥゥン!!
男隊員「――――っ!!」
砂時計の砂が全て落ち、止まった時間は動き出し、動いていた時間は止まった。
男隊員「……隊長っ、あんた……カッコよすぎるんだよ……くそぉ!!」
長きに渡り、国軍の為、人々の為に戦い続けた特殊遊撃強襲隊隊長。
今ここに、全ての任務を全うし、その生涯を終えた――。
49 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/25(日) 00:16:27.18 ID:PpygWM3Eo
……――
隊長『…………』
――『……ありがとうよ』
隊長『そうか。あんたは俺の……ご先祖様だったんだなぁ』
――『いい弟分じゃあないかい。優しくて強い』
隊長『ああ。自慢の弟さ』
――『最後の刻だって、自分が1番辛いのに、無理してあんな事を言っちゃってさぁ』
隊長『ありがたい事だ』
――『あんたもさ、ほーんと……頑張ったよ。ありがとうさんだねぇ』
隊長『俺は俺の任務を全うしただけさ。ま、心残りがないわけじゃないけどな』
――『あんたみたいな末裔が居て、あたしもちょっと救われたよ』
隊長『そりゃ、何よりだ』
――『……さぁて、そろそろ逝こうかねぇ。美味いサンドイッチでも振舞うとするよぉ』
隊長『ははっ。そいつは楽しみだな』
――……
50 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/25(日) 00:17:02.20 ID:PpygWM3Eo
カランッ……カシャッ
女隊員「うっ、うぐ……うぅ……っ!!」
格闘家「……強い人でした」
天才「ああ。俺様が知る人間の中でも、最も信頼出来る腕の1人だったよ」
男隊員「……」
天才「さーて。感傷に浸ってるとこ悪いが、コイツを始末せにゃならん」グイッ
ウォッチマン「ヒッ!」
天才「ジタバタすんな。すぐ楽にしてやるからよ!」ゴゴゴゴ……
ウォッチマン「ナメッ、ナメるなヨォーッ!!」グアッ!!
ボス「逃がすかっ! ヨルムンガン――」
ガシィ!! グググッ!!
天才「慌てんなよ。そう簡単に離すかってんだ」
ボス「……っ」
天才「なーんか知らんが、今の俺様は妙に力が漲っててなぁ!!」ググッ
ウォッチマン「ゲッ、ゲブゥ!!」
51 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/25(日) 00:17:53.18 ID:PpygWM3Eo
天才「あわよくばこのまま、ブチヒネリ殺しちまいそうな勢いだ」グググッ
男隊員「待ってくれ」
天才「……」
男隊員「そいつは……俺達にやらせてくれ」
天才「……ハーッハッハッハ!!」
女隊員「えっ、えぐ……っ!」
天才「元からそのつもりだバカヤロウ。さっさと片付けてやれ」
男隊員「……了解……っ」
ザッザッザッ……カシャッ
格闘家「それ……は……」
男隊員「……ったく、刃はボロボロ、ノコギリみてーなイビツな剣」
女隊員「……う……っぐ」ヨロッ
男隊員「この無骨な剣……まるで、本人みてーじゃねぇかよ」チャキッ
ウォッチマン「クッ、来るな来るな来るなクルナーッ!!」
男隊員「おい、まずはテメーのキッツイ1発……ブチこんでやれっ」
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage saga]:2012/03/25(日) 00:18:10.75 ID:/BsYZ8N1o
>>1
乙
これは、初代特遊を超えたんじゃないのかね 隊長イケメン杉だろ
53 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/25(日) 00:19:01.32 ID:PpygWM3Eo
女隊員「……了解ッス」
ズイッ ドズンッ!!
女隊員「覚悟……するッスよ」
ウォッチマン「お、おのれッ!! こうなったらァーッ!!」
女隊員「この一撃は……今今での何よりもっ、重い一撃ッスよおおぉぉぉぉ!!」
グアッ!! ズッドオオオオォォォォン!!
ウォッチマン「――――ッ」ゴシャッ!!
メキメキメキィ!! ググシャアアァァァァ!!
ウォッチマン「ギイアアァァァァーッ!! イッ、痛アアァァ――」
男隊員「一人前に痛がってんじゃねぇ。さっさとぉ……」
ヒュオッ!!
男隊員「死ねええぇぇぇぇーっ!!」
ズガッシュウウウウゥゥゥゥ!!
ウォッチマン「――――ッ」
男隊員「隊長への手向けだ。あの世でせいぜい詫びるがいい」スチャッ
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 00:38:10.61 ID:fp7ujfS/o
隊長かっこよすぎ
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/25(日) 04:55:36.02 ID:a05ShK0t0
>>1
おつ
隊長……
ウォッチマンまさかこれで終わりか
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 06:49:07.94 ID:ITi35RrDO
>>1
乙
>>52
氏ね
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 11:37:06.38 ID:jrgljIP2o
俺は
>>52
のためにも生きる
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 14:06:50.15 ID:iBesnE0DO
サゲサゲってどうやってすんの?立てたやつにしかできんのなら
>>52
は自演て事?
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage saga]:2012/03/25(日) 14:17:22.50 ID:NVJAY0UAO
目欄に「sage saga」って入れるだけ
誰でも出来る
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 14:21:38.74 ID:lSofa6zRo
サゲサゲ じゃなくて サゲサガ な
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 14:56:41.97 ID:KijFCuWIO
安定のモシモシwwww
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 16:28:46.36 ID:7kLrKhFu0
>>1
乙
なんとかぐわしい
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/03/25(日) 21:06:36.35 ID:RwZWmSj/o
何が起こってるんです?
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/25(日) 22:48:06.45 ID:OXL1JL+DO
>>63
春休みだ。
65 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:05:20.30 ID:uqySCMANo
〜六道門・餓鬼〜
西方司令「だああぁぁらっしゃああぁぁぁぁ!!」
南方司令「アアァァルティメットオオォォ! ジャスティスパアアァァァァンチ!!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
西方副司令「あ、あの2人……どうして動けるの……っ」グググッ
皇太子「気力の問題だろうな。あれは人として1つ上の壁を越えている」
南方副司令「超人ってやつだな」
大軍師「しかし貴方達とて気負いしているとは思えませんが」
エリート「……当たり前だ」ググッ
大軍師「宜しい、流石です。良いですか? よーく耳を澄ませ、心を落ち着かせて下さい」
青年兵「……」
大軍師「聞こえてくるはずですよ。この響き渡る音楽の向こうから、大勢の声が」
西方参謀「……声?」
大軍師「そうです。貴方達の無事を願い、祈りを捧げる人々の声が聞こえるはずです」
皇太子「……おぉ」
66 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:06:00.19 ID:uqySCMANo
詩人の演奏は延々と続く。奏でているのは手持ちの小さなハープだけのはすだが、
不思議と魔王城……いや、北の大地全体に広がる音楽にはまるでオーケストラのように、
打楽器、弦楽器など、そして合唱までもが1つとなり人々や魔物の耳を潤す。
ベルゼブブ「……」
魔王はその音色が魔族だけではなく、人間に対しても力を与えるものだと分かっていた。
分かっていたが止める事はなかった。それは自身の為でもなければ人間の為でもない。
演奏を中断させる事が詩人に対しての無礼であるからだ。
詩人「……っ」
しかし魔王より発せられる威圧に、詩人は喉元に短刀を突きつけられたような感覚であった。
それでもなお、詩人は演奏を止める事はない。ベルゼブブが止める事もない。
演奏が終わる時は舞台が閉幕の時。自身に言い聞かせ、詩人は再び、平静さを取り戻した。
…
ジュニア「……う……ぐくっ」ヨロッ
賢者「……ここは……ふぅ」
ジュニア「どうやら……魔王城の内部みてぇだな……っ」
67 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:06:27.52 ID:uqySCMANo
〜北方、川中島〜
白馬騎士「戦況はっ!?」
華国兵「左右、よく持ち堪えておりますが、一角にて壊滅した部隊もあるとの事っ」
白馬騎士「厳しいな。魔王城にはすでに突入しているのだ。あと半日程度でも持ってくれれば……」
華国兵「我らも出ますか?」
白馬騎士「そうしたいのは山々だが、それはならぬ。此処が落ちれば全軍潰走は必死」
華国兵「……っ」
白馬騎士「信じるしかあるまい。同胞を……」グッ
魔王城内にて交戦が開始された頃、外部では一進一退の攻防が繰り広げられていた。
魔王軍の思惑は至極明解。死地である北を突破し、南下する事ただそれだけ。
これは魔王を見限ったわけではない。最早、魔物らに帰るべき場所などないのだ。
防衛を命じられていながらも魔王城への侵入を許してしまった事については、
撤退しようが追跡しようが手遅れ。勝っても負けてもその先に残るものは死あるのみ。
ならばひとまずは安寧の地へ落ち延びるのが最良。魔王軍の半数近くがそう考えていた。
では残る半数はどうか。それははっきりと二手に分かれるものとなった。
68 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:07:06.44 ID:uqySCMANo
ドドドドドド……
コボルト「も、もうダメだ……っ。人間に投降しようぜ……!」
ゴブリン「ああ。もう勝ち目なんてねぇだよ――」
ザシュウウゥゥ!!
コボルト「――ッ!?」
オーガ「貴様ラァ! 敵を前にシテッ、逃亡するカァー!」ゴゴゴゴ……
コボルト「ヒッ、ヒイィーッ!!」ザシュッ!!
オーガ「まだダッ、まだまだこれからヨオオォォーッ!」
ガゴオオォォォォッ!! ビリビリビリッ!!
足軽「敵だぁーっ! 今今でのよりも大きいぞぉー!」
帝「ええいっ、何とか食い止めよ! 進ませるでないぞっ」
名代「天狗っ、上空より奇襲を仕掛けるのだっ!」ゴウッ!!
王子「維持でも食い止めろっ! そこを突破されればもう防衛線はないぞ!」
西国兵「スフィンクスを前へ――」
オーガ「マダマダァッ、俺はヤルゾオオォォ!!」
69 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:07:42.79 ID:uqySCMANo
ドッゴオオォォォォン!!
西国兵「駄目だぁ! 何だコイツはぁ!?」
オーガ「ガオオォォォォ!!」
北方兵「電撃をまとったオーガの亜種だ! 俺達じゃあ勝ち目はない……」
オーガ「アオッ! アオッ!」ギュルルルッ!!
足軽「回転して突っ込んできたぁ!」
本国兵「あっ! そこのワーカー! んなとこでしゃがんでると危な――」
ザザッ!!
??「サマソオオオオォォォォ!!」ドッギャアアァァァァ!!
オーガ「アオウッ……アオウッ……アオウッ……」ドシャッ
??「くにへかえるんだな。おまえにも かぞくが いるだろう……」
王子「何者だ……?」
北方兵「……あ、あれは……っ!!」
帝「新手の『わーかー』……存じておるのか?」
北方司令「ま、まさか……UFRの……嘘だろっ、マジかよ……ははっ!!」
70 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:08:26.13 ID:uqySCMANo
チャンプ「……ふーっ」ファサッ
北方兵「チャンプだぞっ! あのチャンプが援軍に来てくれやがったんだ……っ!!」
国軍兵「マ……マジかよっ! こりゃスゲェ助っ人だ……っ」
北方兵「チャンプがいれば百人力……いやっ、万人力だ!」
チャンプ「…………」
オーガ「グルウウゥゥッ、まだじゃあ……ラウンド2じゃアアァァ!!」
チャンプ「ヘイッ、いつでも来るがいい!」ザッ
帝「あの者、大丈夫か!? しゃがみ込んだが危ないのでは……?」
北方兵「いやご心配なくっ! あれがチャンプの真骨頂ですから!」
帝「……そうか。ならば奴はあの者に任せ、我らは他の敵を押し返すぞ!」
ワーカー「チャンプだけじゃねぇっ! 北のワーカーの力ぁ、みせてやれぇ!!」
ドドオオォォォォ……
西国兵「か、かなりの数だな……っ、まだあんなにも戦力が残ってたのか……」
王子「あれは北の港とその街道を守っていた連中だな。変局を受けて救援へ駆けつけたのだろう」
ワーカー「いけいけいけぇ!! 北は俺達の故郷であり全てなんだっ! 守り抜くぞぉー!」
71 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:09:05.87 ID:uqySCMANo
ギュルッ!! バチバチバチイイィィ……
オーガ「ギャオオォォォォーッ!!」ギュオッ!!
チャンプ「甘いっ!! サアアァァァァ――」
スカッ
チャンプ「――――っ!!」
オーガ「空ぶりやがったアアァァ! バカがッ、死ねエエェェ!!」
ドッガガアアアアァァァァ!!
オーガ「ギアアアアァァァァ!!」バリバリバリッ!!
チャンプ「!?」
――「死ぬのは君の方だ。自らの電撃で感電するがいい」
オーガ「ゴ……ッハァ……ッ――」ドシャッ
――「……大丈夫かい?」スッ
チャンプ「……あ、ああ」ググッ
マーメイド「うまく感電させられたわね、サモナー」
サモナー「ああ。彼にとって僕は、最悪の相性だったようだね」ザッ
72 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:09:33.11 ID:uqySCMANo
〜一夜城〜
白馬騎士「北側が持ち直した!? よし……っ、防衛を南へ集中させるのだ!」
華国兵「しかし、何故……急に持ち直したのでしょうか?」
白馬騎士「考えられるとするならば……援軍か?」
――「その通りです」ザッザッ
白馬騎士「おぉ、貴方は……っ!」
参謀「北方司令部全軍、最北の村の屯田兵、及び北の港のワーカーらを全て前線へ投じました」
白馬騎士「そうでありましたか」
参謀「これで背後は空。もうここで全てを終わらせるしかありません」
白馬騎士「背水の陣、というわけですな」
参謀「……さて、まずは怪我人の手当てをお願いします」
白馬騎士「……?」
ドクター「医療器具を運び込め。重傷者から優先的に手術を行う!」
白馬騎士「あの方々は?」
参謀「有志です。彼らは本国の誇る、一流の医師団ですよ」
73 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:10:10.33 ID:uqySCMANo
ドクター「先に消毒と殺菌だ。手術は5チームに分けて行います!」
看護士「了解です。怪我の軽い者は別室へ移動して下さい。そちらで手当てします」
華国兵「それにしても……有志たって、あんな数……」
老医者「あのドクターって方はな、ちょっと奇特な人でね」
華国兵「……?」
老医者「若い頃から世界各地を回って、ボランティアで治療活動を続けてなぁ」
白馬騎士「……っ」
老医者「それに感銘を受けた連中が、各地でこういう有事の為にスタンバってたのさ」
白馬騎士「成程……っ」
老医者「しかも当の本人は、本国が誇る大病院の院長だってんだから大したモンだよなぁ」
華国兵「……す、凄い奴も居たもんだな……っ」
白馬騎士「ともかく、これで負傷兵も九死に一生を得たかな」
老医者「さぁ、アンタらも気張ってきな。怪我したら俺らがある程度は何とかしてやらぁ」
華国兵「あ、ある程度ってなぁ……」
白馬騎士「後詰めが来た事で此処の兵は充実した。我らは……打って出るぞ!」ザッ
74 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:10:52.68 ID:uqySCMANo
〜川中島、南側〜
伝令「第23小隊、及び41小隊、43小隊、76小隊、85小隊、88小隊壊滅です!」
騎士長「情けない……っ。それでも国軍か!」
バーテン「まぁ仕方ねぇさ。昔とは環境が違うんだよ」シュボッ
左翼長「悠長な事をヌカしてる場合じゃねぇぞ。相当数、南へ抜かれちまってんだ」
戦士父「心配はない」
左翼長「……?」
戦士父「北関はそう簡単に落ちん」
騎士長「そりゃそうだけどよ……」
戦士父「それに北関には奴がいる」
バーテン「まぁ、お手並み拝見といこうじゃねぇか。親父譲りの守戦をよ」プカー
左翼長「それしかあるまい。どのみち、こっちにゃ回せる兵なんざいねぇんだしな」
騎士長「出来る事と言えば、1匹でも多くの魔物を北関に向かわせぬ事か」スチャッ
左翼長「さぁ、もう一仕事……行くぞ!」
戦士父「了解」ザザッ
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/03/26(月) 18:11:11.48 ID:qd0fzZQl0
お兄様何故ここにwwwwww
76 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:11:27.13 ID:uqySCMANo
〜北関〜
ドドオオオオォォォォ
北関兵「囲まれておりますっ! かなりの数になりそうですよ……っ」
将軍「うろたえるな、どうせ結界石で侵入は出来んのだ」
ボス「しかしだな、飛行タイプが来たら突破されちまうでゴワスよ?」
将軍「何のためにこの備えがあるかっ。恐れるに足らずよ!」ズラッ
親衛隊長「グレートなカタパルトの数ですねぇ」
局長「おい、早く魔物を何とかしてくれ! 次の物資が輸送出来ないじゃあないか!」
将軍「分かっておる! 焦るでない、焦れば負けるぞ」
剣士長「しかし、これではどうにも出来ませぬぞ」
将軍「我らの任務を忘れるな。我らがすべき事は敵の殲滅ではない。北関を守る事だ」
海峡兵「そうだ! 黙って大人しくしてやがれっ!」
剣士長「何ぃ!?」
将軍「揉め事はよせ。一丸とならねば綻びが生じるぞ」
北関兵「魔王軍っ、来ます!」
77 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:12:40.76 ID:uqySCMANo
ズドドドドオオォォォォ……
将軍「壁は結界石で守られておるっ! 気にせず門だけ集中して守るのだっ!」
弓兵「一斉射撃ぃ! 放てぇ!」バシュシュシュッ!!
北関兵「左翼っ、手薄になってんぞぉ!!」
ボス「任せておくでゴワス!」ダッ
将軍「正面っ、魔道兵を集結させ、一斉に援護と攻撃を仕掛けよ!」
北関兵「魔王軍っ、後退しております!」
将軍「ようし、弓兵……撃ち方やめっ。各隊も攻撃を中断し、補給に入れ!」
剣士長「なんて手際だよ……っ」
海峡兵「分かったかい? 臆病と罵られようが、これが俺達……海峡兵の戦い方さ」
剣士長「……っ」
将軍「拠点防衛は慣れたもの、いや……それしかしてこなかったからなぁ」
海峡兵「そうですね。当時は結界石も皆無な最前線で……よく踏ん張ったもんですよ」
将軍「感傷に浸るにはまだ早いぞ。次の攻撃に備えよ」
海峡兵「了解でありますっ!」バッ
78 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:13:30.04 ID:uqySCMANo
ゴッゴオオオオォォォォ……
魔道兵「撃てぇーっ!!」
北関兵「……ん?」
海峡兵「どうした?」
北関兵「後方から……何か来る……?」
海峡兵「へっ?」
キュイイィィィィ……バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
北関兵「ぐわ――――」
ガッカアアアアァァァァ!! ズドオオオオォォォォン!!
海峡兵「……お、おい……っ」
剣士長「何が起きたぁ!」
海峡兵「わ、分かりません……っ。いきなり光が……攻撃――」
バシュッ!! ズッドオオオオォォォォン!!
剣士長「……ちぃ!!」ババッ
弓兵「正面後方っ、大型の魔物が放っている模様っ!」
79 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:14:09.88 ID:uqySCMANo
将軍「何だっ!」
弓兵「分かりません……っ。ドラゴン……なのか?」
将軍「……っ」
タッタッタッ……カンカンカンカンカンッ
将軍「……何だ……あれはっ!!」
勢いよく塔へ駆け上がり、後方から迫る魔物を目撃した将軍はその姿を見て同様を隠せない。
ドラゴンのような魔物が地べたを這いずりながら腐敗したような体でゆっくりと迫っている。
黒々とした皮膚は溶け落ち、両翼も穴の空いた傘のように破れ、骨が見え始めていた。
将軍「アンデッド型の……ドラゴンっ!!」
海峡兵「ババっ、バケモンだ……っ!!」
ドラゴンゾンビ「グッゴオオオオォォォォーッ!!」
親衛隊長「……クレイジーだ……っ」ゾクッ
ドラゴンゾンビ「……ブハアアァァ!! コロス……皆殺しデス……!!」
海峡兵「し、喋ったあぁ!!」
将軍「何なのだ一体……っ」
80 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:14:40.40 ID:uqySCMANo
ドズウウゥゥゥゥン!!
将軍「北関へ張り付かれる前に迎撃するぞ!」
海峡兵「バリスタぁ! 装填っ!」
魔道兵「合体魔法が撃てる者は、あのバケモノに集中攻撃しろ!」ザッ
剣士長「いいかっ、連中が攻撃している間……他の雑魚は俺達で牽制するんだ。いいな!」
北関兵「了解っ!」ジャキッ
将軍「攻撃……開――」
ガゴンッ!! ギイイイイィィィィ……
海峡兵「門が……開い……」
ザッザッザッザッザッ……
将軍「お、おいっ!! 何をしている!!」
ザッザッザッ……
将軍「死ぬ気かぁ!!」
ザッ
女侍「こんな所で死にゃあしないよ。……イヌの為にもねぇ!!」チャキッ
81 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:15:07.02 ID:uqySCMANo
将軍「……っ」
剣士長「何者だ、あの女は!!」
北関兵「分かりませんっ。ワーカーのようですが……っ」
ザッザッザッ
女侍「アンタ、さっきの魔物が入り込んでるんだろぉ?」
ドラゴンゾンビ「ゴ……オオオオォォォォ……ッ!!」ズズズズッ
女侍「アンタのクッサイ臭いがプンプンしてさ、すぐに分かるよ……下衆野郎っ!」
リッチ「……ククッ! さっきはよくもォ……ヨクモオオォォ!!」
女侍「お前だけはこのアタイの手で――」
ザザッ
サル「……なーに1人でカッコつけてんだよっ」
キジ「悪いけど、イヌの仇を討ちたいのは、お頭だけじゃないさー」
女侍「お前ら……っ」
サル「帰ったと思ったかい? 甘いっつ〜の! ん〜ふふふふっ!」
キジ「さぁ、イヌの仇討ちさー! お頭っ、行くさー!」ザザッ!!
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/03/26(月) 18:16:00.92 ID:uqySCMANo
本日ここまでにて失礼致します!
いつもご支援ありがとうございます!本当に感謝!
それではまた明日!さようなりー!ノシ
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/03/26(月) 18:18:00.66 ID:oqsG0NFho
サマーソルトおつ
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/26(月) 18:21:32.57 ID:oQcuA6GDO
マジでガイルvsブランカ入れおったww
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/26(月) 18:22:35.07 ID:2a0/X68DO
>>1
おつ
>>75
はしね
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(青森県)
[sage]:2012/03/26(月) 18:29:06.61 ID:S1r37BM8o
>>1
乙
更新中に書き込むやつなんなんだよ
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage saga]:2012/03/26(月) 19:41:24.24 ID:9z7+gglao
>>1
乙
気にすんなよ。ガンになるぞ。
you win!!はお預けだったな。
チャンプおまけからはるばる参戦w
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/26(月) 20:10:04.33 ID:h+2ytccs0
>>1
おつ
チャンプでにやにやしてしまったww
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/26(月) 20:56:54.31 ID:fNnTKVO/o
ドラゴンゾンビ 闇
攻撃翌力1600
守備力0
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/26(月) 22:18:54.89 ID:w1WPbcd90
>>1
おっつっつ
いいねえ総力戦だねえ
本編が楽しみだ
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage ]:2012/03/26(月) 22:24:47.49 ID:4G7S6mx6o
>>86-87
これだから春厨は
たまには仕方ないだろうに、そこまで目くじら立てなさんな
そして、サマソゥ乙です
って、待ちガイルで吹いたわwww
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/03/26(月) 22:48:10.66 ID:2XIDr10AO
>>75
更新中にレスを挟むなよ
>>85-86
みたいに不快に思った訴えのレスが付いて荒れてくんだから
気をつけろ
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/26(月) 23:13:56.30 ID:gItUgeCSO
サモナーさんがかっこよすぎるwwwwww地味だけど…
それにしても、まさに総力戦見せ場が多くて困るよ1乙
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/26(月) 23:21:55.14 ID:mYEUe+/DO
ボスって特遊にいるよね?
ゴワスは番長だっけ?
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/03/27(火) 01:23:28.85 ID:LSmQ0K3AO
>>1
おつ
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
:2012/03/27(火) 01:44:05.54 ID:otQMyLt/o
新参が自治してんじゃねえよ
初期からいるやつだけ意見しろや
大方まとめから流入してきたゴミクズだろ
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/27(火) 03:30:10.44 ID:u7mbJq2co
>>96
わかったからsageなさい
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/03/27(火) 06:18:24.44 ID:Wgh1nuLUo
何が起こっ(ry
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/03/27(火) 07:10:48.49 ID:4VLKGVLAO
最初期からいる癖に自治しましたwwwwwwww
サーセンwwwwwwww
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/27(火) 08:00:18.76 ID:IfPYhOBDO
>>96-97
ワロタww
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/27(火) 08:41:04.47 ID:U214AxI/0
>>96-97
クソワロタ
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2012/03/27(火) 08:50:58.21 ID:I49qeDCJo
>>98
春y(ry
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/27(火) 08:59:28.19 ID:/NqVfMW+o
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329994650/
無駄に埋めてないで雑談スレあるから使おうか
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
:2012/03/27(火) 12:47:25.13 ID:otQMyLt/o
新参祭り
sageなさいとか・・・・
105 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/27(火) 18:11:53.73 ID:IxiS7zjWo
リッチ「クァーッハッハッハ!! 貴様等に何が出来るウウゥゥ!!」
ドウンッ!! ズオオォォォォ!!
リッチ「先程の借りはアアァァ、ここでキッチリと返させて貰いますよオオォォ!!」
女侍「アンタさぁ、粋じゃないんだよ」
リッチ「アァーッ!?」ゴアッ
女侍「家来を盾に戦ったり、拠り所を得て虚勢を張ったりさぁ」
リッチ「何をゴチャゴチャとオオォォォォ!!」
女侍「ネチネチネチネチ、カビ臭いって言ってんだよっ!」ザシャッ
キジ「サルっ、援護するさー!」
サル「分かってらい!」
ザザザザッ ババッ!!
サル「おーらよぉ!!」ボッフウウゥゥゥゥン!!
リッチ「煙幕などとッ、小賢しい!」
サル「ん〜ふふふふっ。小賢しいのが俺の仕事なんだよねこれ」
リッチ「……居ないッ!?」
106 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/27(火) 18:12:30.42 ID:IxiS7zjWo
サル「残〜念っ。後ろ後ろ」
リッチ「しま――」
ブンッ!! バシャッ!!
リッチ「……?」
サル「まだまだいくぜぇっ!」
リッチ「何……だっ、これは……」
サル「な〜んだって……必殺、水風船乱舞よっ」ポポポポイッ
リッチ「……愚弄するかァ!!」ゴアッ
サル「キジっ!」
キジ「あいあいさー!」
ドドオオオオォォォォン!! ガッカアアァァァァ!!
リッチ「――――ッ」バチチイイィ!!
サル「頭使って考えなって。たーだ水風船でお遊びする状況じゃないだろうがっての」
リッチ「ガ……ガカ……ッ。感電させる為に水を……」
サル「いちいち言わんでもいいっつの。こっちが恥ずかしいだろ!」
107 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/27(火) 18:13:03.94 ID:IxiS7zjWo
ザンッ!! フォンッ
リッチ「……?」
突如の事にリッチは驚きの表情で、地面へ落ちる斬り落とされた尻尾を見つめた。
リッチ「な……ッ」
女侍「次はどこがいい? ソコかい? アソコかい?」チャキッ
リッチ「何が起きたのだッ、どうして尾が切れて……」
ヒュバッ!! ザシュウウゥゥゥゥ!!
リッチ「どうしてダメージが与えられるウゥ! アンデッド……不死なのだぞオォ!!」
女侍「だから何だってんだい」ザシュッ!!
リッチ「……何故だッ、何故エエェェ!!」
女侍「不死だろうが何だろうがっ、アタイの敵だって事に代わりはないんだよぉ!」
ズバッシュウウゥゥゥゥ!!
リッチ「!?」
女侍「さぁ、覚悟しなっ!!」ザシュッ!!
リッチ「そうか……ッ。貴様その剣……2本を!!」
108 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/27(火) 18:13:34.98 ID:IxiS7zjWo
女侍「不思議なモンだねぇ。魔剣はともかくとしてさ」
チャキッ
女侍「三日月宗近……不思議な力を感じるよ」
サル「呪いとかいうやつはもう平気なのか?」
女侍「ああ。さーて、次で決めようじゃないかい」スチャッ
キジ「全力で援護するさー」ゴゴゴゴゴゴ……
サル「しっかり決めてくれよぉ!」ゴゴゴゴゴゴ……
リッチ(……理解出来ないッ。個々では大した力もないくせに……ッ)
女侍「はああぁぁーっ!!」ダンッ!!
リッチ(こいつ等の底力は何なのだッ。何がそんなにも……力を与えているというのだッ!)
――『……それが、人の力ね』
リッチ「――ッ!!」
女侍「剣聖流裏奥義っ、隼……改!!」
二刀抜刀術。頭上より高速回転をかけ、そのまま左右の刀を鞘から迸らせる。
巨大な鋏のように襲い掛かる魔剣と聖剣はドラゴンへ憑依したリッチへと振り下ろされた。
109 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/27(火) 18:29:00.10 ID:IxiS7zjWo
リッチ「ガアアアアァァァァーッ!!」
キュイイィィィィ……
サル「させっかってのぉ!!」
口内より閃光を撃ち放とうとするリッチに対し、サルは両手一杯の玉を取り出した。
サル「粘着水風船!!」
全ての玉はリッチの口内へとめがけ放たれる。それらが粘り気をもちながら、
リッチの閃光を消化し、発射を未然に防ぐ。
キジ「1秒くらいは、大人しくしてるさー!」
ドドオオオオォォォォン!! ズガカアアァァァァ!!
キジの放つ雷の魔法によりリッチは生涯最後の動きを止めた。
そこへ二刀が一瞬の内に通過し、巨大なドラゴン型の首を斬り落とした。
ズッギャアアアアアァァァァ!! ズザザアアァァ
リッチ「人……の、力……ッ――」ドッズウウゥゥゥゥン
サル「……終わったな」
女侍「ああ、私怨はこれで終わりさね」
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/03/27(火) 18:31:44.01 ID:IxiS7zjWo
沢山のご支援を頂いたにも関わらず今年1番の忙しさという悲報…
実に申し訳ないです。帰宅後更新出来たら書きますので!
北方司令→北方兵
北関:ボス→番長
毎度の事ながらごめんなさい。それでは失礼致します!ノシ
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/27(火) 18:34:43.65 ID:u8t9jLtDO
>>1
乙
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/27(火) 18:34:49.74 ID:Tj6fIbOeo
乙
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/27(火) 19:01:02.78 ID:FVRMk/5C0
>>1
おっつっつ
誤字・脱字・誤変換はご愛嬌
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/27(火) 19:54:33.58 ID:W3SkqLWZo
>>1
乙
お前らがみんな魔導師ちゃんの人になればこんな不毛な争いも起きないであろうに…神はなぜ人に個性を持たせたのか
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/03/27(火) 19:56:20.34 ID:I49qeDCJo
魔導師ちゃん(64)とか懐かしいなあ
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/03/28(水) 01:04:02.91 ID:lPTtQw2AO
>>1
おつ
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/28(水) 04:39:21.75 ID:rbeJ+rbX0
いちおつ
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 07:29:40.48 ID:0s+Cn6rIO
久々の魔導師キタコレwwwwww
119 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:55:20.20 ID:b8zFwjCTo
ザッ
キジ「トドメ、差さなくていいさ?」
サル「コイツぁ、アンデッドだろ? だったらトドメは俺達にゃ差せねーさ」
ドドッドドッドドッ……
将軍「……たったの3人か……っ」
サル「国軍さんよぉ、今更のおでましかい?」
北関兵「馬鹿者っ! お前らが勝手に出たんだろうが」
サル「ん〜ふふふっ。それもそうだぁな」
将軍「まだ完全に死んではおらんな」
女侍「あとはアンタらの仕事だろ? 任せたよ」
将軍「うむ。おい、結界石を用意し、この魔物を閉じ込めておけ」
北関兵「了解です」
将軍「これで再び日が昇れば、自然と消滅するであろう」
女侍「頼んだよ」ザッ
キジ「お頭、どこ行くさー?」
120 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:55:58.82 ID:b8zFwjCTo
女侍「言ったろ? 私怨は終わったさね」
サル「……おいおいっ、まさか」
女侍「こっから先は、アタイら以外の為に頑張ろうじゃあないか」
サル「はぁ!? 自分が何を言ってるのか分かってんのか!?」
キジ「お頭の気持ち、少し分かるさー」
サル「何がだよっ」
キジ「ここ最近、国軍と一緒に戦ってきて思ったさー」
将軍「……?」
キジ「国軍はもう、昔みたいな弱い者を切り捨てるような連中じゃないさー」
女侍「……」
キジ「それに、イヌが死んで初めて分かったさ」
女侍「人ってのは、自分1人じゃあどうにもなんないさねぇ」
サル「そりゃ……」
女侍「色んな人間に支えて貰って、助け合って、初めて成り立ってるんだねぇ」
将軍「その通りだ。君達だって分かっては居たはずなのだ。ただ向き合わなかった」
サル「でもよっ、イヌの仇討ちは終わっただろ? 俺達の仕事はもうここまでだぜ?」
将軍「確かに君の言う通りだ。君達は依頼をかけたワーカーではない。もう……」
キジ「さっき、いつもじゃ考えられない力が発揮できたさ」
女侍「サル、あんただって感じたはずだよ」
121 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:56:41.28 ID:b8zFwjCTo
サル「……っ」
女侍「あの後押しは、あいつのモンだったさね」
サル「ちっ」
女侍「別に誰かを助ける為にやろうってんじゃない。自分達の為にやるのさ」
キジ「そうそうっ。小悪党が死んだらお宝盗めないし、肉やが死んだら肉が食えなくなるさー」
将軍「ふははっ。それで良い、人は1人では生きてゆけぬ。必ず誰かが必要なのだ」
サル「……」
女侍「その為に戦うのさ。サル、強要はしないよ。好きにしな」
将軍「取り込み中すまんが、そろそろ北関に戻らねばまずい。包囲され始めておる」
北関兵「奴ら、さっきの魔物が仕留められたのをみて、正面から右翼へ回り始めております!」
将軍「すぐに兵を回せ! 右翼は手薄のはずだっ!」
北関兵「ははっ!」ザザッ
将軍「……と言うわけだ。すまぬが君らも、右翼へ回って貰えぬか?」
女侍「ああ。それじゃ行こうかねぇ、キジ」バッ
キジ「了解さー」
122 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:57:13.72 ID:b8zFwjCTo
ザッザッザッザッザッ……
将軍「……君もすぐに避難したまえ。では失礼するぞ」ドドッ
サル「……っ」
タッタッタッタッタッ……
キジ「右翼って東側さー?」
女侍「だろうねぇ。ほら、見てみなよ」
キジ「……凄い数ね」
女侍「森側から来た連中と合流したんだろうねぇ」タタッ
キジ「2人でやれるさー?」
女侍「ははっ! そりゃあアタイらでも、ちょーっと無理な話さねぇ」
キジ「でも、やるしかないさー」
女侍「援護しなっ! このまま突っ込むよぉ!」
ダァンッ!! ザザザザザザッ
スケルトン「な、何だァ!? 人間……ッ」
女侍「やるべき事はやったんだっ、この命尽きようとも……悔いはないねぇ!!」ザシャアァ!!
123 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:57:52.79 ID:b8zFwjCTo
〜六道門・修羅〜
ウォッチマン「ァ……ゥァゥ」ズシャッ
天才「ご苦労。あとは任せとけ」
格闘家「師匠……?」
天才「ゴミ掃除はお前らの手で済んだんだ。あとのゴミ捨ては俺様に任しとけ」
ボス「まさかっ、五行を……」
天才「んなワケねーっつの。俺様、このあと魔王ちゃんと戦うんだぞ?」
女隊員「……だったら尚更、私らがやるッスよ」
天才「門は開いたんだ。お前らの任務はココまで」
男隊員「……」
天才「この先は魔王とダンスを踊る、招待券を持った選ばれた奴だけが入れるお・部・屋」
格闘家「意味が分かりません」
天才「うるせーな。とにかく、テメーら足手纏いだからここまででいいって言ってんだよ」
格闘家「いくら何でも、そこまで劣っているとは思えませんが――」ガシッ
男隊員「行くぞ」
124 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:58:31.41 ID:b8zFwjCTo
格闘家「……?」
男隊員「それじゃ、あとは任せましたよ」
天才「おーう。任された」
男隊員「我ら特遊はこれより、本陣へと戻り、現状の報告を任務とする」
格闘家「隊長」
男隊員「命令だ。黙って従え」
格闘家「……」
男隊員「では、ご武運を」
天才「おう」
ザザッ タッタッタッタッタッ……
女隊員「何を簡単に引き下がってんスか!」タッタッタッ
格闘家「同意見です。納得いきません」タタタッ
男隊員「相手はアレだぞ。駄々こねて通ると思ってんのか?」
ボス「で、では……っ」タッタッタッ
男隊員「総司令は紛れもなく天才だ。悟られんように折を見て引き返すぞ」
125 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:59:00.11 ID:b8zFwjCTo
ドドドドドドオオォォォォ
天才「……邪魔者は消えて、2人っきりだな」ザッザッ
ウォッチマン「……ッ」
天才「とは言え、縦真っ二つの上に頭も吹っ飛ばされてちゃ、返事も出来ねーか」
ウォッチマン「……ォ……ァ」
天才「さーて、まずは……」
キュイイイイィィィィ……ゴゴゴゴゴゴ……
天才「ゴミ掃除から終わらせねーとなぁ」ギロッ
ウォッチマン「……ゥ」
天才「何? 五行は使わない? ああ、ありゃ嘘だ」
ゴゴゴゴゴゴ……
天才「俺様もそれなりに資料を見ながら研究やらはやってんだ」
ウォッチマン「……ッ」
天才「知ってっか? 国軍本部にゃ総司令を含む、ごく一部の人間しか入れない部屋がある」
ザッザッ……ザッ
126 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 17:59:29.30 ID:b8zFwjCTo
天才「その部屋はな、表にゃ出せないような古〜い書物が一杯並んでてなぁ」
天才「その中には大昔に魔法の研究を行ったなんてモンもあるわけだ」
天才「確か、五行を放つと完全消滅して、地獄での蘇生も無理なんだよな?」
天才「魔法ってのは色々と不思議なモンで、人間はワケも分からず使ってる」
天才「まぁ便利だし何ら副作用もねーからな。そりゃこぞってバンバン使うわなぁ」
天才「四行だと魂っつーの? 精神は消滅しないが肉体が消失し、地獄へ逆戻りってわけだ」
天才「ちなみに人間へは五行は通用しない。だが、四行は通用する」
天才「それが、表に出せねぇ書物に記載されてる『研究結果』だ」
天才「何が言いたいかって? 五行の仕組みなんざd−でもいいんだよ。だが……」
キュイイイイィィィィ
天才「この地上はおろか、地獄にすら存在を残したくねー魔物には、使うっきゃねぇって事だ」
ズゴゴゴゴゴゴ……
天才「この、五行をなあぁ!!」
ガッカアアアアァァァァ!!
天才「さっきから流れる音楽のお陰だろうけどよ、魔力が湧き上がってしょうがねぇんだ」
127 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/28(水) 18:00:01.07 ID:b8zFwjCTo
ゴッゴオオオオォォォォ……グラグラグラ
女隊員「な、なんスかこの揺れ……っ」
男隊員「……五行使いやがったな」
格闘家「……!?」
男隊員「かと言って、俺らが心配したところでどうしようもないけどな。ヒャハハ」
ボス「それで、まずはどうしますか?」
男隊員「まずは正面まで戻り、城外の様子を確認しつつ、報告を済ませる」
格闘家「……了解」
男隊員「状況次第では城外の戦闘に参戦するが、問題なさそうだったら……」
女隊員「戻るんスね?」
男隊員「但し、魔王との交戦は当然ながら許可しない。いいな?」
ボス「とてもじゃないっすけど、魔王と戦おうなんざ思いませんよ……っ」
男隊員「何の為に戻るのか、しっかり理解しとけよ」
女隊員「へっ? あ、はいッス!」
格闘家「……」
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/03/28(水) 18:16:12.64 ID:b8zFwjCTo
結局昨日は来れなかった&今日も牛歩ですみません…
週1くらいでまとめ読みして頂ければほんと結構なので…!
今日もご支援ありがとうございました!それでは失礼致します!ノシ
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
:2012/03/28(水) 18:17:29.78 ID:1JFPZJzAO
>>1
乙
そんな事言っても開くのが日課なんだぜ
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 18:20:35.29 ID:18dnQUBDO
>>1
乙
牛歩?
そんなことはdーでもいんだぜ☆キラッ
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage saga]:2012/03/28(水) 18:21:15.56 ID:89KNusB70
1乙
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/28(水) 20:49:19.86 ID:xCI+2NcP0
>>1
おつ
アスモデウスがまだいるけど あと門一つか
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/03/28(水) 20:59:22.25 ID:lPTtQw2AO
>>1
おつ
134 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:12:33.52 ID:OogV33zio
〜ネクロマンサーのラボ〜
ネクロマンサー「たかが因果を突破して程度でッ、図に乗るなよ人間ッ!」
戦士「てめぇの事だ。他の連中もどういう状況を味わったか想像がつく」ザッ
剣士「貴様だけは許さんぞ、ネクロマンサー!」
盗賊(今の私ならばやれる。絶対に……っ!)チャキッ
影忍「ネクロマンサー、迂闊だったな」
ネクロマンサー「……何ですって?」
影忍「偶然か必然化は分からんが、貴様はあえて各々の因果をあてがい、利用し、
策を練って目論んだつもりなのであろうが、失敗だったな」
ネクロマンサー「……」
影忍「貴様の所業はただ、皆の怒り、哀しみを増長させただけに過ぎん!」
ネクロマンサー「だから何だと言うのですッ!」
影忍「人の成長を、力の源を貴様は与えてしまったのだ」
盗賊(……兄様の言う通りだ。僅かな時間であったのに。特に……)
幼女「……」
盗賊(幼女の変化は見てとれる程だ……っ。一体、何があったというのだ……)
135 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:13:01.27 ID:OogV33zio
幼女「私は……あなたを倒す!」
ネクロマンサー「生意気な」
戦士「召喚士と魔道士がまだだが、待ってる暇はねぇぜ!」
盗賊「行くか」スッ
剣士「弓使い、僕らが幼女の盾になるぞ」
弓使い「うんっ」
幼女「大丈夫、心配しないで。自分の身は自分で守るから」ザッ
剣士「……っ」
ネクロマンサー「確かに貴方の言う通りかもしれませんね」
影忍「……だったら潔く諦めるんだな」
ネクロマンサー「これで終わりだと、思わない事ですねぇ」
影忍「何?」
バシュンッ!! スタッ
影忍「!?」
魔剣士「……」ジャリッ
136 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:13:38.09 ID:OogV33zio
ネクロマンサー「クククッ。さぁ、しっかり頼みますよ」
戦士「アイツは……っ!」
影忍「今更、たかが1体増えようとぉーっ、疾風怒濤!」
ギュバッ!! ドッドオオオオォォォォン!!
戦士「続けぇ!」
盗賊「はぁーっ!」ズザッ
魔剣士「……」
ズガガガガガガガガッ!!
剣士「な、何者なんだ……。3人同時攻撃をいとも簡単に……っ」
弓使い「剣士っ、来るわよ!」
ネクロマンサー「仲が良さそうで何よりですねぇ」バッ
幼女「……」
ネクロマンサー「ご安心下さい。3人まとめて……人形と化して差し上げますよぉ――」
ドドオオオオォォォォン!!
ネクロマンサー「!?」
137 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:14:06.94 ID:OogV33zio
幼女「こんなものじゃ……ないんだからねっ!」
ネクロマンサー「少女のくせに……何と言う火力……ッ」
幼女「お父や女賢者さんの痛みは……こんなものじゃないんだからああぁぁ!」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴガアアアアァァァァ!!
ネクロマンサー「クッ……ククッ。面白い、面白いですよ貴女ッ!」
幼女「何が面白いのよっ! 罪もない人の命を……弄んで!!」
ネクロマンサー「罪もないのは人間での視点でしょう? 魔族にとっては大罪人も同じッ!」
幼女「だからって……だからって、あなたが命を弄ぶ理由にはならないっ!」
ネクロマンサー「私は役目を終えた命を再利用しているだけに過ぎません」
剣士「ふざけるなっ! それが許されない行為だと言っているんだ!」
ネクロマンサー「雑魚のくせによく吠える……」
剣士「ああ、雑魚さ。だが人間の力というものは、1人のものではないんだ」
ネクロマンサー「弱いから群れる、それだけでしょう?」
剣士「違うっ! 弱いからだけじゃない。強い者が弱い者を助けて生きているんだ!」
ネクロマンサー「詭弁に過ぎませんね」
138 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:14:35.21 ID:OogV33zio
ドガガガガアアァァァァ!!
弓使い「あなたはきっと、ずっと孤独だったのでしょうね」
ネクロマンサー「……」
弓使い「親が子を守り、力のある者が力なき者を支える」
ネクロマンサー「だから何です?」
弓使い「人は魔物と違って、誰かを守る為に戦っているのよ!」
ネクロマンサー「ククッ。綺麗な世界しか見ていない貴女達はさぞ、幸せでしょうねぇ」
弓使い「あなたのような存在がいるからでしょうがっ!!」
ネクロマンサー「貴女達が喚いている言葉はね、偽善と言うのですよ」フワッ
剣士「偽善であろうが、それが正しい道なんだ」
ネクロマンサー「偽善ですらない。最早、夢。夢物語です」
弓使い「夢だって皆が力を合わせれば、努力すれば適うものなのよ!」
ネクロマンサー「歴史を紐解いて、適った事がありますか?」
幼女「……」
ネクロマンサー「ありませんよ。そう、言わば夢でもない、それが宿命というものなのです」
139 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:15:46.49 ID:OogV33zio
幼女「どうして、諦めるの?」
ネクロマンサー「……諦める?」
幼女「努力もしないで出来ないだなんて、諦めてるって事だもん」
ネクロマンサー「努力でどうにかなるものではない」
幼女「そんな事は分からないもん!」
ネクロマンサー「ならお嬢さん、貴女は救えますか?」
幼女「……救うよ」
ネクロマンサー「例えば相手が魔族でなく、人間だったとして……も――」
幼女「……」
ネクロマンサー(……な、何だッ、この少女の目は……ッ)
幼女「……」ゴゴゴゴゴゴ
ネクロマンサー(こんな幼い少女が躊躇もせず……そんな目をしている……ッ)ゾワッ
幼女「許さない……」
ネクロマンサー「……貴女は危険だ。覚醒する前に消すッ!!」ゴアッ!!
剣士「幼女!!」
140 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:16:35.84 ID:OogV33zio
幼女「――っ!!」
剣士「うおおぉぉぉぉ!!」ガバッ!!
ズガガガガッ!! ズシャアアァァァァ……
弓使い「剣士ぃ!!」ダッ
幼女「お、お父さん……っ」
剣士「ご、ごほっ! 幼女……大丈夫……か?」
幼女「お父さんっ!!」
剣士「僕が……幼女、を……守る」
幼女「……っ」
剣士「それが……役目……だから」ググッ
ネクロマンサー「ならばまとめて死になさいッ! その後で人形にしてあげましょうッ!」ギュオッ
幼女「……」
バチュン!! パリッ……
ネクロマンサー「……!?」
幼女「大丈夫だよお父さん。今、治してあげるからね」
141 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:17:15.71 ID:OogV33zio
パアアアアァァァァァ……
剣士「!?」
弓使い「よ、幼女……っ。あなた回復が……」
ネクロマンサー(私の触手が弾かれた? まさか……結界を張ったとでも言うのかッ!?)
幼女「……もう、あなたに勝ち目はないから」
ネクロマンサー「――ッ!!」
幼女「終わりにしよう? ねっ?」スクッ
ザッザッザッ……
ネクロマンサー「……こんな……少女にッ」
幼女「……」ニコッ
ネクロマンサー「こんな少女にィ、この私が気圧されているとでも言うのかァーッ!!」
ギュバッ!! ギュルルッ……バチイイィィ!!
ネクロマンサー「なッ――」
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ……
幼女「今、終わりにするからね……」ツツーッ
142 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:18:16.38 ID:OogV33zio
…
ズギャギャギャギャッ!!
戦士「……バケモンか……っ」ザザッ
盗賊「まさか3人がかりで、互角とはな」
影忍「……」
盗賊「兄様?」
影忍「この強さ、本体か?」
魔剣士「……」ジャキッ
戦士「本体だと、強くなんのか?」
影忍「ああ。器と中身が同等だからな。神経や運動命令の系統が伝達するんだろうな」
戦士「……どういう事だ?」
影忍「理解する必要はない」
盗賊「1口の水を巨大な樽に入れたところで、飲みづらいであろう?」
戦士「あ、ああ」
盗賊「1口の水ならばそれに見合った器が最適。まぁそんなところだ」
戦士「なるほど、そいつは分かりやすい……っ!」ザッ
143 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:18:59.22 ID:OogV33zio
影忍(……しかし、どうにも引っ掛かる)
魔剣士「……」
影忍「彼奴やネクロマンサーがもし本当に本体だとすれば……」
戦士「くんぞっ!!」
影忍「ちっ」ババッ
ズガガガガガガッ!! キィン!! ガキイイィィィィン!!
魔剣士「……」グググッ
盗賊「兄様っ、助太刀致すっ!」シュバッ
戦士「盗賊、右から回り込めぇ!」
盗賊「了解っ!」
影忍「火遁……焔ぁ!!」ドドオオォォォォン!!
魔剣士「……」ブスブスッ
戦士「もらったああぁぁ!!」
盗賊「隙あり!!」
ガッキイイイイィィィィン!!
144 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:20:18.53 ID:OogV33zio
戦士「……」
盗賊「……これも……防ぐのかっ」
魔剣士「……」
キュイイィィィィ……
影忍「まずいっ、退け――」
ドッドオオオオォォォォン!! ガカアアアアァァァァ!!
盗賊「きゃああぁぁーっ!」
戦士「ぐあぁーっ!!」ドシャッ
魔剣士「……」ザッ
影忍「……魔剣士、と言ったか?」
魔剣士「……」
影忍「お主は本体か? いや、答える事もないか」
魔剣士「……」
影忍「せめて、ここを通してくれぬだろうか」
魔剣士「……」
145 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:21:01.50 ID:OogV33zio
影忍「この先にあるのだ。俺の求めるモノが」
魔剣士「……影忍」
影忍「!?」
魔剣士「貴様を始末する」ジャキッ
影忍「やはり、うまくはいかぬようだな」
盗賊「兄……様……っ」
戦士「ち、くしょ……」ヨロッ
影忍「核なる上は止む無し。貴様と共に地獄へ行こうぞっ!」
魔剣士「……」ヒュバッ
影忍「盗賊っ、五輪書を貸せっ!!」
盗賊「!?」
影忍「風林火陰山雷を放つ。早くしろ!」
盗賊「そ、それでは兄様が……」
影忍「構わん。どうせ死んでいる身だ、早くしろ!」
盗賊「……っ」
146 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:22:27.61 ID:OogV33zio
魔剣士「させぬ」ダンッ!!
影忍「――っ!?」
ズッドオオオオォォォォン!! ゴシャアアァァァァ!!
盗賊「兄様ぁ!!」
魔剣士「……」スタッ
シュウウゥゥゥゥ……ゴトゴトッ ザシャッ
影忍「……ぐ……っ」
戦士「た、助けに……入んぞ」フラッ
盗賊「あ、ああ」
影忍「来るな!」
盗賊「!?」
影忍「魔剣士は俺が引き受ける。お前らは今のうちに……」
魔剣士「させぬ」
影忍「今のうちにラボの中心へ行きっ、本体を――」
魔剣士「させぬ!」グアッ!!
147 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:23:33.60 ID:OogV33zio
ズッガアアアアァァァァ!!
盗賊「兄――――」
戦士「……っ」
ググググッ バチィ!!
魔剣士「……貴様」
召喚士「……これ以上は、好き勝手させないっ!」
戦士「召喚士!」
魔道士「盗賊さんっ、戦士さん!」
盗賊「魔道士、無事か……っ!」
召喚士「影忍さん、今のうちに退がって下さい。アンデッドのあなたに五行は撃てないはずだ!」
コカトリス「はあぁーっ!!」バシュウウゥゥゥゥ
影忍「……ッ」
召喚士「魔剣士さん、あんたの相手は……この俺だ! 覚悟しろ――」
――「待て。そいつはボクがやる」ザッ
魔剣士「……!?」
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/03/29(木) 18:24:26.99 ID:OogV33zio
今日はここまでー。お疲れさまでした!
それでは失礼致しまするね!それではまた!ノシ
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/29(木) 18:32:24.66 ID:zzfFwHfeo
乙
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/29(木) 18:45:47.11 ID:y/3eBJOIo
>>1
乙
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/29(木) 18:51:01.71 ID:mugZGjODO
いちょつ
ロリBBAか
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/29(木) 19:57:42.89 ID:Z+pDQGLg0
>>1
乙
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/29(木) 20:01:17.96 ID:g/+FclS60
>>1
おつ
ネクロを屠るほどの五行はなったら幼女も死ぬんじゃね…
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/29(木) 20:13:35.32 ID:Ul8tD11ao
ダチョウっぽいな
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/03/29(木) 20:31:14.88 ID:e5iTO77AO
>>1
おつ
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
:2012/03/29(木) 21:01:11.78 ID:11+PV9+Ro
大事故wwwwwwwwwwwwwwww
157 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/03/29(木) 21:02:40.35 ID:11+PV9+Ro
誤爆しました・・・
前も誤爆してますごめんなさい
158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/29(木) 21:20:23.84 ID:6hHW4DeDO
>>157
なぁに、ちょっとした事故だよ
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/29(木) 23:09:24.52 ID:lk/hfa+DO
前方不注意だなwwwwww
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/30(金) 00:13:24.92 ID:MdVn/jQwo
ネクロマンサーが正しいンダナ
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 01:23:39.82 ID:JrjQm6Cz0
本作の主人公
戦士
天才
青年兵
剣士
幼女←new!
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 07:36:39.35 ID:nSte7PrDO
>>154
「いや俺がやろう」
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/03/30(金) 08:43:00.76 ID:R2L2SSHro
>>157
絶対に
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/03/30(金) 08:43:43.11 ID:H1LT+XdK0
またやる
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 14:45:22.28 ID:p1tkOw2n0
スレ消費しすぎなお前らに
>>1
から有難い一言
↓
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 14:59:20.92 ID:ZZiTM761o
│ ∧_∧
│ (´∀` ) アラヨット
│ ⊂二、 ○
└──── \ ) )────┐
/ / / │
(__)_) ↓
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 15:22:44.76 ID:QNUqW+iZo
__
/。 \
|ノ ゚|
ノ ゴ ハ
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/03/30(金) 15:50:42.26 ID:R2L2SSHro
____
/。 /。 \ ズズ…
|ノ|ノ ゚|
ノ .ゴノ ゴ ハ
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 16:15:46.26 ID:Y7UGKfj+o
______
/。 /。 \ \ ズズズ
|ノ|ノ ゚|ノ ゚|
ノ .ゴノ ゴ ハゴ ハ
170 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:26:15.37 ID:XzCW+a+lo
あまりの忙しさに /。 /。 \ \
泣きそうじゃ |ノ|ノ ゚|ノ ゚|
↓続き ノ .ゴノ ゴ ハゴ ハ
171 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:27:13.35 ID:XzCW+a+lo
魔道士「東方司令さんっ!」
召喚士「まだ傷が開いたままなんですよ!?」
東方司令「この程度、問題ない。少なくともこんな傷でそこの雑魚に負けるはずがない」
召喚士「魔剣士さんの事……ご存知なんですか?」
東方司令「当たり前だろ。師が同じなのだから」ザッザッ
召喚士「あ……っ」
東方司令「そこのニンジャ。コイツを倒す以外にやる事があるんだろ?」
影忍「……うむ。この奥にこそラボの中心部がある」
東方司令「なら早く行け」
召喚士「東方司令さん!」
東方司令「お前らも早く行け。それとも、ボク1人では勝てないと思ってるのか?」ジロッ
召喚士「……っ」
影忍「任せよう。後は……頼むぞ」
東方司令「……ああ」
魔剣士「……」
172 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:27:58.57 ID:XzCW+a+lo
コオオオオォォォォ……
東方司令「正直言うと、キミとは一度、本気で戦ってみたいと思ってたんだ」
魔剣士「……」
東方司令「お師匠が認めた、ボク以外の才能ってのとね」ズシッ
魔剣士「……」ズシッ
東方司令「どっちが継ぐ者なのか、ケリを付けようじゃないか!!」ダァン!!
鈍い金属音を打ち鳴らし、ツヴァイハンダー同士が両者の前で激しくぶつかり合う。
力は全くの互角。拮抗する実力を前に、東方司令は下唇を噛んだ。
目の前に居る20年前に命を失った男。東方司令は気付けばその男の年齢を越えていた。
東方司令「……っ」ギリッ
魔剣士「……」
東方司令「越えられなかった、いや……遠くに見えていた高さも分からぬ壁」
魔剣士「……」
東方司令「今ようやく、越える事が出来そうだよ」
魔剣士「……」グググッ
173 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:28:38.32 ID:XzCW+a+lo
……――
東方司令「てやああぁぁーっ!!」ババッ
南方司令「そうりゃああぁぁぁぁ!!」バチィ!!
西方司令「……ったく、そんなに練習して何が楽しいんだか」
北方司令「本人達が好きでやっているんだし、別にいいんじゃないか?」
西方司令「別にいいけどさ〜」
北方司令「そういうあなたは何をやっているんです?」
西方司令「見て分からんか?」
北方司令「私には猫と戯れているようにしか見えませんが」
西方司令「アホか。……よし、縫合完了。これで手術おしまい、バッチリ治ったぜ!」
猫「にゃーん」スリスリ
西方司令「いやぁ、猫と言えど骨折は痛いよなぁ〜」
猫「……ごろごろ♪」カラン
西方司令「ぎゃああぁぁ!! ねっ、猫だあぁーっ!! 死ぬううぅぅぅぅ!!」
北方司令「……」
174 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:29:06.60 ID:XzCW+a+lo
ズギャアァ!! キィンキィンキィンッ!! ガチガチガチッ!!
南方司令「……むぅ、もはや剣での組み手では勝ち目はないな……っ」
東方司令「ふっ、今日もボクの勝ちだな」バシッ
南方司令「仕方ない。では次は、腕相撲で――」
東方司令「勝てるかっ!!」
北方司令「……ん?」
ザッザッザッ
西方司令「ぎいああぁぁぁぁ!! 殺されるううぅぅ!!」
魔剣士「相変わらずですね、兄弟子……」ザッ
南方司令「おぉ、お前か。久し振りだな」
魔剣士「ええ。たまたま近くへ立ち寄ったもので」
東方司令「……」
魔剣士「やぁ東方司令、相変わらず見事な腕前」
東方司令「ふんっ」
北方司令「おいおい、何でお前はそう悪態をつくのだ」
175 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:29:51.56 ID:XzCW+a+lo
東方司令「兄くんはウルサイな! どけっ!」ムスッ
ズンズンズンズン……
北方司令「すまないね、愛想のない妹で……」
魔剣士「いやいや、気にしないで下さい。俺が悪いんですよ、きっと」
北方司令「魔剣士の才能に妬んでいるのさ。師匠を除いて初めて自分よりも上の腕を……」
南方司令「ほぉー」
北方司令「……初めて自分より上の『剣の』腕を持つ者だから」
魔剣士「……そう、なんですか」
北方司令「私だってそうさ。妹こそが師匠を継ぐ者と信じてやまなかったからね」
魔剣士「俺、謝ってきます!」タッ
北方司令「あっ、おい!」
南方司令「真っ直ぐな男だ。まさに正義の心を持つ者だな」
北方司令「……真っ直ぐゆえに危ういですけれどね」
南方司令「……?」
北方司令「自分に厳しく、全てが自責の念にとらわれてしまう。力があるからこそ危ういですよ」
176 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:30:34.88 ID:XzCW+a+lo
ズンズンズン
東方司令「(何だよアイツ! わざわざお師匠の居ない時を狙って来てさっ!)
ズンズンズン
東方司令(ボクはアイツが大っ嫌いだ! 何だか知らないけど見てるだけでイライラする!)
魔剣士「東方司令」シュタッ
東方司令「――っ!?」ビクゥ!!
魔剣士「さっきはすまなかった。俺が……」
東方司令「何なんだよお前はっ!!」
魔剣士「えっ?」
東方司令「キミがボクに何かしたのかっ!」
魔剣士「い、いや……でも怒ってるって事はしたんじゃないかな……っ」ポリポリ
東方司令「身に覚えもないのに何で謝るんだよっ!」
魔剣士「……ごめん」
東方司令「また謝るっ!! それじゃボクが惨めじゃないか!!」
魔剣士「ごめ――あっ!」
177 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:31:26.56 ID:XzCW+a+lo
東方司令「――っ。もういいっ、付いてくるな!」プイッ
魔剣士「東方司令っ!」
東方司令「うるさいうるさいうるさいっ!」
魔剣士「どうすればいい? 俺はどうしたら許して貰える?」
東方司令「ああもうっ!! だったらボクと勝負しろ!!」
魔剣士「勝負?」
東方司令「どちらが上か、ハッキリさせようじゃないか!」バッ
魔剣士「……しかしそれでは」
東方司令「ボクじゃ相手にならないとでも言いたいのか!? くそっ!」
魔剣士「いやっ、そうじゃなくて……怪我とかしたら大変……」
東方司令「ふざけるなっ!!」
魔剣士「!?」
東方司令「最初から勝ったつもりでいる……っ。その態度がボクをイライラさせるんだっ!」
魔剣士「ごめんっ。そんなつもりは本当にないんだ……っ」
東方司令「もういい。早く構えろ! でなくばこのままっ、ボクのおぉ勝ちだっ!!」バッ!!
178 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:32:05.95 ID:XzCW+a+lo
魔剣士「――!?」
東方司令「……っ」
確かに東方司令は、棒立ちする魔剣士めがけ、先制でツヴァイハンダーを振りかぶっていた。
それがどうだ。何故か目の前の男は既に剣を身構えていた。
東方司令(なんて速さ――)
考える間もなく振りかぶりのモーションへと到達する東方司令。
やむなく無心で振りかぶるものの、当然の如く、その一撃は弾かれる。
東方司令「っ!!」キイイィィン!!
魔剣士「ま、待つんだ……っ!」
東方司令「うるさいいぃぃ!!」
ガキイイィィン!! ギィンギィン!! チュイン!!
魔剣士「やめるんだ東方司令っ。せめてっ、稽古用の木刀で――」
東方司令「うるさい!!」ガキイイィィィィン!!
魔剣士「あっ、あぶな……っ!!」
東方司令「はああぁぁーっ!!」
179 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:32:49.15 ID:XzCW+a+lo
…
どれほど打ち合ったであろうか。気が付けば辺りは朱に染まり、夕刻を迎えていた。
東方司令の荒い息遣いと、やや重苦しい金属音のみが響き渡る。
魔剣士「……っ」
東方司令「はぁ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
魔剣士「そろそろ……帰らないと」
東方司令「逃げるかぁ!」
魔剣士「もういいだろう東方司令。勝負は互角、引き分けだ」
東方司令「……っ」
そうでない事はあからさまであった。一撃も与えられず呼吸を乱す彼女に対し、
魔剣士は疲労どころか汗1つかかず平然としている。
東方司令「う……ああぁぁぁぁーっ!!」
魔剣士「……っ」
ガッキイイイイィィィィン!! ドサッ
東方司令「はっ、はっ、はぁ……はぁ……っ」
180 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:43:27.97 ID:XzCW+a+lo
魔剣士「……」
少女の軽い身体が、仰向けに倒れこんだ魔剣士の上にのしかかる。
東方司令「……う……っぐ」ポタタッ
魔剣士「……!?」
少女の涙に気を取られたわけではないが、魔剣士は少しだけ反応が鈍った。
東方司令「どうして……どうしてええぇぇ!!」グアッ!!
ザックウウゥゥゥゥ!!
東方司令「う……うぅ……ぐ」ポロポロ
魔剣士「……もう、いいよな?」グイッ
東方司令の振り下ろした一撃は簡単にいなされ、地面へと深く突き刺さっていた。
東方司令「どうして……手を抜いたぁ!! ふざけるなよっ、くそぉーっ!!」ザシャッ
魔剣士「本気でやれば……君を傷つけてしまうから」
東方司令「うああああぁぁぁぁ!!」
魔剣士「……っ」
地面に蹲り号泣する少女に、魔剣士は声をかけられず、その場を後にした。
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/03/30(金) 18:44:26.14 ID:XzCW+a+lo
少しでごめんなさい…あとで来れたら来ますが期待せずに…
今日もご支援ありがとうでした!それでは失礼!ノシ
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 18:46:49.62 ID:Y7UGKfj+o
>>1
乙!
どうも東方司令のCVがくぎゅうで再生されてしまう病気にかかったようだ・・・
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/03/30(金) 18:52:14.07 ID:l2sQvEsX0
>>1
乙
>>182
おまいはおれか?
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 18:55:51.58 ID:O+Nv4R/3o
乙
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 19:18:27.39 ID:p1tkOw2n0
>>1
おっつっつ
おいおい
再生厨を嫌う奴もいるからやめとけ
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/30(金) 19:43:59.06 ID:gQQ0x2OIO
乙
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/31(土) 00:34:52.96 ID:ijRvHElxo
なくそう!再生厨!
ここはみんなの掲示板です!
仲良く楽しく使うためには自分勝手な行動はしてはいけません
場をわきまえてチラシの裏に書くのが一番ですよ!←おすすめ
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/03/31(土) 01:24:58.94 ID:/b8sU1cAO
>>1
おつ
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/31(土) 02:33:39.08 ID:ght3VhwI0
>>1
おつ
190 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/31(土) 02:57:40.57 ID:D/AFXzMeo
…
ザッザッザッ
魔剣士「……お待たせ」
マジシャン「何だ? 浮かねー顔しやがって」
プリースト「何か、あったの?」
魔剣士「……いや」
テクテクテク
師匠「おーう。こっちも終わったぞ」
マジシャン「しっかしお前さんが子持ちとはねぇ」
師匠「何だようるせーな」
プリースト「お嫁さんの前にお父さんになっちゃったわね。うふふっ」
マジシャン「ハッハ! 全くだわ!」
師匠「そんなんじゃねぇっつーの!」
プリーストあはは……っ、魔剣士……大丈夫?」
魔剣士「あ、ああ。ごめん……っ」
191 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/31(土) 02:58:07.16 ID:D/AFXzMeo
…
天才「……ふーん。んで、ズタボロにやられたわけか」
東方司令「やられてないもん……っ」ムスッ
天才「ハーッハッハッハ! 肉体は傷ついてなくとも、心はズタボロだろうがよ」
東方司令「……」ジワッ
北方司令「全く。ほら立て。いつまでも寝そべっていると風邪を引くぞ」
東方司令「……いい。ほっといて」プイッ
北方司令「あのな……」
南方司令「放っておいてやれ。人は挫折を乗り越えて強くなる。そう、正義の為に」
天才「たまにはいい薬だ。それよりテメーらに報告がある」
西方司令「ひいぃっ、ついに……死罪……」
天才「このたび俺様、国軍の総司令になる事が決まった」
北方司令「おぉ……っ」
天才「つきましてはだ、テメーらを各司令部に送り込む。心して働きたまえ。ハーッハッハ」
東方司令「……」クルッ
192 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/31(土) 02:58:33.85 ID:D/AFXzMeo
天才「……んだよ?」
東方司令「……あ、あの」
天才「テメーは春から魔道学園に通いやがれ」
東方司令「!?」
天才「まだ15だろうが。何を期待の眼差しで見つめてやがる」
東方司令「……っ」
天才「他の連中は幹部候補としていきなり働いてもらうからな」
北方司令「私が……あ、ありがとうございます!」
南方司令「正義の為にやるとするか……!」
西方司令「駄目だああぁぁ! し、死んだああぁぁっ、もう終わりだああぁぁぁぁ!」
天才「詳しい話は後日、改めて通達すっからな。じゃ、頼んだぜ」ザッ
東方司令「……っ」
北方司令「東方司令、何も焦る事はない。お前はまだ若いし、強いのだ」
東方司令「……っ!!」ガバッ!!
タッタッタッタッタッ……
193 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/31(土) 02:59:06.15 ID:D/AFXzMeo
…
東方司令「……死んだ?」
北方司令「ああ。魔剣士だけではない。その仲間と……大元帥もな」
南方司令「サタンとはそれほどまでの魔王なのか……っ」
北方司令「予言の力をもってしても、防げなかったとはな……」
東方司令「……っ」ギリッ
北方司令「……悔しいのか?」
東方司令「結局あの男に……1度も……」
北方司令「本気でやりあったわけじゃないだろ」
東方司令「ああ! 少なくともむこうはそうだろうね!」
北方司令「……」
東方司令「あの日、最後の一撃は……っ」ググッ
南方司令「力ある者が勝者ではない。生きている者が勝者なのだ」
東方司令「都合のいい解釈だろそんなの」
北方司令「お前だって国軍に入って見てきただろう?」
194 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/31(土) 02:59:34.67 ID:D/AFXzMeo
東方司令「……」
西方司令「そうだ。生きている者こそが美しい……くっくく」
南方司令「それでもまだ悔やむなら、強くなれ。答えはシンプルだ」
東方司令「……ああ。なってやるさ、誰よりも強く……!」
北方司令「それで良い。人間の力に限界などないのだからな」
西方司令「儚くも美しいものが人間というもの……くっくくくく」
東方司令「ボクは……あの男もお師匠をも越えて、最強になってやる」
北方司令「師匠に許しは得たのか?」
東方司令「……五月蝿い」
北方司令「全く。私からも申し伝えておく。きちんと話し合えよ」
西方司令「ライバルが消えて、師匠とも関係を築ける……か。くっくくく」
東方司令「うるさいうるさーい!!」
南方司令「誰よりも強くあれ。そうすればそれが正義だ」
北方司令「お前なら目指せるさ。自分の見ている道の果てをな」
東方司令「……」
195 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/03/31(土) 03:00:15.55 ID:D/AFXzMeo
――……
東方司令「あの日から25年……。ようやくキミに追いついたわけだ」ググッ
魔剣士「……」
東方司令「キミがモタモタ止まっている間に、ボクは追いついたっ!」
魔剣士「……ッ」
東方司令「今日こそキミを倒し、ボクが……勝つ!!」
ドガアアァァァァッ!!
魔剣士「……!!」
東方司令「覚悟おおぉぉーっ!!」ズギャッ!!
魔剣士「……」キュイイィィィィィ……
東方司令「魔法なら……読んでいるっ!」
魔剣士「――!?」
ザシュウウウウゥゥゥゥ!!
魔剣士「……」ポタタッ
東方司令「ボクの脳裏にあるキミはこんなもんじゃない。全力で来なければ……このまま殺す!」
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/31(土) 04:37:36.33 ID:z2Ppx2UWP
こんな時間に!?
>>1
おつ!!
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/31(土) 06:16:28.33 ID:8pr+QdaDO
おつんぽ!
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/31(土) 07:40:50.07 ID:od7xt/1DO
いちょつ
南方も西方もろくでもないなw
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/31(土) 11:43:59.93 ID:s3SP5ydoo
結局東方司令は何も成長してないんだよね
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/31(土) 11:46:55.89 ID:6Pu3KDZNo
1おつ
東方指令は40歳か…
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/31(土) 11:47:43.08 ID:6Pu3KDZNo
司令だった
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/31(土) 17:51:38.16 ID:Gk6AM+Z10
>>1
おっつっつ
ロリBBAさんちゅっちゅ
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/31(土) 19:23:21.03 ID:y8LyVmzZo
>>1
乙
ミスターサタンはそんなに強かったのか…
知らなかった
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[darkwraith0501@hotmail.co.jp]:2012/03/31(土) 23:43:15.21 ID:ampct2l40
>>1
乙
更新されてるとは思わなかった
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/01(日) 01:18:28.70 ID:H+1QizqAO
>>1
おつ
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/01(日) 05:46:25.26 ID:3c6i1I1g0
くっくくく
>>1
おつんつん
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/01(日) 23:52:03.39 ID:eycITOfSo
こんばんは。実は今日、皆様に残念なお知らせがあります…
今日まで頑張って更新してきましたが、明日より更新が難しくなる為、
今日をもって最終回とさせて頂きます。まことに申し訳ございません…
〜エピローグ〜
魔王サタンを倒したあの日から数年後……。
世界は平和になったものの、悪さを働く魔物もまだ多く……。
戦士「さーて、魔物が出やがったぞ!」
盗賊「……ああ、行くか」
魔道士「頑張りましょうっ、えへへ!」
召喚士「行けっ! コカトリス!!」
〜完〜
応援ありがとうございました!
魔道士「……なーんちゃって。今日はエイプリルフールですよ!」
召喚士「あれって確か午前ちゅ……」
魔道士「エイプリルフールなんです!!」
召喚士「は、はい……っ」
↓続き
208 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/01(日) 23:52:51.16 ID:eycITOfSo
〜六道門・餓鬼〜
アスタロス「……」
西方司令「さっさと刹那にマッハで死んどけやこらああぁぁ!!」
南方司令「バーニングジャスティス……キーック!!」
ドゴッシャアアアアァァァァ!!
大軍師「魔物も戸惑っているようですね」
青年兵「ええ……っ」
東方参謀「2人だけではないぞっ。とうりゃああぁぁ!!」
皇太子「弱点は足元だ。怯まずに突っ込むぞ」ダッ
エリート「陛下を援護するっ。支援は任せるぞ!」
青年兵「はいっ!」
大軍師「さて、どう致しましょうかねぇ」
青年兵「あの魔物、厄介ですね」
大軍師「ええ。多対一に慣れているというか、向いていますね」
青年兵「陛下の言うとおり、まずは懐に飛び込みたいのですが……」
209 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/01(日) 23:53:29.03 ID:eycITOfSo
ブッシュウウゥゥゥゥ!!
西方参謀「どわああぁぁぁぁ!!」
南方参謀「あの毒霧を何とかしないとっ!」
南方司令「信じてこのまま突っ込むぞ」
南方副司令「はぁ!?」
東方参謀「後方が必ずや、援護してくれる事よっ!」ズザッ
西方司令「おるああああぁぁぁぁ!! 死ね死ね死ね死ねええぇぇぇぇ!!」
ドッゴオオォォォォ!! ズガアアァァァァ!!
大軍師「西方参謀殿、西方副司令殿」
西方参謀「あぁ?」
大軍師「前線への魔法付加をお願い致しますよ」
西方副司令「え、ええっ。了解!」
大軍師「大元帥殿は召喚獣、まだいけますかな?」
青年兵「ええ、隙さえあれば。でも……大軍師さんは?」
大軍師「……ふっふ」
210 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/01(日) 23:54:13.65 ID:eycITOfSo
タタッ
青年兵「っ!?」
西方参謀「おらっ、ボサっとしてんじゃねぇ! 野郎を援護しねぇか!」
青年兵「あっ、はい!」
エリート「援護が来たぞ。今のうちだ!」
アスタロス「……どういう事だ、何故ッ、毒が効かぬ」
大軍師「さぁ、次はどうします?」
右腕に巻きつく毒蛇から噴出す毒の息は何故か拡散せず、
アスタロスの右腕の周りへとまとわりつくように留まっている。
ゴウッ
アスタロス「これは……風?」
青年兵「流石は大軍師さんだ……っ。風を操り毒撃の拡散を防いでいるんだっ!」
南方司令「正義の風が吹いているぞっ!」
西方司令「無駄にカッコイイ事言ってんじゃねぇぞオラッ! 死ね!!」
アスタロス「……」
211 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/01(日) 23:55:39.22 ID:eycITOfSo
ドッゴオオオオォォォォ!!
アスタロス(確かに人間にしては、それなりにやるようだ)
西方副司令「援護しますっ!」ゴウッ!!
南方参謀「司令っ、頼むわよぉ〜!」
アスタロス(……だが、結局はこんなものか)
大軍師「……」
アスタロス(我が主の脅威となるどころか、この私を倒すにも及ばぬ)
バハムート「ゴッガアアアアァァァァーッ!!」
アスタロス「――!?」
青年兵「どこを見ているっ、アスタロス!」
ドッドオオオオォォォォン!!
アスタロス「……ッ」ドズンッ
青年兵「これで足元は互角。次は貴様を地上へ降ろす」
アスタロス「……生意気だな」
青年兵「ああ、よく言われるよ!」
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 00:03:41.15 ID:99Y11b0DO
危うく煽るとこだった
エイプリルフールでよかた…
213 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 00:06:58.87 ID:bsfBE/Teo
ズザザアアァァ
西方参謀「……おい」
大軍師「はい」
西方参謀「思ったより闘えてるわなぁ……ヒック」
大軍師「そうですね」
西方参謀「んでよ、どうやって倒すんだよ……アレ」
大軍師「どう致しましょうかねぇ」
西方参謀「おいおい、天下の大軍師様が何をすっとぼけてやがんだよっ」
大軍師「正直、ここに居る面々では完全消滅とまではいかないでしょうね」
西方参謀「だから聞いてんだろうが……ヒック」
大軍師「開門だけで済めば良い、そう思っておりましたが……」
西方参謀「残念ながら、アレを倒さないと門も開かないみてーだぞ」
大軍師「そうですねぇ」
西方参謀「すかしてる場合じゃねぇだろ。マジでどうすんだ?」
大軍師「……あの方の話が本当ならば、この城に2人は居るはずなんですがねぇ」
214 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 00:07:29.11 ID:bsfBE/Teo
タッタッタッタッタッ……
大軍師「五行を、己の寿命を削る事なく使いこなせる程の……」
タッタッタッタッタッ……
大軍師「膨大な魔力を持つお2人が、生きていると……」
タッタッタッ……バンッ!!
西方参謀「……?」
青年兵「……あ……っ」
アスタロス「……何者だ?」
ザッ
ジュニア「……どうやらお取り込み中だったかな? ハッハ!」
賢者「……みたいだね……ふぅ」
大軍師「ふっふ。噂をすれば、というやつですね」
西方参謀「ア、アイツらか……っ。お前……分かってて……」
大軍師「城内に居るだろうとは予想していましたが、このタイミングは予想外ですよ。ふっふ」
西方参謀「……てめぇさんは本当に、どこまでが本当か分からんぜ……ヒック」
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/02(月) 00:13:04.03 ID:bsfBE/Teo
相変わらず土日は少しで申し訳ないです…!
ご支援ありがとうでした!それではおやすみなさい!
>>212
ごめんなさい。もう1個あったんですがインパクトある方を採用しました
〜エイプリルフールボツネタ〜
召喚士「今日は皆様にご報告があります」
魔道士「何と、『行けっ! コカトリス!!』が2012年9月からアニメ化する事になりました!」
召喚士「毎週金曜、深夜1:30からTBSにて放送予定です!」
魔道士「詳細はまだ未定ですので続報をお見逃しなくっ! えへへ!」
戦士「いや、バレバレすぎるだろ……」
盗賊「うん。話にならん」
召喚士「……だからボツにしたんですよ」
天才「というわけで次回からは『ハーッハッハ! 天才様のお通りだ』が始まるぜ、ヨロシクな!」
召喚士「えっ!?」
魔道士「えっ!?」
天才「今までお疲れさん! 後は任しとけ、ハーッハッハッハッハ!!」
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/02(月) 00:21:26.27 ID:ta6ir1rAO
>>1
乙
アニメ化か…
入浴シーンとか毎回ありの方向で
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/02(月) 00:23:11.18 ID:WMWMwPbro
アニメ化なんてされたら毎週見るしかないな
何クールになるかはわからないけど
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 00:39:18.42 ID:rCrMjo/DO
>>1
乙
一瞬焦ったわ
アニメ化とか最高に釣り針がでかいぜ・・・
間違いなく僕は釣れる
>>217
何が?って言われると答え辛いがIDいいな
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/02(月) 00:40:56.85 ID:PqkePHoAO
>>1
おつ
ラノベにすりゃアニメ化の可能性はあるな
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/04/02(月) 00:44:59.97 ID:hWrWqZd3o
深夜枠ということは…
あの謎ランキングをこの眼で確かめr
(人生が省略されました。続きも読めません。)
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 00:59:27.53 ID:6v/Xradgo
はい
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/02(月) 00:59:51.83 ID:aAR1qtRRo
>>1
乙
いやあ、なかなかキレのある良い嘘でしたね!
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/02(月) 03:08:54.80 ID:l5n6ZnRR0
いちおつ
224 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 07:52:31.83 ID:RwbZMO8E0
>>1
おつんつん
225 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/04/02(月) 08:49:10.84 ID:qa2aYzSDo
>>1おつ
朝から、え!?って声出ちゃったわ
騙された
226 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/02(月) 09:32:28.28 ID:NyK8Iq450
>>1
おつ
まずは、ラノベ化からだな
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 14:09:51.33 ID:JielDQp60
>>1
おっつっつ
アニメ化したら長編すぎて収拾つかんだろ
あと9962スレも残ってるしな
228 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:07:38.58 ID:6Hb4bkmto
ジュニア「な、んだぁ……あいつは!?」
賢者「……ただの魔物ではなさそうだ……ふぅ」
今や世界でも屈指の使い手とされている両者にとっても、
わずか数秒の内にその表情は引き締まり、目の前の魔物が只者ではないと悟った。
大軍師「いやはや、お2人の合流、心より感謝致します」
ジュニア「悪いが状況がサッパリだ。何がどう……」
大軍師「あの魔物を倒せば生き延びる。負ければ死、です」
ジュニア「……分かりやすい解説で助かるぜ。ハッハ」
西方参謀「これで倒せる術は手に入れたな……ヒック」
大軍師「そうですね。ミスする事なく駒を進めさえすれば、チェックメイトです」
西方参謀「何人使う?」
大軍師「五行に3人、媒介に3人ですかね」
西方参謀「ん? お前さんもか。んじゃその間、毒は耐えるっきゃねぇってか……ヒック」
大軍師「恙無く事が進めば、大きな被害は有り得ませんよ」
ジュニア「何でもいいから早く指示してくれっての」
229 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:08:06.02 ID:6Hb4bkmto
ドッゴオオオオォォォォ!!
皇太子「青年兵、下のドラゴンが厄介だ。何とか頼む」
青年兵「了解です!」ドウッ
エリート「そうは言っても、上の本体さえまともな攻撃をみせていない……」
東方参謀「うむ。攻めるに攻めきれぬわ……」
エリート「これだけの人数、攻撃を受けながら反撃を見せないとは」
東方参謀「相当の冷静さを持っておるわ。厄介極まりない」
皇太子「どんな敵であろうと、倒さねばならぬ事に変わりはない」
大軍師「陛下の仰るとおりです。気負いすれば負けますよ」ザッ
エリート「では早速、打破出来る献策をお聞かせ願おうか」
大軍師「東方先生、私と共に前線へ」
東方参謀「むっ?」
エリート「君が前線とは如何なるつもりだ?」
大軍師「一撃で仕留める為の算段です」
東方参謀「ほう」
230 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:08:33.91 ID:6Hb4bkmto
皇太子「しかしそれでは、君の身が心配だな」
大軍師「お言葉ですが陛下、この場ではどこに居ようがさほど、違いは生じませんよ」
エリート「……」
大軍師「それに私達の任務は第一に魔物を倒す事ではありません」
皇太子「何?」
大軍師「第一に優先すべきは、陛下の安全を図る事です」
皇太子「それは聞き捨てならぬ……」
エリート「陛下、このような場ではありますが、自覚して下さいませ」
皇太子「……」
エリート「貴方は我々の主君であり、本国の頂点なのです」
大軍師「その通りです。幾ら魔王を倒したところで陛下を失うなどという事態になれば……」
東方参謀「本国の存亡にも関わるな」
皇太子「大仰だな」
大軍師「いいえ大仰ではございません。そういうものなのです」
皇太子「……っ」
231 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:09:00.73 ID:6Hb4bkmto
大軍師「故に次の手、陛下と右大臣様は後衛と共に行動を」
エリート「足場を潰せば良いのか?」
大軍師「はい。その隙にアスタロスを叩きます」
東方参謀「現状で13人。前衛6、後衛6か」
大軍師「はい。東方先生、南方司令、西方司令、ジュニア殿、賢者殿、そして私」
エリート「我らと残りが後衛か」
大軍師「あまった大元帥殿には、どちらの役目も兼ねて頂きますがね」
東方参謀「ふっ。あの若造がそこまでに達するとはな」
大軍師「おや、何かおありで?」
東方参謀「いや、ついこの前までは、大口を叩く生意気な若造だと思っていたがなぁ」
エリート「確かに青年兵は、かつて王宮務めをしていた頃の比にならぬ」
皇太子「ああ。これ程までに成長してくれた事、弟のように感慨深いものだ」
青年兵(……聞こえてますって……っ)
バハムート「ゴガアアアアァァァァーッ!!」
青年兵「よしっ、もう1度……側面から仕掛けるっ!」
232 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:09:32.09 ID:6Hb4bkmto
ドウンッ!! ズッゴオオオオォォォォ!!
召喚獣バハムートの力は絶大である。ましてや使い手は、
青龍召喚士の中でも有数の青年兵である。
並大抵の低級な魔物であれば、触れるだけでも一撃でその命を落とすであろう。
だがそれはピーク時の話である。数日もの間、激しい戦いを繰り返してきた青年兵、
その魔力はピークとは言えず、ましてや相手は魔王軍でもトップクラスの軍団長。
圧倒するどころか、互角を保つ事すら困難な情況下である事は容易に想像がつく。
ところがだ、どういう事か青年兵はアスタロス相手にほぼ互角を保っていた。
青年兵「……っ」
別段、自分自身が意識しているわけではない。自然と魔力が継続している。
時たま、自分がこれだけ奮闘出来る事に疑問を生じはしたが、
今はそれどころではない。ただ戦える限り戦い続け、召喚出来る限り召喚し続ける。
青年兵はその思いを一心に、アスタロスへ牽制をし続けていた。
そして青年兵の疑問に関する答えを知る者がそこに1つの懸念を感じ始めていた。
アスタロス「……」
233 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:10:00.53 ID:6Hb4bkmto
青年兵「まだまだあぁーっ!!」ゴゴウッ!!
アスタロス(人間共の力、やはり決定打はないものの……脅威となりつつある)
南方副司令「後方に退がるぞっ! 陛下を援護しつつ、あのドラゴンをぶっ倒す!」ジャキッ
アスタロス(それは何故か、全ては……この音色よ)
西方副司令「大軍師さんが居なくなった分、毒が来るわよっ。そっちも警戒を!」
アスタロス(詩人……貴様は果たして。だが、条件は同等)
ズゴゴゴゴゴ……
南方参謀「まっ、また更に凄い威圧を……っ」
西方司令「ビビってんじゃねぇ!! 殺せば雑魚も同然だ!!」ドスン
南方副司令「意味が分からん……」
大軍師「司令のお2人、宜しいですか?」
南方司令「……?」
西方司令「あぁ!? 指図してんじゃねぇぞこの三下クズヤローが!!」
大軍師「これより皆様のお力を借り、アスタロスを倒し、開門致します」
南方司令「ほぉ。何をするつもりだ?」
234 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:10:27.69 ID:6Hb4bkmto
大軍師「こちらへ」
ザッザッザッ
ジュニア「んで、どうすりゃいいんだ?」
大軍師「お2人には、五行を放って頂きます」
ジュニア「はぁ!?」
大軍師「とは申しても、1人で放つわけではありません」
賢者「……2行ずつかな? ふぅ」
大軍師「その通りです。木行を除く4行を、お2人で放って頂きたい」
ジュニア「アレ相手じゃ、かなりの魔力を放つ必要があるな」
賢者「そうだね……ふぅ」
大軍師「お2人の力量ならば問題ないでしょう?」
ジュニア「自負すんのいもあれだが、それに耐えうる木行の使い手なんざ……」
大軍師「……ふっふ」ヒラヒラ
ジュニア「……まさか、アンタか?」
大軍師「私も自負は出来ませんが、木行のみならば合わせる事は可能かと」
235 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:10:58.48 ID:6Hb4bkmto
ザッ
居並ぶ6人の男。普段は決して交わる事のない不思議な縁。
南方司令「さぁ、正義の為に必ずや成功させようではないか」
賢者「正義……美しいね、ふぅ」
西方司令「死にたくなけりゃしっかり援護して、そして死ね!!」
ジュニア「意味が分からねぇよっ!!」
東方参謀「悟られぬように分散してタイミングを計るぞ」
大軍師「さて、駒はうまく進めたつもりですが果たして……」
ズガガガガガガッ!!
青年兵「おおぉぉぉぉ!!」
南方副司令「不思議なモンだな」
南方参謀「ええ。使っても使っても、力が溢れ出てくるみたい……っ」
西方副司令「うまくいくかしら……」
西方参謀「不安があるとすれば1つ。西方司令の武器が壊れない事を祈るのみ! がはは!」
西方副司令「……」
236 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:11:31.45 ID:6Hb4bkmto
皇太子「エリート、感謝するぞ」
エリート「……?」
皇太子「私がこうして最前線で戦えるのは、君の助力があってこそだ」
エリート「急に何を仰います。今日限りです。金輪際は戦場へ出る事は禁じますよ」
皇太子「ああ。戦場に出る機会がない事を祈ろうではないか」
エリート「この戦いが終われば、私達の仕事は終わりです。あとは祈りましょう」
皇太子「エリート、随分と気が早いな。そういうものは戦いが終わってから言うものだぞ?」
エリート「失礼致しました。陛下の申す通りです」
バハムート「ゴガアアアアァァァァ!!」
アスタロス「召喚獣め、よく健闘してくれる……ッ」
青年兵を始めとする後衛は、左側面からの攻撃を行えずにいる。
それはアスタロスが右腕にもつ毒蛇のせいであり、踏み込めばたちまち死に近づくからだ。
アスタロスもそれは重々、承知の事であり、神経を注ぐべきは前後右の3ヶ所。
更に言えば正面は、土台であるドラゴン型の獣により炎や激しい爪、牙、突撃、
そういった類の攻撃があり、仕掛けうる術は背後か右側面に限られていた。
237 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:11:58.76 ID:6Hb4bkmto
青年兵「……」
アスタロス(狙いは背後か左側。人間共の考えは分かっている)
だからこそアスタロスはほとんど間合いを詰める事もなく、背後の壁に背を預けている。
それは背後かラの攻撃を防ぐと同時に、門への蓋という意味合いも兼ねていた。
西方参謀「どうにかよぉ、あのバケモンを引き摺り降ろさにゃなんねぇ……ヒック」
青年兵「分かっています。しかし、決定打がない……っ」
西方参謀「決定だなんてモンはよぉ、自分で作り出すモンじゃねぇのかよ」
青年兵「作り出す……」
西方参謀「頼むぜ。大元帥様の名が泣くぞ……ヒック!」
青年兵「……」
南方副司令「陛下の脇を固めるぞ!」ダッ
南方参謀「こんな所で……死ぬわけにはいかないのよっ!」
青年兵(そうだ。自分の命がある限り、自分で打破しなきゃいけない……っ)
西方副司令「せめてっ、あのドラゴンタイプだけは……っ!」バシュッ!!
西方参謀「そうらっ、付加……いっくぜぇ!!」
238 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:12:32.58 ID:6Hb4bkmto
青年兵(僕は大元帥なんだ。僕がやらなきゃ……誰がやるんだ!)
皇太子「エリートっ、左に回りこむぞ!」
エリート「牽制の魔法を放てぇ! 陛下と私の進む道を作り出してくれっ!」
青年兵(こんな事では……きっと笑ってますよね、父さん、母さん……青龍先生)
バハムート「……オオオオォォォォ」
青年兵(こんな事では浮かばれませんよね……踊り子さん、女記者さん……ウィッチさん)
ズゴゴゴゴゴゴ……
アスタロス「……?」ピクッ
青年兵「うああああぁぁぁぁーっ!!」ビリビリッ!!
皇太子「な……っ」
ジュニア「な、何だぁ……っ!?」
青年兵「……出でよ」
ズズズズッ
青年兵「出でよっ……出でよおおぉぉ!! 青龍!!」
大軍師「!?」
239 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:13:08.45 ID:6Hb4bkmto
シュイイイイィィィィン
南方参謀「な、何なの!? バハムートが金色に光って――」
西方副司令「きゃっ!!」
ズッゴアアアアァァァァァァ!!
青年兵「……っ!?」
サラマンダー「無茶をするな。バハムートに更なる力を与えようなどと、人智を越える所業ぞ」
青年兵「サ……ラマンダー?」
サラマンダー「四神の召喚は基本精霊の昇華。貴様も使い手ならば心に刻んでおくが良い」
青年兵「!?」
赤き灼熱に燃えるサラマンダーが金色から白、そして青い炎へと変化した。
そして小型の召喚獣はどんどんと上下に伸び、巨大化を始める。
天井を突き破り、粉々に砕き、尾は天へとさかのぼってゆく。
轟音鳴り響く中、その轟音をも掻き消さんばかりの咆哮を、アスタロスへと放つ。
ゴシャアアァァァァ!! ドドオオオオォォォォン!!
青龍最強にして最高の召喚獣、青龍。今ここに再び、姿を現す。
240 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:13:34.95 ID:6Hb4bkmto
〜北関〜
将軍「ええいっ、大した敵はおらぬのだっ! 逃がすでないぞ!」
北関兵「まずいな……」
海峡兵「ああ。北関の攻略が困難だとかなり認識され始めている」
ワーカー「馬っ鹿おめぇ、いい事じゃねーか」
北関兵「それでは駄目なのだ……っ!」
ワーカー「ああん?」
海峡兵「考えてもみろ。北関攻略が無理だと知った魔王軍はどこに行く?」
ワーカー「んな事知るかよっ」
海峡兵「……そうだ。その通りなんだよ」
ワーカー「はぁ?」
北関兵「どこに行くか分かんねーだろっ! そしたらどうなると思う!?」
ワーカー「……あっ」
海峡兵「背後はがら空きなんだ。他の地域に行かれては、とても守りきれぬ……っ」
北関兵「我らの役目は魔王軍をここへ留めつつ、殲滅し、北関を守る事なんだよっ!」
241 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:14:00.50 ID:6Hb4bkmto
ズガガガガッ!! ドドオオォォォォ!!
魔道兵「右翼が空いたら今度は左翼。忙しないにも程があるっ!」
弓兵「愚痴ってる場合じゃないだろ。これ以上、東に進ませるな!」
北関兵「駄目ですっ、数が多すぎてとても留めきれませんっ!」
将軍「……止むをえん。打って出るしかないか」
ドッゴオオォォォォン!!
海峡兵「!?」
将軍「なっ、何の音だ?」
シュウウゥゥゥゥ……
コボルト「し、しつこい……奴ら……だ――」ドシャッ
女侍「はぁっ、はぁっ、はぁ……さぁ、次ぃ!」
キジ「流石に……そろそろシンドイさー」
女侍「こりゃあそろそろ、マズイかねぇ……っ」
ズララララッ
女侍「……っ」
242 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:14:38.60 ID:6Hb4bkmto
スケルトン「キキキッ、そこを通さないってのならァ、無理矢理にでも通りますぜェ?」
キジ「雑魚のくせに……生意気さー」
トロル「んだとぉ!? コロース!!」
ドアッ!! ズオオォォ!!
女侍「ま……っだまだぁ!!」
キジ「ナメるんじゃないさー!」
ゴブリン「たったの2匹だぎゃー! 何なんだァ、コイツらー!」
ザシュッ!!
女侍「くっ」ツツー
トロル「おぉーっと! ゲヘヘッ、やーっと捕らえたぜぇ」ガシィ
女侍「……ちっ」
キジ「お頭――」ガスッ!!
コボルト「オラオラオラ! 油断してんじゃあないよー!」バキッ
キジ「お……頭……っ」ドゴッドカッ
女侍「……くっ」ギリッ
243 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:15:05.00 ID:6Hb4bkmto
スケルトン「ほれ、観念シヤガレッテンダァよ!」バギャッ!!
女侍「ぐぶっ!」
トロル「おい、どうせなら腹ごしらえしてから行くかぁ?」
コボルト「ほっとけほっとけ。戦場に出てる人間は固くてマズイ」
スケルトン「そうそう。どうせこのままどこかの村に行くんデェス。そこでたらふく頂きましょうヨッ」
女侍「下衆共……っ、そうは……させるかい!」グイッ
トロル「ヘッヘ。もう力も入らんくせに、減らず口叩いてんじゃねぇ!」バゴォ!!
女侍「ご……うぇ……っ」
ジャキジャキッ
弓兵「援護だっ! 救助するぞ!」
魔道兵「魔王軍めがっ! 調子に乗――」
トロル「おぉーっと、待ちな!」グイッ
魔道兵「!?」
スケルトン「もし攻撃すればァ、この人間も死ぬ事になるんですネェ!」
弓兵「人質とは何て卑怯な……っ」
244 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:15:35.53 ID:6Hb4bkmto
女侍「あ、アタイらの事なら……構わ――」
トロル「うるせぇ!」ドゴォ!!
女侍「が……っえぇ!!」ビチャッ
コボルト「さぁ、大人しく俺らが通り過ぎるのを、指ぃ咥えて見てるんだな! ゲッハハハ!」
スケルトン「よし、今のうちにここから離脱しますヨォ」
トンッ……コロコロコロ
トロル「あん……?」
ブッシュウウウウゥゥゥゥ!!
コボルト「ゴ、ゴホッ! 何だ……ッ!?」
スケルトン「煙幕ッ!? それに毒……ゴホッ」
トロル「――!?」バキッ!!
弓兵「な、何が起きている!? どういう事だ!?」
魔道兵「まずいっ、視界が遮られてしまって……これでは……」
ササッ タタタタッ……シュン
スケルトン「ま、まぁいいでしょう! これを逆手に脱出しますヨッ!」
245 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:16:04.93 ID:6Hb4bkmto
ドドドドオオォォォォ……ザザッ
コボルト「よしっ! 抜け……た……」
スケルトン「何イイィィィィ!?」
ワーカー「こっから先は通さねぇぞ……クズ共がぁ!!」
将軍「正門側へ、一気に押し戻せぇ!」
コボルト「煙幕の間に回りこんでやがったのかぁ!!」
スケルトン「甘い甘い甘いですヨォ! こっちには人質が……」
トロル「……人……質……消えた」
スケルトン「ハアァ!?」
タタッ……スタッ
弓兵「――!?」
サル「この2人……頼んだぜ」
魔道兵「あっ、おい!」
タンッ!! ザザザザッ……
サル「許せねぇ……許せねぇよ、てめぇら!!」
246 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/02(月) 18:17:27.82 ID:6Hb4bkmto
今日はここまでー!ご支援ありがとうございました!
それではまた明日お会いいたしましょう!ノシ
247 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 18:30:08.43 ID:tS/PDedRo
乙
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 18:33:41.01 ID:JielDQp60
>>1
おっつっつ
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 18:35:53.19 ID:99Y11b0DO
とうとう青龍つかえるようになったか
おつんぽ!
250 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/02(月) 20:02:07.69 ID:DfJ3/LEB0
>>1
おつ
詩人弱み握られてるのに人間に力与えて大丈夫なのか…
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 20:36:19.28 ID:39wezsaDO
>>1
乙
金曜ロードショーのせいでサルがいつもより鮮明に……
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/02(月) 20:41:47.33 ID:WMWMwPbro
>>250
魔族側にも力与えられるからいいんじゃね
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/02(月) 22:25:03.79 ID:45d6CIEZo
格ゲーでいう常にお互いのゲージが回復しながらの戦闘か
大技バンバンだせて戦闘も派手に見えるからたのしいな!
>>1
乙!
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/03(火) 00:03:44.49 ID:Rx7FpHTP0
>>1
乙
激戦ですな。続き頑張ってくださいね。
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/03(火) 01:14:10.77 ID:fdfk1yxAO
>>1
おつ
256 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:33:37.01 ID:v58I1qoYo
ババッ!!
弓兵「1人は無茶だっ!」
魔道兵「くそぉ、駄目だ……煙幕で視界が遮られてっ、援護出来ん!」
弓兵「仕方ない……っ、怪我人を搬送するのが先だ!」
魔道兵「あ、ああ。すまない……無事でいてくれっ!」
タンッ!! ザザザザザザッ
サル「……」
つーか、何で俺ぁここに居るんだ? 何しに来ちまったんだよ……っ。
トロル「たかが少人数の群れェ! ビビる事もねぇやッ、突っ切ん――」ガシッ
別によぉ、人様の為とかそんなん、関係ねーじゃんかよ。
トロル「ゴ……グゲェッ!!」ゴキィ!!
アイツら、イヌが死んでおかしくなっちまっただけだろ。一緒に付いて行く義理なんざねぇんだ。
スケルトン「な、何が起き――グガァ!」ザシュッ!!
俺ぁ昔っから1人で、チンケなこそ泥として生きてきたんだ。それを今更……。
コボルト「くそぉ! 見えねぇッ、おーい! 何が起きて――――」ドゴォ!!
257 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:34:39.14 ID:v58I1qoYo
ズシャッ
コボルト「なッ、んだ――」グシャッ!!
北関兵「敵の突撃が弱まった……?」
将軍「チャンスだっ、一気に押し返せぇ!」
海峡兵「おおぉぉぉぉっ!!」
ドガアアアアァァァァ!!
ゴブリン「ぐぎゃーっ!」
北関兵「煙幕が晴れるぞっ! 迎撃態勢を整えろぉ!」
シュウウウウゥゥゥゥ
将軍「――!?」
海峡兵「……っ」
スケルトン「……たったの……1匹だ……とぉ」ガシャッ
サル「……」スクッ
将軍「あ、あやつ……っ」
サル「別に、知らねぇ人々を助ける為に戦うとか、そんなんまっぴらなんだけどよぉ」
258 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:35:03.74 ID:v58I1qoYo
ザッザッザッ……タタタタッ……ダダッ!!
サル「目の前の仲間ぁやられてっ、黙ってるってのは男じゃねぇんだよっ!!」
スケルトン「何を……ワケの分からん事をゴチャゴチャとぉ!」
将軍「馬鹿者っ、退け! 1人でその数相手には無理だ!」
海峡兵「援護しますか!?」
将軍「出来るものならばとっくにしておる! こちらとて数が少ないのだ!」
北関兵「右方から敵っ、回り込んできますっ!」
将軍「ええいっ、押し返せ! ここは何としてもとっぱさせるでないぞ!」
ダダダダッ!!
サル「……」バシュシュッ
つーか、本当にな〜にやってんだ俺ぁよ……。
ワーウルフ「調子に……乗るなァ!!」
剣や魔法がすんげーわけでもね〜のに、この数相手に勝てるわけねぇじゃんか。
サル「……ぐお……っ!」サクッ
じゃあ逃げろって。いちいちこんなん付き合ってる場合じゃねぇっつ〜の。
259 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:35:34.69 ID:v58I1qoYo
ワーウルフ「大した力もねぇ……雑魚がッ!!」
バギャッ!! ガシィ!!
サル「がっ、ああぁぁぁぁ!!」ミシミシッ
ワーウルフ「すばしっこいサルがッ! でもまぁ、捕まえちまえば非力なモンよ」ペロッ
サル「……ん……ふふふふ……っ」
ワーウルフ「なぁに笑ってやがる。気でも狂ったかァ?」
サル「……情けねぇモンよ……っ」
ワーウルフ「……プッ! ハハハハ! 全くだなァ!」
サル「こんな……低級な……雑魚相手によぉ……」
ワーウルフ「――ッ」
サル「へ、へへっ。こんな……てこずっちまって……情けね――」
ゴシャアアァァ!!
ワーウルフ「ウルセェんだよッ!! 自分の立場が分かってんのか!? あぁ!?」
サル「……ごっ、ごふ……っ」
ワーウルフ「あーもうメンドクセェ。このまま頭潰して……ぶっ殺す!」
260 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:36:14.43 ID:v58I1qoYo
…
女侍「ぐっ……ごほ……っ」
キジ「……」
弓兵「何とかならんのかっ!」
衛生兵「そうは言っても、こっちだって人数に限りがあるんだっ!」
魔道兵「こいつらの仲間がっ、たった1人で戦ってるんだよ!」
テクテクテクテク
衛生兵「そんな事は分かってる! 見えないのかっ、この怪我人の数――」
スッ パアアアアァァァァ
弓兵「え……っ?」
衛生兵「こ、これは……回復魔法!?」
――「……これで大事ないでしょう。すぐに気が付くと思いますよ」
魔道兵「……あ、あの! あなたはまさか……っ!」
法師「……私はここで怪我人を看ます。貴方達は援軍に回って下さい」
双子姉妹「了解致しましたっ!」タタッ
261 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:36:55.81 ID:v58I1qoYo
…
ゴシャッ!!
サル「ぐああぁぁぁぁーっ!!」
ワーウルフ「意外と石頭じゃねぇか。だったらアァ!」
ブンッ!! ドゴォッ!!
サル「――っ!!」
ワーウルフ「踏み潰してッ、殺す!!」グアッ
ドッゴオオォォォォ!!
ワーウルフ「……フン」
シュウウゥゥゥゥ……
ワーウルフ「何ッ!?」キョロキョロ
ドドオオオオォォォォン!! ゴゴオオォォォォ!!
ワーウルフ「グワァーッ! あッ、熱……ッ!!」
サル「…………うっ」
――「大丈夫か?」
262 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:37:35.37 ID:v58I1qoYo
ズッドオオォォォォ!!
将軍「側面へ回り込んだ分、中央が手薄になったわ馬鹿めがっ!」
海峡兵「おおぉぉぉぉ!」
北関兵「いたぞぉーっ! あそこだ!」
海峡兵「……んっ!?」
将軍「せ、先生方……っ」
水の先生「左翼側の連中はあらかた片付けたよ!」
火の先生「早く、コイツを北関内に!」
サル「う……ぐ……っ」
トロル「こっ、んのやろオオォォ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ガカアアァァァァ!!
トロル「――――ッ!!」バリバリバリバリ!!
海峡兵「な、なんちゅう魔力……っ」
双子姉「さぁっ、私達が来たからには!」
双子妹「もう心配は無用ですわよっ!」
263 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:38:19.74 ID:v58I1qoYo
キュイイイイィィィィ……ドッドオオォォォォン!!
将軍「す、凄いものだな……っ」
水の先生「おいおい、私達より上なんじゃないか?」
双子姉「こうみえても私達だって」
双子妹「王宮務めで特訓しましたからっ!」
タッタッタッタッ
魔道兵「ボケっとしてんな! 援護しろっ、援護!」
弓兵「弓隊もだ! 存分に恩恵を受けて攻撃しないかっ!」
ドドオオォォォォン!! ゴガアアァァァァ!!
火の先生「ええい、負けてられるかい!」
水の先生「はははっ、そんなに張り切ると腰を痛めますよ?」
火の先生「うるさいわい!!」ドドオオォォォォ!!
将軍「よし、この者を北関内に搬送しろ!」
海峡兵「すっげぇ……すっげぇよ……っ」
北関兵「あん?」
海峡兵「国軍とか関係なくさ、色んな人間が集まって……」
双子姉妹「はいやぁーっ!」ドッゴオオォォォォン!!
海峡兵「そんでっ、一緒に戦って、魔物を倒してる……っ」
北関兵「しかもすげー強いよな! みんながみんな、不足してるとこを補いあってさ」
264 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:38:49.62 ID:v58I1qoYo
ガラガラガラッ……ザザァ
ワーカー「怪我人だ! 治療を頼む!」
法師「此方へ」
ワーカー「……?」
ザッザッザッ……ドサッ
サル「……」
法師「……酷いものですね」スッ
ワーカー「だ、大丈夫なんだよな!?」
法師「酷いですが、これならば大丈夫でしょう。ご心配なく」
ワーカー「あ、アンタ……っ、目が見えないのに分かるのか?」
法師「触れれば大体の事は。それに、見えなくとも感じれば良いのです」
ワーカー「……へ、へぇ。なんだか小難しい話っすね」ポリッ
ヨロッ……ザッザッザッ
女侍「サ……サル……っ」
ワーカー「知り合いか?」
265 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:39:29.93 ID:v58I1qoYo
法師「ご安心下さい。すぐに治る事でしょう」
パアアアアァァァァ……
キジ「!?」
女侍「……た、大したモンだねぇ……っ」
衛生兵「あんたら2人を治してくれたのもその人だぞ。礼を言っとけよ」
法師「いえいえ。礼など言われたくて行っているわけではございません」
サル「う……っぐ……ぅ」
キジ「サル!」
サル「……?」
女侍「無事かい? サル」
サル「……お前ら……っ」
キジ「去ったんじゃ、なかったのさー?」
サル「……けっ、うっせーよ!」
女侍「全く、1人で無茶するじゃあないかい。でも、嫌いじゃないよ、そういうの」
サル「……っ」
266 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:40:25.31 ID:v58I1qoYo
ドッゴオオオオォォォォン!!
衛生兵「なっ、何だ!?」グラグラ
ワーカー「どうしたぁ! 何があった!?」
タッタッタッ
北関兵「正門がまずいっ! 両翼突破を断念した魔王軍が特攻を仕掛けてきやがった!」
ワーカー「何だとぉ!!」
法師「説得出来れば良いのですが……っ」
ワーカー「そりゃあ無茶だっ、黙って投降する気なら、とっくにしてる」
北関兵「同感だ。奴ら、捨て身でかかってきている……っ」
キジ「そういう時ってのは、とんでもなく強いもんさー」
女侍「……キジ、行くよ」ザッ
衛生兵「お、おい……っ」
女侍「そこの坊さんのお陰で、もうバッチリ治っちまったよ。あんがとさん」
キジ「サル、ゆっくり休んでるさー」ザッザッ……
サル「……」
267 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:40:53.59 ID:v58I1qoYo
ドッゴオオオオォォォォン!!
トロル「こうなりゃヤケだ! 正面から突破してェ、抜けてやるわい!」
魔道兵「させるかこのバカどもがっ!」
番長「ゴーレム! 防衛するでゴワスよぉ!」
親衛隊長「しっかし、そろそろ魔力がナッシング……」ヨロッ
番長「頑張るでゴワスよ! ここを守らにゃ他の連中に顔を合わせられんでゴワス!」
ゴーレム「ゴゴオオォォォォ!」
コボルト「しゃらくせぇっ! 一斉にかかれぇーッ!」
ズッガガアアァァァァ!!
番長「……流石に、1体では多勢に無勢でゴワス……っ」
北関兵「バリスタは!?」
鍛冶娘「弾切れよぉ!」
北関兵「くっそぉ! どうすりゃいいんだよっ!」
ズバシュウウゥゥゥゥ!!
北関兵「……?」
268 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:44:41.17 ID:v58I1qoYo
ワーカー「もうじき両翼から援軍が来るはずだっ! それまで持ち堪えんぞ!」
北関兵「……お、おうっ」
女侍「さぁ、2開戦とイこうかねぇ! あははっ!」
キジ「魔力はもうないけど、援護があればお前ら雑魚くらい楽勝さー!」
コボルト「何だとォ!? ブゲアアァァ!!」ゴシャッ!!
ゴーレム「ゴオオォォォォ」ズシン
番長「ようし、もうひとふん張りでゴワスよぉ!」
局長「この士気ならば、負ける事はないだろう」クルッ
鍛冶娘「……?」
局長「何をしている、魔王軍が居なくなれば、すぐに輸送に出るぞ。準備だ!」
鍛冶娘「了解ですっ!」
間もなく、両翼の魔王軍を押し込む形で防衛に回った兵らが増援に駆けつけた。
局長の言葉通り、程なくして北関防衛線は収束に向かう事となった。
将軍「魔王軍を殲滅したぞっ、勝ち鬨を上げろおぉーっ!」
一同「えいえいおーっ!!」
269 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:48:49.77 ID:v58I1qoYo
…
女侍「……」ザッザッザッ
キジ「サルの奴、何だかんだでいいとこあるさー」
女侍「どうなんだかねぇ。らしくないっちゃらいくないけどねぇ」
キジ「そんな事を言ったら、お頭だって一緒さー」
女侍「……うるさいねアンタは」
スタスタスタスタ
女侍「サル〜調子はどう……」
衛生兵「あれ? あんたらと一緒に行ったんじゃないのか?」
キジ「へっ?」
衛生兵「ついさっき出てったから、てっきり合流したのかと……」
キジ「ど、どういう事さー?」
女侍「……そうかい、邪魔したね」スタスタ
キジ「お頭っ」
女侍「……っ」スタスタスタ
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/03(火) 14:49:48.45 ID:v58I1qoYo
帰宅命令が出たので今日は早々に失礼致します!
皆様もどうかお気を付けて!あとで来られたら来ます!
ご支援感謝!それではっ!ノシ
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/03(火) 15:03:15.26 ID:/eyqqY170
乙
なんでこんな時間に来てるのかと思ったら
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/03(火) 15:08:51.28 ID:3tfyfK4zo
いちおつ
帰り道気をつけろよ
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/03(火) 15:37:06.30 ID:/X9BAaCvo
うちも女性社員だけ帰宅命令でて、男の園になっちまった
>>1
乙
こういう話見てるといつも思うけど、魔物がいなくなったずっと後の世界で
人間同士がいがみあったりしてたら寂しい気持ちになるな
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/03(火) 17:03:31.37 ID:OCyIkYyF0
>>1
おっつっつ
会社からなのか
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/03(火) 22:05:18.16 ID:JyiQEWF3o
いちおつ
おいおいどんだけ熱い展開が続くんだよ
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/03(火) 23:31:31.14 ID:Rx7FpHTP0
>>1
乙カレー
毎回楽しみだな。まさか会社で書いてたとは思わなかった
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/04(水) 01:40:45.76 ID:0evS2+MAO
>>1
おつ
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/04(水) 03:32:33.85 ID:h7GpCLJf0
>>1
おつ
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/04(水) 05:45:03.57 ID:m4fHVyvu0
>>1
おつんつん
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/04(水) 08:07:45.78 ID:95GbHE1Q0
>>1
乙
会社からだったのか・・・
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/04(水) 08:30:19.88 ID:5ntpmD4AO
いつも熱いお話1乙んつん
毎朝病院の待合室で読ませてもらってます
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/04/04(水) 08:41:54.46 ID:Am+l2gRio
>>281
(´;ω;`)その病気、治るといいな・・・
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/04(水) 16:01:33.29 ID:66JgMDyd0
>>281
童貞をこじらせたか…
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/04/04(水) 16:09:57.11 ID:F6f6/+vxo
>>281
完結まであと数百スレ、共に生き抜いて完読しよう
285 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:01:33.10 ID:Jw9xpr41o
〜ネクロマンサーのラボ〜
影忍「この好機、逃すわけにはいかぬっ」タタッ
召喚士(この先に……ラボの中心が……)
戦士「このまま一気に、ケリをつけるぞ!」
魔道士「はいっ!」
盗賊「……」タタタッ
ピクッ
ネクロマンサー「……?」
剣士「どこを見ているっ!」ビュオッ!!
ネクロマンサー「何か……いや、どこへ向かっているのです……?」
弓使い「幼女っ、魔法付加お願いねっ!」バシュッ!!
ネクロマンサー「まさか……ッ!!」バッ!!
剣士「!?」
ネクロマンサー「狙いは……本体かッ!!」フッ
幼女「逃がさないよ」
286 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:02:03.34 ID:Jw9xpr41o
ドッドオオオオォォォォン!!
ネクロマンサー「ええいッ、小賢しい! どけッ!」
幼女「どかない」
ネクロマンサー「生意気なガキがぁ……ッ!!」ビュオッ
剣士「幼女!」ガシッ
ズザザザアアァァ
剣士「幼女っ、冷静に判断するんだ! 近づきすぎるな」
幼女「……ありがとう……っ」
ネクロマンサー「そこで大人しくしていなさいッ!」ババッ
弓使い「逃げる気!?」
剣士「……」
弓使い「どういう……事かしら」
剣士「何か焦っていたような素振りだったな。僕らも追おう」
弓使い「罠かもしれないわよ?」
幼女「……でも、行くしか道はないよ」
287 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:02:41.89 ID:Jw9xpr41o
剣士「幼女の言う通りさ。先に進むしか、僕らには道はないのだから」
弓使い「……そうね」
剣士「立てるか?」
幼女「ありがとうお父さん。私、少し熱くなってたかも」シュン
剣士「そういう時に止めるのが僕の役目さ」
幼女「お父さん……っ」
剣士「そして、僕が熱くなった時に止めてくれるのが、幼女の役目」ニコッ
幼女「……うんっ!」
弓使い「さーて行くわよぉ。みんなの安否も気になるところだけど」
剣士「大丈夫さ。他の皆だってそんなにヤワじゃない。きっとこの先に……」
幼女「うん」
タッタッタッタッタッ……
ネクロマンサー「……ッ」
ブンッ ヒュオッ
ネクロマンサー「もしここで材料を失えば、私が私に申し訳が立たぬ……ッ」
288 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:03:14.60 ID:Jw9xpr41o
ザザザザザザッ
ネクロマンサー「――!?」
盗賊「兄様あそこっ!!」
影忍「……ネクロマンサー!」
ネクロマンサー「貴様等ッ! それ以上は進ませぬぞッ!」
召喚士「あの焦りよう、やはりこの奥に本体が……」
ネクロマンサー「進むなと言っているッ!!」
ビュオォッ!! ズギャギャギャギャッ!!
戦士「今更この程度の触手で、止められると思うなよ!」
ネクロマンサー「貴方こそあまり調子に乗らない事だなッ!」ビュオッ
ガキイイィィィィン
ネクロマンサー「……ッ」
影忍「これまでだな、ネクロマンサー」
ネクロマンサー「……貴方は完成形だと思っていましたよ」
影忍「とんだ期待外れだったな」
289 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:04:06.77 ID:Jw9xpr41o
ネクロマンサー「全くですよ。本当にうんざりさせられる」
影忍「因果応報だな。さぁ、貴様もこれまでだ」
ネクロマンサー「……私が本当に、この程度で終わるとでもお思いですか?」
影忍「自身の生み出した人形に絶望を味わわされるが良い」スチャッ
ネクロマンサー「足止めするつもりでしょうが、不死同士で決着が付くとでも?」
影忍「言葉を誤るな。足止めならば決着を付ける必要はない!」
ネクロマンサー「問答している場合ではないのですよッ!」
影忍を飛び越えるように、大きく高らかと飛んだネクロマンサーは、
無数の触手を地上の影忍めがけ、一斉に伸ばし、放つ。
影忍「疾風……怒濤ぉ!!」
豪雨のように降り注ぐ触手を、影忍の放つ疾風怒濤により生じた水竜巻が、
絡め取るかのように飲み込み、そのほとんどを千切り捨ててゆく。
ネクロマンサー「小癪なぁ……ッ!」
影忍「馬鹿めっ、こっちだ!」シュバッ
ネクロマンサー「――ッ!!」
290 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:04:32.34 ID:Jw9xpr41o
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
影忍「!?」
確かに斬ったと思われたネクロマンサーは黒い粉となり霧散した。
ネクロマンサー「ククッ、甘いですねぇ!」ヒュオッ
影忍「なっ――」
ズガガガガッ!!
ネクロマンサー「何ィ――!?」
複数の触手が突き刺さった丸太を見て、ネクロマンサーは声をあげた。
影忍「馬鹿は貴様だ。俺が忍だと忘れたかっ!」
バギャアッ!! ドカァ!!
ネクロマンサー「……グクッ」
影忍「ここは俺が食い止める! お前らは先へ行き、本体を葬るのだ!」
魔道士「っ!!」
ネクロマンサー「お……のれッ」
召喚士「影忍さん……っ」
291 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:04:58.25 ID:Jw9xpr41o
盗賊「……行くぞ」
戦士「いいのか?」
盗賊「……っ」タタッ
戦士「行くぞ!」
魔道士「は、はいっ!」
召喚士「……」タッタッタッ
影忍「これで終わりだ。何もかも、全てがな」ザクッ
ネクロマンサー「……ククッ」
影忍「……」
ネクロマンサー「この私が、こんな無様な失態を……失態を……」
影忍「最後の最後で、詰めが甘かったようだな」
ネクロマンサー「無様な失態を……演じるとでも?」
影忍「強がりはよせ。大した手立てはなかろう」
ネクロマンサー「まぁ、そうですね」
影忍「……?」
292 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:05:25.73 ID:Jw9xpr41o
タッタッタッタッ……ジャリッ
盗賊「……ここ、か」
戦士「扉を開けるぞ。準備はいいか?」
召喚士「うん」
戦士「……ふーっ」
ガチャッ ソーッ
魔道士「……な、何だか変な臭い……っ」
ブッシュウウウウゥゥゥゥ!!
盗賊「――っ!?」
戦士「な、何だこの霧……ぐっ」ガバッ
召喚士(毒!? いやっ、何ともない……。何なんだこれは……っ!?)
シュウウウウゥゥゥゥ……
影忍「……?」
ネクロマンサー「大した事はしていませんよ。ただ、換気するのを忘れてました」
影忍「!?」
293 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:06:06.54 ID:Jw9xpr41o
ネクロマンサー「ラボに充満した瘴気が、一気にこのフロアへと広がっているのですッ!」
影忍「きっ、貴様……っ!!」ヨロッ
ネクロマンサー「そう。人間である彼らには、大した効果も得られません」
影忍「ごほっ、ごっほ……!!」
ネクロマンサー「せいぜい、吐き気を模様程度でしょうかねぇ」ムクッ
影忍「迂……闊……っ」ガクン
ネクロマンサー「しかし魔族に対しては、瘴気を得る事で力が増します」
影忍「かはっ、は……ッ」ググッ
ネクロマンサー「私も……貴方もねぇ。凶暴さが増し、理性が薄れてゆくでしょう?」
影忍「う……うぅ……ッ、ウガアァ!!」
ネクロマンサー「さぁ、この結界石で出来た短刀を抜きなさい。私を、解放するのです」
影忍「ウウゥゥ……ッ」
ズボォ!!
ネクロマンサー「さぁ参りましょう。貴方の妹君を含め、新たな素体を手に入れにね。ククッ!」
影忍「……」
294 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:06:29.66 ID:Jw9xpr41o
…
東方司令「おおぉぉぉぉ!!」
魔剣士「……」
ズギャッ!! ズガガガガガッ!!
東方司令(体力の消耗が激しい……っ、だが……)
魔剣士「……」
東方司令「互角以上に押す事が出来ている。このまま一気に……倒す!」
ドクンッ
魔剣士「……ッ!!」
東方司令「!?」
ブシュウウゥゥゥゥ……
魔剣士「ウ……グア……ァ」ガクン
東方司令「な……ん――」
魔剣士「アアアアァァァァーッ!!」
ダァン!! ガシィ!!
295 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:07:36.17 ID:Jw9xpr41o
東方司令「――――っ!?」
魔剣士「オアアアアァァァァ!!」
ブオンッ!! ドグシャアアァァァァ!!
東方司令「か……っはぁ!!」
魔剣士「オオオオォォォォ!!」
東方司令(い、一体なん……急に、力が増して……っ)
魔剣士「ウアアァァァァーッ!」
ドガガガガッ!! ドゴオオォォォォン!!
魔剣士「フーッ、フーッ、フーッ」
東方司令「……」ドシャッ
魔剣士「フーッ」ザッザッザッ
東方司令「……」
ズルズルズル……グイッ
魔剣士「……」
東方司令「……」パチッ
296 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:08:11.33 ID:Jw9xpr41o
ズバッ!! ザッシュウウゥゥゥゥ!!
魔剣士「!?」
東方司令「この程度で、終わりだと思うなよ……?」ポタタッ
魔剣士「……」チャキッ
東方司令「はああぁぁーっ!!」
突如、力の増した魔剣士。それはラボの中心部へと繋がる扉を開けた事による
瘴気によって得られたものだという事は、安易に想像出来るものであった。
しかし東方司令はそんな事情は知らない。だが目の前の敵は紛れもなく、
先程までよりも格段に力を増し、猛威を振るっている。
何度も何度も、繰り返し打ち合う剣の音が広い部屋へとこだまする。
今しがた、優勢を誇っていた東方司令の剣は、魔剣士のそれと形勢を逆転していた。
防戦一方の東方司令は時折、反撃の素振りを見せるが、それも一瞬で潰された。
じわりじわりと削り取られていく力。自然に耳にへと入ってくる詩人の音楽も、
瘴気を吸い更なる力を身に付けた魔剣士の前では、付け焼刃に過ぎなかった。
そして、東方司令の剣は宙を舞い、身は地面へと伏せた。
297 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:08:40.83 ID:Jw9xpr41o
〜六道門・餓鬼〜
南方参謀「金色の……龍……っ」
皇太子「あ……れが、青龍」
青龍「アアアアアアアアァァァァァァァァ!!」
ビリビリビリビリッ!!
青白い炎を纏ったような金色の龍が、宙を駆けた。
アスタロス「――――ッ!!」
その速さは光の如く、瞬く事すら与えぬ内に
一同の前を通り過ぎ、その後で轟音と突風が生じた。
アスタロス「……ッ」
一瞬、何が起きたのか、絶大な強さを誇るアスタロスですら理解するのに時間を要した。
その頃には足元のドラゴン型の魔物は黒焦げており、息絶えていた。
ズオオオオォォォォ……
大軍師「何という……」
青年兵「……」
298 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:09:19.84 ID:Jw9xpr41o
フラァ……
大軍師「大元帥っ!!」ガシッ
青年兵「たった……一撃なのに……っ」
アスタロス「たったの……一撃だというのに」
青年兵「ま、魔力が……ほぼっ、空に……」
アスタロス「我が一部を……葬っただとぉ!?」
青年兵「何て……何て力なんだ……っ」
アスタロス「何という……力なのだ……ッ」
大軍師「大元帥殿を頼みますっ!」ダッ
西方副司令「了解っ!」
大軍師「さぁ、今ですっ!」
東方参謀「はああぁぁ……東方参謀が最終奥義ぃ……っ!」キュイイィィィィ
南方司令「スーパーウルトラミラクルデンジャラスファイナルジャスティス……」キュイイィィィィ
西方司令「殺す殺す殺す死ね殺す殺す死ね殺すぶっ殺おおぉぉぉぉす!!」キュイイィィィィ
アスタロス「――ッ!?」
299 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:10:38.41 ID:Jw9xpr41o
ジュニア「おおぉぉぉぉ!!」
賢者「……ふぅ」
大軍師「合体五行……発ど――」
恐らく大軍師だからこそ気づいたのであろう。
大軍師「退避――っ!!」
窮地に見えたアスタロスは防御行動のまま後退しながら、一瞬だけ笑った。
その笑みを大軍師は逃さなかった。そして、何かあると悟ったのだ。
エリート「!?」
その瞬間、アスタロスを中心にとてつもない爆風が巻き起こった。
皇太子「ぐお……あっ!!」
南方参謀「きゃあーっ!!」
南方副司令「……ぐ……っく!」ドシャッ
ジュニア「……おいおい、どうなってやがんだよ……ハッハ」
西方参謀「これも想定内……ってかぁ? ヒック」
大軍師「いいえ。ですが対応の範疇外……というレベルではありませんね」ヒラヒラ
300 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:11:44.88 ID:Jw9xpr41o
ドドオオオオォォォォ……
南方参謀「な、何なのよ……このバケモノは……っ」
賢者「まさか、もう1回変身するとはねぇ……ふぅ」
先程までの人型をしたアスタロスの姿は、一同の目の前にはなかった。
今あるのは、悪魔のような翼を持ち、巨大な毒蛇の尾を持つ1匹の魔物。
それこそまさに、息絶えたはずのドラゴンと合体したアスタロスの真の姿であった。
南方司令「どんな相手であれ、やる事は同じだ」
東方参謀「そういう事だ。しかし、再び隙を作らねば――」
アスタロス「……」カッ!!
ズッドオオオオォォォォン!!
南方副司令「破壊力がっ、さっきの比じゃねぇぞ!!」
西方副司令「このままじゃ、この部屋ごと粉々になってしまいそうよ……っ」
西方参謀「おら、軍師大先生様よぉ! さっさと何とかしろいっ!」
大軍師「さて、どう致しましょうかねぇ」
そう語る大軍師の額から、1滴の汗が流れ落ちていった。
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/04(水) 18:23:38.10 ID:Jw9xpr41o
キリよく今日はこの辺で…!
ご支援ありがとうございました!昨日は来れなくてごめんなさいね!
それでは失礼致します!ノシ
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/04(水) 18:28:21.48 ID:X/70qwYDO
おつんぽ低気圧
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/04(水) 20:01:43.68 ID:D74nBKtO0
>>1
おつ
アスタロスがついに本気か…
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/04(水) 21:42:23.38 ID:AB9LAcjDO
いちょつ
ロリBBAの安定したやられっぷり…
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/04(水) 23:36:52.93 ID:0evS2+MAO
>>1
おつ
主人公の活躍シーンはまだか
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/04/05(木) 11:24:40.93 ID:aLnOKkI2o
>>305
主人公ならついさっき青龍召喚してたじゃないか
307 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/05(木) 14:33:06.29 ID:uPlRUs8P0
考えてみりゃ相手のホームなんだし
実力は互角だったとしても不利なんだよな
308 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/05(木) 18:34:00.16 ID:a957thdco
オオオオォォォォ……
アスタロス「……」
この姿を見せたのはいつ以来であろうか。アスタロスはそんな事を考えていた。
無論、この地上において真の姿を晒すなどという事は始めてである。
己の一部でもあるドラゴン。それを取り込む事によって、初めて真の姿となり得るのである。
青龍により一瞬で存在を終えたそれを無駄にするは愚策。
そう判断したアスタロスは惜しげもなく真の姿を晒すという事を決断した。
いや、そもそもそう頭で考えたのは取り込むという行動を起こしてからである。
青龍を感じた時、既に無意識に行為は始まっていた。自己防衛である。
命の危険を感じたアスタロスは、意思とは無関係に変身を行っていたのである。
それをアスタロスは決して恥とは思わない。生物が生きる為の防衛本能であるからだ。
しかし今は自分自身に怒りが込み上げていた。主であるサタンへの冒涜である。
初めて対峙した段階で、他の人間よりは力を持っているものの、自分はおろか、
サタンには遠く及ばない。そう感じて、信じてやまなかった。
だがそれは青龍の出現により、一瞬で覆された。アスタロスに慢心はない。命を摘み取るのみ。
309 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/05(木) 18:34:33.25 ID:a957thdco
アスタロス「貴様等が危険であると認識した。よって、今ここに排除を宣言する」
青年兵「……っ」
西方参謀「さぁ、敵さんも本気のようだぞ? どうすんだい……ヒック」
大軍師「計画に変更はありませんよ。五行を叩き込む、ただそれだけです」
東方参謀「しかし、今度のはそう簡単にいきそうもないぞ」
ドラゴン型へと姿を変えたアスタロスの周囲に、よどんだ空気が滞留している。
エリート「あれは先程の毒霧か……」
南方参謀「あんなの近づけないじゃないっ」
賢者「回復で解毒も出来るけどね……ふぅ」
ジュニア「お前が回復薬に徹したら、五行はどうすんだよ」
賢者「……1人で撃ったら? ふぅ」
ジュニア「死ねってのかよっ、バカ!!」
西方副司令「貴方達2人に対抗出来うる魔力を持っている者は……残念ながら居ないわ」
皇太子「あの毒は即死か?」
エリート「……?」
310 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/05(木) 18:36:12.70 ID:a957thdco
皇太子「致死量はどの程度だと聞いている」
南方副司令「ど、どうなんだ?」
南方参謀「専門家じゃないからよくは分からないけど……即死ではないんじゃないかしら」
南方司令「それがどうだと?」
皇太子「即死でないなら毒に耐えつつ、攻撃するしかあるまいな」ザッ
エリート「陛下っ!!」
西方司令「国王陛下よぉ、自分で何言ってっか分かってらっしゃるんでぇ?」
皇太子「以前読んだ東方の書物にこんな言葉があった……」
大軍師「虎穴に入らずんば虎児を得ず……ですか」
皇太子「その通り。死地を越えねば活路は見出せぬ状況だろう?」
青年兵「む、無茶です……っ。それはなにません……ごほっ」
皇太子「大軍師、大元帥とは如何なる者か?」
大軍師「国軍の統括を務める、最高責任者です」
皇太子「だそうだ、青年兵大元帥殿。君に私を指揮する権限はない」
青年兵「陛下……っ!」
311 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/05(木) 18:36:46.50 ID:a957thdco
皇太子「私は『本国王宮』の人間として独自に動く。行くぞ、エリート」
エリート「……っ」
青年兵「エリート様っ!」
エリート「くっ、陛下は私が何とかする! 君らは現状打破を模索してくれ」ダッ!!
西方司令「それでいいんだよおおぉぉ!! やっぱりそうでなくちゃなあぁ! 漢は特攻おおぉぉ!」
南方司令「陛下1人に任せては……正義の恥よ!」ダダッ
西方副司令「ちょっと、勝手に……っ!」
西方参謀「ほっとけほっとけ。そう簡単には死なん連中だろ……ヒック」
東方参謀「それで、現状打破はどうするのだ?」
大軍師「アスタロスが動かない事が気になりますね」
西方参謀「だよなぁ。ありゃあ、カウンタータイプか?」
青年兵「……っ」
その言葉に、青年兵の脳裏には魔王マーラが蘇った。
しかしその考えは否定という決断において、一瞬の内に掻き消された。
青年兵(いや、それはない。さっきから青龍や五行の存在を見せているんだ)
312 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/05(木) 18:37:22.59 ID:a957thdco
その結論は大軍師も同様であった。
大軍師「カウンタータイプかもしれませんが、ダメージは与えられると思いますよ」
西方参謀「まぁな。どこぞの魔王みてぇに、攻撃を跳ね返すってのは無さそうだ」
大軍師「でなくば、わざわざあのような毒を纏ったりしませんからね」ヒラヒラ
南方副司令「そ、そうかっ。確かにそうだな」
西方副司令「じゃあ何故、敵は動かないの?」
西方参謀「体力、魔力の回復を図っているか、もしくは……」
南方参謀「何かを狙っているのか……」
大軍師「若しくは、何も狙っていないか」
西方副司令「……へっ?」
大軍師「間合いがそれだけ狭いという事なのかもしれません」
西方参謀「超至近距離型か……っ」
南方参謀「ちょっと! だったら陛下達、ヤバイじゃないっ!」
大軍師「だとすればすべき事は1つ」
青年兵「……?」
313 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/05(木) 18:37:52.12 ID:a957thdco
大軍師「ですよね?」
ジュニア「ハッハ。詳しくは聞こえなかったが、やるんだろ? 五行をよ」
賢者「離れて五行を撃ち……ほうむって終わりさ。ふぅ」
南方参謀「そ、そうよっ! 近づいて来ないなら、遠方から五行を放てば終わりじゃないっ!」
南方副司令「た、確かに……っ」
西方参謀「しかしよ、そんなアッサリと片付くモンかねぇ……ヒック」
大軍師「お2人の魔力ならば、2発程度は放てますか?」
ジュニア「まぁな。この音楽のせいでむしろあふれかけてんぜ……ハッハ!」
賢者「諸刃だけどね……ふぅ」
ジュニア「あん?」
大軍師「とにかく、我ら3人で遠方より五行を放つ事が、最も被害を最小限に抑える策です」
南方副司令「分かった。だったら多少の護衛は俺らに任せとけ」
大軍師「陛下らの援護もお願い致しますよ?」
西方副司令「もちろんよっ!」
大軍師「……ふむ。それでは参りましょうか」ザッ
314 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/05(木) 18:40:33.87 ID:a957thdco
>>274-280
今月から業務変わってペースがバラバラです…すみません
>>281
お大事になさって下さいまし!少しでも元気の源になれば!
ほんと短くてゴメンナサイ…!そいでは失礼致します!ノシ
315 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/04/05(木) 19:09:48.50 ID:FzVYgmyAO
乙
316 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/05(木) 19:46:59.35 ID:YwMHiwV5o
仕事頑張っとけ
317 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/05(木) 22:28:33.75 ID:NjsuMSOZ0
>>1
おつ
318 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/04/06(金) 00:51:44.98 ID:mlDy3VIDo
お
319 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/06(金) 01:09:37.80 ID:VZeJp33AO
>>1
おつ
忙しい時期だし体壊さぬようにしてくれ
320 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/06(金) 08:41:02.77 ID:RP40gIZAO
毎度
>>1
乙んつんであります!
321 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:45:51.14 ID:+sVzkBK9o
青年兵「……っ」ヨロッ
ジュニア「そんじゃま、一気に決めんぞ!」
青年兵(違う……っ)
賢者「……ふぅ」
青年兵(違うっ、奴は分かっている。こちらが五行を放つ事を分かっているんだ……っ)
大軍師「陛下らが必ずや、活路を見出してくれます」
青年兵「大軍師さん!」ザッ
大軍師「……大元帥とは、国軍の統括を務める最高責任者です」
青年兵「……っ」
大軍師「私の策にご不満あらば、いつ止めて下さっても結構なのですよ?」
青年兵「……」
止められるはずもなかった。権限は上でも経験と知識は遠く及ばない。
それでも青年兵は、自身が感じた違和感を言葉にする。
青年兵「五行の存在を知りつつ何も行動を起こさないのは不自然です」
大軍師「それは承知の上ですよ。いやむしろ、既に行動を起こしているのやも……ふふふ」
322 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:46:29.64 ID:+sVzkBK9o
青年兵「……っ!!」
そこで初めて青年兵は悟った。これより放つ五行が覚悟の上である事を。
そして大軍師の言葉をふと、思い出す。『お2人の魔力ならば、2発程度は放てますか?』
大軍師「大元帥殿のお陰で奴は真の姿を晒す事となりました」
青年兵「……っ」
大軍師「ゆっくりと、力を癒して下さい、あとは我らにお任せを」スッ
青年兵「……大軍師さんっ!」
大軍師「……?」
青年兵「あなたに……託します……っ!」
大軍師「ふっふっふ。軍師冥利につきますねぇ」ヒラヒラ
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ……
ジュニア「オッサンよぉ、こっちはいつでもイイぜ……ハッハ」
賢者「同じくだね……ふぅ」
大軍師「アスタロスが隙を見せた瞬間を狙います。いつでも放てるという準備を」
不動のアスタロスに重々、警戒しながら一同は距離を取り、狙いを定め始めた。
323 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:47:00.42 ID:+sVzkBK9o
ズギャギャギャッ!!
南方司令「ハートブレイク……ワンダージャスティスパアアァァンチ!!」
西方司令「スーパーウルトラツヴァイハンダー死ね死ねぶっ殺す!!」
ズッガガアアァァァァ!!
エリート「……ぐっ、ごほっ!」
皇太子(即死はないにしろ、やはり瘴気が強いな……)
エリート(何なのだあの2人は……っ。本当に……人間か?)
南方司令「ファイナルミラクルジャッジメントオオォォ……ジャスティスキーック!!」
西方司令「荒らぶる風を巻き起こし毒の霧を消し去ーる!! そして死ね剣!!」
ズガッシュウウゥゥゥゥ!!
アスタロス「……まだ……遠い」
南方司令「ヘビーデンジャラスえぇと……ジャスティスパーンチ!!」
西方司令「思い浮かばねぇならイチイチ言うんじゃねぇ剣!!」グアッ
アスタロス「……ここだ」
西方司令「!?」
324 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:47:35.85 ID:+sVzkBK9o
アスタロス「貴様の弱点……喜びを知らぬ、乾いた風か」
ゴアッ!! ドッドオオオオォォォォン!!
西方司令「ぐお……ああぁぁ!!」ピシッ
南方副司令「あの竜巻は何だっ!? 奴の攻撃か!?」
西方副司令「あれは……司令!?」
ドドオオオオォォォォ……
南方司令「貴様ぁーっ!!」ダッ
大軍師「まずいっ、近づいてはなりません!」
アスタロス「貴様は……悲しみを知らぬ、憂いの涙」
ドッドオオオオォォォォン!! ギッキイイイイィィィィン!!
南方司令「――っ!!」
エリート(風の次は氷!? バカなっ、奴は五行を操れるとでも言うのか……っ)
皇太子「エリート! 西方司令が築いた道を進むぞ!」
エリート「陛下!」
皇太子「霧散した今ならば、容易に近づける……っ!」
325 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:48:10.04 ID:+sVzkBK9o
ズシャッ ザザァ!!
皇太子「まずはその尾を……斬る!!」ジャキッ
アスタロス「背後であろうと問題はない。貴様の弱点は……」
皇太子「はあぁーっ!!」
アスタロス「……な、何だこの感情はッ。貴様は何も……ないとでも言うのか!?」
ザシュウウゥゥゥゥ!!
アスタロス「他者の為に喜怒哀楽を分かち合い……決して人を恨む事もない……と?」
皇太子「浅かったかっ、もう1度――」
バギャッ!!
皇太子「っ!!」
アスタロス「尾は毒を吐くだけの為に在らず。振り払える事を忘れるな」ブンッ
皇太子「……ごほごほっ」
エリート「陛下っ!」タタッ
アスタロス「貴様の弱点は見えている。本当の楽しみを知らぬ無情なる炎よ」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴオオオオォォォォ!!
326 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:48:56.97 ID:+sVzkBK9o
アスタロス「主を助けた事で、逆に巻き込んでしまったな」
皇太子「ぐ……っく!」
エリート「陛下……だけは……っ」
ドドオオォォォォン!! ジュジュウウゥゥゥゥ……
アスタロス「ほぉ、その体勢から水行を放ち、中和するか」
エリート「……陛下……っ」
皇太子「エ、エリート……」ドシャア
アスタロス「己が捨て身で主を助けるとはなかなか大した人間よ」
エリート「……っ」ブスブス
アスタロス「免じて、命は今しばらく助けてやろう。そこで散りゆく仲間を見届けているが良い」
南方参謀「陛下っ! 右大臣!」
南方副司令「生きているっ、大丈夫だ!」
東方参謀「まさか魔物でありながら、五行を制御しているのか……っ?」
西方参謀「残念だがそういう事らしいな」
南方副司令「万策……尽きたか」
327 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:49:53.88 ID:+sVzkBK9o
青年兵「……いえ、まだチャンスはあります」
南方参謀「……?」
青年兵「五行は均等の魔力を放ってこそ成功するもの」
西方参謀「そうかっ、つまりヤローさんに、何か一行だけでも集中させとけば……」
青年兵「五行で五行を守る事は出来ないはずです」
西方副司令「つまり、敵が魔法を放っている瞬間にこっちが五行を放つわけ?」
東方参謀「そういう事になるな」
西方参謀「だがなぁ、そう生易しいモンじゃあねぇぞ……ヒック」
青年兵「南方司令や西方司令ですら一瞬でした」
南方参謀「数秒すら持たないわよっ。一体、どうやって……」
青年兵「……っ」
スッ ザッザッザッ
西方副司令「大元帥……?」
青年兵「僕がもう1度、青龍を召喚します」
南方参謀「無茶よっ!! 今だってフラフラじゃない……っ!」
328 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:50:54.13 ID:+sVzkBK9o
西方副司令「いくらなんでも魔力だってまだ……」
青年兵「やれますよ」ズズズズッ
西方参謀「お、おい……っ」
青年兵「自分自身を全て、内なる力を全て出せばもう1度、召喚士くらい……」
ズゴゴゴゴ……
東方参謀「やめぬかっ!!」
青年兵「!?」
東方参謀「貴様は自分が何をしているのか、分かっておるのか!」
青年兵「東方先生、しかしこれしか手はないのです」
東方参謀「命を魔力に変える事が、如何なるものかわかっているのかっ!!」
西方副司令「命って……まさか……っ」
南方参謀「あなたっ、寿命を削ってまで召喚するっていうの!?」
青年兵「すみませんがこれは命令です。大元帥としての」
東方参謀「若造が自惚れるなぁ!!」
青年兵「ここは、私に任せて頂きたい!」
329 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:51:31.99 ID:+sVzkBK9o
――「嫌だね……ガハハッ!」
青年兵「!?」
スタッ ザッザッザッ
――「どいてな、小僧」
青年兵「……あ、あなたは」
東方参謀「ば……馬鹿なっ、いや……そんなはずはない……っ!」
――「ハッハ。東方先生。アンタも随分と老いたもんだなぁ」
西方参謀「……酔いが……覚めた」
大軍師「再来の大魔道士に、朱雀先生……いや、元と言うべきでしょうか……っ」
師匠「ヤローの気を引きゃいんだろ? ガハハッ、後は任しとけ」ドンッ!!
マジシャン「冗談じゃねぇぜ。まだこんな魔物が残ってるってのかよ……ハッハ!」ドドンッ!!
ジュニア「…………」ゴクッ
マジシャン「あん?」チラッ
ジュニア「……っ」
マジシャン「……あいつ」
330 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:52:34.06 ID:+sVzkBK9o
師匠「おら、行くぞ!」
マジシャン「おうっ」ダッ
南方参謀「ど、どうするつもりなの……っ?」
大軍師「援護っ!!」
南方副司令「お、おうっ!」ズダッ
マジシャン「五行は俺が担う! テメーは回復に努めろいっ」
賢者「……ふぅ」
師匠「行っくぜぇ!」シュイイイイィィィィン
青年兵「――っ!?」
西方副司令「なっ、なんて数なの……っ!!」
師匠「シルフ、ハーピー、フェアリー、ニンフ、セイレーン、グリフォン、
カラドリウス、ペガサス、リャナンシー、モーショボー、サンダーバード」
マジシャン「いっくぞおおぉぉ!!」
大軍師「ジュニア殿っ、準備は!?」
ジュニア「お、おう……っ」
331 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:53:34.26 ID:+sVzkBK9o
キュイイイイィィィィ……
師匠「さぁーっ、どの召喚獣が当たりかなぁ〜?」
バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
アスタロス「全てが対抗しうる召喚獣などという事は在り得ぬ」
師匠「だーからそう言ってんだろうが、ガハハ!」
アスタロス「……まずは、これだ」スッ
ニンフ「――ッ」
バチュン!! ボンッ!!
アスタロス「……次」
師匠「その前に、一斉突撃だ!!」
ゴウアッ!! ズガガガガガッ!!
南方参謀「すっごいコンビネーション! あんなの避けられないわよっ!」
アスタロス「違う。これも違うな」バシュッ!!
師匠「そっちが仕掛けてこねーならば、距離を取って召喚獣で攻撃するのみだっ」
アスタロス「……」
332 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:55:03.26 ID:+sVzkBK9o
師匠「とは言っても、お前さん……随分と召喚獣に精通してるみてーだなぁ」
アスタロス「……」ズバッ!!
セイレーン「〜♪」
アスタロス「これは音による知覚経由での精神攻撃」
師匠「本当に詳しいな、おい」
アスタロス「朱雀の召喚獣など、過去何百回戦った事か……」
師匠「おーおー、そんじゃあコイツもご存知だろうなぁ!」
シュイイイイィィィィン
アスタロス「全召喚解除……?」
師匠「本気の本気だっ、行けっ! コカトリス!!」
アスタロス「――――ッ!!」
コカトリス。その言葉にアスタロスの身は、一瞬ばかし硬直する。
その召喚獣がどういうものなのか理解していたからだ。しかしそれは今世の事ではない。
アスタロス(あの人間、コカトリスと言った。コカトリスとは確か……)
東方を含め何度か対峙してはいるが、召喚士とは1度も相見えていなかった。
333 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 17:56:09.13 ID:+sVzkBK9o
つまりアスタロスはそれ以前から知っていたという事になる。
アスタロス「能力は確か……石化っ!!」
最良の判断であった。コカトリスの石化は五行関係なく、
相手を一方的に石と化す恐るべき能力である。
ドッドオオオオォォォォン!! ズゴゴゴッ!!
せり上がる地面、そして凄まじい勢いで吹き付ける突風は、
明らかにコカトリスの石化を意識しての防衛手段であるのは明白であった。
アスタロス「……?」
それだけ警戒していた。間髪入れず、素早い行動であった。
しかしコカトリスが姿を見せる素振りは一向になかった。
アスタロス以外の一同にとって、それは当たり前の話であった。
大軍師「今ですっ!!」
マジシャン「力の限り、ぶっ放せええぇぇ!!」
ジュニア「……くっ!!」
ジュニアの火行、金行めがけ、大軍師の木行とマジシャンの水行、土行が付加される。
334 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/06(金) 18:00:57.04 ID:+sVzkBK9o
ドッドオオオオォォォォン!!
ジュニア「……っ」ビリビリビリッ
合体する五行の白い光が周囲に広がり、ジュニアの身体をも包み込む。
ジュニア(暖けぇ……。何だか、懐かしい感じだな……ハッハ……)
何も聞かなかった。聞いたところでどうにかなるものではないと分かっていたから。
ジュニア(やっぱりあれは……そうなんだよな……)
時折、その事を口にする母は幸せそうだった。生活に不自由もなかったから。
ジュニア(色々とあたんだけどなぁ……サッパリ出てこねぇや……ハッハ)
自分自身で直接会い、尋ねたかった。色々な思いを。自分への感情を。
ジュニア(やっぱ、面と向かって会っちまうと駄目なのかもなぁ……)
怒りであり哀しみであり怨みであり、そして目標であり尊敬であり、強大な壁である者。
ジュニア(ま、今はそんな事を言ってる場合じゃねぇわな……ハッハ)
恐らく、今はもうジュニアの魔力がマジシャンを圧倒しているであろう。
ジュニア(全てが終わったら、ゆっくりと話そうぜ……親父)
それでもなお自分を包み込む魔力のその寛大さに、ジュニアは尊敬の念を抱いていた。
335 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/06(金) 18:13:21.34 ID:+sVzkBK9o
キリよくここまでにて失礼します!
今日もご支援ありがとうございました!感謝!
週末はまた少なくなりそうですが、見捨てないでね;;それでは!ノシ
336 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 18:15:40.49 ID:ORMfNtxKo
やはり主人公はおっさんだったか
337 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/04/06(金) 18:25:05.08 ID:T3mlRbtd0
>>1
おっつん
おっさん達かっけぇぇぇぇぇ!!
338 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 18:29:07.89 ID:uJ4iuF0IO
乙
339 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 18:32:17.76 ID:Vp+0lauDO
え?師匠コカちゃん呼べるの?
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 18:33:38.48 ID:Vp+0lauDO
ああ呼ぶフリだけか
早とちりしたすまん
乙
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/04/06(金) 18:34:11.11 ID:VCOki/H6o
これからはオッサンの時代だなwwwwwwwwww
お前らちょっとはオッサンを敬えやwwwwwwwwwwwwww
俺たちの時代だwwww
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 18:43:44.61 ID:3mZqNyPDO
>>1
乙
オッサンズかっこよすぎだろwwwwwwwwwwwwwwww
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/06(金) 18:59:12.25 ID:HQQ9/95AO
本当にコカさんが出てくるかと思った(´・ω・`)
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 19:37:21.71 ID:CApnaanPo
>>1
乙!
やべーwwwwww
オッサンズの老獪さに超鳥肌たったwwwwwwwwww
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 20:22:14.81 ID:nSeUCA3DO
いちょつ
うひょー対面がついに
次はようやくの…
ドンッわろたw
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/06(金) 20:51:29.74 ID:zRZ57HL10
>>1
乙
オッサンズかっこよすぎだ・・・
これからはオッサンズの時代かwwwwww
347 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/06(金) 20:51:33.91 ID:Dc0NJjCy0
いちおつ
新しい朱雀召喚獣がけっこう出てきたな
348 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/06(金) 20:54:26.86 ID:VZeJp33AO
>>1
おつ
349 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 22:29:39.73 ID:/XG84+dB0
師匠が戦ってるシーンは初めてだよな
胸熱
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/06(金) 22:50:49.57 ID:EVP66qVIO
マジシャンはこれでも魔翌力半分なんだよな…
351 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/06(金) 23:28:02.51 ID:47LSkfBAO
>>1
乙加齢臭www
352 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/07(土) 08:21:38.32 ID:0jTs64YR0
>>1
おつんつん
おっさんのちからって すげー!
353 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/07(土) 11:28:19.02 ID:zxTaLokLo
コカトリスって名前にビクってしちゃうアスタロスさん可愛い
354 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/07(土) 12:11:12.19 ID:pglT3ALqo
まさかコカトリスとアスタロスが親子だとはこの時点で誰も気付けなかったわけで
355 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/08(日) 09:46:00.83 ID:Maxx9OZDO
ショボたん、ショボたんじゃないか!
やはり朱雀はメガテンで言うなら妖鳥、霊鳥 + αか。
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/09(月) 08:39:53.72 ID:wYVydgKAO
毎度更新乙んつんであります。師匠頑張れ超頑張れ
357 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:52:49.52 ID:8IIsSSTao
南方参謀「出来たっ、五行よ!」
南方副司令「いっけぇ! ブチかませぇ!」
ジュニア「ぐ……っううぉ……っ」ズズゥ
マジシャン「集中しろっ! 惑わされず己の魔力だけに集中しろ!」
ジュニア「……!?」
マジシャン「でなけりゃ……命まで持ってかれるぜ? ハッハ!」
ジュニア「……っ」
ズゴゴゴゴゴゴ……
アスタロス「あれは……聖なる光か……ッ」
師匠「残念だったな、門番ちゃんよぉ」
アスタロス「……?」
師匠「あの光を浴びれば……いや、本当はあんなモン、使っちゃいけねぇんだろうけどよ」
アスタロス「……残念だ」
大軍師「……っ!?」
アスタロス「所詮、この程度とは……残念だ」
358 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:53:16.63 ID:8IIsSSTao
ゴアァッ!!
ジュニア「な――っ!?」
青年兵(……やはり……っ)
東方参謀「こ、こやつ……まさか……っ!」
青年兵(やはりアスタロスは……五行を封じる為の、何かしらの術を持っている……っ!)
アスタロス「ハハッ、ハハハハッ!! ハーッハッハッハッハ!!」
ズオオォッ!! ドッドオオオオォォォォン!!
西方副司令「これは……っ!!」
大軍師「……先出の土行、木行に続き……残りの3行ですか……っ」
アスタロスは高らかに笑いながら、次なる魔法を自身の前へと放つ。
師匠「てんめぇ……」
アスタロス「まさかコカトリスがブラフとは予測出来なんだ」
青年兵「……っ」
アスタロス「しかしだ、此方の手も予測は出来なかったであろう?」
師匠のコカトリス防衛に撃ち放った魔法に加え、火行、水行、金行が放たれる。
359 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:53:53.29 ID:8IIsSSTao
その意味は誰しもが理解する通り、言わば五行の完成である。
マジシャン「まずいぞっ! このままじゃ……」
アスタロス「貴様等の五行と此方の五行、それがぶつかり合えば……答えは1つ」
ズッガカアアアアァァァァ!!
西方副司令「きゃああぁぁーっ!!」
青年兵「くっ!」
ドッドオオオオォォォォン!! ズドドオオオオォォォォ……
アスタロス「そう。答えは相殺。これで貴様等の五行は封じた」
ジュニア「バ……カなっ、五行を相殺……だとぉ!?」
マジシャン「やってくれるねぇ……ハッハ」
南方副司令「かつて居たか、五行を相殺する魔物など……」
師匠「コイツはちーとばかし、勝手が違うみてぇだな……くそっ」
青年兵「大軍師さん……っ」
大軍師「……っ」
アスタロス「これで、打つ手なしだな。切り札も最早、あるまい」
360 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:54:13.54 ID:8IIsSSTao
ドドオオオオォォォォ……
賢者「……ふぅ」
パアアァァァァ
エリート「ぐ……っく」
皇太子「すまぬ、助かった。ごほごほ……っ」
賢者「他の3人も無事だね……ふぅ」
南方司令「……五行も利かぬとはな」ザッ
西方司令「クソヤローが!! 次こそぶっ殺す!! いや……殺されるかな?」ドキドキ
エリート「……ツヴァイハンダーが折れ――」
西方司令「まだ半分残ってる! 気にすんな……いや、気にしないとまずいかなぁ?」
皇太子「さて、次なる手はどうするか」
エリート「ひとまずは距離を取り、大軍師の動きを待ちましょう」
皇太子「うむ。近づかねば攻撃を食らう事もないからな」
南方司令「それはそれで楽なのだが、これでは均衡を破れぬぞ」
西方司令「だがよぉ、さっきよりも毒が減ってねぇか? いや、減ってないか……」ソワソワ
361 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:54:45.10 ID:8IIsSSTao
エリート「何?」ジーッ
皇太子「……確かに、気持ち減っているような気がしなくもない」
南方司令「どういう事だ?」
エリート(五行により魔力が低下したか? いや、そうは思えない。別物のはずだが……)
アスタロス「万策尽きたか。これで、貴様等の敗北は必死」
南方副司令「おいおい、こっちはまだ誰も死んでねぇ。それに、お前さんだって攻撃出来んだろうが」
西方参謀「だからこそだよ」
西方副司令「へ……っ?」
西方参謀「分からねーか? 敵さんはよ、間合いに入って仕掛けねぇ限り動かねぇ……ヒック」
東方参謀「言わば城なのだ。これは1匹の魔物に対する掃討戦というより、攻城戦に近しい」
南方参謀「こっちの勝利条件は開門。向こうの勝利条件は……」
南方副司令「そ、そうか……っ。結局のところ、均衡したままじゃ相手の思うツボ……!」
西方副司令「門を守る事があの魔物の任務ならば、開門出来ない限りこっちは……」
青年兵「そうです。自分の能力もあるでしょうが、だからこそ奴は動かない」
大軍師「門さえ守ればそれでいいのですからね……」
362 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:55:55.26 ID:8IIsSSTao
アスタロス「理解したか? 私はここを動かぬ。何年だろうと、何十年だろうとな」
マジシャン「ハッハ! そんなに時間かけてらんねぇんだよ」
ジュニア(だが五行は通じない……っ。どうすればいいんだ……っ)ザッ
東方参謀「どう見るのだ?」
大軍師「あれは五行が利かない、というよりも、五行を相殺していましたからねぇ」
西方参謀「五行が通用しないなんて事は在り得ねぇんだ。絶対によぉ……ヒック」
大軍師「如何にも。それが万物の真理というものです」
西方副司令「でもっ、実際に通用しなかったじゃないっ」
西方参謀「ありゃあ、同等の魔力で作り出した五行に相殺されただけだって言ってんだろ」
南方副司令「えぇとだな、つまり……」
青年兵「外部からではなく、内部より五行を叩き込めば良いんです」ザッザッ
東方参謀「そういう事だな」
西方副司令「な、内部……? どうやってそんな事……」
大軍師「シンプルな話です。付加してアスタロス自身に放てば良いのです」
西方参謀「シンプルかつ最も過酷な策だけどなぁ……ヒック」
363 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:56:39.89 ID:8IIsSSTao
〜ネクロマンサーのラボ〜
魔道士「うぇ……っ、ごほごほ!」
戦士(この嫌なカンジ……かつて経験した事がある……っ)
盗賊「これは瘴気か……? ごほっ」
召喚士(盗賊さんが耐性を持っていない……? これは毒やその類じゃない……っ)
戦士(そうだ、この嫌な感覚……かつて地獄で味わったアレと同じだ!)
ブシュウウウウゥゥゥゥ……
召喚士(足が重い……っ。この中に本体があるというのに……っ)ズッ
魔道士「……っ」
ドドオオオオォォォォン!! ゴアアァァァァッ!!
戦士「……風かっ、助かったぜ……げほっ」
盗賊「今のうちに……」タタッ
スタッ……ズザァ
召喚士「!?」
盗賊「……兄様?」
364 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:57:10.49 ID:8IIsSSTao
影忍「此処から先……」
盗賊「ええ、進みましょう。ここから先――」
ザシュッ!!
盗賊「え……?」ポタタッ
召喚士「な……っ!?」
影忍「此処から先、進ませぬゥ!」チャキッ
戦士「ど、どうなってやがるっ!!」
ズゴゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「クククッ、残念でしたねぇ」
魔道士「あぁっ!!」
召喚士「貴様ぁ……っ!」
ネクロマンサー「先程の瘴気を大量に吸い込み、貴方の兄君は理性を失いました」
盗賊「……ぐっ」ザシャッ
ネクロマンサー「さぁ、どうします? 此処から先、易々と通すわけには参りませんからねぇ」
召喚士「だったら……力ずくで抜けてやるっ!」
365 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:57:50.27 ID:8IIsSSTao
ズザァ!!
召喚士「行けっ! ワルキューレ! スキュラ! ユニコーン! コカトリス!!」
シュイイイイィィィィン……ドドオオォォォォ
ネクロマンサー「この程度の召喚獣でッ、この私をやれるとでもオォ!!」
召喚士「やってやるさ! 貴様を倒す為には手加減なんてしないっ!」
ズギャギャギャギャギャアアァァァァ!!
召喚士「!?」
ネクロマンサー「クククッ! 瘴気でパワーアップしたのは、人形だけではありませんよォ!」
バゴォ!! シュイイィィィィン……
召喚士「スキュラ!!」
ネクロマンサー「次ィーッ!!」ババッ
戦士「させっかよぉ!!」ダンッ!!
ネクロマンサー「邪魔です。寝ていなさいッ」
触手に捕らえられた戦士は、簀巻きのような状態でそのまま地面へと叩きつけられた。
戦士「ごほぉっ!! がはっ!!」ドガアアァァァァ!!
366 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:58:27.65 ID:8IIsSSTao
ネクロマンサー「さっきまでの威勢はどうしましたァ!? エェッ!?」
盗賊「ち、調子に……乗るなよっ」ググッ
ネクロマンサー「此方の台詞ですよッ!」
影忍「……」
バキッ!! ドガァ!!
盗賊「がはぁっ!」
戦士「魔道士ぃ、盗賊の援護だ! 俺は召喚士の援護に回る!」
魔道士「は、はいっ!」タタッ
召喚士(……ネクロマンサーめ)
ネクロマンサー「ククッ」ビュオッ
召喚士(コカトリスの動きだけ徹底的にマークしてる……っ)
ネクロマンサー「召喚士、貴方の狙いは分かっていますよ」
召喚士「くっ」
ネクロマンサー「如何に強力なコカトリスと言えど、動き回っている相手には狙いも定まるまい!」
召喚士「だったら、まずはその動きを封じてみせる!」
367 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:59:11.97 ID:8IIsSSTao
ネクロマンサー「どうやって?」
召喚士「行けっ、クジャタ!」
シュイイィィィィン
ネクロマンサー「ほォ」
召喚士「クジャタの竜巻で、コカトリスと貴様を閉じ込める!」
ネクロマンサー「無駄ですね。召喚士、貴方には期待していたのですが……」
フッ
召喚士「!?」
ネクロマンサー「どうやら、期待外れのようだ」
戦士「召喚士ぃ! 後ろ――」
ネクロマンサー「寝てなさい。ククッ」
ドズドズドズドズッ!! ズググッ……
召喚士「か……かは……っ」
コカトリス「召喚士!!」
ネクロマンサー「所詮、この程度のものですか」
368 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 17:59:54.67 ID:8IIsSSTao
タッタッタッ
魔道士「盗賊さんっ!」
盗賊「来るな魔道士っ!」ググッ
影忍「……」
盗賊「こ、こは……私……っが」
魔道士「1人でなんて無茶ですっ!」
盗賊「……兄様は……私が……っ」グググッ
影忍「……」
魔道士「影忍さんっ!!」
影忍「……?」クルッ
魔道士「どうして……っ、盗賊さんは、あなたの妹なんですよっ!?」
影忍「……」
魔道士「大切な妹の事……忘れるわけないじゃないですかぁ!!」
影忍「妹……」
魔道士「盗賊さんの事……妹の事ぉ! 思い出して下さいよぉ!」
369 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 18:00:31.36 ID:8IIsSSTao
影忍「盗賊……妹……」
盗賊「……?」
影忍「……ウ……グゥ」パッ
盗賊「っ!!」ドシャッ
魔道士「盗賊さんっ!!」ダッ
盗賊「ご、ごほっ! ごほっ!」
影忍「妹……グゥッ」
魔道士「盗賊さんは妹ですよっ! 藤蔵のっ、大切な妹なんですよっ!!」
影忍「藤……蔵……」
ヨロッ……フラフラ……
魔道士「!?」
影忍「藤蔵……妹……」フラフラ
魔道士「ど、どこへ……」
影忍「盗賊……藤蔵……ウグッ」
盗賊「魔道士……お、追うぞ……っ」ザッ
370 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 18:01:48.86 ID:8IIsSSTao
…
魔剣士「……」
東方司令「……」
スタスタスタ……ザッ
東方司令「……こ、殺すなら殺――」
ガシィ!! グイィッ!!
東方司令「あぐ……ぅ!」
魔剣士「……」グイッ
ズルズルズル……
東方司令「は……なせ……っ」
魔剣士「……」
東方司令「どうするつもり……っだ!」
魔剣士「……」
東方司令「……何も語らない……かっ。くそっ」
魔剣士「……」
371 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 18:02:24.71 ID:8IIsSSTao
ズルズル……
東方司令(……惨めなものだな)
ズルズル……
東方司令(今まで色んなものを犠牲にして、強さを求めた結果がこれか……)
ズルズル……
東方司令(辿り着いたと思った山頂の先には、まだ険しい道があって……)
ズルズル……
東方司令(対峙して、手も足も出ない挙句、殺されもせず地を引き摺られている……)
ズルズル……
東方司令(所詮はこんなものか、ボクの力なんてさ……)
ズルズル……
東方司令(何で……涙なんか……くそ……っ)
ズルズル……
東方司令(身も心も……呪われた人生、生涯なのかよぉ……くそぉ……っ!)
ズルズル……グッグッ
372 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 18:04:47.10 ID:8IIsSSTao
魔剣士「……?」
東方司令「そんな人生……」
グイッグイッ……グッ
東方司令「もうそんな人生は……まっぴらだ!!」
ズゴゴゴゴゴゴ……
魔剣士「……!?」ズザッ
東方司令「ボクは……ボクはっ、もう嫌なんだああぁぁ!!」
突如、辺りが光に包まれる。東方司令の身体から発せられたそれは、
まるで五行の光に等しく、魔剣士はその衝撃で大きく後方へと吹き飛ばされた。
ドガアアァァッ!! ズシャッ!!
魔剣士「……?」
ザッザッザッ
東方司令「……私はもう……屈さない」
魔剣士「……ッ」サッ
東方司令「お前を倒す。この……私が!」
373 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/09(月) 18:05:43.09 ID:8IIsSSTao
すらりと伸びた長身に、細身ながら引き締まった筋肉。
衣服はところどころが破れ、軍服は七分袖のような状態になっている。
上半身も同様で、タンクトップに袖の短いジャケットを羽織っているような格好である。
普段から大き目の衣服を着ていたからこの程度の露出で済んだのかもしれない。
長身によく似合うさらりと長い黒髪が風に揺れ、その奥から眼光鋭く光らせる東方司令は、
普段とは全く勝手が違う邪魔な胸元を左手でモゾモゾと気にしながら、
目の前に立つ魔剣士の元へとゆっくりと、ゆっくりと歩み寄っていった。
東方司令「……」
魔剣士「……」ジャキッ
特に会話はなかった。魔剣士がツヴァイハンダーを身構えた瞬間、
東方司令は既に魔剣士の後方でツヴァイハンダーを振り終えていた。
魔剣士「――ッ!?」ザシャッ
何が起きたかすら理解出来ぬまま、膝を付いた魔剣士の胸から、
夥しい流血が噴水のように噴き出し、魔剣士はそのまま地面へと四つん這いで倒れこんだ。
それを見下すように、東方司令はくるりと振り返り、無言のまま大剣を再び構えなおした。
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/09(月) 18:09:02.44 ID:8IIsSSTao
今日はキリ良くここまでにて!ご支援ありがとうでした!
おっさんズに続いておっさんズも人気ですな。おっさん無双
それではまた!失礼致します!ノシ
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
:2012/04/09(月) 18:11:08.45 ID:DBa1Tj4Fo
アニメ化したら売れそうなんだけどなあ・・・
376 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/09(月) 18:18:51.65 ID:OR0ox1RDO
ロリBBAがただのBBAになっちまいやがった………
いちおつ
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/09(月) 18:19:35.11 ID:U5+Zgy+Ko
乙
378 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/09(月) 18:21:41.34 ID:09BViB2Ho
いやこれはまたロリババアに戻るに違いない!
>>375
まずは完結まで待て。話はそれからだ
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/04/09(月) 18:22:43.82 ID:Y0mKT2rBo
>>1
おつ!
世の中には「反動」という言葉があってだな
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/09(月) 18:32:53.61 ID:lHIMiTRDO
ロリBBAからゴリBBAへ…
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/09(月) 18:41:06.34 ID:i6Ao3zuZo
>>1
乙
ババァはババァでもこれはかっこいいババァやでぇ・・・
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/09(月) 19:23:27.16 ID:HktFJG5+o
スーパー〇イヤ人…
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/09(月) 19:26:19.72 ID:87AQpJPxo
>>1
乙
そのうち顔を包帯ぐるぐる巻きにして現れたら東方指令と添い遂げる。
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sagesaga]:2012/04/09(月) 20:52:36.83 ID:dGfQpXK5o
>>1
乙
東方司令がまさかゴンさん化するなんて
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/04/09(月) 20:53:46.96 ID:DBa1Tj4Fo
This way....
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/09(月) 22:30:02.32 ID:+MjcPYkTo
なぜ胸まで大きくした
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/09(月) 22:47:24.94 ID:+ylX4wHIO
ゴンさんより先にビスケがでてきた死にたい。マッチョババァいらない
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/10(火) 00:54:26.29 ID:mQwM3QZt0
>>1
おつ
呪いがとけたのか
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/10(火) 01:17:02.04 ID:WZkZIHKcP
天才もジジイになっちゃうの?
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/10(火) 01:44:50.21 ID:iHyW/UeAO
>>1
おつ
ロリBBAのせいで髪の毛ピンクで補完してたが東方なのもあって黒髪なのか
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/10(火) 05:36:06.22 ID:TpRG2L4DO
いちょつ
ロリBBAがーロリBBAがー
ただのBBAになっちゃったよー
392 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/10(火) 08:20:37.43 ID:aNPzdVpAO
経験不足な君たちには解らんだろうなwwwwww BBAの良さをwwwwww あ、
>>1
乙んつんであります。
393 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:06:51.34 ID:6aC4KOGHo
魔剣士「……?」ゴトッ
東方司令「っりゃああぁぁ!」ビキビキビキッ
垂直に振り下ろすツヴァイハンダーの衝撃で、地面が大きく砕け散る。
かろうじて直撃を封じた魔剣士も、その衝撃に耐える事は出来ず、
手にしたツヴァイハンダーを弾き飛ばされ、自身も後方へと激しく吹き飛んだ。
魔剣士「――ッ!」
ドゴッシャアアアアァァァァ!!
宙を漂う魔剣士の大剣をそのまま手に取り、東方司令は速やかに追撃へ動く。
両手にツヴァイハンダーを持った妖艶な女は、瓦礫に埋まる魔剣士を見つけた途端、
間髪入れず、両手の得物を左右から門のように閉じ、一気に命を仕留めにかかる。
魔剣士「……ッ:」
東方司令「っだああぁぁ!!」
2本のツヴァイハンダーが激しくぶつかり合い、壊れんばかりの衝撃音が響き渡った。
間一髪でしゃがんでかわした魔剣士は、そのまま両足で2本の刀身を大きく蹴り上げる。
そして、がら空きとなった東方司令の懐に飛び込んだ瞬間……。
394 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:07:43.89 ID:6aC4KOGHo
東方司令「りゃああぁぁ!!」
ギュバッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!
魔剣士「――――ッ!!」
蹴り上げられた2本の大剣は、態勢を崩される事もなくそのまま振り下ろされた。
刹那のうちに土行で防御を試みた魔剣士であったが、先程の倍はあろうかという威力に、
遥か後方、ラボの中心部へと凄まじい勢いで吹き飛ばされていった。
ギュオオオオォォォォ……ドゴッシャアアアアァァァァ!!
東方司令「……吹き飛ばしすぎたか?」ガシャッ
2本のツヴァイハンダーに映る、変貌した自身の顔を見つめ東方司令が目を丸くした。
東方司令「……こ、これが私……!? わ、悪くないな……っ」ゴクッ
シュウウウウゥゥゥゥ……
ネクロマンサー「……?」
戦士「な、なんだぁ!?」
魔剣士「……ゴ……ゴフッ」ガラガラッ
ネクロマンサー「――!?」
395 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:08:33.54 ID:6aC4KOGHo
召喚士「あ……あれは……ごほっ」
ネクロマンサー「まさか、やられたとでも言うのか……ッ?」フワッ
召喚士「行か……せるかっ!」
ネクロマンサー「小賢しいッ!」
召喚士「戦士! 今のうちに魔剣士さんにとどめを!」
戦士「お、おう……っ」
ネクロマンサー「そう簡単にッ、人形を失うわけにはいかないのですよッ!」
コカトリス「馬鹿め、焦りは隙を生じるぞ」
ネクロマンサー「!?」
ドドオオオオォォォォ!! ゴゴオオオオォォォォ……
ネクロマンサー「……クッ」ピキピキミシッ
戦士「よしっ、ナイスだ!」
召喚士「いや、一時的なもの。その気になれば体を捨てて、脱出できるはずだ」
ネクロマンサー「……ッ」
召喚士「こいつはそういう奴だ。今まで何度も戦ってきて……理解してる」
396 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:09:27.88 ID:6aC4KOGHo
ネクロマンサー「……ククッ」
召喚士「……動けば次の召喚獣が貴様を攻撃する」
ネクロマンサー「召喚士、貴方もやはり普通ではない」
召喚士「……」
ネクロマンサー「とどめを差せだの、随分と命が軽く感じ取れるようになってきたのでは?」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「人間なんてそんなものです。一歩間違えれば闇に――」
召喚士「違うっ! 人間だって魔物だって、心はあるんだ」
ネクロマンサー「……」
召喚士「同じ志があれば、共に生きて行く事が出来る。いまはもう、そういう時代なんだ!」
ネクロマンサー「確かにそれは一理ありますよ」
召喚士「だったら――」
ネクロマンサー「私は此方側と同じ志だったからこそ、此方に来た」
召喚士「俺は違う。お前とは真逆の場所にいるんだ!」
ネクロマンサー「表裏一体なんて言葉、知ってますか?」
397 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:10:17.54 ID:6aC4KOGHo
召喚士「……」
ネクロマンサー「自身が正しい、白だと思っていても、はたしてそれはどうでしょうか?」
召喚士「何が言いたい」
ネクロマンサー「召喚士、貴方は真っ白なのです。汚れなき白。だからこそ汚れやすい」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「一度汚れてしまえば、純白などあっと言う間に濁り、黒となる」
召喚士「俺は――」
ネクロマンサー「たまたま黒に出会ってないだけです。1度出会えば、貴方は必ず堕ちますよ」
召喚士「俺はお前とは違う!」ゴアッ
コカトリス「落ち着け」
召喚士「コカトリス……!」
コカトリス「ただの言葉遊びだ。何も気にする必要はない」
ネクロマンサー「ククッ。はたしてそうでしょうかねぇ」
コカトリス「……」
ネクロマンサー「召喚獣さん。貴方だって危ういと思っているのではないのですか?」
398 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:11:10.41 ID:6aC4KOGHo
コカトリス「……どうかな」
ネクロマンサー「先程、話しましたね」
召喚士「……何?」
ネクロマンサー「レメゲントン。貴方が手にする日が来れば、どうなる事やら……ククッ!」
召喚士「お前は、何を望んでいる!? 何を見ているんだ!」
ネクロマンサー「知りたければ同じ舞台に立つ事です。きっと楽しいですよぉ?」
コカトリス「召喚士、もういい。よすんだ」
ネクロマンサー「貴方が見た事もない、新たな世界が見えるはずですよッ。ククッ!」
召喚士「……やっぱりお前は危険だ。どんな形であろうとお前を倒す!」
ズゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「ほぉ、これは……4属性召喚というやつですか」
召喚士「ネクロマンサー! 今日がお前の最後だ!」
ネクロマンサー「……ククッ、どうだか」
ドゴオオォォォォン!!
召喚士「!?」
399 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:11:38.20 ID:6aC4KOGHo
シュウウゥゥゥゥ……
戦士「……くっ」
召喚士「戦士!」
ネクロマンサー「ククッ。人形は1体ではありませんからねぇ」
戦士「そこをどいてくれ!」
影忍「……」ザッ
タッタッタッ……
魔道士「いましたっ!」
盗賊「兄様っ!!」
戦士「盗賊っ、後ろだ!!」
盗賊「――!?」
魔剣士「……」ブワッ
ガシイイィィィィ!!
盗賊「くっ、こ……っの!」
魔剣士「……」グググッ
400 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:12:12.67 ID:6aC4KOGHo
魔道士「盗賊さんっ!」
盗賊「……だ、大丈夫っ。どうやら素手のようだ……っ」ググッ
魔道士「援護します……っ!」
戦士「そっちは頼むぞ!」チャキッ
影忍「……そこを……どけ」
戦士「どいたらいい事でもあんのか? だったらどいてやるぜ」
影忍「いいから……どけェ!」
ビュオッ!! キィンッ ガキイイィィン!! ズガガガガッ!!
戦士「流石に……強えぇな……っ」
影忍「……グッ、クウゥ」
ネクロマンサー「ククッ、せいぜい争うが良いッ」
影忍「そこヲ……どけエエェェ!!」
戦士「いい加減っ、目ぇ覚ませよ!!」
ネクロマンサー「ククッ……」
影忍「どけ……どけぇ!! 戦士!!」
401 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:12:39.79 ID:6aC4KOGHo
戦士「!?」
ネクロマンサー「……?」
影忍「そこを……ど、くのだ……っ」ズズッ
ネクロマンサー(そういえばさっきからあいつ、どこを目指しているのです……?)
戦士「お、おい……っ」
影忍「この奥に……行くん……だ」ズズズッ
ネクロマンサー「まさかッ! この瘴気の中で……理性を取り戻したとでも言うのかッ!?」
影忍「この奥に……俺の……本体が……っ」
ネクロマンサー「バ、バカな……ッ。いや、それどころではない! まずい事になるッ!」フッ
召喚士「逃がすかっ!!」
ネクロマンサー「貴方に捕らえる事は出来ませんよッ。ククッ――」
サアアアアァァァァ……サラサラッ
召喚士「くそぉ! 霧のような姿に……」
ゴアッ!! ゴッゴオオオオォォォォ!!
ネクロマンサー「――ッ!?」バッ!!
402 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:13:33.84 ID:6aC4KOGHo
幼女「どんなに小さくなろうと、燃やせば終わり」
召喚士「幼女ちゃんっ!」
剣士「召喚士くん、ここは僕らに任せてくれ!」
召喚士「す、すみません……っ」
弓使い「さぁ、さっきの続きよ! ネクロマンサー!」
ネクロマンサー「雑魚共がァ……」メラメラッ
召喚士「戦士っ!」タッタッタッ
戦士「こっちはいいからっ、お前は奥へ進め!」
召喚士「!?」
戦士「影忍さんが何か知ってるみてぇなんだ」
召喚士「……わ、分かった」
ネクロマンサー「やめろッ! その奥には進むなアアァァ!!」
幼女「絶対に……逃がさない!」ゴアッ!!
ネクロマンサー「召喚士イイィィ!! 貴様はアアァァ!!」
召喚士「……っ」
403 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:14:08.22 ID:6aC4KOGHo
タッタッタッタッタッ……
召喚士「この奥に……本体があるんだ……っ」
タッタッタッタッ……
召喚士「いやっ、それだけじゃない。ネクロマンサーが持つ何かが……」
タッタッタッ……
召喚士「それを突き止めれば、奴の野望も……」
タッタッ……
召喚士「今日ここで、その全てを止められる!」
タッ……
召喚士「……ごほごほっ、瘴気が晴れる……ここか?」
ザッ
召喚士「――――っ!!」
ゴポッ……コポコポコポ……
召喚士「……う……うぅ……ううぅぅ」
ヒト「アアアアァァァァ……ッ」
404 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:14:55.51 ID:6aC4KOGHo
召喚士「はっ、はっ、はっ、はっ、は……っ」
ネクロマンサー「これはこれはお久し振りですねぇ」スッ
召喚士「は……っ、はぁ……はぁ、はぁ」
ネクロマンサー「ここまで辿り着けたのは、人間では貴方が始めてですよ」
召喚士「…………」
ネクロマンサー「面白味のなお反応だな。まぁ、並の人間が見ればこんなものですかね」
召喚士「う……うぅ……あぁ」
ネクロマンサー「意識のあるうちに解説しておきましょうか。正面、見えますか?」
スッ
ネクロマンサー「あれが本体ですよ。ほら、顔見知りも居るでしょう? ククッ」
召喚士「……う……うぅ」ガチガチ
ネクロマンサー「老若男女、ありとあらゆる死体を揃え、そこから生を生み出している」サワッ
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「あの液体は防腐のため。まるで宝石かオブジェのようで綺麗でしょう?」
ドズッ!!
405 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:16:19.48 ID:6aC4KOGHo
ネクロマンサー「そこへ延々と魔力を送り続ける。管が見えるでしょう? あれがそうですよ」
召喚士「……っ」ツツーッ
ネクロマンサー「管の先には魔力放出の媒体。人間に良く似ていますが違うのでご安心を」
ヒト「ウアアァァ……アアァァァァ……」
ネクロマンサー「あとは実験に使ったガラクタがまだ転がっていますか」グイッ
召喚士「か……はっ」ゴポッ
ネクロマンサー「貴方も興味が沸きませんか? 人は死が終わりではないのですよ」
召喚士「が、がは……っ」ガクン
ネクロマンサー「ゼロから命を生み出せる力が、ここにはある。それは即ち、人間でも魔族でもない」
召喚士「あ……ぐぅ……っ」ポタポタッ
ネクロマンサー「言わば神の所業とでも言いますか……ククッ」
召喚士「貴……様……」
ネクロマンサー「ま、そんなものには何の興味もありませんけれど」
地獄と見間違う程、負の力に満ちたこの場所は、人智を遥かに超えた狂気の世界。
その絶望でおぞましい悪夢を見た召喚士は、うつろな目で自身の流血を眺めていた。
406 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/10(火) 18:19:47.05 ID:6aC4KOGHo
ひとまずここまでにて失礼を致します!
本日も沢山のご支援、ありがとうございます!感謝!
それではまた!!ノシ
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/10(火) 18:20:36.49 ID:n+DsSAGm0
>>1
おつぅ
東方司令たんちゅっちゅ
408 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/10(火) 19:29:51.21 ID:TQuHBWl/o
自分自身にハァhァしてそうだな東方司令
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/10(火) 19:37:51.72 ID:oMI6v82DO
ひさびさにドS乙
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/10(火) 19:41:40.45 ID:M+4mif9Jo
>>1
乙
本体の根倉が出てきたのか
久し振りってことは、会ったことあるってことかな?
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/10(火) 20:20:55.83 ID:+WEPy8gIO
乙
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/04/10(火) 20:30:30.98 ID:rn0X78jNo
遺跡の奴だろ
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/10(火) 22:18:52.54 ID:iHyW/UeAO
>>1
おつ
414 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/11(水) 02:16:10.12 ID:C2azOVAa0
いちおつ
ネクロも人形だったのか
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/11(水) 05:54:42.32 ID:m1URltJN0
>>1
おつんつん
触手プレイ・・・・・・?
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/11(水) 08:15:51.95 ID:I9/9iWfAO
相変わらず
>>1
乙んつんであります。
続きはよ
417 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:36:01.34 ID:f74we3Nto
〜六道門・修羅〜
天才「……」
タッタッタッタッタッ……
天才(あのウォッチマンとかいう雑魚、やってくれんじゃねぇか)
走れど走れど出口の見えぬ道。時間の感覚さえ分からぬ天才は、
これが先程、対峙したウォッチマンの幻術か何かであると悟っていた。
天才(半永久的なモンじゃねぇな。おそらくは、時間稼ぎか何かか)
情況を冷静に見据える天才であったが、やがて生じる変化に驚きを見せた。
ズオオォォォォ……
天才「……!?」ズザッ
突如、目の前に現れた1人の男に、天才は立ち止まり声をかけた。
天才「客観的に見ても、テメーとは1番戦いたくねーんだよなぁ。強えぇからよ」
他人事のように、立ちはだかる仮面を付けたツヴァイハンダーの男に歯を見せて笑う。
司令官「……ん」ジャキッ
天才「俺様の模倣だってんならよぉ、あっさりくたばんじゃねぇぞ!」ジャキッ
418 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:36:35.47 ID:f74we3Nto
〜六道門・地獄〜
白虎長「また来るわよぉ!! 迎撃ーっ!!」
白虎兵「いけぇーっ!!」ドゴオオォォォォ!!
白虎長「城内になんて……戻させないんだからっ!」
タッタッタッタッ……
白虎兵「白虎先生っ! あれを!」
白虎長「あれは……特遊!?」
タッタッタッ……ズザッ
男隊員「おーおー頑張ってんじゃねぇの」
白虎長「そっちは!?」
女隊員「……っ」
格闘家「裏門、無事に突入しました」
白虎長「歯切れが悪いわね。何かあったの?」
男隊員「……馬、あるか? 伝令でもいいぞ」
白虎長「こんな戦場のど真ん中にいるわけないでしょ。本陣に戻るの?」
419 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:37:04.45 ID:f74we3Nto
男隊員「ああ。報告しなきゃならんからな」
白虎長「そう。それじゃあ馬はないけど、ベヒーモスならあるわよ?」
ズッシイイィィィィン
ボス「……っ」
男隊員「持ち場離れて、大丈夫なのかよ」
白虎長「白虎隊がそんなヤワだとでも思っているの? ねぇ?」
白虎兵「おぉーっ! この程度、少しぐらいなら凌いでみせますよっ!」
白虎長「だ、そうよ」
男隊員「んじゃ、頼むわ」ザッ
白虎長「全員乗った? しっかり掴まっててね!」
女隊員「了解ッス」
ドウッ!! ドドッドドッドドオオォォォォ!!
男隊員「ヒャハハッ! すっげーなおい……っ」
白虎長「ここまで円滑に動けるのは、皆が一夜城までの道を拓き続けてくれているからよっ」
格闘家「確かに。上から見るとその陣形がはっきりと分かりますね」
420 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:37:39.01 ID:f74we3Nto
〜一夜城〜
伝令「北関での防衛線、魔王軍壊滅によりこちらの勝利とご報告っ!」
参謀「ご苦労様です。引き続き、防衛と輸送に務めるようお伝え下さい」
伝令「ははっ」ザッ
北方兵「南西側へ突破した魔物は大丈夫でしょうか?」
参謀「数は如何程でしたっけ?」
北方兵「肉眼で把握する限り、20数匹かと」
参謀「ならば後方に備えている副官らが掃討してくれる事でしょう」
北方兵「陣形も維持出来ていますし、このまま凌げそうですね」
参謀「まぁ油断は禁物です。完璧な策などこの世にはないのですから」
北方兵「……っ」
参謀「神算と名高い、我が兄ですら……ね」
北方兵「……ん?」
ドドオオォォォォ……
参謀「あれは、ベヒーモスですか……っ」
421 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:38:27.05 ID:f74we3Nto
…
男隊員「大軍師は?」スタッ
参謀「城内に侵入致しました。今は私が代理で後方の指揮を執っております」
男隊員「そうかい。んじゃ報告だ。まずは元司令官率いる別働隊だが……」
参謀「突入出来ましたか?」
男隊員「ああ。無事、城内に入った。裏手も開門済みだ」
参謀「成程」
男隊員「それから……」
参謀「……?」
男隊員「特遊隊長、敵との交戦において死亡した」
参謀「!?」
北方兵「し、死亡した……って、既に死……」
女隊員「隊長は生きてったッスよぉ、でも……死んだんスよぉ……」
参謀「すみません、どういう事なのでしょうか?」
男隊員「えぇとだな……」
422 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:38:55.20 ID:f74we3Nto
…
参謀「……成程」
男隊員「隊長はアンデッドになっても、その職務を全うしたんだ」
参謀「凄い方ですね。いや、そんな一言では片付けられるものではありませんか」
男隊員「そこでだ、1つ頼みを聞いちゃくれねーか?」
参謀「……?」
男隊員「えぇと……あったあった。こいつの許可を」ガサッ
参謀「これは……」
男隊員「内示だ。特遊隊長就任のな」
参謀「しかし既に貴方は隊長職のはずですよ?」
男隊員「正式に受けちゃいねぇよ。隊長の安否が分かるまではな」
参謀「つまり、安否が分かった今、正式に就任なさると?」
男隊員「指揮権のあるアンタなら承認出来るよな?」
参謀「……まぁ、そうですね」
男隊員「んじゃここにサインを書いてくれ。あとは提出も頼むわ」
423 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:39:44.23 ID:f74we3Nto
参謀「承知致しました。確かに、お預かり致します」カキカキ
男隊員「とりあえずベルゼブブまでの道はもうすぐ繋がる」
参謀「そのようですね。よし、出来ました」カキカキ
男隊員「ヒャハハ、サンキュ。んじゃコッチは頼んだぜ」ザッ
参謀「……?」
男隊員「俺らは魔王城内に戻る。こっちの面倒は見てらんねーんだ」
格闘家「そういう事です」
参謀「しかしっ、貴方達の任務は終わったのです。危険を承知で認められません」
白虎長「そうよ。流石に無茶があるわよ」
参謀「指揮官として待機を命じます。これは命令です」
男隊員「……ヒャハハ! そうくると思ったんだよ」
ボス「……?」
参謀「……はっ!! ま、まさか……っ」ガサッ
男隊員「特遊隊長の権限、知ってるよな?」
参謀「……くっ」
424 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:40:33.73 ID:f74we3Nto
男隊員「有事の際、独断において特務を遂行する事を認める……だよな?」
白虎長「何それ!? 勝手に行動してもいいって事?」
参謀「……そ、その通りです……っ」
男隊員「そいうわけで、我ら特遊は魔王城内の『偵察』を特務として遂行致します!」バッ
白虎長「そんなのっ、ただのこじつけじゃない!」
男隊員「だが間違ってねぇ。大義名分だ。そんじゃな!」ザッ
参謀「お待ち下さい!」
男隊員「あん? おいおい、止める権限はねーぞ?」
参謀「違います。命令です」
女隊員「命令……ッスか?」
参謀「必ずや、皆を連れて……無事に帰還して下さい」
ボス「……っ!」
参謀「そしてどうか……」
男隊員「ああ。魔王討伐の行く末、それに……」
格闘家「師匠の最後を……見届けてきます!」
425 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:41:08.77 ID:f74we3Nto
…
白虎長「それじゃ、戦場に戻るわよっ!」ザッ
男隊員「思いっきり飛ばしてくれや! ヒャハハ!」
ドウッ!! ドドッドドッ……
女隊員「あれ見るッス!!」
ボス「あれは確か……」
ドドッドドッドドッ……
女剣士「召喚獣? デカイな、また魔王城へ向かっているのか……」
占い師「こっちも交戦は続いているのね……っ」
女剣士「ああ。数はだいぶ減ったが、こう着状態さ」
くの一「見えましたっ!」
ドドッドドッドドッ……ザザァ
参謀「占い師殿っ!!」
占い師「なんとか無事、帰還ってとこね……っ」
参謀「ご苦労様です。一先ず、一夜城でお休み下さいませ」ササッ
426 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:41:55.33 ID:f74we3Nto
ドドッドドッ……ドドオオォォォォォ
白虎兵「隊長っ!!」
オーガ「グアアァァァァ!!」
白虎兵「どけぇ! 邪魔……すんじゃねぇ!」バギャッ!!
白虎長「ただいま! こっちはどう!?」
白虎兵「すみませんっ! 少し押し込まれてしまいました……っ」
白虎長「この程度だったら、問題ないわっ!」
男隊員「世話んなった。んじゃ、あとはヨロシクな!」バッ
女隊員「行ってくるッス!」タタッ
白虎長「気を付けてねっ!!」
白虎兵「また、城内へ戻るのか……っ?」
格闘家「すこし下がってくれ」ザッ
白虎兵「……?」
格闘家「こおおぉぉぉぉ……っ」ゴゴゴゴゴゴ
ボス「ヨルムン……ガンドオオォォォォ!!」
427 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 17:42:44.74 ID:f74we3Nto
格闘家「石破ああぁぁ!!」
ヨルムンガンド「ゴガアアアアァァァァーッ!!」
ゴゴガアアアアァァァァッ!! ドッグオオォォォォン!!
白虎兵「――っ!!」
白虎長「すっ、凄い威力……っ」
格闘家「……ふーっ」ズザッ
ボス「これで少しは押し戻せたはずだ」
男隊員「何してる! 早く行くぞ!」
格闘家「では」ザッ
白虎兵「助かったぜ! サンキュー!」
ボス「同じ国軍の召喚士だろ? 当たり前だ」
タッタッタッ……
白虎兵「……昔は青龍と白虎ですらいがみ合ってたってのにな」
白虎長「今じゃ召喚獣と話すのだって当たり前。時代が変わったのね。さぁ、戦闘再開よっ!」
白虎兵「おぉーっ!!」
428 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 18:45:40.60 ID:f74we3Nto
〜六道門・餓鬼〜
南方司令「ジャスティスカモフラージュパンチ!!」
西方司令「おい馬鹿! 何バラしてんじゃこらぁ……って待てよ? 裏の裏をかいて裏の――」
アスタロス「フッ。何を企もうが、貴様等にはもう切り札はないのだ」
南方副司令「あんのバカ共が……っ」
西方副司令「構わないわよ、別に悟られようともすべき事は1つなんだからっ」
南方参謀「そういう事っ!」ドドオオォォォォン!!
西方参謀「さぁ、頼んだぜぇ……ヒック」
ザッ
皇太子「では、参ろうか」
エリート「……っ」
大軍師「右大臣殿、ご心配は分かりますが、此処にいる限りは何をしようと結果は同じですよ」
青年兵「勝つか負けるか。生きるか死ぬか……ですね」ザッ
師匠「準備出来たかぁ!?」
マジシャン「おーう! ハッハ!」
429 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 18:46:09.20 ID:f74we3Nto
それは少し前の事……。
大軍師「前衛を1度、戻して頂けますか?」
南方副司令「了解だ。その間、俺らがスイッチで盾になるぞ!」
西方参謀「盾じゃ無理だが、牽制くらいは出来るわな……ヒック「
師匠「オラ、休んでんじゃねぇ。俺らもだ」
マジシャン「……ったく、魔力消費するこっちの身にもなれってんだ」ガバッ
ジュニア「……っ」
師匠「前衛共ぉ!! 大軍師様がお呼びだぞぉ!!」
皇太子「何?」
エリート「陛下、1度退きましょう」
皇太子「うむ」ダッ
マジシャン「てmぇらもだぞっ!」
南方司令「仕方ない。これは敗北ではない、正義の為の後退――」
西方司令「分かったからさっさとしろや! いや、ゆっくりの方がいいのかもしれない……」ブツブツ
師匠「早く退がれっ、アホ!!」
430 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 18:46:42.39 ID:f74we3Nto
タッタッタッ……
エリート「大軍師、何用だ?」
大軍師「次なる作戦を展開致します」
皇太子「しかし五行が破られた今、手があるとは……」
大軍師「再度、五行を撃ち放ちます」
エリート「何!? 大丈夫なのか……?」
青年兵「今度は外部からではなく直接、内部へ撃ち込みます」
エリート「そうではない。もう1度、五行を放てるのかと聞いている」
大軍師「それならばゴ安心を。予め、確認済ですので。ねぇ?」
賢者「……ふぅ」
ジュニア「仕方ないけど、やるしかないね……ハッハ」
皇太子「それで、内部へはどうやって放つのだ?」
大軍師「無論、武器による五行付加です」
エリート「正気とは思えんな。リスクが大きすぎる」
大軍師「ですが、これが最が高確率かつ効果的な作戦です」
431 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/11(水) 18:48:22.06 ID:f74we3Nto
エリート「誰が犠牲になるというのだ! しくじればその魔力は全て――」
大軍師「1人だけその魔力を受ける事のない方がおられます」
エリート「……貴……様、もしや」
大軍師「はい。付加する対象は陛下、お願い出来ますか?」
エリート「大軍師っ!!」ガシィ!!
大軍師「……」
エリート「貴様ぁ! 自分の言っている事が分かっているのかぁ!!」ググッ
大軍師「右大臣殿、お気を鎮め下さいませ」
エリート「貴様は――」
青年兵「エリート様、大軍師さんの申す事、もっともです」
エリート「……何だと?」ジロッ
青年兵「陛下であれば魔力の影響を受けない可能性が高いのです」
大軍師「それに、此処に居続ける限り、何をしようが死は紙一重ですよ」
皇太子「エリート、彼らの言う通りだ」
エリート「――っ!?」
432 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/11(水) 18:50:07.19 ID:f74we3Nto
今日はここまでにて失礼致しますです!
ご支援ありがとうでした!それでは!ノシ
433 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/11(水) 19:21:29.81 ID:GrwhbuxDO
最速おつんぽ!
434 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/11(水) 19:21:46.53 ID:+eijckDOo
いちおつ
435 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/04/11(水) 20:21:17.57 ID:dRAan7Vjo
乙
436 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/11(水) 20:32:02.91 ID:7ATHisTgo
おちんぽ!
437 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/12(木) 01:22:25.85 ID:MB7XNd8A0
>>1
おつ
438 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/12(木) 02:05:20.15 ID:6Bl3YDDAO
>>1
おつ
エリートはいろいろ大変だな。皇太子守ろうとしてもほとんど無視するし、他の人も皇太子使いまくりだし、魔道士にはフラれるし
439 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/12(木) 07:18:27.06 ID:b6dH8qhco
上級管理職の悲哀だねぇ
440 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/12(木) 08:20:57.82 ID:j9nsvfX/o
>>1
乙
最近のエリートは怒る所しかみてない気がするな
歳なのかね
441 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/12(木) 08:26:13.78 ID:ggFrutmAO
>>440
カルシウム不足だな 煮干し食おう煮干し
442 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/12(木) 12:24:12.80 ID:38RmXJdgo
アレ?
右大臣さん、誰かとフラグ立ててなかったっけ?
443 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 17:13:17.11 ID:y1FDZv8a0
エリートたんは立場上仕方ないよな
でも報われないよな
エリートェ・・・・・・
444 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 17:27:35.51 ID:62tS7Guso
男隊員と鍛冶娘のフラグ回収はよ!
>>1
乙!!
445 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:10:02.56 ID:Eal8XwnFo
皇太子「ただ傍観して死を待つくらいならば、私も戦うぞ」
エリート「……っ」
皇太子「皆が私の力を求めているのだ。嬉しい限りではないか」ニコッ
エリート「……陛下……っ」
青年兵(エリートさんだって分かっているはずなんだ……。そんな事は……)
大軍師「……」
青年兵(でもエリートさんは己の命よりも陛下の命を上に見ている……だからこそ……)
エリート「……くっ」
青年兵の言う通りであった。魔王城に突入するという策に、陛下は参加した。
それがどういう意味か。即ち、死と隣り合わせの道を進むという事である。
エリートは自らの命を投げ捨ててでも、皇太子を守らなければならない。
それは感情や任務だからだけの話ではなく、幼き頃から当たり前の生活であった、
皇太子の側近、第一優先は皇太子という無意識の意識に他ならない。
自身の人生は皇太子の為にあり、その人生、幸福の為になければならないのである。
そしてエリートは絶望の中の微かな光を求めて、古き記憶の中から回答を導き出す。
446 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:10:30.73 ID:Eal8XwnFo
……――
皇太子『なぁエリート』
エリート『はいっ!』
皇太子『私達は兄弟のようなもの。それはこれからもずっと変わらないと思う』
エリート『はいっ!』
皇太子『私は王様になる。亡き母上の為にも絶対に』
エリート『はいっ!』
皇太子『その時、君は側近として、私の傍にずっといるんだ』
エリート『はいっ!』
皇太子『その時、君は何をする?』
エリート『はいっ!』
皇太子『いや、はいではなくて、君は何をするために私の傍にいるのだ?』
エリート『はいっ! 皇太子さまを守るためですっ!』
皇太子『そうだな。でも違う』
エリート『はいっ! え……?』
447 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:11:02.69 ID:Eal8XwnFo
皇太子『守るためじゃない。私を助けるためにいるんだ』
エリート『守るのと助けるのは、ちがうんですか?』
皇太子『守るのはエリートが盾になること。でも助けるのは一緒に進むことだ』
エリート『一緒に……?』
皇太子『王様は不自由だから、勝手に行動もできないんだ』
エリート『ほうほう!』
皇太子『だからその時は、エリートが先に進んで、私がついていくんだ』
エリート『なるほどっ! 全然分かりません!』
皇太子『まだ私達には難しい話かもしれないな』
エリート『はいっ!』
皇太子『きっとそういう刻が来たら、分かるかもしれないね』
エリート『はいっ!』
皇太子『これからもずっと宜しくな、エリート』
エリート『はいっ! 陛下!!』
――……
448 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:11:34.29 ID:Eal8XwnFo
エリート「……大軍師!!」
大軍師「はい」
エリート「……陛下を起点に、作戦を決行する!!」
ジュニア「おいおい……いいのかよ……っ」
青年兵(分かっているからこそ、真意なんだ……)
エリート「次の一撃で必ずや、敵を仕留めるぞ!」
青年兵(陛下の思い、皆の思い、本国や世界の……そして……自分の思い……)
大軍師「分かりました。では陛下に五行を付加し、アスタロスを倒します」
南方司令「本当に大丈夫なのだな?」
大軍師「バフォメットを倒したという陛下のご報告を聞き、私は確信致しました」
東方参謀「……」
大軍師「陛下であれば、五行の反動を受けない。何故ならば――」
皇太子「魔力が無であるからな。帰る場所がないのだろう」
ジュニア「ちょいと待ってくれ。だったらもし、弾かれた場合にゃ……」
大軍師「我らにその反動は、かかってくるでしょうねぇ」
449 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:12:17.95 ID:Eal8XwnFo
ジュニア「……っ」
賢者「結局は、こちらが危ないという話さ……ふぅ」
ジュニア「陛下の一存に俺の命がかかってるなんて、本国民冥利に尽きるねぇ……ハッハ」
皇太子「案ずるな。必ずや成功させてみせよう」
南方司令「五行は分かった。しかし武器は?」
皇太子「それも心配は無用であろう」
青年兵「……?」
皇太子「どうやらこの剣、普通ではないようだからな」
エリート「王家に代々伝わる、聖剣ですからね」
南方司令「聖剣?」
エリート「古くはかの聖王が所持し、数多の魔物と激闘を繰り広げたと言われている」
皇太子「その聖剣なのだが先程、妙な事があってな」
青年兵「妙……ですか?」
皇太子「うむ。奴の尾を斬ったのだが、その時、毒の力が弱まった気がしたのだ」
エリート「いや、気のせいではありません。紛れもなく放出量が減っていた」
450 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:12:43.42 ID:Eal8XwnFo
大軍師「……ふむ」
エリート「私が思うに、これは聖剣の力ではないかと踏んでいる」
青年兵「……有り得ますね」
西方参謀「あん?」
青年兵「東方の上様も同様の事があったと聞きます」
大軍師「確か、報告書にありましたね」
皇太子「この剣ならば確実にダメージを与えられるのではないかと思うが」
東方参謀「普通の得物よりは、効果的やもしれんな」
青年兵「攻撃はこれで、整いましたね」
西方司令「問題はどう仕掛けるか……いや、そうでもないかな?」
南方司令「どうするつもりだ? まさか陛下に単身、攻撃させるとでも?」
大軍師「いえいえ。ここは総力戦ですよ」
南方司令「……?」
大軍師「陛下が攻撃を仕掛ける為の、道を切り拓きます」
ジュニア「……どうやって?」
451 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:13:15.21 ID:Eal8XwnFo
…
ザッ
南方司令「さぁ行くぞ。正義は我らにあり!」バシッ
西方司令「生きるか死ぬか、デッドオアアライブ。生か死か……ですね」
東方参謀「おい、どれも同じだぞ」
南方副司令「南じゃみんな待ってんだ。生きて帰ろうぜ」
南方参謀「そうよ。こんな所で終わりだなんて、イイ男と結婚もしてないのにイヤよっ」
西方副司令「……」
西方参謀「ガハハッ。でもまぁ、死ぬわけにゃあいかねーよなぁ……ヒック」
エリート「当たり前だ。誰も死なん!」ジャキッ
師匠「俺達ぁ、もうちーっとばかし生きなきゃなんねぇんだよっ」
マジシャン「ハッハ! その通りだ!」
ジュニア「……ふーっ」
賢者「……ふぅ」
大軍師「では、行きますよ」
452 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:13:46.47 ID:Eal8XwnFo
青年兵「陛下、どうぞお乗り下さい」
皇太子「うむ」ガシッ
ワイバーン「……」
青年兵「ワイバーン、陛下を頼む。僕も後方から支援するから」
ワイバーン「保証は出来ん。だが、やるだけの事はやるさ」
青年兵「宜しく。さ……こっちも行こうか、アンフィスバエナ」
アンフィスバエナ「魔力が空に近しいな。持つのか?」
青年兵「攻撃はしない。飛行だけだから」
アンフィスバエナ「……」
大軍師「狙いは1点。それ以外は無視して下さい」
アスタロス「狙いは分かっている。五行を直接、撃ちこもうと言うのだろう?」
青年兵「作戦……」
アスタロス「近づく事すら不可能な貴様等に、何が出来ると言うのだ」
大軍師「開始っ!」バッ
アスタロス「そんな幻想は、この私が……打ち壊してくれようッ!」
453 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:14:13.67 ID:Eal8XwnFo
〜ネクロマンサーのラボ〜
戦士「影忍さん……あんた……」
影忍「……ッ」ズザッ
ネクロマンサー「おのれぇ……ッ」バッ
剣士「行かせるかっ! 貴様の相手はこっちだ!」
ネクロマンサー「しつこい……ッ!」
弓使い「こっちの台詞よっ!」
ズガガアアァァァァ!!
盗賊「戦士――くっ!」ガキイイィィ!!
魔剣士「……」
盗賊「魔道士、先に行け! 戦士と召喚士を援護するんだ!」
魔道士「で、でも……っ」
盗賊「いいから早く――」
ドゴッシャアアアアァァァァ!!
魔剣士「――ッ!!」ベキベキボキィ!!
454 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:14:39.59 ID:Eal8XwnFo
盗賊「……っ!?」
魔道士「あ……っ」
東方司令「まだ動けたのか。タフな奴だな」
魔剣士「……ゴ……フッ」
東方司令「無事か?」
魔道士「あ、あの……どなたでしょうか……?」
東方司令「ん? ああ、ボクだよ」
盗賊「――っ!?」
魔道士「そ、その声……東方司令さんっ!?」
東方司令「ふっふ。見ろ、これがボクの真の姿のようだ」ニヤリ
盗賊「……」
魔道士「す、すっごい綺麗……っ」
東方司令「盗賊にはまぁ辛勝だが、魔道士には……ふっふ」
魔道士「……何が言いたいんです?」ムッ
東方司令「まぁまぁ。小さい事が罪ではない、自分を卑下するな――」
455 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:15:23.14 ID:Eal8XwnFo
魔道士「してませんっ!!」
シュウウウウゥゥゥゥ……
東方司令「……ん?」
盗賊「な、何だ?」
東方司令「く……っ! か、身体中から力が抜け――」
シュイイイイィィィィン
魔道士「東方司令さんっ!?」
東方司令「うああああぁぁぁぁーっ!!」
ドサッ……ムクリ
東方司令「……う……うぅん」フルフル
盗賊「……元に……戻ってる……っ」
東方司令「なっ、何ぃーっ!?」バッ
魔道士「……と言うよりも……前よりも何だか」
盗賊「うん……。前より幼くなってる……かも」
東方司令「――――っ!!」ツルペタッ
456 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/12(木) 18:18:31.53 ID:Eal8XwnFo
とりあえずここまでにて!毎日のご支援ありがとうです!
それではこれにて失礼致します!ノシ
457 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 18:31:47.33 ID:Z4cvfqSDO
>>1
乙っす
458 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 18:33:52.10 ID:5reOZ5JDO
ロリBBA→BBA→ロリ
いちおつ
459 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 18:34:39.34 ID:jtOwse4IO
無New! いちおつ!
460 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 19:20:54.14 ID:lmcIb4kDO
ツルペタおつんぽ!
461 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/12(木) 19:55:05.91 ID:Ha+eSh05o
>>1
乙
どっ
462 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/12(木) 20:13:27.90 ID:b6dH8qhco
何が起こってるんだー!
463 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/04/12(木) 20:59:54.90 ID:6P82CKZBo
東方司令△
464 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/04/13(金) 00:59:28.65 ID:b93mz6GAO
つアポトキシン
465 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/13(金) 01:40:13.57 ID:rvX7PvQAO
>>1
おつ
466 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/13(金) 02:08:48.01 ID:j4Qeumj60
いちおつ
467 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国四国)
:2012/04/13(金) 03:08:50.88 ID:lAN3Vhk90
>>1
いつもお疲れ様です
468 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/13(金) 08:36:26.65 ID:vdn/4N3AO
ツルペタ
>>1
乙んつんであります!
469 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/13(金) 17:01:25.07 ID:MW8FVRwk0
ツルペタ
>>1
は俺のもの
470 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/13(金) 19:14:43.24 ID:SxQg05UDO
いちょつ
>>469
ツルペタとか言うから来ないじゃないか…
471 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/13(金) 21:21:47.12 ID:Czq0d2/zo
魔剣士「……グ……ック」ズザッ
東方司令「だああああぁぁぁぁ!!」
魔道士「!?」
東方司令「せっかく手に入れた真の姿がああぁぁ!!」ヘタッ
盗賊「……はぁ」
魔剣士「……ッ」ザッ
魔道士「あっ!」
東方司令「に、逃がすな! 追えっ!」
盗賊「分かっているっ、行くぞ魔道士!」
魔道士「はいっ」タッタッタッ
東方司令「……ふんっ」
ツツーッ……ゴポッ
東方司令(……限界突破の反動か……?)
ドシャッ……
東方司令(こんな所で……死ねるか……よ――)
472 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/13(金) 21:22:23.37 ID:Czq0d2/zo
…
召喚士「……う……あ……っ」
ネクロマンサー「さて、間もなく時は満ちます」ズボッ
召喚士「……ぁ」
ネクロマンサー「貴方を此処で殺す事は容易い。しかし……」
召喚士「……あ……ぐ」
ネクロマンサー「しかし、貴方にはまだやって頂かなければならない事があるのです」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「……放心状態で何も聞こえませんか。ま、良いでしょう」
フワッ
ネクロマンサー「さて、私達は先に、失礼致しますよ……ククッ」バッ
魔剣士「……」スゥッ
召喚士「……んな……っと」
ネクロマンサー「……?」
召喚士「こ……んな事……」
473 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/13(金) 21:22:58.50 ID:Czq0d2/zo
ゴゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「何?」
召喚士「こんな事……っ、許されるわけないじゃないかぁ!!」
ゴウッ!! シュイイイイィィィィン
ネクロマンサー「……おぉッ!!」
魔剣士「……」ザッ
召喚士「うああああぁぁぁぁーっ!!」
ズゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「怒りの力でここまでの魔力を……ッ。大したものですね」
タタタッ……ズザァ
影忍「……!?」
戦士「召喚士……っ!」
召喚士「お前だけはっ、お前だけは絶対に……っ!!」
キュイイイイィィィィィ
ネクロマンサー「何ィ!?」
474 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/13(金) 21:23:47.50 ID:Czq0d2/zo
戦士「ベヒーモス……じゃないっ!」
召喚士「絶対にっ、許せない!!」
白虎「ゴッガアアアアァァァァ!!」
ズオッ!! ドッドオオオオォォォォン!!
影忍「うお……ッ」
戦士「ぐあっ!」
ゴッゴオオオオォォォォ……
召喚士「お前だけは……許さないっ!!」
影忍「やめろっ! 消耗が大きすぎるッ、自分の身に危険が及ぶぞッ!」
戦士「俺が止めるっ!」タッ
召喚士「おああああぁぁぁぁーっ!」
戦士「召喚士ぃ!」ガシッ!!
召喚士「……っ!!」
戦士「落ち着け! 冷静になれっ、なっ!」
召喚士「はぁ……はぁ……はぁっ」
475 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/13(金) 21:24:35.58 ID:Czq0d2/zo
シュウウウウゥゥゥゥ……
白虎「……オオオオォォォォ」
ネクロマンサー「凄いものですね」
影忍「……ッ」チャキッ
魔剣士「……」ザッ
ネクロマンサー「私の半身を一撃で吹き飛ばすとは。まぁ、そんな事はどうでも良いか」
クルッ
ネクロマンサー「……一撃でラボがこの有様。いやはや、恐れ入りますよ」
召喚士「こんなもんじゃないっ。まだ、これからだ」ザッ
影忍「待て。怒りの力は何も生まん。頭を冷やすのだ」
召喚士「……?」
戦士「影忍さん、あんた……完全に理性を……」
影忍「今の一撃で瘴気がかなり消し飛んでくれた。結果論だが礼を言うぞ」
ネクロマンサー「まだ居たのですか?」
影忍「お互い様だな」
476 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/13(金) 21:25:27.67 ID:Czq0d2/zo
ネクロマンサー「ククッ。私は貴方と違い、全て本物ですよ」
召喚士「……?」
ネクロマンサー「まぁ、オリジナルは私ですが。あとはどうでも良い話です」
影忍「ちっ」
戦士「どういう事だ!? 何を言ってやがるんだアイツは……」
影忍「俺やそこの奴と同様、本人もコピーを作り続けてたという事さ」
戦士「なっ!?」
召喚士「それじゃあ……今までの奴は……」
ネクロマンサー「偽者、というわけではありませんよ」
戦士「なんだってんだよ、じゃあ!」
ネクロマンサー「全てが本物であり私自身です」
召喚士「それじゃあ……皆は……っ、コピーのお前に……」
ネクロマンサー「ですから、偽者ではないですって。ククッ」
召喚士「コピーのお前に……みすみす殺されたっていうのか……っ!」
ネクロマンサー「まぁ、そうなのではないですか? 私は知りませんけれど」1
477 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/14(土) 02:21:20.72 ID:gPlyv0WHo
召喚士「そんな無駄死にみたいなっ、そんな事って……ぇ!」
ネクロマンサー「何度も言いますけれど、私は知らぬ事ですから」
召喚士「お前のせいで、どれだけの人間が死んだと思っているんだっ!」
ネクロマンサー「何か、履き違えてません?」
召喚士「何?」
ネクロマンサー「闘いとはそういうものでしょう? 闘いの本質とは」
召喚士「ふざけるなっ!」
ネクロマンサー「命のやり取り、それが闘いの本質でしょう」
召喚士「だからといって、貴様は罪もない人々を――」
ネクロマンサー「なら貴方は、罪もない魔物は殺さないのですか?」
召喚士「……殺さない……っ!」
ネクロマンサー「絶対に? どうやって分かるのです?」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「私の知らぬ私が殺めた者、本当に1つの罪も、ごく小さな罪もなかったと?」
召喚士「貴様……ぁ!!」ザッ
478 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/14(土) 02:22:13.30 ID:gPlyv0WHo
影忍「極論だな。相手にする必要はない」
ネクロマンサー「ククッ、貴方はどちらかというと、此方に近しいと思いますけど?」
影忍「ああそうだな」
ネクロマンサー「ならばこそ、貴方には理解出来ると思いますが?」
影忍「お前が言っている事は、当たり前の事なのだ」
ネクロマンサー「ほら、そうの通り――」
影忍「人間は常に息をしている」
ネクロマンサー「……?」
影忍「腹が減った時は飯を食う。寝たらいずれ目が覚め、そしてまた寝る」
ネクロマンサー「何を……言っているのです?」
影忍「当たり前の事を言っている。要はお前の言っている事は同じ事よ」
ネクロマンサー「……ッ!」
影忍「当たり前の事をさも、当たり前ではないように物語っているだけだ
ネクロマンサー「……ベラベラと詭弁を」
影忍「詭弁さ。敵同士の対話に本質などない!」
479 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/14(土) 02:23:08.49 ID:gPlyv0WHo
ダァンッ!!
影忍「人は皆、己の弱い部分を知り、受け入れて生きているのだ!」
戦士「おいっ――」
ダダッ……ズザァ
影忍「……そして、強くなる」ガシッ
ネクロマンサー「貴様ッ!!」
影忍「ようやく会えた。我が本体」
召喚士「あ……れはっ」
影忍「さぁ、全てを終わらせるのだっ、盗賊!!」
召喚士「!?」
タッタッタッ……ザザッ
盗賊「兄様?」
魔道士「召喚士さんっ!」
召喚士「魔道士さん、盗賊さん!」
影忍「盗賊、俺の……呪われた鎖を今こそ、断ち切ってくれ!」
480 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/14(土) 02:24:37.98 ID:gPlyv0WHo
今年は花粉大したことないと思ってたのに タユンタユン
ここにきてヒノキでガッツリやれれました…うひぇ ブルンブルン
土日は少ないといいなぁ。それではおやすみなさい! ボインボイン
481 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/14(土) 02:52:03.87 ID:jA0j4T2Bo
ツルn…
バヨーンボイーン
>>1
乙!
482 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/14(土) 05:10:51.03 ID:j8FNWhW/0
>>1
おつ
いちおつの肩こりはタユンタユンのせいか…なるほど
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/14(土) 14:55:37.05 ID:ysjAJd+DO
いちょつ
ふぅ…
484 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/15(日) 01:09:28.37 ID:rJPx4ZgAO
>>1
おつ
485 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:46:47.94 ID:P16Bpp/0o
〜六道門・餓鬼〜
西方司令「行っくぜオラアアァァ!! いや、待てよ? 行かない方が賢明かな?」
南方司令「フラワーロードオブマン……ジャスティスパアアアアァァァァンチ!!」
アスタロス「先程の無様な自分を忘れたか?」
最前列から真っ先に飛び込んだ2人の司令。
2人は敵の懐へ飛び込むや否や、アスタロスの魔法により
先程と同様、魔法によりあっさりと弾き飛ばされた。
西方司令「ごはああぁぁーっ!!」
南方司令「あ……とはぁ、頼むぞ……ぉ!!」
ドゴッシャアアァァァァ!!
アスタロス「何!?」
2人の司令が任務を終えた次の瞬間、次なる刺客がアスタロスへ襲い掛かる。
東方参謀「ワシの命に代えてでもぉ! 止めてくれるわっ!!」
南方副司令「こうなりゃヤケクソだっ!!」
アスタロス「……何人来ようが、無駄な事よ」
486 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:47:17.40 ID:P16Bpp/0o
ドッドオオオオォォォォン!! ゴガアアアアァァァァ!!
東方参謀「バ、バカな……っ、このワシが……いとも容易くっ!!」
南方副司令「たったの……一撃でぇ!!」
ズガッシャアアアアァァァァ!!
エリート「間を空けるなっ! 休ませては意味がない!」
西方参謀「わぁってらい!!」
アスタロス「……そうか、そういう事か」
ドッドオオオオォォォォン!!
エリート「わ、我らが破られてもぉ!!」
西方参謀「次が……いるっ!!」
アスタロス(間を空ける事なく特攻する事で……此方の魔力を……ッ)
南方参謀「もうっ、金輪際こんな仕事は……嫌よぉ!!」
西方副司令「ちゃんと、保険は降りるんでしょうねぇ!!」
アスタロス(我が身を守る為には魔法を撃ち続けねばならん)
ドッドオオオオォォォォン!!
487 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:47:56.08 ID:P16Bpp/0o
南方参謀「いったああぁぁーい!!」
西方副司令「きゃああぁぁぁぁ!!」
アスタロス(だが……だがッ、撃ち続ければ何れは……ッ!!)
青年兵「うまくいきそうだっ!!」バシュウウゥゥゥゥ
皇太子「ああ。後は最後の五行が来るのを……待つだけだ!」
アスタロス「奴らの五行を防ぐ魔力を……ッ、生み出す回復が間に合わぬッ!!」
大軍師「さぁ、準備に入りますよ」
マジシャン「4人で五行か。貧乏くじは……俺か」
賢者「回復分の魔力を残さなきゃいけないから……遠慮したいね……ふぅ」
ジュニア「……っ」
マジシャン「いいさ。命無くなろうとも、撃ちますよ……ハッハ」
ジュニア「……そこのオッサンよぉ!!」
マジシャン「……?」
ジュニア「俺が、俺が2行を担う」
マジシャン「何!?」
488 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:48:32.08 ID:P16Bpp/0o
賢者「撃てるのかい? ふぅ」
ジュニア「ハッハ! 功績3位のジュニア様をナメんなよ!」
マジシャン「……本当に……いけるんだな?」
ジュニア「ナメんなって言ってんだよ!!」
マジシャン「分かった。お前に託す」
ジュニア「ったく、誰の息子だと思ってんだ……」ボソッ
マジシャン「何だ?」
ジュニア「何でもねぇ! おらっ、いくぞおおぉぉ!!」
ゴウッ!! ズゴゴゴゴゴゴ……
大軍師「さぁ、間もなく合図がきますよっ!」
マジシャン「しっかり頼むぜぇ! ハッハ!」
ドッグオオオオォォォォン!!
西方参謀「ぐっはああぁぁ!!」
エリート「陛……下っ」
皇太子「エリート! 後は……任せておけっ!」バシュッ!!
489 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:49:07.43 ID:P16Bpp/0o
師匠「青龍の若造っ! 行くぞぉーっ!!」
青年兵「はいっ!!」
グリフォン「グオオオオォォォォーッ!!」
アンフィスバエナ「ゴッガアアァァァァ!!」
師匠「その召喚獣見てると……嫌なジジイを思い出すぜ。ガハハッ!」
青年兵「僕にとっては崇拝する……ジジイですよっ!」
師匠「そうかっ! お前は弟子か」
青年兵「ええっ! そして……あなたの弟子のライバルです!!」
師匠「!?」
アスタロス「召喚……獣ッ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ズッギャアアアアァァッァ!!
師匠「まだ……まだぁ!!」
シュイイィィィィン!!
ブリュンヒルデ「突撃ーっ!!」
アスタロス「おのれェ!! 無駄な魔力を使わせおって召喚獣ウウゥゥ!!」
490 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:49:45.57 ID:P16Bpp/0o
青年兵「今だああぁぁーっ!!」ババッ
マジシャン「合図だっ!!」
大軍師「撃てぇーっ!!」
キュイイイイィィィィ……ドッドオオオオォォォォォォン!!
皇太子「さぁ、仕上げだ!」
ワイバーン「このまま……突っ込むぞ!!」
皇太子「ああっ!!」
ギュオオォォォォ!!
皇太子「我ら人間の、全ての思いを込めたこの一撃……っ!!」
アスタロス「冗談ではないッ!! こ、こんな……」
皇太子「味わうが良いっ!!」ブアッ!!
アスタロス「我ら魔族が……こんな……こんな……ッ」
皇太子「うおおおおぉぉぉぉーっ!!」
ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!
アスタロス「……こんな……人間如きに……こ――――」
491 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:51:10.88 ID:P16Bpp/0o
ガッカアアアアァァァァ!!
師匠「ぐっはぁ!!」
青年兵「ぐああぁぁーっ!!」
目が眩むほどに眩い五行の輝きは、アスタロスを内側より飲み込んでゆく。
やがて光は1本の柱となり、天高くへと昇ってゆく。
光柱はアスタロスの巨体を丸ごと包み込み、sの姿はやがて消失する。
瓦解する部屋の爆風は傷付いた一同の身体を簡単に吹き飛ばした。
ゴッゴオオオオォォォォ……
誰もが痛みをこらえながら、近くに居る仲間に肩を貸しそして、
互いに助け合いながら、何とか立ち上がり、静かに勝利を見届けた。
大軍師「……終わり……ましたね」
南方司令「……ああ。正義は勝つのだ」
師匠「おう、立てるか?」
エリート「……あ、ああ……っ」ザッ
魔王ベルゼブブの腹心、アスタロスは今ここに消滅した。
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/15(日) 23:55:55.23 ID:P16Bpp/0o
今日はここまでじゃ!おやすみなさい皆の衆!
ご支援ありがとうでした!それでは!ノシ
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/16(月) 00:02:30.61 ID:L8/wwgWAO
アスタロスさんってそこらの魔王より強いんじゃね
師匠かっこいい
494 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/16(月) 00:43:12.78 ID:ElxuEieDO
おつんぽ!
495 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/16(月) 01:07:24.26 ID:b8GA+YkAO
>>1
おつ
師匠が死んだ時に青年兵もいたのに最初は気づいてなかったんだな
496 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/16(月) 01:14:05.40 ID:b1b8XDeP0
>>1
おつ
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/16(月) 01:37:40.39 ID:lKlD11Ffo
でも出来ればエリートを立たせたのは皇太子だったほうが良かったと思うンダナ
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/16(月) 05:55:09.55 ID:bhoBadWm0
>>1
おつんつん
499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/16(月) 08:45:54.90 ID:RuY5Yp/AO
毎度更新
>>1
乙んつんであります!プルンプルン
500 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/16(月) 11:43:03.22 ID:ElxuEieDO
>>495
師匠しんだときにいたのはペニスptとマジシャン占い師ですけど?
501 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:29:58.01 ID:NV6e766qo
…
パアアアアァァァァ
賢者「……ふぅ」
南方副司令「助かったっ、ありがとうよ」ザッ
西方参謀「全員、無事かぁ?」
皇太子「そのようだな。はたして無事といえるかどうかは分からんが」
西方副司令「出血が酷いですね。今、賢者さんを呼んできますから」
青年兵「だ、大丈夫です。自分で歩けますから……」ノソッ
東方参謀「辛勝といったところだが、何とかなったな」
大軍師「ええ。後は開門するだけです」
西方司令「さっきまで開いていたような……いや、閉まってたかな?」
東方参謀「奴が後方まで退がって塞いでいたからな。閉じたのであろう」
西方参謀「んで、どうやって開聞すんだい? ヒック」
大軍師「他の門の状況を聞く限り、自ずと開くか、衝撃を与えれば良いと思われます」
師匠「ほぉ」
502 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:30:29.24 ID:NV6e766qo
ザッザッザッ……ヘタッ
ジュニア「ぶはぁ〜。シンドイわ……ハッハ」
賢者「しんどいね……ふぅ」
ジュニア「もう撃てねぇぞ。この曲のお陰で増幅してたが、ほぼ使い切っちまった」
青年兵「ええ。でもこれで任務は終了ですから」
賢者「……終わったよ……ふぅ」
青年兵「ありがとうございます。見事に止血しましたね」
ジュニア「俺も回復してくれ」
賢者「魔力は無理だね……ふぅ」
ジュニア「……そsりゃそうだ、ハッハ」
ザッザッザッ……
マジシャン「……」
ジュニア「……!?」
マジシャン「1人で2行、よく踏ん張ったな。ハッハ!」
ジュニア「だからよ、言っただろ? こんくらい何てこたぁないってよ! ハッハ!」
503 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:30:56.57 ID:NV6e766qo
…
エリート「……っ」
皇太子「痛むか?」スッ
エリート「陛下」
皇太子「よくやってくれた、エリート」
エリート「それはこちらの台詞ですよ、陛下」
皇太子「いや、君は私を理解し、そして自分の意思とは真逆の決断を下した」
エリート「……それは勘違いです」
皇太子「……?」
エリート「私の任務は陛下をお守りする事、諌める事」
皇太子「ああ、そうだな」
エリート「ですが、私の意思は……陛下に、自由に生きて貰いたい……」
皇太子「!?」
エリート「幼き頃よりずっと見てきたのです。陛下がどんな生き方を望んでおられるか……っ」
皇太子「エリート……」
504 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:33:17.60 ID:NV6e766qo
エリート「普段は立場上、それを許すわけにはいきませんが……今回だけは特別ですよ」
皇太子「ははっ。恩に着るぞ、エリート。お蔭で大手柄を得る事が出来たのだからな」
エリート「今回の戦いで、陛下は多大な手柄を得ました」
皇太子「ああ」
エリート「これを機に、分かっておりますな?」
皇太子「……!? あははっ、もう右大臣に戻ってしまったか」
エリート「言ったはずです。今回だけ特別、と」
皇太子「そうだったそうだった。分かった、考えておくよ」スクッ
エリート「陛下っ!」
師匠「ガハハッ。ったく、まだ戦は終わってねーってのに……気楽なモンだな」
西方参謀「おい、見てみろよ! 天井と壁が吹っ飛んで、戦場が丸見えだ!」
大軍師「おぉっ!」ザッザッ
南方参謀「どっちが押しているかしら……」
大軍師「……我らのようですね、上から見ると一目ですが、素晴らしい布陣ですよ」
東方参謀「大した指揮官だな。戦慣れしているわい」
505 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:37:25.19 ID:NV6e766qo
〜魔王城、正面〜
白虎長「押して押して押しまくりなさいなっ!」
白虎兵「し、しんどい……っ」ゴウッ
白虎長「しんどいのは私達だけじゃないわよっ! 気合入れなさいっ!」
ドッゴオオオオォォォォ!!
グレンデル「ゴオオォォォォッ!」
白虎長「まだいるのぉ!?」
ギュオオォォォォ!! ドッシュウウウウゥゥゥゥ!!
青竜士官「白虎隊、代われ!」
白虎長「あれは竜騎士隊!?」
白虎兵「遅せぇよバカヤロー!」
竜騎士兵「何ぃ!? 助けにきてやってその言いぐさはなんだ!」
青竜士官「口論は後にしろ! 魔王軍を分散させるのだ!」
白虎長「じゃあ任せるわよっ! 白虎隊は小休止! 目標は一夜城!」
白虎兵「おぉーっ!」
506 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:38:37.20 ID:NV6e766qo
ドドオオォォォォ……
バーテン「南側はほぼ鎮圧しただろ」シュボッ
騎士長「まんまと抜かれた魔王軍を除いてな」
左翼長「何度も言わすな、北関の守りは鉄壁だ」
戦士父「伝令からの報告では、あちらも問題ないのだろう?」
騎士長「まぁな」
バーテン「んじゃ俺らのやるべき事は1つだ」
左翼長「このまま北上して、魔王軍を挟み込む」
騎士長「その頃には雌雄決してるだろうな」
戦士父「だと、いいがな」
左翼帳「おぉし、もうひと踏ん張りいくぞぉ!!」
騎士長「我に続けいっ!」
騎兵「おぉーっ!!」ドドッ
戦士父「何もなければ……良いのだがな」
ザッ……タッタッタッタッタッ……
507 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:39:15.08 ID:NV6e766qo
〜一夜城〜
参謀「それで、先程の光は確認出来たのですか?」
伝令「おそらくは五行のものと思われます! また、魔王城の一画も激しく崩れていると……」
参謀「……っ」
ザッザッザッ
副官「ただ今、戻りました」
参謀「おぉ、無事であったか!」
副官「……私は」
参謀「……?」
青年「最北の村じゃ何人かやられてな」
ワーカー「ここに来る道中も何人かやられちまったわ」
参謀「そうでしたか。しかし被害は最小限に抑えられたようですね」
副官「竜騎士隊の援護や……北の港などからのワーカーもありましたから」
博士「こ、こらっ! 勝手に入るななのら!」ワイワイ
記者「ここが本陣なのですね!? おい、早く撮っておけ!」
508 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:41:09.09 ID:NV6e766qo
カメラマン「はい〜」パシャッ
博士「全く、こんな連中にカメラなんて渡すんじゃなかったのら」
参謀「構いませんよ」
博士「しかし……」
参謀「その代わり、これを盛大に記事にして下さい」
記者「もちろんそのつもりです! この大戦は、国民の誰しもが固唾を飲んで見守っているのです!」
参謀「世界中に勝利を告げる事で、民の士気も最大限に上がるでしょうから」
ドクター「怪我人の治療、大半は終わりましたよ」
参謀「流石、早いですね」
ドクター「衛生兵やワーカーのプリーストがおりますから」
参謀「いえいえ。先生を始め、多数の医師が駆けつけてくれたおかげですよ」
ドクター「医者は人の命を救う事が仕事です。それがどこであろうとも」
参謀「そのようなお考えが素晴らしいものです」
ドクター「……このリストの者は重症者です。早めに本国へ移送して下さい」
参謀「わかりました。素早いご対応、誠に感謝致します」
509 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:46:12.96 ID:NV6e766qo
〜医務室〜
三男「……」
魔法剣士「……」スクッ
三男「どこか、行かれるのですか?」
魔法剣士「起きていたか。俺は、戦場に戻る」グッ
三男「しかしっ、貴方もかなりの怪我を……」
魔法剣士「だからと言って、泣き言を言っている暇はない」
三男「……っ」
魔法剣士「俺が動ける限り、救える人間がいるんだ」
三男「っ!!」
魔法剣士「だから俺は、生きている限り……戦い続ける!」ザッ
三男「生きている限り……戦う、か」
魔法剣士「う……っぐ!」ヨロッ
三男「はっ!」ガシッ
魔法剣士「……!?」
三男「肩に……捕まって! 外に出れば良いのだな?」
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/16(月) 18:50:00.40 ID:NV6e766qo
全然進まないうあぁ……とりあえずここまでにて!
本日もご支援、まことにありがとございやんした!
ではまた!さようなり!ノシ
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/16(月) 18:55:27.95 ID:llQtP39DO
いちょつ
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/16(月) 19:21:34.93 ID:ElxuEieDO
いちょつ!
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/04/16(月) 20:12:40.14 ID:HjK94z2/0
>>1
乙
514 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/17(火) 00:38:23.14 ID:F+EkXfKv0
>>1
おつ
全ての門が開くのか
515 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/17(火) 01:14:31.25 ID:oNdCZCwAO
>>1
おつ
516 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/17(火) 01:55:09.80 ID:mzO8hLsDO
僕の門も開門しそうです><
517 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/17(火) 08:31:05.69 ID:4lUECZrAO
僕の門も開門五秒前です。
あ……
518 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/17(火) 09:14:00.06 ID:uASlNBlDO
>>517
つ紙
519 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/18(水) 12:55:26.39 ID:Gf0S9ziDO
やっと障害治ったか
520 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 17:36:21.26 ID:XlGBAKPIO
昨日休んだ分、わかりますね?
521 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 17:59:16.29 ID:FvUnjVwG0
>>520
なんか偉そう
522 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:07:13.90 ID:nnw6znbio
〜ネクロマンサーのラボ〜
盗賊「兄……様……?」
影忍「盗賊! 今のお前ならば必ずや、出来るはずだ!」
盗賊「何、言って……」
影忍「今のお前ならば、この状況下ならば、風林火陰山雷を放てるはずだ」
盗賊「――!?」
ネクロマンサー「出来るはずないでしょう? 貴方と兄妹なのですよ?」
影忍「だからこそだ!」
ネクロマンサー「無理ですね。そのような事は」
影忍「貴様は我らを甘く見すぎだ」
ネクロマンサー「ガラクタが何をほざくかッ!」
影忍「ああ、確かに俺はガラクタさ。人であった時からそうさ」
召喚士「……?」
影忍「だからこそこんな命、大した価値もない。安いものだ!」
ネクロマンサー「だったら大人しく、死んでいなさいッ!」
523 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:07:49.90 ID:nnw6znbio
タンッ
影忍「―−!?」
魔剣士「……」ズググ……
影忍「か……っは」
魔道士「影忍さんっ!!」
戦士「こ……の野郎っ!」
魔剣士「……」ヒュバッ
戦士「う……っお!」
ガキイイィィィィン!! ズザザァ
ネクロマンサー「本体は今までの彼と、一味違いますよ? ククッ」
戦士「……っ」
ネクロマンサー「……さて」
召喚士「行かせるかっ!」バッ
ネクロマンサー「召喚士、君もしつこい男だな」
召喚士「貴様を倒す為ならば、どこまでも食らいついてやるさ!」
524 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:08:26.76 ID:nnw6znbio
シュイイイイィィィィン
魔道士「!?」
ネクロマンサー「全属性の召喚が可能なのでしたっけ? つまり狙いは……」
召喚士「もっとだ、もっと高まれ……俺の魔力!!」
ズゴゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「4属性召喚。もし食らえばそれは即ち……」
召喚士「うおおおおぉぉぉぉーっ!!」
ネクロマンサー「……死!!」ババッ
召喚士「行っけええええぇぇぇぇーっ!!」
コカトリス、ワイバーン、ベヒーモス、スキュラ。召喚士を取り囲むように現れた4体の召喚獣。
均一に割り当てられた魔力は、詩人の奏でる歌によりいつもより増幅していた。
金色に輝く各召喚獣が、ネクロマンサーに狙いを定める。
あとは召喚士の指示を待つだけ。その指示は召喚士の右腕によって示される。
召喚士「――――っ!!」
彼はその振り下ろしかけた右腕を、振り下ろす事なく止めた。
525 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:09:06.81 ID:nnw6znbio
魔道士「あぁっ!!」
ヒト「ウアアァァ……」
召喚士「な、何だ!?ど……どいてくれっ!!」
ヒト「ウア……アウアアァァ」
召喚士「やめろぉ! 邪魔をするなぁ!」
ネクロマンサー「クククッ! 無駄ですよ、彼らは意思とは関係なく、私を守っているのです」
召喚士「く……っ」
影忍「か、構うなっ! それはもう人間ではない! 構わず撃つのだ!」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「残念でしたねぇ。躊躇しなくば、当てられたでしょうに」
召喚士「!?」
ネクロマンサー「いくら魔力が増幅していようとも、肉体は別」
召喚士「待……てぇ!」
ネクロマンサー「その傷では到底、もう間に合いませんよ」
召喚士「まだ……まだぁ!!」
526 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:09:50.09 ID:nnw6znbio
ネクロマンサー「ククッ、無駄――」
ドドオオオオォォォォン!!
ネクロマンサー「――ッ!?」
魔道士「逃がさないっ!」
ネクロマンサー「貴女が居ましたか……ッ」
戦士「よしっ、捉えた!!」
召喚士「おおぉぉぉぉーっ!!」
ババッ!! ドッグオオオオォォォォン!!
魔道士「――――っ!」
戦士「やっ……」
盗賊「違うっ! やっていない!」
戦士「!?」
4属性召喚による攻撃が放たれた直後、ネクロマンサーの前に影が現れた。
その影は身を挺してネクロマンサーをかばい、4属性召喚を一身に受ける事となった。
召喚士「……っ!!」
魔剣士「グ……ッガアアアアァァァァ!!」
527 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:10:30.48 ID:nnw6znbio
ドドオオオオォォォ……
召喚士「く……っそぉ……」
ネクロマンサー「……いやはや、少しばかり油断をしてしまいましたか」
戦士「しくじった……のか……?」
影忍「結果的に魔剣士の本体を葬れたのだ。まぁ、良いだろう……っ」
戦士「そ、そうか……っ!」
フラッ……ザッザッ
東方司令「ちっ、違う……!」
魔道士「!?」
東方司令「あ……れは、本体じゃない!」
盗賊「何っ!?」
魔剣士「――――ッ」
ゴッゴオオオオォォォォ……ドドオオォォォォ……
戦士「本体じゃないって、どういう事だよ!」
東方司令「さっきまでボクが戦ってた……つまりは、偽物だ」
528 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:11:05.01 ID:nnw6znbio
魔道士「えぇっ!?」
ネクロマンサー「……ククッ」
スタッ
魔剣士「……」
召喚士「魔剣士さんが……もう1人……」
ネクロマンサー「理解しましたか? 貴方達が先程まで戦っていた私達」
召喚士「そ……んな……」
ネクロマンサー「そして此処にいる私達は……別物です」
ガシィ!!
召喚士「!?」
ヒト「ウアウウゥゥゥゥ……」
召喚士「は、離してくれっ!」グッ
ネクロマンサー「まだそのような事を言っているのですか?」
召喚士「くそっ、離せぇ!」
ネクロマンサー「貴方、先程……ベヒーモスで私のコレクションを半壊させたではないですか」
529 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:12:22.67 ID:nnw6znbio
召喚士「く……っ」
ネクロマンサー「それを今更、そんなオモチャを殺さないなどと偽善めいた事を」
召喚士「お前はああぁぁ!!」
ネクロマンサー「もう魔力も大して残されていないくせに……」フッ
召喚士「例えそうだとしてもっ、お前を――」
ザシュウウゥゥゥゥ
召喚士「――っ」ブシュッ
戦士「召喚士ぃ!!」
魔剣士「……」スチャッ
ネクロマンサー「これで、心身共にこれまでですね」
召喚士「ネクロ……くそ……ぉ」ドサッ
戦士「てんめぇ!!」ダッ
魔剣士「……」
ビュオッ!! ガッキイイィィィィン!!
戦士「そこを……どけぇ!!」
魔剣士「……ッ?」グググッ
530 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:13:44.37 ID:nnw6znbio
戦士「どけって……言ってんだよおおぉぉ!!」
ドガアアァァァァ!!
ヒト「ウアアァァァァ」
戦士「てめぇらもだっ!! 邪魔なんだよぉ!!」
ドガッシャアアァァ!!
戦士「魔道士ぃ! 今のうちに召喚士を救えっ!」
魔道士「はいっ!」タッタッタッ
魔剣士「……クッ」ズザッ
戦士「召喚士を救うまでは、ここを通さねぇぞ」ジャキッ
ネクロマンサー「……そうですか」
戦士「!?」
ネクロマンサー「まぁ、構いませんよ。ですが勝てますか?」
戦士「何……ぃ?」
ネクロマンサー「剣で対等に闘えると思っているようですが……」
魔剣士「……」キュイイィィィィ
531 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:14:33.72 ID:nnw6znbio
ネクロマンサー「彼には平凡な魔道士以上の魔力がありますよ?」
戦士「っ!!」
ドッドオオォォォォン!!
戦士「ぐはっ!」ドシャッ
ネクロマンサー「……ま、剣の腕もどのみち負けないでしょうがね。ククッ」
戦士「ち……くしょ……っ」
ネクロマンサーの言葉に偽りはなかった。魔剣士の本体はそれ程までに強かった。
今までの魔剣士も桁外れの強さを誇っていたが、そんなものは比にならない。
恐らく、対等に太刀打ち出来る人間はただ1人であろう。
戦士(こ、こいつ……天才に匹敵する力を持ってやがるのか……っ)
魔剣士「……」ザッ
戦士や他の者が弱いわけではない。むしろ強い部類に間違いなく入る。
それでもなお、目の前に立つ男は強大で、とてつもない力を持っていた。
戦士が心で呟いた通り、魔剣士と互角にやりあえる人間は天才だけであろう。
しかもそれはベストな状態での話であり、今やりあっても勝てる可能性はどれ程か。
532 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:16:18.98 ID:nnw6znbio
〜六道門・修羅付近〜
天才「っらああぁぁ!!」ブンッ!!
司令官「……」ヒュオッ
ナンバーワンワーカー天才と国軍総司令官。知っての通り同一人物である。
2つの顔を持つ彼は、情熱的で攻撃的な天才の側面と、
沈着冷静で受け身の司令官という側面と、全く真逆の二面性を持っていた。
あえて二面性を持たせる事で、自身を客観的に捉え、
更にはあらゆる物事を正反対の位置から見る事でその整合性を図る。
彼がそう思っていたかは不明だが、それは非常に効果的な用法であった。
天才「おらおらおらぁ!! どうしたぁ!!」
司令官「……ん」ガキイイィィィィン!!
起因となる1つに、師の存在が影響した事は容易に想像がつく。
かつての大元帥であったお師匠という男。彼は幼き頃から天才の面倒を見て、
教養や学問、更には剣術の師でもあった。そしてもう1人の師がナイトという男。
彼に魔法や戦術、ワーカーとしての心構えなど、実戦に基づいた知恵を与えた。
533 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:17:19.82 ID:nnw6znbio
天才「テメーも俺様だってんならっ、その程度で終わりなワケねーよなぁ!!」
司令官「……ん。どうかな」
天才「余裕気取りやがって。いけ好かねぇ態度だな!!」
司令官「君がそれを言うか」
お師匠とナイト。2人は小さな頃から顔見知りであった。
明るく活発で、どんな事にも物怖じしない村の子供達のリーダーであったお師匠と、
お師匠の隣に住むいつも1人を好み、掴みどころのない不思議な性格のナイト。
正反対の彼らは大人数の中でこそ接する事はなかったが、隣同士という縁もあり、
2人きりの時は大変に仲が良く、互いを理解しあえる大きな存在であった。
天才「まぁどのみち、勝のはこの俺様だけどなぁ!!」
司令官「……どうかな」
村が魔族に襲われ、ほとんどの人間が死んだ。お師匠とナイトは生き延びたが、
村はとても人が住めるような状態ではなく、2人きりで村を離れ、生きる事となった。
やがてお師匠は国軍へ入隊し魔王軍を倒すべく光の道へ。
ナイトは群れるのが嫌いな性分があってか、ソロワーカーとして影の道を進んだ。
534 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:17:54.90 ID:nnw6znbio
天才「どうもこうもぉ! 分かってんだよ!」
キュイイィィィィ……ドッドオオオオォォォォン!!
司令官「……危ないねぇ」
キュイイィィィィ……ドッドオオオオォォォォン!!
立場や場所は違えどその目的は同じ。魔王軍を倒す、魔族を滅ぼす事。
地上という人間の世界から平和を取り戻す事。ただそれだけ。
お師匠は国軍の頂点を、ナイトはワーカーの頂点への道をひた進み、
決して交わる事のない光と影、2つの道は、あるきっかけを起点として交わった。
天才「テメーも俺様だってんならよぉ、見えるんだろ? 予言の力でよぉ!」
司令官「……だとしたら?」
天才「その力でよーく見てみやがれ。見えるはずだ、テメーの最後がな!」
司令官「……」
天才という1人の存在が、光と影の道をつなぎ、全ての道が1つとなった。
そこから人類の展望は急激に進展し、加速する事となる。
3人の打ち出した究極の戦略、五か年計画の始まりである。
535 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:18:21.29 ID:nnw6znbio
天才「見たか? 見えたか? 自分の顛末がよぉ!!」
司令官「それは君かもしれないよ?」
天才「ハーッハッハッハ! そりゃそうだ。だが、俺様にはハッキリと見えてるぜ!」
司令官「……?」
天才「テメーにトドメを差す、この俺様の姿がよぉ!!」
司令官「……ふぅん」
天才「……客観的に相手すると、イライラするヤローだなテメーは!!」
司令官「……ん、同意見だね」
天才「こんな所で戯れてる場合じゃねぇんだよ!!」
司令官「君は、本当に良いのかい?」
天才「あ?」
司令官「この道の先には何が待っているのか、分かっているんだよね?」
天才「当たり前だろ。俺様が自分自身で決めた道だ。ずーっと前からな」
司令官「その為に数多くの犠牲を伴ってきた」
天才「ああそうさ。それもここで全部、清算だ。足りねぇかもしれんけどな」
536 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:19:18.20 ID:nnw6znbio
司令官「その先の道を見たいとは思わないのかい?」
天才「……」
司令官「君やお師匠やナイトさんが望んだ、本当の景色を見たいとは思わないのかい?」
天才「……愚問だな」
司令官「……」
天才「だがこれでいいんだよ。別に自分の為にやってきたわけじゃねぇ」
司令官「……」
天才「そっから先は生きる連中がどうするか、だ」
司令官「……ん。そうだね」
天才「少なくとも俺様が考えてた世界とは、すこ〜しずつ様子も変わってるしなぁ」
司令官「……」
天才「どのみち俺様みてーな古い考えじゃ、生きていけるか不安だわ。ハーッハッハ!」
司令官「魔物を排除し、滅ぼす事で、人間が幸せになれると思っていた」
天才「ああ。だがよー、蓋を開けてみりゃどうだい。何と共存してるじゃねぇか」
司令官「そうだね」
537 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:19:57.09 ID:nnw6znbio
天才「勝手に魔物を悪と決めつけて、分かり合う事ぁなかった」」
司令官「それはちょっと違くない?」
天才「あぁ?」
司令官「分かり合おうとしなかった……でしょ?」
天才「……」
司令官「君は分かっていた。人間の考えが理解出来る魔物も居るって事」
天才「……」
司令官「でもそれじゃあ、あまりにも時間が掛かり過ぎるし、ごく僅かの
そんな魔物を、優先するわけにはいかなかったんだよね?」
天才「だとしたら、どうだってんだよ」
司令官「だから君はあえて魔物と接する事なく、戦いに身を投じた」
天才「……」
司令官「それが後世に悪行と罵られようともね」
天才「ゴチャゴチャうるせぇなコラ! 何が言いてぇんだよ!」
司令官「君、本当は生きたいんじゃないの?」
538 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:20:59.99 ID:nnw6znbio
天才「……!?」
司令官「自分の予想に反した今、生きたいと思ってるんじゃない?」
天才「勝手な事をホザいてんじゃねぇぞ!」
司令官「ここまで変わったのは誰のお蔭だろうねぇ」
天才「うるせぇって言ってんだろうが――」
司令官「……召喚士かな」
天才「――!?」
司令官「やっぱり、因果の外にいるのは召喚士かな?」
天才「……っ」
司令官「彼が絡んでから、歯車がずれ始めたよね? 結果的に良い方向にだけど」
天才「……知るかよ」
司令官「お陰で君は稀代の悪党から英雄へと様変わりだ。良かったじゃない」
天才「死ねばな」
司令官「だから死ぬのかい? 英雄になるべく」
天才「そうじゃねぇよ。これは俺様のケジメと、志半ばに散った同志との……堅い約束だ」
539 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:22:33.96 ID:nnw6znbio
司令官「君らしからぬアンサーだね。ま、別に気にしないけど」
天才「次代の為に多大な犠牲を払ってきたんだ。中には死んで貰ったに等しい連中だっている」
司令官「……ん」
天才「予言で死ぬと分かってて、戦地に送り出してきた」
司令官「全ては魔王軍を倒す為、だね」
天才「そんな犠牲を払っておいて、自分はのうのうと生きて英雄気取りだぁ?」
司令官「……」
天才「んなモン、許されるわけねーだろうが、アホ」
司令官「深く考えすぎだと思うけどねぇ。君の苦労は誰もが承知だよ」
天才「そういう問題じゃねぇ。俺様のワガママに付き合せたんだ」
司令官「……」
天才「テメーのケツくらい、テメーで拭かねぇでどうすんだよ」
司令官「不器用だよね」
天才「テメーだって俺様だろうが。そんくらい理解しろや」
司令官「そのつもりなんだけど、どうしても君の中に迷いが見えるんだよねぇ」
540 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:23:24.74 ID:nnw6znbio
天才「うるせぇって言ってんだよ!!」ギュアッ
ザシュウウウウゥゥゥゥ!! ズザザッ
司令官「……」
天才「もうお遊びはこれまでだ。その仮面の裏にある偽りのツラ、拝ませてもらうぜ」
司令官「偽りは、君の方じゃないの?」チャキッ
天才「やってみりゃあ分かる。何度も言わすな。俺様のビジョンにゃ見えてるんだよ」
司令官「……」
天才「テメーが真っ二つになって死ぬ光景がよぉ!!」
タァンッ!! ガギギイイィィィィン!!
天才「いい加減、予言の力で見てみろよ」
司令官「……」
天才「拝めるはずだぜ? テメーの死にっぷりがよぉ!!」
司令官「……君の死にっぷりも見えるよ」
天才「ああ見えるな! だがそれはこの場所じゃねぇ。もっと遥か高みにおいてだ!」
司令官「……ん」
541 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:24:04.52 ID:nnw6znbio
〜六道門・餓鬼〜
賢者「……ふぅ」パアアァァァァ
東方参謀「これで、あらかたの治癒は終えたか」
賢者「疲れたな、少し休むとするよ……ふぅ」ザッ
南方司令「さて、そろそろ開聞といこうか」
西方司令「力ずくっつー事は、俺らの出番か……もしくは違うか」
東方参謀「我ら3人ならばなんとかなるやもしれんな」
西方副司令「手伝いますよ?」
南方司令「構わん。ここは任せておけ」
師匠「そうそう。こういう力仕事はむさっ苦しい野郎どもに任せとけって」
東方参謀「……ふん。死にぞこないは退がっておれ」
師匠「へいへい」ザッザッ
エリート「陛下、どうしました?」
皇太子「いや、外の状況を見ていたのだが。まぁ大事ないようだな」
エリート「そのようで」
542 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:24:43.53 ID:nnw6znbio
ザッザッザッ
青年兵「ここを抜ければ、いよいよ……」
大軍師「そう踏んでおりますが、まだ何があるか分かりませんよ」ヒラヒラ
青年兵「司れ……天才さんも来ませんしね。もう向かったのかな?」
大軍師「六道門がすべて開聞しない限り、ベルゼブブの元へは辿り着けないと聞きました」
青年兵「だったらまだ、交戦中とか?」
大軍師「あり得ますが、とにかく今はここを突破する事ですよ」
青年兵「……そうですね。召喚士さんらの動向も気になりますし」
大軍師「皆、目指す場所は同じですから」
青年兵「……魔王……ベルゼブブ」
大軍師「この戦いが終われば、ほぼ我らの勝ちと思って良いでしょう」
青年兵「残るはサタン……ですね?」
大軍師「サタンはこの地上へ姿を見せる事は出来ませんから」
青年兵「……なるほど」
大軍師「さて、いよいよ門を攻撃するようですよ」
543 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:25:28.18 ID:nnw6znbio
ザッ
ジュニア「……な、なぁ」
マジシャン「あん?」
ジュニア「……」
マジシャン「お前、俺が誰か分かってんだよな?」
ジュニア「……当たり前だろ」
マジシャン「そうか」
ジュニア「1度、アンタの家へ行った事がある」
マジシャン「家? ああ、山にある別荘か」
ジュニア「そこでアンタの肖像画と……魔道士ちゃんのお尻を触ったっけなぁ」
マジシャン「!? な、何だとぉ!?」
ジュニア「ハッハ! ありゃ事故だったし仕方ねぇわな!」
マジシャン「……笑い声までソックリじゃねぇか、くそっ!」
ジュニア「さて冗談はこのくらいにして、アンタに色々と聞きたい事がある」
マジシャン「……ああ、今は戦闘中だから手短にしろよ」
544 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:26:10.83 ID:nnw6znbio
ザッ
東方参謀「それじゃあ行くぞ」
南方司令「いつでも」ギュッ
西方司令「何が何でも……ブチ破る! いや、無理かもしれない……」
西方参謀「誰か使ってない得物持ってないか?」
キュイイイイィィィィ……ゴゴゴゴゴゴ……
東方司令「……石破―ー」
ガッゴオオオオォォォォン!! ゴゴゴゴゴゴ……
南方副司令「流石は東方先生だな」
南方参謀「ちょっと待って。いくらなんでも早すぎない?」
南方副司令「……言われてみれば確かに様子がおかしいな」「
南方参謀「行ってみましょ!」タッ
西方参謀「おいおい、どうしたってんだぁ? ヒック」
マジシャン「……?」
ジュニア「えっと……んじゃ、手短に聞くけどよ。アンタは――」
545 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:27:30.64 ID:nnw6znbio
マジシャン「くっそぉ!!」
ドンッ!!
ジュニア「!?」
突如、突き飛ばされたジュニアは目を丸くしながら、光に飲み込まれるマジシャンを見た。
ジュニア「――っ!!」
マジシャンだけではない。門の前にいた南方副司令、南方参謀、
西方副司令、西方参謀の4人も、同時に閃光に包まれ、姿を消した。
逆に至近距離で直撃した東方参謀、南方司令、西方司令の3人は地に伏せている。
その様子は一目で重傷だと分かった。大量の出血と傷が遠目からでも見て取れる。
青年兵「ど、どういう事ですか……? 一体、何が……」
大軍師「……わ、分かりません……っ」
神算と謳われる大軍師ですら予想だにしていない事態であった。
六道門・餓鬼は外からではなく内から開いた。それは一体、何故か。
答えは1つであった。アスタロスの次に控える魔物が存在したからである。
アスモデウス「んんーそうだねぇ、まずはここまで健闘した事を褒め称えるとしようかぁ」
魔王ベルゼブブ配下、軍団長クラスの魔族、アスモデウスである。
546 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/18(水) 18:30:50.43 ID:nnw6znbio
キリがいいのでここまでにて!
今日もご支援、感謝感謝です!
それではまた!失礼いたします!ノシ
>>520
いや、休んだというか…休まされたのですよ
547 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 18:31:15.22 ID:Gf0S9ziDO
/(^O^)\ナンテコッタイ
おつんぽ!
548 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 18:47:54.74 ID:zu71dNoDO
キリが……いい……?
549 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/18(水) 19:32:30.29 ID:ORxqox8DO
両司令と東方参謀はヤムチャポーズで一晩寝かされるのか……
熟成が進んでメシが美味くなるな。
550 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/18(水) 19:46:28.00 ID:p5bopyX9o
>>1
乙
いやいや、油断しすぎだろ何やってんのおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!
551 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/19(木) 00:59:01.22 ID:QCfkqH1K0
>>1
おつ
552 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/19(木) 01:23:19.72 ID:6leNlC8AO
>>1
おつ
と言いたいところだが一気に4人も死んでしまったん?ここで終了とか鬼畜すぎるぞオイ
553 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/19(木) 02:04:02.19 ID:YBkIsFBy0
アブドゥル・・
554 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 10:33:50.70 ID:7+1XYPtDO
Yes,I am
555 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:04:35.08 ID:VsxpxziRo
シュウウウウゥゥゥゥ……
青竜兵「……は?」
北方兵「今なにか……降ってきたぞ……?」
青竜士官「!?」
タッタッタッ……ザッ
青竜士官「大丈夫ですかっ!!」ガバッ
西方副司令「……」
竜騎士兵「こっちにも……あっ! あっちにもいます!」
南方兵「冗談じゃねぇぞ……っ、ウチの副司令と参謀じゃねぇか……!!」
青竜士官「搬送しろ!! 重傷だ、急げっ!!」
北方兵「な、何が起こっているんだ……!?」
竜騎士兵「誰か、見た者はいないのか!?」
西方兵「突然っ、場内から閃光が見えました……っ!」
青竜士官「閃光? とにかく早く搬送するのだ!」
竜騎士兵「了解っ!」
556 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:05:02.52 ID:VsxpxziRo
ゴゴゴゴゴゴ……
アスモデウス「んんー?まだ何匹か生き残っているではないか」
ジュニア「オ……ヤジ……?」
皇太子「新手……!?」ザッ
エリート「陛下! お退がりを!」
アスモデウス「んんーまぁ良い。次の攻撃で殲滅全滅壊滅しようではないか」ズオッ
ジュニア「……て……めぇ――」
ガシッ!!
ジュニア「!?」
賢者「……動かない方がいいよ……ふぅ」
ジュニア「離せ!!」
大軍師「賢者殿の申す通りです。単独行動は危険……」
ジュニア「言ってる場合かよっ!! オヤジも……やられたんだぞ!!」
青年兵「従って下さい!!」
ジュニア「!?」
557 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:05:55.18 ID:VsxpxziRo
青年兵「マジシャンさんはこの程度で、やられる方ではありませんよ……っ」
ジュニア「……くっ」
アスモデウス「んんー、威勢が良いですねぇ。でもでも無意味。防ぎようがない」
エリート「来るぞおおぉぉ!!」
アスモデウス「全くいやはや、尻拭いなど面倒な作業をやらされる身にもなってみろ」
ゴウッ!! キュイイイイィィィィ……
大軍師「このままでは……っ」
青年兵(もう魔力が……っ、でも防ぐしかない! せめて……陛下だけでも)ザッ
アスモデウス「んんー死ねい!!」
ガバァッ!!
アスモデウス「おやおや何ぃ!?」
東方参謀「撃たせ……てっ、なるものかぁ!!」
南方司令「うおおおおぉぉぉぉ!!」ガシッ
アスモデウス「んんー死にぞこないめぇッ!!」
西方司令「絶対に離さぬ……いや、話しちゃおうかな……ごほごほっ!」ビチャッ
558 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:06:30.87 ID:VsxpxziRo
南方司令「絶対に離すなよ!! 正義の為だ!!」
アスモデウス「んんー、小賢しい小癪小生意気です」
東方参謀「目的は果たしたっ! このまま……我らごと城外に吹き飛ばすのだっ!」
青年兵「!?」
アスモデウス「んんーそれは厄介極まりない。やめましょうよそんな事」バギャッ!!
東方参謀「ご……ぶぉ!!」
皇太子「どうするのだ!?」
大軍師「……っ」
南方司令「早くしろぉ!! 正義の為なのだ!!」
西方司令「死ぬかもしれないし、死なないかもしれないっ!!」
アスモデウス「んんー、させませんって」
青年兵(駄目だ、躊躇している暇はない……っ!)
アスモデウス「では、失礼無礼非礼」グオォッ!!
師匠「させねーよ」ザッ
アスモデウス「!?」
559 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:07:41.36 ID:VsxpxziRo
師匠「このまま城外に吹っ飛ばすぜ!」
青年兵「師匠さん!?」
師匠「心配すんな。みんな死ぬわけじゃない……また会えるさ。ガハハ!」
青年兵「っ!!」
師匠「大軍師! 後押し頼むぜっ!」
振り向きざまに師匠は朱雀召喚獣を魔力の限り、召喚する。
大軍師「承知っ」
朱雀召喚獣は元来、風の魔法を得手としており、そこへ大軍師の木行も相まって、
膨大な風が突風として巻き起こり、アスモデウスの巨体を軽々と持ち上げた。
アスモデウス「んんー!?」
師匠「んじゃな! 後は任せたぜ!」
アスモデウス「くおぉ――――」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴッガオオオオォォォォ!!
皇太子「う……っお!」
青年兵「っ!!」
560 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:08:22.22 ID:VsxpxziRo
ビュオオオオォォォォ……
エリート「消……えた。大丈夫なのか……?」
大軍師「分かりませんが、城外ではまだ交戦中。此処よりは援護もましかと」
皇太子「それで、私達はどうするのだ?」
大軍師「我らの任務は達成されました」
ジュニア「敵を倒す事が任務じゃねぇのかよ!!」
大軍師「我らの第1優先任務は、陛下をお守りする事」
ジュニア「……っ」
大軍師「第2に場内の門を全て開く事です」
賢者「まぁ、目的は達成されたわけだね……ふぅ」
大軍師「そしてもう1つの任務として……」
青年兵「僕達には魔王ベルゼブブの最後を見届けなくてはいけない」
大軍師「その通りです。その為には、前へ進むしかありません」
ジュニア「……っ!!」
唇を噛み締めたジュニアは、率先して立ち上がり、無言で門へを足を進めた。
561 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:08:58.89 ID:VsxpxziRo
ォォォォオオオオ……ゴオオオオォォォォ!!
朱雀嬢「えっ!?」
玄武娘「何ですの――」
ドッズウウウウゥゥゥゥン!!
王子「何事だっ!」
アマゾネス「な、何か降ってきたぞ……?」
シュウウウウゥゥゥゥ……
名代「大きいな……っ。岩か何かか?」
帝「違うっ! 離れろ!」
名代「!?」
ドッガアアアアァァァァ!!
アスモデウス「んんー。フッシュウウゥゥゥゥ」
王子「新手の魔物だ! 戦闘態勢――」
アスモデウス「んんー、いつまで纏わりついておるかいなッ!!」
ブオッ!! ドグッシャアアアアァァァァ!!
562 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:09:31.35 ID:VsxpxziRo
東方参謀「が……っはああぁぁ!!」ドシャッ
おさげ「あ、あれって……味方じゃないの?」
色黒「怪我してるわよ!?」
王子「むっ、いかん! 早く救出するぞ」ダッ
アスモデウス「んんー救出? そんな必要は無用不要皆無」
ズッギャアアアアァァァァ!!
南方司令「ご……っああぁぁ!!」
西国兵「放り飛ばしやがった!! くそぉ!!」
帝「拾い上げよっ、2人おるぞっ!」
名代「天狗っ、雪女!」ババッ
アスモデウス「んんー。邪魔をするない」
朱雀嬢「それはこちらの台詞ですわっ!」ザザッ
王子「さぁ来るがいい! 貴様の相手はこの私だ!」
アスモデウス「たわけーい!! 貴様如きでッ、相手になるかよ」
名代「……よし、救助を終えましたよ」
563 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:09:59.89 ID:VsxpxziRo
アマゾネス「ポニテ、ツインテ。この2人を連れて行ってくれ」
王子「お前はこの者を」
西国兵「了解! さぁ、掴まってくれ!」
東方参謀「ぐ……」ググッ
アスモデウス「んんー、まーだこんなに居るのかよ」
帝「……」ススッ
アスモデウス「と言いますかね、城外じゃ押されているじゃありませんかい」
玄武娘「何だか、攻撃してきそうもないですの」
朱雀嬢「そんなわけがあいですわ。いつでも召喚出来るよう、準備なさいな」
アスモデウス「んんー。だから言っているんだ、こういう尻拭いじみた事をするのは……」
ズゴゴゴゴゴゴ……
アスモデウス「この俺のオオォォ! 仕事じゃアアァァ! ねエエェェんだよオオォォ!!」
カッ!! ドッグオオオオォォォォン!!
帝「くうぅーっ!!」
アスモデウス「んんー死んで詫びてろ!! カスクズボケ!!」
564 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/19(木) 18:11:11.43 ID:VsxpxziRo
風邪ひいた…短くてすみません…
ご支援ありがとうでした!それではまた!ノシ
565 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 18:17:17.93 ID:+37khCtDO
つ正露丸
おつんぽ
566 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 18:33:12.78 ID:smHJgIJqo
つバファリン
567 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/04/19(木) 18:35:47.40 ID:1sSP4e7Fo
つポカリ
568 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 18:35:59.32 ID:6q+EuuYDO
こりゃまたクセのあるキャラだな。
口調が二転三転するせいで外見のイメージがまるで出来ないww
569 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/19(木) 19:26:34.31 ID:g1C77OBNo
>>1
乙
イメージは西方司令だわ。
きっとこいつも角や爪なんかの長さによって性格変わるんじゃなかろうか
570 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/19(木) 19:30:16.39 ID:zfX4cv8Qo
キャラ作りはいいよね
投下量減ったしまとめサイトの更新は止まったしそろそろ終わりかな…
571 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 19:41:23.57 ID:9TzFzIvDO
>>1
乙っす
572 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/19(木) 19:58:11.28 ID:GQndXGEd0
いちおつ
573 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 20:40:27.73 ID:NCJt9hIYo
>>1
乙!
ハート様ぁあああ!
574 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/20(金) 01:42:13.77 ID:HUo6ewjAO
>>1
おつ
アスモデウスの外見は牡牛、人間、牡羊の3つの頭とこれまた気色悪い外見という
575 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/04/20(金) 07:07:03.19 ID:XSFPONhPo
バフォメットの親戚かな?
576 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/20(金) 14:38:10.98 ID:PiY5n5aGo
>>1
乙!
俺はモンコレのアスモデウスで妄想してる
577 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 17:57:18.23 ID:5NoEQaj9o
ドドドッ……ドドッドドッ
白虎長「今の爆発はなにっ? まだあんな攻撃が出来る魔物がいるわけぇ!?」
白虎兵「北側でしたねっ! どうします!?」
白虎長「あんた達はこのまま一夜城を目指しなさい」
白虎兵「白虎長様は!?」
白虎長「私はこのまま北側へ合流するわっ」ドドッ
白虎兵「お1人では危険です!」
白虎長「合流すれば他の人達もいるし、いいから行きなさい!」
白虎兵「……り、了解っ」ドドッ
フェンリル「良かったのか?」
白虎兵「どうせ俺達には大した魔力も残ってないし、逆に足手纏いだよ……」
フェンリル「むっ!?」
白虎兵「どうし――わわっ!」
ズザアアァァ!!
白虎兵「急に止まるな……」
578 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 17:57:53.97 ID:5NoEQaj9o
フェンリル「人だ」
白虎兵「!?」
魔法剣士「魔物は……まだいるのか?」ザッ
白虎兵「い、いるけど……あんた怪我人だろ!? 動けんのか……?」
魔法剣士「どこだ?」
三男「やはり無茶だ、この身体では……」
魔法剣士「言っただろう? 無茶かどうかなど関係ないのだ」
三男「……っ」
魔法剣士「救える命があるならば……戦い続ける」ザッザッ
白虎兵「お、おい……っ!!」
三男「……分かりました。行かせてあげて下さい」
白虎兵「!?」
三男「但し、私も貴方について行きます」
魔法剣士「何?」
三男「もし貴方が倒れても、私が抱えて連れて帰ります」
579 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 17:58:28.45 ID:5NoEQaj9o
白虎兵「冗談じゃないっ! 一国の主をそんな危険な目に遭わせられませんっ!」
三男「しかしこの方お1人では……」
――「我らが、共に参ります」
三男「……ハヌマーン!!」
ハヌマーン「三男様、それならば文句もなかろう?」
三男「よ、良いのか?」
ハヌマーン「ええ。攪乱の必要はほぼなくなりましたし、何より傷も癒えました」
ラクシャーサ「人間の医療技術っつーの? スッゲェよなぁ」ナデナデ
三男「……すまぬっ。私が無力なばかりに」
ハヌマーン「何を申される。人間にも魔族にも、それぞれ役割というものがありまする」
三男「……」
ハヌマーン「三男様は剣を振るう事が役割ではござらぬ。民を統べる事こそが役目」
三男「ハヌマーン……」
白虎兵「ん、なぁ。俺らの体長が単身、北に向かってんだ。助けになってやってくれ!」
魔法剣士「……ああ、分かった」
580 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 17:59:16.67 ID:5NoEQaj9o
タッタッタッタッ……
ケルベロス「くぅーん」
魔法剣士「お前も行くのか?」
ケルベロス「ハッハッ」ブンブン
ハヌマーン「それでは参るぞ。このまま真っ直ぐ、北へ突っ切る!」
オーク「やってやるです……!!」ジャキッ
三男「お気をつけて!」
魔法剣士「……」ダッ!!
白虎兵「真っ直ぐって……魔王軍がまだ居るのに大丈夫かな……?」
三男「……っ」
ザッザッザッ……スッ
三男「戦場にいる華国軍に告ぐ!!」
白馬騎士「!?」
老将軍「あれは……三男様か……?」
三男「これより北へ回り、立ちはだかる魔王軍を攻撃するのだっ!!」
581 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:00:44.48 ID:5NoEQaj9o
白馬騎士「三男様……っ」
三男「突破する必要はないっ! 道を切り拓けっ!」
華国兵「……お、おぉ……っ」
三男「その道の先には我らの、人間の未来が見えるはずだ! 心してかかれいっ!」
華国兵「お、おおおおぉぉぉぉーっ!!」
老将軍「三男様、見事なる君主ぶりよ!」
白馬騎士「……」
老将軍「ふっふっ。感極まっておるのかぁ?」
白馬騎士「!? ま、まさか……」グイッ
老将軍「……まぁ分からんでもないがな。儂は本当に後悔しとるよ」
白馬騎士「……」
老将軍「何故あの時祖国を見捨てず、お主のように留まり、助力しなかったのかとなぁ」
白馬騎士「仕方ありませんよ。私とて三男様のお目付けでなくばどうであったか」
老将軍「じゃがな、もし儂らが華国を見捨てず、華国の為に働いておれば……」
白馬騎士「ええ。あの場にはきっと、3人の王子が一丸となり、指揮を振るっていた事でしょうね」
三男を見つめる白馬騎士と老将軍の目は、微笑ましくも寂しいものであった。
582 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:01:11.57 ID:5NoEQaj9o
ドドオオオオォォォォ……
名代「な、何をしたのだ……っ」
アスモデウス「んんー何をって、体内に貯めた魔力を爆発させただけの事」
王子「下馬しろっ。召喚獣に変更する!」ザッ
アスモデウス「んんー。私とした事がぁ、少し熱くなりすぎてしまいましたかね」
朱雀嬢「玄武娘っ、リヴァイアサンよ!」
玄武娘「はいですっ!」ザッ
アスモデウス「もう1回くらいやったら、終わってしまいそうですかね。いやいやいや……」
キュイイィィィィン……ズゴゴゴゴゴ……
アスモデウス「終わらせましょう、そうしましょう」
師匠「ほざけやっ!!」バッ
アスモデウス「ッ!?」
師匠「行けっ! ペガサス!!」
シュイイィィィィン……ドガガガガガガガッ!!
アマゾネス「ペガサス……? 朱雀召喚士か?」
583 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:02:01.82 ID:5NoEQaj9o
朱雀嬢「今……何て……」
玄武娘「えっ? 何も言ってないですの」
朱雀嬢「違いますわよっ! あの男『行けっ!』……って」
アスモデウス「んっんー! 油断誤算慢心!」ドゴォ
師匠「そのまんま……寝てろやぁ!!」
アスモデウス「でもでもでもでも、冷静沈着平静に対応すれば、問題なしですね」
ドッ!! ゴッガアアアアァァァァ!!
師匠「――――っ!!」
チャンプ「うおっ、アイツ……吹き飛ばされたぞ!?」
北方兵「お前も邪魔だ! 退がれっ!」
帝「名代、あの者の救助を……」
朱雀嬢「私達が行きますわ!」タッ
師匠「ぐ……っく」
バシュウウゥゥゥゥ!! ガシィ!!
師匠「!?」
584 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:02:27.55 ID:5NoEQaj9o
ハーピー「大丈夫〜?」
師匠「……ハーピーか……っ」
朱雀嬢「どう? 大丈夫そう?」
ハーピー「今、そっちに降ろすわよぉ」ヒュオッ
玄武娘「ナイスキャッチですの!」
ハーピー「へっへー!」
朱雀嬢「目立った傷は……ないようですわね」
師匠「あ、ああ……っ。怪我よりも魔力枯渇だ……っ」
王子「危ないぞ、もっと退きたまえ」
朱雀嬢「お願いしますわ」
王子「突撃ーっ!!」
西国兵「スフィンクス隊……いっけぇ!!」
ドッドオオオオォォォォ……
師匠「な、何だか……活気溢れる戦場だな」
朱雀嬢「そうかしら?」
585 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:02:55.14 ID:5NoEQaj9o
師匠「俺が前線に立ってた頃なんざ、召喚獣なんてほぼ皆無だったんだがなぁ……ガハハ!」
玄武娘「時代は変わったんですの〜」
西国兵「そこのワーカー! 手を貸してくれ!」
玄武娘「は、はいですのっ! 朱雀嬢ちゃん、先に行ってるですの!」タッ
師匠「お前さんも気にせず、行ってくれ」
朱雀嬢「……あの」
師匠「……?」
朱雀嬢「あなた、何者なのかしら?」
師匠「どういう意味だ?」
朱雀嬢「ペガサスを使う朱雀召喚士。いや、それよりも確か……」
師匠「……」
朱雀嬢「召喚流派に『行けっ!』、と仰いましたわよね?」
師匠「……ああ。俺の流派は師匠流だからな」
朱雀嬢「そう」
師匠「それが何かあんのか?」
586 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:03:26.36 ID:5NoEQaj9o
朱雀嬢「……出て来い、ハーピー」
シュイイィィィィン
師匠「――っ!?」
朱雀嬢「やはりご存じのようですわね」
師匠「お前、本家の人間か……っ」
朱雀嬢「私の予想が正しければ、現存する師匠流は朱雀先生と同門という方のみのはず」
師匠「……朱雀先生? あぁ、アイツか」
朱雀嬢「あなたは……師匠さんですわね? まさか生きてらしたなんてね」
師匠「ガハハッ! 大したお嬢ちゃんだなこりゃ」
朱雀嬢「朱雀の事ならば、情報は収集していますわ」
師匠「そうか。なら話は早いわな」
朱雀嬢「生きていた理由や詳細は聞きませんわ。でも――」
師匠「……」ザッ
朱雀嬢「!? あ、頭を上げてですわ……っ!!」
師匠「本家を守る事が朱雀召喚士の務め」
587 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:04:08.48 ID:5NoEQaj9o
朱雀嬢「い、今更っ! そんな事を……っ」
師匠「……」
朱雀嬢「今更、そんな事を言われても……どうしようもありませんわ」
師匠「……そうか」
朱雀嬢「それに今のあなたに私を守れるのかしら?」
師匠「ガハハ! その通りだな。もう練りだした魔力は枯渇だ」
朱雀嬢「だから護衛は不要。あなたはお戻りになられると良いですわ」
師匠「大丈夫か?」
朱雀嬢「私には仲間が居ますもの。それに……」
師匠「……」
朱雀嬢「朱雀本家なんてものは、もう存在しませんから」
スッ……タッタッタッタッ……
師匠「……零細だけどよ、朱雀も安泰そうだな師匠! ガハハッ!」
朱雀嬢「玄武娘っ、さっさと行きますわよっ!!」タッ
玄武娘「えっ!? あ、はいですのー!」
588 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:04:58.56 ID:5NoEQaj9o
ゴゴオオオオォォォォ……
アスモデウス「んんー。良い準備運動になりましたよぉ」
帝「先程の攻撃を浴びて、何ともないのか……っ?」
アスモデウス「さて。運動の後は腹が減るもの」キョロキョロ
帝「!?」
アスモデウス「んんーなかなか旨そうですね。これは悦楽娯楽快楽」
名代「上様っ、お退がりを」ザザッ
足軽「上様に手は出させねぇぞ!!」ジャキジャキッ
アスモデウス「んんー。まずそうな輩はァ、先に始末しましょうか」
ドッゴオオォォォォン!!
アスモデウス「ゴベェーッ!!」メシミシィ!!
王子「不愉快極まりない奴だな。セクメト、手を抜く必要はないぞ」
西国兵「陛下に続けぇ!!」ドゴオオォォォォ!!
アスモデウス「クッ、ンヌゥー!!」
ズザザザザアアァァァァ……
589 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:06:11.70 ID:5NoEQaj9o
アスモデウス「んんー個々の力は弱くとも、群れるとなかなかの手ごたえッ!」
名代「毘沙門天を使役する。上様の護衛は頼むぞ」タタッ
足軽「ははぁ!!」
アスモデウス「何か良いては……んんー閃いたぞいな!」
シュウウウウゥゥゥゥ
王子「!?」
アスモデウス「あちらが数で来るならば、こちらも数でいこうではありませんかァ!」
アマゾネス「何かしているぞ!?」
アスモデウス「んんー。さぁて我が軍団の完成よ!」
西国兵「……?」
ォォォォオオオオ……
朱雀嬢「上ぇ!!」ザッ
王子「何っ!?」
玄武娘「ぎゃああぁぁ!! 気持ち悪いですのー!!」
朱雀嬢「な、何て数の魔物なのよおおぉぉ!!」
590 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:07:32.37 ID:5NoEQaj9o
ズオオォォォォ!!
オーガ「アスモデウスサマ……バンザーイ!!」
グレンデル「シネシネシネシネエエェェ!! ウエアハハハハアアァァ!!」
ドッズウウウウゥゥゥゥン!!
帝「しまったっ、囲まれたか!」
アスモデウス「んんー。500は作れたかなぁ? さぁ、殺せ嬲れ葬れいッ!」
オーガ「ウオオオオォォォォン―ー」ピクンッ
ドサドサッ
アスモデウス「……んんー?」
王子「か、勝手に魔物が……倒れたぞ?」
アマゾネス「一体何が……」
ザントマン「ヒヒッ!」
名代「あれは……召喚獣か!?」
ザッザッザッ
山師「間に合ったかな? 微力ながら援護させて貰いますよっ!」
591 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/20(金) 18:08:24.77 ID:5NoEQaj9o
お腹が痛すぎて今日はここまで!!
調子次第で後ほど現れます!今日もご支援ありがとうでした!
それでは失礼致しますです!!ノシ
592 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/20(金) 18:12:00.73 ID:mEQd06hFo
いちょつ
無理しないでくれよ
593 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/20(金) 18:28:46.29 ID:7/IszweIO
おつんぽ!お大事に
山師なつかしす
594 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/20(金) 19:24:56.01 ID:FaDKzX+Ho
>>1
乙
まさかの山師登場
595 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/20(金) 20:18:53.47 ID:lxwR544b0
>>1
おつ
お大事に
596 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/20(金) 22:17:38.05 ID:HUo6ewjAO
>>1
おつ
懐かしい人がきたな
597 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/20(金) 22:32:47.65 ID:JvRvb7tAO
ザントマ△
598 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 00:44:48.85 ID:GqL2MY7DO
懐かしいな!ザントさん取得の為だけのかませじゃなかったのか!
599 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 01:56:00.05 ID:TNvZ+ShDO
おつんぽ!
まさかの山師
600 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/21(土) 08:46:46.18 ID:HVKEbxkAO
>>1
乙んつんであります! お身体御大事に! セブンイレブンいい気分!
601 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/21(土) 16:39:02.72 ID:Us+uNTkho
600氏面白すぎでござるwwwwwwwwwwザルルwwwwwwwwwwwwwwwwwwザルルwwww
602 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 20:40:55.66 ID:kSyIWOHIO
お腹が痛いのは精神的にもキツいのでお大事に
603 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/21(土) 22:34:48.56 ID:YlxJJvbpo
生理
604 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/21(土) 23:31:04.98 ID:05aBYsSDO
>>603
やっぱそうなんかな……
605 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/22(日) 01:02:15.79 ID:0BnJ33x6o
ならば愛して待つのみ
606 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 01:30:31.53 ID:swmbmrA70
お大事にふひひひひひ
607 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 01:56:17.23 ID:F00gQgkLo
オーガ「ウ……ウウゥゥ」
ドッズウウゥゥゥゥン
アスモデウス「んんー? どういう……事です?」
朱雀嬢「ザントマン!? 朱雀先生……じゃない」
帝「何者だ?」
山師「大戦と聞き、何かお役に立てればと思い僭越ながら」
王子「それは助かる。あの魔物どもは死んだのか?」
山師「いえ。ザントマンの能力はあくまで眠らせるのみです」
王子「なるほど。ではまだ攻撃の手は緩まんわけだな」
西国兵「聞いたかっ、油断するなよぉ!」
玄武娘「また来たですー!」
アスモデウス「んんー我が軍団よ、諸君らはあの者らを蹴散らすのです」
サイクロプス「グゴオオオオォォ!!」
アスモデウス「そして私はァ、んんーいただきますよぉ」
帝「!?」
608 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 01:56:44.70 ID:F00gQgkLo
王子「ふざけるなよ貴様ぁ!!」
ドッゴオオォォォォン!!
アスモデウス「ええいっ、早く邪魔者を蹴散らしなさいな!」
山師「ザントマン!」
朱雀嬢「出て来いっ! ワルキューレ!」
玄武娘「おいで、リヴァイアサン!!」
シュイイィィィィン……ズドドドドドド……
アスモデウス「うぐッ、これは不満不愉快不機嫌!!」
王子「セクメトっ、突撃だ!」
西国兵「スフィンクスも続けぇーっ!」
王子「馬鹿者っ、近づきすぎるな――」
アスモデウス「んんー、小賢しいッ」
王子「――!?」
突撃する西国の召喚隊。しかし対するアスモデウスは次なる一手を打つ。
一同は人間の顔の横に突如、グロテスクな光景を目の当たりにした。
609 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 01:57:24.66 ID:F00gQgkLo
ズググッ……ジュグウウゥゥゥゥ
玄武娘「あ、あれ……何ですの……っ!?」
朱雀嬢「う……ぇ」
首の付け根から生えてきたのは牛の顔であった。
アスモデウス「ゴッフウウウウゥゥゥ」
アマゾネス「何か……嫌な予感がする……っ」
アスモデウス「……カアアアァァァァ!!」
第の顔である牛が、大きく息を吸い込み、灼熱の炎を放った。
ドッゴオオオオォォォォ!! ゴアアアアァァァァッ!!
おさげ「きゃああぁぁーっ!!」
王子「ちぃーっ、距離をとって攻撃を――」ズザッ
グレンデル「シネシネシネェ!!」
王子「しまっ――」
バッギャアアァァ!! ゴロゴロゴロッ
西国兵「陛下ぁ!!」
610 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 01:58:02.26 ID:F00gQgkLo
王子「ぐ……っく、油断……」
アスモデウス「……んんー。どうしましたぁ?」
王子「……っく」
アスモデウス「まだまだこんなものでは……ありませんよ!」
帝「助太刀に……っ」タッ
アスモデウス「んんー。飛んで火に入る……ですねぇ。貰いましたっ!!」
帝「!?」
ビュオオォォォォ……ザックウウゥゥゥゥ!!
アスモデウス「――――ッ!!」
帝「……矢?」
アスモデウス「あ、あんな距離から……狙撃ィ!?」
ザザッ
老将軍「ふっふっ。弓の名手と言われた腕前、なめるでないぞ?」
白馬騎士「今だっ、突撃ぃーっ!!」ドドォ!!
アスモデウス「んんーッ、次から次へと厄介面倒迷惑ツ!」
611 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 01:58:31.15 ID:F00gQgkLo
ドガガアアァァァァッ!!
華国兵「ご無事ですかっ!?」
王子「す、すまぬ……っ」ザッ
白馬騎士「いけぇっ、怯むな! 大将首だけ狙えば良いっ!」
アスモデウス「そうはいきますかってんですよ」ザッ
ズググッ……ジュグウウゥゥゥゥ
名代「!?」
帝「ま、また……っ!?」
今度は反対側の首元より、羊の顔が現れ始めた。
アスモデウス「……オ……オオォォォォ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ズッゴオオオオォォォォ!!
色黒「うっくううぅぅーっ!!」
朱雀嬢「炎の次は……風!?」
玄武娘「でもっ、このくらいなら!!」
リヴァイアサン「ガオオオオォォォォォン!!」
612 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 01:58:59.56 ID:F00gQgkLo
ドッドオオオオォォォォン!! ズッシャアアアアァァァァ!!
アスモデウス「んんー凄まじい威力。やりますねぇ」
白馬騎士「これでは近づけぬな。仕方あるまい」
老将軍「ワシらは雑魚共を一蹴するぞい!」
オーガ「ザコジャナイイィィィィ!!」
老将軍「むぅ!?」
ザッシュウウゥゥゥゥ!! ドズウウゥゥン
老将軍「た、助かったわい……っ」
魔法剣士「……ふーっ。次、行くぞ」
ケルベロス「わんっ!」
朱雀嬢「玄武娘、そのまま続けているですわっ!」
玄武娘「もちろんですのっ!」
アマゾネス「今のうちに攻撃だぁ!」ドガァ!!
アスモデウス「んんー次から次へとゴキブリですか貴方達はァ!」
帝「だったらそのように、しぶとく生き抜いて食らいついてやるさ」ザッ
613 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 01:59:55.19 ID:F00gQgkLo
アスモデウス「んんーこれは手間がかかります。なれば……」
ズズズッ
白馬騎士「何……っ?」
王子「ま、まだ変身する気か……!?」
アスモデウス「んんー。次は毒蛇の尾、なんてのはどうですかァ?」
バッシュウウゥゥゥゥ!! ギュバッ!!
西国兵「ご、ごふぇ!!」ビチャッ
華国兵「くそっ、これは毒の――ぎゃっ!」ドシャッ
帝「奴には近づけぬ。しかし周囲の妖によって安全な退路もままならぬ……か」
足軽「こうなったら……命懸けで道を切り拓く!!」ザッ
ザシュッ!! ズバッ!!
足軽「……!?」
魔法剣士「死ぬ事だけが忠義ではないぞ」カシャッ
名代「おぉ……っ」
魔法剣士「とは言え、なんとか1ヶ所でも退路を確保出来れば良いのだがな」
614 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/22(日) 02:01:00.01 ID:F00gQgkLo
ドズウウゥゥゥゥン!!
アスモデウス「さて、ここらでまとめてお料理して差し上げましょうか」
白馬騎士「そうはさせぬぞっ!」
アスモデウス「んんー、そう言われてもォ……するのですッ!」
ゴゴゴゴゴゴ……
王子「ま、まずいぞ……っ。食い止めねば……」ヨロッ
朱雀嬢「玄武娘っ! 何とかなさいなっ!」
玄武娘「そ、そんなぁ……いきなり言われても無理ですのー!」
アスモデウス「んんー死になさアァい!!」ギュバッ!!
ドッドオオオオォォォォン!! ガカアアアアァァァァ!!
アスモデウス「何ぐおぉ……くっ、ぐくううぅぅ!」ジュウウゥゥゥッ!!
名代「あの……閃光は……っ!?」
ベヒーモス「アオオオオォォォォン!!」ザッ
白虎長「さぁ本番はまだまだこれからよっ! かかってらっしゃい!」
アスモデウス「……んんーまだゴキブリが居ましたかァ。不快不愉快不可解!!」
615 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/22(日) 03:29:23.75 ID:FXqiya7AO
アスモさんが口調のせいで古畑任三郎に見えて仕方ない
616 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/22(日) 04:25:59.77 ID:XfiwesEC0
>>1
おつ
617 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/22(日) 07:57:04.46 ID:0/FurTb9o
むしろダイ=アモンかと・・・これが年代の差なのだろうか
618 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 09:38:20.84 ID:03kfeEWDO
いい質問ですねぇ!
619 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 10:00:28.77 ID:6LdzIPSgo
白虎嬢は活躍出来るのだろうか?
620 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 11:51:36.38 ID:XuwkLqJMo
>>618
電車のなかで
アス上彰とか脳裏をよぎってあぶなかったじゃないか!どうしてくれる!
621 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 12:36:51.52 ID:4MDIs8+DO
バスタードのアビゲイル
622 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 21:16:25.09 ID:riPOSNCIO
どうやって倒すか分かった気がする
wktk
623 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/22(日) 22:17:04.32 ID:2XyEyL2AO
>>1
おつ
624 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/22(日) 22:33:18.17 ID:La2owXNIO
そういや炎と風って、イブリースの専売特許じゃなかったっけ?
625 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/22(日) 23:19:56.48 ID:0/FurTb9o
除菌と消臭に定評のあるイブリーズさん
626 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 23:26:16.96 ID:03kfeEWDO
すっきり消臭!
627 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/04/22(日) 23:35:36.68 ID:gwn6BiiAO
加熱殺菌とエアシャワーで徹底除菌の置くだけイブリース……
言い値で買おうか
628 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/22(日) 23:36:49.07 ID:GwzPZUV6o
手のひらサイズでつんつんされて火を噴くイブリースちゃんかわいい
629 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:00:12.28 ID:neZ4rx2/o
白虎長「ゴキブリですってぇ!? 失礼ねっ!」
ズアッ!! ドッドオオオオォォォォン!!
王子「ナイスな援護! この機を逃すなっ」
西国兵「おぉーっ!」ザザッ
白虎長「てやああぁぁーっ!」
アスモデウス「んんーッ、猛毒の風を浴びなさいな!」ゴアッ!!
ベヒーモス「ウゴオオオオォォォォ!!」
白虎長「ちぃっ」
アスモデウス「さぁ、動きが止まったところで――」
魔法剣士「魔道剣……二行っ!」ジャキジャキッ
アスモデウス「んんーッ!?」
帝「足元も手薄だぞ、馬鹿めっ」ザシュッ!!
白馬騎士「……良し、押し返したな」
名代「……」
白馬騎士「名代様? いかがした?」
630 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:00:40.30 ID:neZ4rx2/o
名代「白馬騎士殿、奴を倒すにはどうお考えですかな?」
白馬騎士「ここはやはり、五行に頼るしか道はないかと」
名代「やはりそうお考えか」
白馬騎士「だがしかし、それをするにはかなり厳しい状況ですね」
名代「ええ。五行を使いこなせる者が此処には居りませぬ」
ドッゴオオオオォォォォン!!
アスモデウス「んんー互角といったところですが……」
オーガ「グゴアアァァァァ」
グレンデル「……グブゥ」ドズウウゥゥゥゥン
アスモデウス「我が軍団が次々と葬られておりますねぇ」
魔法剣士「どこを見ているっ!」ババッ
アスモデウス「んんーッ、いよいよ本気になるしかありませんかこれ?」
ドギャッ!! ズザザザザザアアァァ
魔法剣士「……ぐくっ」ペッ
アスモデウス「んんー。貴方、もう力が残ってないではあーりませんか」
631 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:01:17.55 ID:neZ4rx2/o
魔法剣士「……だったら何だ」ザッ
アスモデウス「そんな状態で私に挑もうなどと、失礼無礼侮辱」
魔法剣士「ふっ、貴様如きこの程度で十分という事だ」
アスモデウス「んんー殺します!」グアァッ!!
魔法剣士「……っ」
ブリュンヒルデ「突撃ーっ!!」
ロスヴァイセ「でやああぁぁーっ!!」
ズギャギャギャギャッ!! ドゴォ!!
アスモデウス「!?」
朱雀嬢「ちょっとあなたっ、フラフラじゃない!」
魔法剣士「……余計な真似をするな。こっちは構わん」
朱雀嬢「そんな状態で、どうやって戦うつもりなのかしら」
魔法剣士「……っ」
朱雀嬢「強さを履き違えてはいけませんわよっ」
魔法剣士「何?」
632 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:01:50.35 ID:neZ4rx2/o
朱雀嬢「戦って誰かを守るのは正しい。でも、自分が犠牲になっては意味がありませんわ」
魔法剣士「……」
朱雀嬢「だって死んだら、誰も守れませんもの」
魔法剣士「……っ」
アスモデウス「んんー煩い召喚獣ですこと全く」
ドッドオオオオオォォォォン!! ゴガオオオオォォォォ!!
オルトリンデ「きゃああぁぁーっ!!」
ブリュンヒルデ「朱雀嬢、これ以上は持たないっ! 一旦、退くのだ!」
朱雀嬢「ほらっ、早く!」
魔法剣士「……ちっ!」タタッ
アスモデウス「ええいええいッ、逃がしますかって話ですよォ!」
帝「むっ!? あれは……っ!」
アスモデウス「んんー? 何だァ――」
バシュウウウウゥゥゥゥ……ドッゴオオォォォォ!!
アスモデウス「グオ……オオォォ!!」ズザザアアァァ
633 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:02:30.12 ID:neZ4rx2/o
竜騎士兵「正門前は殲滅した! 残るは……ここだけだぞっ!」
青竜兵「気張っていけぇ!!」
ワイバーン「ガオオオォォォォン!!」ゴアッ
アスモデウス「んんーッ! またしても援護援軍増援ッ! 喧しい連中ッ!」
青竜士官「出でよっ、バハムート!」
シュイイィィィィン……ズゴゴゴゴゴゴ……
青竜士官「図体は大きいようだが、バハムートの方が上だな」
アスモデウス「何ィ!?」
バハムート「……オオオオォォォォ!」
キュイイイイィィィィ……ガカアアァァァァッ!!
アスモデウス「――――ッ!!」
至近距離で撃ち放たれたバハムートの閃光により、
アスモデウスはその巨体を山岳部へと鎮める事となった。
玄武娘「おぉーっ! 凄いですのっ!」
白虎長「早かったじゃない」
634 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:03:01.80 ID:neZ4rx2/o
青竜士官「南側の戦線が押し上がってくれたお陰で、こちらは動けるようになりました」
白虎長「そういう事だったのね。やるじゃない、左翼長さん達」
青竜士官「お前らは軍団長以外の魔物どもを一蹴してくれ」
竜騎士兵「隊長は?」
青竜士官「あれで終わったとは思えん。奴を仕留めに向かう」
青竜兵「どうかご無事でっ!!」
青竜士官「貴様らもな。全員、無事で再会するぞ!」
竜騎士兵「はいっ!」ザッ
名代「……見えた」
白馬騎士「名代様?」
名代「これならば、いけますぞ白馬騎士殿……っ!」
白馬騎士「……?」
名代「あの妖を倒す術が……見えましたぞっ!」
白馬騎士「倒す術……? ま、まさか……っ!?」
名代「足りなかった青竜と白虎が、今ここに……っ!」ニヤリ
635 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:03:33.04 ID:neZ4rx2/o
〜ネクロマンサーのラボ〜
魔道士「召喚士さん! 召喚士さんっ!!」
召喚士「…………」
東方司令「……止血を……急ぐんだ……っ」ズリッ
魔道士「は、はい……っ!」バッ
召喚士への止血を促した東方司令であったが、彼女自身も軽傷とは言えない。
そんな状況から魔道士は下唇を噛み締めながら忙しなく、召喚士へ包帯を巻き始めた。
魔道士「東方司令さんっ、すぐ終わりますから……待ってて下さいねっ!」ギュッ
東方司令「ボクはいい……いいから……」
魔道士「すぐ終わりますからっ! 絶対に待ってて下さいよっ!」
東方司令「いいから……」
魔道士「えぐっ、うぐ……っ」ギュッ
召喚士「…………」
何故か涙が溢れてきた。まだ戦闘中であるというにも関わらずだ。
まるでそれは魔道士が誰かの死を感じ取り、暗示しているかのようであった。
636 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:04:02.26 ID:neZ4rx2/o
ガッギイイィィィィ!! ズギャギャッ!!
戦士「……っ」ザッ
魔剣士「……」
戦士(こっちは大刀の雷切と言えど、向こうは更にでかいツヴァイハンダー)
魔剣士「……」ジャキッ
戦士(間合いを詰めれば有利なはずが、力、速さ、剣の技術、全てにおいて奴が上)
魔剣士「……」ザッザッ
戦士(だったら遠い間合いから居合いで仕掛けるか)スゥッ
魔剣士「……」キュイイィィィィ
戦士(……すると、魔法で迎撃。ま、そうだわなぁ)スッ
魔剣士「……」スッ
戦士(残された手は……1つか)
魔剣士「……」
戦士「これだけの強敵だ。左腕の1本くらいは覚悟しなきゃ勝てねぇよなぁ」ザッ
魔剣士「……?」
637 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:04:29.58 ID:neZ4rx2/o
戦士「いくぜぇ……っ」ゴゴゴゴゴゴ……
高まる戦士の威圧。しかし魔剣士は表情1つ変えず立っている。
それはアンデッドゆえかはたまた、この程度の威圧は物ともしないと言う事か。
それは別段、戦士にとっても関係ない事だった。最初から分かりきっている事。
魔剣士よりも自分が明らかに弱い。魔物相手に逆の立場を散々味わってきた。
劣る者がいくら威圧を振るおうとも、自分にとっては微塵の恐怖も感じない。
だからこの威圧は魔剣士に対してのものではない。自分自身に対してともう1つは……。
ネクロマンサー「……ククッ、これでは容易に近づけませんねぇ」
盗賊「戦士には……近寄らせない……っ」ジャリッ
ネクロマンサー「近寄る気は毛頭、ありませんよ」
盗賊「!?」
ネクロマンサー「貴方達は何をしでかすか分かりませんからねぇ」
影忍「まるで今までの戦いを見てきたかのような言い草だな」
ネクロマンサー「ククッ。どうでしょうかね。まぁ、そんな事はどうでも良いです」
フワァッ パチンッ
638 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:05:04.73 ID:neZ4rx2/o
盗賊「!?」
ネクロマンサー「だいぶやられてしまいましたが、まだ半数ほど残っています」
影忍「貴様っ、人形を本体ごと……」
ネクロマンサー「残念ですがこのままでは、ラボはもうおしまいです」
影忍「おのれぇ……っ」
ネクロマンサー「であれば、せめて使えるものくらい……使わなくてはねッ!」
盗賊「ど、どうするつもり――」
影忍「盗賊っ! ネクロマンサーから離れろぉ!」
盗賊「!?」
ネクロマンサー「さぁ、人形達よ目覚めなさい。そして私を守るのです」
バリン!! ガシャガシャン!!
ヒト「ウアウウゥゥゥゥ」
北方司令「……ウゥ」ズシャッ
兄様「……」
影忍「させるかぁ!!」バッ
639 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:05:33.91 ID:neZ4rx2/o
ガシィッ!!
兄様「!?」
影忍「俺自身の事くらい、俺自身がけじめをつけんでどうするか!!」
標本のように飾られたガラスが割れ、液体の中から姿を現した兄様。
まだうつろな目で地に足をつけたその本体を、影忍が背後より羽交い絞めにした。
兄様「……」グッグッ
影忍「貴様だけは、ここから1歩も進ませぬっ!」ググッ
盗賊「兄様っ!!」
影忍「迂闊だったな、ネクロマンサー」
ネクロマンサー「迂闊? 私が? ククッ、笑わせてくれますねぇ」
影忍「……」
ネクロマンサー「別に貴方などもう用済みです。勘違いなさらぬよう」
影忍「それは結構な事だな」
ネクロマンサー「貴方に施した研究は失敗でした。理に適ったものだと思ったのですが……」
盗賊「貴様はっ、兄様を玩具のように……」
640 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:06:02.94 ID:neZ4rx2/o
ネクロマンサー「どうも自我が強すぎて、うまくコントロール出来ないですからねぇ」
盗賊「貴様ぁ!!」
ネクロマンサー「何故、怒りを見せている? 私は既に死んでいた者を蘇らせたのですよ?」
盗賊「だからと言って、兄様を弄んだ事に変わりはないっ!!」
ネクロマンサー「ククッ。まさお好きなようにどうぞ。幾ら喚こうが何も起きませんから」フワァ
盗賊「逃がすかっ!!」
ネクロマンサー「貴方達の残された力で何が出来ますか?」
盗賊「く……っ」
ネクロマンサー「魔剣士、もう良いでしょう。お遊びはここまでにしてそろそろ……」
魔道士「……グ……クッ!」ガクッ
ネクロマンサー「何ッ!?」
戦士「はぁ……はぁ……はぁ……」ガクン
ネクロマンサー「まさか、何が起きたというのです!?」
雷切が魔剣士の喉元に突き刺さり、微弱の電撃を刀身に残している。
膝をついた両者が真っ直ぐ睨み合うが、どちらも中腰から身体を起こす事はない。
641 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:06:35.76 ID:neZ4rx2/o
戦士(せっかく捉えたってのに……これ以上は身体が動かねぇ……っ)
魔剣士「……ア……グ」グググッ
ズボオオォォォォ!! カランッ カシャ
戦士「……っ」
魔剣士「……ゴブッ」ポタタッ
ネクロマンサー「まさか彼がここまで痛手を被るとは。余計な真似をしてくれますね」
戦士「情けねぇ……っ」ググッ
ネクロマンサー「ラボは失いましたが十分な成果でしょう」スタッ
魔剣士「……ッ」
ネクロマンサー「さぁ、そろそろ失礼致しましょうか」
戦士「待……て!」ザッ
ネクロマンサー「後始末はお願い致しますね」
北方司令「……」ザッザッ
ネクロマンサー「せっかくですから、召喚士以外の人間は殺して結構ですよ。ククッ」フワッ
盗賊「貴様っ!!」
642 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:07:03.63 ID:neZ4rx2/o
ネクロマンサー「あまりもたついていると、本当に死んでしまいますよ? クククッ」
盗賊「逃がして……なるものかぁ!!」
影忍「盗賊っ、放っておけ! お前らの目的は奴ではないはずだっ!」
盗賊「……くっ!」
ネクロマンサー「その通り。早くしないと魔王様がお待ちかねですよ? ククッ!」フッ
魔剣士「……ッ」
戦士「く……っそ……」
魔剣士「……」フッ
盗賊「逃げ……られたのか……っ」
影忍「まだ終わったわけではないぞっ!」
戦士「そうだ。もう1人残ってる」
盗賊「っ!!」
北方司令「……」ザッザッ
盗賊「魔道士っ!!」
魔道士「えっ? あっ――」
643 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/23(月) 18:08:24.53 ID:neZ4rx2/o
今日はキリよくここまでにします!
ご支援&ご心配ありがとうございました!
少しずつ良くなってきましたので明日には完治だっ!それでは!ノシ
644 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 18:14:54.23 ID:TsP8pe/DO
おつんぽ!
645 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 18:18:36.22 ID:g+P9EA0Eo
まだ魔王にも対面してないのにみんな瀕死って……
646 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 18:27:51.81 ID:ZW7qOYRDO
いちょつ
ネクロ持ち越しか…
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/23(月) 18:28:15.00 ID:K32dRuqVo
乙
648 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 18:57:31.49 ID:oKtF/iLOo
いっちょつ!
649 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/23(月) 19:24:47.80 ID:fEFIwzKeo
ひどい誤字を見た
650 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/23(月) 19:47:11.46 ID:3YdaDebDO
1乙
まさおwww
ここにきてまさかの新キャラ(笑)
そんな1好きです
651 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/23(月) 19:52:31.15 ID:FsaHly9To
>>1
乙
いつもながらボス前にボロボロだな。
今回はいつにも増して酷いが
652 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagesaga]:2012/04/23(月) 21:48:19.85 ID:erxHBQTlo
>>1
乙
青龍は解るが、白虎が足りないって
王子涙目
653 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
:2012/04/23(月) 23:09:38.75 ID:qBr0hfyAO
王子は受け継いだだけで魔翌力配分とかがきっと…
負傷してた気もするし
まぁなんにしろ戦力外ざまぁ
654 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 00:01:41.25 ID:bPaoblRDO
おまいらいい加減王子許してやれよwwwwww
655 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/24(火) 00:46:03.08 ID:4fcQs7bB0
>>1
おつ
656 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/24(火) 01:40:15.90 ID:qI+/sm9AO
>>1
おつ
657 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 06:34:04.49 ID:r1uzLf4qo
>>1
おつ
658 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 06:37:34.40 ID:KxavwNYDO
きっと王子は国のトップ()だから召喚獣の五行みたいな危険なことはやらせないんだよ!だよ!
659 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 14:15:55.96 ID:Aoyau/EUo
ネクロマンサー「ククッ。まさお好きなようにどうぞ。幾ら喚こうが何も起きませんから」フワァ
まさお「合点承知!」
660 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 17:56:30.70 ID:gRJXo37bo
〜ラボの入り口〜
ネクロマンサー(バカなバカなバカなバカな……ッ!!)
剣士「もう、終わりのようだな」
ネクロマンサー「こッ、こんな奴らに……ッ。こんな……少女如きに……ッ」
幼女「もう大した魔力もないみたいだね。今、とどめを差してあげるから」
ネクロマンサー「この私が、まさか……敗北を喫するとでも言うのか……ッ」
幼女「敗北じゃないよ。ここで……死ぬの」
弓使い「あなたは私達から、大切なものを数多く奪っていった……」
剣士「僕らだけじゃない。数多くの人々から奪っていった」ザッ
ネクロマンサー「……奪ってなどいないッ! 私は新たな命を生み出したのだッ!」
幼女「違う」
ネクロマンサー「そうだッ! 私は神なのだッ! 人間を作り出す事の出来る神――」
幼女「違うっ! あなたは神なんかじゃないっ! ただの可哀相で、惨めな人よっ」
ネクロマンサー「何だとォ!?」
幼女「誰にも信用だれず理解されず孤独で……っ、神なんかじゃないっ!」
661 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 17:57:03.83 ID:gRJXo37bo
ネクロマンサー「年端もいかぬガキがにイイィィ! 何が分かるかアアァァ!」ゴアッ
幼女「確かにガキだよっ。でも、私はあなたとは違うっ! だから分かるっ!」
ネクロマンサー「小賢しいわッ、クソガキがアアァァーッ!!」バシュッ!!
幼女「私には沢山の友達が居て……」
弓使い「幼女っ!!」
剣士「……」スッ
弓使い「!?」
剣士「大丈夫。もう、終わりだ」
幼女「沢山の家族が居て……だから……」
ネクロマンサー「――ッ!?」
幼女「あなたに利用された人達のっ! 痛みが分かるもんっ!」
ネクロマンサー「……こんな……ガキがッ、まさかここまでの魔力を」
幼女の生み出した光。ネクロマンサーはその光の正体を勿論、知っていた。
ネクロマンサー「そうかッ! 道理でこんなガキが簡単に五行を制すると思えば……」
幼女「みんなの想いがこもった一撃、受けて悔い改めなさいっ!」
662 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 17:58:14.90 ID:gRJXo37bo
ネクロマンサー「あの詩人めが……ッ! 奴の狙いは……やはり――――」
ガッカアアアアァァァァッ!!
弓使い「きゃっ!」
剣士「伏せろぉ!」ババッ
ドッドオオオオォォォォ……
天高く輝きを放つ五行。その場にネクロマンサーの姿はなくなっていた。
幼女「……」
五行の光を見上げるように、幼女は天井を見つめ、呟いた。
幼女「……ありがと……お父。女賢者さ――」
ドサッ
剣士「幼女っ!!」ダッ
弓使い「幼女! しっかりっ!」
剣士「幼女ぉーっ!!」
幼女「……」
気を失った少女の笑顔から、ひとしずくだけ涙がこぼれた。
663 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 17:59:10.59 ID:gRJXo37bo
〜ネクロマンサーのラボ〜
東方司令(……あれ? 何で兄くんがここに……?)
スローモーションのようにゆっくりと剣を振りかぶる北方司令の姿が、
魔道士と召喚士のやや後ろで座る東方司令の瞳に飛び込んだ。
東方司令「!?」
朦朧とした意識の中、ようやく事を把握した東方司令は、
瞬く間にその場を飛び起き、駆け出していた。
視界が真っ暗になった。流血に伴う貧血で、立ち眩んだようだった。
東方司令「……」ドッ
視界が戻り気づくと、誰かに抱きついていた。懐かしい匂いがした。そんな気がした。
ようやく自分の足でバランスを保つと、抱きついた者の顔が見えた。
東方司令「……っ」
北方司令「喋るな」ボソッ
東方司令の両腕は真っ赤に染まっていた。そして血が滴っていた。
東方司令「――っ!?」
664 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:01:05.25 ID:gRJXo37bo
自分のものではない。北方司令の腹部より大量に流れ落ちている。
何が起こったのか全く理解出来ずにいた。それもそのはず、
東方司令が立ちくらみ、視界を失っている瞬間の出来事であったのだから。
魔道士「う……嘘……っ」
あたかも魔道士から見れば、東方司令の背中越しに見る事となり、
その血が誰のものか、いや、魔道士にとっては東方司令のものに見えただろう。
魔道士「東方司令さんっ!!」
『ボクは無事だ』、そう声を発したかったが、目の前の男が言った。喋るな……と。
北方司令「……」
東方司令「……っ」
つい先ほどまで戦っていた兄とは違う。生気と言うべきか目の色と言うべきか。
同じ者とは思えぬほ程の違いが感じ取れた。だからこそ従った。
北方司令は自分の腹へと当てた張剣をゆっくりと引き剥がし、
そして背中越しに視線を一度確認すると、しばらく微動だにせず、
ネクロマンサーの視線が消えるのを確信した後、ようやく長剣を床へと放った。
665 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:02:14.08 ID:gRJXo37bo
カラアアァァン ガシャッ
東方司令「兄……くん……」
北方司令「東方司令、何だかまた……若返ってやしないか?」
東方司令「……っ」
北方司令「安心しろ。私は紛れもなく本物の、お前の兄だ」
東方司令「兄……く……んっ」
北方司令「事情は察している。ここにはもう何もない、早く先へ……」
魔道士「東方司令さんっ!」タッタッタッ
東方司令「大丈夫だ、彼は敵じゃない。本物の兄くんだ」
魔道士「えっ? あ……北方司令……さんっ!?」
北方司令「ああ。彼は無事だ?」
魔道士「え、は……はいっ。止血は終えました……っ」
東方司令「兄くん、血は……」
北方司令「既に死んだ身だからな。別に何ともないさ」
東方司令「……っ」
666 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:04:40.39 ID:gRJXo37bo
北方司令「それよりも東方司令、自分自身の心配が先だろう?」
東方司令「ボクは……」
魔道士「そうですよっ。とりあえず止血だけでもしなすね、東方司令さん!」
東方司令「あ……っ」グイッ
北方司令「しかしネクロマンサーも誤算だったな」
ヒト「ウアウウゥゥゥゥ……ッ」
北方司令「後始末を託した私が、まさか意識を取り戻すとはな」
ヒト「アウウゥゥゥゥ」
魔道士「でもっ、どうして急に……?」
北方司令「東方司令の顔を見たからさ」
魔道士「顔……?」
北方司令「何だお前、話してないのか? 東方司令と私は兄妹――」ピクッ
魔道士「えぇっ!? そ、そうなんですか!?」
東方司令「言わなかったか?」
魔道士「は、初めて知りましたよ……っ」
667 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:05:35.64 ID:gRJXo37bo
東方司令「まぁ言う必要もなかったしな……って、包帯キツすぎるっ!」
魔道士「あぁっ! ごめんなさい!」
北方司令「……」
東方司令「なぁ兄くん。……兄くん?」
北方司令「何か来る」
魔道士「えっ!?」
タッタッタッタッ……
剣士「あっ!!」
弓使い「みんなっ、無事!?」
魔道士「剣士さんに弓使いさんっ!」
剣士「良かった。こっちは何かあった?」
東方司令「まぁ色々とな」
魔道士「幼女ちゃん!?」
弓使い「大丈夫。気を失って眠っているだけだから」
魔道士「良かったぁ……っ」
668 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:12:39.26 ID:gRJXo37bo
北方司令「……違う」
東方司令「兄くん……?」
北方司令「彼らじゃない、別の何かだ……!」
魔道士「っ!?」
いつからだろうか。気が付けば一同の脇を、黒いもやがすぅーっと通り抜けていた。
明らかに自然のものではない。それは何か黒い布を覆いかぶせたようなものであった。
弓使い「なっ、何? どういう事?」
東方司令「兄くん、何だというのだ!?」
北方司令「そんなまさかっ、謀られたとでも言うのか……っ」
ヒト「ウアウウウウゥゥゥゥ」
黒いもやはまるで苦しそうに、地を這うように、ゆっくり前へ前へと進んで行く。
北方司令「くそっ!!」
慌てて北方司令が手にした長剣で斬りかかるも、もやは2つに割れ、
やがてゆっくりと声にならない声を絞り出すかのように呻いた。
ネクロマンサー「……ワレニ……チカラヲ……ッ」
669 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:19:47.71 ID:gRJXo37bo
剣士「な……っ!!」
弓使い「う……嘘……っ」
ネクロマンサー「ワレニ……チカラヲ……」
ヒト「アウウゥゥゥゥ……」ズズッ
東方司令「どっ、どういう事だ!? 黒い霧が飲み込んでいくぞ……っ?」
影忍「馬鹿な……まだ居たのかっ」
盗賊「兄様っ、あれは……」
影忍「ネクロマンサーだ!」
盗賊「!?」
戦士「あれがネクロマンサーだと? だが奴はさっき……」
影忍「ああ逃げた。だが最初からもう1体、ネクロマンサーはここに居たのだ!」
戦士「はぁ!?」
影忍「そんな事は後でいいっ! とにかくあれを止めるのだ!」
盗賊「止める……?」
影忍「奴は人形を取り込む事で、己の魔力を回復しているのだ!」
670 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:21:01.26 ID:gRJXo37bo
盗賊「!?」
戦士「なん……だと……!?」
影忍「見ろ。食っているのさ。人もどきを……魔力を生み出す装置自体をな」
盗賊「くっ!」
戦士「待てっ、俺も――」ヨロッ
盗賊「無理するなっ! そこで休んでいろ」タンッ
戦士「……っ。情けねぇ」
ネクロマンサー「モットダ……モット……ヨコセ」
ヒト「アウアウウゥゥゥ」グジュッ
魔道士「ひ……っ!!」
東方司令「どうすればいい……っ!?」
北方司令「もう無理だ。不死な挙句、あれだけ魔力を蓄積されてしまってはな……」
魔道士「……っ!?」
黒いもやは何匹かのヒトを自らに取り込むと、やがて見覚えのある姿へと変わっていった。
ネクロマンサー「……ククッ」ズズズッ
671 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/24(火) 18:22:59.36 ID:gRJXo37bo
今日は忙しいのでここまで!どうもすみませんね!ぷん!
いつも暖かいご支援ありがとうございます!
それではここいらで失礼致しますよ!ノシ
まさおってww
と思ったら本当でした…これはひどい。ゴメンナサイ…
672 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 18:24:28.87 ID:eo73YrkIO
まさおヤベエwwww
いや、ネクロだったww
673 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 18:50:03.65 ID:RXtDbA+wo
幼女△
674 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/24(火) 20:16:01.09 ID:xOaDop6AO
それに比べて主人公は……
675 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/24(火) 20:30:02.74 ID:FLyhHKhro
乙
676 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 22:01:51.87 ID:bPaoblRDO
まさおでさえ活躍してるとゆうのに
ペニスって野郎は…
677 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 22:35:50.93 ID:E+bmrvoDO
いちょつ
展開が変わって最初わけわからんかった
678 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 23:21:17.07 ID:uMNeJvIvo
>>674
戦士の悪口はそこまでだ
679 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/24(火) 23:23:54.79 ID:aHsDnJDJo
魔道士「そうですよっ。とりあえず止血だけでもしなすね、東方司令さん!」
東方司令「gkgkbrbr」
680 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/25(水) 00:37:09.48 ID:QzJE0MLB0
>>1
おつ
ネクロさすがにしぶといな…
681 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/25(水) 01:10:07.92 ID:A1czjNcAO
>>1
おつ
682 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/25(水) 08:19:59.83 ID:I0TdE/muo
>>1
乙
誤字に慣れすぎて誤字がどこだかも言われるまでわからなくなってきた。
人間の適応力ってすごいんだな。
683 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/25(水) 08:45:28.86 ID:jeXAPvdAO
物語を楽しみつつ誤字脱字探しも楽しめる。一粒で二度楽しい。
684 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:13:17.00 ID:S3RqVECHo
弓使い「ど……どうして……っ」
ネクロマンサー「さっきは……よくもやってくれましたね」スッ
剣士「く……っ!」
ネクロマンサー「この礼は倍にして返して差し上げたい」
ヒト「ウウウウゥゥゥゥ」
ネクロマンサー「差し上げたいところなのですが……」
ガシッ!! ジュグジュグジュグ……
人「ウ……ッ、アウウゥゥゥゥ――」
ネクロマンサー「もう駄目ですねぇ。私の余力でこの人数相手に勝つ方法はありません」
北方司令「だったら、さっさと諦める事だな」
ネクロマンサー「おや、本体ですか。自我が戻るとはね」
北方司令「貴様にしては誤算続きだな」
ネクロマンサー「……まぁ仕方ありませんよ。これが私の実力なのでしょうね」
魔道士「……っ」
ネクロマンサー「しかしこのままでは、私に対して申し訳が立ちませんからね」
685 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:20:31.91 ID:S3RqVECHo
盗賊「……!?」タッタッタッ
ネクロマンサー「貴方達に勝つ事は出来ずとも、葬る事は可能です」
剣士「何っ!?」
ネクロマンサー「この体を、姿を、不死を維持する為に、どのくらいの魔力が必要だと思います?」
東方司令「ど、どういう事だ……っ」
ネクロマンサー「それはもう、こんな人形、何体居たって足りないくらいですよ」
北方司令「貴様、何をするつもりだっ!」
ネクロマンサー「つまりそれだけ蓄積された魔力を、維持せず使用したら……?」
魔道士「まさか……っ!!」
ネクロマンサー「そう。貴様等はおろか、こんな場所はあっという間に……塵だッ!!」
剣士「自爆する気かっ!!」
盗賊「そうは……させるかっ!」
ネクロマンサー「させるさせない、そういう問題ではないのだよ」
盗賊「!?」
ネクロマンサー「もう遅い。既に始まっているのです」
686 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:21:12.78 ID:S3RqVECHo
東方司令「何だとぉ!?」
魔道士「あれを見て下さいっ!!」
上空を差す魔道士の指の先に、巨大な球体が浮かんでいる。
弓使い「あ……れは……」
北方司令「魔力の塊か……っ」
ネクロマンサー「ご名答。言ったでしょう? 魔力は人形が作り上げているのです」
ヒト「ウアウウゥゥゥゥ……」ヨロッ
剣士「そうか……っ、最低限の魔力だけ自分へ取り込み、残りは……」
北方司令「爆発へのエネルギーとして、蓄積していいたのか……」
ネクロマンサー「クククッ! もう終わりですよッ、全員まとめて死になさいッ!」
魔道士「くぅ……っ」
東方司令「何かあるはずだ。何か手が……」
ネクロマンサー「諦めなさい。そして光栄に思うのです」
盗賊「何?」
ネクロマンサー「神にも等しいこの私をここまで追い詰め、そして共に死ねるのだからなッ!」
687 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:22:09.81 ID:S3RqVECHo
剣士「ふざけるなっ!」
ネクロマンサー「吠えるがいいッ! その背負われている少女にも、もう五行は使えまい!」
魔道士「えっ!?」
剣士「……幼女の五行で確かに、奴は消滅したはずなんだ……っ」
弓使い「あれが失敗だったって言うの!?」
ネクロマンサー「どうでしょうねぇ。但し、1つだけ言える事は……この音楽」
魔道士「……?」
ネクロマンサー「詩人サンのものでしょうけれど、貴方達への効果だけではありませんからねぇ」
弓使い「この音楽のお蔭で、助かったっていうわけ……?」
ネクロマンサー「まぁ、そんな事はこの際どうでもいいですか」
ヒト「アウウゥゥゥゥ……ウゥ」ブシュッ
ネクロマンサー「さぁ、最後の刻です。楽しく踊りなさいッ!!」
盗賊「くそ……っ!」
魔道士「何かあるはずですっ! あるはずなんですっ!」
ネクロマンサー「これで私は……私に恥をかかす事なく消えるのだ――」
688 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:23:25.98 ID:S3RqVECHo
ガシッ
ネクロマンサー「……?」
北方司令「ならば共に死のうじゃないか」
ネクロマンサー「……ククッ、離しなさい」
北方司令「離す? 何故だ、踊ると言ったのはお前だぞ?」
ネクロマンサー「……男と踊る趣味はありません」
北方司令「貴様は確かに先程、『自爆』と述べた」
ネクロマンサー「……」
北方司令「もしあの球体が爆発するならば、貴様はいち早くここから逃げれば済む事」
ネクロマンサー「……ッ」
北方司令「あの塊を爆発させる起爆剤は……お前自身という事だな」
ネクロマンサー「……離しなさい」
東方司令「兄くん……どういう事だ?」
剣士「そ、そうか。風船と一緒だ」
魔道士「風船?」
689 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:24:25.20 ID:S3RqVECHo
剣士「あの球体が膨らんだ風船だとしたら、言わばネクロマンサーは針の役目」
弓使い「そっか! 要はネクロマンサーをあの球体に近づけさせなければ……」
魔道士「ば、爆発は……しない……っ」
北方司令「間一髪だった。だが、最後の最後で詰めを誤ったな!」
ネクロマンサー「離せと言っている!!」グイッ
北方司令「絶対に離さぬ。この身体、この命に代えてもなっ!」
東方司令「兄くんっ!!」
北方司令「どうかこのまま、ネクロマンサーにトドメを!!」
ネクロマンサー「離せええぇぇ!!」バギャッ!!
北方司令「絶対に……絶対に離さぬ……っ!!」
ネクロマンサー「クソックソックソッ! 何故だッ!」
ドガッ!! ドゴォ!!
北方司令「ぐく……っ」ズザッ
ネクロマンサー「さっさと離せッ!! この人形風情がァ!!」
魔道士「血が……っ、これ以上はもう……」
690 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:27:58.14 ID:S3RqVECHo
スッ
魔道士「!?」
東方司令「兄くんが絶対と言った! だから……」
ネクロマンサー「クソッ、何をしているッ! 早くこれを引き離せッ!」
ヒト「ウアウウゥゥゥゥ」ズリッ
北方司令「ぐ……っく!!」
東方司令「だから、兄くんに任せておけばぁっ、絶対なんだ!」
ネクロマンサー「何が絶対だッ! ふざけるのも大概にしろッ」
北方司令「例えこの身が朽ち果てようともっ、貴様だけは……っ!!」
ネクロマンサーにしがみつく北方司令めがけて、
魔力を作り出していた人のようなものが、周囲を取り囲み暴行を加える。
腹部からは先程からずっと、血が流れ続けていた。
痛みは全くと言って良いほどない。無痛ではないが苦痛を伴うものではない。
それでも流血が続けば肉体の挙動は低下し、北方司令の四肢はやがて、
その意思とは無関係に力を失い始めていた。
691 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/25(水) 18:29:06.92 ID:S3RqVECHo
全然進まなかった…やばいやばい…
とりあえずここまでで失礼します!
今日もたくさんのご支援ありがとうございましたっ!それでは!ノシ
692 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/25(水) 18:42:36.87 ID:POL/zHRDO
最速のおつんぽ
693 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/04/25(水) 18:43:14.26 ID:lqNRFC6I0
>>1
おっつん
あせらずゆっくりやってね〜
694 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/25(水) 19:09:37.33 ID:rmcuA4vjo
>>1
乙
踊る踊らないとか奏でるとか言う台詞を根暗から久し振りに聞いた気がする。
695 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/25(水) 20:18:39.09 ID:A1czjNcAO
>>1
おつ
696 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/26(木) 00:15:04.55 ID:cauB7SVIO
遅いけどおつんぽ
697 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/26(木) 01:13:56.81 ID:sN1rwLjy0
いちおつ
698 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/26(木) 08:34:31.94 ID:yp4cWgjAO
>>1
乙んつんであります!(`・ω・´)ゞビシッ!!
699 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/26(木) 17:26:19.26 ID:o36iVg51o
北方司令「……ぬ……っぐ」ガクン
ネクロマンサー「しつこいですね」
バシュッ!! ドスドスドスッ!!
北方司令「ぐ……うぅ」
東方司令「兄くん……っ」
魔道士「……やっぱり、見ていられませんっ。私、行きます!」タッ
東方司令「おいっ!」
それ以上、止める事は出来なかった。止められなかった。
魔道士へは強がってあのような発言をした東方司令であったが、
実の兄が血にまみれ、必死で戦っている様を放ってなどおけるはずもなかった。
先程までの偽物とは違う。気配も声も瞳の輝きも、本物の兄そのものである。
駆け出す力もなくなった自分の身体を恨みながら、その思いを魔道士へと託した。
その結果が無理矢理にでも引き止める事が出来なかったのである。
東方司令「……っ」
走り去る魔道士の後ろ姿を見つめ、東方司令は悔しさと懇願の思いから涙した。
700 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/26(木) 17:26:57.14 ID:o36iVg51o
タッタッタッ……ズザァ
魔道士「北方司令さんっ!!」
北方司令「く、来るな……っ!」
魔道士「ここままでは……北方司令さんが……っ」
北方司令「私は良いっ! どうせここで役目を終えるつもりなのだからなっ!」
ネクロマンサー「だったら大人しくしていなさいッ! まとめて消してあげると言っているのですッ!」
北方司令「私は良いと言っただろう! だが、他の者は殺させはしないっ!」
ネクロマンサー「ええいッ、離せぇ!」バギャアァ!!
北方司令「ぐ……っぶ!」ビチャッ
魔道士「……っ!」
殴られても蹴られても、触手に貫かれようとも、北方司令はその手を離さない。
立つのもままならない状態であっても、ネクロマンサーの足へとしがみつく。
ネクロマンサー「離れなさいッ、亡者の如くみすぼらしい!」
北方司令「ああそうさ! 貴様が生み出した亡者に過ぎん!」
ネクロマンサー「ク……ッ!」
701 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/26(木) 17:27:27.63 ID:o36iVg51o
魔道士「やああぁぁーっ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴオオオオォォォォ!!
ネクロマンサー「――ッ!!」
魔道士「ここから先へはっ、進ませないっ!!」
ネクロマンサー「生意気な……ッ」
北方司令「か、囲まれるぞ……っ! 早く離れるのだ!」
ヒト「ウアウウウゥゥゥゥ」
魔道士「離れませんっ!!」
ヒト「アウウウウゥゥゥゥ」ズリッ
魔道士「私には兄はいません。でも……目の前で大切な人が血を流して戦っている……」
東方司令「……っ」
魔道士「そんな姿を見てっ、平気なわけ……ないっ!!」
北方司令「……馬鹿者……っ」
魔道士「だからぁっ! 東方司令さんの代わりに戦う!」
ネクロマンサーだったらアアァァ!!」
702 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/26(木) 17:30:24.74 ID:o36iVg51o
バキィ!!
ネクロマンサー「この……亡者を……ッ!」
ゴシャッ!!
ネクロマンサー「先に始末してくれるわッ!!」
ドゴォッ!!
北方司令 「ごほ……っ、ぐがああぁぁ!!」
魔道士「やめてぇ!!」
ネクロマンサー「どうだッ、魔法は撃てまいッ! 撃てばこやつも犠牲になるからなァ!」
戦士「人質かよ……っ。この期に及んで下衆なヤローだ……っ」
ネクロマンサー「私が作り出した人形だッ! どうしようと私の勝手!」
盗賊「ふざけるなよ……っ」ググッ
魔道士「……っ」
ネクロマンサー「ククッ、クククッ!! 手も足も出せぬ分際で口だけは達者ですねぇッ!」
北方司令「躊躇する事はないっ! 私ごと撃てぇ!」
ネクロマンサー「何を言うかッ、こやつらに出来るはずもなかろう」
703 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/26(木) 18:11:48.89 ID:aFRs3oqDO
お、おつんぽ?
704 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/26(木) 18:18:18.44 ID:nqRc4lhAO
>私には兄はいません。
皇太子ェ……
705 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/26(木) 19:01:43.24 ID:o36iVg51o
あーもう仕事でつかまった…今日はここまでです本当に申し訳ない
GW直前なんで全然暇ないですはぁ……
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
706 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/26(木) 19:18:14.43 ID:Wy13CyLgo
乙乙
707 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/04/26(木) 19:27:29.72 ID:rRlrnGfYo
>>1
の生活があってこそ楽しく読めるんだ
仕事がんばってねん
708 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/26(木) 21:54:07.83 ID:e7khUFkIO
逆にしっかり働いてる様で安心した
709 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/26(木) 22:15:59.98 ID:XqS9uY5Co
だからこっちを本職にだな…
710 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/26(木) 22:24:00.82 ID:havxBtxIO
次回予告「皇太子号泣」
711 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/27(金) 00:25:54.60 ID:5imrjTzg0
>>1
おつ
712 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/27(金) 01:23:31.92 ID:/952K5VAO
>>1
おつ
713 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/27(金) 17:58:24.80 ID:YlpwbFR/o
影忍「いや、出来るさ」
ネクロマンサー「何ィ!?」
影忍「貴様はこやつ等を侮り過ぎている」
ネクロマンサー「信頼だ友情だの仲良しごっこをしている連中に……」
北方司令「……っ」
ネクロマンサー「本気で命のやりとりをするなど、出来るはずもなかろうッ!!」
盗賊「……魔道士はしたんだ」
魔道士「……」
盗賊「私や兄様のように、生まれながらにして命のやり取りを課せらてたわけでもなく……」
影忍「……」
盗賊「心優しい魔道士がっ、どんな思いでしたと思っている!!」
ネクロマンサー「わけの分からぬ事オオォォ!!」
北方司令「は……やくっ、撃てぇ!!」
魔道士「……っ」
ネクロマンサー「ッ!?」
714 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/27(金) 17:59:25.19 ID:YlpwbFR/o
魔道士の目は本気であった。ネクロマンサーにとって今まででは決して考えられぬ目。
それはつい先程の出来事である。ネクロマンサーの知らぬつい先程の出来事。
魔道士「……撃ちます」
既に命を失いアンデッドと化していたとはいえ、ウィッチを自らの手で葬った魔道士。
天才が言っていた哀しみを乗り越えた力がそこにはあった。
命を奪う事に躊躇や慈悲がないわけではない。
その者の命の役目や意図を、己に課せられた宿命を踏まえた上での結末。
繰り返すがアンデッドと言えど、創られた命あろうとそれを奪い、摘み取るのだ。
生き続ける者にとって、それは生涯付きまとう、背負い続ける宿命なのである。
その覚悟を以ってして初めて、哀しみを乗り越えた力を得られるのである。
単純に欲や利のみで奪い取る命ではない。生きる者もそして死すべき者も、
互いがその宿命を交差させる、言わば真理とも言うべきものだ。
ネクロマンサー「……ッ」
魔道士「撃ちます……っ」
ネクロマンサーはその覚悟に、己の消滅を確信した。
715 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/27(金) 18:00:10.52 ID:YlpwbFR/o
ズゴゴゴゴゴ……
ネクロマンサー「ほ、本気で撃つと言うのか……ッ」
影忍「だから言ったはずだ。貴様は侮っているとな」
ネクロマンサー「確かにそうかもしれませんね。あの少女といい……」
剣士「……」
ネクロマンサー「ですがァ!! ここまで来てッ、この私とて退くわけにはいかないのですよォ!!」
北方司令「!?」
ネクロマンサーの絶叫する。そして思いもよらぬ行動へと移った。
盗賊「な……っ!!」
影忍「しまった! 同化する気か……!!」
ネクロマンサー「ク……クク……ククククッ!!」
北方司令「ご……っおう……っ!!」ギュバッ
魔道士「ど、同化って……っ」
影忍「あの人形にネクロマンサー自身が入り込む、寄生するつもりのようだ」
弓使い「寄生!? どういう事なのよ!?」
716 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/27(金) 18:02:09.27 ID:YlpwbFR/o
影忍「だが、そんな事をすれば貴様は存在しなくなるぞ!」
ネクロマンサー「ククッ、どうせ消えるのだ。だったら結果は同じ事よ……ッ!!」
北方司令「おっ、おうぐううぅぅ!!」
盗賊「兄様っ、どうすれば……っ」
影忍「1つの人形に2つの精神。それも1つはネクロマンサーという別のもの……」
魔道士「っ!!」
影忍「そんな事をすれば最早それは、人格すら持たぬ人間ではない……っ」
北方司令「おぅ、おごおおぉぉぉぉ!!」
ネクロマンサー「グク……ッ、グッハアアァァァァ!!」
戦士「ち……くしょぉ……っ」ググッ
影忍「もう時間はないぞっ!!」
東方司令「兄くん……っ」
魔道士「う、撃ちます……!!」
ネクロマンサー「もう遅いッ! 私はアアァァ……貴様等と共に消えるのだッ!!」
北方司令と同化したネクロマンサーは、頭上の球体へと高く跳躍した。
717 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/27(金) 18:07:44.82 ID:YlpwbFR/o
〜魔王城前、平野〜
アスモデウス「……ヌグゥ!」ゴトッ
王子「効いているぞ、一気に畳み掛けろ!」
西国兵「おぉーっ!!」
アスモデウス「んんーこの程度、効いているものかよッ」ゴアッ!!
帝「彼らを援護するのじゃっ!」
足軽「かかれぇーっ!」
ドドオオォォォォ……
白馬騎士「名代殿、倒す術とはまさか召喚獣の……」
名代「如何にも。今、此処に均衡し得る使い手が揃いました」
白馬騎士「それが青龍士官殿と白虎長殿か」
名代「それにあの少女ら2人と、そして私。この五属性を用いれば……」
白虎長「嬉しいけど、ちょっと買い被りすぎじゃないかしら?」
名代「……?」
白馬騎士「それはどういう意味ですか?」
718 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/27(金) 18:18:53.07 ID:YlpwbFR/o
白虎長「全快ならともかく、ずっと戦いっぱなしだから、
もうあなた達が期待する魔力は残ってないわ」
白馬騎士「何と……っ」
名代「……っ。この策も成らずか……っ」
白虎長「ああ、でも安心して」
名代「……?」
白虎長「こんな事もあろうかと、ちゃーんと温存してあるからっ」
白馬騎士「それは、どういう事でしょうか?」
白虎長「そのうち分かるわよっ。それよりもほら……っ!」
オーガ「グルルガアアァァァァ!!」
白虎長「今はこっちの方が大切でしょっ?」
名代「むっ、左様ですな」
白馬騎士「では名代殿、取り仕切りを頼みます。ここは私が引き受ける!」ザッ
名代「済まぬっ、それでは……!」ザザッ
白虎長「それじゃあこっちも行きましょ。私が手を貸すわよぉ〜!」
白馬騎士「それっ、 遅れを取るな! 白虎長殿に続けぇ!」ドドッ
719 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/04/27(金) 18:19:59.94 ID:YlpwbFR/o
ひぃひぃしんどいよぅ……ひとまずここまでにて!!
今日もご支援、ありがとうございました!
連休中もノンビリとチマチマ更新したいと思います!それでは!ノシ
720 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/04/27(金) 19:07:45.32 ID:rp4KVfISO
ちまちまって一日100レスくらい?
721 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/27(金) 19:11:17.99 ID:FPZcrylDO
おつんぽ!
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/04/27(金) 19:21:20.28 ID:SCjFsZjLo
>>720
100スレに見えた…
723 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/27(金) 19:25:37.14 ID:UYxsdlvCo
>>1
乙
温存されていた召喚氏とはいったい誰なのか!?次号、最強の増援現る!!
たったひとつの命を捨てて、生まれ変わった不死身の肉体、生身の愚民を突き刺し壊す、ネクロがやらねば誰がやる!!
724 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/27(金) 20:04:20.92 ID:Pf7MZYXI0
次回もサービスサービスぅ♪
725 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/27(金) 20:20:28.75 ID:y9SyE/mAO
>>724
のせいで白虎長がミサトさんに見えてきた
726 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/27(金) 21:58:31.81 ID:KoURp26IO
次回予告でのミサトさんポジは占い師だったけどな
727 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/04/27(金) 23:19:56.37 ID:Vp+q/nZAO
白虎長のサービス……
ちょっと厠行ってくる
728 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/28(土) 00:58:37.56 ID:9nPI8AHv0
>>1
おつ
729 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/28(土) 01:01:32.16 ID:wLbO3k1AO
>>1
おつ
王子いるじゃんってツッコミにもさらっと対応してるな
730 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/28(土) 08:28:14.79 ID:f4bDODIAO
>>1
乙んつんであります!
物凄〜く続きが楽しみだけど
>>1
の為に我慢するよ… 楽しい連休を!
731 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/28(土) 20:03:25.11 ID:GxViwnGq0
>>725
計 画 通 り
732 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/28(土) 22:58:50.55 ID:hp5j7OLRo
上司「絶対に……絶対に離さぬ……っ!!」
1ロマンサー「さっさと離せッ!! この社畜風情がァ!!」
上司「例えこの身が朽ち果てようともっ、ノルマだけは……っ!!」
1ロマンサー「離れなさいッ、亡者の如くみすぼらしい!」
上司「ああそうさ! 貴様が生み出した残業に過ぎん!」
733 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/28(土) 23:49:32.00 ID:piCz540DO
あっちでやれよks
734 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/29(日) 20:42:20.27 ID:mEwFHLiIO
むしろ、あっちでもやめていただきたいんだけどね
735 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/29(日) 21:59:56.38 ID:QLDV8zvK0
なにそれひどい
736 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/04/30(月) 00:34:32.58 ID:6aL5mYOxo
要は中学生高校生はブラウザ消してパソコン、ケータイぶっ壊して勉強しろってことだな
737 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 02:50:20.58 ID:4Bt4q8UIo
名代「……むっ」タッタッタッ
玄武娘「キリがないですのぉ〜!」
朱雀嬢「あなたがフラフラ、変な所にはぐれるからでしょっ!」
名代「お二方っ、此方へ!」
朱雀嬢「あなたは確か、東方の……」
名代「お二人の力を是非、お借り致したいのです」
朱雀嬢「力……?」
玄武娘「もうこれ以上は、相手できないですのぉ〜!」
名代「いえ、そうでは御座らぬ。もっと別の――」
オーガ「グゴアアアアァァァァ!!」
玄武娘「くぅーっ!」
朱雀嬢「力は結構ですけどっ、まずはこの状況を打破しないとですわっ!」
名代「むぅ、確かに……っ」
朱雀嬢「何かお考えなのでしょうけれど、こんな状況では……」
玄武娘「ひゃああぁぁーっ!! また来たですのー!!」
738 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 02:50:55.72 ID:4Bt4q8UIo
ドッゴオオオオォォォォン!!
朱雀嬢「……?」
名代「同士討ち……? いやっ、これは……」
ザザッ
ハヌマーン「突破口は開いたぞ。ここは我らに任せよ」
玄武娘「おぉーっ!!」
ハヌマーン「それっ、一気にいくぞ!」
オーク「おおぉぉーっ!!」グアッ
ドッグオオオオォォォォン!!
朱雀嬢「……ここてゃ任せて大丈夫そうですわね」
玄武娘「ですのっ!!」
名代「なれば、お二方は此方へ」
玄武娘「はいですのっ!」
タッタッタッタッ
朱雀嬢「それで、作戦は?」
739 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 02:51:25.62 ID:4Bt4q8UIo
名代「合体召喚を行いまする」
朱雀嬢「!?」
玄武娘「合体召喚……ですの?」
名代「左様。あの妖を倒す術は最早、これしか御座らぬ」
朱雀嬢「うまく……いくの?」
名代「やる以外に術は御座らぬ。いや、必ずや成し遂げましょうぞ」
朱雀嬢「……はぁ。それしか手はないって事ね」
玄武娘「やってやるですの!」
朱雀嬢「それで、まずはどうすればいいのかしら?」
名代「まずは、奴の動きを止め、その隙に――」
ドオオオオオォォォン!!
朱雀嬢「!?」
玄武娘「なっ、なんですのぉ!?」
名代「ば……馬鹿な……っ」
朱雀嬢「冗談じゃ……ないわよぉ……っ」
740 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 02:52:13.10 ID:4Bt4q8UIo
シュウウウウゥゥゥゥ……
王子「が……っ、ごほごほっ!」
帝「な……にがっ、起きたのじゃ……っ?」ヨロッ
アスモデウス「……んんー」
つい今まで多勢で取り囲んで攻撃をしていたはずであった。
アマゾネス「こっ……んな……事が……」
アスモデウス「んんー。我が軍団の貧弱な事よ」ズシイイィィィィン
牛、羊、そして人間のような、3つの顔を持った魔物。
怒りからか毒蛇の尾を地面へと何度も叩き付けながら、空を仰ぐ。
アスモデウス「まさか、最終形態をこの地上で見せねばならぬとは……」
白馬騎士「最終? 一体何を言っておる――」
ゴゴゴゴゴゴ……ビリビリッ!!
老将軍「何じゃ……っ、この威圧はぁ!!」
アスモデウス「恥をさらすこの私めをどうかお許し下さい。サタン様」
闇に包まれせり上がる地面。背より伸びる悪魔の翼。アスモデウスは笑う。
741 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 02:56:56.15 ID:4Bt4q8UIo
スゴゴゴゴゴゴ……
アスモデウス「んんー、この姿になったら……もう止められませんよォ?」
自信にみちた口調の通り、アスモデウスの姿は恐怖に満ちていた。
禍々しい両翼に甲羅のような硬さと模様を持った皮膚。
極めつけはせり上がった地面から姿を見せたドラゴン。そしてそれに跨る姿。
師匠「……さっきのバケモンさながらじゃねぇかよ……っ」
アスモデウス「んんーさぁ、行きますよ!!」
ゴゴゴゴゴゴ……ドウッ!!
王子「来るぞぉーっ!!」
青龍士官「迎撃準――」
竜騎士兵「……?」ドクンッ
足軽「な……何だ……」
帝「どうした? 様子がおかしいぞ……?」
西国兵「ぐ……っかか……っ」ガクッ
王子「!?」
742 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 04:05:40.56 ID:BqoA0CRDO
1乙〜
743 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/04/30(月) 04:50:23.68 ID:feIM9kct0
>>1
おつ
744 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 06:40:15.90 ID:PIbAii4DO
早朝のおつんぽ!
745 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/30(月) 16:49:31.09 ID:/m1SzrpAO
夕方の乙んつん
746 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 18:19:23.55 ID:EA6/T+u80
>>1
おっつっつ
>>736
タブレット端末もな
747 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/30(月) 20:14:42.28 ID:oVc0tOjAO
>>1
おつ
748 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:33:38.84 ID:4Bt4q8UIo
朱雀嬢「ちょっとぉ!? 様子がおかしいですわよっ?」
名代「どういう事――」
ドクンッ
名代「……?」
玄武娘「ど、どうしたんですの……?」
名代「は……離れて下さい……っ!」
朱雀嬢「へっ?」
ドドオオォォ!!
足軽「う……ぐぐがああぁぁ!!」
おさげ「きゃああぁぁ! た、助けてぇ!」
西国兵「女……女ああぁぁ!!」
色黒「来るな来るなぁ!」ゲシゲシッ
帝「どういう事だっ、皆は急にどうしたというのじゃ……っ!?」
王子「……な、んだこれは……っ。理性が……ぐくっ」フラッ
帝「!?」
749 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:34:32.54 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「んんー。なかなか堪える人間もおりますねぇ」ニヤリ
王子「貴様……っ、何をしたぁ!」
アスモデウス「色欲」
帝「何……?」
アスモデウス「我が本体は、近づく者の色欲を破壊する」
青龍士官「……っ」
アスモデウス「んんー、破壊というには語弊がありますかねぇ」
白馬騎士「や、奴から……離れるのだ……っ」
アスモデウス「理性を開放して差し上げる。これが正しき言い方やも」
帝「私には通じぬようだな」
アスモデウス「残念ですが、貴女は女性であられる」
帝「……」
アスモデウス「女性の持つ色欲は制御出来るものではあーりません」
帝「……ほぅ。だからか」
アスモデウス「んんーですがァ、大多数は男性のようです。これで十分」
750 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:35:22.39 ID:4Bt4q8UIo
ズザァ!! ビュオ!! ブンッ!!
朱雀嬢「あっl、危ないですわね!!」
チャンプ「ふーっ、ふーっ、ふーっ」
玄武娘「目が怖いですのー!!」
名代(理性を抑える事が出来ておるのは……っ)キョロキョロ)
王子「……くそぉ、こんなものでぇ……っ」
白馬騎士「止む無し。理性のある者は……ぐくっ、後退して態勢を……」
青龍士官「せ、洗脳されている連中は気を失わせるのだ……っ!」グラッ
魔法剣士「……」タタッ
ガスッ!! ドゴォ!!
北方兵「ぐはぁ!」ドシャッ
魔法剣士「女は1ヶ所に固まり、攻撃に備えろ!」
名代(西国の王に白馬騎士殿、青龍士官殿にあの二刀流の者……か)
アスモデウス「んんー。我が軍団を殲滅したところでェ、人間同士はどうですかァ?」
帝「卑劣な奴め……っ」
751 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:35:50.30 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「卑劣? んんーそれは違いますねェ」
帝「たわけた事をっ!」
アスモデウス「私はァ、諸君等の本能を開放しているに過ぎないッ!!」
帝「同じ事よっ!」
アスモデウス「それがどういう意味か。即ち、人間は私に支配される側にあーる!」
帝「勝手な事を……申すなっ!」ダッ!!
王子「1人では危険だっ!」
アスモデウス「んんー威勢が良いのは健康ですがァ……」
帝「はぁーっ!!」ビュオッ!!
アスモデウス「我が本体にッ、敵うとでも思うていますかァ!!」
単身、アスモデウスに近づく帝であるが、アスモデウスはすぐさま反撃に出る。
巨大なドラゴンを巧みに操り、反転させ、帝へ鋭い尾を払う。
ズッギャアアァァァァ!!
帝「ぬ……ううぅぅ!!」
アスモデウス「んんー。流石に言うだけありますねェ。これを防ぎますか」
752 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:36:34.01 ID:4Bt4q8UIo
帝「……早いな」ツツー
アスモデウス「私が早いのではありません。貴女が遅いのでーす」
帝「く……っ」
アスモデウス「んんーだからッ、近づけばアアァァ!」
帝「!?」
アスモデウス「死!!」
キュイイイイィィィィ……ドッゴオオオオォォォォ!!
帝「――っ!?」
ハヌマーン「ヌンッ!!」ガシィ!!
ズッドオオオオォォォォン!!
帝「すまぬっ!」
ハヌマーン「単身は危険だっ、私に付いて来い!」
帝「うむっ」
アスモデウス「んんー魔族ですかァ。魔族に色欲は効かぬわなァ」
ラクシャーサ「当たり前だボケェ!」
753 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:37:00.45 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「だからと言って非力では無意味ィ!」ボッ
ドッグオオオオォォォォン!!
ラクシャーサ「ウアアァァァァーッ!」
オーク「よっくもぉ!!」
魔法剣士「魔法剣……4行おおぉぉ!!」
ズガッシュウウゥゥゥゥ!!
アスモデウス「んんーどうしましたァ!? 攻撃力が……落ちてますよぉ!!」
魔法剣士(理性を保つ事で……攻撃に集中出来ん……っ)
アスモデウス「んんー。そうれッ、まとめて吹き飛べィ!!」
ゴアッ!! ドッグオオオオォォォォン!!
朱雀嬢「きゃああーっ!」
魔法剣士「うぐ……っ!」ゴロゴロッ
シュウウウウゥゥゥゥ……
白馬騎士「こ、これでは近づけぬ……っ。仮に近づいたとしても……」
王子「正気を保つので精一杯……。とても攻撃など出来ぬ……っ」
754 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:37:39.36 ID:4Bt4q8UIo
アスモデウス「チェーックメイト! んんー勝利はほぼ手中に収めたも同然ッ!」
帝「馬鹿を言え。まだだ、まだ終わらぬ!」
アマゾネス「そうだ! 男だけだと思うなよっ!」
朱雀嬢「私達も行きますわよっ!」
玄武娘「はいですの!」
名代「だ、駄目です……っ! お二方は合体召喚を……」
朱雀嬢「でもっ、こんな状況じゃそこまで持っていくにも……」
名代「……っ」
玄武娘「じゃあ、どうすればいいんですのぉ!?」
名代「とにかく力を温存して下さい!」
朱雀嬢「彼女達を見捨てろと言うのっ!?」
名代「し、しかし……っ」
帝「良い」
名代「上様……?」
帝「此方は私達に任せておけ」
755 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:38:21.03 ID:4Bt4q8UIo
朱雀嬢「大丈夫なの!?」
帝「うむ。私に出来る事は、剣を持って前線で戦う事だ」
玄武娘「……っ」
帝「名代、良いな?」
名代「……申し訳御座りませぬ。上様……っ」
帝「いや、私が帝であろうとも勇めず信じてくれる」
名代「……」
帝「私にとっては其の方が有難いというものだ」
名代「上様! 決してご無理はなさらず!」
帝「分かっておる。そこまで馬鹿ではない」ザッ
アスモデウス「んんーさぁッ、どういましたどうしましたァ!」
青龍兵「ごふ……っ」ドシャッ
青龍士官「はぁ、はぁ……はぁ……」
ハヌマーン「……ちっ、だいぶ気絶はさせたが……」
オーク「まだ沢山いるです!」
756 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:38:55.60 ID:4Bt4q8UIo
帝「待たせた。行くぞ」ザザッ
ハヌマーン「良し。護衛は任せておけ」
ラクシャーサ「おらぁ、オーク! 最前線で盾んなれェ!」
オーク「ま、任せるです!」ドスンッ
アスモデウス「んんー」
アマゾネス「ワルキューレ! 突撃だぁーっ!」
ポニテ「ハーピー! 長に続くのよぉ!」ズガァ!!
アスモデウス「上空が騒がしいですか。さて、そうなるとこうなるか」
ドウン!! ドバアアァァァァ!!
色黒「ドラゴンが来たわよぉ!」
アマゾネス「気をつけろよっ! 召喚獣を狙われるぞぉ!」
アスモデウス「んんーご名答ッ!!」
ゴウッ!! ズッガオオオオォォォォン!!
色黒「しま――」
ハーピー「きゃああぁーっ!」ヒュルルッ……
757 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/04/30(月) 21:40:02.89 ID:4Bt4q8UIo
おさげ「ちょっとぉ、早す……っぎ――もおおぉぉーっ!」
アスモデウス「アハハハハッ!! 見ろ、召喚獣がゴミのようではないですかッ!!」
ブリュンヒルデ「くっそおおぉぉーっ!!」
アマゾネス「ダメだっ、解除……間に合わな――」
ガオンッ!! ズッガオオオオォォォォン!!
アスモデウス「アーッハッハッハッハ! 綺麗な花火ですよッ!」
アマゾネス「ふ……ふざけるなよ……」ドシャッ
玄武娘「アマゾネスさんっ!!」
足軽「女だ……転がってるぅ……」ザッ
朱雀嬢「くっ」タッ
玄武娘「朱雀嬢ちゃんっ!」
朱雀嬢「やっぱり、私には放っておくなんて……出来ませんわっ!!」
名代「くっ、止む無し……!」ダッ
朱雀嬢「今、助けますわ――!?」
アスモデウス「んんー。それはノーノーですねェ」ザシャッ
758 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
:2012/04/30(月) 22:45:27.65 ID:ab7xT1+AO
>>1
乙
変な口調なせいで笑えてくるわww
759 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 23:03:53.40 ID:EA6/T+u80
>>1
おっつっつ
三大欲求の一つ操るとかアスモたんマジチート
760 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 23:06:17.80 ID:EcbVBRxDO
>>1
乙
これどうやって勝つのさ・・・
761 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 23:10:04.81 ID:fcgpziUDO
南方参謀が来てくれれば・・・!
762 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/30(月) 23:37:31.26 ID:PIbAii4DO
ムスカ?ベシータ?フリーザ?
763 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/30(月) 23:46:30.49 ID:oVc0tOjAO
>>1
おつ
魔道士はレズっ毛あるし色欲かかっちゃうな
764 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/04/30(月) 23:55:07.62 ID:eYY1ZNOAO
東方司令「」ガタッ
765 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/04/30(月) 23:56:48.56 ID:qdekkV4AO
魔法剣士はホモっ気があるから耐えられたのかな
766 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/01(火) 03:47:46.61 ID:yJm4rOJr0
>>1
おつ
767 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/01(火) 08:19:48.16 ID:qYdZl/8AO
おはようございます乙んつん
女性軍頑張れー
768 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/01(火) 09:44:48.89 ID:c2CiEQMIO
乙
769 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/01(火) 12:45:54.89 ID:Pd4fJW48o
>>1
乙
アザゼルさん…
770 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/01(火) 14:06:09.43 ID:uH20aR7H0
王子「正気を保つので精一杯……。とても攻撃など出来ぬ……っ」ビンビン
771 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 17:57:42.52 ID:E1AbN9sNo
朱雀嬢「嘘――」
アスモデウス「んんー本当です」ニヤッ
ドッ……
玄武娘「朱雀嬢ちゃああぁぁん!!」
朱雀嬢「あ……っ」
アスモデウス「ふむ。かろうじて心臓への直撃は避けましたか」
朱雀嬢「い……たいぃ……」ポタポタッ
アスモデウス「んんーまぁ、このまま毒を直接注入してェ、死に至らしめましょう」
玄武娘「うわああああぁぁぁぁ!!」ゴアッ
アスモデウス「何ッ!?」
リヴァイアサン「ゴッガアアアアァァァァ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴアアアアァァァァッ!!
アスモデウス「ヌウゥーッ! 何と言う……力だッ。小娘風情が生意気なァーッ!」
玄武娘「朱雀嬢ちゃんを離せぇーっ!!」ドウッ
アスモデウス「ク……ッヌウウゥゥー!!」
772 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 17:58:34.60 ID:E1AbN9sNo
ドッゴアアアアァァァァ!!
玄武娘「はぁーはぁーはぁーっ、はぁーっ」
アスモデウス「……やってくれる」
リヴァイアサンの一撃を支えた右手は指が吹き飛び、肘の辺りまで損壊していた。
それを見つめてアスモデウスは今までとは違う、真面目な表情で玄武娘を見る。
アスモデウス「アスタロスが敗北したのも頷ける」
玄武娘「はっ、はっ、は……っ」
アスモデウス「まとめて相手をするから手間となる。要は個別に取れば良いのだわな」
名代「朱雀嬢殿っ」タッ
朱雀嬢「……ぅ」
名代「大丈夫で!?」ガバッ
朱雀嬢「……ごほ……っ」
名代「ひどい傷だ……っ。玄武娘殿、後退しますぞっ!」
玄武娘「!?」
アスモデウス「んんー逃がすかよッ!」ドウッ
773 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 17:59:29.03 ID:E1AbN9sNo
西国兵「うがああぁぁーっ!」
オーガ「グゴアアァァァァ!」
名代「か、囲まれた……!?」
玄武娘「私が何とかするからぁ!!」
名代「!?」
玄武娘「早くぅ! 朱雀嬢ちゃんを連れてってぇ!」
名代「玄武娘殿!!」
玄武娘「でないとっ! 朱雀嬢ちゃん……死んじゃうからああぁぁ!」タタッ
名代「朱雀嬢殿ぉ!!」
玄武娘「うああぁぁぁぁ!!」
リヴァイアサン「ゴガアアァァァァ!」ドゴオオォォォォ!!
玄武娘「ここから先へは、行かせないんだからああぁぁぁぁ!」
アスモデウス「アーッハッハッハッハ!! 状況を良く見てみるがいいッ、小娘!!」
西国兵「女ぁ……!」
足軽「俺の……ものだぁ」ガシィ
774 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:00:03.10 ID:E1AbN9sNo
玄武娘「くぅっ!」
名代「玄武娘殿ぉ! おのれっ、天狗! 彼女を救出に――」
玄武娘「早く……行けってばああぁぁ!」
ゴウッ!! ドッゴオオオオォォォォ!!
名代「ぐあぁーっ」ドシャッ
白馬騎士「名代殿っ!?」
名代「ま、まさか我らごと吹き飛ばすとは……っ」
朱雀嬢「げほごほっ、ごほ……っ」
名代「誰かっ! 治癒の施せる者は居らぬかぁ!」
老将軍「前線には居やぁせんわい。撤退なされ」
名代「そう致したいのは山々ですが、まだ玄武娘殿が。それに……」
ズザザアアァァ
帝「気をしっかり保てっ。私は味方だぞ!」
足軽「上様ぁ……っ!!」
竜騎士兵「女……女ぁ……」
775 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:00:29.10 ID:E1AbN9sNo
帝「ええいっ、前に出ては囲まれ、退いては攻撃できぬ。どうすれば良いのだ……っ」
老将軍「ワシと白馬が何とかするわい。お主はその娘を連れて退がるんじゃ」
名代「……上様をどうか頼みます……っ」ザッ
老将軍「さて白馬、行くとするかの」
白馬騎士「ええ。しかし……奴に近づく事は流石に出来ませぬ」
老将軍「東方の王はワシが引き受ける。お主は召喚士の娘を援護せいっ」タンッ
白馬騎士「老将軍殿!?」
老将軍「考えてもみぃ。奴が色の欲を操るというならば、ワシはもうお役御免じゃ」
白馬騎士「……っ」
老将軍「さぁ魔物よ、どうするのじゃ!」
アスモデウス「んんー阿呆ですねぇ」
老将軍「何?」
アスモデウス「年老いたから色欲が無くなるなどと、人は己を理解していないのかねぇ」
老将軍「ぐっ?」ドクン
アスモデウス「肉体の問題ではない。精神の問題なのだよぉ」
776 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:00:58.38 ID:E1AbN9sNo
老将軍「ぐ……っく」
アスモデウス「そう。それは人間の大罪。死の直前までそれは持ち続けるもの」
老将軍「……ふっふ。だからとて、貴様の言いなりになぞ……ならぬ……っ」
アスモデウス「んんー耐えたか。なかなか見どころのある人間も少なからず居るようですねぇ」
老将軍「文字通り……一矢報いるまではっ、心身共に折れたりはせぬわぁ!!」
ギリリッ……ズバシュウウゥゥゥゥ!!
アスモデウス「こんな矢ごときでェ、私に傷の1つでも付けられると思っているのかね?」バシッ
老将軍「今じゃあ! 白馬ぁ!」
白馬騎士「……っ」ガシッ
玄武娘「ぐ……ぅ」
アスモデウス「捨て身かえ。んんー小賢しい!」
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ
老将軍「白馬っ、急げ! 早うするのじゃ!」
白馬騎士「駄目だっ、逃げ切れない……っ!」
アスモデウス「まとめて吹き飛べェ!!」
777 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:01:28.76 ID:E1AbN9sNo
ドッグオオオオオォォォォン!!
玄武娘「うぅ……っ!」
白馬騎士「ぐはぁ!」ドザザッ
アスモデウス「……ほぅ、身を挺して仲間を守りましたか」
白馬騎士「!?」
シュウウウウゥゥゥゥ……
老将軍「…………」
白馬騎士「老将軍殿――」
老将軍「言ったじゃろ……一矢報いるまでは……死なんてな」
ドサッ……
白馬騎士「老将軍殿ぉ!!」
アスモデウス「んんー人間の好きそうな、下らぬ美学ですよォ」
白馬騎士「よくも……貴様ぁ! よくもおおぉぉ!」ザッ
華国兵「おおぉぉぉぉ」グアッ
白馬騎士「くっ」
778 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:01:58.72 ID:E1AbN9sNo
華国兵「女……よこせぇ」
白馬騎士「貴様等っ、分からぬのか!!」
華国兵「女ああぁぁ」
白馬騎士「老将軍殿が……犠牲になったのだぞっ!!」
華国兵「どけぇ……どけぇ……」
白馬騎士「立ったまま!一歩も……微動だにしないのだぞ!」
老将軍「…………」
アスモデウス「んんー。早く逃げねば次なる一撃を、放っちゃいますぞぉ」
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ……
白馬騎士「絶望的だな……だがっ、絶望だろうとぉ!! 守るべきものは守り通す!!」
アスモデウス「んじゃあ死ねィ。チェックメーイトオオォォォォ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ドッゴアアアアァァァァ!!
白馬騎士「――っ!!」
玄武娘「うぁ――」
老将軍「…………」
779 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:02:40.75 ID:E1AbN9sNo
一同を包み込んだまばゆい光。アスモデウスの放った強力な魔法は無常にも、
周囲の人間をまとめてその場から消し飛ばした。
アスモデウス「……」シュウウゥゥゥゥ
しかしアスモデウスは怪訝な表情を浮かべていた。
アスモデウス「んんー確かに、手ごたえはあった。あったのだがァ……」
シュウウウウゥゥゥゥ
アスモデウス「直前にて軌道が変わった。これは意図的なもーの」
その言葉通り、直撃を受けたと思われた白馬騎士らは重傷ながらも生きていた。
白馬騎士「……ぐ……ぅ」
玄武娘「…………っ」
華国兵「痛い……いて……ぇよ……っ」ピクッ
アスモデウス「何かが邪魔をした。そうだ、何者だ。誰が私の邪魔をしたァ!!」ゴアッ
ザッザッザッ……
――「……」
アスモデウス「……?」
780 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:03:10.29 ID:E1AbN9sNo
ザッザッザッ
アスモデウス「んんー何奴です?」
ザッ
同門「……名乗る必要はない。貴様を殺す」
アスモデウス「……アハハハハッ!! この私をッ、殺すッ? アハハハッ!」
同門「……」
アスモデウス「笑わせるんじゃあないよッ!!ズオッ!!
紅孩児「ひゃっはーッ!!」ババッ
アスモデウス「――!?」
紅孩児「バカが! この俺様が相手だっつーのぉ!!」
バギャアアァァ!! ドッズウウゥゥゥゥン!!
アスモデウス「ゴホォーッ!!」
紅孩児「オラッ、さっさとカス共を助けろよ!」
同門「……ちっ」
紅孩児「その間は任せとけ……っつっても、そんなに長くは持たねぇぞ!」
781 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:03:37.47 ID:E1AbN9sNo
同門「すぐに終わる。行け、フェニックス」
シュイイィィィィン
同門「数が多い。使えるのはおそらくこの1度きりか」
紅孩児「オラオラァ! いつまでオネンネしてやがんだよッ!」
アスモデウス「魔族のガキがァ、調子に乗るんじゃあないってのォ!!」
紅孩児「ウルセェんだよ魔族のジジイ!!」
アスモデウス「だああァァれがジジイだアアァァァァ!!」
ドドオオオオォォォォン!! ゴガオオオオォォォォ!!
アスモデウス「んんーあっけない……」
紅孩児「おいおい、俺様に炎は効かねぇぜ?」
アスモデウス「何ッ!?」
紅孩児「灼熱業火より生まれし紅孩児様を……ナメんじゃねェ!!」
ビュオォ!! ドッゴオオォォォォン!!
アスモデウス「――ッ!!」ドズウウゥゥ
紅孩児「ヘッ。思ったよりも倒した事ぁねーな!」
782 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:04:07.78 ID:E1AbN9sNo
パアアアアァァァァ……
白馬騎士「……ん」
玄武娘「……ごほごほっ、げほっ!」
白馬騎士「こ……っれは?」
同門「……」フイッ
白馬騎士「フェニックス……? お、お主の召喚獣か」
同門「これっきりだ」
白馬騎士「……?」
同門「悪いが魔力が残りわずかでな。回復はこれっきりだと言っている」
白馬騎士「……そ、そうでしたか……っ」
同門「策は?」
白馬騎士「え? あ、あぁ……あります」
同門「だったら早くしてくれ。俺もあいつも大した時間稼ぎにはならん」
ダッ!!
白馬騎士「あっ!? 危険――」
783 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:04:41.06 ID:E1AbN9sNo
タッタッタッタッタッ……
白馬騎士「行ってしまったか……っ」ヨロッ
朱雀嬢「……」スッ
白馬騎士「朱雀嬢殿!? 無事で……」
朱雀嬢「玄武娘」
玄武娘「……はいですの」
朱雀嬢「行きますわよ」
玄武娘「はいですのっ!!」ザッ
白馬騎士「朱雀嬢殿、玄武娘殿!」
ザッザッザッ
朱雀嬢「名代さん、好機ですわよ」
名代「……ええ」ググッ
白馬騎士「……っ」
朱雀嬢「行きましょ。1発で仕留めてみせるわ」
玄武娘「絶対に……許さないですの」
784 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:05:14.36 ID:E1AbN9sNo
名代「それでは後方へ退いて、下準備を進めましょう」
白馬騎士「……強いな、2人とも」
老将軍「……」・ピクッ
白馬騎士「……?」
老将軍「…………ぁ」
白馬騎士「老将軍殿っ!?」バッ
老将軍「……また……死にぞこなったか……っ」
白馬騎士「ご無事で……っ!!」
老将軍「じ、じゃが……っ、とても戦える力は……残されておらぬ……ごほっ」
白馬騎士「一夜城までお運び致す。使える馬を用意するゆえ、しばしここにて!」ザッ
老将軍「気にするな……っ、構わぬ」
白馬騎士「……っ」
老将軍「戦場で死にたくとも死ねず。そんなものなのかのぉ……騎都尉よ」
優しく吹いた微風はあざ笑う鼻息のようであった。
老将軍は静かに鳴り響く心音に、目を瞑りながら聞き入った。
785 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/01(火) 18:05:46.67 ID:E1AbN9sNo
今日はここまでにて失礼いたしまする!!
たくさんのご支援、いつもありがとうです!それではまた!ノシ
786 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/05/01(火) 18:08:34.54 ID:FGOmMJWAo
最速乙!
787 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/05/01(火) 18:27:54.68 ID:I4baQJhmo
鼻息・・・?
788 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/01(火) 18:38:40.26 ID:ayT9D8fDO
おつんぽ!
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/01(火) 19:31:41.91 ID:+joqTVCx0
>>1
おっつっつ
>>787
アスモたんの鼻息じゃね?
790 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/01(火) 19:35:50.58 ID:PSd/G/MGo
>>1
乙
玄武ちゃん、逞しくなったなあ…感動してきちゃった
791 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/01(火) 19:50:41.63 ID:X/8V7OgAO
紅孩児さんノリノリじゃないすか
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
:2012/05/01(火) 21:47:18.66 ID:s1a4sgHA0
支援乙
793 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/02(水) 01:15:39.56 ID:P4HygM/AO
>>1
おつ
794 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/02(水) 04:32:08.56 ID:GKxC95j/0
いちおつ
795 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/02(水) 09:51:11.65 ID:OXmosEeAO
相変わらず
>>1
乙んつんであります!
796 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:30:04.39 ID:FKrXRXfHo
ザシャッ
アスモデウス「んんー、あまり調子に乗らない事ですね」
紅孩児「おいおい、そりゃコッチの台詞だっつーの」
アスモデウス「……」
紅孩児「1発でもダメージ与えてから言えよな。ハハッ!」
アスモデウス「んんーこれはあれですねぇ」
紅孩児「あぁ?」
アスモデウス「そういう事を言ってる奴は、大抵は早死にするものです」
紅孩児「あーはいはい。そうですね――」
ズゴゴゴゴゴゴ……
紅孩児「!?」
アスモデウス「魔族だろうがァ、たった1匹の虫ケラを捻り潰すのは容易なのだよッ!」
紅孩児「……言うだけあるじゃねぇか……っ」
アスモデウス「炎が効かぬと言うならばッ、凍え死ねィ!!」
紅孩児「くお……っ」
797 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:30:54.79 ID:FKrXRXfHo
ドッドオオオオォォォォン!! ガガキイイィィィィン!!
アスモデウス「さぁ、氷の矢に貫かれて死ぬべきです!!」
紅孩児「どうしたァ! そんなんじゃかすりもしねーぜェ!」
言うだけの事はあった。紅孩児はアスモデウスの放つ氷柱をことごとくかわし、
また、避ける際にもわざと当たるか当たらぬかスレスレの所を選んでいた。
紅孩児「ほれほれッ、もう終わりか!」
大きな動きで避ければ必ず隙を突かれる。だからこそ小さな動きでギリギリを避ける。
そして体の横を通過する直前、己の炎で氷を溶かし、スペースを更に作る。
紅孩児「ハーッハッハッハッ! 眷属がこんなのもかよッ。こりゃ俺様が王になる日も近いわな!」
簡単そうに見えるがそれは心技体が一体となって初めて成せる所業。
紅孩児はそんな素振りを全く見せぬが、以前とは違う強さを手に入れた事は容易に分かる。
アスモデウス「こんな……小僧にィ……ッ」
紅孩児「サボって偉そうに踏ん反り返ってるクソジジイとは違うんでねェ!!」
アスモデウス「減らず口を!!」
紅孩児「モタモタしてっとォ、紅孩児様だけじゃ済まなくなんぜぇーッ!」
798 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:31:28.83 ID:FKrXRXfHo
アスモデウス「――ッ!?」
ズザザアアァァ
同門「さて」
師匠「よぉ、さっきのフェニックスはお前さんのか?」ザッザッ
同門「……?」
師匠「いやちょっとな。それより残り魔力も少なねぇんだろ? 1人で無理すんなって」
同門「どこの誰か知らんが、そっちこそ無事とは思えんな」
師匠「ガハハ! ま、お互い様だわな。それでもよぉ……」
ザッ
師匠「1人より2人なら、多少は違うだろうよ」
同門「……召喚士なのか?」
師匠「ガハハッ、まーな。お前さんと同じ、朱雀だ」
同門「……朱雀、そうか。なら、足手纏いにはなるなよ」
師匠「言うねぇ。んじゃお言葉に甘えてバックアップに回るとすっかね」
紅孩児「それでいい」
799 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:32:05.75 ID:FKrXRXfHo
ザッ
紅孩児「……行けっ、グリフォン」
シュイイィィィィン
師匠「いい召喚だ。魔力が漏れる事なく、うまく流れ込んでやがる」
同門「……?」
師匠「さて、と。行けっ! ペガサス!」
シュイイィィィィン
同門「――!?」
師匠「フェニックスに師匠流。やっぱりそうか」
同門「師匠流だとぉ……!? まさかっ、貴様は……」
師匠「色々と話したい事もあるだろうが、今は敵を倒すのが先だ!」
同門「……っ」
師匠「終わってから、たっぷり聞いてやるぜ」
同門「……その言葉、忘れるなよ!」
師匠「ガハハッ! さぁ、行こうぜ」
800 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:32:34.86 ID:FKrXRXfHo
ズドドドドドッ!! ズッガアアァァァァ!!
アスモデウス「口先ばかりの未熟者がァ!」
紅孩児「悪いがテメーと無理に戦う道理はねぇんでな!」
アスモデウス「恐れて逃げ回っているだけの事でしょうに!」
紅孩児「んだとコラァ!!」ピクッ
アスモデウス「んんー馬鹿めッ、すぐに熱くなるのは若さゆえの過ちですよォ」
紅孩児「しまっ――」
アスモデウス「んんー、貰いましたよオオォォ!」
紅孩児「……なんつってな。バーカ!」
アスモデウス「!?」
ドザアアァァッ!!
同門「いっけぇ!!」
師匠「おらああぁぁ!!」
アスモデウス「――ッ!」
紅孩児「だから言ったろ。モタモタしてっと俺様だけじゃ済まなくなるってな」
801 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:33:07.59 ID:FKrXRXfHo
ドッゴオオオオォォォォ!!
アスモデウス「グヌウウゥゥ……ッ」
師匠「手は休めるなよぉ! 火力が乏しいからすぐにひっくり返されっぞ!」
同門「分かっている!」
アスモデウス「んんー有翼の召喚獣かッ。そんなものッ、たったの2匹……恐るるに足りんッ!」
紅孩児「焦ってたくせによく言うぜ!」
アスモデウス「焦ってなどおらぬッ。その必要もないッ! 微塵もだッ!」ゴアッ!!
グリフォン「オオオオォォォォ!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
アスモデウス「んんー小賢しいッ。だったらこうだ!」
襲いかかる召喚獣にアスモデウスはドラゴンを充て、迎撃する。
同門「……ちぃ」
アスモデウス「んんー結局こんなもんですかいな」
師匠「やっぱり数も火力も足んねーか」
同門「だからと言って、退くわkにはいかん」
802 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:33:45.60 ID:FKrXRXfHo
ズオッ ドシュウウウウゥゥゥゥ!!
同門「!?」
師匠「……ワルキューレ……だとぉ!?」
アマゾネス「行っけぇ!!」
おさげ「行けっ! ハーピー!」
同門「……」
アマゾネス「援護するぞ」
師匠「お前ら……師匠流……か?」
アマゾネス「よく分からんが俗に言う朱雀召喚士だ」
師匠「マジかよ……っ」
アマゾネス「私達は、南東火山の森に住まう一族」
師匠「――!?」
色黒「そうっ。朱雀先生直伝の召喚術なんだから!」
師匠「そうか……そうなのか……はは……っ」
アマゾネス「さぁ、一気に押し込むぞっ!」
803 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/02(水) 17:36:36.59 ID:FKrXRXfHo
ドッグオオオオォォォォン!!
アスモデウス「グクゥ……ッ! 次から次へと喧しい……ッ」
師匠「……」
おさげ「とりゃああぁぁーっ!」
師匠「……っ」
アマゾネス「何をボサッとしている! 来るぞっ!」
師匠「お、おう! すまんっ!」
思わず涙がこぼれそうだった。何の因果であろうか、今ここに師匠流の使い手が揃っている。
初代朱雀先生の一番弟子であった男の息子、同門。
自身がその術を置き土産としたジャングルの少女達。そして、アマゾネス。
師匠(俺は宿命だとかそんなもんはあまり信じたくねぇけどよ……)
同門「おおおおぉぉぉーっ!!」
アマゾネス「はああぁぁぁぁ!!」
師匠(もしやっぱり、そういうのがあるんなら……こういう事を言うんだろうな)
2代目朱雀先生、師匠の軌跡は、確かに奇跡となった。
804 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/02(水) 18:11:16.84 ID:FKrXRXfHo
一旦ここまでにて、ちょっとまた後できます!
すみません!それでは!!ノシ
805 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)
[sage]:2012/05/02(水) 18:15:48.73 ID:mp/P1XpNo
紅孩児「……行けっ、グリフォン」
おいwwwwwwwwwwwwwwwwww
806 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/02(水) 18:38:16.26 ID:3NHw3GNAO
>>1
乙
紅孩児パネェっすwwwwww
807 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/02(水) 18:48:52.13 ID:fg09VL2DO
いつから紅孩児が召喚士じゃないと錯覚してた?
808 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/02(水) 20:55:42.49 ID:WYWyrHZIO
マジシャンと同じ親子の対面のはずなのになんの感慨もわかねえよ…
809 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/02(水) 21:50:23.38 ID:jHMK/4kIO
師匠は一番弟子じゃないよ
810 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/02(水) 23:09:46.11 ID:Zu/LWe7IO
>>808
811 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/03(木) 00:57:08.56 ID:4u5Y1wuZ0
>>1
おつ
812 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/03(木) 01:12:00.34 ID:7h+mCAiAO
>>1
おつ
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/03(木) 03:18:10.31 ID:e4hd648DO
>>1
乙!
紅孩児さんパネェっす!
814 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/05/03(木) 21:00:17.35 ID:Bf7yrp9+0
>>808
はアマゾネス達の事を言ったつもりだった…
815 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/03(木) 22:38:24.66 ID:p66Ab5WDO
はい
816 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/03(木) 22:39:05.51 ID:otX2TJvoo
師匠とアマゾネス達が親子・・・?
817 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/03(木) 22:53:23.33 ID:iI4TS8Lko
>>816
まとめ読み直してくるといいよ、外伝だから目につかなかったのかもしれんし
818 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/03(木) 23:18:35.54 ID:mSV+5cLGo
タッタッタッ……ザザッ
名代「この辺りで宜しいでしょう」
朱雀嬢「それで、普通に召喚すば宜しいんですわよね?」
名代「ええ。そうなのですが、一つ注意事項が……」
玄武娘「何ですの?」
名代「全員の使役、あ……つまり召喚を均一にせねばなりませぬ」
玄武娘「均一?」
朱雀嬢「要は、同じ魔力に揃えるって事ですわよ」
玄武娘「なるほどですのー」
名代「そこで問題がありまして……」
玄武娘「えっ?」
名代「先程、私は敵を殲滅する為に、毘沙門天と言う式神の使役を施しました」
朱雀嬢「施す? あぁ、東方はお札を使うんでしたわね」
名代「はい。そしてそこで魔力をほぼ、使い切ってしまったのです」
玄武娘「えぇーっ!?」
819 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/03(木) 23:19:44.51 ID:mSV+5cLGo
朱雀嬢「それが何の問題なのかしら?」
名代「私が使役出来る式神は、その毘沙門天のみなのです」
朱雀嬢「つまり、毘沙門天に私達が魔力を合わせなくてはならないわけですわね?」
名代「左様」
朱雀嬢「……一応、聞いておきますけど、微弱な魔力の合体では?」
名代「属性召喚は成功するでしょうが、おそらく奴を倒す程には……」
朱雀嬢「やっぱりそうですわよね」
玄武娘「だ、大丈夫かなぁ。何だか自信ないですの……」
朱雀嬢「……あなたが自信なかったら、世の中の召喚士はみんな無理ですわよ」
名代「ともかくまずは、毘沙門天を使役致します」
朱雀嬢「お願いしますわ」
玄武娘「ここで大丈夫ですの?」
名代「敵の直線上ではありますが、間に味方がおりますから」
朱雀嬢「悪い言い方ですけれど、盾になってくれるわけですわね」
名代「……ええ」
820 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/03(木) 23:20:29.25 ID:mSV+5cLGo
ドドオオォォォォ……
アスモデウス「んんーくそッ、正直ここまでは予想だにしていなかったわい」
白虎長「チャンスね。魔物は怯んでいるわよっ」
青龍士官「白虎先生!」
白虎長「何っ?」
青龍士官「東方の召喚士が準備に入った。我らも向かいましょう」
白虎長「了解っ! しっかり護衛させて貰うわっ」ザッ
魔法剣士「準備に入ったか」
アスモデウス「んんー仕方ない。最終形態へと入るか」
魔法剣士「……さて、あとはどう……守り抜くか」
ケルベロス「わんわんっ!」
魔法剣士「どうした? あれは……っ」
ドドッドドッドドッ……
占い師「ちょっと! 交戦中よ!?」
女剣士「構わん! このまま突っ込め!」
821 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/03(木) 23:21:19.41 ID:mSV+5cLGo
占い師「ええぇぇーっ!?」
くの一「あとで私が本陣まで送ります」
女剣士「ほらっ、早く行け!!」
師匠「あれは……ベヒーーモスか!!」
ドドッドドッドドッ……
白虎嬢「どうなっても知らないですよぉ〜!」
魔法剣士「全員女か。助かった」
アスモデウス「!?」
女剣士「はあぁーっ!!」
くの一「影奥義……百花繚乱っ!」
バシュシュシュシュッ!! ガキイイィィン!!
くの一「あとは任せます! さぁ、こっちに!」
占い師「それじゃ、頑張ってね!」
女剣士「たった1匹に何をてこずっている!」
魔法剣士「数で判断するな。色々あるのだ」
822 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/03(木) 23:22:40.51 ID:mSV+5cLGo
白虎嬢「従姉さん」
白虎長「やっと来たわね、待ってたわよ!」
白虎嬢「遅くなってごめんなさい〜」
白馬騎士「待っていた?」
白虎長「言ったでしょ? 温存してるって」
青龍士官「それってまさか……」
白虎長「そっ。このコがやってくれるわ」
白馬騎士「成程……っ」
青龍士官「いけるんですね?」
白虎長「あーら、私の従妹なのよ?」
白虎嬢「えっとぉー。なんのお話でしょうか〜?」
白虎長「白虎嬢、魔力はまだ残っているわね?」
白虎嬢「えっとぉ……まぁ、はい」
青龍士官「よし、ならばこっちだ。来てくれ」
白虎嬢「……?」
823 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/04(金) 01:49:13.93 ID:GPDezfbAO
>>1乙
まさかの王子涙目www
ザマァwwwwww
824 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/04(金) 02:48:58.31 ID:vH7dE98DO
おつんぽGW!
825 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/04(金) 04:17:42.02 ID:phBscSp30
いちおつ
826 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/04(金) 06:23:50.11 ID:m308p3oAO
ケルベロスかわいいよケルベロス
827 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/04(金) 11:54:12.54 ID:cLAbk+Mho
5行召喚→失敗→誰か死ぬ→アヌビスだろうから王子の出番は残ってるな
828 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/04(金) 22:12:18.24 ID:AofzZIDIO
あ、聞いてないです
829 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/06(日) 03:12:55.43 ID:Id5Esoed0
王子の最後で最高の見せ場期待
830 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/06(日) 15:12:10.96 ID:+wdz9/eIO
同門は色欲ないの?
831 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/06(日) 18:45:58.31 ID:ovxLg/770
同門が女だったとは・・・
832 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/06(日) 19:13:18.72 ID:nslgSQ7AO
お前らいつから同門が男だと錯覚してた?
833 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/06(日) 22:23:27.42 ID:/hfjkXt70
どっかで男って書いてあったはずや
確認はしないけど
834 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/06(日) 22:40:56.13 ID:YYY8Wujno
同門(ED)
835 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/06(日) 22:44:35.38 ID:gxO5v+gWo
同門(OP)
836 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/06(日) 22:51:24.62 ID:75ePB/GAO
同門(78)
837 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/07(月) 07:23:11.49 ID:lh/BhRiDO
同門は息子と書いてた気が…
838 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/07(月) 08:03:47.56 ID:4vsZP3tIO
大人しく待ってろ
839 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:01:29.99 ID:VdRIj4Vyo
〜ネクロマンサーのラボ〜
召喚士「……ん」
バッシュウウゥゥ!!
ネクロマンサー「ククククッ!! 勝ったッ、私の勝ちだ!!」
上空の球体へ、ネクロマンサーは自らの身を投げ込むように飛んでいた。
理由は無論ただ1つ。己が起爆剤となる為である。
召喚士「な……んだ……?」モゾッ
盗賊「止……めろぉ!!」
剣士「くっ!」
ネクロマンサー「もう遅いッ!! 勝ったのだ――」
バッ
ネクロマンサー「――?」
召喚士「……戦士?」
何者かがネクロマンサーへ飛びついた。召喚士は戦士とつぶやいた。
ネクロマンサー「クッ!!」
840 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:01:58.38 ID:VdRIj4Vyo
ガシィッ!!
召喚士「戦士……戦士っ!!」
戦士「違うっ、俺じゃねぇ!!」
召喚士「!?」
ネクロマンサー「貴様ァ……邪魔を……ッ!」
戦士の姿をしたその者は、手首から先がない両腕で、
ネクロマンサーを懸命に球体へ近づけまいとしがみつき、抑えた。
戦士「お……前っ!!」
偽戦士「……ハ、ハハァ!!」グッ
ネクロマンサー「この……死にぞこないがァ!!」ガスッ!!
偽戦士「ナ……メんなよ!! ぜってぇ……離さねぇ!!」
魔道士「あれ……って、ドッペルゲンガー……さん?」
ネクロマンサー「ええいッ、離せぇ!!」
戦士「ドッペルゲンガー……お前っ」
偽戦士「俺だってなぁ、お前の血が流れてるんだ。このくらいいぃぃ!!」
841 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:03:09.32 ID:VdRIj4Vyo
ズギャア!! ズッダアアァァァァン!!
ネクロマンサー「グクッ!!」
偽戦士「ハハハッ! ざまぁみろ!」
北方司令「よくやった!」
バッ!! ガシィ!!
ネクロマンサー「!?」
北方司令「……2人がかりならば、どうだ……っ」ググッ
偽戦士「へ、へへっ」
ネクロマンサー「大した力もない奴らが……何人居ようと変わらぬわッ!」
ドスドスドスッ!!
偽戦士「ぐぬ……ぉ!」
戦士「無茶すんな……っ、待ってろ!」ノソッ
偽戦士「来るんじゃねぇ!!」
戦士「!?」
偽戦士「……分かってんだろ……っ、お前が俺ならよぉ……ッ」
842 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:04:54.41 ID:VdRIj4Vyo
戦士「分かってるに決まってんだろ! だから今、行くんだろうがっ!」
偽戦士「何にも分かってねぇ!!」
戦士「……っ」
偽戦士「俺の覚悟がどんなもんなのか……何にも分かってねぇ!」
戦士「ふ……ざけんなよ……っ」ギリッ
偽戦士「……」
戦士「そのまま死ぬつもりなんだろっ!? ふざけんなよ!!」
偽戦士「……」
戦士「みすみす死なせやしねぇよ。ふざけん――」
偽戦士「分かってんじゃんかよ」
戦士「!?」
偽戦士「だったらよ、大人しくそこで見守っててくれや」
戦士「何言ってんだよっ!!」
偽戦士「お前は俺だって、何度も言わせんなよ!!」
戦士「!?」
843 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:05:55.03 ID:VdRIj4Vyo
偽戦士「もしよぉ、お前が俺の立場だったらどうしてる?」
戦士「……っ」
偽戦士「お前も絶対、同じはずだ」
戦士「……ああ」グッ
偽戦士「それによ、俺はもう……死んだんだ」
戦士「……何?」
偽戦士「ネクロマンサーにまんまと操られて、俺はあの時死んだんだ」
戦士「お前……っ」
偽戦士「それを戦士、お前が渾身の一撃で目を覚ましてくれた」
戦士「……っ」
偽戦士「だから俺はこうして今、自我を持って、自分の意思で行動してる」
ネクロマンサー「ふざけた事ぉ……ッ」ザシュッ!!
偽戦士「うぐっ!!」
召喚士「ネクロマンサー!!」
偽戦士「お前らも来るんじゃねぇ! 始末はもう着くんだ!」
844 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:07:20.29 ID:VdRIj4Vyo
ネクロマンサー「何だとぉ……ッ」
北方司令「そいつの言う通りだ。もうお前に残された手はない」
ネクロマンサー「残された手? ククッ! 私の手など最初から1つかないッ!」
ザシュザシュッ!!
ネクロマンサー「あの球体を、魔力をこの場で爆発させる事こそ私の唯一の手!」
偽戦士「だから……させねぇって言ってんだろうが!」
ネクロマンサー「貴様等が喚こうがッ、するのだ! する以外に道はナイイィィィィ!」
ザッシュウウゥゥゥゥ!! ボトトッ
偽戦士「ぐがああぁぁーっ!」
ネクロマンサー「クハハハハッ! 手首だけでなく両腕を斬り落としてしまえば……ッ」
バッ!!
ネクロマンサー「もうしがみ付く事も出来まいッ!!」
偽戦士「ナ……メんなああぁぁ!!」
グアッ!! ガブゥ!!
ネクロマンサー「――!?」
845 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:08:19.41 ID:VdRIj4Vyo
偽戦士「命ある限りいいぃぃっ! 噛り付いてでもてめぇを……止めるうぅ!!」
ネクロマンサー「しつこい……奴だ!!」グアッ
ガッシィ!!
北方司令「よくやった。さぁ、これでもう逃げられまい」
偽戦士「んぎぎぎぎっ」
北方司令「俺に羽交い絞められた挙句、足元も封じられた」
ネクロマンサー「……」
北方司令「これでもう飛ぶ事も攻撃する事も出来ん。完全に手は無くなったな」
ネクロマンサー「……本当に死ぬつもりか? ここで? アァッ!?」
北方司令「ああ。消えるつもりだ」ズリッズリッ
ネクロマンサー「……ッ」
北方司令「出来るわけがないと、まだ言うつもりか?」ズリッ
ネクロマンサー「今……私をやれば、貴様等や背後の――」
バッ!!
ネクロマンサー「……貴様ァ!!」
846 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:09:43.41 ID:VdRIj4Vyo
北方司令「気づいたかネクロマンサー」ズリッ
ネクロマンサー「先程から引き摺っていたのは……この為かアアァァ!!」
北方司令「直線上に入ったぞ」」
影忍「ご苦労。良くやってくれた」
盗賊「!?」
影忍「さぁ、これでひとたび五行を放てば、まとめて葬る事が出来る」
ネクロマンサー「この私が……これ程までコケにされるとは……ッ!!」
影忍「盗賊、魔道士! 今こそ放て。力を見せてくれ」
北方司令「迷いや情は要らん! ただただ、このチャンスを逃すな!」
偽戦士「ん……ぎぎっ!」
盗賊「……兄様……っ」
魔道士「……盗賊さんっ、いき……ましょう」ザッ
盗賊「……っ」ザッ
戦士「あ……いつら……っ」
召喚士「魔道士さん……盗賊さん……っ」
847 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:10:12.61 ID:VdRIj4Vyo
〜魔王城前、平野〜
ザザザザッ……タッタッタッ
青竜士官「急げっ!」
白虎嬢「はいぃ〜」
ゾクウウゥゥ!!
白虎嬢「!?」ズザッ
魔法剣士「気にせず走れっ!!」
白虎嬢「……は、はいっ」タタッ
ズゴゴゴゴ……
同門「何を……する気だ!?」
紅孩児「恐れる事ぁねぇ!! 先に潰すッ!!」ガバッ
同門「焦るな……ちぃっ!」バッ
紅孩児「食らええェェェェ!!」ゴアッ!!
ドッグオオオオォォォォン!!
魔物「グギャアアアアァァァァーッ!」ドジュウウゥゥゥゥ
848 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:11:06.20 ID:VdRIj4Vyo
同門「こいつは、奴が乗っていたドラゴンかっ」
紅孩児「邪魔しやがってェ、どけェーッ!!」
バチイイィィィィ!!
紅孩児「!?」
アスモデウス「見せてやると言ったでしょう? 我が最終形態をッ!!」
ゴゴゴゴゴゴ……
白馬騎士「な、何と……っ! 合体するというのか……っ!?」
アスモデウス「合体? んんーそんなものではない。取り込むのでぇす!!」
白馬騎士「くっ! 誰かっ、老将軍殿を頼む!」バッ
華国兵「白馬騎士様っ!?」
同門「紅孩児! 止めるぞ!」
紅孩児「分かってらぁーッ!!」バッ
アスモデウス「無ッッッッ駄アアァァァァ!!」
ガッカアアアアァァァァ!!
色黒「あ……あぁ……っ」
849 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/07(月) 18:17:49.93 ID:VdRIj4Vyo
やばい連休明け凄い凄まじい…
とりあえず何とかここまでにて…!
連休中のご支援、まことにありがとーでした!
それでは失礼致します!!ノシ
850 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/07(月) 19:09:27.64 ID:loe9ic9oo
>>1
乙
ネクロさん結局自分の駒のほとんどに歯向かわれてる…
851 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/07(月) 19:26:04.92 ID:mviCed5DO
いちょ〜っつ!
852 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/07(月) 19:36:13.92 ID:uKdBziGDO
同門さんかが紅孩児の名前を呼んだだと!?
おつんぽ!
853 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/07(月) 19:51:04.36 ID:DqUUxboIO
乙
854 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/08(火) 01:00:39.24 ID:j4hmGpTAO
>>1
おつ
855 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/08(火) 04:10:36.58 ID:UatUQlcp0
>>1
おつ
856 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/08(火) 08:45:05.33 ID:yMy6BP8AO
>>1
乙んつんであります
相変わらずwktkが止まらない!
857 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/08(火) 15:46:08.04 ID:OjDyD+NIO
同門ついにデレたかwwww
858 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:16:16.93 ID:KLIzicD8o
アスモデウスとドラゴンらしき魔物は溶けるように一体と化し、
丸い防御壁のようなものに包まれた。それはまるで卵のようにも見えた。
同門「攻撃が効かん……っ!」
紅孩児「っざけんな! んなモン、ブチ破ってやんぜェ!」ゴアッ
バチイイィィィィ!!
紅孩児「くおッ!」
白馬騎士「どうなっているっ! 近づく事すら出来ぬとは……っ」
師匠「ヤロー、中で融合してやがるな」
アマゾネス「えっ?」
師匠「さっきのドラゴンの力を取り込んでやがるんだ。早く何とかしねぇと……」
おさげ「そんなこと言ったってぇ、攻撃効かないしぃ〜!」
シュウウゥゥ シュウウゥゥ シュウウゥゥ
同門「何の音だ?」
魔法剣士「……まずいぞ」
師匠「くそがぁ!! 魔法を撃つ気だっ、防ぐぞ!」
859 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:16:45.83 ID:KLIzicD8o
アスモデウス「……」
ゴゴゴゴゴゴ……
師匠「全員、縦に連なって固まれぇ!!」
ズザザッ!! ジャリッ
同門「どうするつもりだ?」
師匠「どうもこうもねぇ。捨て身で魔法を防ぐ!」
紅孩児「はぁ!?」
師匠「でねーと背後の連中が狙い撃ちされる! それだけは絶対に避けにゃあならん!」
白馬騎士「……確かに。勝機は彼らの召喚以外にない」
師匠「もう時間稼ぎも限界だ。全ての力をここに集中させて、何がなんでも食い止めんぞ!」
魔法剣士「やむなし、か」チャキッ
色黒「ホントに……止められるのぉ!?」
アマゾネス「やるしかあるまいっ!」
紅孩児「来んぞオオォォ!!」
師匠「意地でも止めろおおぉぉぉ!!」
860 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:17:23.12 ID:KLIzicD8o
カッ!! バッシュウウウウゥゥゥゥン!!
アスモデウスより放たれた1つの光が、真っ直ぐに向かってくる。
師匠「うおおぉぉぉぉ!!」
同門「ぬあ――っ」
バシュンッ!! ズッギャアアァァァァ!!
第1陣、師匠と同門の召喚獣が、一瞬の内に消滅した。
アマゾネス「くうぅーっ!」
色黒「やっぱりいいぃぃ――」
おさげ「無茶よおおぉぉぉぉ!」
第2陣、アマゾネスらの召喚獣が、一瞬の内に消滅した。
紅孩児「でっりゃああぁぁぁぁーッ!!」
白馬騎士「はああぁぁーっ!!」
ズギャギャギャギャッ!! バシュウウゥゥゥゥ!!
第3陣、紅孩児と白馬騎士の防衛も空しく、閃光は止まらない。
861 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:18:11.50 ID:KLIzicD8o
魔法剣士「魔法剣っ、4行おおぉぉぉぉ!!」
女剣士「父上、どうか私に力をお貸し下さい」ジャキッ
バッシュウウゥゥゥゥ!! ズギャギャギャギャギャッ!!
第4陣、魔法剣士と女剣士の防衛も空しく、閃光は止まらない。
ハヌマーン「我らが最後の砦ぞ!」
ラクシャーサ「身を挺してでも……止めてやるッ!」
オーク「オラ……負けないですッ!!」
ズゴアアアアァァァァ!!
オーク「フン……ヌウウゥゥゥゥ!!」
ハヌマーン「もうッ、一押しだぞ!!」
ドッガアアアアァァァ!!
白虎長「止めたっ!?」
青竜士官「いやっ、まだだ……!」
第5陣、ハヌマーンらの奮闘により閃光は、か細くなったが止まらない。
朱雀嬢「仕方ありませんわね」ザッ
862 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:18:49.27 ID:KLIzicD8o
名代「なりませぬっ、召喚に集中を」
朱雀嬢「くっ」
玄武娘「来たですのぉー!」
ババッ!!
青竜士官「!?」
白虎長「だ、誰――」
チャンプ「サマソオオオオォォォォォ!!」
ギュバッ!! バッゴオオオオォォォォン!!
玄武娘「は、弾いた……ですの……っ」
名代「な、何と……っ」
スタッ ジュウウゥゥゥゥ
チャンプ「……ヘッ。これがチャンプ様……最後の蹴り――」ドサッ
白虎長「ち、ちょっと!」
青竜士官「白虎先生、そいつは任せる! 俺らは召喚に入るぞ!」
白虎嬢「は、はいぃ〜」タッタッタッ
863 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:19:21.18 ID:KLIzicD8o
シュウウウウゥゥゥゥ……
白馬騎士「ぐ、っく……。止まった……か」
師匠「や、やりゃあ出来んじゃねーか……がはは……っ」ゴトッ
同門「何とかなったな……ふーっ」ズサッ
白馬騎士「怪我人は? 負傷者は居るか……?」
色黒「長っ!?」
アマゾネス「大丈夫……っ、折れてはいない。少しかすっただけだ……っ」
同門「立てるか?」
紅孩児「何とかな……ッ」ヨロッ
師匠「満身創痍とはこの事だなっ、さて……後は奴らに任せ――」
アスモデウス「……」
ピシッ……ピキピキッ
白馬騎士「防御壁が……割れる!?」
バッコオオオオォォォォン!! シュウウウウゥゥゥゥ……
アスモデウス「……」
864 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:20:13.45 ID:KLIzicD8o
現れた魔物は、今までのそれとは違い、非常に小さく、人間のようであった。
頭をゆっくりと上げると、長く前に垂れた髪の奥から、鋭い眼光が見えた。
ゾクウウゥゥゥゥ!!
ハヌマーン「……ッ」
魔族同士だからこそ分かるものがある。威圧や殺気に等しいその感覚は、
命を摘み取る側か、摘み取られる側か、それが一瞬で分かるようなものであった。
オーク「ハ……ハヌマーン……ッ」
ハヌマーン「……ああ。もう、逃げる術も……ない」
絶望に打ちひしがれる一同の下へゆっくりとゆっくりと、魔物は歩み寄る。
褐色の肌に白銀の長髪。そして背に生える黒い翼が魔物だと認識させていた。
アスモデウス「……」ザッザッザッ
同門「く……っそ――」
アスモデウス「立つな」
同門「……何?」
アスモデウス「立つ必要はない」
865 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:21:14.18 ID:KLIzicD8o
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴ!!
紅孩児「――ッ!?」
先程のものに勝るとも劣らない魔力が、アスモデウスの正面に増幅する。
白馬騎士「ま、まだ……あれだけのものを撃てると言うのか……っ」
女剣士「まだか……っ」
ゴゴゴゴゴゴ……
玄武娘「朱雀嬢ちゃんっ! あれ……っ!」
朱雀嬢「!?」
白虎長「まさか……もう1発……!?」
青竜士官「くそっ!! もう一歩だと言うのに……ッ」
名代「とにかく急ぎましょう。限界まで何とか……」
白虎嬢「……っ」
白虎長「5人とも! あとはしっかり頼むわよっ!」
白虎嬢「従姉さん……?」
白虎長「私が最後の……砦になるわっ!!」
866 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:22:04.37 ID:KLIzicD8o
シュイイィィィィン
ベヒーモス「グゴオオォォォォ……ッ」ザッ
青竜士官「無理だ! さっきの威力ならいざ知らず……」
名代「そうです。先程は前衛が威力を弱めてくれたからこそ、既の所で防げたというものっ」
白虎長「やってみなくちゃ分からないわよっ!」
白虎嬢「従姉さんっ!!」
白虎長「……他に居ないのよ。やるしか……ないでしょっ!」ダッ!!
玄武娘「あっ!」
白虎嬢「従姉さーんっ!!」
名代「……っ。仕方ありません、一刻も早く召喚を……っ!」
朱雀嬢「……ふーっ。私は出来ましたわ」
玄武娘「こっちもオッケーですの!!」
青竜士官「もう少し、もう少しだけ待ってくれ……!」
白虎嬢「戦いっぱなしで、魔力が溜められなかったですからねぇ……っ」
名代「……っ」
867 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:22:51.11 ID:KLIzicD8o
ズゴゴゴゴゴゴ……
師匠「2発目を防ぐ手立てはねぇ。ここまで……か」
アスモデウス「時には諦めると言うのも良い事だ」
ズゴゴゴゴゴゴ……ゴアァッ!!
アスモデウス「死ねッ!!」
ガカアアァァァァッ!!
帝「はあぁーっ!!」ザッシュウウゥゥゥゥ!!
アスモデウス「――ッ!?」
王子「いっけぇ!!」
西国兵「おおおおぉぉぉぉ!!」
アスモデウスが閃光を放った瞬間、帝が下から斬り上げるように刀を振るい、
それにより若干ではあるが、閃光の角度が上へと軌道を変えた。
アスモデウス「ゴミ共がァ……ッ」
更に王子を筆頭とした西国の兵らが、召喚獣を盾に決死の防御にあたる。
竜騎士兵「まだまだああぁぁーっ!!」
868 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:23:24.65 ID:KLIzicD8o
足軽「戦場で死ねる事こそぉ!! 武士の本望なりぃ!!」
遮二無二、誰でもない、全員が一丸となり、捨て身で防御に当たる。
いや、防御などと言えたものではない。ただただ人間が壁となっているだけである。
それでももう、残された手段といえば、こんなものしかなかった。
深く掘り返せば、後顧の憂いに対する備えが不十分であったとも考えられるが、
流石にここまでの展開を読んでいた人間など1人も居ない。予言ですら、だ。
そんな絶望的な状況下であったが、一同の覚悟が功を奏した。
白虎長「逸れたけどまだ射程内っ、それでも……っ!」
ベヒーモス「ゴガアアアアァァァァ!!」ビリビリッ
白虎長「全力の一撃ぃ、味わいなさいっ!!」
カッ!! ズッゴゴオオォォォォ!!
アスモデウスの閃光とベヒーモスの閃光が空中で激しくぶつかり合う。
アスモデウス「……」
白虎長「くぬううぅぅ……っ! いっけええぇぇーっ!」
2つの閃光は、互いが押し上げられるように、空高くへと昇って行った。
869 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:24:06.98 ID:KLIzicD8o
ドッシュウウウウゥゥゥゥ……
白虎長「はぁ、はぁ……っ! やった……ざまあみなさい……っ」
アスモデウス「諦めろと言ったはずだ。往生際が悪い」ザッ
紅孩児「……は?」
アスモデウス「……」
キュイイイイィィィィ……ズゴゴゴゴゴゴ!!
師匠「おいおい……っ、嘘だろぉ……っ」
白馬騎士「まだ……撃つと言うのかっ!!」
アスモデウス「無尽蔵ではない。これが正真正銘、最後の一撃だ」
同門「……っ」
アスモデウス「私にとっても、貴様等にとってもなぁ!!」
ズゴゴゴゴゴゴ……
王子「何度だって……止めてみせるさっ」
帝「ああ。どうやら既に、洗脳の類はないようだしな」
おさげ「言われてみれば男どもがいつの間にか……」
870 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:24:36.01 ID:KLIzicD8o
ザッ ザザッ
足軽「はぁ、はぁーはぁーっ」
青竜兵「竜騎士隊……なめんじゃねぇぞ……っ」ポタポタッ
アスモデウス「死にぞこないの分際で、刃向わねば楽に死ねるものを」
王子「東方の女王よ」
帝「帝で良いぞ」
王子「……帝さん」
帝「何じゃ?」
王子「怖いか?」
帝「いや、全然。むしろ清々しい」
王子「そうか」
帝「王子殿、其の方は怖いのか?」
王子「怖くない、と言えば嘘になるかな」
帝「そうか」
王子「だが、男にはやらねばならぬ刻がある」
871 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:25:08.38 ID:KLIzicD8o
帝「ふむ」
王子「今更ここにきて、逃げろ……とか、後ろに隠れろなどとは言わない」
帝「……?」
王子「帝さん、共に戦おう。あなたの力が必要だ」
帝「……」
王子「……帝さん?」
帝「あ、ああ。すまぬ……っ。そ、そうだな」
王子「この戦いに勝利して、本当の世界を作り上げようではないか」
帝「ああ。世界は繋がった。私達は生きて、これからの世界を作り上げねばならぬ」
王子「……」ニコッ
帝「……」ニコッ
王子「さぁ、行こう!」
帝「うむ」チャキッ
その時、最後尾から発せられる気配に、アスモデウスは反応を示した。
アスモデウス「……?」
872 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:26:17.52 ID:KLIzicD8o
バシュッ!! ボウウウウゥゥゥゥン!!
毘沙門天「……」
名代「この法力に、皆々様の魔力を合わせて下さいませ!」
朱雀嬢「余裕ですわ。出て来いっ、グリフォン!!」
玄武娘「おいで、リヴァイアサン!!」
白虎嬢「いらしてっ! ベヒーモス!!」
青竜士官「出でよ……っ、バハムート!!」
シュイイイイィィィィン ズゴゴゴゴゴゴ!!
アスモデウス「ッ!?」
師匠「いよいよ始まったか。どれ、お手並み拝見だ!」
アスモデウス「あの輝き……あれは、まずいッ」
ガシィ!! ググググッ……
アスモデウス「召喚獣が1つになろうとしている。その前にイイィィィィ」
ガッカアアアアァァァァ!!
アスモデウス「潰すウウゥゥゥゥ!!」
873 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:27:19.29 ID:KLIzicD8o
ドバッシュウウウウウゥゥゥゥ!!
紅孩児「撃ちやが……ぐわぁ――」
王子「セクメト! 正面からぶつかれええぇぇ!」
帝「ぐっくううぅぅ!」
アスモデウス「無駄だ。どう考えても数が足りぬ。こちらの勝ちだ」
騎士長「ナマ言ってんじゃねぇ!!」
北方兵「突撃ぃー!!」
西方魔道長「土行おおぉぉ!!」
精鋭魔道兵「おおぉぉーっ!!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
帝「あやつら……っ」
左翼長「遅くなってすまん! あっちは殲滅した!」
戦士父「はああぁぁーっ!」バチチイイィィ!!
バーテン「どんな手でもいいっ! とにかく押し返せぇ!」
博士「おぉ、踏ん張ってるのら」
874 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:28:28.32 ID:KLIzicD8o
助手「装填完了〜♪」
博士「さーて、そんじゃあこっちは……本体を狙い撃ちなのら」
工兵「バリスタ……ってぇ!!」
バシュシュシュッ!! ドッシュウウゥゥゥゥ!!
アスモデウス「何――ヌグォ!!」ドズッ!!
ドスドスドスドスッ!! ジュウウゥゥゥゥ……
アスモデウス「こ、これは……ッ、結界石だとぉ……ッ!?」
ワーカー「いっけぇ!! 俺達の街を、世界を……この手で守るぞ!!」
ラクシャーサ「魔族だってなぁ……住みてえ所はァ、あるんだよぉーッ!」
白虎兵「もうこれで……枯渇だコンニャロー!!」
ズッギャアアアアァァァァ!!
アスモデウス(……何だこれは)
三男「側面からもあたれっ! 一丸となれば出来ぬ事はないぞ!」
華国兵「おぉーっ!」
アスモデウス(人間共の力が1つになり、巨大な何かを生み出している……?)
875 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:29:03.07 ID:KLIzicD8o
騎士長「お前らっ、隊長の分まで存分に暴れてやれ!!」
騎士団「我らが騎士団長の誇りっ、この突撃をもって思い知るがいい!!」ドガァ!!
アスモデウス(これが、人間の持つ信頼というものか。助け合う力……愛)
王子「ぐくっ、この程度……っ! まだまだぁ!」
帝「止めるだけでは駄目だっ! 押し戻すのだ!」
アスモデウス(思えば、魔族お連中は1匹も見当たらぬ……気にも留めていなかったがな)
左翼長「おらっ! さっさと矢ぁ持ってこい!」
バーテン「閃光は他の連中に任せろ。とにかく本体だ、本体!」
アスモデウス(奴等は他者を信じて、不足を補いながら助け合い……)
戦士父「ふんっ!!」ザシュッ!!
師匠「すまんな……っ、助かったぜ」ガシッ
アスモデウス(ここまで、無き道を1つ1つ築き上げて……ほんの僅かな光を手繰り寄せたのかッ)
名代「良し。今ならばいけますっ!」
青竜士官「食らうがいい、これが最後の一撃だぁ!!」
アスモデウス「否アアァァ!! そんなものは弱者の戯れェ!! 認めんぞォ!!」
876 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:29:41.38 ID:KLIzicD8o
朱雀嬢「!?」
ズゴゴゴゴゴゴ……
アスモデウス「我が全ての力を費やしてでもォ!! 貴様等の希望は打ち砕いてくれるわ!!」
ガッカアアアアァァァァ!!
同門「なん……だとぉ!?」
魔法剣士「駄目だ……魔力が足りぬ……ッ」
南方魔道長「精鋭魔道兵が何人居ると思ってんだいっ! それで……支えきれないなんて!」
博士「バリスタ、戦線が拡大するのら。これ以上は危険なのら。後退するのら」
助手「だったら博士も来なさいっ!」グイッ
ドッグオオオオォォォォン!!
左翼長「冗談じゃ……ねぇぞチクショウ……っ!」
戦士父「……」
師匠「何をボサっと突っ立ってるんだよ」
戦士父「お手上げだな。これは止めきれるか微妙なところだ」
師匠「0じゃねぇ限りは諦めねぇ。そうじゃねぇのかよ」
877 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:30:34.91 ID:KLIzicD8o
戦士父「確かにそうだが、ここは肉を切らせて骨を断つという事だ」ザッ
師匠「あぁ!?」
戦士父「ゾディアックでもあれば、楽なんだがな」
師匠「おい待て、どこへ行く気だ……?」
戦士父「……」ザッザッ
師匠「おい!! 死ぬつもりか!?」
戦士父「それも本望」
師匠「バカな事を言ってんじゃねぇ!!」
戦士父「懐に飛び込んでの一撃ならば、数秒は動きを止められるはず」バッ
師匠「くっそぉ!! 誰かっ、援護出来ねぇのかよ!!」
戦士父「……はあぁ!」ババッ
アスモデウス「何だ? 単身、自殺にでも来たか?」
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
戦士父「……っ!?」ピシッ
アスモデウス「狙いは良かったが、浅はかにも程があったな」
878 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:32:02.12 ID:KLIzicD8o
戦士父「力不足か……」
アスモデウス「その通り。分かっているじゃないか」
戦士父「……」
アスモデウス「力なくば、どんなに策を練ろうとも終いだ」
戦士父「そうみたいだな」
アスモデウス「なかなか利口だ。楽に死ぬと良い」
ガシッ……ブン!!
アスモデウス「閃光を浴びて死ねィ!!」
ドガカアアアアァァァァ!!
アスモデウス「……ッ!?」
師匠「な、何だ? 奴が何か……したのか……?」
白馬騎士「いえっ、奴ではない何かが……」
南方魔道長「むしろ、味方側のものじゃないのか?」
シュウウウウゥゥゥゥ……
アスモデウス「……貴様ァ」
879 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:32:53.27 ID:KLIzicD8o
名士「……」
アスモデウス「なんのつもりだァ!!」
名士「この先には、我が家があるんでね」
アスモデウス「……ア?」
名士「もうじき庭に花が咲くんだよ。とても綺麗なんだ」
アスモデウス「花? 綺麗? 貴様……何を言っているかアアァァ!」ビリビリッ
名士「お前のような下衆には一生涯分からんさ」ググッ
アスモデウス「口は達者だが、大した助けにもなっておらんぞ?」
名士「まぁ仕方ないよね。ここ最近、魔力を使いすぎたから」ボロッ
アスモデウス「ハハハハッ! 自身を形成する魔力も削られておるではないか」
名士「そんな事はどうでもいいんだ。だがね……」
アスモデウス「……?」
名士「このノーンハスヤ様の美学を汚す下衆は、許さん!!」ズオッ!!
アスモデウス「ならば貴様の美学とやら諸共……消え失せよッ!!」
ドッゴアオオオオォォォォ!!
880 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:33:29.09 ID:KLIzicD8o
精鋭魔道兵「ぐああぁぁーっ!!」
オーク「ふ、防げないいぃぃぃぃ!」
アマゾネス「これだけの人数なんだぞ……っ、なのに……なのに……!!」
ドッグオオオオォォォォン!!
名代「合体召喚は成しえました。あとは……」
朱雀嬢「今撃っても、うまくいくかどうか」
青竜士官「せめてあの閃光が、もうほんの僅かずれてくれさえすれば……」
玄武娘「……」
白虎嬢「玄武娘ちゃん……?」
玄武娘「大丈夫ですの」
朱雀嬢「へっ?」
玄武娘「召喚はもう、終えましたの」
朱雀嬢「玄武……娘?」
玄武娘「最後は私が、食い止めてみせますの」
青竜士官「何を言っている! 無理だっ!」
881 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:34:25.14 ID:KLIzicD8o
玄武娘「まだ魔力は少し、残ってますの」
朱雀嬢「嘘おっしゃい! 幾らあなただって、もう大した魔力は……」
玄武娘「それじゃ、後は頼みますの!」タッ
白虎嬢「あっ!」
朱雀嬢「玄武娘!!」
名代「……行ってはなりません!」
朱雀嬢「だって玄武娘がぁ!!」
名代「今、召喚獣から離れては魔力が不安定になります」
青竜士官「玄武娘だからこそ出来る行為だ。もう……任せる以外にない……っ」
白虎嬢「玄武娘ちゃん……っ」
朱雀嬢「……何やってるのよバカーっ!!」
タッタッタッタッ
玄武娘「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
ズザァ……ザッ
玄武娘「おいで、ヒュドラ」
882 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:35:10.52 ID:KLIzicD8o
シュイイィィィィン
ヒュドラ「ねぇ、魔力がほぼ空に近しいじゃない」
玄武娘「へへっ。使いすぎたですの」
ヒュドラ「……死ぬわよ?」
玄武娘「いいんですの」
ヒュドラ「……?」
玄武娘「ずーっと迷惑かけてきたですの。このくらいしないと、怒られちゃうですの」
ヒュドラ「怒られる?」
玄武娘「ええ。おじいちゃんに……怒られちゃうですの!」
ヒュドラ「フッ、馬鹿な娘ね」
玄武娘「バカじゃないですのっ!」
ヒュドラ「あの甘ちゃんが怒りなどするものですか」
玄武娘「……っ」
ヒュドラ「きっと、笑顔で褒めてくれるわよ」
玄武娘「……うぅ」
883 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:35:58.64 ID:KLIzicD8o
ヒュドラ「さぁ行くぞ。お前を死なせたりはしない」
玄武娘「……ありがとうですの!」ゴシゴシ
ヒュドラ「来るぞ、しっかり……身構えろぉ!!」
玄武娘「おぉ――――」
ズッガアアアアァァァァ!!
玄武娘「きゃああぁぁーっ!!」
ヒュドラ「これは、予想外かもね……っ」ジジジジッ
玄武娘「でもぉ! 負けるわけにはいかないですのおおぉぉ!」
ヒュドラ「もっと退がれっ!」
玄武娘「下がらないですのっ!」
ヒュドラ「後ろに隠れろ! 直撃を受けるぞ!」
玄武娘「朱雀嬢ちゃんを……みんなをっ、守るんですのおおぉぉぉぉ――」
パアアァァァァ……
玄武娘「……へっ?」
――「素晴らしい覚悟だ。でもね、死んでは駄目だよ。何も残らない」
884 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:36:30.13 ID:KLIzicD8o
玄武娘「だ、誰……ですの……?」
ヒュドラ「良かった……味方――」ボシュッ!!
玄武娘「ヒョド……あうっ」ガクンッ
――「魔力を消耗し過ぎたね。あぁ、あとは任せてくれ」
マーメイド「いくわよっ、サモナー!」
サモナー「ああ。ここを押し返せばぁーっ」
ドゴゴゴゴゴゴ……
アスモデウス「……な……ッ?」
サモナー「道は……拓ける!!」
マーメイド「サモナー! 今よっ!」
サモナー「おいで、スキュラ、ヒュドラ……ごほごほっ!!」
マーメイド「!?」
サモナー「……くそっ、こんな時に……ごほっ」ツツー
マジシャン「十分だよ、ハッハ!」ザザッ
サモナー「!?」
885 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:37:04.18 ID:KLIzicD8o
マジシャン「はあぁーっ!」
ドドオオォォォォン!! スガガガガッ
マジシャン「情けねぇ……っ。再来のマジシャンがこれっぽっちかよ……」
ドサッ
マーメイド「ちょっと!? サモナー彼……」
サモナー「玄武娘……を……」ドサッ
玄武娘「……」
アスモデウス「ハハッ、ハハハハ! 間に合った……ッ!!」
名代「ああ。貴様の言う通り……間に合ったさ」
青竜士官「とくと味わえ、我らの力をなっ!」
白虎嬢「これで……決めてみせる」
アスモデウス「な、何イイィィ!?」
朱雀嬢「玄武娘……っ」ザッザッ
玄武娘「あ……ぅ、朱雀嬢……ちゃん?」
朱雀嬢「私達の勝ちですわよ。ほら見える? あの……金色の光が」
886 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/08(火) 18:38:11.15 ID:KLIzicD8o
途中PCが急に再起動するトラブルがありましたが、
きちんと保存してた自分にビックリというか流石に学んでいた
とりあえずここまでにて!ご支援ありがとうでした!それでは!ノシ
887 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/05/08(火) 18:50:29.36 ID:fUN+8DI2o
一番乙
ノーン和也来てたのか
888 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/08(火) 19:21:23.45 ID:OmFeTuLlo
>>1
乙
アスモさんラスボスなんですね成る程成る程
889 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/08(火) 19:28:22.97 ID:66SaZnvIO
乙
890 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/08(火) 20:13:46.62 ID:BA/EyslHo
いやー、サマソで噴出して後半で目頭が熱くなるとか
やってくれるぜ
>>1
乙
891 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/08(火) 20:26:19.80 ID:i4IoTvw/o
1乙
熱いな
892 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/08(火) 21:01:41.32 ID:mcErYFeDO
盛り上がりおつんぽ!
893 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/09(水) 01:32:44.16 ID:RnceXZzAO
>>1
おつ
アスモデウスさん真の姿めっちゃイケメンだな
894 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/09(水) 05:15:40.23 ID:GVRenK5c0
いちおつ
895 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/09(水) 08:00:56.11 ID:t5N3LCM0o
>>893
お前の中ではな
896 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/09(水) 08:33:56.88 ID:vNHuXI3AO
( ゚Д゚)y─┛~~ 毎回
>>1
乙んつんであります 今回の投下大盛りだったのは気のせい?
897 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/09(水) 14:25:41.17 ID:ez1JMyWDO
>>893
おれの中ではフリーザだった
898 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/09(水) 17:59:17.81 ID:x43gbLjIO
ラスボス戦だけに熱いな
899 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:05:29.14 ID:RxRWcFcCo
〜ネクロマンサーのラボ〜
ネクロマンサー「ハァ……ハァ……ハァッ」
魔道士「……」
盗賊「……」
ザッザッザッ……
ネクロマンサーは魔道士と盗賊の覚悟が本物である事を悟った。
絶対に出来ぬであろうという先入観。そして人間の限界を知ったつもりでいた。
人間である限り、決して超越する事の出来ない精神、感覚。
魔族に堕ちなければ得る事の出来ないその真理。ネクロマンサーはそう思っていた。
それがどうか。ここに居る連中は人間でありながら己の真理をも凌駕する力を持っている。
ネクロマンサーの深く暗い心の奥に、一矢を投じられたような気分であった。
影忍「盗賊、もう迷いはないはずだ。ネクロマンサーを……我らの鎖を解き放て!」
盗賊「兄様……っ」
ネクロマンサー「どうして……ここまでの覚悟が、ここまでの事が出来るのだ……ッ」
影忍「それが信じるというものだ。人を信じ、自分を信じ、そして……未来を信じる」
900 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:06:14.56 ID:RxRWcFcCo
ネクロマンサー「貴様は、自身が死してもその先の未来を選ぶというのかッ!?」
影忍「皆、そうだろう。俺のちっぽけな命を引き換えに未来を変えられる……」
ネクロマンサー「……ッ」
影忍「平和な世が得られるのであれば、迷う事があろうか」
北方司令「その通りだ。だからこそ俺達はこうして、命を賭して戦ってきたのだ」
ネクロマンサー「馬鹿げているッ! 死して他人の為になるなどと……」
影忍「確かになるかどうかは、生き抜いた者次第さ」
北方司令「だが何も心配はしていない。何故なら……」
東方司令「……」
北方司令「大切な家族、そして仲間達ならばやってくれると確信しているからだ」
東方司令「兄……くん……っ」ギリッ
ネクロマンサー「馬鹿な莫迦なバカなッ!! 生きたくはないのかッ!?」
影忍「……こういう宿命なのさ。きっと、生まれた時から背負った……な」
ネクロマンサー「……そこまで言うのならば、やってみるがいいさ!!」
魔道士「……」
901 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:07:00.55 ID:RxRWcFcCo
ネクロマンサー「だがこれで終わったと思うなよ? 私はまだ、健在だ!」
影忍「ラボも機能しなくなり、何れは魔王城も滅ぶ」
ネクロマンサー「勝手に勝ったつもりになるなよ?」
影忍「勝ったも同然だ」
ネクロマンサー「何を根拠に……」
影忍「簡単な話さ。貴様が撤退した。それが根拠だ」
ネクロマンサー「……」
影忍「次はサタンの力を頼るか? あわれな奴だ」
ネクロマンサー「ククッ、勝手に吠えているが良い。私の真意は貴様等には分からんよ」
召喚士「……何だと?」
ネクロマンサー「貴様等程度の、平和ごっこの連中には分からんよ!!」
戦士「……」
ネクロマンサー「私は、私の元へ還りッ!! 次こそは貴様等も含め……」
剣士「全てをッ!! この手に収めるのだッ!! クックククククク!!」
影忍「時間だ」
902 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:07:37.33 ID:RxRWcFcCo
ザッザッザッ……ジャリッ
影忍「……」
盗賊「……」
影忍「さぁ盗賊、今こそ風林火陰山雷を」
盗賊「兄様……っ」
影忍「案ずるな。風林火陰山雷を放とうと、お前が死ぬ事はない」スッ
盗賊「……?」
影忍「五輪書ともう1つ、これが影の書だ」
盗賊「……影」
影忍「風林火陰山雷の陰は俺が最後まで担う。だから……」
盗賊「兄様っ!!」
影忍「……」
盗賊「兄様は……いつも……や、優しくて……っ」
影忍「盗賊……」
盗賊「強くって……兄様は私の誇りだっ!!」
903 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:08:18.43 ID:RxRWcFcCo
影忍「泣くな盗賊」
盗賊「泣くよっ!! 泣かないなんて……無理だ……っ」
影忍「……俺がこうしてアンデッドとして生きた時間は、苦痛だった」
盗賊「……う……っぐぅ」
影忍「でもな、盗賊や同志と共に行動出来て、ほんのわずかな期間ではあったが……」
盗賊「ふっ、ぐうぅ……っ!」
影忍「俺はそん形でも生きながらえた事に、今は感謝しているよ」
魔道士「……うぅ……っぐ」
影忍「俺は先に往く。今後の事は盗賊、お前達に託す」
盗賊「兄様ぁ……っ!」
影忍「そして、父上を……藤蔵を頼んだぞ」
盗賊「兄……うぐ……っ!!」
影忍「さぁ撃つのだ盗賊!! ネクロマンサーの野望とそして……」
盗賊「……っ」
影忍「我らの鎖を解き放てぇ!!」
904 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:08:53.18 ID:RxRWcFcCo
北方司令「東方司令」
東方司令「……」
北方司令「最後に、顔を見せてくれないか?」
東方司令「……嫌……だ」
北方司令「……そうか、すまん」
東方司令「今っ、上を向いたら……ボクは……ボク……はっ」
北方司令「……」
東方司令「な、涙でぐしゃぐしゃになった顔……っ、兄くん……っに……」
北方司令「東方司令、俺の為に……泣いてくれるのか?」
東方司令「……っ」グイッ
北方司令「色々と世話をかけてしまったな。東方司令」
東方司令「やめろよぉ……っ、そんな……言い方ぁ……っ!!」
北方司令「お前は強い。だから今後はお前の力を平和の為に……」
東方司令「……っく、うぅっ!!」
北方司令「次世代の若い者達に伝え、そして陣頭に立って励んでくれ」
905 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:10:03.15 ID:RxRWcFcCo
東方司令「兄くんっ!!」
北方司令「……」
東方司令「ボクは……兄くんが……っ」
北方司令「……東方司令」
東方司令「兄くんがぁ! 兄貴で……っ、本当に良かった!!」
北方司令「……ああ、俺もだよ東方司令」
東方司令「だからぁ! 生まれ変わってもまたぁ!」
北方司令「約束する。生まれ変わってもまた……兄妹でいよう」
東方司令「う……あぁ……っ」
北方司令「さぁ、退がるのだ。巻き添えを食うぞ」
東方司令「……うぅ……っ、ぐううぅぅ」
剣士「……行きましょう」
弓使い「……っ」ゴシゴシ
北方司令「見せてみよっ!! お前らの覚悟を!! 強さを!!」
影忍「そして悪を討ち!! 次なる未来へ進めっ!!」
906 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:11:03.22 ID:RxRWcFcCo
召喚士、戦士、魔道士、盗賊、東方司令、剣士、弓使い、幼女。
全員が泣いていた。溢れる涙を時折、拭いながらも、涙を流し続けていた。
魔道士が杖をその場に置き、両手で渾身の魔力を集中させる。
盗賊が印を結び、己の全てを1つにするよう魔力を集中させる。
すすり泣く声以外に誰も言葉を発しない。聞こえるのはネクロマンサーの笑い声と、
徐々に高まる五行の魔力が増幅する音だけであった。
そして、その魔力が増幅をやめた。即ち、2人の五行が完成したのだ。
魔道士と盗賊は同時に、両手を前に突き出し、掌を広げた。
1つ呼吸を置くと、ゆっくりと唇を開き、魔道士が声を発した。
魔道士「……撃……ちます!!」
その声に隣に居並ぶ盗賊も続いた。
盗賊「「藤蔵最終ううぅぅ!! 究極奥義いいぃ!! 風林火陰山雷――」
兄様「ありがとう、盗賊――」
影忍「ありがとう、盗賊――」
盗賊「――――!!」
五行の光が、ネクロマンサーを中心に大きな光を輝かせた。
907 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/09(水) 18:18:30.83 ID:RxRWcFcCo
今日はあんま進まなかった…すんません
毎度ご支援ありがとうございます!感謝!
それではここまでにて失礼致しまっす!ノシ
908 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/05/09(水) 18:22:51.92 ID:8GplzGXlo
乙ェ…
剣士がこわれたwwwwww
909 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/09(水) 18:24:30.36 ID:TyvdFDNDO
剣士が根暗にとり憑かれたのかと思ったぜ
おつんぽ!
910 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/09(水) 19:23:22.71 ID:X9migZuQo
>>1
乙
黒幕は剣士さんでしたか
911 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/09(水) 20:48:20.47 ID:rOUr2s/Mo
なんかほのかにワンピース臭がした
912 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/09(水) 23:18:34.17 ID:EwaXwYuTo
これは流石に吹いたわ
913 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/10(木) 01:07:44.60 ID:hZ+FH7LAO
>>1
おつ
剣士が暗黒面に落ちてしもうた
914 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/10(木) 01:13:55.03 ID:uYhcJiAio
まあそんなもんだよ
あんまり感動シーン多すぎてもくどいけどね
915 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/10(木) 08:22:28.44 ID:zXzPR1rAO
>>1
乙んつんであります。
やっとネクロマンサーを倒せるのか!
916 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/10(木) 14:24:01.89 ID:/718Zcwb0
>>1
おつ
917 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:29:05.52 ID:DJkNT6iBo
ドッドオオオオォォォォ……
ネクロマンサー「ウ……ッグオオオオォォォォ!!」
召喚士「魔道士さんっ!!」
魔道士「だい……じょぶです……っ」
ゴゴオオオオォォォォ……
ネクロマンサー「私は必ずウウゥゥゥゥ!! アヵ――――」
兄様「……」
盗賊「兄……様……」
兄様「――――」ニコッ
盗賊「兄様ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ザシャッ
盗賊「うっ、う……っう……うぐ!!」
東方司令「……」ポン
盗賊「うあ……うぅ……っ!!」
東方司令「……ボク達の兄は……最高だった」
918 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:31:27.81 ID:DJkNT6iBo
オオオオォォォォ……
戦士「……っ」
偽戦士「……」
戦士「……ドッペル――」
偽戦士「戦士ぃ!!」
戦士「!?」
偽戦士「あんがとな、色々と」
戦士「……っ」
偽戦士「俺はお前になる事が出来て、最っ高だったわ!」
戦士「そう……かよ……っ」ギリッ
偽戦士「お前、ほんっとに……最高だぜ」
戦士「……うっせぇ……っ!」
偽戦士「でも俺は、もう二度とお前にはなりたくねぇや」
戦士「……っ」
偽戦士「だってお前になっちまったら……お前と一緒にゃいられないもんな」
919 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/10(木) 18:31:39.27 ID:vOqHNVVIO
>>1
乙
920 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:32:38.64 ID:DJkNT6iBo
戦士「ドッペル……」
ドッペル「今度はよ、マブダチとして会おうぜ――――」
バッシュウウウウゥゥゥゥ……
戦士「バ……ッカやろおおぉぉぉぉ!!」
正面に放たれた五行の光が、不浄なるもの全てを飲み込んで行った。
ネクロマンサーは本より、影忍を始めとするアンデッド、魔力の生成に利用されていた
人のような姿をした者達、そしてガラスの筒に入れられた死体や周辺の器具、
それらが光に巻き上げられ、天井を吹き飛ばし、空高くへと消えて行ったのだ。
五行発動後に見られる光柱も、召喚士らにとってはもう見慣れた光景となってしまった。
オオオオォォォォ……
召喚士「……」
戦士「……」
剣士「……」
静寂が、戦いの終わりを物語っていた。ネクロマンサーとラボは消滅した。
本当の終わりではないが、悪の鎖を断ち切り、魂を解放する事には成功した。
921 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:33:40.28 ID:DJkNT6iBo
〜魔王城、正面〜
折しも時同じくして、魔王城の反対側にあたるこの場でも、五行の光が輝いていた。
玄武娘「ひ……かり……?」
朱雀嬢「ええ。私達の召喚獣が作り出した、五行の光ですわよ」
玄武娘「……」
ドドオオオオォォォォ……
アスモデウス「……何だこれは」
青竜士官「ど、どうだ……ぜぇぜぇっ、やったか……っ?」
名代「いえっ、まだのようですが……もう……」
アスモデウス「何だと言うのだ……」
キイイイイィィィィン
毘沙門天「……」
ベヒーモス「……」
バハムート「……」
アスモデウス「召喚獣共が金色に輝いている……ッ」
922 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:34:06.94 ID:DJkNT6iBo
グリフォン「……」
リヴァイアサン「……」
白虎長「白虎嬢!!」ガシッ
白虎嬢「従姉……さん」フラッ
師匠「見ろ、すげーモンだなおい……」
同門「5匹の召喚獣が魔物を、取り囲んで……」
アマゾネス「それだけじゃないっ。そのまま包み込んでいる……!?」
ドドオオオオォォォォ……
アスモデウス「身動きが取れぬ……ッ! 何故――」
キイイイイィィィィン!!
アスモデウス「!?」
5匹の金色に輝く召喚獣は、アスモデウスを連れていくかのように、
天へと昇り始めていく。その姿はまるで、死者を天へと導く天使のように。
アスモデウス「ウ……オォ……オオオオォォォォ!!」
白馬騎士「な、何だ……!? 奴の表面が剥がれ落ちていくぞ……!?」
923 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:34:45.61 ID:DJkNT6iBo
帝「……っ」
光に飲み込まれたアスモデウスは、姿形の保持が困難となり、
次第に、皮が剥がれ落ちていくかの如く、変形を見せていた。
アスモデウス「んんーッ!! 地上でッ、五行で……あり得ないイイィィィィ!!」
やがて光は金色から真っ白な聖なる光へと変わり、5匹の召喚獣ともども、
アスモデウスの姿は、地上より完全に消え失せた。
王子「……」
マジシャン「……終わった……のか?」
ハヌマーン「ぐ……っく。何とか、討ったようだな……ッ」
紅孩児「……はぁ。シンドイっつーの……クソッ」
静寂が、戦いの終わりを物語っていた。アスモデウスは消滅した。
魔王ベルゼブブ討伐の主戦とも言えるこの戦いは、人間のいや、
人間と、それと同じくした志を持つ魔族、そして召喚獣らの勝利に終わった。
そこには清々しい勝利などない。血を流し汗を流し涙を流し、死にもの狂いで戦って、
そしてようやく手中に収めたとてつもなく重い勝利であった。
924 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:35:27.24 ID:DJkNT6iBo
〜六道門・修羅〜
司令官「……」ガクン
天才「……?」
司令官「……ォ……ゥ」
天才「……ほぉ、ついにボロが出たか」
司令官「まさか……な」
天才「っりゃああぁぁぁぁ!!」
ズガッシュウウゥゥゥゥ!! パキイイィィィィン!!
司令官「――!!」
天才「おいおい、俺様はそんなツラ構えかよ?」
真っ二つに割れた仮面の奥から出てきた素顔は無かった。
不思議な表現かもしれないが何も無かった。顔は真っ白で、目も口も何も無かった。
天才「やっぱりテメーは俺様なんかじゃねぇ」
司令官「……」
天才「そして急に本性現したってのは、なにかあった証拠だな?」
925 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:36:12.80 ID:DJkNT6iBo
司令官「……」
天才「答える必要はねーぜ。まぁ全ての六道門が開門したってところか」
司令官「……ッ」
天才「いや、それだけじゃねぇな。ベルちゃんの眷属が全て、吹っ飛んだか?」
司令官「フザケタコトヲ……」
天才「ウォッチマンとか言ったか? テメーの役目もここまでだな」
司令官「キサマハ……ナンナノダ……ッ」
天才「俺様か? ハーッハッハッハ!! 俺様は……天才様だ!!」
司令官「……ッ」
天才「さぁ、とっととそこをどけよ。お役御免だ」
司令官「コノサキニアルミチハ……キサマニトッテノ……ジゴクデシカナイ」
天才「知ってるっつーの。早く……どけって言ってんだよ!!」
ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!
司令官「――――ッ」
バシュウウウウゥゥゥゥ!! パラパラパラッ
926 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:37:42.21 ID:DJkNT6iBo
ウォッチマン「時は……動き出ス――――」
ドパアアアアァァァァン!!
天才「……ふーっ。やっと道が開けたか」カシャッ
テクテクテク……ヨロッ
天才「……くそが……っ」
ヨロヨロッ……ドサッ
天才「……?」
男隊員「間に合った……か」
女隊員「しっかりするッスよぉ!!」
格闘家「師匠」
天才「なん……だっ、テメーら……」
ボス「報告を終え戻ってきました。これは、特務です」
天才「……特遊がっ、ナメた特権使いやがって……っ」
男隊員「何だかえらく疲れてますね」
天才「そりゃ何時間も戦わされちゃあな……」
927 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:38:45.25 ID:DJkNT6iBo
女隊員「何時間? そんなに……経ってないと思うッスけど……」
天才「……ああ、そういう事か。あのクソ魔物……時間をいじくりやがったな」
格闘家「時間? どういう事です?」
天才「気にする事ぁねーよ」
男隊員「時間と言えば俺もちょっと気になったんだが……」
天才「……あ?」
男隊員「さっきからどうも、時間の感覚が変なんだよな」
女隊員「確かにそうッスね。でもそれって、アレじゃないッスか?」
ボス「……?」
女隊員「ほらっ、長時間戦ってたりすると、時間があっという間に感じたり……」
ボス「ああ。確かに」
男隊員「だがよ、空に浮かぶ月の位置が一向に変わらねぇんだよな」
天才「それは本当か?」
男隊員「え、あ……ああ。少し前の話だしあんま細かくは確認ねーけど……」
女隊員「そんな感じ、全然なかったッスけどね……」
928 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:40:12.75 ID:DJkNT6iBo
格闘家「どういう事でしょう?」
天才「……ま、別に気にする事でもねぇよ。その影響で何かあるわけでもねーし」
ボス「何が何だか……」
天才(……ウォッチマンはただの時間稼ぎじゃなかったってのか?)
格闘家「師匠?」
天才「すまねぇ。悪いがこのまま、進んでくれねーか?」
女隊員「このまま……って、肩を担いで……ッスか?」
天才「動けないわけじゃねぇ。いいからこのまま行くぞ!」
男隊員「……っ」
格闘家「この先に、魔王が居るんですか?」
天才「さぁなー。でも道は前にしかねーんだ。行くっきゃねーだろ」
ボス「……確かに」
天才「おら、早くしろ!!」
女隊員「はっ、はいッス!」
合流した天才と特遊の4人は、そのまま六道門・修羅を後にし、先へと進んだ。
929 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/10(木) 18:48:53.08 ID:DJkNT6iBo
ここまでにて失礼致します!ご支援ありがとうでした!
アしてもちょっと忙しいかも…ゴメンね…それではまた!!ノシ
930 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/10(木) 19:21:20.23 ID:NwH8LuMIO
乙
931 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/10(木) 21:00:34.97 ID:BYagIblDO
俺もアしては忙しい
おつんぽ!
932 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/10(木) 21:05:26.20 ID:0sP5Hv/S0
>>919
早漏
933 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/10(木) 21:24:52.43 ID:6MfQsmoIO
乙んぽ!
934 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/10(木) 21:52:43.55 ID:QFOVPdGro
もう全部の門が開いたのか
935 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/10(木) 22:34:32.13 ID:hZ+FH7LAO
>>1
おつ
936 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/11(金) 04:47:39.28 ID:fkJ3/EoD0
いちおつ
937 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/11(金) 08:20:48.11 ID:MMZkBCQAO
乙んつん 暇人はのんびり待ちます。
938 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:04:02.75 ID:i3xnMk51o
…
盗賊「……っう……う」
ザッザッ……ザッ
東方司令「……」ポン
盗賊「……っ」
東方司令「ボク達の兄は……最高だった」
盗賊「……」
東方司令「立て。ボクらのゴールはここじゃない」
盗賊「……っ」グググッ
東方司令「先に進もう。それがボクとキミに課せられたものだ」
盗賊「……う……ん」
ノソッ……スタ……スタスタ……
東方司令「……ありがとう、兄くん」
盗賊「ありがとう……兄様……っ」
残された2人の妹。生まれや立場は違えど志と兄を思う気持ちは同じであった。
939 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:04:37.28 ID:i3xnMk51o
…
召喚士「魔道士さんっ、大丈夫……ですか?」
魔道士「え、ええ……。ちょっと疲れてしまいいました……えへへ」
召喚士「……っ」
魔道士「あっ、心配しないで下さいっ! 足手纏いにはなりませんから……っ」
戦士「無理すんな」ザッザッ
魔道士「戦士さん……」
戦士「お前と盗賊はここまでよくやってくれた。もう魔力も僅かなんだろ?」
魔道士「……っ」
戦士「こっから先は俺と召喚士が何とかする。無理はすんな」
魔道士「でもっ、お2人だってずっと戦いっぱなしで――」
戦士「何を言ってやがんだ。俺らはまだ戦える。なぁ?」
召喚士「うん。それにこの先の戦いは……俺達の舞台ではありませんから」
魔道士「あ……っ」
召喚士「あくまで天才さんの……花道ですから」
940 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:05:13.80 ID:i3xnMk51o
剣士「召喚士くん」スタスタスタ
召喚士「剣士さん、皆さんはご無事で?」
弓使い「ええ。でも、幼女が……」
魔道士「!?」
幼女「私は大丈夫だよ……。ちょっと、疲れただけだから……」
剣士「召喚士くん。こんな状況で申し訳ないとは思うんだけど……」
召喚士「気にしないで下さい。剣士さんと弓使いさんは、幼女ちゃんを連れて戻って下さい」
弓使い「……ゴメンね」
戦士「あとは俺らに任せてくれ」
弓使い「うん……っ」
幼女「私、まだ戦える――」
魔道士「幼女ちゃん」
幼女「!?」
魔道士「無理しないで。ここから先、残るは魔王だけなんだし」
幼女「でも……」
941 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:05:53.48 ID:i3xnMk51o
盗賊「私達以外にも、城内へは進んでいるんだ」ザッザッ
東方司令「そういう事だ。だから無理をせず退くといい」
幼女「……っ」
剣士「幼女、あとはみんなに任せよう?」
幼女「……ごめ……っなさい……!」ポロポロ
魔道士「気にしないでっ、幼女ちゃん! ねっ?」
幼女「うぅーっ」
東方司令「あまりゆっくりしてる時間ももうないな」
戦士「ああ。ネクロマンサーの野郎も、部屋もぶっ壊した」
盗賊「これでもう……兄様のような苦痛を味わう者は生まれないだろう……」
東方司令「……」
戦士「おし、そんじゃ行こう。剣士さん達も気を付けて戻ってくれ!」
剣士「ああ、ありがとう」
幼女「ごめんなさい……本当にっ。それ、じゃ……」
召喚士「あ……っ、幼女ちゃん!」
942 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:07:00.33 ID:i3xnMk51o
幼女「……?」クルッ
召喚士「……その、こっちこそ……ごめん」
幼女「……え?」
召喚士「お父さんの事……」
幼女「……ううん、いいの。お父もお……女賢者さんも、そういう宿命だったの」
召喚士「……っ」
戦闘のさながら、お父の消滅と女賢者の死を聞いてはいたが、
改めてその事を再認識し、沈痛な面持ちへとその表情は変わっていった。
幼女「今は、戦いに集中してね」
召喚士「……ありがとう」
幼女「じゃあ、頑張ってね。私も負けないから」
召喚士「うん。気を付けて」
スタスタスタ……
戦士「……強いな、幼女」
召喚士「うん。本当にね」
943 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:07:38.84 ID:i3xnMk51o
東方司令「どうした? 早く行くぞ」
魔道士「あ、はいっ」
召喚士「魔道士さん」
魔道士「はい?」
召喚士「1つ聞いてもいいですか?」
魔道士「何でしょう?」
召喚士「さっき言った事……残るは魔王だけって」
魔道士「……ええ」
召喚士「どうして分かるんですか?」
魔道士「……そういえばそうですね。でも、なんとなくそう思ったんです」
召喚士「……」
戦士「何か引っかかるのか?」
召喚士「いや、そういうわけじゃないんだけど」
盗賊「確かに、まだ敵が居るとも限らないしな」
召喚士「ええ……っ」
944 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:08:20.42 ID:i3xnMk51o
…
白馬騎士「まだ油断はするなよ。どこに敵が潜んでいるとも分からんぞ」
帝「警戒を怠るなっ」
足軽「御意に!」ザザッ
紅孩児「あーシンド。立つのもやっとだっつーの……チクショー」
同門「知るか」ザッザッ
紅孩児「おいおい冷てぇヤツだな。手ぇぐらい貸したらどうだ?」
スッ
紅孩児「……?」
ハヌマーン「手助け、感謝するぞ」
紅孩児「チッ。勘違いすんな、そんなんじゃねぇっつーの」
ハヌマーン「……そうか」
紅孩児「紅孩児様が魔王になるために、邪魔な奴を排除したまでだ」
ハヌマーン「ほう。それではお主が皆に感謝せねばな」
紅孩児「ケッ! 知るか!」ザッザッ……
945 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:09:20.53 ID:i3xnMk51o
…
名代「皆様方、ご無事……ですか?」
白虎長「ご無事の基準が分からないから、何とも言えないわよ……っ」ノソッ
青竜士官「もう……魔力は枯渇間近、身体もガタガタだ」
朱雀嬢「立っているのもやっとですわ……。ねぇ、玄武娘……」
玄武娘「……サモナー……様?」
サモナー「玄武娘」
玄武娘「サモナー様ぁ……っ!!」
サモナー「無事かい? 玄武娘、強くなったね」
玄武娘「サモナー様ああぁぁ!!」ダッ
サモナー「ごほっ! ご……っほ!!」ビシャッ
玄武娘「――!?」
白虎長「ちょっと!! 大丈夫!?」
サモナー「げほげほっ!! ごほ!!」
白虎嬢「どなたか、回復出来る方はいらっしゃいませんかぁ!?」
946 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:20:51.15 ID:i3xnMk51o
師匠「駄目だな」ザッザッ
白虎嬢「……?」
師匠「その玄武使い、自分の命を魔力に代えて、召喚してやがる」
サモナー「……っ」
師匠「召喚解除すりゃ魔力を延命に費やせるが……」
サモナー「き、気に……しないでくれ……っ」
師匠「……本人がこう言ってんだ。こればかりは治癒で何とかなるもんじゃねぇよ」
白虎嬢「そんな……っ」
師匠「だからと言ってこのままってわけにもいかん。誰か、運んで――」
オーク「オ、オラが行くです!!」ザッ
師匠「お、おぉ……」
ラクシャーサ「ほれッ、コイツの背中に乗っかれって!」
サモナー「あ、ありが……ごほごほっ!!」
オーク「それじゃ走るですよ!!」ダダッ!!
玄武娘「サモナー様……っ」
947 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/11(金) 18:29:53.62 ID:i3xnMk51o
今日はここまで!たぶん来られなさそうなので、
また明日!ご支援ありがとうございました!ノシ
948 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/11(金) 18:31:11.22 ID:g24wh8jDO
最速おつんぽ!
949 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/05/11(金) 18:31:17.84 ID:RH17l9ZAO
最速の1乙!
950 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/11(金) 19:47:31.67 ID:OA4/rwqDO
>>949
だっせ
951 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/11(金) 22:00:31.56 ID:uJoQJ3LDO
>>1
乙
>>949
ププッ
952 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/12(土) 01:22:40.85 ID:Bcg8MD9AO
>>1
おつ
953 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/12(土) 03:59:04.59 ID:DPrJLjXf0
>>1
おつ
954 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/12(土) 08:29:08.35 ID:2C8FkN6AO
>>1
乙んつんであります! 先を妄想するだけで胸熱であります。出来れば全員無事で戻れますように(-∧-)ナムー
955 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/05/12(土) 09:16:53.65 ID:4kPxN+ooo
なんでこんなやつがここに来てるんだ?
明らかに住んでる所が違うぞ
956 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/12(土) 10:39:25.35 ID:lQWt8FbDO
>>955
こんなやつとは誰の事?
957 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/05/12(土) 12:52:55.23 ID:Ri782OPAO
>>956
>>954
の事じゃね
958 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/12(土) 12:56:34.86 ID:lQWt8FbDO
>>957
なるほど
959 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/12(土) 20:39:52.04 ID:yiPUGb8IO
喚くから突つくなよ
960 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/13(日) 01:00:45.64 ID:A4kuGxYAO
楽しみ方は人それぞれでいいんじゃね。読む人多いほうが嬉しいだろうし
961 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2012/05/13(日) 08:56:30.88 ID:KI7lv++so
きめえ
962 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/13(日) 09:44:15.72 ID:ngk7TrFdo
>>955
同意
963 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/13(日) 09:45:42.47 ID:rOb6oCaIO
顔文字も含め、色々間違えてるなwwwwww
964 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/13(日) 10:26:58.70 ID:OXSzeS4DO
いちょつ
紺だけ続いていまだにスルーできないお前らが情けない
おまえもなってね
965 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/13(日) 12:37:42.83 ID:QZJT1Jmao
↑おまえもな
966 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/13(日) 13:52:07.50 ID:vqCKwdh9o
以下無限ループ
967 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/13(日) 21:48:41.02 ID:Eyu0ogQDO
↓お前もな
968 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/13(日) 22:59:08.33 ID:5ZvehwxFo
え、俺?
969 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/05/13(日) 23:27:59.68 ID:jZWnk5Cg0
全く面白くないから大人しく待ってろ
970 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/13(日) 23:43:35.19 ID:6LHCiSTho
師匠「あんた、アイツの召喚獣だよな?」
マーメイド「……ええ」
師匠「早く行ってやりな。それが唯一の薬da]
マーメイド「……聞かないの?」
師匠「あ?」
マーメイド「事情」
師匠「聞いてどうこうなるもんじゃねぇ。そうだろ?」
マーメイド「……っ」
師匠「早く行ってやれよ。そんで治るってわけでもねーけど……」
マーメイド「……」
師匠「残された、貴重な時間なんだろ?」
マーメイド「……ごめんなさい……っ」バッ
師匠「……」
マジシャン「残された時間、か。お前さんはいいのか?」ザッザッ
師匠「けっ。ガラじゃねぇよ。そんなんはよ……」
971 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/13(日) 23:45:29.43 ID:6LHCiSTho
…
名代「上様っ!」
帝「どうやら、うまくいったようだな」
名代「はい。うまくいきました」
帝「流石だの。大義であった」
名代「いえ、この戦は私の力などちっぽけなもの」
帝「そんな事はない」
名代「上様を始め、前線で戦い続けた皆の力……」
帝「……」
名代「そして、命を費やして使命を全うした者達のお陰です
帝「……そうじゃな」
名代「それに戦はまだ終わってはおりませぬ。あとは……信じましょう」
帝「うむ、そうであった。それでは信じて帰りを待とうではないか」
名代「……はい」
帝「……さて、それでは索敵の再開じゃ。付いて参れ」ザッ
972 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/13(日) 23:45:57.96 ID:6LHCiSTho
…
西国兵「……遺体、収容を終えました」
王子「そうか」
西国兵「では、本陣に戻ります」
王子「……なぁ、どれほどだ」
西国兵「えっ? あ、ああ……遺体ですか。えぇと……」
王子「いや、やはり良い。まだ闘いは終わってなかったな」
西国兵「……っ」
王子「私もまだ無事とは限らぬし、聞くのは全てを終えてからとしよう」
西国兵「はっ!」ザッ
王子「動ける者は引き続き、魔物の探索と処理に務めよ」
西国兵「ははっ!」
王子「……」
ギリッ
王子「これが最後と……祈りたいものだ……っ」
973 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/13(日) 23:46:32.25 ID:6LHCiSTho
…
紅孩児「……はぁ」
ズキッ
紅孩児「――ッ」
ハヌマーン「傷が痛むか?」
紅孩児「ハッ! バカ言えっての。こんくらい何てこたねぇよ」
ハヌマーン「……」
紅孩児「さーてと」ヨロッ
ハヌマーン「どこへ行く?」
紅孩児「決まってんだろ、ベルゼブブぶっ倒して……この紅孩児様が……」
ハヌマーン「無理するな」トンッ
紅孩児「!?」ドシャッ
ハヌマーン「後は任せるのだ。信じるのだ、人間を……仲間をな」
紅孩児「……ッ」
ハヌマーン「共に生きよう。お主にはまだ、すべき事が残っているのだ」
974 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/13(日) 23:47:05.04 ID:6LHCiSTho
…
騎士長「……生きた、な」
左翼長「ああ……。生きた」
バーテン「残るは魔王か」シュボッ
戦士父「……」
騎士長「お前の息子もまだ、城内だよな?」
戦士父「ああ。だが何も案ずる事はないさ」
騎士長「ま、それもそうだな。あいつらなら、俺らなんざとっくに越えてるわな」
バーテン「心配するだけ無駄って話さ」プカー
左翼長「さ、俺らは身の丈に出来る事をやろうじゃねーの」
騎士長「おぉ、そうだな。とりあえず兵をまとめて、一夜城まで退かせよう」
バーテン「俺らは、帰るとするか」
左翼長「もう帰るのか?」
バーテン「民間人だぞ? ここにいる事の方が間違いだっつーの」スタスタ
戦士父「じゃあまたな。先に戻らせて貰うぞ」
975 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/13(日) 23:50:09.14 ID:6LHCiSTho
左翼長「……ったく、冷てぇ連中だ事」
騎士長「何だあいつら? もう行ったのか?」スタスタ
左翼長「民間人はもう用無しだとさ」
騎士長「この期に及んでまだ民間人を気取るかよ」
左翼長「兵は?」
騎士長「魔道士兵どもがまとめてくれるとよ」
左翼長「そうか。んじゃ俺らは騎士団をまとめて北関へ向かうぞ」
騎士長「そうだな。あっちも心配だし……まぁ無事だろうけどよ」
左翼長「手筈は頼む」
騎士長「ベルゼブブ討伐を見届けられないってのは心残りだけどな」
左翼長「さっき言ったばっかだろ、心配ないってよ」
騎士長「そりゃそうだけどよ。でもなぁ……」
左翼長「……司令か?」
騎士長「自分の最後が予言で見えちまうってのも……辛いもんだよな」
左翼長「……まぁ、な」
976 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/14(月) 00:12:37.98 ID:Y9YeaIMSo
魔王城外部での戦闘が終了した頃、魔王城内では1つの演奏が終わろうとしていた。
詩人「……」
〜♪
ベルゼブブ「……」
詩人「……っ」
交響曲第9番ニ短調作品125第4楽章。通称『歓喜の歌』と呼ばれるその演奏。
歓喜などその城には一切なかった。あるのはただ、哀しみとそして……絶望。
タッタッタッタッタッ……ズザァ
ベルゼブブ「……」
戦士「あいつが……魔王かっ!!」
召喚士「……っ」
戦士「……ベルゼブブ!!」
ベルゼブブ「黙れ」
戦士「!?」
ベルゼブブ「もうじき演奏が終わる。それまで……黙れ」
召喚士ら対峙した魔王は、今までのどの魔王よりも冷たく、そして恐怖であった。
977 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/14(月) 00:13:35.42 ID:Y9YeaIMSo
今日はここまで。それでは寝ます!!
ご支援ありがとうございました!おやすみなさい!ノシ
978 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/14(月) 00:16:45.25 ID:9N+AKsnAO
乙da
979 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/14(月) 00:49:58.96 ID:hSAzmx8eo
最速じゃない1乙!
980 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/14(月) 01:09:52.51 ID:CNFmWMNgo
乙だyo!
981 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/05/14(月) 03:53:47.73 ID:+ws6Lc7R0
>>1
おつ
982 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/14(月) 07:06:05.43 ID:D8xtzeMIO
乙なんdaze]
983 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/14(月) 07:14:54.93 ID:vmT+lkhDO
>>969
おwwww前wwwwwwもwwなwwwwww
984 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/05/14(月) 08:31:25.50 ID:CQI4mZtAO
空気読めなくても
>>1
乙んつんであります。
985 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/14(月) 12:06:26.28 ID:D8xtzeMIO
>>984
指摘されたんだから今後は自戒して空気読め
986 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/14(月) 15:28:13.26 ID:WskUfeWXo
ドドオオオオォォォォ……
召喚士(あ……れがっ、魔王……ベルゼブブ……っ)
魔道士「……っ」
皮肉な事に、1番最初に魔王へと辿り着いてしまったのは、彼らであった。
5人の男女はベルゼブブの発した静かな一言に一喝され、ただ黙るしかなかった。
これまで幾度も魔王と対峙してきた。戦ってきた。
単純な強さにおける畏怖であれば、イブリースが最もたるものであっただろう。
しかし目の前に存在する、玉座に座り、片肘を立て、顔を乗せ、足を組む。
目を瞑り、音楽に耳を傾けるその優雅なる存在は、明らかに異質であった。
冷たく、静かで、思考の一切を悟らせないような、そんな存在。
傍から見れば人間のようなシルエットの奥に潜む、不気味で恐怖の塊が、
召喚士達をただ無言でその場に立ち尽くす事の要因となっていた。
そしてついに、詩人の手は止まる。それは即ち、演奏の終了を意味するものだ。
召喚士「……っ!!」
魔王ベルゼブブは今、ゆっくりと玉座より立ち上がった。
987 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/14(月) 15:28:47.88 ID:WskUfeWXo
パチパチパチパチ
盗賊「……?」
ベルゼブブ「どうした? 拍手はないのか?」
戦士「拍手……だぁ!?」
ベルゼブブ「これ程までに素晴らしく美しい演奏を前に、感動がないとは。不思議だな」
召喚士「何……をっ」
ベルゼブブ「人間が作り出した素晴らしき音楽。それを人間が理解せぬとは不思議な事よ」
戦士「悪いが、俺達は音楽を聴きに来たんじゃねぇ。テメーをブッ倒しに――」
フォンッ
戦士「なっ!?」
盗賊「身体が浮い……戦士っ!!」
ブンッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!
戦士「がはぁーっ!」ズシィ
ベルゼブブ「触れるまでもない。つまりは、そういう事だ」
召喚士「こ、これが……ベルゼブブの力……っ」
988 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/14(月) 15:29:38.68 ID:WskUfeWXo
コオオオオォォォォ……
ベルゼブブ「余と貴様等には、これ程までに差があるというのだ。理解したか?」
魔道士「……っ」
戦士「く……そぉ……っ」グググッ
ベルゼブブ「抗うな。貴様等では余に揺れる事すらまかり成らぬ――」
東方司令「そうかいっ!!」
ベルゼブブ「……」
ブオンッ!!
東方司令「――!?」
魔道士「か、空振り……?」
盗賊「……違うっ、確かに射程に捉えていたのに……っ」
東方司令「このボクが……外し――ぐあっ!!」フォンッ!!
ベルゼブブ「避けたとでも思うか? 違う。貴様が勝手に空振ったのだ」
東方司令「ぐ……くうぅ……っ」ググググッ
ベルゼブブ「勝手に余を恐れ、近づく事すら出来なかった。それだけだ」
989 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/14(月) 15:30:14.19 ID:WskUfeWXo
ビュオッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!
東方司令「――――っ!!」ドシャッ
盗賊「い……一撃……っ」
ベルゼブブ「いや、近づいたつもりではいたのかもしれぬな。心では」
魔道士「……ど、どうすれば……っ」
召喚士(こ、これが魔王ベルゼブブ……っ。活路が……見出せない……っ)ジャリッ
ベルゼブブ「六道門を突破した貴様等が、どれ程のものかと思えば、残念だ」
召喚士「……くっ!」
ベルゼブブ「余の前から消え失せろ。金輪際、転生しても余の前に姿を現すな」
ドゴゴゴゴゴゴ……
召喚士「くっそ……ぉ!!」ズザッ
ベルゼブブ「……?」ピクッ
召喚士「……っ?」
――「捨て身など、闇雲に戦っては駄目ですっ!!」
召喚士「……あ、あぁ!!」
990 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/14(月) 15:49:45.35 ID:WskUfeWXo
ザッ
青年兵「ここは皆の力を合わせて、戦いましょう!」
召喚士「青年兵くんっ!!」
ベルゼブブ「……」
大軍師「あれが、魔王ベルゼブブ……ですか」
ジュニア「おいおい、シャレにならん気配がビンッビンだぜ……ハッハ」
賢者「骨が折れるね……ふぅ」
大軍師「骨だけで済めば良いですがね、ふふっ。さて、戦闘準備を」
賢者「回復の回数は限られてるよ。無理はごめんだ……ふぅ」スタスタ
パアアァァァァ
戦士「……?」
東方司令「ん……っ」ノソッ
ジュニア「んじゃいっちょいくぜぇ……。魔道士ちゃん、手ぇ貸してくれや!」
魔道士「は、はいっ!!」
青年兵「召喚士さん、僕らも全開で……いきますよっ!!」
991 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/05/14(月) 15:50:22.69 ID:WskUfeWXo
召喚士「うんっ!!」
ベルゼブブ「フッ、無駄な事を。まぁ良い、余の力が如何なるものか……」
ズオッ!! ドゴゴゴゴゴゴ……
ベルゼブブ「未来永劫、言い伝えるが良い」
皇太子「行くぞ。これが最後の戦いだ」
エリート「はい。命を懸けて最後まで付き従ってみせます」
戦士「ちっ、いいモン貰っちまった。こいつは倍にして返すぜ! 盗賊、行くぞ!」
盗賊「ああ」チャキッ
ベルゼブブ「さぁ、来るが良い。決して超える事の出来ぬ壁の存在を……」
魔道士「……ふーっ」ギュッ
ベルゼブブ「思い知り、そして絶望を目の当たりにし、味わいながら……死ぬが良い」
召喚士「行けっ! コカトリス!!」
〜第六十部、完〜
992 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/05/14(月) 16:11:16.93 ID:gc6Fm9Hdo
888888888
993 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/05/14(月) 16:18:48.12 ID:WskUfeWXo
ナレーション「みなさんおまちかねーっ! ついに六道門を開放した召喚士達。
そして、宿命に燃える天才は、世界と人類の未来を懸け、
最大最後の戦いを、ベルゼブブにに挑みます!」
ナレーション「召喚士「行けっ!コカトリス!!」
『さらば天才!マスク・ド・ジーニアス、暁に死す』 にぃ……、
レデイイィィ……ゴーッ!!」
次スレです。39スレ目!
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994 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2012/05/14(月) 16:21:59.64 ID:Opt2GprPo
>>992
しね
995 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/14(月) 16:26:19.20 ID:aS19hBPBo
>>992
屑が
996 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/14(月) 16:55:23.57 ID:vmT+lkhDO
>>992
面白いとでもおもったかクズ
997 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/05/14(月) 17:07:27.09 ID:jyVdbIpAO
やめて!もう
>>992
のライフはゼロよ!
998 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/05/14(月) 17:13:17.68 ID:gc6Fm9Hdo
>>997
何度でも蘇るさww
999 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/05/14(月) 17:17:34.24 ID:jyVdbIpAO
>>998
蘇るなグズ
1000 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/05/14(月) 17:21:55.59 ID:itTzp1CUo
>>1000
なら
>>998
氏ね
1001 :
1001
:Over 1000 Thread
ヽ人人人人人人人人人人人人人人人ノ
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/ / ∧ ∧\ \< 嫌なら見るな! 嫌なら見るな! >
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)_人_ ノ
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妹「ラーイライwwwテイテイテイテイwwwww」 @ 2012/05/14(月) 17:07:54.59 ID:9dM/7VpA0
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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その39 @ 2012/05/14(月) 15:53:17.55 ID:WskUfeWXo
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VIPでROエミュ鯖まったり遊ぼうぜ!INesp鯖 @ 2012/05/14(月) 15:16:01.59 ID:BjPUn3P20
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暇だしチャリで鎌倉までいってくる! @ 2012/05/14(月) 11:48:23.57 ID:whSTqbbt0
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単語の羅列でSS @ 2012/05/14(月) 11:05:56.77 ID:NESqBdf00
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まどか☆マギカPGシステム構築スレ @ 2012/05/14(月) 10:07:32.84 ID:43EcuoTAO
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上条「幸運だ…」 @ 2012/05/14(月) 09:59:02.02 ID:P5X7fmZE0
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男「まどマギの世界に行って、皆を救う」 @ 2012/05/14(月) 09:22:10.08 ID:KtL5Ndm/o
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