過去ログ - オフィーリア「心からお慕いしておりました」
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1: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:27:42.39 ID:pKt//rZNO
シェイクスピアのハムレットを元にオフィーリアを主人公として書いていきます
一部独自解釈や原作にないシーンなど追加します
戯曲形式ではありません
シェイクスピアの様に巧みな言葉遊びとか無理です

こんなクソオナニー作品で宜しければお楽しみください

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2: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:31:24.95 ID:pKt//rZNO
私はハムレット様を愛しています。
きっかけはなんでもない事でした。もしかしたら貴方の気まぐれだったのかもしれません。

その日の朝は、流れる雲を見上げながら、同じ様な日々を繰り返す生活に鬱々としていました。そんな時、ドタドタと私の部屋目掛けて走ってくる音が聞こえてきました。

以下略



3: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:32:29.36 ID:pKt//rZNO
乳母「今朝、私がいつもの様にお庭の手入れをしていた時に、王子の使いだと名乗る男からお嬢様以外にバレないように渡してくれと言われたんです」

オフィーリア「信じられません…」

先ほどの大声で危うくバレそうになってはいましたけど、そんな事はどうでも良く、王子からお手紙を頂くなんて畏れ多い事です。
以下略



4: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:34:04.28 ID:pKt//rZNO
そうして、私はハムレット様との文通を始めました。
彼はこのデンマーク国の王子で、当然国務大臣を父に持つ私とでは身分が釣り合いません。
お父様の仕事の関係上、何度かお目にかかった事はありましたが、お互い会釈するのみで言葉を交わした事は一度もありませんでした。
それでも、何度かお手紙をやり取りしていく内に、ハムレット様の優しさや聡明さは随所から読み取れました。
気が付けば私は、ハムレット様に惹かれていました。
以下略



5: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:35:36.28 ID:pKt//rZNO
そんな風に手紙を待つばかりの日々は唐突に終わりを告げました。
夜、そろそろ寝ようかしら、と燭台の火を消した時でした。窓の方から誰かが歩いてくる音が聞こえてきたのです。
私は怖くて声も出せず、ただただ侵入者と少しでも距離を取ろうと後退りする事しかできません。
一方の侵入者はずんずんとこちらに近付いてきます。
とうとう、私は壁と侵入者に挟まれ身動きが取れない状況になってしまいました。するとその人は、私の耳元に顔を寄せます。
以下略



6: ◆d/8j7bKhKM[sagesaga]
2016/05/18(水) 02:36:55.85 ID:pKt//rZNO
オフィーリア「もしかして…ハムレット王子ですか?」

ハムレット「あぁ、その通り、貴女を世界で一番愛する男です」

ハムレット様は私の手を取ると、甲に軽く口付けをし、顔が火照りそうなことを真顔で仰います。
以下略



7: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:38:56.15 ID:pKt//rZNO
それからしばらくの間、ハムレット様とお話をしました。
彼や私の身の上話が大半でしたが、その中でも彼のお父上、デンマーク王についての話が最も多かったと思います。
「父上がこんな事をした」だとか、「こんな輩がいたから父上が黙らせた」とお父上の事をとても楽しそうに語ってくださいました。
私の方は、お父様の普段は見せない一面だとか、お兄様が近々海外へ行かれるのでその準備で忙しそうだなんて話をしました。
ハムレット様は終始笑みを浮かべながら聴いてくださっていました。
以下略



8: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:40:21.92 ID:pKt//rZNO
レアティーズ「じゃあ、行ってくる。オフィーリア、怠けるなよ」

お兄様がフランスに旅立たれる日。

オフィーリア「心配なの?」
以下略



9: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:41:29.30 ID:pKt//rZNO
レアティーズ「そう思っていた方が良い。何せ相手は王子だ。今はお前に真実の愛を囁いているかもしれない。けれど、いざお妃を迎えるとなれば話は別だ。王子の意志だけでは決められないんだよ」

オフィーリア「ご忠告どうも。心に留めておきます。でもお兄様もお気をつけあそばせ。ご自分ばかり忠告して、自分は向こうで女に現を抜かすなんて事にならないように」

レアティーズ「心配いらないさ」
以下略



10: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:42:58.91 ID:pKt//rZNO
ボローニアス「それで、オフィーリア。随分熱心に話していたが、倅とはなんの話を?」

オフィーリア「ハムレット様の事で少々」

ボローニアス「そうか、あれは良く気が付くな」
以下略



11: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:44:18.32 ID:pKt//rZNO
ボローニアス「ハッ!お優しい気持ち!お前はそれを信じているのか?」

心底馬鹿にしたように笑っています。
どうしてそこまで言われなければいけないのか解りません。

以下略



12: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:46:03.05 ID:pKt//rZNO
その日の夜、と言うよりも最早明け方に差し掛かった頃でしょうか。
これからハムレット様がいらっしゃったらどうお断りすべきだろう、と考えていたら眠れなくなっていました。
そんな折、窓の所に人影が見えました。
ドキリ、としました。
まだ彼に会う心構えは出来ていません。
以下略



13: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:47:36.70 ID:pKt//rZNO
そのお返事を出してからと言うもの、ハムレット様からのお手紙は目に見えて減りました。
何度か私の所を訪れて下さった様ですが、それも家の者に言ってお引き取りいただきました。
本当はハムレット様が会いにきてくださった事、心の底から嬉しく、直ぐにでもハムレット様に抱きつきたいくらいでした。
けれど、ハムレット様を愛しく想うのと同じくらい、お父様の事も大事に思っているのです。お兄様の事を敬っているのです。だから、言い付けを破る事は出来なかったですし、忠告を無視する事も出気なかったのです。


14: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:49:14.33 ID:pKt//rZNO
デンマーク王が亡くなってから3ヶ月程経ったでしょうか。
この頃国全体が重苦しい空気にある様な気がします。
ハムレット様との邂逅を絶ったのもその頃だったので、その所為もあるかも知れません。
陰鬱な雰囲気を忘れようと、自分の部屋で縫い物をしていると、窓際に誰かが居るのに気が付きました。

以下略



15: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:50:45.79 ID:pKt//rZNO
身なりだけではありません。
ハムレット様は顔面蒼白で、膝同士がぶつかる程足が震えていました。
悲しそうな表情で私を暫く見据えていました。
やがて近付いて来ると、私の手首を強く握り、絵でも描く様に私の事を見つめます。

以下略



16: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:52:06.17 ID:pKt//rZNO
オフィーリア「お父様!あぁ!怖かった!」

迫真の演技だと思います。
良くお父様に連れられて劇は観に行くので、上手くいったと自負しています。

以下略



17: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:53:24.07 ID:pKt//rZNO
ボローニアス「近頃、王子に連れない態度でもとったのか?」

オフィーリア「いえ、特には。お父様の言い付け通り、お手紙には返事をして、直接会うのはお断りしていました」

ボローニアス「あぁ、あぁ、それだ!これは余計な事をした!てっきり王子の遊び心で娘を台無しにされるのではと思っていたが…とんだ邪推だった!」
以下略



18: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:55:49.76 ID:pKt//rZNO
結局、王城に連れてこられたは良いのですが、お父様は一人で謁見に向かってしまわれ、私は廊下で待ちぼうけです。
幸いにも、王城の廊下は本棚が置いてあったりして退屈はしないので、待つだけといっても苦痛ではありませんけれど。
暫く本を読んでいると、ツカツカとお父様達がいる方とは逆から誰か歩いていらっしゃいます。
王城に居らっしゃるくらいですので、私よりは高貴な方だろうと、本を閉じ、向き直ると、そこに居たのはハムレット様でした。
相変わらず酷い格好をなさっていますが、私の部屋にいらした時の様な悲しげな表情はされていません。
以下略



19: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:57:13.63 ID:pKt//rZNO
ハムレット「逃げる事ないじゃないか。それとも何かい、君には何かやましい事でもあるのかい?」

少し狂気を孕んだ、そんな目で私の事を見つめています。
ただ、その狂気以上に、お父様の言い付けを守ってハムレット様を拒んだ事を後ろめたく思っている自分が、この場を離れさせようとしていました。

以下略



20: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 02:58:50.77 ID:pKt//rZNO
ハムレット「…よし、オフィーリア。今後、どんな事が起ころうとも全て知らないフリをするんだ。ただ君が知っているのは、オフィーリアを愛していたハムレットと言う男は気違いになってしまったという事だけだ。良いね?」

オフィーリア「それはどう言う意味でしょう?」

全く解りませんでした。私の部屋でも似た様な事を仰っていましたけれど、要するにハムレット様は気違いのフリをすると言う事でしょうか。でも一体何の為に?
以下略



21: ◆d/8j7bKhKM[sage]
2016/05/18(水) 03:01:03.09 ID:pKt//rZNO
ハムレット様が立ち去った暫く後、お父様が戻ってらっしゃいました。
何でも、王様とお妃様にお話しした所、私とハムレット様を会わせてみて様子を伺いたいと仰ったそうです。
他の人が見ているという事は、ハムレット様は気違いのフリをなさるのでしょうか。見てみたい気もします。
取り敢えずお父様は、もう一度別の方法でハムレット様に話を聞くつもりのようで、一旦私を、客間に置いてまた出て行かれました。
何でもハムレット様の旧友がお戻りになったので、そのお二人にも協力して頂くそうです。
以下略



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