過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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1
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
2016/08/23(火) 15:07:37.79 ID:Yu37ZZYbO
いつかぼくは君に倒される日が来るのかな、とぼんやりと考えたことがある。
君はぼくを倒したがってるし、君はいつも一生懸命だし。
だから、こんな日が来るなんて、思いもしなかった。
ぼくが君を倒してしまう日が来るなんて。
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2
:
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:09:25.81 ID:Yu37ZZYbO
地の文で書いていきます。けっこうシリアスです。
3
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:13:06.61 ID:Yu37ZZYbO
「アンパンマン」
ぼくの部屋の扉がノックされたので、ぼくは音のする方へ歩いていった。
ドアを開けると、心配そうなメロンパンナちゃんが、ぼくの顔をのぞきこむ。
以下略
4
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:14:01.27 ID:Yu37ZZYbO
「アンパンマン!」
一階の工房までたどり着くと、バタコさんがこちらに走ってきて、ぼくに抱きついた。
戸惑うぼくの胸で、バタコさんは泣いている。
以下略
5
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:14:57.79 ID:Yu37ZZYbO
空が真っ赤に染まるころ、ぼくはパン工場を目指して飛んでいた。
今日は不思議なことに、困っている人は一人もいなかった。
行く手の森は、夕日に照らされて濃く影を伸ばし、一足先に夜が訪れている。
そんな森の上を飛んでいるとき、ふと動くものが見えた気がした。
以下略
6
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:17:33.97 ID:Yu37ZZYbO
パトロールを終えたぼくは、そーっとパン工場の扉を開いた。
もうジャムおじさん達は寝ているだろう。
そう思って音をたてないように開いたのに、ジャムおじさん達はぼくの帰りを待っていたようで、パン工場の中から大きな声が聞こえた。
以下略
7
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:18:45.45 ID:Yu37ZZYbO
「実は、今日はメロンパンナちゃんにもパトロールをお願いしたんだよ。
だから、みんなが助けを呼ぶ前にメロンパンナちゃんが助けていたのかもしれないね」
「けど、森にいたあの子は」
以下略
8
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:20:06.10 ID:Yu37ZZYbO
ぼくはきっと、あの瞬間に正義の味方ではななくなったのだろう。
白み始めた空を見ながら、ぼくは思う。
正義の味方ではなくなったから、助けを呼ぶ声も聞こえないんだ。
これからもきっと、治る日はこない。
君が生き返ることがないのと、同じように。
以下略
9
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:21:08.07 ID:Yu37ZZYbO
「なにがあったの?ドキンちゃん」
「ばいきんまんが……私をかばって……!」
以下略
10
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:22:27.43 ID:Yu37ZZYbO
ぼくは煙突から飛び出し、出来る限りのスピードでバイキン城へ飛んだ。
辺りはだんだんと暗くなっていき、黒く厚い雲が空を覆い始める。
足下の花畑はごつごつとした岩場に変わり、湿気がまとわりつくようになった。
そして、ぼくは遠くのがけの上から、太く煙が上っているのを目にすることになる。
以下略
11
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:24:19.19 ID:Yu37ZZYbO
「ばいきんまん!中はどうなってるの?」
「うるさい!ちょっと扉が歪んで開かないだけだし、ちょっと故障してるだけなのだ!」
「やっぱり外には出られないんだね!」
以下略
12
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:25:43.25 ID:Yu37ZZYbO
「アンパンマン!」
ぼくを呼ぶ声が拡声器から聞こえる。
以下略
13
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:26:47.21 ID:Yu37ZZYbO
ばいきんまんの声が再び聞こえた。
でもそれは聞き間違いだと思いたかった。
ぼくはさっきよりさらに青ざめて、扉を力一杯蹴る。
以下略
14
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:28:39.98 ID:Yu37ZZYbO
「ばいきんまん!」
「お前が出来ないなら、おれさまがやるしかないな……」
以下略
15
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:29:50.81 ID:Yu37ZZYbO
「アンパンマン!大丈夫!?」
「メロンパンナちゃん……!ぼくを上に連れていって!」
以下略
16
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:31:13.13 ID:Yu37ZZYbO
ぼくたちは遅れて飛んできたアンパンマン号に乗り込んだ。
中にはジャムおじさん達とドキンちゃんが乗っている。
窓の外に広がるバイキン城の残骸を見て、ドキンちゃんは青ざめていた。
なにも喋らないドキンちゃんに、ぼくは起こったことの全てを話した。
以下略
17
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:32:43.33 ID:Yu37ZZYbO
その後、パン工場に戻ったぼくは、再び笑えるようになるまで、一日だけお休みをもらった。
今日はドキンちゃんも泊まるらしいけど、ぼくはもうドキンちゃんとは言葉を交わさなかった。
貰った休みを全て使って、ぼくは一日中ベッドに横たわる。
時間は思ったより速く進み、頭が真っ白なまま、次の日を迎えた。
以下略
18
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:34:11.11 ID:Yu37ZZYbO
「アンパンマン、もしやり直せるとしたらどうします?」
「えっ?」
以下略
19
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:35:16.95 ID:Yu37ZZYbO
「最近どーもばいきんまんの様子がおかしくてですね〜。
なんか妙にごっついメカなんか作っちゃって、没頭してるもんですから、あー変だなーと思ったんですよ。
それでこの石のことを思い出して、ちょっと確認しに行ったら、赤くなっちゃっててビックリしたんですね〜。
しかもその間にバイキン城は無くなってるし、ドキンちゃんは塞ぎ混んでるでしょ?
以下略
20
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:38:13.07 ID:Yu37ZZYbO
ホラーマンは人差し指と中指を立てて、ぼくの方に向けた。
「世界の理は二つあるんですね。もうひとつは誰も死んではいけないということ。
これはアンパンマンも知らないでしょ?」
以下略
21
:
オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 15:39:17.83 ID:Yu37ZZYbO
「いやー、そこが問題なんですねぇ」
ホラーマンは少し言いづらそうに言った。
以下略
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