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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その36 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/21(土) 23:22:54.08 ID:yRL5+EEIo
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
┃. │ _| レ _ノ `"⌒) o ,__,,」 ノ´ 、ノ .| 丿 /^\ .o .o ━┛
. ̄
――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。
――かもしれない……。
〜前回までのあらすじ〜
召喚士、戦士、魔道士、盗賊からなる4人の冒険者達。
彼らは5年もの間、世界中で地上をを暗黒へと変える
魔王軍と戦い、幾多の勝利を掴み、人々を救ってきた。
最終決戦に備え、一同は北へと集結する……。
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます!)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
◆かぎまとめ様(日々のまとめありがとうございます!)
http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-3022.html
◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html
◆絵とかのあぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/
◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301828985/
◆前スレ(その35)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324391535/
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1327155768
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1.5 :
荒巻@管理人★
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男「NARUTO世界を安価とコンマで生き抜く」part3 @ 2025/03/14(金) 20:30:14.10 ID:mUlhnMMk0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1741951813/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/03/13(木) 17:32:38.04 ID:eyP+92r1o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1741854757/
追放した王国、俺の作った“自動販売機”がないと生活できないらしい。 @ 2025/03/13(木) 12:53:05.60 ID:xoGAJI1Y0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1741837984/
A雑は衰退しました @ 2025/03/12(水) 14:43:24.51 ID:/H8S90Tb0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1741758203/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/03/12(水) 10:14:44.03 ID:TQON4h2to
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1741742083/
のんびりモンハンしようぜ避難所 @ 2025/03/11(火) 21:55:34.74 ID:x0Pf7MoZO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1741697734/
池沼保守人間です?おい池沼見てる?w @ 2025/03/11(火) 00:01:29.43 ID:Vh8nsgC90
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1741618888/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/03/09(日) 21:42:47.87 ID:+VVeADT+o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1741524167/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/21(土) 23:23:37.44 ID:yRL5+EEIo
◆過去ログ(その1〜34)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312161458/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315821180/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318927989/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1322122521/
3 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:24:10.15 ID:yRL5+EEIo
……――
盗賊「…………」
風忍『姫……姫……っ!』
水忍『お気を確かに! 姫っ!』
盗賊「風……水……みんな」
火忍『もう少しで地上ですよ! ほらっ、頑張って!』
土忍『見事でしたぞ。魔王への一撃』
盗賊「みんなのお陰さ。でなくば、私一人ではとても……」
風忍『何を申しますか。姫の力ですよ』
水忍『我等一同、嬉しい限りです。姫の立派な成長を見る事が出来て』
盗賊「……皆っ、どこへ行くのだ!」
火忍『俺達は一足先に……休ませて貰います』
土忍『ご安心めされい。いつでも魂は……姫のお傍に』
盗賊「火っ! 土! 待って……っ! 私を……置いていかないでっ!」
――『……カカカッ』
4 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:24:37.83 ID:yRL5+EEIo
盗賊「……雷?」
雷忍『お主らも……来るのが思いの他、早かったなぁ』
火忍『全くだ。お前の顔をもう拝む事になるとはなぁ……』
盗賊「雷っ! みんな……待ってったら……っ!」
風忍『旨い酒は用意してあるんだろうな?』
雷忍『カカカッ! そんな暇もなかったよ。だが、ちゃーんとあるさ』
水忍『なれば久々に五人揃って、談義出来ると言うわけだな』
雷忍『それどころか、仲間も沢山居る。酒もいけるクチだよ……カカッ』
土忍『ほぉ、そいつは楽しみだな』
盗賊「待って! 私も……連れて……」
風忍『それはなりませぬ。姫はもうしばらく、其方で……』スウゥ
雷忍『ほら見えるか? あそこに……』スウゥ
――『ガハハッ! おーおー。随分とまぁ大勢来たもんだわなぁ』
盗賊「!?」
――『ま、俺は入れ違いかねぇ。なぁ……盗賊ちゃんよ』
5 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:25:05.96 ID:yRL5+EEIo
――……
盗賊「……」
戦士「ぶはぁ!!」ザバッ!!
ユラユラユラ
戦士「ど……こだっ、ごほ……っ!!」
ザザーン
国軍兵「いたぞぉーっ!! 小船を回せぇ!!」
戦士「あ……れは……国軍の連中か……っ」ザバァ
国軍兵「もうしばしのご辛抱っ! すぐに行きますので!」
戦士「頼むぜ……ごほっ」
海兵「えぇいっ、まだか!? 早く早くっ!」
漁師「分かってる! 急かさんでくれっ!」キィッ
戦士「助か……ったのか……」ゴボッ
国軍兵「戦士様っ! 頑張って!」
戦士「…………」
6 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:25:34.25 ID:yRL5+EEIo
…
戦士「……ごほっ、ごほごほっ!」
南方参謀「気付いた!? 大丈夫!?」
戦士「……こ……こは?」
東方参謀「船上だ。安心せい、戦いは終わった」
青年兵「戦士さん、ご苦労様でした」
戦士「青年兵……みんな……」ハッ
男隊員「盗賊か? それなら無事だ。ほれ」スッ
戦士「……」チラッ
女隊員「ごほごほっ、はぁ。盗賊ちゃんならここッスよ……」
戦士「良かった……」
男隊員「これで全員か?」
西方参謀「魔道兵と総本山の連中が20名程度行方不明らしいが……おそらくは駄目だろうな」
槍侶「……無念っ」グッ
槍兵長「槍侶。無事で何よりだ」
7 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:26:00.43 ID:yRL5+EEIo
槍侶「……槍兵長様」
槍兵長「行方の知れぬ者らは、懸命に戦った故の結果だ。悔いはなかろう」
戦士「盗賊の意識は?」スクッ
東方参謀「まだ戻っておらぬ」
戦士「……」テクテク
南方参謀「衛生兵の回復はすんでいるけれど、少し水を飲んでしまっているかも」
格闘家「人工呼吸を施してはどうです?」
南方参謀「そうしましょうか。それじゃ戦士くん、来て」
戦士「……?」スタスタ
南方参謀「じゃあ胸のとこ、押して」
戦士「……む、胸?」
南方参謀「早くっ!」
戦士「お、おう」
盗賊「……」
戦士「……」グッグッ
8 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:26:29.52 ID:yRL5+EEIo
盗賊「……」
戦士「……ふん、ふん」ムニィ
南方参謀「何、赤くなってるのよ。仕方ないわねぇ……代わって」
戦士「お、おう……っ」
南方参謀「それじゃ戦士くんは顔の方お願いね」
戦士「えぇと……」
南方参謀「顎を上げて」
戦士「……はい」
南方参謀「鼻をつまんで」
戦士「はい」
南方参謀「口を開いて」
戦士「こ、こうか?」グイッ
南方参謀「それじゃクチを合わせて息を吹き込んで」
戦士「!?」
南方参謀「早くしてっ。それとも誰か代わりの人にやって貰う?」
9 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:27:13.15 ID:yRL5+EEIo
西方参謀「女隊員はんな場合じゃねぇし、他の男になるわなぁ……ヒック」
格闘家「……」
槍侶「くくっ、唇と唇……っ」フラァ
戦士「あーもう! やるって! やりゃいいんだろっ!」
南方参謀「それじゃ早くしてっ!」
戦士「――っ」グイッ
盗賊「…………」
戦士「……っ」フーッ
盗賊「…………ん」
南方参謀「おっ!? いい調子よっ!」
戦士「……ん」
盗賊「――――っ!?」ハッ
戦士「!!」
盗賊「……うっ……ごほぉ!!」
戦士「あ……っ 」
10 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/21(土) 23:27:42.16 ID:yRL5+EEIo
盗賊「げほげほっ!! ごほ……っ!!」
戦士「盗賊っ!!」
盗賊「ななっ、何を……けほけほっ」
戦士「違う! 人工呼吸!」
男隊員「何が違うんだよ」
盗賊「……ここは」
戦士「船の上だ。帰りのな」
盗賊「……そうか」
戦士「盗賊、分かってると思うが……藤蔵の連中は……」
盗賊「……うん。旅立っていったよ」
戦士「……?」
盗賊「久々に5人で……酒を飲みなが……っら、談義するって……さ」
戦士「そっか……」
盗賊「……帰ろう。召喚士や魔道士達も心配だ」
戦士「そうだな。ま、あいつらなら大丈夫だろうけどな」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/21(土) 23:58:17.99 ID:mQfKtGPDO
新スレ乙!
夫人と契り!夫人と契り!
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/22(日) 00:50:49.10 ID:6WphL3wV0
>>1
おつ
いつもあり!
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 00:56:29.42 ID:ZWLZ/AnDO
>>1
乙!
新スレおめでとうございます
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 00:58:47.98 ID:qkLPYrCSO
>>1
おつおつ!
これで残すはベルゼブブとサタンだけか…
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 01:17:35.57 ID:qmnxrAeDO
そーいえばサタンまでに天才死ぬんだよな…
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/22(日) 01:32:46.94 ID:TP5KnpFAO
>>1
おつ
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 02:32:13.15 ID:KpjfulSIO
だ〜か〜ら〜、なぞの順位表に
>>1
のランクが抜けておると〜!!!
少しは育ったか〜?www
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
:2012/01/22(日) 02:39:42.43 ID:eFTzBuXoo
またホモスレじゃないですか!(驚愕)
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/22(日) 04:37:16.21 ID:C7GJODdj0
>>1
おつんつん
夫人と契約するシーンも、、、、あるよね?
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 11:23:00.60 ID:iC6P8Tgyo
夫人との契りwktk
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/22(日) 11:32:52.34 ID:A72RJ8YOo
師匠…
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/22(日) 12:33:10.86 ID:eFTzBuXoo
師匠死んどけよ
もう朱雀も解禁したようなもんだし
あとは他属性の四神を召喚できるようにするだけ
これ以上インフレしたらどんな魔王もゴミ屑になっちまう
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/01/22(日) 12:50:57.38 ID:OeZz5pQKo
あっちでやってくれ
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 14:15:41.70 ID:XoGzwcgDO
クライマックスだからある程度の雑談はあるだろうし
>>1
も喜ぶだろうが…程々にしないと荒れる元になりかねないから
これ以上は向こうの雑談スレでやっったらどうでしょうか?
>>1
乙です。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 14:52:02.40 ID:IMXLLgKDO
>>1
乙
賛成
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 18:05:16.18 ID:ODmyZ4aO0
分かりきった事を煽るように自治しちゃうもしもしちゃんと賛成としか書かないで駄レスしちゃったもしもしちゃん可愛い
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 18:15:50.78 ID:itxqF8Hs0
もう終わりが見えてきたな…いちおつ、いつも楽しみにしています!
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/22(日) 18:24:08.95 ID:sJIC1AWq0
未だにもしもし煽っちゃう
>>26
たんかわええよ
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/22(日) 18:27:24.26 ID:hd05thEEo
もうどっちでやろうがいいだろいつまでやるつもりなんだよ
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/22(日) 21:50:04.61 ID:vD8A/9H8o
続くといいな。このニヤニヤ。
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/22(日) 22:57:56.02 ID:FUC93DxAO
とりあえず
夫人と召喚士の契りは魔道士ちゃん同伴だよね?
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/01/22(日) 23:05:53.82 ID:AMrNbZX6o
…憑依(ボソッ)
33 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:33:01.96 ID:15TBM9avo
〜???〜
フワッ……スタッ
夫人「……?」
山本「お前さんも、何だかんだ言って優しいのぉ」
夫人「別にぃ。召喚士に死なれては何かと困るからのぅ」
山本「ほっほ。ま、そういう事にしておくかのう」
夫人「何が言いたいのかしら、このジジイ」
山本「神野悪五郎は倒した。倒したとは言っても、この世界から消えただけじゃ」
夫人「そうね。属性が四つしかなかったからの」
山本「満月の夜、訪ねてくるのは召喚士だけではなさそうじゃのぉ」
夫人「そうねぇ。でもまぁ、丁度良いんじゃない?」
山本「面倒を起こすと、他の連中に睨まれるぞ?」
夫人「野放しには出来ないでしょう? そのくらい許してくれるわよぉ」
山本「乱れるくらいなら其の方が早いやもしれんの」
夫人「そういう事じゃ♪ ともかく、召喚士が来てくれねば何ともならぬからのぅ……ふふっ♪」
34 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:33:51.76 ID:15TBM9avo
死者こそ出なかったものの、激しい戦いの直後という事もあり、
都を目指す岐路の中、一同の足取りは大変重いものであった。
時刻は既に夕方を回り、寺の鐘が静かに鳴り響く。
ゴオオオオォォォォン
冬の空は赤みを増す時間も短く、瞬く間に再び、闇へと姿を変える。
特に会話はない。張り詰めた緊張もない。今はただ、いち早く都を目指すのみである。
北での結果など当然知る由もない。だが、敗北したとも思ってはいない。
木枯らしが枯葉を舞い上がらせてはまた地面へと落とし、ただ繰り返す。
葉は舞っては落ち、華は咲いては枯れ、人は生まれては死んでゆく。
それは妖や魔物とて同じ事である。万物の理とは生を得て、即ち死す。
かつて、古来の者はこんな言葉を残している。
祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色。盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず。ただ春の世の夢のごとし。
たけき者も遂には滅びぬ。偏に風の前の塵に同じ。
35 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:36:16.16 ID:15TBM9avo
〜都〜
帝「……ようやく戻ってきたな」パッカパッカ
名代「ご苦労様でした、上様」
帝「私など何もしてはおらぬさ。此度の戦いは皆の働きがあっての事」
魔道士「そういえば上様の刀、どうして神野悪五郎は嫌っていたのでしょう?」
帝「確かにそうであろうな。不思議であった」
召喚士「考えてたんですけど、おそらく……ヤマタノオロチを斬ったからではないでしょうか」
名代「ヤマタノオロチを……?」
召喚士「奴は龍脈を利用した結界を嫌っていました」
東方司令「そういえばそうだったな」
召喚士「何かヤマタノオロチを斬った事で、聖行に近いものを付加したのではないかと」
女剣士「聖なる力……」
召喚士「いや、憶測ですが……でも、それほど的外れではないかと思います」
帝「成程。合点はいくな」
魔道士「なるほどですねぇ〜」
36 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:36:41.48 ID:15TBM9avo
…
パッカパッカパッカ
くの一「このまま城へ向かって大丈夫なのですか?」
名代「この人数ですし、上様と私の顔が気付かれなくば混乱もないでしょう」
帝「それにこの汚れじゃ。とても私などとは気付かぬまい」
名代「大通りは避けて、西門から入城致しましょう」
ドドッドドッドドッ……
召喚士「……?」
女剣士「早馬ですね。もしかしてっ、北の戦況報告!?」
帝「城へ向かっておる。そのようだな。我らも急ぐとしよう」
魔道士「何か……あったんでしょうか?」
帝「此方は隠密行動だが、あちらは頻繁に伝令を出しているだろうからな」
名代「にしても、早馬とは何かしらの報せがあったのやもしれませぬ」
東方司令「ともかく、聞いてみない事には分かりませぬな」
帝「……うむ」
37 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:37:12.79 ID:15TBM9avo
〜帝の城、西門〜
下忍「……?」
ザッザッザッ
名代「藤蔵の方ですかな。私は名代と申します」
下忍「名代殿であられたかっ。これはこれは。五忍が不在につき、失礼致しました」
名代「事情は分かっておりますゆえ、こちらこそ助かりまする」
下忍「ささっ、どうぞ」
テクテクテクテク
帝「火忍や土忍が居らぬというのは、何やら不思議なものだな」
名代「左様ですね。居る事が最早、当たり前のような感覚でしたからね」
帝「それももう終わる。妖などが襲ってくる事もなくなるであろうからな」
名代「ええ。大橋の鬼丸も同様。彼らには自由に生きて貰いたいものです」
帝「今まで苦労を務めて貰ったからの。多数の褒美と共に務めも終わりだ」
名代「鬼丸も今や人間と違いありませぬ。屋敷など与えて、人の世を楽しんで貰えれば……」
帝「ふふっ。楽しみだな。春には桜など見ながら、皆で楽しく宴を催したいな」
38 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:37:39.21 ID:15TBM9avo
…
家老「今……何と申した……」
伝令「北の戦線は熾烈を極め、外部の兵だけでも20名以上の死者が」
名代「魔王はどうなったのです!?」
伝令「分かりませんっ。未だ交戦中との噂もありますし、それに……」
名代「それに?」
伝令「一部では……隊長殿が戦死したとの噂も……っ」
召喚士「えっ!?」
魔道士「……せ、戦死って……隊長さんが……っ」
帝「馬鹿を申すな。貴様の仕事は何だ」
伝令「で、伝令に御座いまする……っ」
帝「それであれば、不確かな情報を伝えてどうするかっ!」
伝令「ご、ごもっともにて……っ!」
帝「もっと確かな情報を集め、いち早く此処へ届けるのだっ。良いな!」
伝令「ははぁ!!」ザザッ
39 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:38:28.41 ID:15TBM9avo
魔道士「し、召喚士さんっ。さっきの人……隊長が……って」
召喚士「……上様の言われた通り、不明瞭な情報です。そんなはずはありませんよ」
東方司令「そうだ。特遊の隊長が死ぬなどと、有り得ぬ話だな」
名代「同意権ですね。あれほどの強者が死ぬなどと……それが例え魔王であろうと……」
帝「考えにくい……いや、考えたくもない話だな」
召喚士「……っ」
ダダダダダッ ガタッ
家老「何事じゃっ! 騒がしいぞ!」
旗本「――っ」バンッ
名代「旗本殿?」
旗本「……港に……船が」
召喚士「船……って、まさか……っ!」
帝「急ぎ、出迎えに参ろうぞ!」
魔道士「はいっ!!」
ダダッ!!
40 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:39:00.38 ID:15TBM9avo
…
足軽「負傷者は!?」
国軍兵「こっちっす! 応急処置はしたが、早く手当てを!」
僧兵「もうすぐだっ、もうすぐだぞ!」
魔道兵「……ぐ……ぅ」
タッタッタッタッ ザザッ
召喚士「!?」
魔道士「……っ」
女剣士「……ひ、酷いものだな」
帝「皆、無事なのか?」
魔道士「あっ! 盗賊さん!」
テクテクテク
盗賊「魔道士……召喚士……っ」
召喚士「盗賊さんっ、戦士!」
戦士「……おう。無事みたいで何よりだ」
41 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:40:05.11 ID:15TBM9avo
召喚士「そっちは!? みんな無事……」
盗賊「……ふ……っうぅ」
魔道士「盗賊さん……?」
ガバッ!! ギュウウゥゥ
魔道士「盗賊さんっ!?」
盗賊「ふっ、ううぅぅ……!!」ボロボロボロッ
召喚士「ど、どうし――」
戦士「緊張の糸が切れたんだろうな。お前らが無事でさ」
召喚士「えっ? いや、そうだけどどういう事……?」
青年兵「魔王マーラは、完全消滅致しました」ザッザッ
召喚士「青年兵くんっ!」
青年兵「しかし……代償に……」
召喚士「……?」
青年兵「その代償に……藤蔵の4人と鬼丸が……犠牲となりました」
召喚士「――――っ!!」
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/22(日) 23:55:11.00 ID:15TBM9avo
明日こそか必ずや…
本日ここまでにて!多数のご支援ありがとございました!
今回からかぎまとめ様をテンプレの加えましたよ
ななばつ様と共にほんと御世話になっておりますですよ
それではおやすみなさい!また明日!ノシ
〜オマケ〜
チュンチュンチュン
剣士「ふあぁ……。流石にこの時期は朝も寒いなぁ」
弓使い「おっはよー。ん〜いい朝ねぇ」
剣士「おはよう。何だか皆が世界の為に戦っているのに申し訳ないよね」
弓使い「もうじきしたら北での最終決戦でしょ? もちろん行くつもりなのよね?」
剣士「勿論さ」
弓使い「だったら今だけでも、いいんじゃない?」
剣士「そうだよね」
弓使い「ついでにこれ、干しておいてねぇ〜」ドサッ
剣士「はいはいっ。よっこいしょ……」
パサッ ヒラヒラヒラ
剣士「こ、この……ブラは……」ゴクッ
幼女「お父さ〜ん! 朝ご飯出来るよ〜」
剣士「お、大きくなったなぁ……ははっ」
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/01/23(月) 00:08:03.55 ID:Al2trzxTo
…何が大きゅうなったのか言うてみい
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 00:15:00.80 ID:3MX3wJNso
>>1
乙!
謎の順位表は更新されたばかりなのに、幼女ちゃんが早速ランクアップ…か?
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/23(月) 00:22:33.06 ID:aFLZO7f2o
>>1
乙
青年兵、隊長忘れんなよ
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 00:29:37.19 ID:3MX3wJNso
>>45
隊長は、夜行と戦ってたからうっかり忘れてたんだよ。
西方で死んでたから言わなかったなんて事は無いはず。
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/23(月) 01:08:31.71 ID:OT0FktEAO
>>1
おつ
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/23(月) 01:58:39.96 ID:9zNBxO5n0
いちおつ
隊長と夜行は決着がつく前に落石があったからなぁ…
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 06:06:44.19 ID:0obVeo1DO
元旦の暇つぶしに読み始めたつもりなのに、3週間かけてようやくおいついた
どれだけ長いんだよこの物語は……
リアルタイム更新楽しみにしてます
いちおつ
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/23(月) 07:24:29.14 ID:cP598zeRo
元
ど
リ
い
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 10:00:35.49 ID:h5LhEIzDO
やっと追いついた
い ち お つッ!!
格闘家大好きだからパワーアップはうれしいな、FF零式のエイトのイメージ
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 14:41:59.43 ID:QgkkoYaH0
いちおつ
もう36かぁ…
エイトは魔法も強いだろ
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 16:33:17.88 ID:k3f/NWwDO
まぁDQ8でいうならヤンガスだな
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:36:59.10 ID:KrMb1W/io
青年兵「彼らと鬼丸は五行を……いや、更にその上の……」
戦士「影忍を加えた五行を撃って……全員、消えちまったよ」
召喚士「今……何て……五行を? 消えた……っ?」
青年兵「それから……隊長が……」
男隊員「死んだよ」ザッザッ
召喚士「……っ」
女隊員「隊長は……私達を助ける為に……っ」
格闘家「……くっ」
召喚士「隊長が……本当に……」
盗賊「ふっぐ……ぅ、うぅ……うっ!」
魔道士「……っ」ギュッ
青年兵「召喚士さん、ちょっと……宜しいですか?」
召喚士「……うん……っ」
戦士「俺は魔道士と一緒に、盗賊を休ませてくる」
召喚士「うん、お願い……っ」
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:37:30.48 ID:KrMb1W/io
…
召喚士「……隊長は……死んでいた……?」
青年兵「はい。おそらくですが、イブリース戦の際に」
召喚士「どういう事!? 死んでいたって……生きてたじゃん!!」
青年兵「生きていたけれど、既に死んでいたんです」
召喚士「……ごめん……全く理解が出来ない……っ」
青年兵「イブリース戦の際に、隊長はネクロマンサーと交戦したと聞きました」
召喚士「……っ!!」
青年兵「つまりは、そういう事かと……」
召喚士「……隊長はどっちだった?」
青年兵「えっ?」
召喚士「ネクロマンサーの人形には2種類ある! 隊長はどっちだった!?」
青年兵「わ、分かりません……っ」
召喚士「もし本体でないなら影忍さんと同じ、北の魔王城に本体があるはずだ」
青年兵「……なるほど」
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:37:58.80 ID:KrMb1W/io
召喚士「もし本体ならば、五行でない限り……死ぬ事はないはず」
青年兵「!?」
召喚士「大ダメージならば肉体を負傷するかもしれないけれど、不死だからね」
青年兵「もしそうであれば……隊長は……」
召喚士「生きている可能性もある。いや、でも何故……操られていて自我を……?」
青年兵「それなんです。だからこそ僕らも全く、気付かなかったわけで……」
召喚士「ネクロマンサーが失敗したのか? それとも何か……別の目的が……」
青年兵「今となっては分からずじまいですね」
召喚士「……いや、もしかしたらまだ奴は、何か企んでいるのかもしれない」
青年兵「!?」
召喚士「戦後処理の際に、隊長の捜索を行った方がいいかもしれないね」
青年兵「なるほど。そう致しましょう」
国軍兵「青年兵様っ、宜しいですか?」タッタッタッ
青年兵「今行く。すみません、それではまた後ほど」
召喚士「うん」
57 :
忘れてたぁ…
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:38:40.96 ID:KrMb1W/io
〜大広間〜
帝「…………」
東方参謀「マーラは消滅致したが、ご報告の通り……被害は大きく」
名代「藤蔵の忍が……全滅とは……っ」
盗賊「……」
魔道士「盗賊さん……っ、少し休んだ方が……」
盗賊「大丈夫。辛いのは皆も同じ事だ」
魔道士「……っ」
名代「鬼丸……までもが……」
戦士「……すんません!!」バッ!!
名代「……?」
戦士「俺が……俺が不甲斐ないばかりに……っ!」
名代「戦士殿。おやめ下され」
戦士「鬼丸を殺したも同然です……! 俺が鬼丸を……」
名代「自身を責めるのはおやめ下され。私とて同罪、誰の責任でもありません」
58 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:39:10.53 ID:KrMb1W/io
西方参謀「其方の、神野悪五郎は……」
帝「倒した。召喚士や皆の働きによってな」
南方参謀「これで、東方の魔物は倒したわけですよね……?」
名代「そういう事になりますね。残るは北の城近辺の内乱のみ」
旗本「其方もじきに制圧するでしょう。藤蔵のお陰でかなりが内応しております」
名代「無駄な血を流さずに済めば、それに越した事はありませんね」
帝「これで残るは本国北方の魔王軍のみであるな」
東方参謀「既に本国では北への進軍を開始しております。近いうちには開戦となるはず」
帝「我ら東方の兵も、すぐに手筈を整えよう」
西方参謀「いやしかし、東方では戦い直後。そんな急には……」
帝「案ずるな。ある程度の準備は出来ておるし、参戦せぬわけにはいかぬであろう」
名代「左様。これだけ世話になりながら、本戦に兵を出さぬなど恥です」
東方司令「あまり無理はなさらぬよう。臨機応変に出兵して頂ければ結構です」
帝「心遣い、痛み入る」
名代「細かな報告と処理は私を筆頭に行う。他の者は、まずはゆっくりと疲れを癒して下され」
59 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:39:37.21 ID:KrMb1W/io
…
テクテクテク……
盗賊「ここで大丈夫」
魔道士「でも……っ」
盗賊「魔道士も疲れただろう? 今日は1人でいいから」
魔道士「盗賊さん……」
盗賊「それじゃ、おやすみ」テクテク
魔道士「……おやすみなさい」
盗賊「……」
テクテクテクテク
盗賊「……?」
帝「……盗賊か」
盗賊「う、上様。このような所で如何なさいました?」
帝「ここは、西門がよく見えるからの」
盗賊「……はい」
60 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:40:04.79 ID:KrMb1W/io
帝「お主もそれで来たのであろう?」
盗賊「お見通しですね。その通りです」
帝「……すまぬ」
盗賊「!?」
帝「恨むのであれば、誰でもなくこの私を恨んでくれ」
盗賊「上様っ!?」
帝「どうか、他の者らに罪はない。許して欲しい……この……私をっ」ポロポロ
盗賊「う、上様っ!」
帝「盗賊……近こう寄れぇ」ポロポロポロ
盗賊「は、ははぁっ!!」ササッ
帝「……」ギュウゥ
盗賊「――!?」
帝「すまぬ……すまぬっ! しばしの間……胸を……貸してくれ」ポロポロポロ
盗賊「上様……っ」ギュッ
帝「私は……弱いな。一国の主として本当に情けない……」
61 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:40:37.55 ID:KrMb1W/io
盗賊「そんな事は御座いませぬ。上様はご立派であられます」
帝「世辞はよせ……今とてほれ、涙が止まらぬ。震えが止まらぬのじゃ……っ」
盗賊「世辞などでは御座りませぬ。上様は若くして一国の長とし、立派に務めておられますっ」
帝「私は……盗賊らのように強くはない。それが情けないのじゃ……っ」ポロポロ
盗賊「強さなどというものは、人それぞれで御座います」
帝「……うぐぅ」ボロボロボロ
盗賊「上様の強さは、人を思いやる気持ちと透き通った心」
帝「ふ……っふぇ……ぐぅ!」ボロボロ
盗賊「上様は東方を動かし、東方を守っておられる」
盗賊「……っぐ」
盗賊「私達の強さは、そんな上様を守る為にあるのです。上様は東方そのものなのです」
帝「ふえぇ……っ」ボロボロボロ
盗賊「藤蔵の皆や鬼丸も、思いはきっと同じです。だから泣いてはなりませぬ」
帝「わ、分かってる……っ。分かっておるが……涙が……止まらぬのじゃ……っ」
盗賊「……っ」
62 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:41:06.21 ID:KrMb1W/io
…
青年兵「本国への伝令は?」
国軍兵「既に手配完了致しました」
青年兵「ご苦労様。負傷した兵を明日、1番艦にて本国へ先行させよ」
国軍兵「了解であります」
青年兵「2番艦はいつでも出航出来るようメンテナンスを」
国軍兵「3番艦はいかが致します? 若干、損傷がみられますが……」
青年兵「東方の許可を得た上で修理にかかれ。その後は東方にて待機させる」
国軍兵「ははっ!!」
西方参謀「こっちの調子はどうだい? ヒック」スタスタ
青年兵「お疲れ様です。順調……と言っていいのか分かりませんが」
西方参謀「ハハッ。順調でなくば困る。指揮官ってのは先を見てるモンだぜ?」
青年兵「……ええ」
西方参謀「戦後処理にはいつ出るんだ?」
青年兵「可能であれば、明日にでも向かいたいと考えております」
63 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:41:39.22 ID:KrMb1W/io
西方参謀「明日とはまた急な話だな」
青年兵「少し気になる事が」
西方参謀「……隊長か」
青年兵「……流石ですね」
西方参謀「手数があるならいいけどよ。せわしいと後で綻びが出たりするモンだぜ……ヒック」
青年兵「はい。でも、その為の参謀役ではないですか?」
西方参謀「ブッハハハ! 言ってくれやがるぜ……ヒック」
青年兵「それに、次の戦いが控えておりますから」
西方参謀「それもそうだわな。本国の連中は来週にも開戦に踏み切りたい意向だ」
青年兵「そのようですね」
西方参謀「あとは大将待ちだとよ」
青年兵「……?」
西方参謀「どこぞの総司令がトンズラしやがったからなぁ」
青年兵「!?」
西方参謀「ガハハハッ! 20年振りに復活だよ。青年兵大元帥さんよ……ヒック」
64 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:42:06.93 ID:KrMb1W/io
〜大橋〜
ザアアァァァァ
戦士「…………」
女性「最近、大橋の怪僧を見ないわねぇ」
おばさん「ありゃ不気味だったからねぇ。夜なんかは怖いもんだよぉ」
女性「そうねぇ。でも、居ないとそれはそれで、何だか寂しいものだけれど」
おばさん「夜中に抜け出そうとする子供達を止めてくれたり、何だかんだいい奴なのかもねぇ」スタスタ
戦士「……」
召喚士「鬼丸、立派に橋の守り役を務めてたんだよね」スタスタスタ
戦士「召喚士……」
召喚士「鬼丸は死んでなんかいないよ、きっと」
戦士「……」
召喚士「だって鬼丸は妖なんだ。いまはこの地上から居なくなっただけなんだ」
戦士「……お前」
召喚士「約束する。マーマンさんと一緒に、鬼丸だって絶対に召喚してみせるから!」
65 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:42:33.79 ID:KrMb1W/io
戦士「……そうか、そうだよな。お前がいてくれりゃあ鬼丸だって」
召喚士「うんっ。だから悲しむ必要なんてないよ。いつか必ず……会えるから」
戦士「……ああ、そうだな」
名代「召喚士殿ならば、きっと成し得る事が出来るでしょう」ザッザッ
召喚士「名代さん」
名代「鬼丸に、と思いまして」チャプッ
戦士「名代さん。こいつを」チャキッ
名代「これは……鬼丸国綱!?」
戦士「鬼の籠手は託されたが、コイツは託されてねぇ。奉納してくれ」
名代「宜しいのですか……?」
戦士「鬼丸だけじゃねぇ。武士さんの魂も宿ってる。今の俺には……重すぎて振れねぇよ」
名代「……左様ですか。それならば、そうさせて頂きましょう」カチャッ
召喚士「酒は、ここから川に撒こうか」
名代「それが良いでしょう。さ、戦士殿」チャポッ
戦士「……あばよ、鬼丸」
66 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:43:01.09 ID:KrMb1W/io
〜次の日〜
ドドッドドッドドッ
城主「開門願おうーっ! 開門っ、開門ーっ!」
ギッイイイイィィィィ……
御館様「……」ザザッ
家老「ご苦労であった。大事ないか?」
御館様「うむ。魔王討伐の報を受けて、内乱も収束へと向かっておる」
家老「左様か」
御館様「思わぬ時間がかかって、到着が遅くなった。して、上様は?」
家老「天守にてお待ちだ。参られい」
ザッザッザッ
家老「上様、藤蔵の御館と城主が参られましたぞ」
帝「……うむ」
御館様「上様、ご無事で何より」
帝「……そなたも」
67 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:43:39.04 ID:KrMb1W/io
家老「まずは北の戦況報告を……」
帝「構わぬ。大事無いと既に聞いておる」
城主「はっ。賊徒など含め、既にほとんどは潰走、若しくは降伏致しておりまする」
帝「ご苦労であった」
城主「ははっ」ザザッ
帝「御館、既に伺っておるな?」
御館様「……伺っておりまする」
帝「……済まぬ」
御館様「勿体なきお言葉。あやつ等も覚悟の上での事」
帝「……」
御館様「武士道。意味はお分かりかな?」
帝「武士道……難しいな」
御館様「藤蔵では、武士道なる言葉は使いませぬが、このように解釈致しておりまする」
帝「……」
御館様「命を惜しんで守るべき者を亡くすくらいであれば、喜んでその命、差し出そうと」
68 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:44:06.92 ID:KrMb1W/io
帝「……」
御館様「ただ死ねば良い、というものではありませぬ。如何にして死すべきか」
帝「……」
御館様「己の最後さえ華々しく散る。それこそが武士道」
帝「やはり……難しいものだ……」
御館様「あやつ等は魔王を道連れに命を落とした」
帝「……うむ」
御館様「魔王させ倒せば、もはやこの東方に、武士など不要で御座ろう」
帝「……そうだな。これからは争いなどない、平和な時代が訪れるであろうな」
御館様「乱世に生きる藤蔵が、治世に生きる事はありませぬ」
帝「……」
御館様「あやつ等は乱世そのもの。己が命を以ってして、乱世を終えたのです」
帝「武士道とは……」
御館様「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」
帝「……難しくて、深くて、そして……儚いものだな」
69 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:44:41.68 ID:KrMb1W/io
…
ザッザッザッ
御館様「……」
盗賊「……」
御館様「任務、ご苦労であった」
盗賊「父様……っ」
御館様「酷い顔をしておる。しっかりせぬか、たわけが」
盗賊「……申し訳御座いませぬ……っ」
御館様「最後は見届けたのか?」
盗賊「……はい」
御館様「ならば良い。あやつ等も成仏出来たであろう」
盗賊「……っ」
御館様「奥義書は?」
盗賊「……ここに」スッ
御館様「良い。お前が持っておれ」
70 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:45:08.99 ID:KrMb1W/io
盗賊「私には……」
御館様「まだ、戦が終わったわけではなかろう」
盗賊「私には……重すぎます……」
御館様「泣き言を申すな!」
盗賊「!?」
御館様「お前に託されたものだ。盗賊、お前が担わねばならぬのだ」
盗賊「……」
御館様「良いか? 乗り越えられるのは、自分自身しかない。誰も助ける事は出来ぬ」
盗賊「……は……い」
御館様「藤蔵家の血が流れておるお前ならば、あやつ等の力を借りる事が出来よう」
盗賊「……」
御館様「しっかりと務めるのだぞ」スタスタスタ
盗賊「父様……っ」
スタスタスタ……ピタッ
盗賊「……?」
71 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:47:30.82 ID:KrMb1W/io
御館様「すまんな。追い出しておきながら」
盗賊「父様……?」
御館様「もう頼るべきは……お前しかおらんのだ……」
盗賊「!?」
御館様「生きて会う事があらば、晩酌に付き合え」
盗賊「……喜んで……承りまする……っ」
御館様「……」
スタスタスタスタ……
盗賊「……っ」
普段はあれ程、大きく見えた父の背中であったが、今日ばかりは小さく見えた。
盗賊はそんな父の背中を見て、目に涙を浮かべ視界が濡れていたが、
それはまるで、父である御館様の背中が泣いているかのようであった。
後日、藤蔵が守り抜いた西門からは駐屯する忍が居なくなった。
代わりに、西門には名前が名付けられた。都より西の天領へと続く道を守る門。
その門は藤蔵門と呼ばれ、人々に親しまれ続けた。
72 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:48:27.61 ID:KrMb1W/io
…
召喚士「えっ!? 今日……これから?」
青年兵「はい。隊長の件もありますし、次の事を考えれば早い方がいいかと」
召喚士「そっか……」
青年兵「いやいや、皆さんはお疲れでしょうし、休んでいて下さい」
戦士「……いや、俺は行く」
盗賊「私も行きたい」
魔道士「召喚士さん?」
召喚士「俺も行きたい……。でも、満月の夜まで時間が……」
魔道士「あ……っ」
戦士「召喚士はこれから、総本山に行かなきゃいけないんだよな」
召喚士「そうなんだよね」
青年兵「では、召喚士さんは別行動という形で?」
召喚士「ごめん……っ」
青年兵「いえいえ。歴史的瞬間が訪れるかもしれないんですから」
73 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:49:34.67 ID:KrMb1W/io
魔道士「……っ」
盗賊「魔道士はどうする?」
魔道士「私も……盗賊さんや戦士さんと一緒に行きます!」
戦士「いいのか?」
魔道士「はいっ!」
青年兵「では2時間後に港へ。総本山も通りますから、良ければ途中までどうです?」
召喚士「そうだね。槍侶くん達と相談してみるよ」
青年兵「はい。宜しくお願い致します」スタスタスタ
戦士「ついに5属性の召喚獣か……」
盗賊「……いよいよだな」
召喚士「まぁ、うまくいくか分かりませんけど」
戦士「さて、準備してくるか」
盗賊「そうだな」スタスタスタ
魔道士「……召喚士さん」
召喚士「はい?」
74 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:50:06.20 ID:KrMb1W/io
魔道士「ちょっとこっちに」
召喚士「へっ!? は、はい……」
スタスタスタスタ
召喚士「あ、あの……何でしょうか?」
魔道士「おまじないしますから、ちょっと目を瞑ってて下さい」
召喚士「おまじない……ですか?」
魔道士「悪いキツネが憑かないようにっ、おまじないですっ!」
召喚士「へっ? は、はぁ」スッ
魔道士「……ん、もう少しかがんで……そう」
召喚士「……?」
チュッ
召喚士「!?」
魔道士「……はいっ! いいですよっ!」
召喚士「い、今……おまじ……まじ……っ」
魔道士「おまじないですっ! えへへ!」
75 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:50:38.04 ID:KrMb1W/io
…
召喚士「……」ボケー
戦士「……どうしたんだこいつ?」
盗賊「さぁ。ずっとこんな調子だぞ」
戦士「魔道士、何か知ってるか?」
魔道士「さ、さぁ……っ」
盗賊「あれ?」
戦士「西方参謀? あぁ、旅籠に行くのか」
スタスタスタ カラッ
西方参謀「……女将さん、居ますかい?」
女将「はぁい。あらぁ、お帰りなさいませ〜」パタパタパタッ
西方参謀「ただいま帰りましたぜぇ」
女将「大変でしたわねぇ。何か食されます?」
西方参謀「あ、いやいや。宿賃を払いにきたんですわ」
女将「……?」
76 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:51:08.29 ID:KrMb1W/io
西方参謀「戦いは終わっても、仕事は尽きないってね。ガハハッ」
女将「あらまぁ。お忙しい事」
西方参謀「てなわけで、世話んなりましたわ……ヒック」
女将「あら? そういえば……隊長さんは?」
西方参謀「……ああ、アイツなら一足先にいっちまいましたよ! 全く薄情な奴だ! ガハハ!」
女将「そうですかぁ……。なんや、振られてしまいましたなぁ」
西方参謀「男の風上にもおけんヤローですわ。こんなイイ女を残していっちまうなんてね」
女将「……」
西方参謀「ま、あいつが居ないんじゃあ抜け駆けは出来んので、俺も今は失礼しますわ」
女将「……ずっとは待ちませんよ。そう伝えて下さいな」
西方参謀「必ず。きっと……すっ飛んで来るかもしれません」
女将「うふふっ、それじゃあ……気ぃ付けて」ヒラヒラ
スタスタスタ……
西方参謀「……先に逝っちまって……どうすんだよ馬鹿ヤローが」
旅籠を立ち去る西方参謀の背後から、女将のすすり泣く声が残った。
77 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:51:49.33 ID:KrMb1W/io
…
ガクンッ!!
召喚士「!?」ユラユラ
女隊員「あ、目に光が戻ったッス」
戦士「召喚士、大丈夫か?」
召喚士「あれ? えっ!? 船の上……?」
男隊員「何をスッとぼけてんだてめぇは」
青年兵「少し、横になりますか?」
召喚士「い、いやっ! 大丈夫……ですっ」
青年兵「このまま富士の山付近の岸に船を寄せますので、小船で上陸して下さい」
召喚士「うん、ありがとう。助かるよ」
青年兵「まだしばらく時間がかかりますから、もし具合が悪いようでしたらいつでも……」
召喚士「大丈夫! 大丈夫です!」
青年兵「そ、そうですか」
召喚士「ははっ、はははは……っ」
78 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:52:17.17 ID:KrMb1W/io
…
東方参謀「そうだ。もっと気を練るイメージを作り……体内に留めるのだっ!」
格闘家「……」
槍侶「……」
東方参謀「ふぅむ」
召喚士「……?」テクテクテク
東方参謀「こやつら、凄いものであろう」
召喚士「あれ……? 2人とも魔力が……!?」
東方参謀「会得する機会がなかったから身に付かなかっただけで、これ程の力を持っておる」
召喚士「……瞑想しているだけなのに、凄い威圧を感じます」
東方参謀「魔法に頼らず、己の心技体を鍛えた結果だ」
召喚士「なるほど。しっかりとした基礎の上で、魔力が乗れば……」
東方参謀「まぁ無属性と言ったところであろうが、打撃や槍に必然と付加させるわけだ」
召喚士「……ええ」
東方参謀「波動、といった類であろうか。こやつら、もっと強くなるぞ」
79 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:52:43.98 ID:KrMb1W/io
…
召喚士「みんな、どんどん強くなってるなぁ。俺も頑張らないと」スタスタ
戦士「そう思わねぇか?」
女隊員「まぁ言われてみればそうッスね」
召喚士「……?」
魔道士「あ、召喚士さんっ。召喚士さんはどう思います?」
召喚士「えっ?」
戦士「帰りの船で思ったんだけどよ、なんか……遅くねぇか?」
召喚士「遅い? 船が……って事?」
盗賊「いや、全体的にだ。行きと帰り、時間がどうもずれている感じがする」
魔道士「でも言われてみればそうですよね。私達も帰り、随分と時間がかかったし」
召喚士「……確かに。疲労があったとはいえ、都までやけに遠く感じましたよね」
男隊員「船も北風だから、本来は帰りの方が早そうなもんだけどな」
召喚士「……っ」ハッ
魔道士「召喚士さん?」
80 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:53:21.44 ID:KrMb1W/io
召喚士「もしかして……世界が……っ」
戦士「世界? あぁ、何だっけか? 天才が言ってたヤツか?」
召喚士「世界が……繋がった……元通りに……!?」
女隊員「なんの話ッスか?」
召喚士「天才さんの言っていた話です……」
イブリース戦後、西の果てを探索していた時の天才の会話を、召喚士は一同に伝えた。
男隊員「何ぃ!?」
南方参謀「世界が繋がっている……ですって!?」
西方参謀「……いや、確かにそういう捉え方が出来なくもない、ないが……っ」
召喚士「でもそれを裏付ける出来事が、現実に起きています」
青年兵「測量と航海の必要がありますね」
女隊員「な、何だか……ロマンのある話ッスねぇ!!」
魔道士「世界が繋がったなら、東方と西方も簡単に行き来出来るんですよねっ!?」
召喚士「そういう事になりますね」
魔道士「うわぁ〜っ! すごいすご〜い!」
81 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:54:04.52 ID:KrMb1W/io
…
国軍兵「まもなく不死の山付近にさしかかります!」
青年兵「準備は宜しいですか?」
僧兵長「世話になりました」
槍侶「召喚士さん、それでは参りましょうか」
召喚士「ええ。それじゃ、皆さんもお気をつけて」
魔道士「頑張って下さいね……っ!」
戦士「満月は明後日か。無事に終わるといいな」
召喚士「うん」
盗賊「じゃあまた、都で」
召喚士「行ってきます!」
タッ
僧兵「小船で岸まで向かいます。召喚士殿はこちらの船に」
召喚士「お願いします!」
僧兵長「……っと、よし。それでは行こう」
82 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:54:30.33 ID:KrMb1W/io
キィッ……キィッ……キィッ
女隊員「召喚士くん、大丈夫ッスかねぇ」
魔道士「大丈夫ですっ! おまじないしましたから!」
盗賊「おまじない?」
魔道士「はいっ! ふふっ、えへへ!」
戦士「よく分からんがまぁ、大丈夫だろ。戦うわけじゃねぇんだし」
青年兵「こちらはこのまま北へ向かいます」
男隊員「漁師らが居なくて大丈夫なのか?」
青年兵「ご心配なく。最北の塔で合流予定です」
東方参謀「あちらに置いて来た兵らもおるし、心配は無用であろう」
南方参謀「あら、どこ行ってたのよ。探したのよ? 東方司令部、人が少ないんだから」
東方参謀「甲板で稽古を見てやっていたのだ。文句ならば東方司令に言え」
南方参謀「しっかし、おたくの司令は自由人にも程があるわね」
西方参謀「ガハハッ、違いねぇ。気楽なモンだぜ……ヒック」
東方参謀「あれは好き勝手やらせておいた方が良い。どうせデスクワークは出来ん」
83 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:55:12.23 ID:KrMb1W/io
〜帝の城〜
東方司令「ふぇ〜っくし!!」
女剣士「お姉様、大丈夫ですか?」
東方司令「ん。どうせアホヒゲが文句でも言っているんだろ」
女剣士「……?」
東方司令「それよりも、お前の姉の行方……分かったのか?」
女剣士「……いえ。おそらくは本国へ戻ったのではないかと」
東方司令「そうか。ならいずれ、また会う機会もあるかもしれんな」
女剣士「……だと、いいですけどね」
東方司令「兄弟姉妹は、大切にした方がいいぞ」
女剣士「はい。あの時、無理にでも引き止めておけばと後悔しています……っ」
東方司令「居なくなってからでは、伝えたい事も伝えられんからな」
女剣士「はい」
東方司令「ボクは先に本国へ戻って待っている。東方司令部を訪ねるといい」
女剣士「有難う、お姉様」
84 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:55:40.60 ID:KrMb1W/io
〜不死の山〜
槍侶「今日は雪が止んでおりますね。これならば比較的、楽に登れそうです」
僧兵長「そうだな。先の戦に比べれば、不死の登山など楽に思えてしまうな」
召喚士「……ええ」
僧兵長「では、防寒具は身に付けたな? 参るぞ」
ザッザッザッ
召喚士「そういえば1つ、お聞きしたかったんですが」
僧兵長「ん?」
召喚士「総本山はいつ頃からあるのですか?」
僧兵長「分からぬ。書物によれば千二百年前頃とも言われているが」
召喚士「そんな昔からですか!?」
僧兵長「建立は東で暴れていた妖を自由にさせぬ為のものであったと聞くが」
召喚士「……なるほど。それだけ歴史ある、由緒正しき場所なのですね」
僧兵長「そうだな。だからこそ我らも、後世に伝え続けねばならぬのだ。なぁ、槍侶よ」
槍侶「その通りですね。総本山の教えも、この……槍も」
85 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:56:09.93 ID:KrMb1W/io
〜船上〜
盗賊「……」
青年兵「盗賊さん、少し、宜しいですか?」
盗賊「……ん」
青年兵「今回の事、藤蔵の皆様については僕が……」
盗賊「予め、予言の話……してくれていたんだろ?」
青年兵「……すみません」
盗賊「伝えてくれていたのであれば、何を謝る必要がある」
青年兵「……っ」
盗賊「予言を知った上での彼らの行動なのだ。何も悪い事はない。むしろ、感謝する」
青年兵「盗賊さん……」
盗賊「結果が分かっていたからこそ、彼らは悔いのない最後を……武士道を遂げる事が出来たのだ」
青年兵「……そうだったら……僕も僅かながら救われます」
盗賊「お前は戦の大将なのだ。大将は過去の非を悔いたりしない。前に進むのみだ」
青年兵「ありがとう……ございますっ」
86 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:56:39.43 ID:KrMb1W/io
〜不死の山、総本山〜
コオオォォォォ……
召喚士「……っと。ふーっ」
僧兵長「深夜になる前になんとか着けたな」
槍侶「開門願おう!」
ゴゴンッ ギイイィィィィ……
僧兵「帰ってきた……。総本山に……」ギュッ
召喚士「それは……?」
僧兵長「戦にて亡くなった者らを火葬した骨だ。この者らも帰ってきたかったであろうからな」
召喚士「……っ」
僧兵長「さぁ、入ろう。今宵はゆっくりと疲れを癒すが良い」
召喚士「お世話になります」
ザッザッザッ
槍侶「大僧正様!」
大僧正「よう戻った。さぁ、此方で暖をとるが良い」
87 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:57:06.72 ID:KrMb1W/io
…
メラメラッ パチッ
大僧正「……そうか。激しい戦いであったな」
僧兵長「同志も少なからず、天へと召されました」
大僧正「悲しき事じゃ。法を説く我らが、いつぞや武器を手に持ち、
世の為と言えど、殺生を行うとは破戒の極みじゃ」
槍侶「しかしそれももう終わります。東方には真の平和が訪れる事でしょう」
大僧正「そうじゃのう。償いはこれからじゃ。これから正しき行いをするのみじゃな」
僧兵長「それが、召されていった者達への供養にもなる事でしょうな」
大僧正「召喚士殿」
召喚士「はい」
大僧正「東方の為によう戦って下さった。総本山からも礼を言わせて頂くぞ」
召喚士「俺1人の力ではありません。総本山や、東方の方々がいてこそのものです」
大僧正「まだ、召喚士殿の戦いは続くのじゃな?」
召喚士「もう少しで終わるとは思いますが、正真正銘、最後の戦いです」
大僧正「うむ。儂も遠方より微力ながら、無事を祈り、唱えさせて頂こうぞ」
88 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:57:32.67 ID:KrMb1W/io
〜次の日〜
召喚士「……ふあぁ」
槍侶「はぁっ!!」シュバッ!!
僧兵「はっ!」バババッ!!
召喚士「……おぉー」
槍侶「召喚士殿、お早うございます!」
召喚士「皆さん早いですね」
槍侶「総本山の起床は日の出前と決まっておりますから!」ニカッ
召喚士「……健康的で……何よりです」
スタスタスタ
召喚士「鍛錬ですか?」
槍侶「はいっ。最終決戦へ向けて、少しでも強くならねばと」
召喚士「えっ!?」
槍侶「召喚士殿は東方の為に戦って下さった。今度は我らがご恩を返す番です!」
召喚士「槍侶くん……っ」
89 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:58:01.53 ID:KrMb1W/io
僧兵長「上様もそのつもりであろうしな」スタスタ
召喚士「あ、おはようございます」
僧兵長「総本山とて護衛も兼ねて、参戦するつもりだ」
召喚士「頼もしい限りです。でも、いいんですか?」
僧兵長「東方だけが平和になっても無意味」
槍侶「その通りです。全ての世界が平和で、平等でなくば意味がありません」
僧兵「それこそ開祖の教えに通ずる精神也!」
召喚士「ありがとうございます」
槍侶「いえいえ。互いに助け合う。それこそ人の力というものです!」
召喚士「仰る通りです。妖や魔物にはない、人間の武器ですよ」
槍侶「ははっ! 如何にも!」
僧兵長「ならばまずは鍛錬はこの辺りにして、朝食の支度と掃除に励めい」
槍侶「うぇ……」
召喚士「あ、俺も手伝いますよ! 互いに助け合い……です!」
槍侶「ありがたいっ!!」ニカッ
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/23(月) 18:59:24.24 ID:KrMb1W/io
結構すっ飛ばしたつもりなのに全然終わらなかったアハハ
とりあえずここまでにて…ご支援ありがとうございましたー!ノシ
>>49
>>51
いらっしゃいませ!追いつきありがとですー!ノシ
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 19:01:25.69 ID:QgkkoYaH0
いちおつ!
召喚士モブのくせにモテ過ぎ。。
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/23(月) 19:03:10.37 ID:a8yNkvIYo
大量虐殺
天才はサタン戦までに死ぬんだからそろそろ死んでもいい頃
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/01/23(月) 19:05:34.19 ID:GTH2T5/Ko
>>1
おつ
御館様…
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/23(月) 19:31:28.60 ID:fRYDfae0o
>>1
乙
ヤバイヤバイヤバイ
物語がだいぶ終わりに近づいてきたと言う実感が急にわいてきた!寂しいな
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/01/23(月) 19:32:13.00 ID:ss7cLMeZo
おつおつ
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 19:36:19.16 ID:rDpU3IxDO
いちおつ
召喚士爆発しなくていいからただただ死んでくれ
キスで魔翌力注入されたんだろか
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/23(月) 19:50:56.83 ID:fRYDfae0o
>>74
いやああああああああああああああおおおおおあああああおああおあおあああ!!!!!!!!!!!!
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 20:19:40.49 ID:uvyRyprDO
>>1
乙!
今回の更新ボリュームが凄いな!!
そして涙腺崩壊ポイントが多すぎてやばかった…
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 20:46:37.22 ID:W2CSp3RSO
なんなんだよ チュッ って!?きっとアレだよな舌打ち的なアレだよな!?くっそぉぉぉぉぉあ!!!
いちおつ
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 21:50:04.50 ID:hwIhq/qw0
>>74
>>74
>>74
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/23(月) 21:57:01.38 ID:fz5G+KdW0
>>1
大量更新乙
無属性の魔翌力…だと…
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/01/23(月) 21:57:25.00 ID:HYyd2/5AO
魔翌力注入か
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 22:40:39.39 ID:ZGqGi6sT0
てか、俺のチンポ男爵いもみたいじゃね?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なwwwwwwwwにwwwwwwwwwwこwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwれwwwwwwwwwwwwwwww
うはwwwwwwwwwwwwオワッタwwwwwwwwwwwwwwww
オワタ…
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 23:08:09.20 ID:h5LhEIzDO
魔導士に本気で嫉妬してるやつ見てキモッ!!とか思ってたけど…
格闘家が死んだら泣くかもしれん(;゚Д゚)
ちなみに今日誕生日
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 23:25:07.94 ID:4R1W5yrCo
一人で祝ってろ
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
[sage]:2012/01/24(火) 00:15:18.08 ID:3ZgxPKcAO
夫人て南東国めちゃくちゃにしたやつだよな?
戦士は夫人を許せるのか
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2012/01/24(火) 00:18:01.58 ID:YAl8TMNoo
>>1
乙
104お呪い申し上げます
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/24(火) 00:18:38.20 ID:YAl8TMNoo
sageわすれたスマン
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/24(火) 00:25:16.47 ID:9J/dbTx7o
ファック
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/24(火) 01:24:41.57 ID:032nfP4AO
>>1
おつ
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/24(火) 09:02:10.23 ID:nRYJV3fAO
魔道士ちゃん
加減が出来なくなって先手を打ったかww
真っ直ぐで愛らしいなぁ
それでも召喚士は五行召喚失敗して消滅すれば良いのに
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/01/24(火) 09:58:34.93 ID:DYMaTeLpo
魔導士ちゃんが・・・くそ・・・
今なら一人で6行撃てる自信ある・・・
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 10:13:54.43 ID:xnR9GDUJo
俺のこの怒りの100万パワーで魔王程度なら一人の土行で封印できるわ
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 11:53:27.81 ID:rmoo4NfIO
>>1
乙。
もうすぐ九尾たーんという事で、この曲おいて来ますね。
http://www.youtube.com/watch?v
115 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 18:49:24.39 ID:GbZgvQYNo
〜最北の塔〜
国軍兵「もっとゆっくりぃ〜! 岩壁にぶつかるぞぉ!」
南方参謀「乱暴ねぇ」
東方参謀「慣れる土地での航海だ。仕方あるまい」
国軍兵「いいぞいいぞっ、そのまま……よぉーし!」
ゴゴオオオオォォォォン
青年兵「ここで漁師さん達を乗せ、見張りの交代を済ませます」
戦士「おうっ」
ゾロゾロゾロ
漁師「お嬢ちゃん! 無事だったかい!」
盗賊「うん、おかげさまで。2人も無事で良かった」
老人「本当に妖を倒してくれたんじゃなぁ。ありがとうよ」
盗賊「私だけの力じゃないよ。ここにいる、みんなの力」
老人「これでようやっと……普通の生活を送る事が出来るわい」
漁師「そうだなぁ。子供達もめいっぱい、遊べるようになるなぁ」
116 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 19:05:32.16 ID:GbZgvQYNo
…
ザザーン
格闘家「まもなくですね」
青年兵「ええ。まずは城へ入る事が出来るのかどうかです」
男隊員「確かにな。脱出の際は無我夢中だったが、水没しちまった可能性もあるもんな」
西方参謀「……おっと、見えてきたぜ」
青年兵「どうです?」
国軍兵「えぇと……っ、城が見えますね」
青年兵「!?」
東方参謀「どれ。望遠鏡を貸してみよ」パシッ
南方参謀「どう?」
東方参謀「確かに城がある……。どういう事だ? 城が……浮上したというのか!?」
戦士「な、何が起きてんだ?」
青年兵「分かりません。とにかく、船を近くまで進めましょう」
国軍兵「了解です!」
117 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 19:06:45.55 ID:GbZgvQYNo
…
ザザーン
盗賊「ほ、本当だ……」
戦士「城が浮上してやがる……っ!」
魔道士「この前は、なかったんですか?」
女隊員「城は湖の中に沈んでたんスよ」
南方参謀「どういう事!? 水が流れ込んで、押し上げられたって事かしら……?」
東方参謀「そうであろうな。だが、少し違うだろう。これが元ある形なのではないか?」
西方参謀「なーるほど。今までは魔王の力で湖の水が外に流れ出して……」
青年兵「城が意図的に、湖の底に沈んでいた……っ」
戦士「んな事して意味あんのか?」
男隊員「例えば、拠点を隠すとか、そういう意味合いでは効果的だろ」
魔道士「そういえば、ヤマタノオロチも地下にいましたしね」
盗賊「慎重だったという事か?」
青年兵「それもあるでしょう。だが隠す必要があった。誰に? 人間に対してなのか……?」
118 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 19:07:16.05 ID:GbZgvQYNo
ザザーン
国軍兵「ここまでが限界ですか?」
漁師「俺の見立てではねっ。これ以上はこの船と言えど、流れがきつい」
国軍兵「船を寄せられるのはここまでのようです!」
青年兵「十分です。問題ありません」
男隊員「……よし。そんじゃ行くぞ」
青年兵「参謀の皆様はここで待機を。後方支援お願い致します」
西方参謀「了解だ。船はいつでも動かせるようにしておけよぉ……ヒック」
東方参謀「非常食を持ってゆけ。それとロープに照明具だ」
女隊員「いただきまッス!」
南方参謀「衛生兵は下準備を。まだ生存者が居ないとも限らないわっ」
ダッダッダッ
青年兵「それでは処理班、出発致しましょう」
戦士「おう!」
盗賊「……おう」
119 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 19:07:43.92 ID:GbZgvQYNo
…
ザッザッザッザッ……
戦士「確かに言う通りだな」
盗賊「ああ。水が押しては引いて、湖に流れ込んでいる」
魔道士「魔王は水の使い手だったんですか?」
盗賊「いや、そうでもなかったと思う」
男隊員「たぶうアレだろ。バカデカイ水の鉱石でもあんだろ」
戦士「……」
女隊員「そういえば魔王の居る場所には鉱石があるみたいな事、言ってたッスよねぇ」
盗賊「……」
青年兵「そうですね。水を操るのであれば、それでほぼい間違いはないかと」
魔道士「……あの」
盗賊「うん」
戦士「それだ!!」
青年兵「!?」
120 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 19:08:13.88 ID:GbZgvQYNo
男隊員「でけぇ声出すなよっ、うるせーなぁ……」
戦士「水の鉱石……運び出せねぇかな!?」
青年兵「状況にもよりますが、船ですから輸送は問題ないと思いますよ」
格闘家「大きさにもよりますが回収出来れば大きな戦力になりそうですね」
戦士「探す価値はあるな」
魔道士「戦士さんが欲しいだけなんじゃないですか?」
戦士「そりゃ欲しいだろ。あと2つで揃うんだ。ドワーフさんの夢も叶う」
青年兵「……手に入れましょう。多少のリスクは背負ってでも得る価値はあると思います」
男隊員「ヒャハハ! 前司令にも増して冒険的な司令です事」
青年兵「お嫌いですか?」
男隊員「いーえ。大好きです! ヒャハハ!」
女隊員「さーて、まずはお城に再突入ッスよぉ!」
格闘家「地下からの脱出路は水で埋まってしまってますから、門から再びですね」
青年兵「ええ。各々、臨戦態勢のまま突入を」
戦士「了解っ!」
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/24(火) 19:08:55.35 ID:GbZgvQYNo
ちょっと急用が…すみません、またあとで来ます!
少しは書き溜めているのでご安心を!それでは!ノシ
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 19:19:05.76 ID:haBRDpy0o
なんか今回の分は誤字が多いから投下前にチェックおすすめ
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 19:23:52.25 ID:QQea1JyDO
いちおつ
青年兵が大元帥なんとなく嫌なんだよなー
早いっていうか
でも早くなって母親にも会ってほしい
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/24(火) 19:25:04.06 ID:pPnTlW0po
青年兵最近クズっぷりを発揮してるからな
クズじゃないと上の職は務まらない
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/01/24(火) 20:26:01.64 ID:UVHD1aqZo
誤字も愛嬌です
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/01/24(火) 20:56:55.76 ID:LKb05u38o
誤字は仕様だろjk
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage ]:2012/01/24(火) 21:04:04.90 ID:ZAEX1OT7o
誤字は
>>1
の持ち味だろうに
青年兵は最善の一手をよく選んでるよ
そして一乙です
128 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:38:29.58 ID:CuTzSZKTo
〜竜宮城、正門〜
魔道士「これが……マーラの城っ」
格闘家「では、行きます」
ガゴッ ギイイィィィィ……
盗賊「……」キョロキョロ
男隊員「気配はなさそうだな」
魔道士「うわっ、何もないですね……」
青年兵「しばらく進むと階段だけが存在します」
戦士「今思えば、やけに不気味な城だよなぁ」
魔道士「何か目的でもあったんですかね?」
男隊員「さぁな〜。今となっては分かんねーし、どうでもいいよ。ヒャハハ」
青年兵「思ったより明るいな。このまま進みましょう」
魔道士「うわ、天井がボロボロ……」
盗賊「魔王が降ってきたから」
魔道士「えっ!? た、大変でしたね……っ」
129 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:39:14.30 ID:CuTzSZKTo
…
格闘家「駄目ですね。階段は崩れて、塞がれております」
男隊員「どっか他に侵入出来そうなとこはねーかな」
青年兵「こっちの穴はどうでしょう? 下から空気が流れてきていますよ」
女隊員「入り口を少し開けば、いけそうッスね」
男隊員「んじゃ頼む」
女隊員「了解ッス!」グアッ
ドッゴオオオオォォォォン!!
女隊員「どうッスか?」
格闘家「……問題なさそうですね」
戦士「じゃあこっから潜ってみっか」
ゴトッ ザッザッザッ
盗賊「……特に魔物の気配は感じないな」
格闘家「ええ。やはり魔王を含め、今回の戦闘以外に魔物は居なかったようですね」
盗賊「……ああ」
130 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:39:44.87 ID:CuTzSZKTo
…
盗賊「魔道士、手を」
魔道士「すみません……っ」グッ
スタッ
戦士「ここは……マーラと戦闘した場所か」
青年兵「……っ」
ザッザッザッ……
男隊員「この下が、隊長と軍団長が戦った場所だ」
戦士「……夜行か」
青年兵「行きましょう。ロープを」
女隊員「はいッス!」シュルシュルッ
盗賊「魔道士はここで待機しているといい」
魔道士「え、でも……」
男隊員「だな。上にも人は必要だ。司令サマもここで待機しててくれや。ヒャハハ」
青年兵「分かりました。お任せ致します」
131 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:40:16.32 ID:CuTzSZKTo
…
シュルルッ スタッ
格闘家「……」
コオオォォォォ
戦士「……ひでぇモンだな」
男隊員「水は引いてるか。そういや魔物の肉体が崩壊して漏れ出してたよな」
格闘家「ええ。それも今は、引いたようですね」
戦士「隊長……」ザッ
女隊員「この……向こう側ッス」
ゾクッ
盗賊「……な、何だ!?」
戦士「どうした?」
盗賊「よく分からないけど、あまり近づかない方がいい……気がする」
戦士「……?」
盗賊「分からない、分からないんだけど……何か嫌な感じがする……っ」
132 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:40:51.27 ID:CuTzSZKTo
戦士「まさか、魔物が……っ!?」ジャリッ
格闘家「いや、しかし気配は何も感じませんよ」
男隊員「……触らぬ神にってやつだ。嫌な気配ってのを信じるとしようぜ」
魔道士「……っ」
男隊員「ん? 何だそりゃ」
女隊員「隊長に花でも添えようかと思って、持ってきたッス」
戦士「隊長は、そこにゃいねぇよ」
女隊員「えっ?」
戦士「ネクロマンサーにやられたなら、アイツが使い捨てるような真似はしねぇ」
格闘家「また必ず、次の手を考えているはずですね」
戦士「そういう事だ」
女隊員「いいんス。今はこれでいいんスよ……」
戦士「女隊員さん……」
女隊員「……よしっ。それじゃあ行くッスよ! 鉱石探しッス!」
格闘家「そう……致しましょう」
133 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:41:20.89 ID:CuTzSZKTo
〜竜宮城、地下〜
魔道士「皆さん、大丈夫ですかね?」
青年兵「もう魔物はいませんし、個々が一流ですからね」
魔道士「そうですよね。でも、やっぱり心配……」
青年兵「魔道士さんはいつも立派ですね。お気遣いが頼もしいです」
魔道士「え〜っ? 青年兵さんこそ立派ですよっ!」
青年兵「そんな事は……」
魔道士「だって、本国へ戻ったら大元帥なんですよねっ? 凄いじゃないですか〜えへへっ!」
青年兵「……運がよかっただけです」
魔道士「またまた、ご謙遜――」
青年兵「優秀な上司は、皆……死んでいきましたから」
魔道士「……っ」
青年兵「でも、目指していた道ですから。やっと母にも胸を張って報告出来ますよ」
魔道士「きっと喜びますよっ!」
青年兵「だといいですけどね……ははっ」
134 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:41:52.31 ID:CuTzSZKTo
〜不死の山、総本山〜
バシャッ!!
召喚士「ひいぃ〜っ!!」ブルッ
僧兵長「寒いと思うから寒いのだ。、何も考えぬつもりで、精神統一!」
バシャッ!!
槍侶「……っ」
召喚士(流石、槍侶くん……。見事な集中力)
僧兵長「……ん? 何者だ?」
槍侶「……」ピクッ
僧兵長「おぉ、召喚士殿のお仲間の……こ、これ! そんな所で脱ぐでないっ!」
槍侶「――!?」パチッ
僧兵長「未熟者めが」バッシャアアァァ!!
槍侶「冷てっ、ぶあ……っ!!」ブルブルッ
僧兵長「邪な心は戦いにおいても隙を生む。注意せよ」
召喚士・槍侶「は、はいぃ……っ!」
135 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:42:18.15 ID:CuTzSZKTo
〜竜宮城、最下層〜
戦士「そっちはどうだぁ〜?」
盗賊「……駄目だな」
男隊員「ほんとに鉱石なんぞあるのかねぇ……」ゴトッ
女隊員「でも、今までの経験からすると、あるはずなんスよね?」
格闘家「そうですよね」ゴトンッ
戦士「でも今回ばかりは真偽のほどが疑わしいぜ」
男隊員「だいたいよー。こんなバカでかい城中を探すにゃ限界があんぜ」
女隊員「確かにそうッスよねぇ」
格闘家「少なくとも、ここはこれ以上探しても難しそうです」
男隊員「一旦、引き揚げるか」
戦士「そうだなぁ。ま、仕方ねぇか」
盗賊「……」
戦士「盗賊、行くぞ?」
盗賊「……ああ」タッタッタッ
136 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:42:53.95 ID:CuTzSZKTo
…
グイッ スタッ
魔道士「おかえりなさい〜」
戦士「駄目だ。鉱石は見つかりそうもねぇ」
青年兵「やはりそう簡単に見つかるものではないですね」
男隊員「隊長の方はやっぱり駄目だ。本体云々の問題だな」
青年兵「そうですか……」
女隊員「これで一通りは回ったッスかね。どうするッスか?」
青年兵「異常は見られませんし、報告書も問題ないでしょう。引き揚げるとしますか」
格闘家「了解です」
青年兵「それではご苦労様でした。戻りましょう」
魔道士「はいっ!」
戦士「盗賊、気掛かりか?」
盗賊「……いや。まぁ先程も話し合った通り、下手な真似はしない方がいいよ」
戦士「……だな」
137 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:43:25.24 ID:CuTzSZKTo
〜総本山、夜〜
槍侶「案内は本当に宜しいのですか?」
召喚士「ええ。もうこれで3度目ですから。迷う事もないです」
僧兵長「くれぐれも気を付けよ。ご武運を」
召喚士「お世話になりました。それではまた、本国で」
大僧正「召喚士殿、僭越ながら言葉を送らせて頂こうぞ」
召喚士「……はい」
大僧正「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅爲樂」
召喚士「……?」
大僧正「真理を理解するには儂とてまだ到達出来ておらぬ。その必要はない」
召喚士「……」
大僧正「形あるものはいつかやがて滅びる。人であれ花であれ、妖であれ……な」
召喚士「……はい」
大僧正「そして全ての摂理は因果の下に成り立っておる。それを忘れずに、生きてゆくのじゃ」
召喚士「……ありがとうございます」
138 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:43:57.25 ID:CuTzSZKTo
…
ザッザッザッ
召喚士「ここまでで結構ですよ」
槍侶「それでは、行ってらっしゃいませ。召喚士殿ならば必ずや成し遂げるでしょうぞ」
召喚士「ありがとう」
ゴゴンッ ギイイィィィィ……
僧兵長「大僧正の先程の言葉、理解出来たか?」
召喚士「……正直、難しくてなかなか……っ」
僧兵長「であろうな。気にする事はない。我らとて日々、悩んでおるものだ」
召喚士「……はい」
僧兵長「簡単に言えば、召喚士殿の行いが善であれ悪であれ、他者の人生に関わる事柄」
召喚士「……」
僧兵長「だからとて余計な迷いや危惧などせず、真っ直ぐ進めばよい。そういう事だ」
召喚士「なるほど……」
僧兵長「行いの結果など部分的には分かっていても、全容はそう簡単に分かるものではない」
139 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:44:27.44 ID:CuTzSZKTo
召喚士「確かに……そうですよね……」
僧兵長「諸行無常。生あるうちは胸を張って生きてゆけい。召喚士殿」
召喚士「ありがとうございます。心にしっかりと、留めておきます」
ザッ ザッザッザッザッ
召喚士「総本山……流石だなぁ。少し、迷いが晴れた気がする」
ザッッザッザッ
召喚士「さて、と」
シュイイィィィィン
サラマンダー「よっ。今日はやけに明るい顔しとるやん」
召喚士「そう?」
サラマンダー「見覚えあるなここ。あ、またあの変なとこに行くのか」
召喚士「うん。変な所かどうかは分からないけど」
サラマンダー「人間の世界とちゃうからなぁ。俺、入れなかったし」
召喚士「あ、そういえばそうだよね」
サラマンダー「ま、別に入るつもりもないけどな!」
140 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:44:53.97 ID:CuTzSZKTo
…
ザッザッザッ
サラマンダー「お、見えてきたで」
召喚士「今日はクジャタを使うまでもなかったなぁ」
サラマンダー「魔王が死んだからやん?」
召喚士「えっ? そうなの?」
サラマンダー「いや知らんがな」
召喚士「……」
サラマンダー「まーええわ。ほら、行ってきぃ」
召喚士「……行ってきます」
シュイイィィィィン
召喚士「……松明……買おうかな」
ザッザッ……ピタッ
召喚士「さーてと。どうなることやら……っ!!」
バッ!!
141 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:45:25.49 ID:CuTzSZKTo
…
長い濃霧のような景色が続く。明らかに以前来た時とは違う景色。
召喚士「……っ」
何も見えぬまま、召喚士は進める限りをただ真っ直ぐに、進んでいった。
どれほど歩いたか、はたまた僅かな刻であったか、やがて霧は晴れてゆく。
召喚士「……あ……っ」
言うなれば桃源郷。美しい水源を持つ川のせせらぎに、甘い香りを漂わせる桃の木。
色とりどりに敷き詰められた花の絨毯。澄み切った青空に囀る小鳥達。
そこは人間の住む世界ではおそらく見る事も出来ぬ程の絶景であった。
召喚士「す……ご……っ」
目を丸くし、足を止める召喚士の背後から声と気配が近づいてくる。
召喚士「!?」
夫人「待っておったぞぉ〜。召喚士っ♪」ダキッ
召喚士「わああぁぁ!!」
夫人「んふふ♪ 召喚士よ、わらわと離れて寂しかったであろぉ〜?」
142 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:46:03.86 ID:CuTzSZKTo
召喚士「……そ、そうですね……はぁ」
夫人「ほれ、早よう来い来いっ。こっちじゃこっちじゃ♪」
召喚士「な、何です!?」
夫人「わらわと召喚士の寝床じゃっ♪ 召喚士は人間だけど、三日は持つかしらね」
召喚士「――っ!!」
夫人「あっ、こら! 逃げるでないっ!」
召喚士「夫人! 今日は契約をしに来たんだっ!」
夫人「存じておる。だからぁ、契約をするのじゃっ」
召喚士「何の契約だ!」
夫人「わらわの口から言わせる気? んもうっ、召喚士は意外と責め上手じゃの」
召喚士「ちーがーう!!」
夫人「ええい、焦らされてこちらも我慢ならぬっ。さっさとわらわの瞳を見るのじゃっ!」
召喚士「見ない!」
夫人「くっ、そうやってわらわを焦らして……っ、ますます疼いてくる……」
召喚士「とにかくっ! 契約は会話だけで問題ないはずなんだっ!」
143 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:46:46.96 ID:CuTzSZKTo
夫人「……」
召喚士「今までだってそうだったし、それ以上は何も必要な……い……?」
夫人「そうじゃの……。確かに必要ない事じゃ……」
召喚士「……?」
夫人「すまぬな召喚士。わらわ……召喚士が好きなあまり、無茶を言ってしまった」
召喚士「ふ、夫人……っ」
夫人「召喚士……すまぬ。わらわは駄目な女じゃ……」
召喚士「い、いや……っ、分かって貰えればそれで……」
夫人「うぅっ、ふえ……っ、。ひっく……ひっ」
召喚士「夫人!?」
夫人「許して……くれる?」チラッ
召喚士「え、えっと……はい」
夫人「召喚士……ぃ」ウルウル
召喚士「夫人……」
夫人「召喚士……お主は本当に、本当に……馬鹿な奴じゃの」
144 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:47:12.89 ID:CuTzSZKTo
召喚士「――っ!?」
夫人「目を合わせたなっ? うふふふ〜♪」
召喚士「し、しまっ――」トロ-ン
夫人「さぁ、床へ行くのじゃっ♪ うふふっ♪」
召喚士「はい〜」
タァンッ!! スタッ
夫人「はぁ……はぁっ、もう我慢出来ぬ……っ。食べてしまいたいくらい……っ♪」シュルッ
召喚士「……はい」パサッ
夫人「うふふ〜っ♪ 見かけによらず……なかなか引き締まっておるのぅ」
召喚士「……」ボケーッ
夫人「どーれ。頂きますっ♪」チュッ
召喚士「あ……あぁ……っ」ビクビクビクッ
夫人「うふふっ、れろ……っ。もっと……舌を這わせるのじゃっ♪」
ズッドオオオオォォォォン!!
夫人「……ッ?」スタッ
145 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:48:29.82 ID:CuTzSZKTo
――「……ククッ! ハハハッ、ヒャーッハッハッハッハ!!」
夫人「床が壊れた。邪魔をされた。おまけに声は耳に障る。最悪じゃ」
――「その人間……よこせや」
夫人「嫌じゃ。わらわのものじゃっ」ボンッ!!
――「尻尾を出して、ワイとやるつもりかぁ……? 女狐ェ!!」
ドウッ!! ガッシイイイイィィィィ!!
夫人「あら山本さん。ありがとっ♪」
山本「さっさと服を着て、召喚士を正常に戻せ。馬鹿者めがっ」
夫人「はいはい。あーあ、もう少しであったのにのぅ」フッ
召喚士「!?」パチッ
夫人「召喚士、おはようっ。うふふ♪」
召喚士「な、何で俺……裸ぁ!?」
山本「いいから早く服を着ろ。そして手を貸せ」
召喚士「あ、あの……こちらの凛々しい貴人は?」
夫人「山本さんだけど?」
146 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:49:10.86 ID:CuTzSZKTo
召喚士「へ……っ?」
山本「お前が倒してくれたお陰で、老化が戻ったのさ。なぁ……神野悪五郎!」
召喚士「――――っ!?」
神野「まさか、お前から乗り込んで来てくれるとは思わなかったでぇ!!」
召喚士「神野悪五郎っ!!」
神野「ここで会ったが何とやらやァ! ブチ殺したる!」
召喚士「くっ」ズザッ
神野「召喚獣とやらは使えまいッ! 何たって……住む世界が違うからなアアァァ!!」
夫人「山本さん、追い払ってよぉ」
山本「此処で争い事を起こすは御法度。俺をこの阿呆と同列にさせるか?」
神野「ほざくな! 山本五郎左衛門ッ!」
山本「ほれ、麒麟が睨みを利かせておるわ。貴様も退いたらどうだ?」
神野「ワイが……人如きにコケにされて……」
召喚士「……」
神野「黙って退き下がれるかアアァァァァ!!」
147 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:49:45.58 ID:CuTzSZKTo
山本「仕方ない。手立ては一つ。ほれ召喚士よ、服は着たのか?」
召喚士「い、今……着てますっ!」ゴソッ
山本「九尾、貴様がやれ。但し直接ではない。召喚士を通してだ」
夫人「……やれやれ。やっぱりそうなるのよねぇ」
神野「わいはなアアァァァ、神野……シンノアクゴロウ様やアアァァァァ!!」
夫人「召喚士、わらわに命じるが良い。わらわを……仕え」
召喚士「はいっ。行け……っ、夫人!!」
神野「例え禁忌であろうとオオォォォォ!! この身が滅ぼうともオオォォォォ!!」
山本「……終わりだ」
神野「貴様だけはッ、貴様も一緒に……連れていくウウゥゥゥゥ!!」
ゴウッ!!
召喚士「…………?」
スタッ
夫人「ふふっ、ご馳走様っ♪」
召喚士「神野悪五郎が……消えた……?」
148 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:50:21.85 ID:CuTzSZKTo
山本「消えたのではない。消滅したのだ」
召喚士「え……っ?」
夫人「わらわの攻撃、早すぎて見えなかったの。うふふっ♪」
山本「人間界では真の力を発揮出来ぬからな。これが九尾の、真の力だ」
召喚士「……い、一撃……というか、一瞬で……神野悪五郎を……!?」
夫人「召喚士を媒介にしたからじゃっ。わらわのみの力では、ああはいかぬ」
召喚士「……っ」ゴクッ
山本「やれやれ。あの阿呆もついには滅したか。どうしようもない奴だ」
召喚士「あ、あの……神野悪五郎は……っ」
山本「人間界ではお前の四つの属性とやらで姿をけしたであろう?」
召喚士「え、ええ……っ」
山本「その魂は再び此処へ戻り、そして今また破れ、完全に滅した」
召喚士「で、でも……五行がないのに……」
夫人「此処はそういう所じゃ。この世界で死ねば、転生も輪廻もなく……無となる」
召喚士「無……」
149 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:50:59.88 ID:CuTzSZKTo
山本「だからこそ此処での争いは御法度。決して争い事など起こしてはならんのだ」
召喚士「そ、そういえば……先程言っていたキリン、というのは……」
夫人「この世界で一番偉い妖よん」
召喚士「!?」
山本「姿は滅多に見せぬ。ましてや現世での使役など、不可能であろうな」
召喚士「キリン……っ」
山本「いやはや、ともかく……召喚士のお陰で事無きを得たわ。助かったぞ」
召喚士「いえっ、こちらこそ!」
山本「貞操の危機も救ってやったしなぁ」
夫人「余計な事を……」
山本「フハハハッ。ん……?」
ゾロゾロゾロ
鵺「人間だ。人間がいるぞ?」
雷獣「珍しい事じゃ。かつてこのような事があったか?」
野次馬「ヒヒーン!!」
150 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:51:47.77 ID:CuTzSZKTo
山本「やれやれ。騒ぎに駆けつけて、随分と集まってきてしまったな」
夫人「場所を変えようかしらねぇ。床も壊されてしまったし……くぅ」
山本「そうするか。よし、ついてまいれ」
――「九尾!? そなた九尾か……っ。よう戻られたっ!」
夫人「……げ」
空狐「全く、八百年もの間、探したのだぞ!」
夫人「早く行きましょっ!」ババッ
召喚士「えっ? うわっ!」グイッ
バシュン!! スタッ
山本「空狐の奴、まだお前を狙っていたのか?」
夫人「女々しい男狐っ。わらわは好きくないのじゃっ!」プンッ
山本「さてと、召喚士。そう長くも此処へは居られないのだろう?」
召喚士「えっ、あ……はい」
山本「今のうちに、答えられる事は答えておくぞ。尤も、お前が人間界で覚えておれば、だがな」
召喚士「……あ、ありがとうございます」
151 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:52:18.53 ID:CuTzSZKTo
…
山本「ふむ。まずは神野悪五郎だな。あいつはここで暴れて居られなくなり、人間界へと降りた」
召喚士「なるほど」
山本「人間界でも好き放題やった挙句、だーれも相手をしなくなった」
召喚士「だから……孤独だったわけですね」
山本「あいつが思念体を利用し、姿を変えるのもその表れだろう」
夫人「どういう事かしら?」
山本「虚勢だよ。孤独ゆえの虚勢。姿を変えてあたかも他者の力を得た気でいるのさ」
召喚士「なるほど……っ。それであのような変身を……」
山本「無論、本体のままでは力を消費し続けるのが最大の理由がな」
召喚士「それは山本さんや夫人も一緒なんですか?」
山本「いや、あいつは此処で暴れたせいで、麒麟に外殻をもぎ取られた」
夫人「そういう事じゃ。だからずーっと力を外に漏らし続けておったのよん」
召喚士「……そういう事だったんですね」
山本「まぁ最大の厄介者が消えた今、此処も人間界も心配事はなくなっただろうな」
152 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:53:59.01 ID:CuTzSZKTo
夫人「あら、酒呑童子は?」
召喚士「酒呑童子……? どこかで……」
山本「あいつなら人間にこっぴどくやられて、今じゃあ人間に使役されておるわ」
召喚士「そうだっ、思い出した! 確か……陰陽頭が使っていた式神……っ」
山本「かつては俺や神野悪五郎と同様、人間界に降りて暴れておったが今や――」
――「都を荒らす妖でしたからねぇ。ま、止むを得ませんでしたねぇ」
山本「おぉ、お前か」
召喚士「えっと、この方は……人間……?」
山本「かつてはな。今は死んだ後にその徳を認められ、この世界に住む者となった」
陰陽師「始めまして。私の子孫がお世話になっているようですねぇ」
召喚士「ど、どうも……子孫?」
陰陽師「陰陽師と申しますねぇ。子孫、そう……私は名代の祖先なんですねぇ」
召喚士「!?」
山本「こいつが酒呑童子を倒した張本人だ」
召喚士「陰陽師さん……陰陽師? えっ!?」
153 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 21:54:29.83 ID:CuTzSZKTo
陰陽師「部下の鬼どもを引き連れて都を襲っていたものでねぇ」
召喚士「陰陽師さんて、もしかして……神野悪五郎の結界を……!?」
陰陽師「ああ、そんな事もありましたねぇ。神野悪五郎は西にいましたからねぇ」
召喚士「やっぱり……っ!!」
陰陽師「それに比べてこの御大は利口でしてねぇ。ちっとも本性を見せませんねぇ」
山本「フハハハッ、人間風情が手玉に取ろうなどと……おっと、もう人間ではなかったな」
陰陽師「ははっ。しかし貴方も大したものですねぇ」
召喚士「……そうですか?」
陰陽師「私の知る限り、生身の人間で此処へ来た者は初めてですねぇ」
召喚士「……そ、そうですか」
陰陽師「何か、特殊な力を持っておられるようですねぇ」
召喚士「確かに人とは少し違う力かもしれません」
陰陽師「ほほぉ。それは是非、お聞かせ願いますかねぇ」
召喚士「……はい」
夫人「うふふっ」
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 22:38:18.45 ID:hsYq6YXU0
>>1
乙!
夫人と召喚士の契りシーン中断させるとか神野マジで潰す
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/24(火) 22:43:07.63 ID:YAl8TMNoo
>>1
乙?
野次馬がなんかツボに入って笑った
召喚士さん、こいつ習得すれば、日常シーンで大活躍っすよ!
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/24(火) 23:04:16.83 ID:Ozt1xVFu0
>>1
連日大量更新乙
五行召喚達成だな
157 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 23:23:23.63 ID:CuTzSZKTo
…
陰陽師「……成程ですねぇ。これは興味深い話ですねぇ」
召喚士「他の召喚界についてはご存知で?」
夫人「わらわは知らぬぞ」
山本「話には聞くが、実際この目にした事はない」
陰陽師「此処の方々は、別の召喚界へは行けませんからねぇ」
召喚士「陰陽師さんは、何かご存知なのですか?」
陰陽師「元から此処の住人ではないせいでしょうかねぇ」
山本「何だお前、そんな事まで知っているのか」
陰陽師「朱雀、青龍、白虎、玄武。この四つから成り立つ召喚獣ですねぇ」
召喚士「そうです。その全てに俺は行く事が出来るわけです」
陰陽師「君は本当に面白いですねぇ。もっともっとお話したところですねぇ」
召喚士「俺も、陰陽師さんには色々と話を伺いたいところです」
陰陽師「しかし残念。今日はもう、あまり時間がないようですねぇ」
召喚士「あ、もうそんな時間ですか……」
158 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 23:23:51.16 ID:CuTzSZKTo
夫人「えぇ〜っ! 嫌じゃ嫌じゃっ」
山本「我侭をぬかすな。明ける前に戻らねば、召喚士は死ぬぞ?」
夫人「むうぅー」
陰陽師「帰路は私が案内致しましょうかねぇ」
召喚士「助かります」
山本「それではな、召喚士」
夫人「召喚士、いつでもわらわを呼ぶと良いぞ」
召喚士「ありがとう」
夫人「戦うのは嫌だけど、夜のあいてならいつでも――」
召喚士「それでは山本さんもお元気で!」
山本「またいつか会う日も来るだろう。元気でな」
召喚士「はいっ!」
テクテクテクテク
陰陽師「人間も捨てたものではない。あのような奴が居るからな」
夫人「ふふっ。その通りよん♪」
159 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 23:24:36.90 ID:CuTzSZKTo
スタスタスタスタ
召喚士「でも、よく時間がないって分かりましたね」
陰陽師「ああ。あれは嘘偽りなんですねぇ」
召喚士「えっ!?」
陰陽師「……ここらで良いですかねぇ」ザッ
召喚士「あ、あの……陰陽師さん?」
陰陽師「実は君と、二人きりで話したかったんですねぇ」
召喚士「……?」
陰陽師「先程の話、別の召喚界へ行けるという話、他者には話しましたかねぇ?」
召喚士「人間に……ですか?」
陰陽師「いえいえ。召喚獣になんですねぇ」
召喚士「コカトリスくらい……ですかね」
陰陽師「そうですか。あまり、公にしない方が良いんですねぇ」
召喚士「そうなんですか?」
陰陽師「ここだけの話、実は私も……他の世界に行けるんですねぇ」
召喚士「――っ!?」
160 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/24(火) 23:25:29.79 ID:CuTzSZKTo
〜竜宮城、正門〜
戦士「うわ。すっかり夜じゃねぇか」
魔道士「本当ですね」
男隊員「とっとと都に引きあげるとするか」
格闘家「そうですね」
青年兵「……女隊員さん、どうしました?」
女隊員「あれ……なんスかね?」
魔道士「城の屋根……ですか?」
盗賊「月明かりで何か光っているな」
青年兵「……?」
格闘家「あれって、もしかして鉱石じゃないですか?」
魔道士「えぇっ!?」
青年兵「待てよ……? 確かに可能性はありますね!」
男隊員「そうかっ! 魔王健在の際は、あれも湖に埋まってたわけだもんな!」
戦士「……行ってみよう。この目で実際確認したい」
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/24(火) 23:42:27.64 ID:CuTzSZKTo
今宵はここまでなのじゃ。ご支援感謝するぞっ♪
それではおやすみなさい。また明日なのじゃ!
〜オマケ〜
皇太子「……ふーっ」パタン
エリート「公務ご苦労様です」
皇太子「あぁエリート。私は本国の国王だよな」
エリート「何を今更」
皇太子「国王というものは、自分で言うのも何だが、一番偉いものだと思う」
エリート「そういう事になりますね」
皇太子「あれだな。偉い事と出番というものは比例せぬようだな」
エリート「気にしてる!?」
皇太子「何だろうな。国王という存在ははたして必要であったのだろうか」
エリート「遠い目をしないで下さい」
皇太子「右大臣という役柄もはたして……」
エリート「巻き添えはやめて下さい。涙がこみ上げてきそうです」
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/24(火) 23:51:08.93 ID:nRYJV3fAO
>>1
乙
泣くな
皇太子には魔翌力無い奴しか倒せない敵って見せ場が待ってるじゃないか
てか、夫人は召喚される度に床に誘うのかなww
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 00:09:07.62 ID:NXy+LWB90
>>1
おつんつん
こうt国王様、泣いたら負けです
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/25(水) 00:34:50.15 ID:aviw3mVlo
>>1
乙
神野マジKYやわぁ
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/25(水) 02:13:17.35 ID:WyBG26eAO
>>1
おつ
山本さん魔王姿はキモイのに元に戻ったらそこらにいるチョンマゲ巨人になるのな
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/01/25(水) 08:51:26.54 ID:504gSwh6o
これだから大阪国民は・・・
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/25(水) 11:52:56.43 ID:Ws+4Hsx10
いちおつ
「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢
神野はん さいなら
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/25(水) 11:54:42.69 ID:UIbi4h+AO
そう言えば全然関係ないけど
大阪市在住なのに関東・甲信越って表示されてるぞ
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 12:16:19.10 ID:+t6aODqIO
大阪都になるからええやんww
170 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:16:13.40 ID:JAXZbMdTo
…
タンッ タンッ スタッ
盗賊「……っ!!」
戦士「よい……っしょっとぉ。どうだ?」スタッ
盗賊「見てっ」
戦士「……おぉ!!」
城の屋根。石瓦の並ぶ両脇に青く光り輝く鯱が並んでいた。
青い光は満月の明かりが青銅の鯱に反射し光らせている事と、
鯱の口に咥えられた、巨大な青い鉱石が発しているものが相乗効果となり、輝いていた。
戦士「鉱石だ……!!」
格闘家「やりましたね」
青年兵「まさか屋根の上とは、予想外でしたね」
男隊員「でもよく気付いたな。お手柄だ……ヒャハハッ!」
女隊員「たまたまッスよ。満月の明かりだったから気付けたんス!」
盗賊「満月か……」
171 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:16:42.97 ID:JAXZbMdTo
戦士「召喚士、大丈夫かね?」
魔道士「大丈夫です! おまじないは絶対です!」
盗賊「……?」
戦士「なぁ青年兵、ところでこれ……勝手に持ち出していいのか?」
青年兵「……」
男隊員「魔王の持ち城だから東方のモンじゃねぇけそ、領土的には東方管轄だもんなぁ」
盗賊「上様に申せば、許可は下りると思うけど」
青年兵「……許可します。運び出しましょう」
戦士「いいのか?」
青年兵「許可します!」
男隊員「ヒャハハ! こりゃあ総司令より大胆だぞおい」
青年兵「お嫌いですか?」
男隊員「何度も言わせんな。大好きだ!」
魔道士「……どういう事です?」ドキドキ
盗賊「さぁ」
172 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:17:16.00 ID:JAXZbMdTo
…
戦士「ふん……っぬりゃああぁぁ!!」
ゴトッ
女隊員「重いッスねぇ」
戦士「一体化しちまって外せねぇ。このまま運ぶしかなさそうだな」
青年兵「文化財としても価値のありそうな物ですね……」
男隊員「そんじゃこっちは俺ら特遊で運ぶから、そっちは4人で運んでくれ」
魔道士「はいっ!」
戦士「盗賊と格闘家がソリを持ってきてくれるから、とりあえず城の下まで運ぼう」
女隊員「了解ッス。ふぬぬううぅぅ!!」グイッ
タッタッタッタッタッ
格闘家「持ってきましたよー!」
戦士「おーう! 今降ろすから、そっちで受け取ってくれ」シュルッ
盗賊「いいぞ、そのままロープを。よし……っ」
青年兵「無事、下ろせましたね。それでは帰還致しましょう」
173 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:17:42.13 ID:JAXZbMdTo
〜妖界〜
召喚士「い、今……なんて……」
陰陽師「あまり大きな声では言えないんですねぇ」
召喚士「じゃあ、陰陽師さんも朱雀界や白虎界へ……!?」
陰陽師「そうなんですねぇ。これは、私の力と言うべきなんですねぇ」
召喚士「何か特別な方法が?」
陰陽師「とある妖が使う能力を研究した結果、出来るようになったんですねぇ」
召喚士「……とある妖ですか?」
陰陽師「そうなんですねぇ。その妖は、自分と他人の場所を入れ替える事が出来るんですねぇ」
召喚士「あっ、もしかして……座敷童子!?」
陰陽師「おぉ、よくご存知なんですねぇ」
召喚士「なるほどっ、確かにあの能力を突き詰めれば、そういった事も可能に……」
陰陽師「しかし私も妖だから出来るんですねぇ。人間には到底、無理なんですねぇ」
召喚士「……ですよね」
陰陽師「とにかく、その力のお陰で……私は他の世界へ通じる事が出来るんですねぇ」
174 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:18:32.70 ID:JAXZbMdTo
召喚士「ところで、どうして他の世界へ?」
陰陽師「理由はないんですねぇ。強いて言えばまだ人間であった頃、君のような
召喚獣を扱う人間と会った事があるんですねぇ」
召喚士「!?」
陰陽師「自分とは全く違う種族を使役しているその姿に興味を抱き、研究を始めたんですねぇ」
召喚士「なるほど……っ」
陰陽師「色々と調べているうちに、人間界とは違う世界がある事が判明したんですねぇ」
召喚士「よく分かりましたね……」
陰陽師「召喚獣に聞いたんですねぇ」
召喚士「あ、そうか……。ん? その召喚士の方とはお知り合いに……?」
陰陽師「お恥ずかしながら、実は外見で一目惚れしてしまったんですねぇ」
召喚士「あ……っ、女の人だったんですね……」
陰陽師「夫婦の関係になってしまったんですねぇ。だから互いに、色々と研究出来たんですねぇ」
召喚士「そういう事だったんですね」
陰陽師「とにかく、そこから研究の日々を重ね、色々な事が分かってきたんですねぇ」
175 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:19:11.30 ID:JAXZbMdTo
召喚士「俺も色々と調べました。あの、宜しければ教えて頂けませんか?」
陰陽師「構わないんですねぇ。でもその前に……」チラッ
召喚士「……?」
陰陽師「妖の目が厳しいんですねぇ。場所を変えたいんですねぇ」
召喚士「場所を……ですか? しかし人間界に陰陽師さんは……」
陰陽師「行けないんですねぇ。しかし今宵は満月。別の世界には行く事が出来るんですねぇ」
召喚士「えっ!?」
陰陽師「四つの世界で、どこか行きたい所があれば、そこに場所を移すんですねぇ」
召喚士「そ、そんな事まで可能なんですか!?」
陰陽師「今も申した通り、満月の夜だけなんですねぇ」
召喚士「……っ」ゴクッ
陰陽師「さぁ、どの世界に行きたいんですねぇ?」
召喚士「え、えぇと……」
陰陽師「朱雀でも青龍でも、好きな世界を申すと良いんですねぇ」
召喚士「そ、それじゃあ……」
176 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:20:01.51 ID:JAXZbMdTo
〜白虎界〜
バシュウウゥゥッ!! ザザッ
召喚士「……おぉーっ!」
陰陽師「白虎界なんですねぇ」
召喚士「確かにっ、見覚えがあります!」
陰陽師「でも白虎界とはまた、珍しいんですねぇ」
召喚士「そうですか?」
陰陽師「この世界の召喚獣は皆、気性が荒いというか……」
フェンリル「まーてーやーコラアアァァ!!」ドドドド……
ペガサス「うっるせえぇぇ!! ギャハハハハハ!!」
陰陽師「野蛮なんですねぇ」
召喚士「ま、まぁ確かに……賑やかですね」
陰陽師「白虎界に何か、用でもあるんですねぇ?」
召喚士「……ええ、最後の満月になるかもしれませんし」
陰陽師「……?」
177 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:20:31.07 ID:JAXZbMdTo
召喚士「五ヵ年計画まであと1ヶ月。最終日の満月を除けば、これが最後のチャンスなんです」
陰陽師「なかなか、大変な事情がありそうなんですねぇ」
召喚士「あ、っと……すみません。陰陽師さんのお話を聞くんでしたよね」
陰陽師「構わないんですねぇ。君の話も大層、興味深いんですねぇ」
ザッザッザッ
陰陽師「まず、人間界とこういった世界が違う場所である事を突き詰めた時、
私は神仏の伝承や教えに着目したんですねぇ」
召喚士「神仏……宗教という事ですか?」
陰陽師「その通りなんですねぇ。宗教には一貫して、神仏を称える構造なんですねぇ」
召喚士「そうですね」
陰陽師「そして神仏は天より降り立ち、人間を救うんですねぇ」
召喚士「ええ……」
陰陽師「これって、何かに似ているんですねぇ」
召喚士「……あの……つまり陰陽師さんが仰りたい事は……っ」
陰陽師「何時から式神や召喚獣が居るかは分からないんですねぇ。しかし、
かつての人々はそういった力を神仏に例えたと推測出来るんですねぇ」
178 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:21:12.79 ID:JAXZbMdTo
召喚士「……た、確かにっ!」
陰陽師「それが何時の間にか、宗教として成り立った可能性があるんですねぇ」
召喚士「考えうる事ですね」
陰陽師「それに気付いた時、妖と式神と人間、どう違うのか考えたんですねぇ」
召喚士「……」
陰陽師「同じ生き物ありながら、どう違うのか。考えに考えたんですねぇ」
召喚士「分かりましたか?」
陰陽師「……残念ながら、答えは出なかったんですねぇ」
召喚士「やっぱりそうですよね」
陰陽師「どうやら、同じ事を悩んでいたようですねぇ」
召喚士「はい。俺も陰陽師さんと同じような事を、ずっとやってましたから」
陰陽師「だからなんでしょうねぇ。君には何か、惹かれるものがあるんですねぇ」
召喚士「俺もです。何ていうか……凄い同じような境遇というか、他人のような気がしなくって」
陰陽師「でも君は凄いんですねぇ。一人で全ての世界と通じる事が出来るんですねぇ」
召喚士「いやっ、それは偶然というかめぐり合わせというか……あの、陰陽師さん」
179 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:21:41.69 ID:JAXZbMdTo
陰陽師「……?」
召喚士「陰陽師さんはその、自ら望んで式神に……?」
陰陽師「いや、死んだ後に気付いたら、あの世界に居たんですねぇ」
召喚士「そんな事もあるんですね……」
陰陽師「妖、召喚獣、人間。それらは繋がっていると、そこで初めて気付いたんですねぇ」
召喚士「ええ……」
陰陽師「宗教の中には輪廻と言う教えがありますが、まさにそれこそ近いものなんですねぇ」
召喚士「輪廻……」
陰陽師「生あるものは死に、そしてまた生まれ変わる。新たな生は
業……カルマによってその姿を変えるんですねぇ」
召喚士「カルマ……ですか?」
陰陽師「つまり、生きているうちに行った善悪の所業という事ですねぇ」
召喚士「生きているうちに正しき事をしていれば……召喚獣に……」
陰陽師「悪道を進めば、妖として地獄に落ちるんですねぇ」
召喚士「……マーマンさんの言っていた事と似ている……っ」
180 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:22:16.22 ID:JAXZbMdTo
陰陽師「この世界は言うなれば、天……なんですねぇ」
召喚士「……っ」ザッザッ
陰陽師「さて、白虎界で何か用があったんですねぇ?」
召喚士「あ、ええ。ちょっと気になる召喚獣がいまして」
陰陽師「そうなんですねぇ」
召喚士「何か知っている召喚獣がいれば聞けるんですが……」
陰陽師「もう少しこのまま、進むと良いんですねぇ」
召喚士「……?」
陰陽師「ここは白虎界の端なんですねぇ」
召喚士「そうなんですか?」
陰陽師「あまり中央へ行くと、私が危ういんですねぇ」
召喚士「あ……っ、そうですよね……」
陰陽師「私はここで待つので、行ってくると良いんですねぇ」
召喚士「すみません……。すぐに戻りますので!」
陰陽師「お気にせず、なんですねぇ」
181 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:22:44.13 ID:JAXZbMdTo
…
召喚士「やばい、時間の感覚が全然分からない……」
ザッザッ
召喚士「誰かいないかなぁ」
ザッザッ
召喚士「ていうか、ここ……どの辺?」
ドドドドドド……
召喚士「景色に変化がないから、ほんと分かりにくい……」
ドドドドドド!!
召喚士「……へ?」
スフィンクス「やっぱりお兄ちゃんだーっ!!」
ドオオォォォォン!!
召喚士「や、やぁスフィンクス……パワフルだね……」
スフィンクス「こっちで会うの、久し振りだもーん!」
召喚士「そ、そうだね……ははっ」
182 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:23:19.06 ID:JAXZbMdTo
…
スフィンクス「……スレイプニル?」ドドッドドッ
召喚士「うん。知ってる?」
スフィンクス「聞いたことあるようなないようなだなぁー」
召喚士「そっかぁ。白虎界も広いからね」
スフィンクス「そうなんだよねー。僕が住んでるとこ、もっと端っこだしー」
召喚士「よく気付いたね」
スフィンクス「お兄ちゃんの匂いだもんっ。すぐ分かるよー。へっへーん!」
召喚士「そっか、ありがと――」
ズザザアアァァァァ!!
召喚士「うわああぁぁっ!」ボトッ
スフィンクス「……」
召喚士「き、急に止まらないでくれる……?」
スフィンクス「……誰?」
――「……ウハハッ。お前に用はねぇよ。用があるのはそっちの人間さ!」
183 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:24:11.24 ID:JAXZbMdTo
召喚士「へ、へ……っ?」ノソッ
――「久し振りだなっ! ようやく俺と契約しにきたのかい?」
召喚士「あ、えぇと……ケツァルコアトル……だっけ?」
ケツァルコアトル「おぉ、覚えててくれたか!」
召喚士「ええ。でも今日は別件で……」
ケツァルコアトル「はぁ!? おいおい、頼むから契約しようぜぇ?」
召喚士「いや、嬉しい限りだけど……どうしてそんなに契約を?」
ケツァルコアトル「色々と事情があるんだよ! いいからっ! なっ?」
召喚士「は、はぁ……」
ケツァルコアトル「そんじゃよ、俺が何か協力してやるから! 交換条件だ!」
召喚士「交換条件……ですか」
ケツァルコアトル「今、困ってんだろ? 俺が出来る事なら手を貸してやるよ!」
召喚士「スレイプニルという召喚獣を探しているんですが……」
ケツァルコアトル「スレイプニル……スレイプニルな! 知ってるぜ、付いてきなっ!」
召喚士「!?」
184 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:24:48.76 ID:JAXZbMdTo
…
ケツァルコアトル「ここだここ。この辺にいるはずなんだが……おっ、あれだ!」
召喚士の前には8本脚の巨大な馬が優雅に闊歩していた。
ケツァルコアトル「おーいスレイプニル! お前さんに客人だぞ」
スレイプニル「……?」パッカパッカパッカ
召喚士「あれが……スレイプニル」
ケツァルコアトル「なーんでスレイプニルなんかに用があるんだ?」
召喚士「ちょっと気になって……」
パッカパッカパッカ
スレイプニル「人間か? 珍しい事だな。それで、何か用があるとか」
召喚士「始めまして。召喚士と申します」
スレイプニル「うむ。礼儀正しい者は嫌いではない」
召喚士「あの、実は噂をお聞きして、確認したい事が」
スレイプニル「……噂?」
召喚士「何でも、昇華型の召喚獣だという話を聞きまして」
185 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:25:33.59 ID:JAXZbMdTo
スレイプニル「……」
召喚士「それがどういう事か、さっぱり分からなくて……」
スレイプニル「そのような事、一体……誰に聞いたのだ?」
召喚士「えっと……白虎兄弟の弟で、老人さんという方なんですが……」
スレイプニル「随分とまぁ、古い話を」
召喚士「あの、それは一体どういう……」
スレイプニル「かつて、私には背に乗る主がいたのだ」
召喚士「えっ!?」
スレイプニル「しかし主は、独断で人間に手を貸し、魂を封じられてしまった」
召喚士「!?」
スレイプニル「主は地上の支配を目論む魔王へ裁きを与えたのだ」
召喚士「でもっ、それは素晴らしい事じゃないですか!」
スレイプニル「行いの結果がどうであれ、過ちは過ちなのだ」
召喚士「……っ」
スレイプニル「いかに人間が危機に及ぼうとも、我らが独断で手を貸してはならぬのだ」
186 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:26:13.25 ID:JAXZbMdTo
ケツァルコアトル「お前さんの主ってのはバカだよなぁ」
召喚士「ちょっと……」
ケツァルコアトル「バカだけど、分からんでもないわなぁ」
スレイプニル「そういう事で主の魂は封じられた」
召喚士「つまり……昇華というのは……」
スレイプニル「正確には主を乗せた姿こそ完全体なのだ。だが説明がややこしくなる為、
そういった表現でかつて、私を召喚した人間に伝えたのだ」
召喚士「……ちなみに、あなたの主を下に戻す方法は?」
スレイプニル「莫大な魔力。それと……槍だ」
召喚士「槍……ですか?」
スレイプニル「かつて主が魔王へ、裁きとして放った槍。それが必須」
召喚士「……」
スレイプニル「その2つが揃った時、我が背中には再び、主の姿が現れようぞ」
召喚士「スレイプニル、主の事……元に戻せるかは分かりませんけれど……
努力はします! だからどうか、力を貸してはもらえませんでしょうか?」
スレイプニル「……良かろう。我が力、召喚士の思うよう……利用するが良い」
187 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:26:45.67 ID:JAXZbMdTo
召喚士「ありがとうございますっ!」
スレイプニル「ところで召喚士、あなたからは何か、他の匂いを感じ取れるが」
召喚士「あ、ええ……実は……」
…
ケツァルコアトル「ウハハッ!! お前さん……面白いヤツだな!!」
スレイプニル「他世界の召喚獣を……っ」
召喚士「まぁ色々とありまして……」
ケツァルコアトル「何の因果か知らんけど、お前さんも大変そうだな」
スレイプニル「ケツァルコアトル、お前も召喚士の世話になるのか?」
ケツァルコアトル「おぉっと! そうだった! 召喚士、次は俺と契約だ!」
召喚士「え、ええ……っ」
ケツァルコアトル「そんじゃヨロシク頼むぜっ、召喚士!」
召喚士「こ、こちらこそ……よろしく」
ケツァルコアトル「帰り道は分かるか? 送ってこうか? ん?」
召喚士「あ、大丈夫す! はは……っ」
188 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:27:24.04 ID:JAXZbMdTo
…
召喚士「人間と一緒で、召喚獣も本当に色々だよなぁ」テクテク
陰陽師「お帰りなさいですねぇ」
召喚士「あ、ただいまです……ね」
陰陽師「収穫は、あったようですねぇ」
召喚士「ええ。何だか急展開でしたが……」
陰陽師「さて、そろそろ帰ると致しましょうかねぇ」
召喚士「はい。お願いします」
陰陽師「それではそこに立ち、目を瞑って頂きたいですねぇ」スッ
召喚士「……」
バシュウウゥゥゥゥッ!! トンッ
陰陽師「無事、到着したんですねぇ」
召喚士「……何だか色々と、ありがとうございました」ペコッ
陰陽師「此方こそ。話が出来て有意義だったんですねぇ」
召喚士「そう言って貰えると、良かったです」
189 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:27:56.35 ID:JAXZbMdTo
…
召喚士「それでは、そろそろ失礼しようかと思います」
陰陽師「ああ、もうそんな時間なんですねぇ」
召喚士「ええ。それではまた――」
テクテクテク
召喚士「……?」
――「あの、人間界の方……?」
召喚士「え、ええ。あなたは?」
陰陽師「こちらの方は、鈴鹿御前さんなんですねぇ」
召喚士「鈴鹿御前……さん」
鈴鹿御前「初めてお目にかかる。鈴鹿御前と申す」
召喚士「召喚士と申します。始めまして」
鈴鹿御前「お急ぎのところ引き止めて済まぬ。一つ訪ねたい事があっての」
召喚士「何でしょうか……?」
鈴鹿御前「大嶽丸という妖を知らぬか?」
190 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:28:44.11 ID:JAXZbMdTo
召喚士「オオタケマル……ですか? いえ、存じ上げませんね……」
鈴鹿御前「左様か。それは失礼した」スッ
召喚士「あ、あのっ。そのオオタケマルという妖は……?」
鈴鹿御前「知らぬのならば気にせず。邪魔をした、それではの」フッ
召喚士「……っ」
陰陽師「大嶽丸……」
召喚士「陰陽師はご存知で?」
陰陽師「かつて、私は都を荒らす酒呑童子を退治したんですねぇ」
召喚士「ええ、先程もそう仰ってましたよね」
陰陽師「酒呑童子にはこれまた強い部下が大勢居たんですねぇ」
召喚士「鬼……ですか?」
陰陽師「大将の酒呑童子に加え、副将の茨木童子。この二匹はとても強かったんですねぇ」
召喚士「……なるほど」
陰陽師「しかし、酒呑童子を倒すと、茨木童子は行方をくらましたんですねぇ」
召喚士「大将が倒されて……逃亡したわけですね」
191 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:29:25.89 ID:JAXZbMdTo
陰陽師「その茨木童子が頼って逃げたのが……大嶽丸の下だったんですねぇ」
召喚士「!?」
陰陽師「他の鬼も強かったですが、大した被害もなく、退治出来たんですねぇ」
召喚士「……茨木童子と大嶽丸はどうしたんですか?」
陰陽師「茨木童子は間もなくして、死んだんですねぇ」
召喚士「――!?」
陰陽師「よくよく調べてみると、大嶽丸に殺されたんですねぇ」
召喚士「っ!!」
陰陽師「なにがあったかは知りませんが、大嶽丸はそれ程までに強かったんですねぇ」
召喚士「……っ」
陰陽師「その後、大嶽丸討伐に、時の帝と私が信頼を置いていた武人を派遣したんですねぇ」
召喚士「倒したんですか?」
陰陽師「一度は大嶽丸の腕を斬り落とすまで戦果をあげたんですねぇ」
召喚士「……1度は……って」
陰陽師「大嶽丸はその後、斬り落とされた腕を取り返しに来たんですねぇ」
192 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:30:06.53 ID:JAXZbMdTo
召喚士「か、勝ったんですか?」
陰陽師「なんと大嶽丸は腕を取り戻し、再び逃亡したんですねぇ」
召喚士「!?」
陰陽師「しかも武人の付けていた神具と呼ばれた籠手まで奪い取って、逃げたんですねぇ」
召喚士「……何と……っ」
陰陽師「力を増した大嶽丸を止められる者は居なくなったんですねぇ」
召喚士「その後は……どうしたんですか?」
陰陽師「結局、大嶽丸は逃げたきり、行方をくらましたんですねぇ」
召喚士「……そうだったんですか」
陰陽師「その昔、大嶽丸は鈴鹿御前さんを大層、愛していたそうですねぇ」
召喚士「!? 恋仲だったんですか……っ」
陰陽師「いえいえ。大嶽丸が一方的に好いていただけのようですねぇ」
召喚士「……なるほど」
陰陽師「しかし鈴鹿御前さんは、暴れ者の大嶽丸をあまり好いていなかったようなんですねぇ」
召喚士「じゃあ……」
193 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:30:41.79 ID:JAXZbMdTo
陰陽師「そんな矢先、鈴鹿御前さんは何と、人間と契りを結んでしまったんですねぇ」
召喚士「!?」
陰陽師「怒り狂った大嶽丸は、その人間を殺す為に人間界へ来たわけですねぇ」
召喚士「な、何と……っ」
陰陽師「でも鈴鹿御前さんに邪魔をされて、殺す事は出来なかったようですねぇ」
召喚士「大嶽丸はそれからずっと人間界に……?」
陰陽師「ええ。どうして鈴鹿御前さんが人間を好いたのか、人間を知る為に……ですねぇ」
召喚士「しかし今はオオタケマルという妖は……」
陰陽師「この世界にも戻っていないようですし、死んでしまったのかもしれませんねぇ」
召喚士「……っ」
陰陽師「鈴鹿御前さんも、その事を気に掛けておられるのですねぇ」
召喚士「お優しい方なんですね」
陰陽師「もし大嶽丸と会う事があれば、是非……伝えて欲しいんですねぇ」
召喚士「分かりました。きっと喜ぶと思いますよ!」
陰陽師「その通りなんですねぇ」
194 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:31:12.54 ID:JAXZbMdTo
…
召喚士「それでは今度こそ失礼致します」
陰陽師「左様ならなんですねぇ。あぁ、そうそう……」
召喚士「……?」
陰陽師「人間系へ戻ったら、すぐに入り口から離れたほうが良いですねぇ」
召喚士「え……っ?」
陰陽師「マーラが消滅した事と、山本さんが戻ってきた事で、あの入り口はなくなるんですねぇ」
召喚士「あ、そっか……」
陰陽師「そして金輪際、入り口が開く事はないんですねぇ」
召喚士「そうなんですか?」
陰陽師「総本山があるからなんですねぇ」
召喚士「そうかっ! 総本山は確かあの入り口を抑える為のもの……」
陰陽師「そうなんですねぇ。その為に建てたんですねぇ」
召喚士「……あれ? 陰陽師さんもご存知なんですか?」
陰陽師「総本山は私が帝へ提案して、建てさせたものなんですねぇ」
195 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:31:49.15 ID:JAXZbMdTo
召喚士「――っ!?」
陰陽師「東と都と西。それぞれの御大将を封じる為に、苦労したんですねぇ」
召喚士「そう……だったんですね……」
陰陽師「龍脈が無くなれば、式神も使う事は出来なくなるので、龍脈は残したんですねぇ」
召喚士「全て……お1人で調べ上げたんですか……?」
陰陽師「もしあの時代に、君のような方が居てくれれば……魔王も倒せたんですねぇ」
召喚士「……っ」
陰陽師「そういう意味では、今の君達が少し、羨ましいですねぇ」
召喚士「……今があるのは陰陽師さん達のお陰です」
陰陽師「そう言って頂けると、頑張った甲斐があったんですねぇ」
召喚士「本当に、ありがとうございます」
陰陽師「此方こそ有難うですねぇ。それでは、子孫に宜しくなんですねぇ」
召喚士「はい。名代さんもきっと喜ぶと思います。それではまた……」
ザッザッザッザッ……
陰陽師「……また会いたいですがその時は、今以上に苦しい戦いの時かもしれませんねぇ……」
196 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:32:24.91 ID:JAXZbMdTo
〜不死の山、山中〜
ザシャッ
召喚士「!?」
ゴオオォォォォ……
召喚士「さ、寒い……っ。いや、精神統一すれば寒くない……はず!」
シュイイィィィン
コカトリス「終わったのか?」
召喚士「うん。帰ろう」
コカトリス「随分とまぁ軽装だな。寒くないのか?」
召喚士「寒いよっ、いや……精神を統一すれば寒くない! これ総本山の教え也!」
コカトリス「……?」
召喚士「さぁ帰ろう。みんなが待ってる」
コカトリス「東方ともこれでおさらばか。次は……北か?」バサァッ!!
召喚士「そうなるかな。でももうすぐだ、もうすぐ……終わる」スタッ
コカトリス「最後まで気を抜くなよ? お前が死んでは戦友に合わせる顔がない」バシュウウゥゥ
197 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:33:02.71 ID:JAXZbMdTo
〜都〜
戦士「見えてきたっ! 都に到着〜!」
魔道士「やっとですね〜! もう10時くらいですよ」
南方参謀「しかしこれ、立派なものねぇ」
東方参謀「城の飾りだな。鯱を模したものと見受ける」
西方参謀「お前さん、何気に詳しいな……ヒック」
国軍兵「入港致します! 上陸のご準備を!」
ゴゴオオオオォォォォン!!
足軽「ご苦労様でごぜぇやす! ささっ、足元に気を付けて!」
盗賊「ありがとう」スタスタスタ
戦士「召喚士の奴は戻ってきてるかな?」
魔道士「もうこんな時間ですし、戻ってると思いますよ」
青年兵「僕はこのまま城へ向かいますが、皆さんはどうなさいますか?」
魔道士「あっ、それじゃあ私達も一緒に行きますっ! ねっ?」
男隊員「いってら。特遊は一休みさせて貰うよ……ヒャハハ!」
198 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:33:50.95 ID:JAXZbMdTo
〜帝の城〜
帝「……成程な。ご苦労であった」
召喚士「上様や皆様のお陰です。ありがとうございました」
名代「おめでとう御座います。これで式神の使役も可能となったわけですね?」
召喚士「ええ、そのはずです。まだ試してはいないんですが……」
帝「せっかくだし、披露しては貰えぬか?」
召喚士「こ、ここでですか……!?」
帝「駄目か……?」ジーッ
召喚士「……やります!」スクッ
くの一「使役とは……?」
女剣士「召喚と同じようなものらしいな。名代殿が使っていたやつだ」
召喚士こほんっ、では……。行けっ! 座敷童子!!」
シュイイィィィィン……ボウンッ!!
座敷童子「……ほえ? おぉーっ、召喚士! お主が呼んだのかっ!?」
召喚士「やった……っ! 成功したっ!」
199 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:34:33.63 ID:JAXZbMdTo
東方司令「……可愛い」
名代「夫人ではないのですか……?」
召喚士「えっと……夫人だと色々と問題があるので……」
座敷童子「成功より性交になってしまうからの〜。うふふふー」
召喚士「!? なっ、何を言って――」
スタスタスタ
家老「上様、青年兵殿らが戻られましたぞ!」
帝「おぉ、通せ」
スタスタスタスタ……
青年兵「召喚士さん!」
召喚士「青年兵くん、それに魔道士さん達も!」
魔道士「召喚士さんっ! おかえりなさいですっ!」
戦士「その様子だとうまく言ったみてーだな」
盗賊「良かったな、召喚士」
召喚士「うんっ、ありがとう! みんなのお陰だよ!」
200 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:35:19.21 ID:JAXZbMdTo
…
帝「そうか。大事ないならば何よりじゃ」
青年兵「しかし残念ながら、やはり生存者は見当たらず……」
帝「致し方あるまい。戦死した親族の者らには、我らが責任をもって丁重に扱わせて頂く」
青年兵「感謝致します」
帝「さて、これで東方の大事は全て取り除かれたわけだな」
名代「左様ですね。これでようやく、他の豪族や民へも声高らかに言えますね」
帝「うむ。そうだな」
魔道士「良かったです〜っ」
戦士「んで、コイツは召喚士が召喚したのか?」
座敷童子「こいつとは何事じゃっ! 座敷童子と呼べっ!」
召喚士「う、うん」
魔道士「大丈夫でしたか……?」ゴゴゴゴゴゴ
召喚士「!? だだっ、大丈夫でした!! た、多分……っ!!」
魔道士「それなら良かったです! えへへっ♪」
201 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:36:18.21 ID:JAXZbMdTo
…
帝「もう帰ってしまうのか?」
盗賊「申し訳ありませぬ。長居したいところでは御座いますが、次の戦いが控えておりますゆえ」
帝「そうか……っ」
東方司令「青年兵、船の出発はいつだ? ボクも帰るぞ」
青年兵「宜しいのですか?」
東方司令「東方の件は落ち着いた。次は東方司令部とて拠点となるしな」
青年兵「分かりました。今夜のうちには経つつもりです」
東方司令「分かった。夜までには港へ向かう」
青年兵「それでは上様、失礼致します」
帝「うむ。こちらも再編制が整い次第、直ぐに本国へ向かう」
青年兵「感謝致します。船を1隻置いていきますので、ご自由にお使い下さい」
帝「痛み入る」
青年兵「それでは」スクッ
ザッザッザッ
202 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:36:58.33 ID:JAXZbMdTo
召喚士「あ、そうだ……。名代さん」
名代「……?」
召喚士「陰陽師さんて、ご先祖ですよね?」
名代「陰陽師? ええ、多数の文献も残している歴代最高の実力者かと」
召喚士「宜しくって言ってました」
名代「……?」
召喚士「あ、あと……オオタケマルって妖、知ってますか?」
名代「いえ、聞いた事がありませんね」
召喚士「もし会う機会があれば、鈴鹿御前さんが待ってると伝えて下さい」
名代「……畏まりました。必ずや」
召喚士「では、また」ペコッ
スタスタスタスタ
帝「陰陽師……どういう事だ?」
名代「分かりませぬ。しかし、召喚士殿の事ですから、きっとご先祖様に会われたのでしょうね」
帝「……ふふっ。あやつは本当に、不思議な男よの」
203 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:37:59.46 ID:JAXZbMdTo
この後、夜には本国軍の船は、本国を目指し出港した。
今ここに、魔王マーラ討伐戦は完全に終了の刻を迎えたのであった。
魔王マーラ討伐戦結果
魔王マーラ:完全消滅、夜行:完全消滅、ヤタガラス:完全消滅、魔王マーラ軍:全滅。
神野悪五郎:消滅。その後、妖界にて復活するも夫人の手により完全消滅。
藤蔵。風忍、水忍、火忍、土忍、死亡。下忍、死傷者数名。
帝軍。鬼丸:消滅。足軽隊、総本山、死傷者数名。
本国軍。特殊遊撃強襲隊隊長:死亡。魔道兵、弓兵、衛生兵、死傷者数名。
合計死者:38名。重軽傷者:104名。
召喚士:第5の召喚属性習得。白虎召喚獣スレイプニル、ケツァルコアトル習得。
他にも大小、数え切れない事柄があるが、重点のみここに記す。
本国国軍中将 副司令官 青年兵。
〜第五十六部、完〜
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/25(水) 17:40:02.52 ID:JAXZbMdTo
後半駆け足っぽい感じもありましたが、ひとまずこれにて…
次回からは本国に場を移して、あーだこーだの後にいよいよですね!
多数のご支援、本当にありがとうございます!それでは!ノシ
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 17:44:28.82 ID:0sxw75nvo
>>1
乙!
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 17:47:05.19 ID:KLzW0qvyo
>>1
乙
やっとケツアナルさん習得か・・・
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/01/25(水) 17:49:09.30 ID:AlEWDvW0o
いちょつ
プニルさんの主っつーと
やおっぱいアレか
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 18:10:34.47 ID:qbu1VRGDO
やっとケツアナさんの活躍が見れるのか
胸熱
乙!
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 18:15:00.68 ID:/w1lwiXDO
いちおつ
鬼丸ェ…
ある意味最後の日常パート楽しみだ
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 18:46:38.77 ID:z4lhenqIO
ケツアナ…コアレトル
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/25(水) 19:51:13.83 ID:UIbi4h+AO
>>1
乙
神野さんは魔道士ちゃんに操られてたのかな
王族のおまじない恐るべし!
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 20:24:27.79 ID:p/ulkKKDO
朱雀先生なのに更に白虎を増やしたか……
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 20:40:10.78 ID:DoOUdYCSO
もう「召喚先生」か「サモンマスター」の称号を与えた方がいいレベルだしな。
それにしても日々の大量更新にいちおつでございます!
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
:2012/01/25(水) 20:47:40.51 ID:ZBYtSura0
>>1
乙
ケツアナさんのエピソードわすれちった
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/25(水) 20:58:06.14 ID:QiQvGVeuo
>>1
乙
ケツアナって、そう言えばあのおまけの聖騎士だよね
登場当初はあんないい奴とは思わなかったが
とりあえず、魔導師ちゃんの祝いでサービスシーンが消滅してしまった。残念
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/25(水) 21:04:31.12 ID:Gb33SzqWo
>>1
乙
白虎来たのにパパコーンに会っていかないとか、親不孝ものだな
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/25(水) 21:05:01.14 ID:FsFjLSkMo
鬼丸の謎が明らかになってすっきりした
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/25(水) 21:08:22.20 ID:YlIydK1k0
いちおつ
少女ちゃんも何かに生まれ変わってて
ケツァルさんと再会してほしいなぁ
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/01/25(水) 22:17:12.70 ID:Au61xrQCo
スレイプニルはアマゾネスと5対5で戦ったときに白虎長が使ってんだな
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/01/25(水) 23:49:58.78 ID:U6YVjvyjo
>>1
乙
>>216
まさかパパコーン消滅の感動シーンを忘れたと申すか
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/26(木) 02:03:17.98 ID:rQv0JhLAO
久しぶりによみがえったら相変わらず面白いな!
これからも頑張ってくれ
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/26(木) 02:48:15.43 ID:XdlJPR7AO
>>1
おつ
鬼丸は以外にも一途なやつなんだな
名無しはこんなにも魅力的なケツアナさんになるとは思わなかったわ
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/26(木) 07:30:59.42 ID:vzIpmIKq0
>>1
おつんつん
>>171
なんか魔導士に腐女子の臭いが。。。。
224 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:04:30.37 ID:qOBzZPqJo
……――
お師匠『想定外だな……っ。こいつに予言など通用しないという事か』
天才『お師匠……あ、あんたまさか……』
クルクルクルッ ジャキッ
お師匠『はーっはっはっは! 俺の時代は終わった。次はお前らの時代だ!』
天才『やめろぉ!! お師匠が死んだら誰が……』
お師匠『次の大元帥はお前だ、天才。俺の後を継げ! ナイトの意思を継げ!』
天才『……っ』
お師匠『お前ららは勇敢で、慎重で……自信を持て。お前らが勇者だ』
天才『お師匠……世話になりました』
お師匠『次の一撃でサタンを止める。おそらく数秒だろうが、その隙に退け』
天才『……』ザッ
お師匠『さぁゆけいっ!! 若き勇者達よ!! 俺達の意思はお前らに……託すぞっ!!』
天才『……っ』タッタッタッタッタッ
ガカアアアアァァァァ――――
225 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:05:48.53 ID:qOBzZPqJo
――……
占い師「…………んっ」
天才「やっと起きたか。いつまで俺様の背中に担がれてる気だコラ」
占い師「あ……っ。ご、ごめんなさい……」スタッ
天才「はー重て。お前、ちょっと太ったんじゃねぇの?」
占い師「失礼ねっ」
天才「ただでさえ距離が長くなったんだからよー、勘弁してくれよな」
占い師「距離? 何それ……?」
天才「見て気付かねぇか? いや、よほど気にでもしてないと街中じゃ分かんねーか」
占い師「……?」
天才「世界がな、広がったんだよ。東西にな」
占い師「……大丈夫?」
天才「まぁいい。そのうち分かる」
占い師「はぁ……」
天才「世界が広がった。つまり……東方での戦いは終わり、いよいよってわけだな。ハーッハッハ!」
226 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:08:39.17 ID:qOBzZPqJo
…
占い師「……あらっ、何かしら?」
ガラガラガラガラッ
天才「本国の馬車だな。随分と急だが、何事だ?」
ガラガラガラッ……ドドォ
占い師「止まった……って、あそこ病院じゃない!?」
天才「……」
タッタッタッタッ ザッ
天才「いよぉ右大臣様。何事だ? まさか国王陛下が崩御でもしたか?」
占い師「縁起でもない事言わないでっ! あっ、こ……今晩は」
エリート「……」
バタンッ カツカツカツ……ドンッ
エリート「貴様、何故……青年兵に知らせなかった!」
天才「……ああ、そっちか。知らせたさ。手紙は大軍師に渡した」
エリート「だったら何故――」
227 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:10:31.57 ID:qOBzZPqJo
天才「そういう親子なんだよ。不器用な母子なのさ」グイッ
エリート「……っ」
天才「んで、青年兵は?」
エリート「東方は出た。今日の夜には着く」
天才「間に合うのか?」
エリート「それを今、確認しに来たのだ!」
ザッ カツカツカツカツ……
占い師「ね、ねぇ……。今の話って……」
天才「気にすんな。人の生き死になんざ宿命だ。お前が1番よく分かってんだろ」
占い師「……っ」
天才「人ってのは悲しみを乗り越えた時が最も成長する時なんだ」
占い師「……ええ」
天才「不謹慎な話だけどよ、こういうめぐり合わせってのはやっぱ宿命なんだろうな」
占い師「……悲しすぎるわ……そんなのって」
天才「それが人生だろ。悲しみがあるから、喜びが大きくなるんだ」
228 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:12:34.03 ID:qOBzZPqJo
……――
天才『何をボケッと突っ立ってやがるっ!! 逃げろ!!』
師匠『……ごふ……っ』ヨロッ
マジシャン『だ、大元帥……っ?』ポタタッ
天才『作戦は失敗だ! もう勝ち目は0なんだよ! 早く――』
マジシャン『アイツらはどうするんだよっ!! 見捨てろって言うのか!?』
天才『分かってんだろお前だってよぉ。あの2人は死んだんだよ!』
師匠『……マジシャン、行くぞ』
マジシャン『フザけんなよ……? 予言じゃ俺とてめぇが死んで……サタン倒すんだろうが!!』
師匠『いい加減にしろ! 無駄死にしてーのか!』
天才『朱雀の言う通りだ。生きて、仇を討つ。それが科せられた役目だ』
マジシャン『……ふ……ざけんなよっ、クソ……! ごほっ、ごほ!』
師匠『俺とこいつはサタンに半分持っていかれた。逃げる足手纏いになったら、迷わず捨てていけ』
天才『ああ。そうさせてもらうが……てめーらも貸しっぱなしじゃあ癪だろうが』
マジシャン『当たり前だ……っ! 持ってかれた分……キッチリ取り戻してやるからなああぁぁ!!』
229 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:14:04.87 ID:qOBzZPqJo
――……
〜本国、ターミナル〜
御者「到着〜っ!!」
ガラガラガラッ……ドドォ
御者「ふーっと。しっかし何だか随分と長く感じたなぁ」
おっさん「アンタもそう思うかい? なんか道が伸びたってか、距離が遠くなった感じなんだよな」
御者「よう。そうなんだよ! 魔道学園までの距離がどうみても伸びてやがる……」
おっさん「昨日、一昨日くらいからだよな」
御者「ああ。これも何かの影響なのかねぇ」
ボーッ ボーッ
御者「おっ、本国の船だ! 東方からのご凱旋だぞ!」
おっさん「噂じゃ20年振りだかに大元帥が誕生するらしいぜ?」
御者「そりゃめでてぇ! さぁー仕事仕事ぉ!」
おっさん「距離が伸びた分、今まで以上の件数で稼がないとなぁ!」
御者「おうよ!」
230 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:14:41.61 ID:qOBzZPqJo
既出の通り、魔王マーラを倒した事で、東西の世界は元通りとなり、
世界はまた1つの繋がりへと戻っていた。それは歴史的にも大変な出来事であった。
しかしそれをそう感じる者は、今の世界には皆無と言っても良い程であった。
日頃より道を使う者達が違和感を覚え、何かあったと認識する程度なのである。
この事が大々的に明らかとなるのはこれより数ヵ月後。測量と航海が行われての後である。
ゴッゴオオォォォォン
国軍兵「ターミナルへ入港致しました」
青年兵「ここで休憩、船の燃料などを補給した後、本国へと向かいます」
召喚士「了解です」
東方参謀「それでは我らは、ここで失礼するぞ」
格闘家「お疲れ様でした。色々とありがとうございました」
東方司令「またすぐに会う事になるさ。嫌でもな」
盗賊「それじゃ、また」
魔道士「お疲れ様でした!」
敬礼の後、東方司令部の面々は船を後にし、東方司令部へと向かって行った。
231 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:15:57.39 ID:qOBzZPqJo
…
昨晩のうちに東方を出航した船は、正午にはターミナルでの補給を終え出航すると、
その晩には本国、国軍の港へと無事、入港した。
〜本国、軍港〜
ザッザッザッ
戦士「久々の本国!」
魔道士「本当ですね〜っ。東方も良かったですけど、やっぱり本国が一番落ち着きますっ」
戦士「んで、これからどうすんだ?」
青年兵「えぇと、陛下が王宮でお待ちのようですので、ひとまず王宮へ向かいます」
盗賊「我らもか?」
青年兵「陛下と右大臣様からの伝令ではご一緒にと」
召喚士「了解。それじゃ一緒に向かいましょうか」
魔道士「はいっ」
タッタッタッタッタッ
本国兵「青年兵様っ!」
青年兵「ご苦労様です」
本国兵「急ぎ、馬車へお乗り下さい!」
青年兵「……?」
232 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:16:59.67 ID:qOBzZPqJo
〜本国、王宮〜
カツカツカツカツ ザッ
青年兵「青年兵、ただいま東方での戦いを終え、無事、戻って参りました」
皇太子「ご苦労だった。朱雀先生らもよくぞやってくれた」
召喚士「ありがとうございます」
皇太子「まずは報告など伺いたいところだが……」
エリート「陛下」
皇太子「分かっている。先に要点のみ済ます。報告は後日、改めるものとする」
青年兵「……?」
カツカツカツ
エリート「青年兵、男隊員。両名は前へ」
男隊員「はい」カツカツ
皇太子「総司令が退任した為、臨時で私が任命する」
スッ
皇太子「青年兵。君を、国軍大元帥に任命する」
233 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:18:49.01 ID:qOBzZPqJo
エリート「これにより国軍の指揮権は青年兵、君に移るものとする。良いな?」
青年兵「……はっ。ありがとうございます! より一層、務めさせて頂きます!」
皇太子「続いて男隊員。特殊遊撃強襲隊の隊長へと任命する」
男隊員「!?」
エリート「位は上級大佐となる。引き続き、任務を頼む」
男隊員「……はっ」ザザッ
皇太子「他の者については追って連絡する。まぁ尤も、今と任務が変わるものではないがな」
エリート「陛下、そろそろ……」
皇太子「うむ。以上だ。何か他にあれば伺う」
青年兵「特にございません。大丈夫です」
皇太子「ならば良い。さて……」
エリート「私から。青年兵、君に大切な話がある」
青年兵「……?」
エリート「君の……お母上の事だ」
青年兵「!?」
234 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:19:30.80 ID:qOBzZPqJo
…
タッタッタッタッタッ
青年兵「はぁ……はぁ……はぁ、はぁっ」
タッタッタッ バンッ!!
ドクター「!?」
青年兵「……はぁ……はぁはぁ」
〜病院、病室〜
テクテクテクテク
青年兵「…………」
ドクター「青年兵さん……っ」
青年兵「…………」
ドクター「……どうぞ」スッ
ナース「……っ」パサッ
青年兵「母……さん……」
ドクター「本日早朝……息を引き取りました……っ」
235 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:20:33.51 ID:qOBzZPqJo
…
タッタッタッタッ……カチャッ
召喚士「……失礼……します」
魔道士「……っ」
霊安室にはぼんやりと蝋燭が灯り、薄暗い部屋の中、青年兵が1人、直立していた。
戦士「青年兵の……おっかさんが……」
青年兵「綺麗な顔してるでしょう、死んでるんですよ……それ」
魔道士「――っ!!」
青年兵「はは……っ。笑っちゃいますよね……大元帥になったその日に……」
召喚士「青年兵くん……っ」
青年兵「やっと……っ、やっと報告出来るっていう時に……」
盗賊「……」
青年兵「馬鹿ですよね……っ、分かっていたのに……手紙を貰って……分かっていたのにっ」
崩れ落ちる青年兵の肩へ手を伸ばそうとする召喚士だったが、
背後から首を横に振る戦士に制され、無言のまま4人は霊安室を後にした。
236 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:21:26.97 ID:qOBzZPqJo
…
戦士「多分、今のあいつには俺達が何を言っても……意味はない」
召喚士「……うん。分かってる、分かってるけど」
戦士「こういう時は1人にしておいた方がいい」
盗賊「そうかも……しれないな」
魔道士「……こんなの……悲しすぎますよ……っ」
戦士「ほんと、あと1日……いや、半日早ければ。皮肉なもんだよな……」
召喚士「お互いを思うがあまり……すれ違ってしまったんですよね……」
魔道士「青年兵さん、大丈夫ですよね……?」
盗賊「あいつは強い。すぐに立ち直り……いや、乗り越えて帰ってくるさ」
戦士「そうだな。つらいとは思うが、これくらいで潰れるような男じゃねぇさ」
召喚士「……とりあえず今日はこのまま、宿に帰りましょう」
戦士「だな。明日にでももう1度、青年兵の様子を見てみよう」
盗賊「魔道士、行くよ」
魔道士「……はい」
237 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:23:18.54 ID:qOBzZPqJo
…
ドクター「では、葬儀の日程など決まりましたらご連絡を」
青年兵「はい。ありがとうございました」
ドクター「……申し訳ありませんでしたっ。我らがもう少し、頑張っていれば……」
青年兵「いえいえ。院長を始め、皆様には本当に良くして頂きました。感謝します」
ドクター「いえ……っ」
青年兵「ここへ運ばれて来た時点で、もう末期の状態だったにも関わらず……」
ドクター「……素晴らしきお母様でしたね」
青年兵「ええ。口煩い事も多かったですけれどね……ははっ」
ザッ
青年兵「それでは明日にでも、また打ち合わせを」
ドクター「お待ち……しております」
スタスタスタ……
ナース「もう立ち直られたようで、良かったですね院長っ」
ドクター「そんなわけがあるか。表面上は明るく振舞っておられるが……相当つらいでしょう」
238 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:25:28.23 ID:qOBzZPqJo
…
青年兵「…………」
宿舎の屋根。青年兵は膝を抱えて座り込み、星空をぼーっと眺めていた。
青年兵「……慰めなら要りませんよ、天才さん」
天才「ほぉ、よく気付いたな。気配は消したつもりだったけどな」ザッ
青年兵「からかうのはやめて下さい。今日ばかりは……洒落がききそうにもありません」
天才「ハーッハッハ! 青二才がほざきやがる。何なら試してみるか?」スチャッ
青年兵「いいですよ。多分、そう簡単には負けませんから」ゴゴゴゴゴゴ……
天才「……ハーッハッハ! 冗談だよ。こんな所で無駄な魔力使ってられるかってんだ」スッ
青年兵「同感ですね」
天才「んで、どーすんだ? お前の中身、悲鳴を上げてんぜ?」
青年兵「…………」
天才「自分に嫌気がさして、人間やめるか?」
青年兵「……僕は、沢山の人を殺してきました」
天才「……」
239 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:28:07.20 ID:qOBzZPqJo
青年兵「今回の東方では、藤蔵の皆を見殺し、隊長や妖である鬼丸までも……」
天才「そうだな」
青年兵「イブリース戦では民間人の踊り子さんらを巻き込み、ラーヴァナ戦では、
南東国の五虎将を始め、多くの将兵を犠牲にしました」
天才「そうだな」
青年兵「アンラ・マンユ戦では南東砦長やアマゾネスさん達の村まで奪い、
挙句の果てには、東方司令部で女記者さんを失い……ウィッチさんも」
天才「そうだな。全部とは言わんが、俺様とお前のせいだ」
青年兵「因果応報、ですね」
天才「これから先も、お前は人を殺し続ける。間接的にだがな」
青年兵「……」
天才「何故か分かるか? まぁ分かってるだろうけど」
青年兵「……」
天才「お前が人の上に立っているからだ。誰が死んでもお前は生きなくちゃいけねぇんだ」
青年兵「……」
天才「それが、お前の宿命なんだよ」
240 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:28:58.52 ID:qOBzZPqJo
青年兵「天才さんは、ずっと歩いてきたんですね。この過酷な道を」
天才「俺様には元々、失うものがほとんどなかったからな」
青年兵「だからワーカーとして戦い続け、司令としては仮面で全てを隠し続けた」
天才「考えすぎだ」
青年兵「乗り越えるしかない……か」
天才「超えられなかったらお前は人間を捨てるだろう」
青年兵「……」
天才「その時は俺様が真っ先に殺しに来る。覚えとけよ」
青年兵「1度、止められなかったからですか?」
天才「……!?」
青年兵「ご安心を。あなたの弟子のようにはなりませんよ」
天才「ハーッハッハ! そう願うぜ」
青年兵「ありがとうございます。天才さん」
天才「じゃあな。先に北で待ってるぜ」ヒュバッ
青年兵「……っ」
241 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:31:47.01 ID:qOBzZPqJo
…
スタッ
天才「……あん? 何だ、まだいたのかよ」
占い師「気にしない素振りみせておいて、優しいじゃない」
天才「個人的なモンじゃねぇ。人類の存亡がかかってんだよ」
占い師「はいはい。それで、青年兵くんは大丈夫そう……?}
天才「大丈夫なんじゃねーの?」
占い師「曖昧ねぇ……」
天才「あいつ、一切『司令』と呼ばなかった。完全に割り切ってやがる」
占い師「……?」
天才「そんだけの覚悟と意思の強さがある。こりゃ……化けるぜ」
占い師「そう……っ」
天才「悲しみは深ければ深いほど、その反動はデカイ。予想以上になるかもしれねぇな」
占い師「……これから北へ向かうの?」
天才「ああ。だがその前にやる事がある。お前も来い。過去との決別だ」
242 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:33:33.66 ID:qOBzZPqJo
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第五十六部〜
243 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:35:03.19 ID:qOBzZPqJo
〜次の日、本国〜
盗賊「…………」
戦士「おはよーさん」
盗賊「おはよう」
戦士「珍しいな。今日の朝練は読書か?」
盗賊「ん、奥義書を……な」
戦士「ああ、そっか……」
盗賊「これで私も、五行が使えるようになった」
戦士「物騒な事、言ってんじゃねぇよ」
盗賊「……ごめん」
戦士「お前だけの話しじゃねぇ。召喚士も魔道士も五行を使える」
盗賊「……」
戦士「変な事は考えるなよ? 五行の恐ろしさはよく分かってんだろ?」
盗賊「……うん。でも戦士もだぞ」
戦士「……」
244 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:36:42.69 ID:qOBzZPqJo
盗賊「水の鉱石……お願いしたんでしょ?」
戦士「ああ。西方参謀にそのまま、西方司令部へ運んでもらった」
盗賊「これで雷、火、風、水が揃った」
戦士「あとは土の鉱石が手に入れば、五行が完成する」
盗賊「ほら、やっぱり戦士だって……」
戦士「俺は使うつもりはない。その為に武具へ散らしてんだから」
盗賊「でも、いざという時は……その……」
戦士「……斧にも装着は出来る」
盗賊「……変な事は考えるなよ?」
戦士「さっき俺が言った」
盗賊「分かってるよ……っ」
戦士「心配すんな。俺は死んだりしねぇ。絶対に生き抜いてやる」
盗賊「何かあるのか?」
戦士「ああ。俺には夢があるんでな。……その、お前と……結――」
召喚士「おはよー」スタスタスタ
245 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:37:43.72 ID:qOBzZPqJo
盗賊「召喚士……」
戦士「――!?」
召喚士「……あ、あれ? なんか……ごめんなさい」
盗賊「いや、別に……」
召喚士「と、とりあえず午前のうちに国軍本部に行こうかと思ってるんだけど……」
戦士「あ、あぁ。そうすっか!」
盗賊「うん」
召喚士「じ、じゃあまた後で! あ、今日の朝食は特別ビュッフェだって!」
タッタッタッタッ……
戦士「……はぁ」
盗賊「……あの、話の続き」
戦士「い、いやっ! また今度にしようっ」
盗賊「えっ? う、うん……」
戦士「それより限定ビュッフェだとよ! 早く行ってみようぜ!」
盗賊「そ、そうだな……っ。限定か……限定、楽しみ」
246 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:38:43.34 ID:qOBzZPqJo
〜食堂〜
シェフ「さぁさぁ、今日は魔王マーラ討伐記念の特別ビュッフェ」
魔道士「おぉ〜っ!」
シェフ「なんとなんとっ、東方の食材を集めたビュッフェでござい〜!」
召喚士「へぇ、貿易も進んで食材も一般流通しているんですねぇ」
魔道士「でも、東方の食事は本場で沢山食べましたから……」
召喚士「確かにちょっと……ですね」
テクテクテク
戦士「おっ? 何だありゃ?」
シェフ「さぁまずはコイツだ! 寒い冬、東方の海でギッシリと身を詰まらせた〜」
盗賊「鮪か」
シェフ「なんと今日は贅沢に、コイツを生でサシミいして食おうじゃあないか!」
ヒューヒューヒューッ
盗賊「本当は北で獲れる鮪が絶品なんだがな」
戦士「そうなのか?」
247 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:39:20.38 ID:qOBzZPqJo
盗賊「うん。活きの良い、脂の乗った鮪がこの季節には集うから」
魔道士「へぇ〜っ」
盗賊「今までは妖も居て、なかなか出回らなかったけど……」
召喚士「マーラを倒したからこれからは……」
盗賊「うん。漁師さんやお爺さんが、沢山獲ってくれるだろう」
魔道士「そうしたら美味しいマグロを、本国の人達も沢山食べられますねっ、えへへ!」
盗賊「うん。値段だってきっと今より、安くなるよ」
戦士「そういうところにも貢献出来てんだな、俺達」
召喚士「うんっ。魔物倒して危険を取り除く延長に、そういう事もあるって認識しなくちゃだね」
戦士「でも忘れがちだけどよ、ワーカーの本分てのはそういう事なんだよな」
魔道士「そうですよね! 魔物を倒す事の方が、本当は延長線上にあるんですよね……」
盗賊「確かに」
召喚士「改めて、初心に戻れた気がしますね」
魔道士「本当ですね。また、頑張ろうっていう気持ちになれます」
戦士「だなっ!」
248 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:39:55.84 ID:qOBzZPqJo
――……
天才『……っ』
師匠『がはっ、ごほ……ぉ!』ビチャッ
マジシャン『……どう……だ?』
天才『内臓をほんとんどと言っていい程、やられてんな』
師匠『はぁ……ぐ……っはぁ』
マジシャン『回復は?』
天才『さっきからやってる! だが、痛みは消せても再生は無理だ』
師匠『ひ、人の心配はいい……。そういうお前はっ、どうなんだよ……っ』
マジシャン『この通り、ピンピンしてるぜ。ハッハ!』
トンッ ドサッ
マジシャン『何しやが――』
天才『強がんなよ。魔力……半分しか感じ取れねぇぞ』
師匠『お前……っ、まさか……』
マジシャン『……っ。ああ、魔王に半分持っていかれちまった。代償にはデカすぎんぜ……畜生っ』
249 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:40:31.94 ID:qOBzZPqJo
……――
〜国軍本部、受付〜
受付嬢「青年兵様……ですか?」
召喚士「ええ。面会したいのですが……」
受付嬢「えぇと、青年へ……大元帥はお戻りになられておりませんが」
召喚士「えっ!?」
戦士「んなバカな。昨晩には病院で――」
秘書官「こんにちは、朱雀先生」コツコツ
召喚士「あ、えぇと……秘書官さん、ですよね。こんにちは」
秘書官「大元帥はしばらく、喪に服す為にお休みを取られる事になりました」
召喚士「……そうでしたか」
秘書官「代理に大軍師様が今晩には本国へ戻る予定となっております」
召喚士「分かりました。ありがとうございます」
秘書官「あと……」スッ
召喚士「手紙……天才さんからっ!?」
250 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:41:06.91 ID:qOBzZPqJo
…
秘書官「詳細は私も存じ上げません」
召喚士「……」
戦士「何だって?」
召喚士「バーテンさんの店で待つ……ってさ」
魔道士「バーテンさんのお店!?」
盗賊「どうする?」
戦士「行くしかねーんじゃねぇか? ご指名なんだし」
召喚士「だよね」
魔道士「青年兵さんは……どうします?」
召喚士「しばらく休むのであれば、そっとしておいてあげた方がいいかもしれませんね」
盗賊「だな」
戦士「んじゃ、俺らはバーテンさんの店に行くとすっか」
召喚士「秘書官さん、ありがとうございました」
秘書官「いえっ。もし大元帥にご用があれば、なんなくお申し付け下さいませ」
251 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:42:33.04 ID:qOBzZPqJo
…
戦士「大元帥……大元帥……」
魔道士「どうしたんですか?」
戦士「いやぁ、なんか青年兵が大元帥って……全然イメージなくてさぁ」
召喚士「まぁ確かにね。まだ一兵卒だった頃から青年兵くんとは知り合いなわけだし」
盗賊「だな」
召喚士「でもそれを言ったら俺だって、朱雀先生なんて未だにしっくりきてないよ」
戦士「そうか?」
盗賊「まぁ私らは仲間内だから、朱雀先生なんて呼ぶ機会もないしな」
魔道士「ふふっ、確かに!」
召喚士「別に称号とか呼び名とか、そんなのは何でもいいんだよね」
戦士「そうそうっ。結局は自分自身が何をすべきか、だな!」
魔道士「いい事言いますね〜っ!」
戦士「だろっ?」
盗賊「調子に乗るなっ、馬鹿者」
252 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:43:16.55 ID:qOBzZPqJo
スタスタスタスタ
男隊員「おっ!? よう、休む間もなく北へ出発か? ヒャハハ!」
召喚士「あっ、男隊……長さん」
男隊員「別にいいよ。隊長がいねーら代わりだってだけなんだしよ」
魔道士「皆さんもこんにちは」
女隊員「こんちはッス! 本当に北へ行くんスか?」
戦士「その前にちょっとヤボ用」
格闘家「……?」
男隊員「なぁ戦士、一応聞いておくけどよ、お前……国軍になる気は――」
戦士「ないっ!!」
男隊員「ヒャハハッ! だよなぁ」
戦士「何を今更ぬかしてんだよ」
格闘家「実は隊長がいなくなった事で、枠が空いてしまいまして……」
女隊員「元々5人体制にしようとしてた矢先に、隊長まで……あ、元隊長まで……」
召喚士「そうでしたか……」
253 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:43:49.24 ID:qOBzZPqJo
戦士「だからって俺に話をふるなよ」
男隊員「いやぁ、お前とは色々と縁もあるし、お前の場合、父親が父親だからよ」
戦士「それが余計に嫌だ」
男隊員「分かってるって。だから言ったろ、一応聞いておくってよ。ヒャハハ」
召喚士「国軍内には居ないんですか?」
男隊員「いたら苦労しねーよ。東西南北全部知ってんだから分かるだろ」
女隊員「各司令部から引き抜くわけにもいかないッスし、本部は人手不足ッスよ」
魔道士「どこも大変ですねぇ……」
男隊員「まぁ1人、ようやく骨のあるのがいたけどな」
盗賊「……?」
男隊員「でも、まだまだだ。まだ特遊を務めるには及ばねぇ」
格闘家「おっと、隊長。そろそろ時間です」
男隊員「ヒャハハ……ん? あっ、隊長って俺か! 駄目だ全然慣れねぇわ……」スタスタ
女隊員「それじゃ、またッス!」タッタッタッ
戦士「ったく、何なんだか」
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/26(木) 18:44:46.05 ID:qOBzZPqJo
最終章突入ってところで失礼致します!
本日もご支援、本当にありがとうございました!それではまた!ノシ
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/01/26(木) 19:01:56.36 ID:wDLEUJXNo
1乙!!
いやあああ最終章なんていやあああああ
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/26(木) 19:07:56.28 ID:EGuTqtAGo
1乙〜
>>255
落ち着けプロローグ1の最終章って意味だ
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/26(木) 19:08:29.94 ID:B2TyK4M4o
はじまり編の最終章
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/01/26(木) 19:17:36.97 ID:alD4CmSAO
なんだ…そういうことか…安心した
259 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/01/26(木) 19:37:45.28 ID:PcuV/3FUo
完結までみたいって気持ちとずっとつづいてほしいって気持ちが交錯するよな物語読んでると
260 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/26(木) 20:01:25.69 ID:oKg/pG7DO
ボスの特遊デビューが近いか
おつんぽ!
261 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/26(木) 20:08:42.85 ID:GVExndcOo
> 青年兵「綺麗な顔してるでしょう、死んでるんですよ……それ」
思わず笑ってしまったww
どこのタッちゃんかとwwww
262 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/26(木) 20:10:24.35 ID:6IRCHfDxo
>>1
乙
最終章ってなんだばーーーーーーー!!!
俺の愛する魔導師ちゃんが新しい台詞を話さなくなる。そう言うことかーっ!!!!?
まだぜんぜん伝えたい気持ちの1%も伝えられてないのに・・・
ダメだわ、もう爆発して散りそうだわ
てか、最終回とかっていつも言葉では言い表せない不思議な気持ちになるよな・・・
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/26(木) 20:10:41.13 ID:UZ0TnXfG0
>>1
大量更新乙
最終章かぁ いちおつの好きなように書いてくれればいいけど
駆け足にならないで じっくり書いてほしい
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/26(木) 21:50:32.80 ID:v7VEDRAn0
1乙
戦士さんが危うく死亡フラグたてそうなのを止めた召喚士
モブのくせにヤるな
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/26(木) 22:38:35.77 ID:w0ssAHUIO
後ベルゼブブとサタンいるのに最終章?
266 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/26(木) 22:57:56.73 ID:vzIpmIKq0
>>1
おつんつん
最終章とかマジでいやだあああああああああああああ
267 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/01/26(木) 23:01:05.47 ID:ohB6H4A+o
いちょーつ
プロローグもようやっと最終章か
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/26(木) 23:39:03.25 ID:GXu4kTRbo
毎日このスレを見るのが楽しみなのに最終章なんておれは認めないぞ
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 00:03:04.28 ID:Ln8NtHmIO
もうここからは完全に伏線の回収とか話を纏める段階に入ってくって事だろ。
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/01/27(金) 00:13:02.33 ID:AVM2KjJAO
やっと1期が終わるのか
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/27(金) 00:57:10.15 ID:V4Pmay/Yo
やったな
>>1
!
2年間の拘束がこれで終わるぞ
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/27(金) 01:51:03.33 ID:qkhe1yjAO
>>1
おつ
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 07:42:28.42 ID:vrefe8UDO
みんな安心しろ、この話しは終わらせない。サタンがやられたら新しい魔王に俺はなる!!
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 07:43:45.04 ID:ZTUKbtMxo
人間界編ももうすぐ終わりか…
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagesaga]:2012/01/27(金) 12:46:16.39 ID:kSqOHZ/oo
今の世界は、FF5で言う、第一世界だろ?
そんで次は、召喚界や魔界をひとつの世界に戻す話が始まって、最後に1つになった世界でラストバトル。
バトルが終わったら、それぞれのキャッキャウフフな展開が残っていると信じてる。
276 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:46:15.78 ID:M0J8kn7Mo
――……
マジシャン『諦める……だぁ!?』
師匠『ああ。悪りぃが、この身体じゃあリベンジは無理だわ……ガハハッ』
マジシャン『ガハハじゃねぇよコラ!! 仇……とりたくねぇのかよ!!』ガシッ
師匠『とりたいに決まってんだろ。そんな事も分からねぇのかよテメーは……っ』
マジシャン『……っ』バッ
師匠『悪いが俺は降りるしかねぇようだ。だがな、俺の魂までは諦めたりはしねぇ』
マジシャン『……どうするつもりだ?』
師匠『まだガキだ。10年間はみっちり、後継者として鍛える時間がある』
マジシャン『まさか……お前……っ』
師匠『俺の魂……コカトリスと朱雀の名は……召喚士に託す』
マジシャン『……素質は…あんのかよ』
師匠『さぁな〜。今のところサッパリだわな、ガハハッ! あとは神のみぞ知るってやつだな』
マジシャン『ちっ、あいも変わらずギャンブル人生だなテメーは』
師匠『お前に言われちゃオシマイだよバカ。ガハハハハッ!!』
277 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:46:46.48 ID:M0J8kn7Mo
……――
〜青年兵の故郷の村〜
青年兵「……」テクテクテク
閑散とした村。魔物に襲われたわけでも、皆が引っ越したわけでもない。
冬の海に面した漁村であるが為、外に出る事もなく、村民は屋内にいるのだ。
それに加え、漁がや農業の少ないこの季節、男は必然的に出稼ぎへと村を離れる。
この村の出身である青年兵は、幼い頃から見慣れている光景であり、特に何も感じなかった。
青年兵「……」ザッ
実家の前で足を止める。扉には鍵などない。施錠せずとも盗人が入る事は有り得ない。
言い方は悪いかもしれないが、本当にそれくらい寂れた村なのだ。
理由は至極簡単、近くの本国による影響である。
目と鼻の先と言える距離に国の首都がある。当然、人々は本国に集まる。
防備に不安はなく、人も多く、店や流通も多彩。当たり前の話しである。
いつ魔物に襲われてもおかしくない本国周辺の町村に、人々が集まるはずもなかった。
それでも青年兵はこの村が好きであり、誇りであり、この村の人間なのだ。
278 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:47:25.95 ID:M0J8kn7Mo
カチャッ
青年兵「……」
何も変わった事はなかった。ただそこに居るべき母親が居ない。それだけである。
洗いかけの食器が台所におかれ、洗濯物が室内に干され、テーブルの上には、
無造作に置かれた本と、青年兵が母に送った手紙が散らばっていた。
青年兵「……」
自分の文字が書かれた紙を手に取り、未だに実感の沸かぬ母の死を、
青年兵はほんの少しずつ受け入れ始めていた。
ザッザッザッ……ギイィ
青年兵「……?」
医者「おぉ、やはり青年兵君……いや、今や青年兵様と呼ばねばいかぬかな」
青年兵「構いませんよ。ご無沙汰しております、先生」
医者「……ワシもつい先程、連絡を受けてなぁ」
青年兵「そうでしたか。どうぞ、今……飲み物を」
医者「おぉ、すまぬ……」
279 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:53:57.54 ID:M0J8kn7Mo
コポコポコポッ カチャッ
医者「ワシは、君に謝らねばならん。本当に済まない……っ」
青年兵「……?」
医者「もっと早く、君のお母さんを治療する事が出来ていれば或いは……」
青年兵「あなたのせいではありませんよ。どのみち、治療は無理でしたでしょう」
医者「確かに設備や薬にも限界がある。しかし、もっと早く本国の病院へ移していれば……」
青年兵「それが無理だったのですよ」ズズッ
医者「……?」
青年兵「あの当時、もし入院を希望しても、莫大な金を請求されたでしょう」
医者「……」
青年兵「今でこそドクターさんが院長となり、少額での治療や通院が行えるようになりましたが」
医者「そうだな。こういった地方の病院にも薬や医療機器が配備されるようになった」
青年兵「それまでは左翼のフィクサーとして、腐りきっていましたからね」
医者「現院長も見かねて、各地を回って治療と現状視察に努めていたのやもなぁ」
青年兵「だからあなたに非はないのです。いえ、誰にも非などありません」
280 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:54:27.61 ID:M0J8kn7Mo
医者「青年兵……っ」
青年兵「母の寿命は宿命。人間の寿命など生まれた時に定められているのですよ、きっと」
医者「そう割り切れる君が羨ましい。職業柄、どうしても人の命をそうは見られなくてなぁ」
青年兵「先生は医者であられる。当たり前の事です」ゴクッ
医者「まぁな。皆が皆、宿命などと思ってしまったら、とっくに廃業じゃ」
青年兵「軍人であるからこそ、そう思わなければ……やっていられないんです……っ」ギュッ
医者「青年兵君……」
青年兵「僕だって……出来る事ならば……母さんを……」
医者「……いつも、君の話ばかりじゃった」
青年兵「……」ポタッ
医者「会えば必ず、君の手紙を自慢げに見せては話し……」
青年兵「……」ポタポタポタッ
医者「時には昔話。時には将来の事。自分の死期が分かっていただろうに、強いお人じゃった」
青年兵「……っ」ポタタッ
医者「君と会いたくとも、毎日毎日……手紙を見つめ、堪えていた……」
281 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:55:26.32 ID:M0J8kn7Mo
青年兵「母さん……っ」
医者「余計な心配や未練を残したくないと、遺書を書く事も拒んでおった」
青年兵「母……さん……っ!!」ポロポロポロッ
医者「青年兵君。己を責めてはならんぞ。君の言った通り、誰のせいでもないのだろう?」
青年兵「……っぐ」ポロポロッ
医者「……さて、ワシはそろそろ失礼するよ」
青年兵「ぐ……っうぅ……!」
医者「……墓は……どこへ?」
青年兵「……父と……共に、この地に……っ」
医者「それが良かろうな。君が帰ってくるまでは、墓守させて貰うよ」スクッ
ザッザッザッ
青年兵「先生……っ」
医者「……?」
青年兵「……ありがとうございました」ザッ
医者「……こちらこそ、有難う」
282 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:56:01.46 ID:M0J8kn7Mo
――……
青年兵『全く、足なんかひねって……。年なんだからあまり無茶しちゃ駄目だって』
母『仕方ないだろっ! じゃあアンタが代わりに働いとくれよ』
青年兵『だから働くって。それをとめて魔道学園に入学させたのは母さんじゃないかっ』
母『そりゃそうさ! 偉くなってこの村を立派にして貰うんだからねぇ』
青年兵『無茶言わないでよ……。それだけ偉くなればいいと思ってるのさ』
母『国軍で1番偉い人になれば、そのくらい簡単だろっ?』
青年兵『……はぁ。それにしても母さん、少し軽くなったんじゃない?』
母『そうかい!? いやーダイエットした甲斐があったねぇ〜』
青年兵『今更ダイエットだなんて……』
母『何か言ったかいっ!?』
青年兵『あははっ、何でもないよ! さぁ着いた、今日はそのまま安静にしてなよ』
母『いいよ、これから夕飯の支度だってにしなきゃいけないんだし……』
青年兵『今日は俺が作るよ。入れるなら先に風呂、入ってきちゃいなよ』
母『人を老人扱いするんじゃないよ全くっ! あはははっ!』
283 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:56:34.20 ID:M0J8kn7Mo
……――
青年兵「……」ザッザッザッ
あの日、歩いた道を逆に辿る。背におぶっていた母は、今や両腕に抱えられた、
小さな小さな木箱の中に、ただ静かに眠っている。
青年兵「……本当に……軽くなっちゃったね……母さん」
村の中央、南北に伸びる道。青年兵の家から北上し、上って行くと、
そこには畑が広がり、亡き母が漁のない日に耕していた面影が脳裏に浮かぶ。
畑を抜け、大きな木の下を抜けて行くと、その先には墓地が見えた。
高台の向こうには冬の海が広がり、冷たい風が墓地を吹き抜ける。
青年兵「……」
亡き父の墓。当然そこに遺骨はない。名ばかりのものである。
それでも父が居る。そう言い聞かせて祈り続けた母は、今そこに眠る。
青年兵以外の誰も居ない墓地。そこには北風と土を掘る音のみ。
青年兵「……さよなら、母さん」
遺骨を納めると青年兵は暫くの間祈り、そして故郷の村を後にした。
284 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:57:45.85 ID:M0J8kn7Mo
…
バシュウウウウゥゥゥゥ!!
ワイバーン「……先程よりは少し、吹っ切れた顔をしているな」
青年兵「……今までは、死を受け入れずに、逃げ続けてきた」
ワイバーン「……」
青年兵「でも、母さんが死んで少し分かったんだ。逃げるんじゃない、受け入れるんだって」
ワイバーン「……ほぉ」
青年兵「大元帥になった今、今後の戦いにおいて、死は全て僕の責任だ」
ワイバーン「過酷だな」
青年兵「でもそれが仕事であって責任であって、宿命なんだ」
ワイバーン「……」
青年兵「誰かがやらなくちゃいけない事なんだ」
ワイバーン「それが青年兵、お前だと言う事だな」
青年兵「うん。だからワイバーン、ちょっとだけ付き合ってくれ」
ワイバーン「私はお前の召喚獣だ。どこまでも付いて行くさ」
285 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:58:11.39 ID:M0J8kn7Mo
〜バーテンの店〜
ドバンッ!!
バーテン「!?」
天才「おーっす。ん? オヤジ臭せぇ店だなおい、加齢臭漂うぞ」
バーテン「お前が1番ジジイだよ」
天才「ハーッハッハッハ! まぁいいや、マジシャンいるか?」
バーテン「おーいマジシャン、ご指名だぞ」
スタスタスタ
マジシャン「……何だお前さんかよ。美人からのご指名かと思ったのによ」
天才「年増もいるぞ?」
占い師「毎度毎度失礼ねぇ」
マジシャン「んー我慢しとく」
占い師「ちょっと!」
マジシャン「ハッハ! んで、何用だい?」
天才「マーラの討伐が完了した。いよいよだ」
286 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:59:02.37 ID:M0J8kn7Mo
戦士父「……そうか」
天才「サタンの封印を一旦、解く。いいな?」
マジシャン「……分かった。こっちもすぐに動く」
戦士父「何の話だ?」
天才「貸してたモンを返して貰うだけだ。なぁ?」
マジシャン「そうだな。俺もお前さんもあいつも……貸しっぱなしだ」
天才「俺様は貸しちゃいねーよ。お師匠の形見を引き取りにいくだけだ」
バーテン「魔剣なしにベルゼブブは倒せんのか?」
天才「無理だな。流石の天才様と言えど、魔行は使えん」
マジシャン「……なぁ、どうしても1人でやる気なのか?」
天才「魔王城突入には甚大な被害が予想される」
占い師「……っ」
天才「文字通り力押しだ。魔王様のツラを拝むまでにどんだけ疲弊する事やら……」
戦士父「魔王城内への突入など、前代未聞だからな」
マジシャン「未だかつて人類史上、到達した事のない道……」
287 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 17:59:54.68 ID:M0J8kn7Mo
天才「そんな渦中でいちいちご指名なんぞしてらんねーだろ」
バーテン「しかもあれだよな、突入は1ヶ所じゃないんだろ?」
天才「そうだ。だからこそ余計に選抜だとか回りくどい事はしてらんねぇんだよ」
戦士父「そうか……」
天才「はいはい、暗い話はおしまいよ! 準備はいつ出来る?」
マジシャン「いや、まぁ今からでも向かえば明日の朝には……」
天才「んじゃそれで頼むわ」
マジシャン「いっ!? せっかちなヤローだな……ハッハ」
天才「善は急げ。つーか元からモタモタしてる場合じゃねぇんだよ」
バーテン「北での戦闘、そんなに酷いのか?」
天才「ひどかねぇけど人手不足でな。まーもうじき人も揃うはずだがよ」
戦士父「……」
天才「つーかよ、てめぇらもサボってねーで参加しろや」
バーテン「サボってねぇだろ! 俺の仕事場はここだ!」
天才「ハーッハッハッハ! んじゃその仕事っぷりを見せて貰おうか。ブラックな」
288 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 18:01:19.66 ID:M0J8kn7Mo
〜三日月島、上空〜
バシュウウゥゥゥゥ
青年兵「うぅっ、寒い……っ」
ワイバーン「西へ入れば風も弱まる。しばしの我慢だ」
青年兵「だ、だねぇ……っ」ブルッ
ワイバーン「しかし……魔王を倒し、世界が戻った事で、距離も遠くなったものだ」
青年兵「だね。でも東西の海が繋がった事で、世界一周が出来るようになったよ」
ワイバーン「青年兵の魔力では持たんだろ」
青年兵「まぁそりゃ、休み休み行くしかないけどさ……今はね」
ワイバーン「それで、西のどこへ行けば良いのだ?」
青年兵「最西端。イブリースの居た所へ」
ワイバーン「過去との決別か」
青年兵「決別じゃないよ。再会さ。受け入れる為に僕は行くんだ」
ワイバーン「押し潰されるなよ。負の心に」
青年兵「打ち勝つさ。でなくばこの先、人の上に立つ事なんて無理だよ」
289 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 18:01:48.90 ID:M0J8kn7Mo
〜バーテンの店〜
カチャッ……チリチリン
魔道士「こんばんは――」ドンッ
マジシャン「おっとすま……おぉ! 魔道士ちゃんっ!」ギュウゥ
戦士「おいこらオッサン、どさくさに紛れて何やってんだよ」
魔道士「マジシャンさん、お久し振りです〜!」
マジシャン「いやぁ、噂は色々と聞いてるぞ! 大活躍みたいじゃないの。ハッハ!」
召喚士「マジシャンさんはこれからどこか行かれるんですか?」
マジシャン「ああ、大切な用事さ!」
盗賊「……?」
マジシャン「良かったな召喚士、ま……会えるかは分からんけど」ポンポン
召喚士「へっ?」
マジシャン「楽しみに待ってなって! ハッハ!」スタスタスタ
戦士「……何の事だ?」
召喚士「さ、さぁ……っ」
290 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 18:03:03.11 ID:M0J8kn7Mo
魔道士「改めて、こんばんはー!」
バーテン「いらっしゃい。お待ちかねだぜ?」クイッ
天才「思ったより早かったな!」
戦士「どうせ予言で分かってたんだろ?」テクテク
天才「ハーッハッハ! バレたか!」
盗賊「……はぁ」
戦士「んで、何の用――親父!?」
戦士父「腕の具合はどうだ?」
戦士「ああ、今はもう何とも……って、そっちこそどうなんだよ!?」
戦士父「だいぶ動くようにはなってきた。まぁ気にするほどでもない」クイクイッ
戦士「いや、気にするだろ普通……」
バーテン「とにかく座れ。占い師、飲み物を運んでやってくれ」
占い師「はいはい。それじゃこっちにどうぞ」
魔道士「失礼しまーす」
召喚士「それで、どういったご用件ですか?」スッ
291 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 18:03:34.11 ID:M0J8kn7Mo
天才「これからよ、サタンんお封印を一時的に解除する」
盗賊「!?」
天才「前に戦士にゃ話したよな? っつーか実際、地獄を見たよな。言葉通りよ」
戦士「……ああ」
天才「20年前、俺様や再来、それから当時の大元帥らはコイツの予言に従って、
サタン討伐作戦を開始した。まぁ結果はご存知の通りだがな」
占い師「……っ」
天才「当時まだ20だかそこらの小娘が、実力不足で予言を外した。誰もがそう思ってた」
召喚士「……」
天才「だが実際は違った。それから20年。コイツは一切の予言を外しちゃいねぇ」
占い師「途中で運命が変わる事はある……けどね」
バーテン「そんなもんは外したうちに入らねぇよ」スパー
天才「そっ。コイツの予言は大体誰かが死ぬ。だが外した時は何とラッキー。そいつは死なない」
戦士「あぁ、確かに……」
天才「だがサタンだけは違った」
292 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/27(金) 18:05:15.39 ID:M0J8kn7Mo
盗賊「何が……言いたいのだ?」
天才「サタンに予言は通じない。未来なんざないのさ。サタン相手にはな」
魔道士「!?」
戦士「ど、どういう事だよ……」
天才「あの日以来、サタンに関する予言なぞ、俺様もコイツもしちゃいねぇが……」
占い師「サタンについては何も分からないの……っ」
戦士父「だが、20年前には見えたんだよな?」
天才「それが虚像なのか、当時のコイツの持つ力なのか、今となっちゃ分からん」
占い師「……っ」
天才「あの日、予言ではマジシャンと師匠。それから俺様が死ぬ事になっていた」
召喚士「――っ!?」
天才「だが蓋を開けてみりゃ……死んだのは大元帥に魔剣士にプリーストだ」
戦士「予言と……正反対じゃねぇか……っ」
天才「ああそうだ。予言出来ないが為に、あえて逆の結果が出たか……」
召喚士「サタン自身の力で……運命を変えられたか……」
293 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/27(金) 18:10:02.81 ID:M0J8kn7Mo
ちょっと早いですが今日はここまでにて失礼致します!
肩凝りがヤバすぎてヤバいですバキバキでして…すみません
今日もご支援ありがとうでした!週末なので後で来られたら来ます!
それでは失礼致しますね!ノシ
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/27(金) 18:11:58.22 ID:HGJMJmlRo
サタンの全貌は楽しみでしかたない
295 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 18:18:26.55 ID:i0967jKDO
とうとう凍り漬け師匠の復活か
乙!
296 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/01/27(金) 18:20:03.19 ID:RiRSjkbxo
>>乙
更新ボタン押しまくってたのにwww
みんなもそうだろ?
297 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/27(金) 18:38:21.13 ID:HK2iN5YAO
>>296
F5アタック乙ww
韓国の方ですか?
>>1
乙
肩こりにはゆっくり風呂に浸かるのが良いらしいぞ
298 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/01/27(金) 18:47:55.68 ID:RiRSjkbxo
>>297
F5アタックじゃねーよwww
あ、>>1遅いな・・・次書き込まれたかな?ソワソワ
って更新しちゃうだろ?
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/27(金) 19:04:42.89 ID:5BbqeuCmo
>>1
乙
俺も最近肩バキバキでヤバいから、肩凝り用のバスクリン入れて風呂はいって、普段はマグネループと湿布の最強装備してるよ
効果はあまり感じられないがな!
300 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 20:29:09.54 ID:kxrtfkLMo
サタンの封印解くと年取らない呪いもなくなるのかと思ったけど
よくよく考えたらサタンじゃなくて魔剣ののろいだったのか
>>1
乙!
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 20:35:14.85 ID:k12q31cIO
>>293
肩が刃牙
確かにヤバすぎてヤバいwwwwww
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2012/01/27(金) 20:46:14.20 ID:DIXUel++o
は?(威圧)
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/27(金) 20:56:37.45 ID:6HbQFBMV0
いちおつ
サタンを一時的にってことは また封印するのか
けっこう被害がでそうだな
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 21:46:15.86 ID:yxzYEv3IO
肩ほぐすには腕立て伏せが効果的。
自分の場合ではあるが…
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 22:04:39.09 ID:uH43as5b0
1おつんつん
久しぶりに泣いた
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/27(金) 22:31:15.78 ID:NehMu2/IO
>>303
サタンは封印じゃなくて消滅させんだろ。封印し直すとかハゲかお前は
307 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/01/27(金) 22:55:07.93 ID:CJZ/c0Syo
>>306
308 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/28(土) 00:03:12.65 ID:6Oea8Yuk0
>>306
309 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/28(土) 00:25:26.63 ID:tUa1qCESO
いちおつおつ!
サタンの封印をといて大丈夫かよと思ったけど、頭部再生までの猶予があるんだな。
それにしてもついに北での最後の戦いか…熱い
310 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/28(土) 01:08:28.03 ID:Dm6s5++No
>>1
1乙
サタンがゲシュタルト崩壊してサンタに見えてきた。
これは、ケツアナさんのフラグか
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/28(土) 01:34:23.10 ID:NUgAjmWAO
>>1
おつ
天才PTの話は読んでて楽しいな
312 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/28(土) 02:36:01.22 ID:0ldE0ALmo
天才「ま、そんな結果はどうでもいい。問題は何が起きたのかって事だ」
召喚士「話して頂けるんですか?」
天才「俺様は構わんぜ。ま、話さない事には先に進めねぇし」
占い師「……うん」
天才「お前らも聞いているかもしれんが、あの日サタンは倒せなかった」
バーテン「だが、封印は出来た……か」
天才「そうだ。ゴリ押しだったけどな。何とか封印する事には成功した」
戦士「どうやったんだ?」
召喚士「確か、師匠とマジシャンさんが……」
天才「ああ。最初に突入したのは再来の4人だ」
戦士「ちょっと待て。たったの……6人で挑んだのか?」
天才「ああ。何か問題か?」
戦士「い、いや……問題はねーけどよ、少なすぎやしねぇか?」
天才「少ねぇよ。それでも当時は最強とも言える面子だったんだがな」
盗賊「……」
313 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/28(土) 02:36:52.91 ID:0ldE0ALmo
天才「魔王相手に大人数で挑んでも無駄だってのは、よく分かってんだろ?」
戦士「……まぁな」
天才「んでだ、再来の4人が最初にサタンと激突した」
魔道士「……っ」
天才「まぁ奮闘はしたが、結果は知っての通り」
召喚士「魔剣士さんと、プリーストさんでしたっけ?」
天才「ああ。そん時ぁ俺様も未到着だったから、詳しくは知らねーが」
バーテン「確か、プリーストがやられたんだっけか」
天才「らしいな。魔剣士を庇って死んだらしい」
召喚士「!?」
天才「その後、魔剣士も力尽き、師匠とマジシャンがかろうじてサタンの頭部を押さえた」
召喚士「コカトリス……ですよね」
天才「ああ。マジシャンが五行を放ち、コカトリスの石化でそれを封じ込めた」
召喚士「……」
天才「んで、お師匠の魔剣でその首を斬り落としたってわけだ」
314 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/28(土) 02:37:38.67 ID:0ldE0ALmo
盗賊「…………」
天才「首を落とした事でサタンの動きは止まった」
戦士父「それでサタンを封印出来たわけだな」
天才「そういう事だ。そんんでまぁ今回は、その封印を解きに行くってわけだ」
魔道士「大丈夫なんですか……?」
天才「……大丈夫かと言われれば大丈夫だし、駄目かと言われれば駄目だな」
戦士「何だよそりゃ……」
天才「封印を解除してすぐには、サタンも動けねぇ」
召喚士「ベルゼブブを倒しても、あまり時間がないという事ですね?」
天才「ああ。お前らにゃ苦労かけるが、まぁ頑張ってくれや。ハーッハッハ!」
召喚士「……」
言い返したい思いもあった召喚士だが、天才の言葉は即ち、遺言であった。
最後の戦いとなるであろうサタン戦に自分はいない。お前らに託す。そういう意味である。
天才「……っと、時間だ。そろそろ向かうぞ、サタンちゃんの所へよ」
沈黙を破る天才の声が、再び時計の針を刻みだした。
315 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/28(土) 02:39:54.45 ID:0ldE0ALmo
〜最西端、遺跡〜
青年兵「……」
ザッザッザッ
青年兵「ここで、彼女は踊っていたんだ」
ワイバーン「……」
青年兵「魔王をも圧倒する……世界一の踊りだった」
ワイバーン「人の力は時として、魔王をも凌駕する事がある」
青年兵「うん。でもそれは理由があるからなんだ」
ワイバーン「ほう」
青年兵「それは誰かを、何かを守りたいという力」
ワイバーン「守る力……か」
青年兵「踊り子さんだけじゃない。隊長もマーマンさんも……」
ザッザッザッ
青年兵「それに、藤蔵の皆さんも鬼丸も……」パサッ
献花は荒廃した無地の中に、鮮やかな色を加えた。
316 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/28(土) 02:55:31.38 ID:0ldE0ALmo
〜深夜、大きな街〜
ザッ
天才「うーし、準備いいかぁ?」
戦士「おーう」
魔道士「何だか、ドキドキしてきました……っ」
盗賊「危険はないんだろうな?」
天才「これから行く先は、天国と地獄。危ないかは知らんが普通じゃねぇ」
召喚士「……天国と地獄?」
天才「行きゃ分かる」
召喚士「確か、ここから西へ進んだ森ですよね?」
盗賊「ああ、あの森か」
天才「安心しろ、死にゃしねーよ、俺様がいる限りな」
戦士「マジで頼むぜ、天才さんよー」
天才「ハーッハッハッハ!任しときな。それじゃ行くぞ」
召喚士「はいっ!」
317 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/28(土) 03:12:39.42 ID:h9I7XdQq0
>>1
深夜更新乙
封印を解いても すぐには動けないのか
ちょっと安心した
318 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
:2012/01/28(土) 03:19:12.20 ID:1Fw97xSv0
ベルゼブブ戦中にサタンが動き出すとかは…
ハラハラするわ!
319 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/28(土) 03:22:43.18 ID:6Oea8Yuk0
>>1
おつんつん
天才死亡フラグビンビンやな
320 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/28(土) 14:53:24.07 ID:kZmIjBtAO
最近の死亡フラグはアテにならんからなぁ…
虚を突いて西国王子とかヤバいんじゃね?
321 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/28(土) 15:27:12.02 ID:C8TcZlzDO
>>320
もっと全く関係ないやつかもしれないよな
マスク・ド・ジーニアスとか
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/01/28(土) 16:36:41.47 ID:uDESbNvAO
帝が生きてればまだ頑張れる…
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/28(土) 16:44:49.04 ID:NQUrPNDi0
>>321
土の中に潜ってばっかの奴とかな
324 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/28(土) 18:20:12.81 ID:Li6StE7l0
1乙
おっさんパーティーwktk
325 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/28(土) 19:39:55.10 ID:lSH26Aa0o
>>1
乙
俺にも潜在的な死亡フラグが見えてきた。
恐らく死ぬのは王子なのかもしれない
ああ、死ぬのは王子だ。間違いない。
許してやれなくもないが、許せない。それが男の意地ってもんだ
326 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/28(土) 20:01:47.90 ID:hPNg9Rg1o
神官が命張ったのに死ぬかよボケ
327 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/28(土) 20:28:49.42 ID:kZmIjBtAO
みんな…良く聞いてくれ。
西国と東方は隣国になってしまったんだよ…。
俺には絶望的なフラグが見えるんだ…
328 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/28(土) 22:42:23.80 ID:/WLVvtJI0
お前ら落ち着け
痛いレス多すぎだろ
329 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/29(日) 00:11:54.60 ID:ZW04r23DO
>>327
お前毎回つまんねーんだよ!
330 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/01/29(日) 00:37:08.21 ID:t8dk6nGwo
あっちでやれよ
331 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/29(日) 01:17:56.29 ID:ami5E7IAO
>>1
おつ
332 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:49:36.76 ID:yh/mrhzIo
〜南東砦〜
南東砦兵「こ、これはご苦労様です!」
青年兵「今日は軍務ではありませんので、お気にせず」
南東砦兵「ははっ! 何かございましたらお声がけ下さいませ!」
青年兵「アンラ・マンユ討伐後はどうですか?」
南東砦兵「はっ。あれからは魔王軍も一切現れず、万事、問題ありません!」
青年兵「それは何より。間もなく北にて大きな戦いが始まります」
南東砦兵「伺っております。我らも無論、馳せ参じるつもりであります!」
青年兵「嬉しい限りですが、大丈夫なのですか?」
南東砦兵「ここに魔王軍はもう居ません。ですが、我らの任務は人々の命を守る事です」
青年兵「……」
南東砦兵「それは南東砦長の教えであり、意志ですから」
青年兵「そう……ですか……」
南東砦兵「南東砦長はもう居ませんが、その意志はまだ……死んではおりません!」
青年兵「……ええ。そう強く感じました」
333 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:50:06.06 ID:yh/mrhzIo
…
南東砦兵「こちらです」
青年兵「ありがとうございます」
南東砦兵「墓と言っても、我ら有志で勝手に作らせて頂いたものですが……」
青年兵「亡骸は本国のご家族に引き渡しましたし、本物の墓はあちらにありますからね」
南東砦兵「はい。しかし魂はまだここに眠っていると思っております」
青年兵「……」ザッ
パサッ
青年兵「……南東砦長殿もきっと、大いに喜んでおられますよ」
南東砦兵「……?」
青年兵「あなた達のような、南東砦長を慕い、意志を継ぐ者がこれだけいるのですから」
南東砦兵「青年兵様……っ」
青年兵「ありがとうございました。近日中に号令がかかると思います」
南東砦兵「はっ! いつでも馳せ参じる準備は出来ておりまする!」
青年兵「ありがとうございました。それでは」
334 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:50:38.65 ID:yh/mrhzIo
〜森〜
天才「さーて、いよいよ行くぞ」
召喚士「そういえばずっと気になっていたんですけど……」
天才「あん?」
召喚士「ここに、大きな結界石がありますよね? あれって……」
天才「ああ。ありゃ俺様も知らん」
召喚士「……はっ?」
天才「かなり古くからある。だが、いつからあるのかは分からん」
魔道士「それってどういう事ですか……?」
天才「文献によってもマチマチでな。明確な時代や誰が設置したのか分からん」
戦士「どういう事なんだ?」
天才「簡単にいや手柄さ。結界石を建てたっつー手柄をな」
召喚士「確かにこれだけの大きな結界石を設置したわけですからね」
天才「誰が建てたものか、どうやって建てたものかも分からんから自分の手柄にしてんのさ」
盗賊「なるほどな」
335 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:51:10.67 ID:yh/mrhzIo
天才「文献の年代も様々でな。新しいものじゃ闘王時代の書物にも記載がある」
魔道士「闘王……って、250年くらい前ですよね?」
天才「それだけ曖昧なんだよ。この結果石はな」
戦士「まぁ確かにこれだけのモンを建てたってのは功績になるもんなぁ」
天才「俺様はもっと古い……そうだな、何千年も前からじゃねぇかと思ってるけどな」
召喚士「確かに近くで見た時、凄く古い印象をもちましたね」
盗賊「だが、自然のものではなかったな」
天才「まぁお陰でサタンは地上に出る事は出来ないってわけだ」
戦士「サタンは地上に出られないってのか?」
天才「そういう事だ。つまりこの森は一切の魔物がいない。言ってみりゃ天国だわな」
召喚士「天国……」
天才「そして……さぁ着いたぜ。地獄への入り口だ」
魔道士「!?」
盗賊「ここは……あの時の……」
召喚士「見た目は…・・・ただの教会にしか見えないんですけどね」
336 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:51:51.89 ID:yh/mrhzIo
〜教会内〜
ガチャッ キイイイィィィィィ
魔道士「……っ」キュッ
召喚士「大丈夫。魔物はいませんから」
魔道士「ええ。でも何だろ……不気味な気配のようなものを感じます」
天才「感受性が強いと感じるかもな」
盗賊「……?」
天才「この奥だ」カツカツカツ
魔道士「礼拝堂ですか?」
盗賊「以前来た時は、何もなかったが……」
天才「……」
カツカツカツ……コツ
天才「なんつーか、大昔からの決まり事ってのかねぇ」
ゴトッ……ガゴンッ
天才「民家は暖炉の中。教会は祭壇の下ってのが定番でな。ハーッハッハッハ」
337 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:52:24.75 ID:yh/mrhzIo
戦士「こ、こんな所に……隠し階段が!!」
天才「こっからは先は地獄への階段だ。覚悟はいいな?」
召喚士「……もちろんです!」
天才「お前らにゃもう1回来て貰うからな。よーく覚えておけよ?」
魔道士「……はいっ」
戦士「でもよ、地獄ってのは地下にあるもんなのか?」
盗賊「どれほど長い階段なのか……」
天才「ああ、階段は途中までだ。あとは途中から深ーい闇に包まれる」
召喚士「闇……!?」
天才「んで気が付けば地獄。考えりゃ怖い話だよなぁ。ハーッハッハッハ!」
戦士「はーっはっはっはっておい!」
天才「さぁお祈りは済んだか? こっからは先は、祈りなんぞ通じねぇぜ?」
召喚士「祈りなんて要りません。やるべき事をやるだけですから」
魔道士「はいっ! それに天才さんを……信じていますから」
天才「ハーッハッハッハ! そいつは感心だな! んじゃ……行くぞ」
338 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:52:57.88 ID:yh/mrhzIo
〜最南端、ラーヴァナの城跡〜
青年兵「……」
ヒュオオオオォォォォ
ワイバーン「南の地と言えど、風は冷たいな」
青年兵「かぜだけのせいじゃないかもしれないけどね」
ワイバーン「……?」
青年兵「いや、なんでもな――」
ババッ!!
青年兵「……魔物の気配と思って、驚きましたよハヌマーンさん」
ハヌマーン「青年兵か。お主がこのような地に来るとは珍しいな」
青年兵「間もなく北で戦いが始まります。その前に暇を頂いたもので」
ハヌマーン「そうであったか。しかし暇に此処へ来るのも奇特だがな」
青年兵「ははっ。そうかもしれませんね」
ハヌマーン「……何か、悩みでもあるのではないか?」
青年兵「悩みなんて年中ですよ。でも、もう悩んでいる暇もありません」
339 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:53:39.18 ID:yh/mrhzIo
ハヌマーン「強い男だな、お主は」
青年兵「弱いですよ。弱いから、受け入れるしかないんです」
ハヌマーン「それも1つの強さの内よ」
青年兵「ありがとうございます。ところでハヌマーンさんは一体どうしたんです?」
ハヌマーン「我らもじきに、北方へと向かうのでな。最後の確認だ
青年兵「なるほど、それは助かります」
ハヌマーン「我等の中には魔王城を知る者も居る。多少の役には立てるはずだ」
青年兵「頼もしい限りです。お待ちしております」
ハヌマーン「ああ。それではまた……北でな」
青年兵「はい、それではまた」
シュバッ!! ヒュウウゥゥゥゥ
青年兵「……」
ワイバーン「あの者も仲間を失い、悩んでおるのだろうな」
青年兵「人間だって魔物だって、同じだよ。さ、供養をして次の所へ行こう」
ワイバーン「そうだな」
340 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:54:07.18 ID:yh/mrhzIo
〜教会、地下階段〜
カツカツカツカツ……
盗賊「……」
魔道士「……っ」
天才「辛気臭せぇなぁ。誰か盛り上げろよ」
戦士はぁ!?」
天才「なんかねーのか? そうだな……コイバナとか」
戦士「お前が話せ!」
召喚士「じ、じゃあ天才さん」
天才「おっ、朱雀先生の知られざる恋愛経験――」
召喚士「違いますっ! せっかくなんで聞きたい事が……」
天才「んだよー。まぁいいや、いいぜ……聞くがいい。プライベート以外でな」
戦士「自分の時だけふざけやがって……」
召喚士「ま、まぁまぁ……」
天才「んで、何だよ」
341 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:54:37.38 ID:yh/mrhzIo
召喚士「えっと、さっき言ってた闘王というのは、陛下の祖先にあたるんですよね?」
天才「ああ。今の種無し王から7代前だったっけかなぁ」
魔道士「確か、そのくらいだったと思います」
天才「闘王は何と言っても異色の王だったからな。今なお人気も高い」
盗賊「そうなのか」
天才「齢16で初陣を飾ってからというものの55年間で88回の戦闘をこなした」
戦士「すげえな……っ」
天才「しかも88回の闘いにおいても無敗。常に戦場で過ごしたらしい」
召喚士「!?」
天才「噂じゃ玉座にも座った事がねぇって話だ。ハーッハッハッハ」
戦士「訂正。バケモンだな」
天才「聖王をえらく崇拝してたらしくてな。ま、仕方ないっちゃ仕方ない」
魔道士「聖王も戦場では不敗を誇ってたんですよね?」
天才「そうそう。しかも種無し。そっちの方がバケモンだよ」
召喚士「……えっ? 聖王も魔法を使えなかったんですか?」
342 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 02:55:15.18 ID:yh/mrhzIo
天才「らしいな。あくまで文献での話だが」
盗賊「陛下と……一緒だな」
天才「先代や前右大臣は聖王の再来みてーなカンジで験を担いでやがってけどな」
戦士「へぇ」
天才「本人は比較されるのが嫌だったみてーで、今はタブーみてぇになってっけど」
召喚士「……知らなかった」
天才「ご本人様は覇王を崇拝してるみてーで、小覇王とか気取ってっけどな。ハーッハッハ」
盗賊「……覇王?」
天才「本国の始祖だよ。中央から魔物を追い払い、本国を建国した最初の王だ」
召喚士「おぉ!!」
天才「まーあまりに古すぎて文献も皆無。嘘かホントかも分からんリアルおとぎ話だけどな」
魔道士「でも、魔道学園なんかでもそう習いましたよ〜?」
天才「今の王家があるのはそこからだからな。どんな内容であれ神格化してーんだろうよ」
魔道士「ちょっと、言い方酷くないですかぁ?」
天才「おっと、王女様がいたんだっけか。ハーッハッハ……てかこんな話面白いか?」
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/29(日) 03:04:31.52 ID:yh/mrhzIo
〜オマケ〜
召喚士「ど、どうなんでしょう?」
天才「需要がなかったらさっさと飛ばすってか別にストーリーと関係ねーし」
戦士「おい」
盗賊「おい」
天才「つーかそもそも話すのメンドクセーんだよな」
魔道士ちょっと!」
召喚士「ちょっと!」
天才「なんかこうさ、テロップみてーのでパパっ終わりでいいんじゃねーの?」
召喚士「!?」
天才「つーわけではい、ドン!」
聖王:魔力の一切を持ち合わせていなかったが、武力と知力、そして統率力と人望で、
魔王軍を多いに退かせ、ベルゼブブをも慄かせた。
豪胆な性格ではあるが戦においては非常に冷静であり、その生涯を戦場に捧げ、
不敗とも言える記録を残している。晩年、年齢には勝てず、床上にて病死。
天才「ほら簡単。んじゃ次は息子の武王――」
召喚士「だああぁぁ! ちゃんとやりましょうよちゃんと!」
天才「はい、ド――
召喚士「だああぁぁぁぁ!!」
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/29(日) 03:07:33.85 ID:0CK8Dqajo
面白いよ
需要アリアリ
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/29(日) 03:27:52.59 ID:R+izy1Xr0
いちおつ
聖王はそんな昔の人だったのか…
じゃあ詩人は魔族だな
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/29(日) 11:36:56.41 ID:cBHSTP4so
>>1
乙
天才さんメタってくるな
負けたことがないのが聖王なら、種を蒔けたことがない俺は精王か
347 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/29(日) 12:08:49.82 ID:eDM44SzIO
そういうのはいいです
348 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/29(日) 13:35:40.57 ID:dsnCyOhXo
>>1
乙
聖王、武王、文王?
349 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/29(日) 20:09:46.39 ID:r1Nh4+kL0
>>1
おつんつん
需要ありまくりです
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/29(日) 23:23:00.14 ID:ami5E7IAO
>>1
おつ
需要アリ
351 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/29(日) 23:43:24.53 ID:iuhe4R4Ao
糞定型シネ
352 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 23:57:07.11 ID:yh/mrhzIo
召喚士「面白いというより興味ありますよ」
天才「そうか?」
召喚士「今この世界があるのは、そういった方々のお陰なわけですから」
戦士「確かに、知っておくのも大事な事なのかもな」
召喚士「うん。むしろ知っておかなくちゃいけない事なんだと思う」
魔道士「それが、先人達への感謝にもなりますよねっ」
盗賊「彼らが居たからこそ今、私達がこうして居る」
天才「最初から後世の為に何かをやってるなんて奴はいねぇ」
召喚士「……」
天才「自分達が生きる為、誰かを守るために必死にもがいて、
それが結果として後世の為になってるだけだ」
戦士「そうかもな」
天才「お前らのそういう思い、きっと喜んでるぜ」
魔道士「だと、嬉しいですねっ」
天才「……っと。お喋りはどうやらここまでみてーだ。いよいよだぞ」
353 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 23:57:51.01 ID:yh/mrhzIo
コオオオオォォォォ
盗賊「……冷たいな」
魔道士「真っ暗で……何も見えないですね……っ」
戦士「このまとわりつくような嫌なカンジ……」
召喚士「ここから先が……地獄」
天才「景色はおろか道も分からん。だがそのまま進め」
魔道士「えっ!?」
天才「闇の中は勝手に繋がってる。気にせずそのまま進めばいい」
盗賊「……分かった」
凍りつくような冷たい風が吹き付ける闇。何もない、本当の闇。
前後左右から聞こえる仲間の足音と静かな息遣い。それだけが頼りである。
魔道士「……っ」
押し潰されそうになる恐怖と不安。魔道士は思わず横の手を握る。
召喚士「!?」ギュッ
何分か何時間か、時間も分からぬまま、一同は別世界へと旅立った。
354 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 23:58:30.93 ID:yh/mrhzIo
〜南東国、東の城〜
白馬騎士「わざわざお越し頂くとは、お忙しい中、申し訳ありません」
青年兵「いえいえ。こちらこそ勝手にすみません」
白馬騎士「南方司令部からの伝令で伺いましたよ」
青年兵「……?」
白馬騎士「大元帥となられたそうで。おめでとうございます」
青年兵「ありがとうございます。めでたいかどうかは……分かりませんが」
白馬騎士「いよいよ……ですね」
青年兵「ええ。いよいよです」
白馬騎士「微力ながら、華国も既に準備は出来ております」
青年兵「お気持ちだけでもありがたい事です」
白馬騎士「あれから我らも、ハヌマーン殿らと練兵を繰り返して参りました」
青年兵「おぉ」
白馬騎士「寡兵ながら、多少はお役に立てると自負しております」
青年兵「分かりました。そのお言葉に甘えたいと思います」
355 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/29(日) 23:59:28.57 ID:yh/mrhzIo
…
ザッザッザッ
白馬騎士「……さぁ、こちらです」
青年兵「ここは……っ」
白馬騎士「やはり、騎都尉と一緒に居る方が、皆も良いかと思いましてね」
青年兵「……そうですね、しかし、凄い花の数ですね」
白馬騎士「ええ。今でも民の献花や墓参りは止みませぬ」
青年兵「それほど、彼らは慕われていたのでしょうね」
白馬騎士「一時は彼らも、華国を捨てた事を悔やんでおりました」
青年兵「……」
白馬騎士「しかし今ではこのような扱いを受け、安堵しておる事でしょう」
青年兵「ええ……」
パサッ
白馬騎士「いつでもお声がけ下さいませ。弓将軍殿と共に、直にでも馳せ参じまする」
青年兵「ありがとうございます。近日中にご連絡致します」
356 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 00:00:40.70 ID:XSVJbO5Mo
〜地獄〜
戦士「ここだ……っ。この、殺風景で冷たい空気……」
魔道士「……あっ、手……ごめんなさいっ」
盗賊「いや、いいよ」
魔道士「……っていうか、召喚士さん……?」
召喚士「え……っ? あ、あれ!?」
天才「……いつまで俺様の手ぇ握ってるつもりだコラ」
召喚士「!?」
魔道士「……っ」ドキドキ
召喚士「す、すみませんっ!!」
戦士「ここ、前来た場所とはちょっと違うよな……?」
魔道士「あの大きな丘は……何ですか?」
天才「黄泉比良坂。あの坂の向こうにある底へ落ちれば、そこは死の世界だ」
盗賊「何っ!?」
天才「さぁ行くぜ。サタンはその穴の下に眠ってる」
357 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/30(月) 00:56:57.33 ID:+P6UtkDSo
これ以上腐らせないで!!
358 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/30(月) 01:20:08.19 ID:h7Cos2PU0
いちおつ
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/30(月) 01:32:45.08 ID:uz68/SyDO
腐ってる女の子はかわいいよね
360 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 01:34:17.16 ID:hIuu7NcGo
天才×召喚士はあり
361 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 03:12:16.69 ID:l7P+O5610
>>1
おつんつん
腐女子ですなw
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 03:37:49.03 ID:g8Xeg8vDO
いちおつ
腐女子は貧乳のイメージ
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/01/30(月) 08:50:23.60 ID:ct3PRyTl0
おや、こんなところに謎のランキング表が…
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 12:31:29.92 ID:dyNXmyXoo
コレは男性版謎のランキング表がくるな・・・胸熱・・・
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:17:28.64 ID:MZV/nu1bo
男性版とか誰得www
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 17:50:38.69 ID:ql/3Pm6eo
どうみても魔道士ちゃん得です本当にありがとうございました
男性♂版とか・・・はよはよ!
367 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:53:04.27 ID:UOW7Y4xQo
…
魔道士「ここを……飛び降りるんですか……?」
天才「死にゃしねぇ。いや、死ぬのか? ハーッハッハ! ま、とにかく痛みなんかは一切ない」
戦士「2回目とはいえ、流石にすんなりとは飛び降りられねぇよなぁ」
盗賊「前回も行ったのか?」
戦士「ああ。吐き気がする程の威圧に押し潰されそうだったけどな」
天才「2回目ともなれば余裕か?」
戦士「余裕はねーけど、たぶん……こいつらと一緒だからな」
盗賊「……」
天才「ハーッハッハ。前回は青年兵だったもんなぁ。そりゃ頼りねーか」
戦士「そういう事じゃねぇっつーの!」
天才「ハーッハッハ……さて、冗談はこれくらいにして、そろそろ飛び降りるぞ」
召喚士「……はいっ」
天才「身体の力は抜け。意識を保つ事だけに集中しろよ!」
戦士にとっては2度目となる天才の言葉。飛び降りる天才に続き、4人は覚悟を決め、続いた。
368 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:53:51.82 ID:UOW7Y4xQo
〜ターミナル付近、上空〜
バシュウウゥゥゥゥ
ワイバーン「……大丈夫か?」
青年兵「うん。まだまだいける」
ワイバーン「あまり無理はするなよ? 大戦が控えているのだろう?」
青年兵「どうせ大元帥となった今は、しばらく前線で戦ったり出来ないよ」
ワイバーン「そんなものか」
青年兵「天才さんは何ヶ月も睡眠を取らないで頑張ってたわけだし、負けてられないよ」
ワイバーン「断罪の旅ももう少しか?」
青年兵「このまま東方司令部へ。そしたら本国へ戻って……いよいよさ」
ワイバーン「間もなく夜も明けるな。少しは心も晴れたか?」
青年兵「……晴れるなんて事は生涯ないさ。きっと」
ワイバーン「誰かの為に生きる事は素晴らしいが、己の人生を潰すでないぞ?」
青年兵「分かってるさ。ありがとう……こう見えても人生、結構満喫してるよ」
ワイバーン「ならば良い。人間の一生など、あっと言う間であるからな」
369 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:54:21.63 ID:UOW7Y4xQo
〜地獄〜
ピチョン……ピチョン……
召喚士「……ぅ」モゾッ
盗賊「……くっ」
コォーン コォーン コォーン
天才「起きろー」ペチペチ
魔道士「ん……っ、んぅ……」
天才「さぁ着いたぜ。サタン様の寝床だ。何があるか分からねぇ。不用意に触ったりすんなよ」
戦士「……この奥だったよな?」ザッ
天才「今回はちゃーんと、意識あるじゃねぇか」
戦士「当たり前だ。ここで慣れなきゃ本番まであと1回しかねぇんだろ?」
天才「頼もしい前衛だな。しっかり守ってやれよ。ハーッハッハ!」
戦士「盗賊、立てるか? お前も前衛だ、俺と一緒に行くぞ」
盗賊「……うん。すまない」
戦士「召喚士と魔道士は後ろから付いてきてくれ」
370 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:54:54.88 ID:UOW7Y4xQo
召喚士「了解っ」
魔道士「はいっ!」
ザッザッザッザッ
召喚士「まるで……宮殿のような作りですね?」
天才「宮殿なんじゃねーの? サタン様の」
コォーン コォーン
魔道士「あれ……何ですか?」
天才「よく分からん。浮遊石っつーの? 石が浮いてるんだよ」
魔道士「……どういう原理なんでしょうね……っ」
召喚士「分かりません……っ。地上には存在しない物だという事は分かりますが……」
天才「調査したくても触りたかねーし。もし良かったら調査していいぞ?」
召喚士「嫌ですよ……っ。天才さんですら触らないのに……」
天才「ハーッハッハッハ。ま、そういう事だ。さっきも言ったが下手に触るなよ」
盗賊「……ん?」
ザッザッザッ ピタッ
371 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:55:39.97 ID:UOW7Y4xQo
戦士「……あれだ……よな?」
天才「そうだ。あれが魔王サタン……いや、サタンのコアとでも言うべきか」
盗賊「う、うぅ……っ」ズザッ
魔道士「盗賊さん?」
盗賊「……気味が悪いっ。よく分からないけど……不快な気分だ」
天才「お前らはそこで待ってろ。……戦士」
戦士「ん?」
天才「俺が合図したらすぐにブン投げろ」
戦士「了解。上空だよな?」
天才「ああ。前と同じだ。頼むぜ」
召喚士「ぶん投げる……?」
戦士「脱出方法だよ。まぁあとで分かる」
召喚士「……?」
天才「ちょいと退がってろ。何があるか分からんからな」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……
372 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:56:07.89 ID:UOW7Y4xQo
召喚士「物凄い威圧……っ」
魔道士「威圧だけじゃありませんね……っ。五行も……」
キイイイイィィィィ
天才「……ふーっ」
戦士「ああでもしねーと守りきれねぇんだろうな」
盗賊「……っ」
天才「……さてサタンちゃん。貸してたモン……全部返して貰うぜ」ザッ
固唾を飲む4人。その前方で1人、天才は魔剣に手を伸ばす。
バチイイイイィィィィ!! ジジッ!!
天才「――っ!!」ジュウウゥゥゥッ!!
引き抜こうとする天才に抗うかの如く、魔剣からは電撃のようなものが発せられ、
柄を握る両手を介し、必死に抵抗するその力が天才の全身へと浴びせられる。
天才「大人しくしやがれ……っ、こ……の!!」バチバチバチッ
盗賊「だ、大丈夫なのか!?」
召喚士「五行で全身をガードしてますから、直撃はないと思います!」
373 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:56:36.89 ID:UOW7Y4xQo
ズグググググッ
天才「こんの……クソヤロオオォォォォ!!」
ズルゥ……ズッシャアアアアァァァァ!!
天才「戦士!!」
戦士「おうっ!!」チャキッ
天才「いけええぇぇ!!」
戦士「うおおおぉぉりゃああぁぁぁぁ!!」
ズザッ バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
天才「全員、目を瞑って地上を思い浮かべろぉ!!」
魔道士「っ!!」
召喚士「……っ」
天才「はああぁぁぁぁ……」ゴゴゴゴゴゴ
戦士「召喚士、脱出後は上空に出る! 召喚獣の用意を頭に入れといてくれっ!」
召喚士「了解っ!」
天才「いくぜぇ……っ。五行……聖!!」
374 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:57:02.43 ID:UOW7Y4xQo
キュイイイイィィィィ ザシャッ
戦士の放った戟が垂直に空を切り裂くと、そこへ天才のツヴァイハンダーが
水平にその戟へと交差し、十字架を作り出す。
そして十字架には天才の五行が放たれ、共鳴音と日光のような輝きを生み出した。
召喚士「――っ!!」
天才「目を開けっ、そして……飛べぇ!!」
魔道士「っ!!」ババッ
天才の声に従うままに、4人は地面を大きく蹴り、跳躍する。
広がる光の中を泳ぐように、身体が上空へと誘われてゆくのが分かる。
声をあげる事はおろか、自分が呼吸をしているのかも分からない。感覚がない。
聞こえるのは自身の鼓動のみ。まるで母の胎内かのような、そんな不思議な感覚。
やがて目の前にうっすらと細く現れた金色の糸を、一同は必死で手繰り寄せた。
天才「振り返れば地獄へ引きずり戻されるぞ! ただがむしゃらに進めぇ!」
天才の声が耳ではなく脳裏に響き渡る。そして4人はただそれに従う。
やがて光の海は曙の空へと変わり、5人は程なくして地上へと生還した。
375 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:57:47.46 ID:UOW7Y4xQo
〜東方司令部〜
ワイバーン「ん?」
青年兵「どうかした?」
ワイバーン「西の空で何か強い光のようなものが見えたが……」
青年兵「日の光は東からだし、山にでも反射したのかな?」
ワイバーン「……」
青年兵「さぁ東方司令部に到着だ」
バシュウウゥゥゥゥ スタッ
門兵「……!? こ、これは青年兵様!!」
青年兵「いいですか?」
門兵「勿論でありますっ!! どっ、どうぞ!!」ササッ
青年兵「どうも」ザッザッザッ
ピクッ
青年兵「……先日はお疲れ様でした、東方司令」
東方司令「振り向きもせず気配で察知するとは。気は緩んでいないようだな、大元帥殿」スッ
376 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:58:24.81 ID:UOW7Y4xQo
青年兵「東方司令こそ休んでおられないようですね」
東方司令「どうせすぐに戦いが始まる。休んでいる暇などない」
青年兵「確かにそうですね」
東方司令「それで、今日は何用だ? 人ならもう出せんぞ。むしろ増員の依頼をしたばかりだ」
青年兵「いえいえ。私用です」
東方司令「私用? はぁ、気の毒な奴だな」
青年兵「気の毒……」
東方司令「休みの時まで国軍関連か? お前こそ少し休んだ方が身の為だぞ」
青年兵「いやいや、休んでいる暇などは……」
東方司令「ボクとお前では立場が違う。トップがぶっ倒れたら代わりは利かんのだぞ」
青年兵「……」
東方司令「それに、お師匠に対抗意識を燃やすようならば、やめておけ」
青年兵「天才さんの事は別に……」
東方司令「あれは人間じゃない。人智を超えたバケモノだからな」
青年兵「……確かに」
377 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:58:56.97 ID:UOW7Y4xQo
天才「ぶぇーっくしょい!!」ゴシゴシ
召喚士「寒かったですもんね」
天才「全くだ。戦闘前に病欠なんざ、シャレにもなりゃしねーぞ」
魔道士「薬、要ります?」
天才「いい。っつーか、ここもまた寒みぃな〜」ブルッ
コカトリス「文句をぬかすのならば降りろ」
天才「冗談だっつーの。こんな所で降ろされたら流石の俺様でも死ぬわ」
盗賊「空から見ても、大きいな」
戦士「ああ、結界石かぁ」
召喚士「こうしてみると、ものの見事に均等なんですね」
天才「……本当だな。上から見るのは初めてだから気付かなかったな」
戦士「本当に人工物なのかあれ?」
天才「あの結界石はピンポイントに設置されてる」
盗賊「……?」
天才「サタンが元来、地上にいたのか、いる前からなのかは知らんが、
あの結界石があるせいで地上に出てくる事が出来ねーわけだ」
378 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 17:59:44.16 ID:UOW7Y4xQo
魔道士「なるほど……ですね」
天才「あれが作為的なもんどえなければ何でそんなピンポイントに設置されてんだって話だ」
召喚士「……一番新しい文献は闘王時代のものなんですよね?」
天才「ああ」
召喚士「一番古い文献は……?」
天才「俺様の見た限りじゃあ、神王時代だな」
魔道士「神王!?」
戦士「いつぐらいだそれ?」
天才「覇王なんざ遥かに昔の、神話時代の王だよ」
魔道士「そ、そんな昔からですか……!?」
天才「いや、流石にsれは有り得ねぇと思ってたが、これを見るとますますだな」
召喚士「測量技術もない時代に、こんな均等に設置なんて出来るわけがないですよ……っ」
盗賊「……同感だな」
天才「まぁ今更調べるのも無意味だし、サタンを倒した後にでもじっくり調べてくれや」
召喚士「……っ」
379 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:00:16.14 ID:UOW7Y4xQo
バシュウウゥゥゥゥ
召喚士「あっ、師匠の家がある山だ」
コカトリス「……」
召喚士「こうしてみると、結構……広いなぁ」
戦士「そういやそうだよな。修行で森の中を走り回ったのが、つい昨日の事みてーだ」
盗賊「本当だな」
魔道士「あの頃は今なんかよりも全然、力もなくて……」
天才「それが今やこんなに立派になっちまって。会ったら大喜びだぜアイツ」
召喚士「……そうですね……本当」
天才「……ハーッハッハッハ!!」
戦士「んだよ、気持ち悪りぃな」
天才「んじゃとっとと帰って、北へ向かう準備を進めるぞ」
召喚士「了解!」
魔道士「行きましょうっ!」
コカトリス、ペガサス、ワイバーンは召喚士らを乗せたまま、進路を大陸港の街へと羽ばたいて行った。
380 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:00:53.68 ID:UOW7Y4xQo
〜東方司令部、墓地〜
東方司令「供養の為に建ててはいるが、遺骨は本国だぞ?」
青年兵「分かっております」
東方司令「……じゃ、あとはご自由に」
青年兵「ありがとうございます」
東方司令「……」チラッ
テクテクテクテク……
青年兵「許してくれとは言わない。でも、ここまで無我夢中でやってこれたよ」
パサッ
青年兵「時代は変わった。君のとびっきりのスクープのお陰さ。ありがとう」
墓前に花束を添えると、青年兵の背中をポンと押すような、そんな感覚があった。
青年兵「……?」キョロキョロ
――うおおぉぉぉぉ!! 鬼頑張るっすよおおぉぉ!! 青年兵さんっ!!
青年兵「ありがとう……とびっきりのスクープをお届けしますよ」
そんな声が聞こえたような気がした。ただそれだけ。
381 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:01:38.61 ID:UOW7Y4xQo
〜大陸港の街〜
魔道士「到着〜っ。ありがとっ、ペガサス♪」
ペガサス「いーのいーの! お姉ちゃんだったらいつでもオッケー!」
召喚士「俺の魔力なのに……」
天才「さーてさて、腹が減ったぁ!!」
ドバンッ!! ガシャガラガランッ
バーテン「てめぇは人の店をぶっ壊す気か!!」
天才「ハーッハッハッハ! こんな寂れた店は区画整理で撤去してやる」
バーテン「けっ。国軍でもねぇヤローが吠えるだけ無駄だ」シュボッ
戦士父「うまくいったのか?」
戦士「ああ。サタンの封印を解いたっつー実感はねぇけどな」
バーテン「んで、その足で北へ向かうのか?」
天才「俺様はな。お前らはどうする?」
魔道士「……どうします?」
召喚士「一緒に行ってもいいのなら、その方が楽かと……」
382 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:02:14.44 ID:UOW7Y4xQo
天才「俺様は構わんぜ」
戦士「どのみち北へ行かにゃならんもんなぁ」
盗賊「だな」
魔道士「ご一緒しても、宜しいですか?」
天才「仕方ねーなぁ。んじゃ軽食済ませて北へ向かうか」
バーテン「嬉しいくせに」ボソッ
天才「……あん!? 何か言ったかおい!!」
戦士父「いちいち騒ぐな。五月蝿い奴だ」
バーテン「んじゃ何か適当に――」
魔道士「私も手伝いますっ!」
戦士「おー! 久々、魔道士の手料理!」
バーテン「すまねぇな、助かるよ」
魔道士「いえいえっ。よーし久し振りだし……ハリキっていきあmすよ〜っ!」
戦士父「それじゃ、薪を持ってくるとするか」スクッ
戦士「俺も手伝うわ」テクテク
383 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:03:04.20 ID:UOW7Y4xQo
〜本国〜
青年兵「……」
カツカツカツカツ
青年兵「……」
高官「こちらです。どうぞ」
青年兵「失礼致します」
スッ テクテクテク
高官「まだきちんとした墓は建てておりません。遺体も見つかっておりませんし」
青年兵「……」
高官「万が一、生きていれば……などと思う事もあります」
青年兵「……」
高官「どんな形であれ、早く戻ってきて貰いたいものです」
青年兵「……」
高官「そして、私は償いたい。ウィッチの前で……っ」
青年兵「……っ」
384 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:03:44.29 ID:UOW7Y4xQo
パサッ
青年兵「必ずや、ここへ連れて戻ります」
高官「どうか、お願い致します……青年兵大元帥」
青年兵「……はい」
スッ
青年兵「それでは……」
高官「私が、ウィッチを理解し、もっと接してやる事が出来ていれば……っ」
青年兵「悔やんでも、過去は戻りません。それに高官様、あなただけの罪ではありません」
高官「……っ」
青年兵「この僕だって……っ」ググッ
高官「……あなたは悪くない」
青年兵「……失礼致します」
高官「……くぅっ」
ザッザッ カツカツカツ
青年兵「貴様だけは絶対にこの手で……ネクロマンサー」
385 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:05:38.31 ID:UOW7Y4xQo
〜東方、竜宮城跡〜
コオオオオォォォォ
ネクロマンサー「……何か、大きな気配が動きましたねぇ。ククッ」
ボゴォッ ザシャアアァァ
ネクロマンサー「いよいよサタン様の復活、ですか」
隊長「……」ジャリッ
ネクロマンサー「さぁ行きましょう。貴方にもまだ、働いて貰いますからねぇ……ククッ」
隊長「…………」
ネクロマンサー「魔族、人間……。最後の闘いの始まりです」
フワッ
ネクロマンサー「その先にあるモノを私は手に入れなければならない。そして……」
隊長「……」
ネクロマンサー「ククッ。貴方も歴史の証人として、その名を永遠に刻む事でしょう」
ブワッ
ネクロマンサー「待っていますよ人間……そして、召喚士! ククククッ!」
386 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:06:36.80 ID:UOW7Y4xQo
〜大陸港の街、バーテンの店〜
天才「……すげーな」
魔道士「ちょっと……はりきりすぎちゃいました……っ」
戦士「ご馳走なんてレベルじゃねーぞ」
盗賊「い、頂きますっ!」カチャカチャ
バーテン「んで、開戦はいつなんだ?」
天才「大元帥様次第じゃねーの? モグモグ」
バーテン「ったく、とっとと辞任したからって他人事だなおい」
天才「別にもうここまできたら焦っても仕方ねぇだろ。あと1ヶ月はあるんだ。モグモグ」
戦士父「まぁ、急いでしくじっても仕方ないからな」
天才「んな事聞いて、参戦してくれんのか?」
バーテン「馬鹿言え。参戦したところで役にも立たねーよ」
魔道士「そんな事はないですよぉ〜」
天才「ほれ、救世主達が熱望してるぜ?」
387 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:07:46.74 ID:UOW7Y4xQo
バーテン「あのなぁ、民間人が戦場に出てどーすんだよ」
天才「ただの民間人じゃねーだろうが。初代特遊の隊長様がよ」
戦士父「役に立てるものなら、参戦したところだがな」
戦士「……」
天才「ま、いーや。開戦は北関集結でそこから各拠点を中心に北上する」
戦士父「戦役か。兵は足りているのか?」
天才「全軍総動員だろうよ。何たってベルゼブブ軍は100万の大軍らしいしな」
魔道士「ひ、100万……っ」
天才「ラーヴァナん時みてーな皮算用じゃねぇ。リアルな100万だ」
召喚士「……っ」
天才「しかも北の雑魚は他の地域とはレベルが違う」
戦士「確かに、北関やらの戦闘でも雑魚クラスで相当なモンだったからな」
盗賊「ああ。我らが未熟だった事を差し引いても……な」
天才「オーガやデュラハンクラスでこっちのキーマン潰されるくらいだからなぁ」
召喚士「……っ」
388 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:08:21.51 ID:UOW7Y4xQo
天才「拠点って、北方司令部とかですか?」
天才「ああ。それに東方司令部、海峡、西国の拠点に最北の村。ほぼ全てだ」
魔道士「うわぁ……っ」ゴクッ
天才「誰をどこに配置するかは大元帥ちゃんに任せるが、お前らは俺様と共に東だ」
盗賊「……東?」
天才「海峡の先、森を突破する」
戦士「……おいおい。森ってまさか……」
天才「1番の鬼門かもな。ハーッハッハッハ!」
バーテン「何がハーッハッハッハだ。笑ってる場合かっつーの」
召喚士「わざわざ各所からあたらなくてはいけないんですか?」
天才「いけないからこんな作戦取ってんだろ。一点集中で突破出来るなら楽なモンだ」
盗賊「……」
天才「魔王城ってのはな、そういう所なんだよ」
召喚士「だから、誰も突入出来た事のない、難攻不落の城……っ」
天才「分かれば宜しい。ハーッハッハッハ!!」
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/30(月) 18:16:13.49 ID:UOW7Y4xQo
明日はもっと頑張りまする。申し訳ございませぬる!
それでは失礼致します!ご支援ありがとうございました!ノシ
〜オマケ〜
魔道士「
>>363-366
ななっ、何を言ってるんですかっ!!」///
東方司令「ほほぅ、興味深いな」
女侍「戦士は割とあれだったぞ」
盗賊「アレ!?」
朱雀嬢「ふ、不潔ですわっ!!」
玄武娘「そうですの? じゃあ朱雀嬢ちゃんは要らないそうなのですの」
朱雀嬢「そんな事は言ってないですわっ!」///
占い師「……若いっていいわねぇ」ズズーッ
白虎長「ほーんと。羨ましい……ってか、同期が1人交じってるんだけど」
魔道士「と、とにかく! こんなものは宜しくないと思いますっ!」///
女侍「こういう清純ぶってる奴が実は、1番気になってんだよなぁ〜」
東方司令「そうそう」
魔道士「そんな事ないもーんっ!!」///
帝「……」
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 18:48:53.73 ID:QO3DWbT20
俺「……」
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/30(月) 19:07:57.29 ID:PiNGJvUBo
まだ今日の更新分の途中までしか読んでないけど、なぜだろう、
>>379
で涙か込み上げてきたぞ
392 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/30(月) 19:34:12.14 ID:g91WSUnCo
>>1
乙
はじめの頃は自分をいきなり天才だ!とか言い出したときは、
どこのアミバの類いかとも疑い、ゴルリンらに苦戦しているように見えてからは、
より一層カマセに見えていた天才さんも、いよいよ最高の仕事を成し遂げて、散るんだな
胸熱
393 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 21:34:53.82 ID:3/3KnAZDO
師匠マジシャンvs魔剣士が楽しみだ
394 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/01/30(月) 23:28:32.95 ID:RTQotqNAO
>>1
おつ
帝様だけはそっち行ってはならぬぞ
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/31(火) 01:11:12.41 ID:ydYAE7NM0
>>1
おつ
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/31(火) 01:24:11.87 ID:m09P4mkDO
>>392
ゴルリンとは戦ってないんじゃ……
確か圧倒的っていう描写があたかも
397 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/31(火) 02:04:33.67 ID:jQXSCErDO
隊長・・・(´・ω・`)
398 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 04:34:26.76 ID:7HMU9Gp50
>>1
おつんつん
VSベルゼブブ期待やな
399 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:25:43.64 ID:VIAmCKlho
カチャッ
天才「あー食った。ごちそーさん」ガタッ
魔道士「味付け、大丈夫でした……?」
天才「……んー。母親譲りか?」
魔道士「あ、いえ……っ。多少はありますけど、独学です」
戦士「こいつんちは大商家だからな。飯だってシェフ付きだよ」
天才「あーそういやそうだわな」
魔道士「あの、お口に合いませんでしたか……?」
天才「……いーや。俺様の1番好きな味付けだったぜ!」
魔道士「……っ!! 良かったぁ!!」
天才「何か買い出しで必要なモンはあるか?」
召喚士「いえ、特には……」
盗賊「うん」
天才「そうか。そんじゃボチボチ行くぞ。北関へな」
召喚士「……はいっ!」
400 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:26:15.98 ID:VIAmCKlho
…
魔道士「それでは、行ってきます!」
バーテン「気を付けてな」
戦士父「戦士、お前の役目は分かっているな?」
戦士「もちろんだ。死に物狂いでやってやるさ」
天才「馬車が来たな。んじゃ出発だ」
召喚士「はい」
盗賊「北関……か」
天才「お前らと初めて戦場で会ったのは北関だったっけなぁ」
召喚士「ええ。あの時はまさか総司令だなんて思いませんでしたけど」
天才「ハーッハッハッハ! そういやそうだったわな」
魔道士「あれからほんと、お世話になりっぱなしですっ」
天才「ま、それはお互い様だけどな」ボソッ
盗賊「……?」
天才「ほら、早く乗りやがれ! 行くぞ!」
401 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:26:43.89 ID:VIAmCKlho
〜本国、講堂〜
青年兵「……」
目の前に飾られた青龍先生の写真は、今日も笑っていた。
青年兵「先生。いよいよです」
カツカツカツ
大軍師「こちらに居られましたか、大元帥殿」
青年兵「大軍師さん。数日の間、ありがとうございました」
大軍師「いえいえ。お母上は故郷へ戻られたのですか?」
青年兵「はい。父と共に」
大軍師「それは何より。それより大元帥殿、何か……晴れましたかな?」
青年兵「……そうですね。多少は」
大軍師「成程。この休日は貴方にとっても有意義であったとお見受けします」
青年兵「お陰様で。改めて色々と思う事がありました」
大軍師「……さて、参りましょうか。いざ最終決戦です」
青年兵「ええ。行きましょう」ザッ
402 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:27:33.49 ID:VIAmCKlho
…
国軍兵「船はっ! 物資の搬入とそれから、軍馬に武具も急がせろ!」
衛兵「昼過ぎには大元帥様の演説が始まるぞ! 電話の準備は!?」
通信兵「出来ております!」
カツカツカツ
青年兵「慌しいですね」
大軍師「下準備はしてきたとはいえ、総動員は初めての事ですからね」
青年兵「確かにそうですね。……皆の者、作業を続けながら聞いてくれ」
国軍兵「……!?」
青年兵「これより向かうは最終決戦の地、北方である。しかし、何も焦る事はない」
通信兵「大元帥様……?」
青年兵「今まで通りの働きを見せてくれれば、自ずと道は開かれる。焦らず務めよ!」
衛兵「お……おぉーっ!!」
大軍師「お見事です。これで兵らも落ち着きを取り戻すでしょう」
青年兵「見よう見まねですけれどね。慣れぬ事は緊張しますよ」
403 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:28:31.61 ID:VIAmCKlho
〜本国、北関近くの街〜
パッカパッカパッカ
召喚士「……あれ!? 壁が出来てる……っ」
天才「お前らが各地を転戦してる間、どんだけ期間があったと思ってんだ」
戦士「にしても早くねーか?」
天才「あのなぁ、ワーカーが世界に何人いると思ってんだよ」
戦士「えーと……見当もつかん」
天才「登録だけの奴や行方不明も含めてだが、その数は80万人と言われてる」
魔道士「そんなにですか!?」
天才「その中で魔物とどんぱちやってんのなんざ、ごく僅かの話なんだよ」
盗賊「……まぁ確かに、戦場ではあまり見かけぬからな」
天才「魔物を倒す事が第一じゃなく、任務中にやむなく戦闘するってのがほとんどだ」
召喚士「だから天才さんのような討伐専門のワーカーは功績が上がるわけですよね」
天才「そんなワーカーのほとんどが担ってた事業が、壁作りと穴掘りだ」
戦士「穴? あぁ、電話やらの為のやつか!」
404 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:29:30.99 ID:VIAmCKlho
天才「そ。あとは北関の建設。赤壁なんかにも借り出されてたけどな」
召喚士「北関は……ついに完成したんですか!?」
天才「結局、北の街と北方司令部は平野だから建設中止になったが、他は完成した」
盗賊「おぉ……っ」
天才「北方司令部から北関、北関から海峡までは壁で繋がってる」
戦士「すっげぇ……!」
天才「何だかんだ突貫だったから、元々の山を流用してりもしてるけどな」
召喚士「それでも十分、凄いですよ!」
天才「電話も何とか間に合った。これで備えは完璧だ」
魔道士「……っ」
天才「古くは文王の時代から始まった北関の建設。ようやく今にして終了だよ」
召喚士「文王?」
魔道士「聖王の次男ですよ。聖王には武王と文王の2人の息子がいたんです」
戦士「ほぉ」
天才「聖王が没してからは本国も弱体してな。随分と魔王軍に押されたらしい」
405 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:31:16.25 ID:VIAmCKlho
魔道士「それを持ち直したのが武王と文王なんですよっ」
召喚士「そうだったんですね」
天才「兄の武王は聖王譲りの勇猛さで、魔王軍を打ち破った」
魔道士「弟の文王は武力こそ父や兄には及びませんでしたけど、国政に優れていました」
天才「北関の建設や国政ニ力を入れて、力を蓄えたってわけだ」
盗賊「なるほど」
召喚士「振り返ってみると、歴史も面白いですね」
戦士「だなっ。何で今の世の中になったかってのがよく分かるよ」
天才「本当はこんな壁なんぞ作りたかねぇんだけどな」
魔道士「そうなんですか?」
天才「わざわざこの広い世界を区切っちまってよ。自分達で世界を狭くしちまってる」
盗賊「……」
天才「仮に魔王を倒したってこれじゃあなぁ」
召喚士「えっ?」
天才「何でもねぇ。世界が平和になったら、こんな壁……とっとと無くしちまいな」
406 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:32:12.79 ID:VIAmCKlho
正午過ぎ。一同を乗せた馬車は北関へと到着する。
東西への世界は元通りとなり、距離こそ伸びたものの、
南北に至ってはいまだ変わらず、その距離は東西に比べ、短い。
その甲斐もあってか、北進する一同や行軍に関しては、未だに短時間の移動であった。
〜北関〜
パッカパッカパッカ……ドドォ
魔道士「到着〜っ!」
戦士「うおっ、けっこうゾロゾロいやがるなぁ」
天才「こんなもんじゃねぇぞ。まだまだこれから集まってくる」
召喚士「入りきれるのかなぁ……」
盗賊「……」
天才「大丈夫か?」
盗賊「ん?」
天才「東方で……色々あったんだろ?」
盗賊「……吹っ切れたわけではない。でも、大丈夫」
407 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:32:46.19 ID:VIAmCKlho
天才「そっか」
盗賊「くよくよしてはいられない。償いや泣くのは、全てが終わってからだ」
天才「……ふぅん。強くなったな」
盗賊「……」
ザッザッザッ
左翼長「待ってたぜ、ご苦労さん!」
戦士「おっす!」
天才「ハーッハッハッハ! やっぱテメーらは北関が似合うなぁ」
騎士長「特遊解体後、あんたが北関に置いた理由はこれか?」
天才「まっさか。こういう宿命なんだよ! ハーッハッハ」
召喚士「懐かしいですね……」
左翼長「お前らのせだぞ。あの時……俺らの枯れた心に花を咲かせやがったんだ」シュボッ
騎士長「禁煙は失敗したけどな」
左翼長「うるせぇ! 魔王を倒すまでの話だっ!」
召喚士「あははははっ」
408 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:34:03.77 ID:VIAmCKlho
ザザッ ガガーッ
戦士「何だ?」
左翼長「大元帥様の演説だ」
騎士長「各員、作業やめっ!! 大元帥の演説が始まるぞ!!」
召喚士「青年兵くん……」
〜本国、国軍本部〜
青年兵「この放送を聴いている諸君。私は本国国軍大元帥、青年兵である」
大軍師「……」
青年兵「今日は諸君らに伝えたい事があり、この場を借りて演説させて頂く」
〜国軍本部、演習場〜
青年兵『まず始めに、諸君らも知っての通り先日、東方にて魔王マーラを討伐した』
男隊員「……おう、作業中断だ」
格闘家「……はい」
ボス「はぁ……はぁっ、はぁ……」スクッ
女隊員「……」
409 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:36:06.22 ID:VIAmCKlho
〜国軍本部、軍港〜
青年兵『これにより、残る魔王はサタン、ベルゼブブの2体である』
騎士団長「……」
白虎長「……っ」
白虎嬢「……」
〜三日月島、西方司令部、大広間〜
青年兵『そして間もなく、ベルゼブブを討つべく、我らは北での最終決戦に挑むものである!』
西方司令部「ささっ、最終決戦……っ! 最終……もう駄目だああぁぁ!」
西方参謀「うるせぇな! 聞こえねーだろ」
西方副司令「……はぁ」
博士「音量上げればいいのら」
助手「上げてきま〜す♪」
西方魔道長「大切な話が台無しだよ全く……」
〜三日月島、西方司令部、開発機関〜
青年兵『今、北では既に、大勢の同士が戦っている最中である』
鍛冶娘「……戦士」
局長「手は休めるなよ! 間に合わなくなってもしらんぞ」
410 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:36:45.26 ID:VIAmCKlho
〜南方司令部、正門前〜
青年兵『しかし魔王軍最後の砦であるベルゼブブは、強い。そして数でも圧倒的である』
南方副司令「……サマになってるじゃないか」
南方参謀「当たり前でしょ」
南方魔道長「何でお前が誇らしげなんだよ……」
〜南方、赤壁〜
青年兵『ここまで来られたのは、我らの力だけではない。諸君らの国を、人を思う力である!』
南方弓長「……っ」
チンピラ「……姉御」
南方司令「そっとしておいてやれ。直に魔物とやりあうだけが闘いではないのだ」
ゴロツキ「……姉御の代わりにゃ、俺達がいる!」
〜南方、東の街〜
青年兵『それでももし、力を貸してくれる者があるならば、是非聞いて欲しい』
朱雀嬢「この声……青年兵さん……!?」
玄武娘「朱雀嬢ちゃーん、おうち完成したですのー!」タッタッタッ
番長「……北でゴワスか」
親衛隊長「これは、ミー達もトゥギャザーするしかないようですね」
411 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:37:34.68 ID:VIAmCKlho
〜南東国、東の城〜
青年兵『年齢や性別、国籍や種族、そんなものは不問。必要なのは志のみ』
白馬騎士「……大至急、法師様へご連絡を」
弓将軍「承知した」
三男「……っ」
〜スグリーヴァ城跡〜
青年兵『共に戦ってくれると言うのであれば、是非、諸君等の力をお借りしたい!』
オーク「……何か言ったですか?」
ラクシャーサ「いや」
ガーゴイル「大丈夫か?」
ハヌマーン「……」
〜南方、南の街〜
青年兵『同じ志の下、北関へ集結せよ!!』
剣士「……いよいよか」
弓使い「もちろん、行くわよね?」
幼女「……うんっ」
412 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:38:32.96 ID:VIAmCKlho
〜東方司令部、食堂〜
青年兵『勇敢と無謀を履き違えてはならない!』
東方司令「……」
東方参謀「……」
〜海峡〜
青年兵『慎重と臆病を履き違えてはならない!』
将軍「……っ」
海峡兵「……」
〜北方司令部〜
青年兵『自信と慢心を履き違えてはならない!』
参謀「……」
副官「……」
〜最北の村〜
青年兵『勇者は一人であり、全員が勇者である!』
ヒゲの男「……」
青年「……」
413 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:39:44.15 ID:VIAmCKlho
〜北方、平野〜
紅孩児「……空気がザワついてるなぁ」
同門「……」
紅孩児「こりゃもうじき、何か起きるだろうな」
同門「望むところだ」
〜北方、北の街〜
女賢者「あのー。北関っていうのはどうやって行けばいいんですかぁ?」
詩人「北関ですか。私も向かいますのでご一緒しましょう」
女賢者「助かります。んふふっ♪」
詩人「いえいえ。これも何かの……縁でしょうから」
〜北方、三途の川〜
眼鏡「……魔王軍が退いているね」
ジュニア「何かあったのか?」
魔法剣士「分からん、。だが頃合いだな。こちらも一度、退くとしよう」
賢者「……ふぅ」
414 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:41:12.49 ID:VIAmCKlho
〜西国拠点〜
西国兵長「陛下。北進の手筈、整いました!」
王子「ご苦労さん。明朝、兵を進める。目標は北西山のふもとだ」
〜西方、西国〜
サモナー「……さぁ、行こうかマーメイド。最後の戦いだよ」
マーメイド「……ええ」
〜東方、都〜
神官「上様、総本山より都へ向かっているとの一報が入りました」
帝「良し。総本山が到着次第、本国へ向けて出航する」
女剣士「……はっ」
くの一「……」
〜???〜
女侍「北関……ねぇ」
サル「行くだけ行ってみっか?」
イヌ「そうね。人も大勢いればお宝もありそうね」
キジ「しかしまた北関とは、何だか縁を感じるさー」
415 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:43:29.62 ID:VIAmCKlho
〜大陸港の町〜
バーテン「いよいよ始まるな」
戦士父「ああ。世界中が動き出す事だろう」
占い師「……」
〜本国、王宮〜
皇太子「エリート」
エリート「心得ております。今晩、親征を開始致します」
双子姉「私達も」
双子妹「頑張りますわっ」
〜北関〜
左翼長「さぁ、世界中の猛者がここに集まってくるぜ」
騎士長「正真正銘の総力戦だ。これで潰れれば……人類に明日はない」
天才「ハーッハッハッハ! 明日なんてモンはなぁ、元からねーんだよ。自らが作り出すものだ」
ザッザッザッ
青龍士官「朱雀先生、皆様もお越し頂けましたか」
416 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:44:41.36 ID:VIAmCKlho
戦士「当然だよ。ずっと、この刻を待ってたんだからな」
魔道士「お互い、頑張りましょうねっ!」
天才「さーて。他の連中が到着するまで、小休止といくかねぇ」
盗賊「……ああ」
召喚士「……」
魔道士「召喚士さん、いよいよ……ですね」
召喚士「ええ。ベルゼブブを倒し、そして……」
戦士「サタンを倒せば、ようやくだ」
盗賊「世界は……平和に」
召喚士「……頑張りましょう」
魔道士「はいっ! えへへ!」
戦士「おうよ! やってやろうじゃねぇか!」
盗賊「……同意!」
これより程なくして、青年兵の演説により、各地より北関を目指す勇者達が続々と集結する。
ついに人間と魔族、最後のとも言える戦いが今、始まろうとしていた。
417 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:46:08.38 ID:VIAmCKlho
〜師匠の家〜
マジシャン「……ごがっ、ん……んー」
ムクッ
マジシャン「……!?」
誰も居ないベッド。それを見てマジシャンはテーブルから飛び起き、家の外へと飛び出した。
マジシャン「やっぱり……駄目だったのか……っ」
タッタッタッ
マジシャン「……?」
手招きするように、キィキィと音を立てて売れている酒蔵の扉。
マジシャン「――――!?」
タッタッタッタッタッ……バンッ!!
マジシャン「……はぁ……はぁ……はぁっ」
キュポン……ゴクッゴクッゴクッ
マジシャン「はぁ……はぁ……っ」
――「……なーに息切らせてんだよ」
418 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:48:03.79 ID:VIAmCKlho
マジシャン「……ビックリさせやがって……ハッハ」
――「何だか頭がボーッとしてよぉ。ま、気付の1杯にゃ師匠酒はキツすぎるわ……ガハハッ!」
マジシャン「理解してっか?」
――「何となくな。俺はよ、死んだんだよな?」
マジシャン「ああ。死んだ。だがこうして今、生き返った」
――「ガハハッ。そうかいそうかい。そりゃいいや……グビグビッ」
マジシャン「あっちでもどうせ、しこたま飲んでたんだろうがよ……ハッハ!」
――「ああ。アッチの連中はみんな強えぇ強えぇ。俺でも敵わねー連中ばっかよ!」
マジシャン「呑気なやろーだよ全く……ハッハッハ!」
――「んで、俺達ぁどうすりゃいい?」
マジシャン「俺もお前も半分返して貰った。でもまだサタンにゃこっちから返してやるものがあるはずだ」
――「……おうよ。こんな機会が訪れるとは思ってもみなかったがな」
マジシャン「お前の弟子に感謝しろよ? 俺も繋いで貰った命だ」
――「あいつが……? ガハハッ、どんだけ成長したか……楽しみじゃねぇか!」
マジシャン「さぁ行くぜ。再来の名の通り……俺達は戻ってきた。なぁ……師匠!」
師匠「ガハハッ! 全盛期からみりゃ半分程度の魔力だが……タダじゃあ死なねーぞ!」
〜第五十七部、完〜
419 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/31(火) 14:51:44.17 ID:VIAmCKlho
>>242
あれ…?第五十七部……あれ!?
420 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 14:54:10.54 ID:VJmFEOfPo
乙!
師匠ktkr
421 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 15:04:10.37 ID:uuNEW+Tjo
〉〉1乙
師匠遂に来たー!
422 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/01/31(火) 15:47:40.20 ID:kGxp7EaGo
>>乙
え???なんで師匠が?
楽しみになってきたぜ
423 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 15:52:19.93 ID:1GJrKbADO
いちおつ
師匠きたああああああ!
不甲斐ないダブル親子対面なるか
424 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 15:53:34.49 ID:FRHE0k0Wo
!?
425 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/31(火) 16:23:27.12 ID:RCxUzSr40
いちおつ
師匠のコカトリス召喚楽しみ
天才の言葉が意味深いなぁ
426 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/31(火) 16:50:53.35 ID:W8iCsJT7o
まさか再来の名にこんな伏線が…違うかwwwwww
427 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 17:40:08.10 ID:B7kctsf9o
なにこの胸熱展開
428 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
[sage]:2012/01/31(火) 17:58:59.59 ID:mgicXd0Jo
どこもこんな漢字化
429 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2012/01/31(火) 17:59:44.10 ID:VwwaADjco
せやな
430 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 18:02:47.65 ID:AjmI1qWIO
再来は何度でも甦る、のか?wwww
431 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 18:29:23.38 ID:m09P4mkDO
なんか最終っぽいけどサタンとは戦わないの?
まさかベルゼブブ倒して終わり?
432 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:32:09.97 ID:VIAmCKlho
ドンッ!!
女賢者「んふふっ♪ すごぉい人の数ー」
ドドンッ!!
魔法剣士「国軍だけかと思ったが、ワーカーもかなりの数だな」
ドドドンッ!!
ジュニア「こりゃ、楽出来そうだわなぁ……なんてな。ハッハ!」
ドドドドンッ!!
眼鏡「これだけの猛者が揃えば、魔王も倒せるといいね」
ドドドドドンッ!!
天才「ハーッハッハッハ!! 数が問題じゃねぇ。質の問題だ」
召喚士「上位ワーカー勢ぞろい……っ」
戦士「……マジかよ」
魔道士「す、凄い……っ」
盗賊「……オ、オールスターだ」
新たな歴史の1ページとも言える日を、一同は迎えた。
433 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 18:32:28.13 ID:iGy3Z7BDO
>>1
乙
師匠キタァァァァ
434 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:32:39.91 ID:VIAmCKlho
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第五十八部〜
435 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:33:12.72 ID:VIAmCKlho
青年兵の演説より3日後。北関には世界各国より多数の人々が集結していた。
国軍兵「西国国王、到着なさいました!」
ザッザッザッ バサッ
王子「遅くなった。申し訳ない」
皇太子「いやいや。遥々の親征、感謝する」
王子「西国軍は北西山のふもとに、約3万の軍勢で駐屯している」
ザワッ
白馬騎士「3万……っ」
エリート「……」
王子「手土産に、山頂に布陣していた愚かな魔王軍を殲滅しておいた」
青年兵「それは素晴らしい手土産です。どうぞ、お掛け下さいませ」
王子「失礼。……ん?」
帝「お無沙汰しておる」
王子「東方の……。いや、更にお美しくなられた」
帝「ふふっ。西国王殿は世辞が上手いのう」
436 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:34:35.66 ID:VIAmCKlho
…
大軍師「それではこれより、軍議を行います」
青年兵この戦いにおける指揮官を務めます、本国国軍大元帥、青年兵です」
名代「……」
青年兵「とは言っても、実働的には各国、独自に兵を進めて頂きます」
大軍師「演習もなく、多国籍軍を敷いても混乱を招くだけです」
王子「賛成だな。それぞれの弱点を補えばそれで良いと思う」
白馬騎士「同意ですな」
帝「うむ。異論はない」
青年兵「作戦内容についても、各々に任せたいと思います」
大軍師「別に楽をしようというわけではありませんよ。ふふっ」
王子「分かっているよ……」
大軍師「但し、魔王城への突入は一斉に行います。それだけはお忘れなく」
三男「それで、兵はどのように進めるのですか?」
大軍師「はい。それではまず、地図をご覧下さいませ」
437 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:35:33.08 ID:VIAmCKlho
バサァッ
大軍師「北関と魔王城は距離があります。まずは魔王軍を北へと押し込みます」
青年兵「西国には北西山よりそのまま北へ向かって頂けますか?」
王子「勿論、そのつもりさ」
大軍師「東方の皆様は、海峡より西へ兵を進めて頂きたく」
名代「承知仕った」
大軍師「道の案内には海峡、及び東方司令部の者らを同行させます」
青年兵「東方の兵はいかほどになりますか?」
帝「使える兵が1万程。総兵力で言えば2万といったところか」
大軍師「海峡の兵と東方司令部の兵を合算すれば、4万近くにはなりますね」
青年兵「ええ。十分です」
帝「兵は東方司令部にて待機しておる。いつでも動かせるぞ」
青年兵「ありがとうございます。次に南東国ですが……」
大軍師「南東国には我らと共に、中央より北進して頂きたいと思います」
白馬騎士「異論ありませぬ。お任せ致します」
438 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:36:18.40 ID:VIAmCKlho
青年兵「ハヌマーン様らの軍はどうです?」
三男「兄上の話では、獣道を使い、順次、北へ向かうと申しておりました」
大軍師「遊撃として働いて頂けそうですね」
青年兵「互いに連携を取り、うまく共闘しましょう」
エリート「まず目指すはどこになるのだ?」
大軍師「……ここです」トントン
王子「川の中腹だな。島がある」
大軍師「我らは川中島と呼んでおります。ここに拠点を築きたいと考えております」
名代「大丈夫なのですか?」
青年兵「周囲を川に阻まれておりますが、逆にこれをうまく利用さえすれば、防衛に使えます」
大軍師「まずは中央軍でここを制圧したいと思っております」
帝「中央の軍勢は?」
大軍師「本国の総兵力を充てます。その数、およそ20万」
白馬騎士「!?」
青年兵「全てのワーカーを加えれば30……・いや、40万近くには」
439 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage ]:2012/01/31(火) 18:36:35.77 ID:LgtPctTNo
師匠!?
死んだのではなかったのか?
何にしろ胸熱だ、一乙です
440 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:36:58.28 ID:VIAmCKlho
王子「……それでも敵の半分か」
皇太子「問題なかろう。質はこちらが遥かに上と考えている」
王子「プレッシャーをかけてくれますね」
皇太子「自信はあるだろう?」
王子「……勿論」
大軍師「中央軍中には東西に展開する遊撃も編制致します。
東西からの侵攻は焦らず、確実に魔王軍を撃破して下さい」
帝「承知した。では早速、準備に取り掛かると致そう」
名代「はっ」
王子「こちらも動かせて貰うぞ。ではまた、川中島で」
エリート「宜しくお願い致します」
ザッザッザッ
大軍師「頼もしい限りですね」
青年兵「おそらく、東西からの侵攻は、なんら問題ないでしょう」
大軍師「さて、次は……本国軍の編制ですか」
441 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:37:48.59 ID:VIAmCKlho
ザッザッザッ
召喚士「あっ、王子……陛下!」
王子「召喚士さん。いよいよですね」
召喚士「ええ。西国軍は一緒ですか?」
王子「いえ。我らは西から魔王城を目指します」
魔道士「西……そうですかぁ」
王子「次に会う時は、魔王城突入時ですかね」
戦士お互い、生きて再会しようぜ!」
王子「ええ。それではまた」
ザッザッザッザッ
盗賊「……王子、随分と強くなったな」
戦士「ああ。完全に王としての自覚があるよ」
魔道士「初めて会った頃は、本当に子供だったんですけどね」
召喚士「みんな成長してますよね。さぁ、行きましょう。軍議の時間です」
魔道士「はいっ!」
442 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:38:28.02 ID:VIAmCKlho
ザッザッザッ……バサッ
エリート「ふざけるなっ!!」
召喚士「!?」
エリート「そんな事を、許可出来ると思っているか!!」ダンッ!!
戦士「何事だ?」
魔道士「さぁ……っ」
天才「あのな、仕方ねーだろ。もう頼るべきはコイツしかいねーんだ」
エリート「お前は自分が何を言っているのか分かっているのか!?」
天才「俺様だってなぁ、そんなつもりは毛頭なかったんだよ!」
エリート「だったら――」
天才「だがなぁ!! 今や魔力がないのはコイツだけなんだよ!!」
皇太子「エリート。天才も落ち着け。皆が集まっているのだぞ」
エリート「……っ」
召喚士「ど、どうしたんですか?」
青年兵「召喚士さん、ご苦労様です。ちょっと軍議で揉めておりまして」
443 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:39:03.46 ID:VIAmCKlho
盗賊「……?」
戦士「何だってんだ?」
魔法剣士「北の森の件だ」
召喚士「!?」
盗賊「……奴か」
魔法剣士「魔力のある者では抵抗する間もなく餌食となるからな」
天才「根暗二刀流の言う通りだ。だからこそ皇太子じゃねーと務まらなねーんだよ」
エリート「安易なものではなかろう!」
天才「だが、魔力が0なら勝算はある」
エリート「だったら枯渇させてでも、護衛につくべきだな」
天才「それじゃ駄目だ。時間がかかれば魔力は回復する」
大軍師「少しでも魔力が戻れば、待つのは死です」
エリート「……陛下を単身で行かせろなどと、貴様は狂っている……っ」
皇太子「構わん。私が行こう。私にしか出来ぬのだろう?」
エリート「陛下!!」
444 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:39:56.16 ID:VIAmCKlho
皇太子「エリートの言いたい事はよく分かる。当然の義務だ」
エリート「……っ」
皇太子「だがな、ここで魔王軍に敗北してしまえば、本国や王など元よりなくなるのだ」
エリート「……他の手はないのか?」
天才「ない。あの森はどうしても突破せにゃならん」
エリート「どうしても……か?」
天才「どうしてもだ。魔王城への入り口がそこにあるんだよ」
魔道士「入り口って……魔王城じゃないんですか?」
大軍師「そこからお話して方が良さそうですね。いずれはお話しなくてはなりませんし」
天才「……魔王城にはな、六道と呼ばれる6つの門がある」
戦士「6つ!?」
天才「その全てを開かぬ限り、魔王城の内部には侵入出来ないんだよ」
魔道士「そ、そんな事が……っ!?」
召喚士「だから……今まで突入すら出来なかった、難攻不落の城なのか……っ」
天才「でなきゃなぁ、こっちだってこんな無理強いしねーんだよ」
445 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:40:47.90 ID:VIAmCKlho
エリート「……っ」
皇太子「決める権利は私にある。エリート、お前の務めは十分に承知している」
エリート「私は……最後まで反対です」
皇太子「北の森に行こうではないか。私が、道を切り拓く」
大軍師「本当に……宜しいのですね?」
皇太子「私とて、少しは役に立ちたいのだ。むしろ喜んで務めさせて貰おう」
青年兵「……陛下」
天才「ハーッハッハッハ! これで陛下が死んだら、お前らは死罪だな!」
エリート「貴様と言う奴は……っ!!」
天才「冗談だよ。俺様を信じろ。死にゃしねーよ」
皇太子「予言か?」
天才「予言なんぞ見るまでもねぇ。お前は生まれながらにしての王なんだ」
皇太子「……」
天才「そんな星の下にあって、こんなバカげた所で死ぬもんかよ」
皇太子「気休めにして上出来だな。ははははっ」
446 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/01/31(火) 18:42:10.15 ID:VIAmCKlho
沢山支援レス貰っている中、空気を読まず投下してしまった…すみません
それではここまでにて失礼致します!本日もご支援ありがとうございました!
それではまた明日!ノシ
447 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage ]:2012/01/31(火) 18:47:23.66 ID:LgtPctTNo
改めて一乙です
まさか、異物混入させてしまうとは、申し訳ない
448 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 19:00:59.77 ID:r0M6nZqDO
封印解いたからとられてたぶん戻ってきたのか…
1乙
449 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 19:16:48.87 ID:To5yuDDDO
わざわざ氷漬けにしてた時点で予測つくだろうに
450 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 19:22:25.76 ID:iHyDBmYNo
将来的に返してもらう予定があればこその一手だね
451 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 19:45:15.90 ID:DO7LdEwso
これハヌマーン軍が東方や西方の軍と対峙したらどうなるんだろ・・・攻撃されたりしないのかな?
>>1
おつ!
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/31(火) 19:59:19.53 ID:vfG8VsGLo
>>1
乙
まだ今日の更新分の途中だけど、
師匠ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお
駅のホームでうるうるきた
453 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/01/31(火) 20:30:51.48 ID:tdllOGkh0
>>1
おつ
6つの門すべてに門番がいるのかな…?
454 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 22:05:37.43 ID:7HMU9Gp50
>>1
おつんつん
師匠帰還ktkr!
そして皇太子がんばれ
455 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/31(火) 22:20:35.53 ID:6IKHWJ+mo
隊長おかえりなさい!
ってコメントが見当たらないんだが。
456 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/31(火) 22:21:29.32 ID:HJiSBDRQo
コメント(笑)
ニコ厨[
ピーーー
]
457 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/01/31(火) 22:40:01.87 ID:jz01Y+6uo
早く終わらせるんだ
どんどん臭い奴が出てくんぞ
458 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 23:24:16.57 ID:PoRGlytIO
隊長おかえろなさい!
459 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
:2012/01/31(火) 23:30:19.80 ID:c1S/SINRo
>>1
乙ぃ
ここまでくると、ネクラマンジャイの思惑ってのが気になるな
460 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/01/31(火) 23:31:12.80 ID:c1S/SINRo
あおぅ、sageます! sageます!!
461 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/31(火) 23:36:29.03 ID:atYdc5o4o
>>460
ノリツッコミ乙んぽ
462 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/01(水) 00:09:35.73 ID:M0n/BU1to
中学生はブラウザ切って早く寝なさい
463 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/01(水) 01:45:26.60 ID:0MaXLLjAO
>>1
おつ
師匠相手に号泣やら手向けの酒やらしてきた召喚士はどんな反応するか楽しみだわ
464 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 01:51:31.08 ID:PD8xUfsDO
>>414
神官も生き返ったのか……
465 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 04:44:22.11 ID:7azx5lvuo
それは夢幻か
>>1
名物だwwwwww
466 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/01(水) 07:44:31.91 ID:ObCsshbco
>>456
そういうつもりでは無かったんだけど不快にさせたならすまん。
467 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 15:07:20.04 ID:XR0dLJcDO
>>1
乙!
読み返してみたら師匠の伏線は去年の7月から貼られていて驚いた…
ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/1308493316_13.html
このページの437からと
次のページの460からあたりに書いてある
468 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/01(水) 16:41:37.67 ID:E3d8zpDCo
晒さなくてもわかるだろ
469 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:52:17.59 ID:ZB+oCeZ9o
…
大軍師「では右大臣様、こちらで中央軍の編制を」
エリート「……ああ」
青年兵「北関からの北進は平野続きですから、ワーカーの配置をこちらに――」
スタスタスタ
召喚士「あの、天才さん」
天才「ん?」
召喚士「本当に、陛下は大丈夫なんですよね?」
天才「本人も行くっつってんだ。別にいいだろ」
召喚士「作戦に口出しするわけではありませんけど、やっぱり……」
天才「……こっちこい」グイッ
召喚士「!?」
魔道士「召喚士さん? 天才さん……?」
天才「先に行っててくれ。作戦会議だ」
召喚士「……?」
470 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:52:47.74 ID:ZB+oCeZ9o
戦士「……何だ?」
魔道士「さぁ。なんだか先に行っててくれ……って」
盗賊「それじゃ、そうするか」
バサッ……スタスタスタ
鍛冶娘「あっ、いたいた! 探したのよもう〜っ!」
戦士「鍛冶娘!? お前も北関に……?」
鍛冶娘「西方司令部に残ってたって仕方ないもの」
魔道士「あ、こんにちはー」テクテク
鍛冶娘「どうも。それに北関にはこ工房もあるし、武具が破損しても修復や製造が出来るわ」
戦士「ほぉーっ。前線にあるってのは便利だな」
鍛冶娘「その為の拠点でしょうに」
戦士「ま、それもそうか」
鍛冶娘「あ、そうそう! そんな事より頼まれてた例の物、出来てるわよっ!」
戦士「マジかっ!? いいタイミングだぜ!!」
鍛冶娘「工房にあるから来て。早く早く!」タッタッタッ
471 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:53:44.94 ID:ZB+oCeZ9o
盗賊「……」
魔道士「……」
盗賊「い、行こっか」
魔道士「い、行きましょっか……!」
盗賊「ど、どこ行く?」
魔道士「分かりませんけど、色々見て回るのも必要ですよねっ!」
トボトボ……
ワーカー「……なんだあの女は? まさかワーカーか?」
マッチョ「冗談言えよあんな華奢な身体でよ。ありゃ娼婦だろ」
ワーカー「まぁこれだけの人数だもんな。荒稼ぎ出来るわな。ゲッヘヘヘ!」
マッチョ「にしてもなかなかいい身体つきしてんじゃねぇか。どれ、早速……」スタスタ
ワーカー「あっ、おい! きたねーぞ!」
ザッザッザッ
盗賊「……ん?」
魔道士「あれ?」
472 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:54:13.66 ID:ZB+oCeZ9o
テクテクテク
女賢者「あらぁ〜? お久し振りーんふふっ♪」
魔道士「女賢者さんっ、こんにちは!」
女賢者「2人も大変ねぇ〜。んふふっ♪」
盗賊「そっちこそ」
ワーカー「あ、あれって……功績5位の……」
ザッザッザッ
魔法剣士「お前らは西だったよな?」
魔道士「あ、はいっ!」
魔法剣士「それじゃ合流は魔王城だな。死ぬなよ」
盗賊「そっちこそ」
マッチョ「あっ、あれは4位の……魔法剣士……っ!!」
ワーカー「知り合い……なのか? 何なんだ一体……っ」
盗賊「……何やら視線を感じる」
魔道士「へっ?」
473 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:54:59.00 ID:ZB+oCeZ9o
…
ザッザッザッ
召喚士「あ、あの……」
天才「さっきの話な、予め皇太子とエリートには伝えてんだ」
召喚士「……えっ!?」
天才「その上でああやって悪態ついたんだよ。心配すんな」
召喚士「じ、じゃあなんでエリートさんは……」
天才「アホ。事前に打ち合わせたからって、一国の王とその側近がおいそれとOK出すか?」
召喚士「い、いや……っ」
天才「流石の俺様だって土壇場でそんな急は言わねーし、アイツらを悪者には出来んだろ」
召喚士「ま、まぁ……陛下やエリートさんが率先して行くなどと言えば……」
天才「他の連中が黙っちゃいねぇ。だが、どうしても止むを得ない状況ともなれば……」
召喚士「……逆に、兵の士気も上がり、必死になると思います」
天才「そういうこった」
召喚士「な、なるほど……っ」
474 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:55:40.18 ID:ZB+oCeZ9o
天才「でもな、六道門の話は本当だ。どのみち行く事には変わりねぇ」
召喚士「……」
天才「少し計算外だったのは、護衛のはずの格闘家が役立たずになっちまったって事か」
召喚士「役立たずって……」
天才「まぁアイツのお陰で東方じゃ命を救われた連中も居るし、今更仕方ねーけどな」
召喚士「……ええ」
天才「お前らが心配な気持ちは分かるけどな。あんまり態度に出すなよ?」
召喚士「え……?」
天才「アイツは特別扱いされるのが大っ嫌いだからな」
召喚士「あ……っ」
天才「それに、魔力がねーからって弱いと思ってんのか?」
召喚士「まさかっ。陛下の剣術や馬術は一流ですよ!」
天才「そんなら魔力のねー相手と戦うなら、何ら問題ねーだろうが」
召喚士「それはそうですけど……」
天才「王なんてのはいつから、堅っ苦しくなっちまったんだろうなぁ」
475 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:56:18.05 ID:ZB+oCeZ9o
召喚士「……?」
天才「だってよ、王は昔っからいるけどもっと人間らしく生きてたぜ?」
召喚士「そうなんですか……?」
天才「もっと民と誓い場所にいたし、戦場に出ては散った王もいる。例えば武王みてーにな」
召喚士「武王は……戦場でなくなったんですか……っ」
天才「ああ、聖王より先にな。王と言っても、正式に王位に就いたわけじゃねぇ」
召喚士「いまでは信じられませんね」
天才「そこなんだよなぁ。結局、人間が勝手に王を神格化して崇めてるだけなのかもなぁ」
召喚士「……」
天才「そんな中でもあれは異端児だよ。こんな時代に自ずから戦場に出るんだからな」
召喚士「まぁ、そうですね。あの時も共に北方で戦いました」
天才「国王という立場でありながら戦場を駆け、民の目線で接し、しまいにゃ……」
召喚士「……?」
天才「……いや、何でもねぇ。魔王倒したらしっかり首輪付けとくよう、エリートに言っとけよ」
召喚士「は、はぁ……」
476 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:58:07.85 ID:ZB+oCeZ9o
…
ワーカー「…………」
マッチョ「…………」
ジュニア「何だよ、一緒に戦えないのか……残念だな。ハッハ!」
魔道士「あとでまた合流しますよきっと」
ジュニア「まーそうだよな。それまで怪我なんかしちゃ駄目だぞ? ハッハ」
盗賊「そっちこそ」
タッタッタッタッタッ
犬「ワンワンッ!」
魔道士「あ、可愛い〜! ってかこのワンちゃん……」
眼鏡「急に駆け出して何事かと思ったら、君たちだったんだね」テクテク
魔道士「眼鏡さんっ! こんにちは!」
眼鏡「元気そうで何よりだね」
盗賊「そっちこそ」
ワーカー「功績ランク3位の……ジュニア……」
マッチョ「それに功績2位の眼鏡……っ!」
477 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:58:43.75 ID:ZB+oCeZ9o
ザッザッザッ
天才「何だ、まだこんな所にいたのか」
魔道士「あれ? お話はもう終わったんですか?」
召喚士「ええ。あれ、戦士は……?」
盗賊「工房に行ったぞ。防具が出来たらしい」
召喚士「本当ですか!? 良かった……俺らも行ってみましょうか」
ワーカー「て、天才……功績1位の……っ」
マッチョ「それに……あの若いのは……朱雀先生」
ワイワイ テクテクテク……
ワーカー「な、何者なんだよあの女……っ」
マッチョ「……さぁ」ポカーン
魔道士「強そうなワーカーの人達がいっぱいいますね〜」
天才「見かけだけはなぁ。中身はお前らの方がよっぽど強い」
盗賊「そうか?」
天才「お前らも見かけだけで変な勘違いされんなよ? ハーッハッハッハ!」
478 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 17:59:33.09 ID:ZB+oCeZ9o
…
大軍師「ひとまずの編制は完了致しましたね」
青年兵「ええ……」
エリート「なぁ、六道門とやらは何なのだ?」
大軍師「詳細は分かっておらぬそうです」
エリート「何……?」
大軍師「天才殿が仰られるには、森の住人がそれを知る、と」
青年兵「森の住人?」
バサッ スタスタスタ
占い師「予言の民の事よ」
青年兵「占い師さん」
占い師「あら? 司令……じゃなかった、天才さんは?」
大軍師「そのうち戻ってくると思いますが」
占い師「そう」
エリート「予言の民が一体、なんだと言うのだ?」
479 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:00:27.59 ID:ZB+oCeZ9o
占い師「私も詳しくは知らないわよ。でも、彼がそう言っていたわ」
青年兵「その予言の民が、魔王城について知っていると?」
大軍師「そういう解釈でしょうね」
エリート「どこに居るのだ?」
占い師「……森の奥よ」
青年兵「森の……えっ!? バフォメットの森ですか!?」
大軍師「そのようです」
青年兵「馬鹿なっ! あの森は、入ればたちまち……」
占い師「魔力があればね」
エリート「……まさか」
占い師「予言の民が持つ魔力は、他の人間とは違うから……」
大軍師「貴女も……ですよね」
占い師「ごく一部、何でも出来ちゃう変な人もいるけどね」
エリート「……あー」
青年兵「あ、あー」
480 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:01:26.41 ID:ZB+oCeZ9o
天才「ふぇ……っくしぃ!!」
魔道士「こないだから大丈夫ですか?」
天才「うーん……死期が近いと身体も弱くなんのかねぇ」
召喚士「縁起でもない事、言わないで下さいよ!」
天才「ハーッハッハッハ! お、着いたぞ。ここが工房だ」
盗賊「……」
テクテクテクテク
天才「ういー」
局長「おっ!? ワーカーに成り下がった変態さんじゃねぇか」
天才「変態じゃねぇ!! 天才だ!!」
召喚士「戦士はいますか?」
戦士「おーう! こっちこっちー!」
テクテクテクテク
戦士「見てくれよ、ほれっ!」
召喚士「おぉ……っ!」
481 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:27:47.84 ID:ZB+oCeZ9o
戦士「イブリース戦で手に入れた風の鉱石を練りこんであるそうだ」
鍛冶娘「風のマント。多分、この形が1番使い勝手がいいかと思って」
魔道士「使い勝手ですか?」
鍛冶娘「そっ。例えばこれを付けて……っと。風や炎の魔法なら、こうやって」
バサァッ!!
盗賊「風が吹いた」
鍛冶娘「もっと風を起こしたければ、外して手で振ればオッケーよっ」
召喚士「おぉーっ!」
戦士「胸部分の止め具が鉱石本体になってるわけだな」
鍛冶娘「他の鉱石と同じサイズにしてあるから、着脱可能よ」
戦士「なるほどな。よく出来てるよ、ありがとなっ!!」
鍛冶娘「べっ、別にあんたの為じゃないんだから……っ!!」
局長「鍛冶娘ー! こっちのヤツはどうすんだぁ!?」
鍛冶娘「あっ、ちょうど良かった! こっちも見て!」
戦士「……?」
482 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:28:41.36 ID:ZB+oCeZ9o
スタスタスタスタ
鍛冶娘「つい先日届いた水の鉱石。今これで鎧を作ってるの!」
戦士「何ぃ!?」
局長「急いじゃいるが、もうしばらくかかる。本戦には間に合わせてやるよ」
戦士「ありがてぇ! 助かるっ!」
召喚士「これ何? 魚?」
戦士「ああ。城の上に付いてた飾り。何だっけ?」
盗賊「鯱」
戦士「だってさ」
召喚士「へぇ。カッコイイじゃん! 肩の部分とかにも使えそう」
鍛冶娘「なるほど〜。このまま流用するのも面白いわね」
局長「おら、口動かしてねーで手を動かせ手を!」
鍛冶娘「はいっ! それじゃ鎧はまた後で渡すからっ!」タッタッタッ
召喚士「頼もしい限りだね」
戦士「ああ。これで俺も、お前らにかける負担も減りそうだぜ」
483 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:30:45.12 ID:ZB+oCeZ9o
テクテクテクテク
男隊員「あん? 何だ何だ大人数で」
天才「おう。新隊長様じゃねぇか」
男隊員「……」
局長「武器か?」
男隊員「ああ。俺も補佐メインじゃなくなっちまったし」
局長「隊長ともなるとやっぱし責任感が出たか?」
男隊員「だからやめろっつの。隊長って言葉、しばらく聞きたくねーんだ」
――「隊長!」タッタッタッ
男隊員「だからやめ……って、お前か」
召喚士「あ……っ、ボスさん!!」
ボス「おぉ、朱雀先生。ちわっす」
魔道士「な、何でボスさんがここに……?」
男隊員「補充要員。まだ見習いだけど。特遊のな」
召喚士「!?」
484 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:31:30.54 ID:ZB+oCeZ9o
ボス「ラーヴァナ戦の時に声かけて貰って。隊長が居るうちには間に合わなかったけど……」
盗賊「……」
局長「んで、武器は2人分か?」
男隊員「ああ。お前の得手は?」
ボス「さほど重い物でなければ」
男隊員「安心しろ。うちの怪力メスゴリラが重い物担当だ」
ボス「じ、じゃあ……長剣か槍を」
男隊員「つまんねーなぁ。よし、俺が決めてやる!」
局長「お前はどうすんだよ?」
男隊員「うーん……。ダガー? いや、メイスやトンファーも面白いなぁ」ブツブツ
戦士「楽しそうだな……」
盗賊「楽しんでるな……」
鍛冶娘「何か武器の話ですかっ?」ヒョコ
局長「ああ、お前に任せるわ。マニア同士好きにやってくれ」テクテク
鍛冶娘「……?」
485 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:33:44.06 ID:ZB+oCeZ9o
…
ザッ
西国兵長「それでは、北西山へ向かうぞ!」
西国兵「おぉーっ!」
青年兵「それでは、お気を付けて」
王子「わざわざの見送り、感謝する」
大軍師「補給には最北の村をお使い下さい。話の分かる者を常駐させますので」
王子「了解した。地図で確認し、必要であれば利用させて頂こう」
西国兵長「騎馬を目一杯飛ばせ! 一番乗りは我ら、西国が担うのだ!」
ザザッ
王子「では、また後ほど会おう!」ドドッドドッドドッ
青年兵「頼もしい。士気の高さは全部隊でもトップですね」
大軍師「ええ。故に、突出しなければ宜しいのですが……」
青年兵「大丈夫ですよ。諌めてくれる側近の魂が、彼の傍には常に居るのですから」
大軍師「成程。そうでしたね……ふっふ」
486 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/01(水) 18:43:42.49 ID:ZB+oCeZ9o
今日は少なめですみません。ひとまずここまでにて…
それでは失礼致します!沢山のご支援、ありがとうございます!ノシ
487 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/02/01(水) 18:50:57.72 ID:6BeZfAiMo
1乙
488 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 19:07:12.01 ID:nVYqjFLDO
>>1
乙っす
まったく少なめじゃない件
489 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 19:10:02.87 ID:WBrG3U+DO
いちおつ!
今の朱雀パーティーの強さだと、個人だけの場合でも功績順位が変わってしまいそうだな…
昔記者が付けた独自順位から更に上がっているだろうし…
特に召喚士なんてチートクラスになったしなぁ。
スフィンクス、バハムート、ベヒーモス、九尾(夫人)に朱雀まで召喚可能とか…
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/01(水) 19:26:07.18 ID:mQv43ZiJo
>>1
乙
さあ、またいよいよって感じになってきたな
毎回魔王まえの準備期間はドキドキするわ
491 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/01(水) 20:52:41.57 ID:zhuT5mza0
いちおつ
ゲーデも予言の民だったよね もういないけど…
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 22:54:32.10 ID:Hhr6UiJb0
>>1
おつんつん
鍛冶娘のツンデレはやっぱりいいもんやな
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 23:42:10.63 ID:M8Ec1t7SO
朱雀パーティーの魔王討伐5回の功績と、その間北で魔王軍蹴散らす柱となったランカーパーティーの功績はどちらが上なんだろう。
そして6位〜10位のランカーの存在感の無さ
494 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/02(木) 01:17:21.22 ID:x+14J6sAO
>>1
おつ
>>467
読んだらマジで伏線あってビビったわ
495 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/02(木) 09:14:46.30 ID:+KOwndDCo
これが自演か
496 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/02(木) 09:46:01.23 ID:T0Z7MtF50
ワロタ
かわいそうだから、言うなよ
497 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:21:53.73 ID:E9YtQ2ngo
…
ザッザッザッ
戦士「おっ? ちょっと慌しくなってるか?」
天才「西国が動いたみてーだな」
盗賊「こちらは良いのか?」
天才「もうじき出んだろ。海峡までは東方の連中と一緒だ」
召喚士「向かう先は一緒ですからね」
天才「もう用意も出来てるだろうし、合流すっか」
魔道士「はいっ」
タッタッタッタッ
幼女「お姉ちゃーんっ!」
魔道士「幼女ちゃん!」
戦士「って事は……」
剣士「ラーヴァナ戦以来だね。イブリースとマーラの功績は噂で耳にしているよ!」
召喚士「剣士さんっ!」
498 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:22:43.49 ID:E9YtQ2ngo
盗賊「どうも」
召喚士「剣士さん達も来ていたんですね」
弓使い「そりゃ、あれだけの号令がかかって、居ない方が不自然よ〜」
魔道士「でも……っ」チラッ
幼女「うん……。北にはあんまりいい思い出はないわ」
魔道士「幼女ちゃん……」
幼女「でも、だからこそ戦わなくちゃって思うの」
剣士「幼女もまだ12歳とはいえ、自分のしなくちゃいけない事が分かってるんだ」
召喚士「剣士さん……」
剣士「大丈夫。幼女、そして弓使いだけは、何が何でも僕が命がけで守る」
召喚士「……ちょっと、いいですか?」
剣士「……?」
弓使い「あら、どうしたの?」
剣士「ちょっと召喚士くんにトイレを案内してくる」
召喚士「すみません……っ」
499 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:23:32.84 ID:E9YtQ2ngo
ザッザッザッ
召喚士「何だかすいません。嘘までつかせてしまって」
剣士「気にしないでくれ。僕だけって事は、何か大事な話があるんだろう?」
召喚士「お察しいただき、ほんと助かります」
剣士「……幼女の事かい?」
召喚士「……ええ」
剣士「彼女に何か……?」
召喚士「いえ……っ。幼女ちゃんにではないんですけど」
剣士「……?」
召喚士「実は、お父さんの事です」
剣士「幼女の……?」
召喚士「ええ。剣士さんの前に父代わりであった……」
剣士「お父さんが……何か……?」
召喚士「……遭遇したんです」
剣士「――!?」
500 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:24:04.94 ID:E9YtQ2ngo
召喚士「イブリース戦の時に……」
剣士「生きて……いるのか……?」
召喚士「……いえ。ネクロマンサーの手により……っ」
剣士「……っ」
召喚士「ベルゼブブの城にはネクロマンサーのラボもあります。おそらくお父さんとも……」
剣士「その時は……」
天才「テメーが葬るってか?」ヒョコッ
剣士「!?」
召喚士「天才さん! ん、何でここに……っ」
天才「面白そうな話をコソコソしてっからよー」
召喚士「面白くなんて……ありませんよ」
天才「んで? そのお父ってのはお前らがコッソリ始末すんのか?」
召喚士「幼女ちゃんと戦わせるには……酷ですよ」
天才「あ? 何でだ?」
召喚士「何で……って」
501 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:24:52.28 ID:E9YtQ2ngo
天才「それが幼女に対する配慮のつもりか?」
剣士「……」
天才「気遣いのつもりで幼女に知られないように、葬るってか?」
召喚士「で、でも幼女ちゃんは……」
天才「それを一生隠し通して、幼女の前で笑ってるってのか?」
召喚士「そ、それは……」
剣士「あなたの仰りたい事はよく分かります。しかし、幼女にとっては2度も経験する事に……」
天才「あのな、悲しみってのは他人が手を貸したって消せるモンじゃねーんだよ」
剣士「……」
天才「自分で乗り越えなきゃならねーモンなんだ。お前らだって存分に味わってきただろ」
召喚士「……っ」
天才「人は悲しみを乗り越えて強くなってく。そういう生き物なんだ」
剣士「……」
天才「だから人は強くなった。ずっと昔から繰り返してきたから今の俺達がいるんだよ」
剣士「……そうかもしれませんね」
502 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:25:35.98 ID:E9YtQ2ngo
召喚士「剣士さん……!?」
剣士「僕らもそうやって過去を乗り越えてきた。悲しみを乗り越えてきたんだ」
召喚士「……っ」
剣士「7歳で養父の死を間近とし、受け入れた幼女だ。その辛さは想像に変え難い」
天才「……」
剣士「でも、幼女はそれを乗り越えた。あの子は本当に強い子なんだ」
召喚士「……本当に……いいんですか?」
剣士「そりゃ鉢合わせないに越した事はないよ。でも、対峙する事になったならば……」
天才「お前がしっかり守ってやりゃいいだけの話だ。ハーッハッハッハ!」
剣士「ええ。魔王を倒した平和な世の中で、幼女と心の底から笑って暮らしたいですから」
召喚士「剣士さんがそういう覚悟ならば、俺も出来る限りの事はします!」
剣士「ありがとう。それじゃ、そろそろ戻ろうか。みんなも待ってるだろうし」
天才「さっさと支度しろ。こっちは東隊なんだぞ」
召喚士「そ、そうでしたねっ。それじゃ戻りましょう」
剣士「うん」
503 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:26:20.47 ID:E9YtQ2ngo
…
テクテクテク
魔道士「えーっ!?」
召喚士「……?」
戦士「おう、遅かったな。随分と長いトイレでしたこと」
召喚士「い、いや。途中で天才さんとも合流したから」
天才「こんだけの人数だからなー、トイレもすっげー混んでるぞ。済ませるならさっさと行っとけよ?」
盗賊「……」
召喚士「と、ところで……何を驚いていたんですか?」
魔道士「……召喚士さん……凄いですよっ!!」
召喚士「……へっ?」
戦士「6位だとさ。おめでとさん!」
召喚士「6……? えっ、何!? 何が……!?」
盗賊「功績ランク6位」
召喚士「……誰が!? え、えーっ!?」
504 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:27:03.42 ID:E9YtQ2ngo
…
召喚士「つまり、俺が功績ランク6位……!?」
弓使い「そうよ〜。だからさっき言ったじゃないっ、噂で活躍は聞いてるって」
幼女「魔王を沢山倒しているんだから、当然よねっ」
召喚士「でも、集団戦だし……そんなに功績があるとは……」
天才「いやあるだろ。どんだけ各地で戦い続けてると思ってんだ」
召喚士「そりゃそうかもしれませんけど、そんな事言ったら天才さんの方が……」
天才「俺様はもうぶっちぎりだから関係ねー。ま、お前が1人で魔王ぶっ倒せば1位になれっかもな」
召喚士「魔王を倒すと功績ってどれぐらいあるんです?」
天才「今は知らんが前は1体で50億だったぞ」
魔道士「……」
召喚士「……」
戦士「……」
剣士「……」
弓使い「……」
505 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:28:01.79 ID:E9YtQ2ngo
魔道士「50億!?」
盗賊「お前はどれだけ功績があるんだ……っ?」
天才「53億。カウントされてねーのもあるからあくまでワークショップでの基準な」
戦士「ご……53億……!?」
天才「まー積み重ねだからな。そういう意味じゃお前らは凄い方だと思うぞ?」
召喚士「あ、あの……ところで他のみんなは?」
戦士「俺は7位」
盗賊「……8位」
魔道士「13位ですっ!」
召喚士「魔道士さんだけ差があるんですか……?」
天才「付加は評価されにくい部分もあるし、マーラとは直接戦ってねーし。そういうとこだろうな」
召喚士「マーラだったら俺も……」
天才「お前は他の討伐やら召喚術の研究評価が大きいんだよ」
召喚士「そ、そうですか……。なんだか差が出るのは残念ですね」
魔道士「気にしないで下さいっ! 私自身、そんなの気にしてませんから。えへへっ!」
506 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:28:42.14 ID:E9YtQ2ngo
戦士「そうそう。俺らは4人で1チームなんだからよ」
盗賊「同意」
召喚士「そうですよねっ」
天才「まぁランキングは残りほとんど覆らねぇだろうな」
魔道士「そうなんですか?」
天才「今回のベルゼブブは数が多すぎる」
剣士「魔王を討伐したとしても、50億を40万人で割るからね」
天才「国軍さっ引いてもワーカーが20万人だとして、1人当たり25000の功績」
戦士「魔王倒したってのにしょぼいな……」
天才「無論、直接戦った奴と外で牽制してた奴じゃ差がつくだろうが、あんま期待出来ねーだろうな」
召喚士「だから覆らないと……」
天才「そーいう事。そしてこんだけワーカーが集まった理由の1つでもあるのさ」
剣士「激戦区に行かなくても功績が得られるわけですからね」
天才「20万のワーカーがいたところで、実質役に立つのは2、3万てとかもな」
召喚士「……厳しい数字ですね」
507 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:29:25.11 ID:E9YtQ2ngo
ドドッドドッドドッ
騎士団長「間もなく進軍を開始する! 正門へと集まれ!」
剣士「っと、僕らはそろそろ行かないと」
弓使い「そうね。みんなは東よね? それじゃまた後でねっ」
幼女「頑張ってねっ!」
魔道士「幼女ちゃん達も頑張ってね!」
召喚士「じゃあ、また後で」
剣士「うん」ザッザッザッ
天才「剣士……だっけか?」
召喚士「ええ」
天才「ありゃいい士官になるな。もうちょい早ければな……勿体ねぇ」
召喚士「そうですね。南東国も将軍として迎えようとしてましたよ」
天才「あいつ、ああみえて功績ランク11位だからな」
召喚士「!?」
天才「ハーッハッハッハ! おら、コッチも行くぞぉー!」
508 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:30:06.40 ID:E9YtQ2ngo
…
眼鏡「……」
〜♪
眼鏡「やあ。君も来ていたのか」
詩人「来ないわけにはいかないだろう?」
眼鏡「そうだね。それで、君はどちらを選んだんだい?」
詩人「……君は?」
眼鏡「見ての通りさ。僕は……人間だ」
詩人「君、死のうとしているね。悲しい歌を奏でているよ」
眼鏡「今までの罪が消えるとは思わない。でもね、少しは償いになるだろうさ」
詩人「どの門を行くつもり?」
眼鏡「わざわざ聞く必要もないだろう? 勿論……地獄さ」
詩人「六道門、地獄。地獄の番犬が自らその門を開くとは……皮肉だね」
眼鏡「皮肉じゃないさ。そういう宿命なんだろう」
詩人「……悲しいね。君も……僕も」
509 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:30:59.92 ID:E9YtQ2ngo
ザッザッザッ
ジュニア「出発だとさ」
眼鏡「ああ。今、行くよ」
詩人「それじゃまた後で」
眼鏡「先に行くのかい?」
詩人「ああ。僕には僕の償いがあるからね」
ザッザッザッ……
ジュニア「……何だ?」
眼鏡「旅の吟遊詩人さ。気にしなくていいよ」
賢者「……彼も君も……生まれるべく運命を誤ったのかもね……ふぅ」
眼鏡「……気付いているのかい?」
賢者「臭うよ。ほんのりとね……ふぅ」スタスタ
ジュニア「変な奴ばっかだな。ハッハ!」
眼鏡「君もかい?」
ジュニア「ハッハ! 違いねぇや。そうでもないと、生きていけねーのかもな……」
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/02(木) 18:31:42.05 ID:E9YtQ2ngo
また後で少しだけ来ますです!すみません!ノシ
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/02(木) 18:53:27.24 ID:78/T8b6DO
いちおつ
剣士高すぎだろjk
南東国のがでかいんだろな
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/02(木) 18:55:47.20 ID:IGBuproDO
おつんぽ!
死なないでね…眼鏡タン
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/02(木) 19:55:31.49 ID:wBadHlPZo
>>1
乙
マジシャン息子と召喚士と、オヤジ二人の四人が合流するところがみたいな
感動するだろうなあ
514 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/02(木) 21:11:27.16 ID:Q/rhDlwm0
>>1
おつ
詩人のハープは不思議な力があるからな…
515 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/02(木) 21:22:35.07 ID:Vu87QGSIO
でも召喚士パーティーいなかったら西国も東方も南東国も滅亡してるってのにまだ6位なんだな。魔法剣士とかどんだけ北で活躍してんだよ!四人で割ってるからかな?
516 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 21:24:15.03 ID:zjkMDYyJo
…
対ベルゼブブ戦役の開戦初日。いよいよ進軍が始まろうとしたいた。
青年兵「ここに集いし者達よ。これより、魔王ベルゼブブの討伐を開始する!」
オオオオォォォォーッ!!
青年兵「今ここには、本国だけに留まらず、世界中より同志が集結してくれた。
勇敢なる諸君らよ、君達はまさに勇者である!」
オオオオォォォォーッ!!
青年兵「共に戦い、共に魔王を打ち倒し、共に生きて帰り、そして共に笑おうではないか!」
オオオオォォォォーッ!!
青年兵「……出陣!」
ドザザッ!! ドドオオオオォォォォ!!
近年においても最大規模となる魔王討伐軍。その数、総兵力として約37万。
その内、北西山のふもとに布陣した西国軍が3万。指揮官は当然、この男。
王子「…………」
ドドッドドッドドッ
西国兵長「本国主力部隊、先程、出陣なされたようです!」
517 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 21:25:16.00 ID:zjkMDYyJo
王子「ご苦労。こちらも山を迂回して、一気に北へ突撃するぞ」
西国兵「山を迂回……ですか?」
王子「登頂には馬も人も体力を消耗する。必ずどこかで休息の為の布陣が必要だ」
西国兵長「山頂にて布陣など、愚かな事この上ないですからね」
王子「山を包囲されたり、空中から仕掛けられたら終わりだ。だからこそ迂回する」
西国兵「急がば回れ……ですね! 了解致しました!」
王子「……では行くぞっ! 出撃ぃーっ!」ドドッドドッドドッ
北西山と北関の中間位置となる北方司令部。ここには3万の兵が駐屯する。
参謀「……いよいよ、動きましたね」
副官「はいっ。こちらの防衛準備も万全です!」
参謀「どんな事態においても、万全などという事はありませんよ。もう1度、確認を」
副官「はっ!」タッタッタッ
バシュウウゥゥゥゥ……スタッ
青龍士官「北関の主力は進軍を開始した。こちらも竜騎士隊を出すぞ」
参謀「ええ、お願い致します」
518 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 21:25:46.92 ID:zjkMDYyJo
青龍兵「待ちくたびれましたよ」
青龍士官「良いか、我らの務めはあくまで制空権を確保する事だ」
竜騎士兵「それに、地獄の壁の防衛ですね?」
青龍士官「そうだ。万が一にでも壁を突破されれば、背後はガラ空き。それを忘れるなよ!」
青龍兵「了解っ!!」
青龍士官「では……行くぞ! 竜騎士隊の誇りをみせてやれっ!」
一同「おぉーっ!!」ザザッ
青龍士官「参謀殿、司令部は任せたぞ!」
参謀「お任せ下さい。皆様の帰るべき場所は、私が命に代えても守ります」
青龍士官「……」
バシュウウゥゥゥゥ……
副官「……準備、万た……今のところ問題ありませんっ!」
参謀「宜しい。各地に伝令と、偵察隊に周囲の動きを探らせなさい」
副官「はいっ!」
参謀「……さぁ、来るなら来なさい……魔王軍!」
519 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 21:26:44.80 ID:zjkMDYyJo
北関。ここには後詰めの西方司令部1万と、多数のワーカーが残っている。
最終防衛ラインも言える、重要拠点を守る指揮官はこの男。
プカーッ
左翼長「……中央軍は結局、どんだけの数になったんだ?」
騎士長「ワーカー以外が約10万。ワーカーを合わせると20万といったとこか」
左翼長「烏合の衆になんなきゃいいけどな。あっちもこっちも」
騎士長「正直、大軍での戦に慣れていないからな。心配といえば心配だ」
左翼長「ま、前線には優秀な指揮官が揃ってるし、杞憂ならいいけどな」プカー
騎士長「心配ならこっちの心配しろって話だな……」
おさげ「長ーっ、頑張りましょうねー!」タッタッタッ
アマゾネス「ああ。味方の魔物も居るそうだし、慎重に戦うぞ」
玄武娘「あーん、みんな行っちゃったですのー!」キョロキョロ
朱雀嬢「あなたがチンタラしてるからでしょうにっ! もうーっ!」
女賢者「おかしいわねぇ。また戻って来ち……あっ! あの子達は!」
左翼長「……ま、何とかなるさ」プカー
520 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 21:27:37.99 ID:zjkMDYyJo
北関を出撃した主力隊はその数9万5000程度。
先鋒には国軍本部の精鋭、5000名を率いる騎士団長。
パッカパッカパッカ……
騎士団長「良いか? 魔王軍と遭遇しても深入りはするなよ?」
騎士団「おおうっ!」
騎士団長「背後には頼もしい仲間が大勢いる。援護と合流を待ち、しっかりと撃破するのだ」
騎士団「おおうっ!」
騎士団長「我等、先鋒が壁となる。魔物の1匹たりとも通してはならんぞ」
騎士団「おおうっ!」
本体右翼には南方軍3万を率いる南方司令と司令部の面々。
南方司令「見よっ、この正義の数を。これならば我らが負ける事など皆無!!」
南方副司令「だといいけどな」
南方参謀「そうよ。温い南方と違って、こっちの魔物は手強いのよ?」
南方司令「どんな魔物であろうと、我が正義の鉄拳の前に敗北は必死!」
南方魔道士「ま、指揮官がやる気に満ち溢れてりゃまだマシだわな」
521 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 21:28:25.03 ID:zjkMDYyJo
南方副司令「あっちと比べればな」
南方参謀「……そうね」
反対側にあたる左翼。同じく3万の兵を率いる指揮官はこの男。
西方司令「……」
西方副司令「……大丈夫なの?」
西方参謀「もういちいちめんどくせぇから、とりあえずありったけの武器を持たせてみた」
西方副司令「人間兵器というより、人間全身武器……」
西方魔道士「んで、こっちはこのまま進めばいいのかい?」
西方司令「おう。このまま真っ直ぐ進み、先方の援護を第一優先とする」
西方参謀「ほら、マトモだ! ヒック」
西方魔道士「敵と遭遇したら?」
西方司令「……ブッコロース!!!!」
西方副司令「!?」
西方司令「いや待て待て待て待て。もっと冷静に大局的に戦況を見定めてだな……」ブツブツ
西方副司令「……司令?」
522 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/02(木) 21:29:04.98 ID:zjkMDYyJo
西方司令「ゴチャゴチャうるせぇんだよカス共がああぁぁ!! さっさと魔物ぶっ殺してこいや!!」
西方副司令「性格が破綻してるわよ……?」
西方参謀「がははっ、こりゃ面白い! また1つ勉強になったわ……ヒック」
西方司令「あ、見せてやろ〜じゃねぇか! この俺様の強さって〜やつをよぉ〜っ!」
主力部隊の中央には、南東国軍の1万、ワーカーなどを加えた多数の兵が進む。
白馬騎士「これだけの大軍だと、戦況を見極めるのも大変だな……っ」
老将軍「うむ。かつてない経験じゃわい……」
三男「……」
大軍師「ご安心下さい。本国にも貴方達に勝るとも劣らぬ将兵が揃っておりますよ」
白馬騎士「存じております。我らとて臆しているわけではございません」
老将軍「その通りじじゃ。どうせ散るならば戦場で死ぬが武人の誇りよ」
大軍師「老いてなお盛んなのは結構ですが、物騒な事は申さないで下さい……ふっふ」
白馬騎士「さぁ華国の勇士達よ、その武を存分に発揮するが良いっ!」
華国兵「おぉーっ!!」
白馬騎士「騎都尉らが天より見ておるぞ。笑われぬように奮迅するのだ!」
523 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/02(木) 23:16:45.38 ID:iL4AzE/So
>>1
乙
各司令はお変わりなく
西方司令ほんと面白いキャラだなあ
524 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/02(木) 23:34:53.19 ID:hubD9q6wo
ありったけ持たせた中にツヴァイハンダーあったんだな…
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/02(木) 23:36:13.39 ID:zjkMDYyJo
〜オマケ〜
天才「天才でーす」
大軍師「大軍師でーす」
天才「2人合わせて――」
大軍師「合わせる必要あるんですか?」
天才「……」
大軍師「さて、本日は天才&大軍師の、良く分かるワーカー入門を行いたいと思います」
天才「話も佳境に入ったこの時期にやる意味あんのか?」
大軍師「さぁ?」
天才「……」
大軍師「さて今回、見事朱雀先生が6位にランクイン致しました」
天才「前は何位だったっけか?」
大軍師「さぁ? もう古い設定で忘れてしまいました」
天才「……」
大軍師「ともかく、召喚士殿らが大幅にらんくあっぷした経緯をお教え――」
天才「魔王倒したからだろ?」
大軍師「……」
天才「……何だよ」
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/02(木) 23:49:07.71 ID:zjkMDYyJo
大軍師「まぁ、そうですね」
天才「にしちゃ功績が低いとか思ってる奴もいるかもしれんな」
大軍師「そうですね。しかし先述の通り、魔王討伐は数名で行っている為、功績も分割されます」
天才「例えばイブリースの時なんかは、50億の功績のうち、半分は西国の手柄と換算される」
大軍師そうですね。実質、25億はワーカーでも国軍でもないてがらとして消失します」
天才「これはアレだな、ワークショップの巧妙なというか汚ねぇ手口だな」
大軍師「あまり不謹慎な発言をされぬように」
天才「あ? 別に1ワーカーの戯言なんだからいいだろ。ハーッハッハッハ!」
大軍師「ずるい……」
天才「ま、そんなわけでイブリース戦の手柄は25億を6人で割る事になる」
大軍師「6人ですか?」
天才「朱雀の4人と俺様。あとサモナー」
大軍師「ああ、そういえばそうですね」
天才「これで1人当たりの功績は何とたったの4億2000万」
大軍師「まぁ、1ワーカーとしては優秀すぎる功績ですけどね」
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/02(木) 23:55:29.95 ID:zjkMDYyJo
天才「ラーヴァナ戦に至っては、役に立ったのかよく分からん
空気ワーカーが多すぎて功績が更に分割、低くなってるわけだな」
番長「へっくしょいでゴワス!」
親衛隊長「ヘイ番長、ベリーコールドですかい?」
大軍師「まぁそんなこんなで召喚士さんの功績は1億5000万といったところでしょうか」
天才「ヘタすりゃもっと低いかもな。半分は南東国に持っていかれてるし」
大軍師「同門さんやら剣士さんも参加してましたしね」
天才「剣士のランクが上がったのもこれとか南東国での働きとか」
大軍師「あとは本国とスグリーヴァ様を繋いだ功績が大きいですね」
天才「ま、そうだな」
大軍師「ところで、それでも眼鏡さんや魔法剣士さんには追いつかないんですよね?」
天才「ああ。アイツらの場合は移動時間がないからな。質より量だよ。完全にな」
大軍師「それに天才さんや召喚士殿が公式の依頼ではないのに対し……」
天才「あっちは強制的に公式な依頼扱いになってるから、その分数字もデカイ」
大軍師「もっと分かり易く述べた方が宜しいかと……」
天才「あぁ!? じゃあテメーが言えアホー!!」
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/03(金) 00:06:44.09 ID:a88BUXd5o
大軍師「ええと、簡潔に言いますと……眼鏡さんや魔法剣士さんは、
ワークショップから公式の依頼を受けての任務、先頭となるわけです。
ちなみにこの依頼を出しているのは北方司令部。つまり魔物を倒した際の
功績は依頼主である北方司令部=国軍のものもワーカーに還元される為、
仮に魔王を倒した場合、50億が丸々手に入るわけですね。ここで差が出ます。
ちなみに彼らは召喚士殿らが各地を回っている間、北方にてかなりの数の
魔物を倒し、中には軍団長クラスも居たという噂です。これにより功績の評価は
歓談に高いものとなり、また、北方における北関建設場所の防衛、確保、
川中島、最北の村など主要拠点の防衛。さらには未開の地とも言える
魔王城近辺の捜索、偵察なども兼ねておりますので、その功績は計り知れません」
天才「と言う事だ。結局、北方司令部が役立たずだから儲かってるってわけだな」
大軍師「使えない……って。ご自身が配置したのでしょう?」
天才「まぁな、北は魔王と直接戦わねーし、あくまで防衛が優先の場所だからな」
大軍師「だから、片目を失って弓使いとしては役立たずですが、特遊時代より
その類まれなる防戦能力を買われた左翼長さんと……」
天才「かつては赤備えと恐れられたが、今じゃ老後の備えをせっせこしてるが
戦局を見据える眼は確かな騎士長を北方司令部に置いたわけだ」
左翼長「ぶわーっくしょい!!」
騎士長「ぶへぇーっくしゅ!!」
大軍師「それ以前は武術は二流でしたがやはり大局を見地出来るお北方司令さんでしたしね」
天才「ハーッハッハ! ちゃんーんと考えてるわけよ俺様もなっ!」
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/03(金) 00:12:45.24 ID:a88BUXd5o
大軍師「まぁそんなわけで功績というものが配分されているわけですね」
天才「ちなみに3位のジュニアだが、穴を掘る任務自体が長期間の拘束で、
莫大な功績だったが、それ以外にも穴掘りの副産物で稼いでたな」
大軍師「発掘した鉱石を国軍に提供していたわけですよね?」
天才「そ。あとアイツの場合、魔法関連の研究やらで功績を稼いでたな」
大軍師「彼も父親が父親ですからね。反骨精神でかなり必死な頃もあったようです」
天才「女賢者? あいつは不思議ちゃんの挙句、方向音痴でどこで何してるか分からんから知らん」
大軍師「行く先々でトラブルに巻き込まれては解決して、功績を稼いでいたようですね」
天才「まーそんなわけで功績ランク入門編おしまいだ。あとは自分で調べな」
大軍師「どうやって!? というか、入門編って、またやるのですか?」
天才「知らん」
大軍師「…………」
天才「ちなみにワーカー乱立時代に、総司令自らがワーカーになって、
財政赤字の国軍を救ったワーカーも居るらしいぞ?」
大軍師「そうですか。それは良かったですね」
天才「……」
大軍師「それではまた、お会い致しましょう。ふっふっふ」
天才「気になる事があったら質問すると、答えるかもしれねーぜ!ハーッハッハッハ!」
530 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(奈良県)
[sage]:2012/02/03(金) 00:19:47.51 ID:ocE0ptIZo
>>1
おつ
召喚士は10億くらい?
531 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/03(金) 00:38:54.01 ID:gegndI9ro
なるほどなるほど
じゃあ前のおまけの眼鏡が犬を使って荒稼ぎしていたのもあながち嘘じゃないんかなww
魔王討伐云々よりも前からいて、今もなお抜かれてないし
532 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 00:44:45.06 ID:dZVdFozOo
黒い三連星のことも思いだしてあげてください
533 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/02/03(金) 01:30:14.60 ID:TWGwwDbDo
>>532
むしろ今回それの仇もとらんといけないのにな
ちょっと忘れてたよな
534 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 02:52:43.17 ID:aitL3/6Wo
>>532
噛ませと思ってたけど本当に相手が悪かったな…
535 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/03(金) 02:52:47.69 ID:Zaj9lZGAO
>>1
おつ
詩人の素性最近出たのに忘れちまったわ
536 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/03(金) 03:30:02.49 ID:MRg+q18Z0
いちおつ
サモナーとか玄武娘もかなり上位かな?
537 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 05:51:14.73 ID:JbhXA6ct0
>>1
おつんつん
やっぱり天才と大軍師って毒舌
538 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 07:16:34.89 ID:50JpUJkDO
>>535
ケツアナさんの尻合い
539 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/03(金) 08:45:15.06 ID:oeaq1O2AO
おはよう
>>1
乙んつん
ワクワクが止まらない。
540 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 10:13:46.87 ID:HLtpwMQIO
乙
剣士がそこまで評価されてるのに
各国との仲介をしたりしてた主人公パーティーはその程度なのか…
541 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 10:45:56.65 ID:Jw/F2vpIO
>>1
乙
魔導士までのランクを考えてるだけでいいから教えてほしいな
542 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/03(金) 10:55:05.45 ID:pHymUr/I0
何のランクだ?
543 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 12:14:07.61 ID:Fy8h3Uugo
4国の王と知り合いの召喚士PTはもう少し名誉点あげていいとおもうの
544 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 12:19:04.19 ID:W1ioCTJE0
設定にケチつけんなよ。
だから痛いんだよね
545 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/03(金) 12:22:54.88 ID:fNrLOvOVo
こんな痛いスレにこんな痛いレスしているお前が一番痛いことに気付いてないという
546 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2012/02/03(金) 12:34:03.61 ID:8QmduMPOo
>>545
おまえみたいなのすぐわくけど論点ずれてて煽りになってないよね
547 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 12:51:06.27 ID:IkVksp0IO
はっきり言ってどーでもいー
548 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 15:58:57.75 ID:RnIYBB2Z0
ここで1登場
↓
549 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 16:05:40.08 ID:dZVdFozOo
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ ヒャッホウ!!
│ へノ /
└──────────→ ω ノ
550 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/03(金) 16:21:03.91 ID:pHymUr/I0
. .ω
(ノ'A`)ノ
( )
, , , , / >
551 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 17:52:46.64 ID:ueKyzRwDo
…
本隊最後尾、王宮に仕えし近衛隊5000名と、国軍本部が誇る、
青龍、及び白虎召喚隊が前方の兵らに発破をかけるかの如く、威圧を放っている。
白虎長「……」
青年兵「緊張されてますか?」
白虎長「そりゃもちろんしてるわよ……です」
青年兵「敬語でなくていいですよ。僕もむずがゆいですから」
白虎長「大元帥になって、心境はどう?」
青年兵「正直、そんなに代わったとは思いませんよ」
白虎長「そうよね。今はそんな事を思っている暇もないのかもね」
青年兵「ええ」
白虎長「ありがと」
青年兵「へっ?」
白虎長「声かけてくれて。私も胸を張って任務を全うするわ」
青年兵「期待しておりますよ、白虎先生」
552 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 17:53:21.27 ID:ueKyzRwDo
白虎嬢「従姉さんがそれ以上胸を張ったら、目のやり場に困ってしまいますよ〜?」ヒョコッ
白虎長「!?」
青年兵「そういう意味では……っ」
白虎嬢「冗談ですよ〜。青年兵さんは、どちらかというと小さい方の方が好――」
青年兵「わあーごほんごほんっ!!」
エリート「場を和ますのは良いが、気を抜きすぎるなよ」
白虎長「これは失礼致しました」
青年兵「恥ついでに右大臣様、ここをお願いしても宜しいでしょうか?」
エリート「……ああ、構わんが」
青年兵「ちょっと見てみたいと思いまして」
エリート「……?」
青年兵「出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィィィン……バシュウウゥゥゥゥ
青年兵「では、宜しくお願い致します!」
エリート「あっ、おい! ……行ってしまった。全く、困った奴だ」
553 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 17:54:14.77 ID:ueKyzRwDo
白虎長「でも、少し明るくなったと思いません? 彼」
エリート「どうかな。私にはむしろ、君の方がそう見えるが」
白虎長「そ、そうですか……っ。確かに、一族の件が片付いてからは、私も……」
エリート「どんな状況であれ、女性が悲しむ顔は見たくないものだ」
白虎長「すみません……」
エリート「い、いやっ。まぁ今はこの戦いにおいて最小限の被害で勝利する事に務めようではないか」
白虎長「ええ。白虎隊の力、精一杯役立てるつもりです」
白虎嬢「……ふふっ」
白虎長「……何よ?」
白虎嬢「頑張りましょう、従姉さん」
白虎長「え、ええ」
エリート「良いか、各隊と間を開きすぎるなよ。繋ぎ目が重要だぞ」
本国兵「御意にっ!」ドドッドドッ
エリート「白虎隊も前進出来るか?」
白虎長「了解っ!」
554 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 17:55:10.03 ID:ueKyzRwDo
…
バシュウウゥゥゥゥ
青年兵「……凄いな」
ワイバーン「これ程の大軍を率いる気持ちはどうだ?」
青年兵「率いてるって自覚はないよ。あくまで名ばかり」
ワイバーン「謙遜するな」
青年兵「本当さ。各部隊には世界中の有能な指揮官が集まってるんだ」
ワイバーン「……」
青年兵「こんな数、1人で率いる事が出来るわけないって」
ワイバーン「それもそうか……むっ?」
バシュウウウウゥゥゥゥ
青年兵「やぁ、青龍先生」
青龍士官「やめろ。むずがゆくなる」
青年兵「……あっははははは!」
青龍士官「……? 何がおかしい」
555 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 17:56:12.96 ID:ueKyzRwDo
青年兵「いや、皆……思うところは同じなんだって思ってさ」
青龍士官「そうか。大元帥を付けるべきだったな。これは失礼致しました」
青年兵「だから勘弁してよ……」
青龍士官「仕返しだ」
青年兵「大元帥になって、1つだけ分かった事がある」
青龍士官「国軍の裏事情か?」
青年兵「ははっ、違うよ。結局、何事も頂点を極めてしまっては駄目なんだなって」
青龍士官「亢竜悔いありとでも言いたいのか?」
青年兵「頂点は夢で希望で、手が届いてはいけないものなんだ」
青龍士官「その過程が力となり、自分を支える……か」
青年兵「そういう事。役職や名称なんて、所詮はただの言葉なんだ」
青龍先生「……言葉、か」
青年兵「立場なんて関係ない。自分が自分らしく生きて、何をしたかでその人の全てが決まる」
青龍先生「……成程な。しかしお前も、変わったな」
青年兵「遠回りしたけど、ようやく行き着いた……かな。あははっ――」
556 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 17:58:09.10 ID:ueKyzRwDo
ドドオオォォォォ
青年兵「あれは、東方の軍と陛下や召喚士さん達か」
青龍士官「先程、西側も展開を始めた。これで全てが動いたな」
青年兵「ああ。竜騎士隊は地獄の壁の防衛、頼んだよ」
青龍士官「分かっている。ドラゴンが来ればすぐに動くさ、だが今は……」
青年兵「全く。本番前に枯渇するなよ?」
青龍士官「誰にものを言っている。そっちこそ息切れするなよ、大元帥殿」
青年兵「だからー」
バシュウウゥゥゥゥ
青龍士官「竜騎士隊っ、まずは前衛と合流し、魔王軍へ恐怖を植えつけてやれ!」
竜騎士兵「おおうっ!!」
青龍士官「空の王者は誰なのか、思い知らせてやるぞ! 続けぇ!」
バシュウウゥゥゥゥ……
ワイバーン「頼もしい同胞だな」
青年兵「うん。彼らが居る限り、制空権はこちらのものさ」
557 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 17:58:51.84 ID:ueKyzRwDo
ワイバーン「……ところで、先程から気になっておるのだが」
青年兵「……?」
ワイバーン「お前の背後に居る奴は何者だ?」
青年兵「ああ、この子は……」
座敷童子「座敷童子と申すのじゃっ! よろしくなのだっ!」
青年兵「召喚士さんの式神……召喚獣みたいなもの」
ワイバーン「人でないのは分かるが、不思議な気配だな」
青年兵「東方独自の妖さ」
座敷童子「そうじゃっ!」
ワイバーン「東方……ああ、麒麟界の者か。納得した」
青年兵「知ってるの?」
ワイバーン「そんな事より、その者は役に立つのか?」
青年兵「うん。いざという時には、きっと頼りになるよ」
座敷童子「そうだぞっ!」
ワイバーン「そ、そうか……」
558 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 18:00:09.22 ID:ueKyzRwDo
…
ドドッドドッドドッ
先頭を駆る青毛の馬上で、あぐらをかき腕を組んで大あくびするツヴァイハンダーを背負った男。
そのすぐ後ろを召喚士や戦士、帝らの駆る馬が追走する。
一同は北関より一路、2万の兵が駐屯する海峡へと向かっていた。
戦士「ところでよ、怪我は治ったのか?」
天才「怪我? ああ、イブちゃんの時のか。もう万全よ。ハーッハッハッハ!」
皇太子「君も来たのか」
占い師「少しでも、役に立てるかもしれませんから」
名代「敵はまだ動かないようですね」
召喚士「ええ。はたしてどう出るつもりなんでしょう……」
帝「どうあろうと、叩くだけの事よ」
盗賊「……ええ」
魔道士「まずは、魔王ベルゼブブの下まで辿り着かないとですね」
召喚士「はい。頑張りましょう!」
559 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 18:00:48.12 ID:ueKyzRwDo
〜魔王城〜
ベルゼブブ「人間共が動いたか?」
アスタロス「……如何にも」
ベルゼブブ「我が下僕は全て、集結しておるか?」
アスタロス「全……60万の数が此処に」
ベルゼブブ「思ったよりも少ないな。随分と蹴散らされたものだ」
アスタロス「……」
ベルゼブブ「……さて」パタン
アスタロス「我が主」
ベルゼブブ「出はせぬ。下僕らの士気を上げてやるだけさ」
フワァッ……
ベルゼブブ「…………」
オーガ「お、おい……あれをミロッ! ベルゼブブ様だゾッ!」
ワーウルフ「お、おおぉぉ……っ!!」
集う膨大な数の魔物。それを上空から眺め、見下ろし、ベルゼブブはうっすらと笑みを浮かべた。
560 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 18:01:29.93 ID:ueKyzRwDo
ベルゼブブ「余の下僕らよ。よくぞ集まった」
ガーゴイル「ベルゼブブ……様ァ!!」
ベルゼブブ「さぁ、宴の始まりだ。余の為に地を、空を、川を、赤に染めろ」
ドドオオオォォォォ!!
ベルゼブブ「人間共を血祭りにあげ、食らえ。山を築け。磔ろ。蹂躙せよ」
ドドオオオオォォォォ!!
ベルゼブブの声が発せられるたびに、地鳴りのような雄叫びがあがる。
ベルゼブブ「さぁ行け。各所に臭う人間を嗅ぎ取り、1匹残らず刈り取るのだ」
待ちきれぬとばかりに、我先にと魔物らが城を飛び出し、各地に散る。
闇夜に光る赤い眼光が不気味に光り、その光景たるやこの世のものではなかった。
ベルゼブブ「……ネクロマンサー」
ネクロマンサー「ククッ、何でしょう?」
ベルゼブブ「貴様には六道門・人を任せたぞ」
ネクロマンサー「勿論そのつもりです。あそこを破られれば、私のラボまで目と鼻の先ですからねぇ」
ベルゼブブ「期待しておるぞ」
561 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/03(金) 18:03:34.96 ID:ueKyzRwDo
ネクロマンサー「ありがとうございます……クククッ」フッ
アスタロス「我が主……」
ベルゼブブ「言いたい事は分かる。だが、奴のみで戦わせれば問題はなかろう?」
アスタロス「……如何にも」
ベルゼブブ「他の六道門は?」
アスタロス「全て……万全」
ベルゼブブ「オルトロスにオルクス、アスモデウスにウォッチマンか」
アスタロス「如何にも」
ベルゼブブ「残念だな。余の下まで辿り着ける人間がおるのかどうか」フワッ
アスタロス「……」
ベルゼブブ「さて、待つとするか」
アスタロス「御意に」
ベルゼブブ「あまり遅いようであらば、余が自ら遊んでやるとしようか。フフッ」
コオオオオォォォォ……
冷たい風が魔王城を包み込み、重い空気と邪悪な炎が灯り始めた。
562 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/03(金) 18:12:05.58 ID:ueKyzRwDo
今日もドタバタで…少しの更新でごめんなさい…またあとで来ます!
多数のご支援ありがとうございます!それでは〜!ノシ
563 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 18:25:59.21 ID:zl2B1KFDO
いちょつ!
564 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 18:39:48.59 ID:Fy8h3Uugo
オルクス期待
>>1
乙
565 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(富山県)
[sage]:2012/02/03(金) 19:56:02.24 ID:7/vXJcrz0
ウォッチマンって超人てきな・・・・やつなのか・・・・・??
566 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/03(金) 20:00:00.68 ID:EKTTgsSY0
>>1
おつ
アスモデウスは色欲の悪魔か…期待
567 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)
:2012/02/03(金) 20:00:04.06 ID:IfAnJzSMo
>>565
うさぎじゃないの?
568 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/03(金) 20:26:19.56 ID:Sjw0zM57o
>>1
乙
なんか一番強そうじゃないかハエの癖に
飛ぶときの音も、フワァッからブブブに変えてやりたい
569 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 21:48:02.10 ID:Wz40U6yDO
>>1
乙!
ウォッチマンと聞いてロマサガ2の初めの敵を思い出した
570 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 22:10:22.63 ID:dZVdFozOo
座敷わらしはいつ置いてったんだ
571 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 22:34:34.98 ID:JbhXA6ct0
>>1
おつんつん
召喚士VSネクロマンサー戦期待
572 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/03(金) 22:56:14.54 ID:9CKuAN8Lo
超人強度25万パワー!
573 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/03(金) 23:05:11.05 ID:oldCJqYXo
サタン戦よりも根暗戦の方がドキドキする
574 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/03(金) 23:47:33.22 ID:hpJmFNeKo
オルクス・・
575 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/04(土) 01:25:31.13 ID:Sl4lEP7AO
>>1
おつ
オルトロスは眼鏡と対決しそうだな。オルクス検索しけどめっちゃ強そうな奴だな
576 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:34:53.00 ID:gF5jPSPdo
…
青年兵「……んっ!?」
ドドドドオオォォォォ
ワイバーン「ついに来たか」
青年兵「うん、動いたね」
青龍士官「青年兵っ!!」
青年兵「見えるかい? 魔王軍の数……」
青龍士官「ああ。闇に蠢くあの赤い光が、全て魔物であろう? 恐ろしい程の数だな」
青年兵「地上の連中は目の当たりにしなくて、良かったかもしれないね」
青龍士官「……確かにな。先が見えぬ」
青年兵「交戦場所は三途の川を隔てて、いや……川中島になるだろう」
青龍士官「竜騎士隊を援護に回らせる。お前は……」
青年兵「分かってる。支持して部隊を展開させる!」
青龍士官「頼んだぞ。こちらもやれる限りの事はするつもりだ!」
青年兵「頼んだよ!」
577 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:35:50.38 ID:gF5jPSPdo
バシュウウゥゥゥゥ
青年兵「……さて」
時刻も深夜にさしかかろうかという頃、川中島にて両軍がついに激突する。
騎士団長率いる先鋒5万に対し、魔王軍の先鋒は後の報告書によれば、その数20万。
暗闇の中、詳細も分からぬままで彼らは4倍にも上る魔物と闘っていた。
ドドッドドッドドッ
伝令「第18小隊、壊滅っ!」
騎士団長「ええいっ、踏ん張れぬのか! 結界石はどうした!? 盾として前面に押し出せ!」
伝令「ご報告! 第31小隊、及び第40小隊、魔王軍に取り囲まれ潰走っ!」
騎士団「敵の数は掴めぬのか!」
騎士団長「うぅむ……」
バシュウウゥゥゥゥ
青龍士官「戦況は!?」
騎士団長「芳しくないな。突出しているわけでもないのに、もう後退を強いられる勢いだ」
青龍士官「仕方ない。少しかき回してみるか」
578 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:36:36.18 ID:gF5jPSPdo
騎士団長「頼むっ!」
青龍士官「了解! 竜騎士隊っ、左右上空から魔王軍へ仕掛けるぞ! 一撃離脱だ!」
両軍の激突からおよそ20分後。援護へと駆けつけた竜騎士隊の第1波が始まる。
上空からの急襲、そして火炎放射により、魔王軍にしばし混乱と隊列の乱れが生じる。
時を同じくして、青年兵は各部隊へと陣形の変更を伝達。
両翼の部隊が魔王軍と接触直前で大きく左右へと展開し、魔王軍もそれにつられ展開、
中央がぽっかりと空く戦場の様相をみせる。青年兵は間髪いれず、そこへ次の展開を投入。
白馬騎士「中央が空いたぞ! 突撃ぃーっ!」
老将軍「総当りじゃ! かかれぇ!」
ドドオオオオォォォォ!!
大軍師「うまいですね。あたっては引き、そしてまたあたる。まるでキツツキのような戦法」
白馬騎士「つついて敵を誘き入れる。かつては、十字路でよく使った手ですから」
南東国の兵らを中心に、主力隊は突撃しては退き、またそれを繰り返す戦法に出る。
魔王軍はたまらず退く兵らを追うが、案の定、それは罠であった。
青年兵「さぁ、うまく敵を引き込みましたよ」
579 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:37:45.57 ID:gF5jPSPdo
ここで左右に展開していた両翼が、急遽反転。矛先を中央へと向け始めた。
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
ゴブリン「グギャアアァァ!!」
西方司令「ぶっ殺せぇ!! いや、このまま包囲しろ!! いや、殲滅するのです……ふっくくく!」
西方副司令「何がなんだか……分からないいぃぃ!」ザシュウウゥゥ
西方参謀「とにかく押し込めっ! そうすりゃ挟撃になる!」
西方魔道士「やれやれだねぇ……」ドッゴオオォォォォン!!
ドッゴオオォォォォン!!
南方司令「今宵のジャスティスは……血に飢えておるぞ」
南方副司令「何を言っているのかサッパリ分からない」ザシュウウゥゥ
南方参謀「とにかく押し込むのよっ! そうすれば左翼と中東とで挟撃になるわよっ!」
南方魔道士「……やれやれだぜ」ドッゴオオォォォォン!!
かれこれ2時間あたりの総力戦で、戦局は均衡。強いて言えば川中島を制圧している
討伐軍のやや優勢といったところであった。しかしここにきて局面が変わり始める。
均衡を打破しようと、討伐軍が最も気にかけていた展開を魔王軍が実行に移したのだ。
580 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:38:58.09 ID:gF5jPSPdo
ゴゴゴゴゴゴ……
青年兵「……?」
竜騎士兵「上空っ、何かがきます!」
青龍士官「向こうも動いたか」
青年兵「……ドラゴン!」
無数の巨体が翼を羽ばたかせ迫る。更にはその周囲に小さな群れ。
青龍士官「ドラゴンだけではないな。ヴァンパイアも一緒か」
青年兵「竜騎士隊、空は任せるぞ!」
竜騎士兵「お任せあれっ!」
青龍士官「まずはドラゴンだ。ヴァンパイアは不死。地上の部隊に委ねよ」
バッシュウウゥゥゥゥ!!
青年兵「ワイバーン、中央の主力隊の所まで全力で!」
ワイバーン「おう」
青年兵が最前線を引き返すと同時に、上空では小さな火花が散り始める。
空中戦。まさに両軍にとって、初戦を優位に進める為の重要な意味を持つ。
581 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:40:17.32 ID:gF5jPSPdo
ドッゴオオオオォォォォン!!
竜騎士兵「デカけりゃいいってモンじゃねぇぞ!!」
青龍士官「戦法は分かってるな? 懐に飛び込めば小回りの効くこちらが有利だ」
竜騎士兵「隊長のバハムートで何百回とシミュレートしたんだ。ぬかりはないですよ!」
ドラゴン「ゴッガアアアアァァァァーッ!!」
青龍士官「甘いっ!!」ヒュバッ!!
竜騎士兵「下からドテっ腹めがけて攻撃してやれぇ!!」
ズッガオオォォォォン!!
ドラゴン「――――ッ!!」
ヒュルルルル……ドッズウウウウゥゥゥゥン!!
竜騎士兵「他愛ないな! この調子で殲滅してやる!」
青龍士官「焦るなよ、奴らの狙いはどうせここではない」
その言葉通り、ドラゴンとヴァンパイアは前線に留まる事はなく、飛行を続ける。
多少の損害などものともせず、魔王軍の狙いは更に南の地点。
交戦しつつ追走する形となった竜騎士隊は、主力部隊の上空にまでさしかかった。
582 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:41:09.93 ID:gF5jPSPdo
青年兵「来ました!」
老将軍「ど−れ……狙うはあの小さな的じゃな?」ジャキッ
弓兵「結界石の鏃……無駄には出来ないな……っ」
老将軍「お主らは弓の名手じゃ。焦らずやれば容易いものよ」
弓兵「名高き弓将軍様に言って頂けると……自信が湧きますよ」ジャキッ
大軍師「さぁ、通過しますよ!」
老将軍「…………放てぇ!!」
バシュシュシュシュシュシュッ!!
ヴァンパイア「弓? こんなも――」ザクゥッ!!
弓兵「命中っ! 次ぃーっ!」バシュッ!!
ヴァンパイア「な、何だ……!? 力が……回復が効か……」
グラァ……ドシャアアァァ!!
青年兵「落下した魔物にトドメを!」
国軍兵「突撃ぃーっ!!」
華国兵「うおおぉぉー!!」ドシュッ!!
583 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:42:15.53 ID:gF5jPSPdo
大軍師「やはり敵もやりますね。予定よりも遥かに少ない撃破数ですな」
青年兵「あとは竜騎士隊と壁の皆がやってくれる事でしょう」
大軍師「そうですね。ここで引き返しては、元も子もありませんからねぇ……ふっふ」
青年兵「あてゃ魔王軍の有翼部隊がどれだけいるのかですね」
大軍師「ええ。第2波、第3波とこられては、流石にキリがありません」
青年兵「……」
大軍師「ま、あったとしてもしばらく手は出してこないでしょう」
白馬騎士「そうなのですか?」
大軍師「ええ、そういうものです」
青年兵「各員、地上の戦線を押し上げるぞ。魔道兵と白虎隊に伝達を」
伝令「ははっ!」ドドッドドッ……
大軍師「このタイミングでうまく、押し込めればしめたものですが」
青年兵「駄目でもまだ初日。せめて五分の状態を維持しましょう」
白馬騎士「ようし、他部隊の手筈が整うまで、もう一度突撃を敢行する!」
華国兵「承知致しました!」
584 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:44:07.01 ID:gF5jPSPdo
〜北の森〜
戦士「……着いたけど、こっからでも入れんのか?」
天才「森の中はどこも同じだろ。問題ねぇ」
名代「では上様、我々は海峡まで……」
帝「私もここで、見届けたい」
名代「しかし……」
天才「いいんじゃねーの? どうせまたこっちに引き返してくるんだし」
名代「……分かりました。では、兵を率いて、直に戻ります」
旗本「上様を宜しくお願い致します!」
盗賊「ああ。任せてくれ」
パッカパッカ……ドドッドドッドドッ……
天才「んで、準備はいいか?」
皇太子「いつでも構わん」チャキッ
占い師「大丈夫……なのよね……?」
天才「大丈夫……だろ?」
585 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:44:57.23 ID:gF5jPSPdo
戦士「こっちに振るなよ」
盗賊「経験した身で言えば、問題ないと思う」
召喚士「ええ。東方副司令……白虎三男が持っていたタリスマンというペンダント」
魔道士「確か、魔力を無効化するって……」
召喚士「タリスマンを身に付けていた白虎三男は無傷でした」
天才「というより、バフォメットが襲った気配もなかった……だろ?」
召喚士「はい。しかしタリスマンを失ってからは、一瞬で餌食となったようです」
天才「結論。魔力のない奴にバフォちゃんが襲い掛かる可能性はない」
皇太子「あとはどうにか、ねじ伏せるろと言う事だな?」
天才「お前さんが出来ればの話だけどな。ハーッハッハ」
皇太子「やるさ。否が応でもな」
召喚士「占い師さんもお気を付けて。何かあればすぐに知らせて下さい」
占い師「うん。申し訳ないけどそうさせて貰うわ」
天才「これ持ってけ」
皇太子「……鏡?」
586 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/04(土) 02:45:55.59 ID:gF5jPSPdo
天才「今日はまだ月の明かりもある」
占い師「身だしなみでも整えろっての?」
天才「ハーッハッハッハ! 死ぬ時は綺麗に死にたいだろ?」
占い師「ちょっと、ふざけないでしょっ!」
皇太子「在り難く頂戴しよう」スッ
占い師「陛下……っ、こんな冗談に付き合う必要はありませんよ……っ」
皇太子「天才の真意はわかっているつもりだ。安心せよ」
天才「んじゃ、気ぃ付けてな」
皇太子「行ってくる」ザッ
天才「国王陛下が死んだら、俺様達は戦犯だ。しっかし頼むぜ」
戦士「なんつうものの頼み方だよ……」
魔道士「しかも……陛下に向かって……っ」
天才「このぐらいの方がいいんだよ」
召喚士「……ええ、そうですね」
天才「あんまり本気になると、運命も悪い方へ転がる事だってあるんだからな」
587 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 03:02:03.34 ID:IBkKInjxo
おつ?
588 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 03:09:06.78 ID:OMJTMFIDO
>>1
乙!
キャラ勢揃いだから色んなところでフラグが立ちかけてるな
589 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 03:40:50.55 ID:g24wPw9D0
>>1
おつんつん
青龍士官もやっぱり強くなってるな
590 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/04(土) 03:59:08.13 ID:sVhWa8yF0
いちおつ
鏡…月明かり…謎だ
591 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 04:47:38.20 ID:p+u2za7Qo
モブがドラゴン瞬殺ってレベル上がりすぎだろ
592 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/04(土) 06:18:13.45 ID:YyXGnQEDo
逆に考えればドラゴンがモブ扱い
593 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 06:31:27.56 ID:oWVPVyADO
すべてがフラグに思えてくる
南無
594 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 12:35:46.13 ID:hfMfCkkeo
血に飢えるジャスティスわろた
>>1
乙!
595 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/04(土) 13:07:35.20 ID:Wzwr7RG1o
>>1
乙
あの一匹で絶望だったドラゴンも雑魚扱いか
竜騎士隊も強くなったなあ
てか、早速激突して部隊が1つ潰れたのはビックリだな
596 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage ]:2012/02/04(土) 15:17:51.98 ID:obyt3jqso
全体の実力が上がれば、自ずとベースアップするんだろうな
現実もそうあって欲しいなぁ
597 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 20:32:09.45 ID:cv+ssDXF0
>>1
乙
指揮官が優秀だしな
598 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/04(土) 22:53:17.03 ID:0xZtYjFIO
五年目だし魔物が弱体化してるのもあるんだろ。
六道門超えてもアスタロスが残ってるとかベルゼブブさん流石だな。眷属6体+ネクロかよ…
599 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/04(土) 23:31:21.83 ID:KZrR4kzLo
>>598
いや、アスタロスとネクロ合わせて六体じゃない?
600 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/05(日) 04:22:28.77 ID:HQzBVuGT0
アスタロス・アスモデウス・ウォッチマン・オルクス・オルドロス・ネクロマンサー・バフォメット
今のとこ7体じゃね
601 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/05(日) 09:53:06.33 ID:EN4PlkEjo
バフォメットは眷属じゃないんじゃね?
人、魔物関係なく襲ってるし
602 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/05(日) 22:02:54.79 ID:dPwbnCbIO
眼鏡と伯爵もいるね。
603 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/05(日) 23:41:23.11 ID:pA5tODg+o
ザッザッザッ……
占い師「暗くて……何も見えない……」
皇太子「火を灯すとしようか」
ゴソゴソッ シュボッ
皇太子「これで良かろう」
占い師「月の光も、流石に森の中までは、なかなか当たりませんね」
皇太子「そうだな。まぁところどころ当たっている部分もあるし、そころ目印に……」
フッ
占い師「あら、火が……。あの月明かりの下で点け直しましょうか」
皇太子「……待て」
占い師「……?」
皇太子「風も吹いていないというのに、突如火が消えた」
占い師「……っ」
皇太子「そして月明かりの向こう。君はここで待て」
占い師「陛下っ!?」
604 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/05(日) 23:41:46.58 ID:pA5tODg+o
ザッザッザッ
皇太子「何者だ。姿を見せよ」
木々の間よりぼんやりと差し込む月明かりの向こう。闇。
その奥より確かに、息遣いと静かな足音が近づいてきていた。
占い師「……っ!!」
皇太子「貴様がバフォメットとやら――」
ザッザッザッ……ザッ
バフォメット「……ファファファ」
皇太子「どういう事だ……」
占い師「こ、これって……っ」
皇太子「バフォメットとは、私の事であったか?」
占い師「あの姿っ、陛下そのものじゃないっ!!」
皇太子「ふっ。バフォメットは山羊の化物と聞いてたが、私はそんな、山羊に似ているか?」
占い師「まさか、魔力の関係で……?」
バフォメット「……ファファファ」
605 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/05(日) 23:42:15.33 ID:pA5tODg+o
〜北方、地獄の壁〜
バシュウウゥゥゥゥ
竜騎士兵「くっそぉ……っ。回り込めぇ!! 壁に張り付かせるなぁ!!」
ドラゴン「ゴッガアアアアァァァァ!!」
青龍兵「止めるううぅぅーっ!」
青龍士官「突出するなっ! 数であたれ――」
ドッゴオオォォォォン!!
ワイバーン「ググウウゥゥゥゥ……ッ」ヒュルルルル……
青龍士官「馬鹿者めが……っ」
竜騎士兵「東の空から3匹強襲!!」
青龍士官「反転っ! 即座に張り付けぇ!」
バシュウウゥゥゥゥ
ドラゴン「ゴオオォォォォ!!」
竜騎士兵「何度来ようとも、懐に飛び込んでしまえば――」
ドラゴン「グッガアアアアァァァァーッ!!」
606 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/05(日) 23:42:50.68 ID:pA5tODg+o
ドッドオオオオォォォォン!! ゴガアアァァァァ!!
青龍士官「何ぃ!? 仲間もろとも攻撃しただとぉ!?」
ドラゴン「……グ……ウウゥゥゥゥ」
竜騎士兵「が……がは……っ」
ヒュルルルル……ドッズウウゥゥゥゥン
青龍士官「味方ごと潰すとはな……っ」
青龍兵「隊長!!」
青龍士官「!?」
バサァッ!! バシュウウゥゥゥゥ
ヴァンパイア「クックククク! さぁ、息切れですかぁー?」
青龍兵「こざか……」
ヴァンパイア「消えなさいッ!」ドゴオオォォォォ!!
青龍兵「ぐあぁ……っ!」
青龍士官「拾い上げるぞ! ワイバーン!」
ワイバーン「馬鹿を言うな! 間に合うものかッ!」
607 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/05(日) 23:43:49.81 ID:pA5tODg+o
青龍士官「諦めたら……そこで終わりなんだよぉ!!」
ワイバーン「クッ!!」
バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
青龍士官「間に合ええぇぇぇぇ!!」
ワイバーン「駄目だ……クソッ」
ヒュオッ!! ガッシイイィィ!!
青龍士官「!?」
ブリュンヒルデ「……大丈夫か?」
青龍兵「……あっ、ありがとう……っ」
オルトリンデ「姉様っ、敵が来ますわっ」
ブリュンヒルデ「マスター……ご指示を」
ザッ
アマゾネス「……突撃!」
ゲルヒルデ「いっけええぇぇ!!」
ババシュウウウウゥゥゥゥ!!
608 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/05(日) 23:46:32.73 ID:pA5tODg+o
おさげ「さぁーっ、私達も長に続くわよぉ〜!」
色黒「遅れた分、取り戻さなくっちゃね♪」
ポニテ「それーっ!」
ツインテ「みんなーっ! 耳塞いでぇ〜!」
セイレーン「〜♪」
ヴァンパイア「グギャアアァァ!! やッ、やめろぉーッ!!」
グリフォン「小賢しいっ!!」
ドッゴオオォォォォン!!
青龍士官「ワーカーの援軍かっ、頼もしいな!」
竜騎士兵「しかし、ヴァンパイアは不死。幾ら援軍が来たとはいえ……」
アマゾネス「ヴァンパイアは彼らに任せろ。こっちはドラゴンに集中すれば良い」
青龍士官「……?」
ビュオッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
ヴァンパイア「…………?」メキョッ
博士「うーむ、命中。次……撃つのら」
609 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/05(日) 23:48:13.75 ID:pA5tODg+o
助手「結界石用意〜っ」
工兵「……よし、いいぞ!」ガゴッ
博士「……発射」
バッシュウウゥゥゥゥ……ドゴオオオオォォォォ!!
青龍士官「バリスタに投石器かっ!」
博士「おーっ、こっちは任せるのら」
助手「この壁を越えようものなら、一撃ブチかましちゃうわんっ♪」
竜騎士兵「隊長っ、これなら……っ」
青龍士官「……よし! ドラゴンを1体ずつ、徹底集中攻撃だ!」
青龍兵「いっけえぇーっ!!」
青龍士官「よし、一気に決める! 出でよ、バハムート!」シュイイィィィィン
バハムート「……ゴッガアアァァァァ!!」
キュイイィィィィ……ドッグオオオオォォォォン!!
青龍士官「あと少しだ。このまま一気に殲滅するぞ!」
アマゾネス「了解っ!」
610 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/06(月) 00:18:32.03 ID:FkqaTTt/o
週末更新少なくてごめんなさい…
それではまた!沢山のご支援ありがとうございました!ノシ
〜オマケ〜
謎の順位表♂ Ver1.0
【神クラス】
天才、戦士、お父、南方司令
エリート「おい、やめろ」
〜本当のオマケ〜
魔道士「もうすぐバレンタインデーですよ盗賊さんっ!」
盗賊「……うん」
魔道士「今年はどうしましょっか!?」
盗賊「去年は酷い事になってしまったからな……(その26
>>751
あたり)」
魔道士「あれ? ていうか……バレンタインももう3回目くらいのオマk」
盗賊「言ってやるな。遅筆にもほどがある」
魔道士「去年は等身大コカトリスチョコだったから、今年は等身大バハムートチョk」
盗賊「死ぬぞ?」
夫人「……ほほう、ばれんたいんか。くふふふっ♪」
611 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/06(月) 00:31:55.17 ID:pYwtHxBRo
>>1
乙ん〜
さすがに総力戦だけあって、すっかり忘れてた(ぇ)面々にも、遺憾なく活躍の場が与えられてるようで何よりです
オマケについては何も言うまいww
戦士がねぇ、ほぅ。
612 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/06(月) 00:52:33.91 ID:iX6NUd2bo
おまけの順位表いいから続けろよ
613 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 00:56:49.85 ID:G29nZvIOo
主人公戦士はやっぱりランクも主人公だな
614 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/06(月) 01:11:54.20 ID:r7Gw4ocAO
>>1
おつ
夫人はチョコに良からぬもの入れそうだな
615 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/02/06(月) 02:04:46.40 ID:9DvXe2cW0
いちおつ
バフォメットさん どんな姿で現れるかと思ったら
皇太子の模写か…
616 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 03:31:38.77 ID:BVcOBT3A0
>>1
おつんつん
流石天才さんやでぇ。。。。
617 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/06(月) 08:08:39.69 ID:BqVG7Z04o
>>1
乙
やっと出番きた王様は羊だった
左翼は何でこの事実を利用しなかったんだバカだなあ
HAHAHA!
618 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 14:28:42.84 ID:3s/CpP/DO
>>1
乙!
そういえば召喚士って童貞か
魔法の訓練受けてなかったけれど、あと3〜4年で魔法も使えるようになりそうだな
619 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:11:04.23 ID:NciMU0i1o
〜北の森、入り口〜
戦士「どうだ?」
盗賊「あれから……15分経過」
魔道士「陛下と占い師さん、大丈夫ですかね……?」
召喚士「特殊な森なのか、威圧や気配を感じ取る事が出来ないので心配ですね……」
帝「心配はなかろう。信じるしかあるまい」
天才「その通りだ。手を貸す事なんざ、結局は出来ねぇんだからな」
召喚士「でも、あまりにも遅い場合には……」
天才「どうするつもりだ? みすみす死にに、森の中へ入るってか?」
召喚士「魔力枯渇さえしていれば、問題ないのでしょう?」
天才「この先、テメーの召喚術なしじゃ戦えねぇ」
戦士「だったら俺が――」
天才「枯渇してフラフラの状態で、戦えんのか? 俺様でも無理な曲芸だなそりゃ」
戦士「……っ」
天才「……それに、どうやら人様の心配をしている場合でもないみてーだ」
620 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:11:30.70 ID:NciMU0i1o
魔道士「へっ?」
ザッザッザッ……
魔道士「な、何か来る……っ」
帝「森……ではないな。その脇……人か?」
盗賊「――――っ!?」
召喚士「あ、あれは……っ!!」
――「……久し振りだなッ、ふっふっ」
天才「……黒の三騎士」
召喚士「バカなっ! 死んだはずじゃ……」
天才「いや、器だけか。中身は全くの別モンだな。テメェら何モンだ」
スケル「キタセキでは世話になったな。今日こそあの時の恨み……晴らしてくれるわ!」ドンッ!!
リザード「ネクロマンサー様の手により蘇った俺ら、前のようにいくとは思うなよォ……?」ドンッ!!
ゴルリン「しかも人間の亡骸と融合した我らは、更なる強さを手に入れたのだアアァァ!」ドンッ!!
召喚士「く、黒の三騎士じゃない……っ!!」
盗賊「中身は別物というわけか……」チャキッ
621 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:12:06.04 ID:NciMU0i1o
天才「北関? 北関でなんかあったっけか?」
スケル「スケルトンの王であるこの私を……よくも」
リザード「忘れたとは言わせねーぞ! 貴様にやられた借り……今日こそ晴らしてやる!」
ゴルリン「……おい、テメーだよテメー」
戦士「……?」
ゴルリン「このゴルリン様を奇跡的に倒したからって、図に乗ってんじゃあねーぞ」
天才「知り合いか?」
戦士「……さあ」
リザード「殺す!!」ドウンッ!!
天才「ハーッハッハッハ! この俺様に単身、挑んでくるとは……哀れだぞオメー」
ゴルリン「テメーの相手はこのゴルリン様だギャー!!」ザザザザッ
戦士「何なんだてめぇは……っ!」
スケル「私の相手は誰です? んんっ?」ジャキジャキッ
帝「腕が増えたぞっ!?」
召喚士「魔道士さん、盗賊さんっ! 上様の護衛をっ!」
622 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:12:29.35 ID:NciMU0i1o
盗賊「了解」ババッ
スケル「お前が相手か」
召喚士「不服?」
スケル「いや。誰が相手でも同じ事よ……ふっふっ」
ビュオオッ ブブンッ!!
召喚士「!?」
スケル「ただの二刀流と思うなよ?」チャキッ
召喚士「魔法剣か……っ」
スケル「以前の戦いで……覚えたぞォ!」
召喚士「……そうかっ、北関の時の魔物か」
スケル「そらそらそらそらァ! どうするどうする!」ババババババッ!!
召喚士「くっ、面倒だなぁ……」チリッ
帝「押されているか……」
魔道士「いえ、大丈夫ですよ。召喚士さん今、召喚しました」
盗賊「詠唱なしか。しかし……分かるようになったのか?」
623 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:12:58.32 ID:NciMU0i1o
魔道士「何となくですけどね」
盗賊「……月読か」
ズザザザザザッ
スケル「どうしましたァ! 逃げるだけですかァ!?」
召喚士「まさかぁ!」
ドッゴオオォォォォン!!
スフィンクス「だぶるぱーんち!!」
バッギョオオオオォォォォ!!
スフィンクス「……?」
召喚士「何っ!?」
スケル「……そんなものですか」シュウウゥゥ
帝「あれを……止めたっ!?」
スケル「以前とは違うと……申したでしょうっ!」
スフィンクス「それなら新技、たつまきーっく!!」ドゴウッ!!
スケル「なにぬわぎゃああぁぁぁぁーッ!」
624 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:13:32.70 ID:NciMU0i1o
ドゴッシャアアァァ!! ゴロゴロゴロゴロッ
魔道士「やった……っ!」
盗賊「あっちは……」
キィンキィンキィンキィンッ!! ガガガガガガッ!!
戦士「……言うだけの事はあるな」
ゴルリン「新しい肉体は動きにくけどよぉ!」
ザザッ
ゴルリン「魔法も使えて便利便利ィ!」
ドドオオォォォォン!! ゴアアァァァァ!!
戦士「くっ!」
ゴルリン「炎に焼かれて死ーね! ウヒヒヒ――」
ゴアッ!!
ゴルリン「……!?」
戦士「風のマント、早速役に立ったな」
ゴルリン「ヌヌウウゥゥゥゥ!」
625 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:14:02.31 ID:NciMU0i1o
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
リザード「ゴハァ……ッ!」ドシャッ
天才「魔物にしろ黒の三騎士にしろ、俺様にとっちゃ雑魚に変わりはねぇ」
リザード「コ、コイツ……本当に人間か……ッ?」
ゴシャッ!!
天才「……人間だよ。多分な」スチャッ
リザード「グッ、ギギギギ……ッ」ググッ
天才「つーか、不死かよ。めんどくせぇ……」
リザード「死なねぇ限り……負けないいィィィィ!!」
天才「じゃあ死ね!!」キュイイィィィィ
リザード「――ッ!?」
天才「五行……聖っ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴゴゴゴゴ……
天才「無駄撃ちさせんじゃねぇよ全く……」
リザード「…………」
626 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:14:31.75 ID:NciMU0i1o
ズシャッ バゴオオォォォォン!!
戦士「……ちっ、しつけーな」
ゴルリン「いくら攻撃を当てようとも、無駄無駄!」
戦士「不死かよ……くそっ!」
ザシャッ
スケル「……フウウゥゥゥ」
スフィンクス「無傷!?」
召喚士「やはりアンデッドか……」
ビュオッ スタッ
戦士「召喚士、コイツら……」
召喚士「うん。どうやら五行しかないみたいだ」
戦士「どうする?」
召喚士「……」
帝「盗賊、魔道士。二人に手を貸してやれ」
魔道士「上様……?」
627 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:15:32.43 ID:NciMU0i1o
盗賊「……しかし」
帝「的を倒す力量はなくとも、己の身を守るぐらいの力はあるつもりだ」
魔道士「盗賊さん……っ」
帝「あまり時間をかけるのも好ましくない。一気に片付けて仕舞え」
盗賊「……御意に」スッ
魔道士「よ、よしっ。そういう事なら……やってやるです!」
タッタッタッタッタッ
盗賊「手を貸す。五行で一気に殲滅しよう」
戦士「盗賊!?」
魔道士「召喚士さんっ、作戦を!」
召喚士「……あまり時間はかけてられませんね。分かりました」
ゴルリン「スjケルウウゥゥ、俺が殺る! どいてろ!」
スケル「まぁまぁ。ここは一緒に楽しむとしましょうよ」
ゴルリン「……仕方ねぇ。足は引っ張るなよォ!」
スケル「そっちこそ!」
628 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:16:01.86 ID:NciMU0i1o
ドンッ!!
戦士「来るぞぉ!」
召喚士「複数腕は俺が引き受ける! 戦士はそっちをゾディアックで!」
戦士「了解!」ババッ
召喚士「行けっ! ワイバーン! スキュラ!」
戦士「うおりゃああぁぁーっ!!」
ガキイイィィィィン!!
ゴルリン「スケルウウゥゥ!」
スケル「任せろォ!」ゴアッ
ワイバーン「甘いっ!」
スケル「……魔法剣を相殺したどとォ!?」
スキュラ「生半可な魔法剣なぞ、足元にも及ばぬわ!」
召喚士「今だっ! コカトリス!」
戦士「食らえぇ!」
ゴルリン「――ッ!?」
629 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:16:42.11 ID:NciMU0i1o
ブオンッ!! ザッシュウウゥゥゥゥ!!
戦士「……ぐくっ! 魔道士ぃ、盗賊!!」
魔道士「盗賊さんっ、ゾディアックめがけて魔法を!」
盗賊「承知っ!」
魔道士「撃ちますっ!」
ドドオオオオォォォォン!! ガッカアアアアァァァァ!!
ゴルリンを串刺したゾディアックめがけ、盗賊と魔道士の合体五行が放たれた。
コカトリス「はあぁーっ!!」
スケル「な、何グヌオアアァァァァ――」ビシビシッ……ピキッ
召喚士「……はああああぁぁぁぁ」
ゴゴゴゴゴゴ……
既に召喚士済であるスフィンクス、そしてワイバーンとスキュラ。
更にコカトリスが集い、金色の光を徐々に帯び始めた。
召喚士「一行足りないけれど、4属性でも封印は出来る」
ガカアアアアァァァァッ!!
630 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:17:29.33 ID:NciMU0i1o
召喚士「これで、終わりだ」
盗賊「こっちも片付いた」
戦士「なんだか久々に、4人で戦闘って感じだったな」
魔道士「そういえばそうですね……」
天才「おーう。片付いたかぁ?」ザッザッ
戦士「ああ。今ちょうと片……」
天才「しっかし、とんだ雑魚――」
バギャアアァァァァ!!
魔道士「――っ!?」
召喚士「天才さんっ!」
天才「……ぐ……っは」ズザァ
盗賊「……な……っ」
リザード「……ブフウウゥゥゥゥ」
天才「バカな……っ、五行ブチかましたはず……」
魔道士「召喚士さんっ!!」
631 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:18:00.25 ID:NciMU0i1o
召喚士「!?」
スケル「……フッフッフッフッフウウゥゥゥゥ」
ゴルリン「オ……オア……オアオオォォォォ」
戦士「五行かましたんじゃねぇのかよ!!」
召喚士「ど、どういう事なんだ……!?」
天才「……中身は魔物だがガワは人間だ。だからだろうな」
盗賊「大丈夫か?」
天才「後頭部思いっきりブン殴りやがって……。誰がやりやがった」
リザード「……グッヒヒヒヒ」
天才「てめぇか。ぶっ殺す」
魔道士「でもっ、どうやって倒すんですか!?」
戦士「物理も効かねぇ、五行も効かねぇじゃ手の内ようが……」
天才「もっと手っ取り早く片付くだろうがよ」
召喚士「……森……ですか」
天才「皇太子がバフォメット始末する前が勝負だ! 森の中に放り込むぞ!」
632 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:18:32.09 ID:NciMU0i1o
〜北の森〜
バフォメット「……ファファファ」
占い師「ど、どうして陛下の姿を……っ」
皇太子「持ち得る武具まで同一。これはどうやら術の類か」
占い師「幻って事……ですか!?」
皇太子「見たまえ。我が剣まで同一のものだ」
占い師「……っ」
皇太子「王家に代々伝わるこの剣。世界に2本とあるわけもない」
占い師「でもいっ、自分の姿を斬るだなんて……」
皇太子「これは試練かもしれぬな」チャキッ
占い師「……?」
皇太子「自らを見つめ直せと言う事なのだろう」
バフォメット「……ファファファ」
皇太子「退がっていたまえ。交戦する」
占い師「陛下……っ」
633 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:19:00.33 ID:NciMU0i1o
皇太子「はああぁぁーっ!」
バフォメット「……ファファファ」
轟く喚声。煌く残撃。まるで演舞かの如く、全く同じ動きを繰り返す皇太子とバフォメット。
同調するそれは、一挙手一投足が全て、鏡のように繰り広げられる。
キィンキィンチュインッ!! ガキィンッ!! キィンキィンッ……ヒュバッ!!
皇太子「……っ」
バフォメット「……ファファファ」
占い師「何て事……っ」
皇太子「これではキリがないな。さて、どうしたものか」
バフォメット「……ファファファ」
占い師「陛下っ!」
皇太子「……?」
占い師「私も、お手伝い致しますっ!」
皇太子「しかしだな……」
占い師「このままでは決着がつくとは思えませんっ。でも、こちらは2人! きっと打開策があるはず!」
634 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:19:33.56 ID:NciMU0i1o
皇太子「……」
バフォメット「ファファファ」
皇太子「……確かに、一理あるな」
占い師「ならば――」
皇太子「だが、女性を戦いに巻き込むなど、騎士道精神に反する」
占い師「今更ですよ。ここまできて巻き込むも何もありません」
皇太子「……ははっ、それもそうか。無礼を詫びるぞ」
占い師「お詫びは……後に致しましょう」
皇太子「そうだな。ならば占い師よ、君の力を貸してくれっ!」
占い師「はいっ!」
皇太子「行くぞ!」ダダッ
バフォメット「……ファファファ」
占い師「私の力があれば……っ」ズザッ
バフォメット「……ファファファ!」グオッ
占い師「……右ぃ!!」
635 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:20:01.28 ID:NciMU0i1o
皇太子「はぁーっ!」
ガイイィィィィン!!
占い師「……くっ、駄目か……っ」
皇太子「良いぞ、続けるのだ!」
占い師「!?」
皇太子「今わずかだがズレが生じた。ほんの刹那ではあるがな」
占い師「本当ですかっ!?」
皇太子「数合では無理かもしれないが、何十合、何百合の内には一撃与えられるかもしれん」
占い師「気の遠くなりそうな話ですね……」
皇太子「だが、勝ち目がないわけではない」
占い師「……ええ」
皇太子「さぁ、もう一度いくぞ!」
占い師「はいっ!」ザッ
皇太子「はあぁーっ!」
バフォメット「……ファファファ!」
636 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:20:59.43 ID:NciMU0i1o
〜北方、川中島〜
伝令「ご報告致しますっ! 先鋒、既に28の小隊が壊滅との報告!」
青年兵「……っ」
大軍師「流石は最強の魔王軍。苦しいですね」
青年兵「魔王軍の損害は?」
伝令「およそ2000近くは撃退したかと」
青年兵「こちらの死者は?」
伝令「100から150名と予想されます。正確な数字は後ほど別の伝令より……」
ドドッドドッドドッ
伝令「ご報告っ! 左翼、魔王軍の奇襲を受け、被害拡大!」
大軍師「やれやれ。少し、西に寄らせますか?」
青年兵「……いえ。信じましょう。彼らなら持ち堪えてくれるはずです」
大軍師「畏まりました。主力はこのまま北上させると致しましょう」
青年兵「……各員、川中島はもうすぐ確保完了だぞ! 奮起せよっ!」
国軍兵「おおぉぉぉぉーっ!!」
637 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:21:30.13 ID:NciMU0i1o
〜川中島、西側〜
西方兵「食い止め……ごはぁ!!」ガシャアアァァ!!
西方参謀「バッカヤロー! 魔道兵っ、弾幕薄いぞぉ……ヒック」
西方副司令「司令はっ!?」
西方兵「前線にて敵を食い止めておりましたがっ、苦戦中です!」
西方副司令「……っ」
西方参謀「奇襲だろうと立て直せばこっちが上だ!! 押し負けるなぁ!!」
西方魔道長「やれやれ……。魔道隊が援護するから、負傷者を後方に連れていきなっ」
ドゴオオォォォォ!!
ミノタウロス「……どうしたァ!? もう武器はないぞオオォォォォ!!」ブフウウゥゥ
西方司令「おやおや、ほつれていおる。縫ってやろう」チマチマ
西方兵「司令いいぃぃぃぃ!! 後ろっ、後ろおおぉぉぉぉ!!」
ミノタウロス「ブワッハハハハハ!! 死ねええぇぇぇぇい!!」
グワッ……ドゴッシャアアアアァァァァ!!
ミノタウロス「……ゲブ……ウウゥゥッ!」ズッズウウゥゥゥゥン
638 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:22:05.55 ID:NciMU0i1o
西方兵「……!?」
ザッザッザッ
魔法剣士「戦場のど真ん中でしゃかみこんで、何をしているっ!!」
西方兵「たっ、助かりましたああぁぁ!!」
西方司令「こらこら動くな。まだ縫い終わってない」
魔法剣士「何だこいつは?」
西方兵「西方司令殿でありますっ!」
魔法剣士「……?」
タッタッタッタッ
西方副司令「いたいたっ! 司令ーっ!」
西方参謀「武器が全部散乱してんじゃねぇか!」
西方兵「マチ針だけは無事でしたぁ!!」
西方参謀「んなもんはどうでもいいんだよ! おっ、この斧でいいじゃねぇか……ヒック」
魔法剣士「待て。ミノタウロスの斧だぞ? そんなもの重すぎて使い物になら――」
ズッシイイィィィィン
639 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:22:45.50 ID:NciMU0i1o
西方司令「……この重さは正義の重さ。散っていった同胞の命そのものよ……」ツツー
魔法剣士「!?」
西方司令「この重さ……その身を以ってして味わうが良い」ブワッ
グオオォォ……ドグッシャアアアアァァァァ!!
トロル「グブアアァァーッ!!」
ワーウルフ「ゴアァ……ッ!!」ドチャッ
魔法剣士「一振りで……数十の魔物を……っ」
西方参謀「これがうちの司令だ……ヒック」
西方副司令「敵が怯んでいるわよっ、今のうちに立て直してっ!」
西方参謀「敵の奇襲隊も退がってやがる……深追いは無用だ……ヒック」
魔法剣士「ふっ。無駄な手助けだったか」
西方参謀「いんや。あんたのお陰で持ち直す事が出来た。感謝するぜぇ……ヒック」
魔法剣士「……では、俺は戻らせてもらうぞ」
ザザッ……タッタッタッ……
西方司令「重い……。奴は重いものを背負っている……っ!!」ブワァッ
640 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/06(月) 18:23:28.31 ID:NciMU0i1o
ではここまでにて。なんだか中途半端ですみません
今日もご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
641 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/06(月) 18:26:39.32 ID:5QrE3xGlo
かませかと思ったら大幅パワーアップ
ゴルリンが世界を掌握するのもそう遠くないな
642 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/02/06(月) 18:26:46.61 ID:yMr/BgbFo
いちおつ
西方司令が相変わらずだったな
643 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 19:42:45.14 ID:VDQw84YDO
さすがのゴルリンちゃんやでぇ
644 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 19:45:48.06 ID:+0RMsB7IO
乙
645 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/06(月) 20:02:15.25 ID:FyORhXw00
>>1
おつ
黒の三騎士とかゴルリンたち懐かしすぎ
646 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 20:14:30.22 ID:cl5T/nfIO
ゴルリンさん強えwww
つーかネクロこんなの量産出来るとか魔王より厄介だろ
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 20:48:47.81 ID:65YUsI5IO
マチ針・・。
648 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/06(月) 22:26:25.74 ID:S7+VNpkY0
>>1
おつんつん
>>スケル「なにぬわぎゃああぁぁぁぁーッ!」
ワロタ
649 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/06(月) 23:32:03.81 ID:r7Gw4ocAO
>>1
おつ
650 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 16:02:18.31 ID:FdaYCYGIO
初めの頃はミノタウロス一体にフルボッコにされてたのが懐かしい
651 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(富山県)
[sage]:2012/02/07(火) 16:49:05.02 ID:iYVeW3EJ0
ふとおもったけど魔剣士って最初の頃軍団長としてかかれてなかったっけ・・・?
652 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:52:59.65 ID:BxrQWjFvo
>>651
根暗マンが何やら不穏な事をゴニョゴニョしてた&失態が多いので
アスタローがこっそりチクって軍団長クビになりました!
↓続き!
653 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:53:27.82 ID:BxrQWjFvo
〜北の森〜
皇太子「はああぁぁーっ!!」
ガキイイィィィィン!!
皇太子「……ちぃ」ズザッ
占い師「……はぁ……はぁ」
皇太子「大丈夫か?」
占い師「え、ええ……っ。大丈夫……ですっ」
皇太子(予言の反動であろう。かなり息があがっているな……)
バフォメット「……人間は……排除する」
皇太子「ほう。話が出来たのか。てっきり理性がないものかと思っていた」
バフォメット「……ファファファ」
占い師「陛下。続けましょう」
皇太子「いけるか?」
占い師「この程度……苦でもありませんっ」
皇太子「……良し。君の勇ましさ。我が力に変え、打ち破ってくれようぞ」
654 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:54:03.66 ID:BxrQWjFvo
ザザッ
皇太子「はぁーっ!!」
占い師「上っ!」
ガキイイィィィィン!!
皇太子「もう……一撃ぃ!!」
占い師「右ぃ!」
皇太子「でりゃああぁぁ!!」
バフォメット「……」
ブンッ!! ザザァ
占い師「!?」
皇太子「……いいぞ。完全にこちらの攻撃が上回った」
バフォメット「…………」
皇太子「次で……決める」チャキッ
ジリジリジリッ ザザッ
皇太子「……はああああぁぁぁ!」
655 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:55:06.37 ID:BxrQWjFvo
占い師「左いぃ!!」
皇太子「ここだっ!!」
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
バフォメット「……」
ズザザアアァァ
皇太子「……どういう事だ?」
ブシュウゥ……ポタポタッ
皇太子「肩を貫いたはずだが……何故っ、私の肩から血が……っ」ガクン
占い師「陛下っ!!」
皇太子(いつ攻撃を受けた? いや違う、これは……)
バフォメット「……我、汝なり。ファファファ!」
占い師「血がっ!」タッタッタッ
皇太子「来るなっ! 大丈夫だ……っ」ググッ
占い師「……っ」
皇太子「私であるのは姿だけではなかったという事か」
656 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:55:44.48 ID:BxrQWjFvo
〜北の森、入り口〜
戦士「っりゃああぁぁ!!」
ブンッ ヒュオンッ
戦士「ちぃっ、急に素早くなりやがって!」
天才「この動き……」
リザード「フゥハハハ!!」
召喚士「天才さんっ」
天才「黒の三騎士と魔物のいいとこ取りだな。動きを封じるのも厄介だわ」
召喚士「どうします?」
天才「アンデッド、人間ベースで五行も無効化。互いの利点のみ生かした身体能力」
召喚士「かと言って、状態異常も効きそうにありませんよ」
天才「唯一はコカトリスくらいか」
召喚士「一時的な石化ならば」
天才「とりあえず241通りの作戦を思いついたが、効率良く、かつ有効そうな3つを提言する」
ゴルリン「ゴルアアァァ!!」ブンッ!!
657 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:56:14.56 ID:BxrQWjFvo
天才「1つ目。コカトリスで石化の上、粉々に粉砕。風に乗せて森へポイ」ヒョイッ
スケル「ガアアアアァァァァーッ!」ビュオッ!!
天才「2つ目。3匹まとめて1ヶ所に集めて力押し。森へポイ」ヒョイッ
リザード「ゴゴアアァァァァ!!」ズッガアアァァ!!
天才「3つ目。俺様がツヴァイハンダーと魔剣で7行発動して抹殺。
ベルゼブブちゃんはお前らが倒す。さぁ選べ、どれでもいいぞ」ヒョイッ
戦士「3つ目は……却下!」ザシュッ!!
召喚士「まとめては困難です……っ。1体ずつ確実し仕留めましょう!」
天才「んじゃまずはあのやたら俺様に絡んでくる変態からにしよう」
魔道士「り、了解です……」
天才「さぁ朱雀先生! お願いします!」
召喚士「……」
シュイイィィィィン
コカトリス「……どれを狙えばいい?」
召喚士「あの右のから」
コカトリス「承知した。空中から回り込む。敵の動きを封じろ」
658 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:56:45.97 ID:BxrQWjFvo
召喚士「……だそうです! 天才大先生!」
天才「こいつ……」
ゴルリン「ゲギャーッ!!」グオォッ
戦士「どいてろっ!」
バキィッ!! ズザザザザアアァァ……
ゴルリン「……ッ」
スケル「……しぶとい。こうなったら奥の手だ」
天才「おいおい。それ以上に手があるのかよ」
スケル「違う! 実際の話ではない。切り札がある、という意味だ馬鹿めがっ」
天才「……なんかフツーに返されたぞ。しかもすげー馬鹿にされたみたいでムカツク」
盗賊「放っておけ」
帝「一体、何をするつもりなのだ……?」
リザード「クックックッ。みせてやるぜ……切り札を!」
スケル「リザード、ゴルリン! マッハストームアタックをかけるぞ!」
召喚士「――!?」
659 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:58:18.99 ID:BxrQWjFvo
戦士「マッハ……何だって?」
天才「黒の三騎士が得意にしてたコンビネーション技だ」
盗賊「何っ!?」
スケル「いくぞっ!」バシュッ!!
帝「早いっ!」
戦士「いくら早かろうが……正面から突っ込んでくるだけだろうがっ」チャキッ
天才「仕掛けるな! 餌食になんぞっ!」
戦士「!?」
スケル「クカカカカッ、バカめッ!!」
天才「目晦ましがくる。目ぇ瞑っとけ!」
戦士「!?」
天才「魔道士は俺と土行!!」
魔道士「はいっ、撃ちます!!」
スケル「死ねエエェェェェ!!」ガカアアァァァァ!!
天才「五行……土ぃ!!」
660 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 17:58:52.77 ID:BxrQWjFvo
ドッドオオゴォォォォン!! ゴガガガガガガアアァァ!!
ゴルリン「じっ、地面がギャアアァァァ!!」
リザード「こ……のおおぉぉぉぉ!!」
ヒュバッ!!
リザード「――!?」
盗賊「はあぁーっ!!」
バギャアアァァァァ!! ガサガサガサッ
盗賊「……しまった。蹴り飛ばしすぎたか」スタッ
戦士「いや……結果オーライじゃねぇの……?」
奥義であるマッハストームアタックを仕掛けたものの、天才と魔道士の土行により、
地面ごと空中へと押し上げられたリザードは、盗賊の蹴りを痛打し、森の中へと落ちていった。
天才「ハーッハッハッハ! タナボタ1体撃破ぁ!」
スケル「グクッ、おのれ……よくも!!」
ゴルリン「どうする!? もうMSA(マッハストームアタック)は使えないゾ!?」
スケル「正攻法だッ! 魔力全開……ッ!」ゴゴゴゴゴゴ
661 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:00:04.13 ID:BxrQWjFvo
〜北の森〜
バフォメット「汝、我を倒す事は不可能……ファファファ!」
皇太子(仮に攻撃が当たったとしても、ダメージは全て自分に跳ね返ってくる)
占い師「……」
皇太子「……どうしたものかな」ポタポタッ
ガサッ ガサカサッ
皇太子「……?」
占い師「な、何の音……!?」
皇太子「真後ろだな。まさか、もう1匹居るなどという冗談ではなかろうな」
バフォメット「……」
フッ!!
占い師「消えた!?」
皇太子「……何かあるな。行くぞ!」ザッ
占い師「えっ!? は、はいっ!」タタッ
タッタッタッタッタッ……
662 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:00:41.79 ID:BxrQWjFvo
…
リザード「……チクショウ、ナメやがって……ッ」ノソッ
ゾクゥッ!!
リザード「……!?」
ゴゴゴゴゴゴ……
バフォメット「……ファファファ」
リザード「待て待て待てぇ! オレは人間じゃねぇ! 魔族――」
バフォメット「汝……人間なり。我、汝を……排除する者」
ゴアッ!!
リザード「ギィアアアアァァァァ――――」
タッタッタッタッ……ズザァ
皇太子「!?」
占い師「陛下……っ、何か――」
皇太子「見るな!」
占い師「!?」
663 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:01:25.46 ID:BxrQWjFvo
皇太子「山羊の頭部……貴様が本体か、バフォメットとやら」
バフォメット「……ファファファ」チラッ
しゃがんだまま背を向け、顔だけを背後の皇太子に見せる食事に夢中のバフォメット。
皇太子「……!?」
バフォメット「……ファファファ!」
ズズッ シュウウウウゥゥゥゥ……
皇太子「……再び……私の姿に」
バフォメット「我、汝なり……ファファファ」
占い師「……っ」チラッ
皇太子「成程。そういう事か」
占い師「い、一体……何がどういう……」
皇太子「憶測ではあるが、奴はより魔力の高い者を狙うのではなかろうか」
占い師「!?」
皇太子「今そこに、別の人間が居た。いや、人間ではなかったかもしれん」
占い師「つ、つまり……?」
664 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:02:05.97 ID:BxrQWjFvo
皇太子「そやつを餌食とする際、本体の姿へと戻っていた」
バフォメット「……」
皇太子「もしまた本体を見せれば……勝ち目はあるな」
占い師「どうやって本体を……引きずり出すんです……っ?」
皇太子「手段を考えても良いが、そこを簡潔に打破する事こし君の力ではないのか?」
占い師「あ……っ」
皇太子「遠慮はいらん。触れ給え」
占い師「……失礼……します」シュルッ
皇太子「ここまでで分かった事がいくつかある」
占い師「……」
皇太子「バフォメットは対象者の魔力に応じて反応している」
占い師「はい」
皇太子「大きければ大きい程、優先的に狙っているようだな」
占い師「……はい」
皇太子「そして我らのような魔力の反応がない者に対しては……攻撃すら仕掛けてこない」
665 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:02:42.88 ID:BxrQWjFvo
占い師「……見えました」
皇太子「結論は?」
占い師「鏡」
皇太子「ほぅ」
占い師「申し訳ありません……っ。あとは魔物が死ぬ……くらいしか」
皇太子「……十分だ。ご苦労」スチャッ
バフォメット「……ファファファ」
皇太子(音のした方角、人間もどきの倒れていた場所……あの辺りか)
ザッザッザッ ススッ
占い師「陛下……?」
皇太子「鏡か。確かに、自らの姿と対峙しているうちに、己を見つめ直す事が出来たかもしれん」
占い師「……?」
皇太子「まぁ、どんな意味で持たせたのかは分からぬがな」
チカチカッ チカッ
皇太子「僅かな月明かりだが、問題はなさそうだ」
666 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:03:12.20 ID:BxrQWjFvo
〜北の森、入り口〜
スケル「リザードの気配が……消えた……ッ」
ゴルリン「よくも……やりやがったなああぁぁ!」
盗賊「自業自得だ」
ゴルリン「ブッコロス!!」
ズゴゴゴゴゴ……
天才「ほぉ、言うだけあってなかなかの威圧――」
チカチカチカッ チカッ
天才「……?」
ゴルリン「余所見してんじゃねエエェェ!!」
ギュオッ!! バゴゴゴゴゴッ!!
天才「!?」
ゴルリン「このまま殴り殺してやるぜええぇぇ! ヒャッハー!」
戦士「調子に乗ってんじゃねぇ!」バギャッ!!
ゴルリン「ギエピー!!」ドシャッ
667 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:04:03.76 ID:BxrQWjFvo
召喚士「コカトリス!」
コカトリス「おうっ」ゴゴオオォォォォ
魔道士「天才さんっ! 大丈夫ですか!?」
天才「お取り込み中に不意打ちかましやがってクソヤローが……直々に始末してやる」スクッ
召喚士「もう、石化しちゃいました」
戦士「もう1匹くんぞ!」
天才「相手しとけ! お取り込み中だ!」
盗賊「くっ」ババッ
スケル「ハァーッハッハッハ!」ブオオッ!!
戦士「二刀流だろうが使い手がイマイチじゃあ……大した事はねぇな!」
スケル「スケルトンの王であるこの……っ、スケル様に向かって何をほざくかアアァァ!」
戦士「初耳だな」
天才「召喚士!」
召喚士「は、はいっ!」タタッ
天才「鏡持ってっか?」
668 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:10:48.44 ID:BxrQWjFvo
召喚士「いや、ないです。魔道士さんなら多分……」
魔道士「呼びました?」
天才「鏡貸してくれ」
魔道士「あ、はいっ!」ズイッ
天才「……でか。戦闘中にこんなでけぇ手鏡持ち歩いてんじゃねぇ!」
魔道士「お、女の子は身嗜みが大切なんですよっ!?」
天才「……ちっ、まぁいい。えーと……この辺か?」
チカチカチカッ チカチカッ
魔道士「何してるんですか?」
召喚士「これって、光で信号を送ってるんですよね……?」
天才「いや〜軍事に優れた陛下で良かったと初めて思ったわ」
召喚士「……」
チカチカチカッ……チカッ
天才「……っし、これでオッケー」
魔道士「何て送ったんですか?」
669 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:12:25.30 ID:BxrQWjFvo
〜北の森〜
キラッ チカチカッ
皇太子「!?」
占い師「えっ!? な、何……?」
皇太子「軍事用暗号だ。手鏡が役に立ったようだな」
占い師「あ……っ、さっきの光は……」
皇太子「こちらの状況を暗号で連絡したのだ。外部にな」
占い師「そ、それじゃ今の光は……」
皇太子「……『人間と融合した魔物を1体、森の中に撃墜した。こっちにはあと2体いる』らしい」
占い師「!?」
皇太子「えぇと、『まずは1体放り込むからそれで試せ。本番は3体目だ! ハーッハッハ!』だそうだ」
占い師「……な、なるほど」
皇太子「良し。次の魔物が放り込まれた際には、また予言で的の動きを予測してくれ」
占い師「わ、分かりました……っ」
皇太子「そこで倒せれば御の字。駄目ならば予定通り、最後の1体でケリをつけよう」
670 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:15:30.71 ID:BxrQWjFvo
占い師「そ、それでももし駄目だったら……?」
皇太子「その時はどうするかな、退位したところで許しては貰えそうもないな」
占い師「!?」
皇太子「私財もなげうって、平民となるかな。あはははっ」
占い師「そ、そんな! 陛下の責任ではありませんよっ! それならば私だって……」
皇太子「ならば失敗したら、平民として共に暮らすか?」
占い師「――!? そ、そうではなくて……っ!!」
皇太子「分かっている。それに安心せよ、失敗は断じて有り得ない」ザッ
バフォメット「……ファファファ」
皇太子「失敗など許されないのだからな!」
占い師「そ、そうですよね……っ!」
皇太子「君の予言に、失敗の未来はあるか?」
占い師「……まさか」
皇太子「ならば安心した。必ずやうまくいくだろう」チャキッ
占い師「陛下ならば……必ずやっ!」
671 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:16:22.45 ID:BxrQWjFvo
〜北の森、入り口〜
盗賊「はあぁーっ!!」
スケル「フンッ!」バチィッ!!
召喚士「それで、このまま投げ込めばいいんですか?」
天才「こっから真っ直ぐな。位置はさっきと同じ程度」
召喚士「さっきってどの辺ですか?」
天才「しっかり見とけよ!」
召喚士「そんな事言われても……盗賊さんの蹴りも一瞬でしたしこっちも交戦中で……」
天才「じゃあテキトーでいい! とにかくさっさとしやがれ!」
召喚士「……」
魔道士「ス、スフィンクスくんっ! それじゃ投げて!」
スフィンクス「はーい!」ブオンッ!!
召喚士「あ……」
天才「まーいいよ。角度的にあんなもんだろ。つーか、アイツらまだ仕留めてねーのかよ」
召喚士「こっちも援護に回りましょう」
672 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:17:19.43 ID:BxrQWjFvo
〜北の森〜
ォォォォオオオオ……ガサガサガサッ!!
皇太子「来たかっ」
ドシャアアアアァァァァ!!
ゴルリン「…………」
占い師「石像!?」
皇太子「これは……」
バフォメット「……ファファファ」
ズズッ シュウウゥゥゥゥ……
皇太子「反応したか。どうやら外で石化させられた魔物のようだな」
バフォメット「……排除する。ファファファ!」
皇太子「今だっ!!」グアッ
占い師「大丈夫ですっ! こっちには仕掛けてこないっ!」
皇太子「はああぁぁぁぁーっ!!」
ズガシュウウゥゥゥゥ!!
673 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:17:52.73 ID:BxrQWjFvo
皇太子「……」スタッ
占い師「……」
バフォメット「……ファファファ」
皇太子「駄目か……っ」
占い師「いやっ、でも……!!」
バフォメット「……ファファ……ファ」
ブシュウウゥゥゥゥ……
占い師「魔物から霧のようなものが漏れていますよ!」
皇太子「仕留めてはいないが、攻撃は効いたという事か」
バフォメット「……ファ……ファ……ファ」
ズズウウウウゥゥゥゥ
皇太子「ぬっ?」
占い師「あぁっ!!」
皇太子「木々が腐り果ててゆく。これは……」
ジュッ!!
674 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:18:24.28 ID:BxrQWjFvo
皇太子「まずいっ! 退がれ!」ババッ
占い師「!?」
ゴロゴロゴロッ……ジュウウゥゥ
占い師「マントがっ!」
皇太子「どうやらあの霧は、触れるものを腐敗させる力があるようだな」
バフォメット「……ファ……ファ」
ズズッ……シュウウウウゥゥゥゥ
占い師「も、戻った……っ」
皇太子「……」
占い師「でもっ、霧は出続けている……っ」
皇太子「君はもっと後ろに退がっていたほうが良さそうだな」
占い師「……っ」
皇太子「案ずるな。次で……決める!」ジャキッ
バフォメット「……ファファ……ファ!」
皇太子「さぁ、来るがいい。バフォメット!」
675 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:18:59.96 ID:BxrQWjFvo
〜北の森、入り口〜
スケル「ゴルリンまでもが……うおのれええぇぇーッ!!」
ズバババババッ!!
スケル「ならばっ、これならどうかぁ!!」
ガシャガシャガシャガシャッ!!
帝「腕が八本に!?」
スケル「そらそらそらそらアアァァ!!」
戦士「ぬぐっ、これは流石に……シンドイか……っ」
盗賊「手を貸す!」シュバッ
ズガガガガガガガガッ!! キィンキィンッ ガキイイィィン!!
スケル「どうしましたぁ!? 2人がかりで……防ぐのに手一杯ですかぁ!?」
帝「もう一人居る事を忘れては困るぞっ!」バッ
スケル「――ッ!?」
ズガシュウウゥゥゥゥ!! ガッシャアアァァ!!
帝「……ふーっ」スタッ
676 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:19:50.95 ID:BxrQWjFvo
盗賊「お見事っ」
戦士「今のうちにトドメだ!」
召喚士「了解っ!」
コカトリス「食らえい!」
ババッ!!
スケル「……カアアアアァァァァ!!」
召喚士「!?」
帝「しゃれこうべが飛んだっ!?」
ボフウウウウゥゥゥゥン
盗賊「しまったっ、毒だ!」
召喚士(上様だけは……っ!!)
ドンッ!!
帝「ごほごほ……っ!?」
天才「何をやってんだこのボケ!!」
召喚士「……っ」ドシャッ
677 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:20:27.17 ID:BxrQWjFvo
スケル「アーッハッハッハッハァ! 馬鹿馬鹿ッ、ほんと馬鹿ッ!」
天才「そのドクロの言う通りだ。油断しやがって……」
帝「違う……っ、私の責だ。召喚士は私を庇って……」
戦士「何でもいいから奴の動きを止めろぉ!!」
魔道士「よくも……召喚士さんを!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ギッキイイイイィィィィン!!
スケル「ガ……ガカ……ッ」ピキイィ
魔道士「召喚士さんっ!」タタッ
コカトリス「やれやれ」
戦士「どうするんだ?」
コカトリス「こうするのだ」
ドスッ!!
魔道士「!?」
盗賊「なるほど。毒を以て毒を制す……か」
天才「ハーッハッハ! まさに文字通りそうなってりゃ世話ねーわな」
678 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:21:11.17 ID:BxrQWjFvo
召喚士「……う……ぐっ」ヨロッ
コカトリス「大丈夫か?」
召喚士「コカトリスの解毒か。ありがとう……あっ、魔物は!?」
戦士「後ろで氷漬けにされてる」
召喚士「……す、凄い氷壁……っ」
天才「おら、さっさと今のうちに石化しろ」
召喚士「は、はいっ」
ゴゴオオオオォォォォ……
帝「すまぬ……召喚士」
召喚士「いやっ、こちらこそすみません。突き飛ばしてしまって……」
天才「反省は後回しだ。ほれ、サッサトコイツを始末しろい」
召喚士「さっきと同じように、森に放り込めばいいんですよね?」
天才「ああ。これでしくじるとどっかから魔物を攫って来るハメに遭う。万全を期すとすっか」
盗賊「……?」
天才「先にもいっちょ信号を送る。そしたら10秒後に放り込め。いいなっ!」
679 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:22:01.28 ID:BxrQWjFvo
〜北の森〜
ブシュウウウウゥゥゥゥ……
占い師「陛下っ、もう少し退がられた方が……」
皇太子「外部からはまた、ここに着地点を合わせているだろう。下手に動けぬ」
占い師「でも……っ」
皇太子「……」
ジュウウゥゥゥゥ
皇太子「甲冑まで腐敗させるのか。恐ろしいものだな」
バフォメット「……ファ……ファファ」
チカチカッ チカチカチカッ
皇太子「……?」
占い師「また……暗号がっ!」
皇太子「……『これでラスト。これの10秒後に放る。しくじんじゃねーぞ!健闘を祈る!』、か」
占い師「10秒……っ」
皇太子「いよいよこれが正念場。しくじるわけにはいかぬな」カチャッ
680 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:22:59.31 ID:BxrQWjFvo
バフォメット「……ファファファ」
皇太子「……6……5、4、3」
占い師「……っ」
皇太子「……今だっ!!」ズザッ
ォォォォオオオオ……ドッシャアアアアァァァァ!!
森の木々を突き破り、投石器より放たれた岩石のように墜落したスケルトンの王。
バフォメットは対峙する皇太子と占い師に背を向けて、スケルの石像へと近づく。
既に走り出していた皇太子は、霧散に触れぬよう掻い潜り、討つべく魔物を目の前に捉える。
バフォメットがしゃがみこみ食事を始めると、再び山羊の姿へとその頭部が変わった。
皇太子は王家に代々伝わる長剣を身体の右方へと振り構え、突進する。
黒い霧が兜や鎧を錆びさせ、解かし、腐らせる。それでもその歩みは止まらない。
距離が近づけば霧は増す。濃霧と化した邪悪なるものがガントレットや甲冑の装飾を腐らせる。
それでも皇太子は無言のまま止まらず、魔道士フォメッとめがけ剣を水平に振りぬいた。
山羊の頭部が宙をくるくると舞う。月夜に照らせれては影に消え、そして繰り返す。
最後の月明かりを受けた山羊のそれは、闇の中に落ち、転がり消えていった。
681 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:23:44.64 ID:BxrQWjFvo
ザシャアアアアァァァァ!! ズザザァ!!
皇太子「……ぐ……くぅ!」ズザッ
占い師「陛下っ!!」
皇太子「まだ来るなっ! まだ……終わったわけではない」
占い師「……っ」
ブシュウウウウゥゥゥゥ
首のないバフォメットはしゃがんだまま微動だにせず、霧状に蒸発を始めている。
立ち上る濃霧は木を蝕み、葉は枯れ、草はその面影をなくしていた。
皇太子は傷付いた手首を押さえながら後ずさりし、占い師の前へと立つ。
皇太子「どうやら……終わりのようだ」
占い師「はい……っ。でも陛下が……」
皇太子「この程度で怪我などとのたまっていては前線で戦う兵に笑われてしまう」
占い師「……っ」ギュッ
皇太子「……?」
占い師「何も出来ない自分が……不甲斐ない……っ」ポロポロポロッ
皇太子「泣く事はない。君の手から伝わる暖かさが、痛みを和らいでくれている」
気付くとバフォメットは完全に姿を消し、周囲を腐敗させた霧もまた、晴れていた。
682 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/07(火) 18:27:39.94 ID:BxrQWjFvo
明日はちょっと来れないかもしれませんので2日分という事で…
ごめんなさいね。来れたらちょっとでも投下しますのでお許しを!
本日もご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
683 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/07(火) 19:09:23.47 ID:c2VOtIIEo
>魔道士フォメッと
魔導士「……ファファファ」
1乙
684 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 19:13:35.43 ID:O3MP0Cgt0
1乙
最初ギャグだと思って読んでたら最後ニヤニヤした
685 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 19:20:33.75 ID:Dil4Rv1IO
乙
686 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 20:24:31.26 ID:3Hl/+IQDO
いちょつ
687 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/07(火) 21:00:17.25 ID:VNqNRJyl0
>>1
おつ
魔道士フォメットのおまけ楽しみ^^
688 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/02/07(火) 21:38:24.58 ID:WPXBPfwAO
占い師と皇太子がいい感じだ…
いやでも、占い師はマジシャンが…
くそっ、一体俺はどうすればいいんだ。
689 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 21:45:43.90 ID:E42SM1nAo
マジシャンは後進に席を譲るべき、そうすべき
690 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 22:05:01.99 ID:wRrCuThDO
魔導士「フォフォフォ…」
691 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 23:11:29.07 ID:Nq5klANDO
残念だがそいつはバフォじゃなく宇宙忍者だ
692 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 23:14:19.27 ID:MRFQHkge0
>>1
おつんつん
>>魔道士フォメッと
ここで新キャラ登場だと
693 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/07(火) 23:20:21.53 ID:V9cbniO3o
>>1
乙
魔導師ちゃんが
魔族め 絶 対 に 許 さ な い
694 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/07(火) 23:51:23.00 ID:KWvAVTd+o
そっちなら勝手にどうぞ
695 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/08(水) 01:19:36.16 ID:gC8GPI3Bo
>>693
がんばって!
696 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/08(水) 01:57:56.71 ID:YaJyvHcAO
>>1
おつ
魔道士が怒りのあまりバフォメットになってしもうた
697 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/02/08(水) 04:40:16.92 ID:OC1P+MvAO
>>1
が鰤好きだという事はわかった
698 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 07:27:33.92 ID:FlQlWF6IO
魔道士フォメッとのサイドストーリーまだー?
699 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/08(水) 08:13:35.38 ID:Vfpz8v5Po
なんかコメットさんじみてきたww
700 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 12:48:31.67 ID:UMz9VkaDO
お前ら自重しろや
701 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:41:19.89 ID:VBt3F8Syo
サアアアアァァァァ……
皇太子「さて、外で待つ皆の下へ戻るとしようか」
占い師「……はい」
ザッザッザッ ドサッ
皇太子「……?」クルッ
占い師「…………」
皇太子「占い師!!」ザザッ
占い師「…………」
皇太子「息はある。外傷は恐らくないはずだ。……予言の反動による疲労か」
気を失い倒れた占い師を背負い、皇太子は再び足を進める。
皇太子「……」ザッザッザッ
やがて皇太子の目の前は真っ黒となり、全身の痛みが徐々に大きくなり始めていた。
皇太子「う……むぅ……っ」
ヨロヨロッ……ドシャッ
2人は覆いかぶさるように、草の上に意識のないままうつ伏せに倒れた。
702 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:41:47.09 ID:VBt3F8Syo
〜北の森、入り口〜
天才「遅っせぇ」
魔道士「確かに遅いですね……。大丈夫でしょうか?」
帝「まさか、何かあったのでは……」
天才「仕方ねぇ。行ってみるしかねぇか……」ザッ
戦士「おいおい、バフォメットが健在だったらどうすんだよ? 俺が行く」
盗賊「私の速さならば振りきれるやもしれん。私が行く」ズイッ
帝「お主らはまだこの後も大きな役割を担うのであろう? ならば私が行こう」
魔道士「そうはいきませんよっ! それだったら私が……」
召喚士「じゃあ俺が行きます」
天才「どうぞどうぞ。朱雀先生が行ってくれるそうだから、お前らは安心して待機!」
召喚士「――!?」
天才「ほれ行くんだろ? 早く行けよ」
召喚士「……」
天才「……何だよ」
703 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:42:16.70 ID:VBt3F8Syo
召喚士「いえ、別に……」
ザッザッザッ……ザッ
召喚士「……ふーっ」
天才「あれじゃねーの? バフォちゃん出た瞬間、上空に逃げたら?」
召喚士「出来たらやってますよ……」
コカトリス「この森は特殊だ。上空を飛行する事は困難極まりない」
天才「そうか……それは残念だ……」
召喚士「……」
スタスタスタ……
召喚士「……よし。行きます!」
ドンッ!!
召喚士「わああぁぁー!! おっ、押さないで下さいよっ!!」
天才「行くっつったろーが!」
召喚士「だからって、心の準備ってものが――」
天才「うるせーなぁ。はよ行け」ドンッ!!
704 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:42:48.13 ID:VBt3F8Syo
召喚士「!?」
ガサガサガサッ……ゴロゴロッ
召喚士「……はっ!!」ババッ
コカトリス「身構えるな。大丈夫のようだ」
召喚士「……ふーっ」
天才「おーい! 生きてっかぁ〜?」
召喚士「生きてますよっ!!」
天才「生きてるみてーだぞ?」
戦士「当たり前だ!」
天才「んじゃ俺様も行ってくっから、お前らここで待ってろ」
帝「任せて良いのか?」
天才「様子を見に行くだけだ。それに、もうじき来んだろ」
ザッザッザッ
魔道士「行っちゃった……」
盗賊「ここで待つとしよう」
705 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:43:23.43 ID:VBt3F8Syo
ガサッ
召喚士「!?」ビクッ
天才「どうだ?」
召喚士「……見てください……これっ」
天才「森が腐ってやがるな。何があったんだ?」
召喚士「分かりません。来た時には既に……」
天才「……」
腐敗した森の中。天才はしゃがみ込み、無言で枯れ果てた草を拾い上げ、見つめる。
召喚士「この奥に続いてますね」
天才「バフォメットの能力か何かか。気をつけろ、万が一もあるかもしんねーぞ」
召喚士「ええ……っ」
天才「にしちゃ、何の気配も威圧もねーけどな」
召喚士「そこなんですよね。それが気になって……」
天才「止まれぇ!!」
召喚士「!?」ピタッ
706 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:43:51.25 ID:VBt3F8Syo
ザッザッザッ
天才「……バフォメットじゃなさそうだな」
召喚士「何か倒れて……あぁっ!!」
天才「2人して何やってんだか……」ザッザッ
召喚士「ぶ、無事ですよね!?」
天才「皇太子は多少怪我しちゃいるが、命に別状はねぇだろうな」
召喚士「占い師さんは……?」
天才「気ぃ失ってるだけだ。心配ねぇ、連れて戻るぞ」
召喚士「は、はいっ。先に治癒しますか?」
天才「傷口だけ塞いどけ。あとは召喚獣にでも乗せてさっさと引き上げだ」
召喚士「了解です。行けっ、シービショップ! ユニコーン!」
シュイイィィィィン
シービショップ「……何じゃ、辛気臭い場所じゃのぉ」
ユニコーン「ほんとだぁ……っ。なんだか嫌なカンジー」
召喚されたシービショップが皇太子の傷口を塞ぎ、ユニコーンが2人を背に乗せ、森を後にした。
707 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:44:24.90 ID:VBt3F8Syo
…
ザッザッザッザッ
魔道士「帰ってきましたっ!!」
盗賊「!?」
天才「そっちはどうだ?」
盗賊「いや、まだだ」
戦士「おいおいっ、2人は大丈夫なのか!?」
召喚士「うん。大丈夫だよ。心配ない」
帝「ん? おぉ、丁度良いところで来たようだぞ」
天才「ハーッハッハ! ナイスタイミング」
ドドッドドッドドッ……ドドォ
東方司令「お師匠、首尾は?」
天才「バッチリ……とは言い難いか。まぁ作戦は成功だ」
名代「上様もご無事で何より」
帝「ああ。正直なところ、多少不安ではあったが、皆のお陰で何事もなく終える事が出来た」
708 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/08(水) 14:44:56.76 ID:VBt3F8Syo
パッカパッカパッカ……
将軍「これは天才様に朱雀先生一行! ご無沙汰している」
魔道士「将軍さん!」
東方参謀「陛下はご無事なのか?」
戦士「ああ、軽傷だ。今は気を失っているだけみてぇだが」
天才「とりあえず寝たままで構わねーから、エリートか青年兵んとこまで連れてってくれ」
東方司令「……了解」
天才「俺様とコイツらと占い師は、このまま森の中に行く。そっちは頼んだぞ」
東方参謀「任せておけい。このまま敵を殲滅しながら、川中島を目指す」
帝「東方軍も負けてはおられぬ。我らの強さ、存分にみせてやろうぞ!」
槍侶「おぉーっ!!」
天才「おーし。んじゃ行くぞ! ある意味こっからが本番だからな」
召喚士「名代さん、青年兵くんに座敷を預けてあります。いざという時は……」
名代「承知致しました。……お気を付けて」
召喚士「はいっ。皆さんも!」
709 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 15:36:30.63 ID:ilyREbkDO
乙フォメっと
710 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2012/02/08(水) 15:52:41.98 ID:VZQB3tHyo
>>709
え?(困惑)
711 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(富山県)
[sage]:2012/02/08(水) 16:43:49.28 ID:ygH4qDAr0
>>1
おつ
>>710
あ・・・あまりいじめるなよ・・・かわいそうだろ
712 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/02/08(水) 16:45:34.27 ID:LpNHLZ+zo
>>711
追い打ちかけてどうする・・・
713 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 17:03:08.55 ID:m+W4U3cIO
乙フォメット。
これは流行らない
714 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/08(水) 17:53:30.17 ID:oBsiqr6j0
いちおつ
天才はわざときつくあたって召喚士の心を鍛えてるのかな…?
715 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 18:47:44.76 ID:FlQlWF6IO
乙フォメっと
716 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 18:58:05.49 ID:CFZXgCM6o
乙フォメっと(暗黒微笑)
717 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 19:08:32.71 ID:sUYnFqkDO
乙フォメっと(迫真)
718 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 19:27:57.55 ID:hTdscVWso
乙フォメットを強いられてるんだ!
719 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/08(水) 20:33:06.38 ID:/YvbfLG1o
>>1
乙
フォメッてなんか年よりくさいイメージだわ
てか、天才さん主人公[
ピーーー
]きですかw
720 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 21:53:38.50 ID:t4Aifk4io
おつ
え?座敷は名代のだったの?
721 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 22:25:11.42 ID:cV2Ha4CLo
オトメットってアニメあったよね
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/08(水) 22:53:31.83 ID:zqzyPbxM0
乙フォメっと(笑)
723 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/09(木) 01:14:03.22 ID:/+9uzNsAO
>>1
おつ
724 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/09(木) 15:44:24.76 ID:v6y6PcjIO
ユニコーンが治療したって事は占い師さん(39か40)は処zうわなにするやめろ
725 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/02/09(木) 17:27:06.19 ID:CFaU36D8o
初めてのバイト代で車買った
726 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/02/09(木) 17:27:46.16 ID:CFaU36D8o
ゴメン誤爆した
727 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/09(木) 17:32:09.13 ID:UirUn1l5o
ここで
>>1
が颯爽登場↓
728 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/09(木) 17:45:06.63 ID:OegtJ/Peo
西方司令「ブッコローーース!!!」
729 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:02:06.77 ID:RlrsU4Qho
>>724
ユニコーンは背中に乗せただけでフォメット
>>725
魔道士「おめでとうございます! ドライブ行きたいなぁ……な〜んて。えへへっ!」
↓続き
730 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:02:41.20 ID:RlrsU4Qho
……――
皇太子「……どこだ……ここは」
ザッザッザッ
皇太子「……!?」
ザッザッザッ
皇太子『君は誰だ?』
皇太子「私は私だ。貴様こそ何なのだっ、私の姿を真似て、動揺でも誘うつもりか?」
皇太子『違う。私は君だ。そして君は私でもある』
皇太子「意味が分からないな。理解に苦しむ」
皇太子『自分自身から目を逸らすつもりか?』
皇太子「そうではない。そのような惑わしには騙されぬと言う事だ」
皇太子『それが逃れではなく何だと言うのだ? 君はいつもそうだな』
皇太子「何が分かる」
皇太子『分かるさ。言ったであろう? 私は君なのだ』
皇太子「黙れ! いい加減にせぬか!」
731 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:03:21.06 ID:RlrsU4Qho
皇太子『何故、怒りを示す? それは己への怒りだぞ?』
皇太子「降らぬ茶番に付き合っている暇はないのだ」
皇太子『茶番?』
皇太子「私にはまだ、やらねばならぬ事があるのだ」
皇太子『魔王討伐か? 君のような者に何が出来るのだ?』
皇太子「私が未熟である事は百も承知。それでも役に立てる事とてあるだろう」
皇太子『本当にか? 君に何の力がある? ただ、他者と違う身分が保証されているだけだろう?』
皇太子「もしそうだとしてもだっ、私は――」
皇太子『剣も未熟。魔力も無し。そのような身でどう貢献するのだ?』
皇太子「無能だから何もしなくて良いなどと、そんな道理はない」
皇太子『自ら無能と認めるか』
皇太子「ああ無能さ。だからどうした? それでも私は私だ」
皇太子『力が欲しいか?』
皇太子「当たり前であろう。誰しもがそう望み、努力し、開花させるのだからな」
皇太子『君は私だ。私を欲すれば、力を与えよう』
732 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:03:55.45 ID:RlrsU4Qho
皇太子「何……?」
皇太子『力が欲しくないのか?』
皇太子「……」
皇太子『さぁ、手を差し伸べよ』
皇太子「……君は先程、逃げるなと申していたな?」
皇太子『ああそうだ。逃げずに私を欲するのだ』
皇太子「何度も言うが、私は逃げてなどおらぬ。常に自分自身と戦っているさ」
皇太子『そうか。ならば自分自身を取り込むが良い』
皇太子「違う。君は君だ。私ではない。私は私の中に居るのだ」
皇太子『何を申している。この姿、見えぬのか?』
皇太子「私は本国国王、皇太子だ。仮に君が私であろうと、私は私以外の力は借りぬ!」
皇太子『……』
皇太子「これ以上私を惑わすつもりならば……問答無用で斬り捨てる!」ジャキッ
皇太子『……貴様』
――「よう言った。見事見事かな」
733 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:04:41.28 ID:RlrsU4Qho
皇太子「……?」
――「お前は弱くなどない。寧ろ強者かな」フッ
皇太子「!?」
己の身に覆いかぶさるように、突如、現れた白髪の老人。
皇太子が皇太子に突きつけて握る剣の柄を、手を添えるように被せる老人。
しかしその手や顔、姿は透けており、幻覚かこの世のものとは思えない様相であった。
皇太子「な、何が起きているのだ……っ」
――「こりゃあ何度も何度も直しては使って繰り返しておるかな」
皇太子「……?」
――「ワシが使っていた頃の面影など、王家の紋章くらいなもんかな」
皇太子「!?」
――「魔力が無いなど恥じる事ではない。寧ろ、誇らしく思えるかな」
皇太子『私を誑かすのはやめよ。貴様は何者だ』
――「お前こそ誑かすのはやめぬかな。彼はもう全て、分かっているかな」
皇太子「貴方が何者かは、私は知らない。しかし、貴方には何か、不思議と……」
734 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:05:34.84 ID:RlrsU4Qho
――「多くは語らずかな。君は君の思う道を信じて行くだけかな」
皇太子『忌々しい奴だな。斬り捨ててくれようぞ』チャキッ
――「お前の剣からは何も感じない。即ち、それは紛い物かな」
皇太子『……何?』
――「我が聖剣の魂を感じぬかな。故に、紛い物だと言っているかな」
皇太子「我が聖剣……? あ、貴方は……」
――「言ったであろう、多くは語らないかな。さぁ、自分を断ち切るかな」
皇太子『おのれ……無礼者め!』
皇太子「自分を……断ち切る」
皇太子『私は君だぞっ、自分を斬るなどと――』
ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!
皇太子『……バカメガ……ッ。チカラヲエラレタトイウノニ……ファファ……ファ――』
ズシュウウウウゥゥゥゥ……
皇太子「……私は私だ。力など、自分の手で手に入れてみせるさ」カシャン
――「見事かな見事かな」
735 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:07:07.87 ID:RlrsU4Qho
スウウゥゥゥゥ……
皇太子「ご老人、貴方は何者……」
――「自分に自身を持つ事かな。魔力が無い事はお前の武器かな」
皇太子「武器……」
――「魔力が無かったからこそ出来た事もあるかな。世界に1人だけの、唯一無二の武器かな」
皇太子「……成程。そういう発想もある、か」
――「そして、王に生まれた事こそ、最大の武器かな」
皇太子「……」
――「王には王の、平民には分からぬ苦しみがるかな」
皇太子「……」
――「しかし、王もまた唯一無二の存在かな。お前の所業で国が、世界が変わるかな」
皇太子「まさにその通り」
――「今は王である事を誇りに思うかな。王はまだ、世界に必要かな」スウウゥゥ
皇太子「ご老人っ! 貴方はまさか……聖――」
――「良きかな良きかな」
736 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:08:04.15 ID:RlrsU4Qho
――……
皇太子「……」パチッ
帝「気が付いたか?」
皇太子「……ここは」
帝「馬車の中だ。馬車は既に戦地へと向かっておる」
ドドッドドッドドッ
将軍「陛下っ! お身体などはご無事で!?」
皇太子「ああ、世話をかけたな」ググッ
帝「あまり無理をなさるな。今しばし横になっておると良い」
皇太子「天才らは、森へ残ったのか?」
帝「うむ。陛下に感謝を述べておられたぞ」
皇太子「感謝か、たまには黙って、感謝されておくとするか」
帝「……?」
皇太子「さて、次の戦場ではゆっくりなどしておる暇はなさそうだな」
将軍「ええ。小覇王のお手並み拝見ですぞ!」
737 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:09:10.44 ID:RlrsU4Qho
…
ドラゴン「ギャオオウウウウゥゥゥゥ!!」
青龍士官「回り込んだぞ! ドラゴンを食い止めてくれ!」
アマゾネス「囲まれてっ、なかなか手が出せぬ……っ」
ヴァンパイア「貴様等の狙いはわかっていますよォー!」ゴウッ!!
ツインテ「ふにゃああぁぁ!」
ポニテ「ツインテっ! 退がって!」
ヴァンパイア「ドラゴンを我等を分離して、叩こうと言うのでしょう!?」
青龍士官「スイッチされたか……。仕方ない、バハムートを退げる」
竜騎士兵「了解です! 隊長が乗り換えるまで防衛線を張るぞ!」
青龍兵「おおう!」バシュウウゥゥゥゥ
ヴァンパイア「そらそらそらそらあぁーッ!」ドガガガッ!!
サンダーバード「ググゥ……ッ」
色黒「……長!」
アマゾネス「どうした!?」
738 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:10:11.94 ID:RlrsU4Qho
色黒「あれ……何?」
アマゾネス「……?」
竜騎士兵「何だ……あれは……!?」
オオオオォォォォ……
青龍兵「隊長ぉ! 正面北側より何かが近づいてきます!」
竜騎士兵「ガーゴイルの群れ……っ。何かを運んでいる……?」
青龍士官「……?」
月明かりの中、夜空に黒光りしたガーゴイルの皮膚が無数に見え隠れしている。
ガーゴイル達は紐のような物を持ち、くくりつけた巨大な何かを運んでいる。
巨大な何かはモゾモゾと動き、生物である事は遠めでも一同にとって分かった。
おさげ「な、何か……嫌なカンジ……っ」
アマゾネス「おい!」
青龍士官「分かっているっ! 出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィィィン……バシュウウゥゥゥゥ!!
青龍士官「竜騎士隊はドラゴンを牽制しつつガーゴイル達に備えよ!」
739 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:10:44.97 ID:RlrsU4Qho
竜騎士兵「ハードな仕事だぜクソッ!!」
ガーゴイル達はやがて、地獄の壁より数百メートル北側にて、輸送を終える。
即ち、運んでいた巨大な物体を手離し、。地上へと落下させたのだ。
アマゾネス「な、何が狙いなのだ……!?」
ブリュンヒルデ「これは……召喚獣? いや、人間のようで……魔物の気配も……」
ドッズウウウウゥゥゥゥン!! シュウウウウゥゥゥゥ……
轟音と共に地上へと落下した黒い物体。やや近づいて全貌を目の当たりにした青龍士官は、
ようやくその正体に気が付き、刹那の内に号令をかけた。
青龍士官「回避いいぃぃーっ!!」
キュイイイイィィィィ……ガカアアアアァァァァ!!
眩い閃光が八方へと撃ち放たれ、光は上空の敵味方、種族を問わず撃墜する。
拡散した閃光は木々を焼き、山を崩し、そして照明のように光り輝いた。
光で照らされた巨大な物体が、苦痛とも快楽とも憤怒とも言い難い雄叫びを上げる。
青龍士官「……黒い……ベヒーモス……っ!!」
黒い物体「オアアアアァァァァオオオオォォォォ!!」
740 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:11:13.61 ID:RlrsU4Qho
〜北の森〜
ザッザッザッザッ……
占い師「……ん」
天才「気付いたか」
占い師「あ……れ……?」
天才「あれ? じゃねーよ。いつまでおぶられてる気だ」
魔道士「具合はどうですか!?」
占い師「魔道士ちゃん……みんなも……あっ!」
天才「安心しろ。バフォメットはアイツが倒したよ」
占い師「陛下は無事なの!?」
天才「今頃は西の川辺りじゃねーか?」
召喚士「東方軍と合流して、川中島方面へ向かいましたよ」
占い師「……そう」
戦士「しかしまだなのか? その、予言の民っていう連中が住む所は」
盗賊「もうかなり歩いたな」
741 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:12:23.22 ID:RlrsU4Qho
天才「方角的には間違ってねーはずなんだが……滅んじまったかな?」
召喚士「何か手掛かりはあるんですか?」
天才「古文書」ヒラヒラ
召喚士「!?」
天才「誰も入る事の出来ねー森なんだからこんなのに頼るしかねーんだよ。仕方ねーだろ」
召喚士「それはそうですけど……」
占い師「古文書ってわりには、結構新しいわね」
天才「んな事はどうでもいいんだよ」
魔道士「あれっ、何か……見えてきましたよっ!?」
戦士「何だありゃ……」
ザッザッザッ……ザッ
召喚士「……結界石だ!! しかも……物凄い数の……っ」
天才「なるほどな。結界石をまるで城壁のように囲って、その中で暮らしてるってわけか」
占い師「何て言うか……別世界ね……」
盗賊「どうするのだ? 入るのか?」
742 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:12:58.78 ID:RlrsU4Qho
天才「そりゃ入るだろ。それが目的なんだからよ」
ザッザッザッ
戦士「……行っちまったぞ?」
召喚士「お、俺らも行こう!」
魔道士「はいっ!」
ザッザッザッ
天才「……家は幾つかあるが、ずいぶんとヒッソリしてやがんなぁ」
占い師「使ってない家も結構ありそうね」
天才「人口が減ったんだろ。今じゃ何人住んでる事やら……」
ザッザッザッ
天才「ん?」
――「!?」ササッ
天才「ガキがいたな。とっ捕まえるか」
ヒュバッ!!
天才「いよう。始めましてこんにちはじゃねぇ、こんばんは。私は天才あなたはだーれ?」ムンズッ
743 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:13:52.49 ID:RlrsU4Qho
子供「……っ」ビクビクッ
魔道士「ビックリしてるじゃないですかっ、もう!」
占い師「ごめんなボク。このオジちゃん、人とコミュニケーションとれない人なの」
天才「ぶっ殺すぞオメーは!!」
子供「――っ」ビクビク!!
魔道士「天才さんっ!!」
天才「へいへい。テメーらに任せるよ」
占い師「ねえねえ、お父さんかお母さんは今いるかしら?」
子供「……」ブンブン
占い師「……じゃあ、誰かここで偉い人の所へ案内して貰える?」
子供「……」コクコク
戦士「喋れねーのかな? 言葉は通じるみてーだが」
召喚士「さ、さぁ……」
子供「……」クイクイ
魔道士「えっ? 付いて来いって事……?」
744 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:14:30.08 ID:RlrsU4Qho
子供「……」コクコク
盗賊「警戒心は低いみたいだな」
召喚士「ですね。見ず知らずの俺らにあっさりと……」
戦士「約1名は嫌われたみてーだが」
天才「あぁ?」
子供「……」プルプル
戦士「ほれ」
天才「――っ」
占い師「それじゃ行きましょっ」
ザッザッザッザッザッッ
魔道士「お名前は?」
子供「……」
魔道士「……え、えっと……年はいくつかなっ?」
子供「……」ビシッ
魔道士「5歳ねっ。ありがと!」
745 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:15:11.71 ID:RlrsU4Qho
…
ザッザッザッ……ピタッ
子供「……」クイクイッ
占い師「ここ? この家?」
子供「……」コクコク
占い師「それじゃ、早速……」テクテク
コンコン
子供「……」ジーッ
カチャッ
魔道士「始めまして、私は――」
――「お入り。あんたは帰っていいよ。ご苦労さん」
子供「……」コクコク
魔道士「あっ」
子供「……」ブンブン
タッタッタッタッタッ……
746 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:15:57.43 ID:RlrsU4Qho
魔道士「行っちゃった……」
天才「邪魔するぜ」スタスタ
戦士「バーサン、あんたはここの村長ってとこか?」
――「まぁそうだね。ほれ、椅子に座りって、冷めないうちに飲みな」
盗賊「!?」
戦士「5人分の……紅茶が予め……っ」
天才「テメーがババ様かい?」
ババ様「そうだよ。あんたは預言者の息子だね」
天才「!?」
ババ様「預言者は妹を産んで間もなく死んだかい……。残念だったねぇ
天才「てめぇ、んな事まで……っ」
戦士「ど、どういう事なんだよ……っ!」
召喚士「……予言だ、全て……予言の力で分かっているんだ……っ」
天才「じゃあ俺様の望みも分かってるよな?」
ババ様「その為に待ってたんだからね。順に話すからしっかり聞きな」
747 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/09(木) 18:19:56.06 ID:RlrsU4Qho
それではひとまずこの辺にて失礼致します!
多数のご支援ありがとうございました!それではフォメっと!ノシ
748 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/09(木) 18:21:11.71 ID:OqRnCkDWo
乙ファメット
749 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/02/09(木) 18:22:19.95 ID:t1DaqyBAO
ゲーテたん…
750 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/02/09(木) 18:38:34.56 ID:CFaU36D8o
平和になったら、魔道士ちゃんとドライブ行くんだ・・・デヘヘ
751 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(富山県)
[sage]:2012/02/09(木) 18:47:36.62 ID:xmPEUNSG0
俺この戦争が終わったら、帝様率いる東方軍に志願するんだ
752 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/09(木) 19:07:17.09 ID:Tu1v2oxIO
乙ファメっと
753 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/09(木) 20:03:41.48 ID:xK0lW2DJ0
>>1乙ファメット
聖王さん千と千尋の川の主みたいな口調だな
754 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/09(木) 20:24:18.57 ID:hEMrN5n9o
>>1
乙
性王何で出てきたんだ?
755 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/09(木) 20:37:17.26 ID:1WUTTvip0
>>1
おつ
聖王も魔翌力をもたなかった王だからじゃね
756 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/09(木) 21:41:54.13 ID:qMzWxwux0
>>1
乙フォメっと
ババ様とかゲーテを思い出すな
757 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/09(木) 22:22:39.38 ID:V4g5MHRDO
乙フォメっと
758 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/09(木) 22:52:23.14 ID:/+9uzNsAO
>>1
おつ
759 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/09(木) 23:15:16.62 ID:z+bzaS/xo
天才の妹って魔道士のかーちゃんだよな
760 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage ]:2012/02/10(金) 00:22:57.59 ID:8kYEgNqQo
また、一から読み直してるが、伏線をしっかり拾っていく
>>1
に感嘆してますよ
そして、1乙です
761 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 07:17:07.10 ID:n2iyn9zIO
>>1乙ファメっと///
762 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 07:56:29.30 ID:ABDOIm6IO
魔導士ちゃん物凄いサラブレットだな
763 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:20:23.31 ID:nfSLcMuIo
〜北方、川中島〜
騎士団長「踏みとどまれっ! これ以上押されるなぁ!」
騎士団「うおおぉぉ!!」ドガァッ!!
大軍師「魔王軍も退きませんね」
青年兵「ええ。数といい強さといい、流石に北はすんなりとはいきませんね」
大軍師「出来れば初日より、川中島への着工を開始致したいところなのですがねぇ」
青年兵「夜が明けてしまいますよ。それから築城では間に合わない……」
大軍師「そうですか? むしろその方が、好都合ではないでしょうか」
青年兵「日が出てから築城を開始すれば、的になりますよ……?」
大軍師「どうせ暗闇でも目の利く連中ですよ? それに夜しか動けない魔物もいる」
青年兵「っ!! そ、そうか……っ、どうせ代わらない状況なのであれば……」
大軍師「我等にとっては、日中の方が有利とも考えられます」
青年兵「……よし。それならばここは退却せず凌ぎきり、日の出を待ちましょう」
大軍師「ええ。その頃には東西からn援軍も到着する事でしょう……ふっふっふ」ヒラヒラ
青年兵「騎士団長を中心に押し返せっ! 援護を絶やさず続けるのだ!」
764 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:20:50.17 ID:nfSLcMuIo
ドドッドドッドドッ
伝令「ご報告いたします!」
青年兵「どうした!?」
伝令「後方、地獄の壁付近に、謎の魔物が出現との事!」
大軍師「謎の魔物? 何ですかそれは、確認を急ぎなさい」
伝令「は、ははぁ……っ!」
ドドッドドッドドッ
エリート「青年兵っ、最北の村に魔王軍の強襲隊が向かっているとの報告だ!」
青年兵「!?」
ドドッドドッドドッ
伝令「ご報告致しますっ! 東側の魔王軍が大隊規模で北関方面へ進行中!」
北方兵「伝令ーっ! 北方司令部付近で魔王軍との交戦を開始致しました!ドドッドドッ
エリート「ええい、次から次へと……っ!」
大軍師「これは弱りましたね。中央にて持ち堪えなくば、どこかが落ちてもおかしくはないですね」
青年兵「どのみちそのつもりです。まだ窮地ではない、援軍が来るまで奮迅するよう伝えよ!」
765 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:21:47.66 ID:nfSLcMuIo
〜最北の森〜
青年「来たぞー! 東側の傾斜だ!」
ヒゲの男「何としても追い払うぞ! ここは補給物資の拠点なんだ」
青年「国軍の姉ちゃんよ、作戦を指示してくれっ!」
副官「……敵の数は?」
青年「よく分からんけど、50や100の数じゃねぇのは確かだ」
副官「村の西側へ、村民を非難させて」
ヒゲの男「いいのか?」
副官「ええ。西側から魔王軍が来る可能性は低いわ。ここは賭けるしかないのっ」
ヒゲの男「了解だ」
副官「それと、戦える者は全て東側の高台へ集結!」
ヒゲの男「高台!? まさか……やるつもりか……?」
青年「魔王軍の侵攻速度だとギリギリ……いやっ、間に合わないかもしれないぜ!?」
副官「それでもやるしかないのっ! ここを凌げば……必ず来るから!」
ヒゲの男「……」
766 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:22:21.46 ID:nfSLcMuIo
副官「早く行って!」
青年「お、おう……っ。行くぞ!」
ヒゲの男「……」
タッタッタッタッタッ
青年「俺はこっちをやっから、お前はあっちを頼む!」
ヒゲの男「……」
タッタッタッ……ピタッ
ヒゲの男「ここ、任せるわ」クルッ
青年「お、おいっ!?」
ヒゲの男「姉ちゃん1人で……どうにかなるわけねーだろっ、チクショウ!」
青年兵「くっ! 仕方ねぇ……お前らっ、西側へ移動しろ!」
子供「魔物が来たの!? だったら俺も戦うっ!」
青年「バカ言ってんじゃねぇ! さっさと逃げるんだよぉーっ!」
ダダッ タッタッタッタッ……
女「ちょっとぉ!? 西側からも魔物が来てるじゃないっ!!」
767 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:22:51.13 ID:nfSLcMuIo
青年「にゃにぃーっ!?」
ドドドドドド……
子供「……あれ……魔物じゃなくない!?」
青年「ほ、本当だ……あれは……っ!!」
ドドッドドッドドッ……
王子「遅くなった! 魔王軍は!?」
青年「グッドタイミングっすよぉ! 東側からすげぇ数が来てます!」
王子「ようし、このまま突撃するぞ! 続けぇ!」
西国兵長「おぉーっ!」
ドドッドドッドドッ……
女性「あれ……何?」
青年「西国の王様だよ! 援軍に来てくれたんだ!」
少年「でも、行っちゃったよ? 大丈夫なの?」
青年「西国軍が西から来たって事は、西側の敵はもう倒したって事になるだろ?」
少年「あ、そっか! だから村の西側に避難するんだねっ!」
768 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:23:32.14 ID:nfSLcMuIo
ドドオオォォォォ
副官「……くっ」ソォーッ
ガクンッ!! ガラガラガラッ
副官「――っ」
ヨジヨジ……グイッ
副官「ふ……っ、んんーっ! やぁ!」ガシッ
ヒゲの男「おい」
副官「きゃああぁぁぁぁ!!」
ヒゲの男「待て待てっ! 俺だ! 手を離すなバカっ!」
副官「ビビ、ビックリさせないで下さい……って、何でここにいるの!?」
ヒゲの男「姉ちゃんが心配だったら戻ってきたんだが……案の定だったな」ヒョイッ
副官「……ど、どうも」
ヒゲの男「アンタ文官だろ? しかも女。こんな崖を1人で登るなんて無理があんぜ」
副官「でも、登らないとどうにもならないじゃない……っ」
ヒゲの男「んなもん俺らに任しておけっての。アンタはここの総大将なんだ」
769 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:24:02.59 ID:nfSLcMuIo
副官「……っ」
ヒゲの男「総大将は1番後ろでドーンと構えてるもんだぜ?」ガシッ
ググググッ……グイイィィ!!
ヒゲの男「ふん……ぬりゃああああぁぁぁぁーっ!!」
ズボオオォォォォ!!
副官「抜けたっ! ありがとう!」
ヒゲの男「これで水の流れは勢いを増す。次は下流の堰だ。急ぐぞ!」
副官「ええっ!」
タッタッタッタッタッ
ヒゲの男「まずいなっ、魔王軍がかなり迫ってるぞ!」
副官「ええ……っ。何とか間に合えば……いやっ、間に合わせてみせるっ!」
ヒゲの男「もうすぐだっ! 先に行ってるぞ!」ダッ!!
タッタッタッタッタッ……ザザッ
ヒゲの男「……おーし! 何とか間に合――」
ドスッ!! ポタポタポタッ……
770 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/10(金) 18:28:15.27 ID:nfSLcMuIo
またあとで来ます!すみません!ノシ
771 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 18:35:50.69 ID:pqPIaKJDO
ヒゲのおっちゃぁぁぁぁん!
1乙
772 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 18:40:32.52 ID:MkygvbLDO
貴重なヒゲが…
おつんぽ!
773 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage ]:2012/02/10(金) 19:17:13.27 ID:8kYEgNqQo
ヒゲ成分のないオヤジなんて……
774 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 19:33:57.87 ID:mn1MdtRuo
ヒゲがポタポタ抜けちまうぅぅぅ
775 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/02/10(金) 19:59:56.53 ID:Hg97gKAw0
いちおつ
副官は文官だったのか 戦ってるとこみたことないもんなぁ
776 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 20:28:03.38 ID:qsS1CUfIO
乙
777 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 22:09:50.18 ID:8WoZRJ010
>>1
おつんつん
778 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/11(土) 01:15:39.31 ID:l85YJOIAO
>>1
おつ
ヒゲさん副官といい感じなフラグ立ったと思ったら…
779 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 02:16:18.90 ID:GP63oW0Vo
ヒゲの男「……な……ん」
ズルゥッ……ドサッ
リザードマン「なんでぇ、たった1匹かよ」
コボルト「おう、こんな所はもういいからよ、本隊と合流しようや」
リザードマン「だーな。行くとすんべや――」
ガシィ!!
リザードマン「……?」
ヒゲの男「……はぁっ、はぁ……っ、はぁ……っ」
リザードマン「コイツ、まだ……ッ」
コボルト「離せやこのボケエエェェ――」
ゴキィッ!! ドシャッ
リザードマン「――――」ピクピク
コボルト「てっ、てんめぇ……ッ」
ヒゲの男「こ……の村……はっ、やらせねぇぞ……っ!!」
コボルト「死にぞこないがぁ……ッ!」ザッ
780 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 02:17:05.56 ID:GP63oW0Vo
タッタッタッタッ
副官「――っ!?」
ヒゲの男「ぬおああぁぁーっ!!」
コボルト「大人しく死んどけやあぁーッ!!」
ガシュウウゥゥッ!!
コボルト「……チッ」
ヒゲの男「……ごはっ、が……ぁ」ドサッ
コボルト「汚ねぇなー。返り血付けやがってヨォ――」
副官「ああああぁぁぁ!!」
コボルト「――ッ!?」
ザシュウウゥゥゥゥ!!
副官「はああぁぁ……はぁ……はぁっ!!」
コボルト「何しやがる……このッ、クソアマアアァァ!」ポタポタポタッ
副官「う……うぅ……っ」
ヒゲの男「ぐっ、ぬう……ぅ」グググッ
781 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 02:17:42.61 ID:GP63oW0Vo
コボルト「タダじゃ済まねぇぞ……! 嬲りたおして骨まで食い尽くしてやんゼ」
ヒゲの男「どこ見て……やがるぅ!!」
ガッシイィ!! ドサッ
副官「っ!!」
ヒゲの男「は……やくっ、逃げろおぉ……っ」
コボルト「しつけぇんだよ……テメェ!」ガスッ!!
副官「うっ、うぅ……っ」ガクガク
ヒゲの男「早く……しろ……ぉ!」
コボルト「離せっつってんんだろうがよッ!!」
ドガァッ!! ゴロゴロッ……ドサッ
コボルト「……ふー。ったく、てこずらせやがってぇ」コキコキ
副官「あ……うぁ……っ」
コボルト「さーてさて、お待たせぇ――」
青年「待ってねぇよこのボケがぁ!!」
コボルト「!?」
782 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 02:18:25.52 ID:GP63oW0Vo
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
青年「姉ちゃんっ、無事か!?」
副官「……あ、ああ……あぁ」
青年「しっかりしろっ! ヒゲの旦那は!?」ペチペチッ
副官「はっ!! そ、そうだっ!!」タタッ
青年「旦那っ!?」
副官「傷っ、傷薬……っ! 回復しなきゃっ! 早くしなきゃっ!」
青年「慌てるな! 俺が行くからアンタはここで――」
ドドドドドド……
青年「ちぃっ、水が迫ってる! 姉ちゃん、戻って来い!」
副官「回復……回復しなくっちゃ……私が……っ!」フラフラ
ドンッ
副官「……?」
ヒゲの男「……く……るな」
青年「旦那ぁ!!」
783 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 02:19:20.04 ID:GP63oW0Vo
ヒゲの男「もう……時間……ないっ。早く連れて……逃げ……」ガクン
副官「!?」
青年「旦那っ! 水が迫ってるがまだ間に合う! アンタも一緒に……」
ヒゲの男「時間ねぇって……言っただろ」ガバッ
副官「――っ!!」
ヒゲの男「この傷じゃあどうみても……助からん……っ」
青年「時間がねぇのは……アンタの方かよ……っ」
ヒゲの男「魔物の本隊……も……来てる」
副官「置いて逃げるなんて……無理よ!」
ヒゲの男「最後の堰……杭……抜かなきゃなんねぇ……」ヨロッ
副官「何で……何で……っ」
青年「魔物の本隊がきやがったっ! ちっくしょおぉ!」
ヒゲの男「頼むっ、早く……行ってくれ」
青年「……姉ちゃん、行くぞ! もう時間切れだ!」
副官「何でよぉ……何で……」ズルズル
784 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 02:20:04.22 ID:GP63oW0Vo
ドドドドドド……
青年「旦那ぁ! あとは……あとは任せるぞおおぉぉ!」ダッ
副官「嫌よおぉ!」
ザザザザザザッ
ワーウルフ「ニンゲンだ! ニンゲンがいるぞォ!」
スケルトン「殺せええぇぇーッ!」
ドッガアアァァ!! ザシュウウゥゥゥゥ!!
王子「何をしているっ! 早く退け!」
西国兵長「かかれぇーっ!」
ドガガアアァァァァ!!
王子「……あそこにまだ1人、残っているな」
副官「たっ、助けて! 彼を……助けて下さいっ!」
青年「駄目だっ! もうじき水が来る!」
王子「……」
青年「ここももうヤバイ! 早く高台に逃げるんだ!」
785 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 02:22:59.24 ID:GP63oW0Vo
副官「そんなの……っ」
王子「……行こう。時間がないのであろう?」
副官「陛下っ!」
王子「闘いは時に非情なものだ。これはきっと、彼の宿命でもある」
副官「……っ」
王子「だが決して、無駄死にではないぞ」
青年「時間切れだぁ! 来るぞぉーっ!」
ドドドドドドオオォォォォォ!!
王子「乗れっ!」グイッ
副官「――――」
水の音に副官の叫びは掻き消された。しかし、ヒゲの男は笑っていた。
ヒゲの男「……この村は……俺の……誇りだ、宝だ……っ」
ドドオオオオォォォォ!!
ヒゲの男「楽しかったぜ……あばよ――――」
激流に飲み込まれ、ヒゲの男の笑顔は散った。
786 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 04:15:35.46 ID:4G5CuwVDO
いちょつ
ひげェ…
787 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 04:50:55.31 ID:LF7iYs9y0
ヒゲさん。。。。。。。。。。。。。
788 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2012/02/11(土) 05:22:36.00 ID:MffBZ5mV0
>>1
おつ
ヒゲ…最後かっこよかった
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/11(土) 08:42:06.70 ID:VTSoPXQoo
>>1
乙
ヒゲ「行け水流」
790 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 09:47:31.42 ID:MvJPhDoIO
乙
791 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 12:26:58.49 ID:7jmoIznDO
ヒゲに泣かされるなんて…くやしいっビクンビクン
あ、1乙です
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/11(土) 14:57:44.99 ID:bd2FBxCAO
>>1
乙
まさかモブキャラに泣かされる日が来るなんて…。
てか、西国王子格好良くなったねぇ〜
後はちんぽがへし折れれば完璧なのに…
793 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 21:42:17.64 ID:4G5CuwVDO
いちおつ
召喚士「ひげのおじさんもいつか召喚してみせる!」
794 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 22:26:58.05 ID:fCg71vcYo
勇者は一人であり、全員が勇者である。
転じて、モブが主人公であり、主人公がモブである。
795 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 22:50:39.72 ID:JZco6nAf0
なにいってんだ、こいつ
796 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 23:37:11.23 ID:GP63oW0Vo
ドドオオオオォォォォ……
スケルトン「なっ、なん……グアアァァァァ!!」
ワーウルフ「ゴブァ……ッ! グハァーッ!」
ドドドドドドオオォォォォ
西国兵長「み……水がっ、魔物を……っ」
王子「水計か。堰止めていた水で一気に敵を殲滅したな」
青年「旦那のお陰だ……っ。命を賭けて村を守ってくれたんだ」
副官「……」
王子「だが、これでまだ終わったわけではないぞ」
西国兵長「高台の連中も奮闘しているようですね」
王子「東側はも大丈夫であろう。早く救援に向かってやるが良い」
青年「姉ちゃん、行くぞ」
副官「……」ペコッ……タッタッタッ…・・・
西国兵長「大丈夫ですかね、彼女」
王子「仮にも軍人だぞ、無用な心配だ。さて、我らも北へ急ぐぞ!」
797 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 23:37:52.11 ID:GP63oW0Vo
〜北方司令部〜
北方兵「地上部隊だけではなく、ドラゴンが迫っております!」
参謀「……っ」
北方兵「竜騎士隊の奴ら、威勢良くぬかしてたくせに……っ」
参謀「北の戦線も、かなり苦戦しているようですね」
ジリリッ ジリリッ ジリリッ
北方兵「こちら北方司令部!」ガチャッ
騎士長『俺だ! 援軍回せるか!? こっちに魔王軍が迫ってる!』
北方兵「参謀様っ、北関からの電話です!」スッ
参謀「……参謀です」
騎士長『北関に魔王軍が侵攻してる、援軍を回してくれっ!』
参謀「そうしたいのは山々なのですが、こちらもそうはいかないようです」
騎士長『魔王軍か!?」』
参謀「まだ規模は分かりませんが……」
騎士長『あっちもこっちも、北の連中はどうしてんだ……っ!』
798 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 23:39:20.26 ID:GP63oW0Vo
参謀「最前線もかなり苦戦しているのかもしれませんね」
騎士長『仕方ない、何とか凌いでみる。そっちも気を付けてな!』
参謀「はい。出せる状態になれば、援軍を出させて頂きますので」
騎士長『すまんな。頼んだぞ!』ガチャッ
参謀「……やれやれ。お願いするどころか、頼まれてしまいましたか」
北方兵「参謀様っ! ドラゴンが1匹向かってきております!」
参謀「対空射撃用意っ!」
ジャキジャキジャキッ!!
参謀「弓兵の結界矢に合わせ、魔道兵は火行の援護を!」
魔道兵「了解ですっ!」
弓兵「撃てぇーっ!!」
ドンドンドンドンドンッ!!
ドラゴン「ゴッガアアアアァァァァーッ!!」
弓兵「当たらねぇ!! いや、当たっても致死には遠い……っ」
北方兵「もっとデカイやつじゃねぇと無理だ!」
799 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 23:39:54.37 ID:GP63oW0Vo
参謀「バリスタを出しなさい」
北方兵「はっ」
弓兵「ここを抜かれたら防衛拠点はないぞ! その意味は分かってるよなぁ!」
魔道兵「何としてもここで……食い止めるって事だろぉ!!」
ドドオオォォォォン!!
参謀「来ますよぉ! バリスタの護衛を!」
弓兵「早くしろぉ!!」
北方兵「こっちゃあ飛べねぇんだぞ! 無茶言うなぁ!」
ドラゴン「グガアアアアァァァァーッ!!」
ドドオオオオォォォォン!! ドッガアアァァッァン!!
魔道兵「バ……バリスタがっ!」
参謀「しまった……!」
北方兵「旋回してこっちに来る! 迎撃――」
弓兵「間に合わねぇよくそおおぉぉぉぉ!!」
参謀「……っ」
800 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 23:40:55.98 ID:GP63oW0Vo
ィィィィイイイイ……ドッズウウウウゥゥゥゥ!!
参謀「……!?」
弓兵「バっ、バリスタ!? どっから……」
参謀「……背後? しかしっ、バリスタはないはず……」
ガラガラガラッ……
――「……ったく、苦戦しやがって」
北方兵「!?」
――「全くだな。しかし、左翼長らは見当たらん」
弓兵「……っ!!」
――「おいおい、何をやってんだよまったくよぉ……ハッハ!」
参謀「あ……貴方達はっ!!」
バーテン「まだいんだろ? 早く新しいバリスタの準備をしろ」
戦士父「その間は俺達のバリスタでカバーする」
マジシャン「ボサっとしてんなよおい!」
参謀「え、あ……すみませんっ」
801 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 23:42:30.55 ID:GP63oW0Vo
北方兵「ドラゴン、再び来ます!」
参謀「くっ、バリスタはまだ準備出来ていないというのに……っ」
マジシャン「1匹くらいは何とかなっかなぁ」
参謀「……?」
マジシャン「ああ、リハビリの話だよ。なんせ錆びてた魔力だからよ……ハッハ」
参謀「……あ……っ!!」
ドラゴン「グゴアアアアァァァァ!!」
バシュウウウウゥゥゥゥ
参謀「グリフォン!? 一体誰が……っ」
師匠「コカちゃんじゃねーのがちょいと不満だけどなぁ! ガハハッ!」
グリフォン「だったら乗るな」
ドッドオオオオォォォォン!!
バーテン「おいおい、ドラゴンを一撃かよ……」
師匠「サタンに持ってかれたのは魔力だけじゃねーんだぞ!」
マジシャン「肉体も戻り、魔力での延命が不要になった。攻撃に全力を注げるってわけか」
802 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/11(土) 23:44:00.79 ID:GP63oW0Vo
戦士父「流石に全盛期のようにはいかんらしいがな」
師匠「……ちっ、仕留めそこなったか」
ドラゴン「グ……ウオアアァァァァ――」
マジシャン「おらよおおぉぉ!!」キュイイィィィィ
ドッドオオオオォォォォン!! ドゴッシャアアァァァァ!!
バーテン「再来のマジシャンに朱雀、全盛期の半分程度で恐ろしいもんだ」
参謀「こ、これで……全盛期の半分……っ」
バシュウウゥゥゥゥ……スタッ
師匠「あーだりぃ。こっから先は節約してくか」
マジシャン「ああ。俺達の狙いはサタンだ。無駄な魔力使ってる場合じゃねぇぞ」
戦士父「左翼長らは?」
参謀「北関におります」
バーテン「なんだよ、せっかく援軍に来てやったってのに」
参謀「そ、それでしたら……皆様に頼みたい事が!」
マジシャン「……あん?」
803 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 23:56:25.19 ID:LF7iYs9y0
>>1
おつんつん
師匠キター!
804 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 00:15:01.13 ID:qabUaGW3o
>>1
おつ!
師匠にマジシャン……涙でてくるなー
805 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 00:38:16.55 ID:HQgbSLvDO
>>1
乙!
ヒゲさんは開拓村最初期からいるんだったっけ?
始め集められた人たちは訳ありだったり何も持ってないような人たちだったよな
それが「俺の村」を命を懸けて守ったっていうのも感慨深いね…
806 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/02/12(日) 00:49:33.92 ID:HNMUpbtqo
>>1
乙
師匠……
807 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/12(日) 01:36:12.98 ID:YLUn2/6ro
>>1
乙
>>800
俺達のバリスタ♂
808 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/12(日) 01:37:36.10 ID:YLUn2/6ro
そして師匠・・・お帰り!
809 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/12(日) 02:10:25.21 ID:kASXXHdAO
>>1
おつ
810 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/12(日) 02:12:19.85 ID:H3b+sclCo
再来パーティが別働してるなんて胸熱。それもバーテンまでも同行とは!
あ、でもうっすら加齢臭する…
811 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 02:50:45.24 ID:zOWpAxUDO
いちょつ
思った以上に師匠あっさりしてんなw
みんなのリアクションが楽しみだ
812 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 02:52:22.64 ID:z6geaB5SO
いちおつ!
再来の大魔道士&朱雀に初代特遊隊長 一番槍 その上、赤構えに弓兄とか胸熱
それに初めは北に屯田制ってwwwwwwとか思ってたのに前線で活躍とかもうヒゲですよヒゲ。ヒゲとしか言いようが無い
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/12(日) 04:06:01.01 ID:cz0TDvYV0
>>1
おつ
師匠復活か
サタンを起こして魔族側にも何かしらの影響はあるのかな…?
814 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
[sage]:2012/02/12(日) 10:03:41.51 ID:FxSyD2dgo
師匠きたああああああああ!!
リアルに泣いた・・・
召喚士との再会が待ち遠しいぜ
815 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 13:35:01.39 ID:545PzbMDO
専属解除すればクリトリスが二体になるんだよな…
ゴクリ
816 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 19:12:11.65 ID:dbzf8haDO
>>815
お前の所為で思い出した
これ、行けっ!クリトリス!とかいうしょーもない下ネタだった
それが……あれ……?なんだこの超大作…
817 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/12(日) 19:13:15.01 ID:CLGqsIyZo
魔道士赤面
召喚士戦士と仲良くなる
スレが伸びるにつれてストーリー性出てきて今はこれ
818 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/12(日) 23:04:22.55 ID:qB7Oc231o
〜北の森、ババ様の家〜
ババ様「アンタの望みは、魔王城の攻略法だろ?」
天才「アンタは知ってんだろ?」
ババ様「だからそれを聞きに来たんだろ?」
天才「予言で分かってんだろ?」
ババ様「そうだとしたら?」
天才「ハナっから教えるつもりなんだろ?」
ババ様「予言で分かってんのかい?」
天才「だったらどうだってんだ?」
魔道士「……疑問系ばかりで何が何だか分からない」
戦士「ほっとけ。難しい話は干渉しないに限る」
死でも、俺らだって無関係なわけじゃないし」
戦士「聞いたって理解出来ん。代わりに聞いといてくれ」スタスタ
魔道士「行っちゃいました……っ」
召喚士「……っ」
819 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/12(日) 23:05:20.27 ID:qB7Oc231o
ババ様「それで、魔王城についてだっけ?」
天才「六道門の存在までは分かってんだ。この奥にあるって事もな」
ババ様「六道門・人だね」
天才「六道門の先には何があるんだ?」
ババ様「知らないよ」
天才「はぁ!?」
ババ様「アンタだって知ってるだろ? 魔王城の内部に入った人間は居ないって話だ」
召喚士「本当に居ないんですか……?」
ババ様「あたしの聞く限りじゃあね」
スクッ テクテクテク
魔道士「……?」
ババ様「ほれ、手紙だよ」
天才「誰からだよ」
ババ様「聖王様さ」
天才「――っ!?」
820 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/12(日) 23:05:57.07 ID:qB7Oc231o
占い師「聖王……って」
召喚士「確か、何百年も前の王様……」
ババ様「聖王様はね、ずーっとアンタらが来るのを待ってたのさ」
魔道士「……っ!」
ババ様「アンタらみたいな勇者が来るのを、ずーっと待ってたんだよ」
天才「……」カサッ
ババ様「もう随分と古臭い手紙だけどさ、変わらないものが今もあるのさ」
天才「…………」
ババ様「それは、世界を平和にしようって、想いだよ」
占い師「……本当にね」
召喚士「それで、手紙には何と?」
天才「六道門は全部で6つ。その全てを開門して初めてベルゼブブは倒せるらしいな」
召喚士「!?」
天才「ったくよぉ、めんどくせぇトラップ仕掛けやがって」
魔道士「何で……そんな事を……?」
821 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/12(日) 23:07:19.54 ID:qB7Oc231o
天才「さぁな。臆病なんだろベルちゃんはよ」
召喚士「6つの門……」
天才「そのうちの1つはこの森の奥、六道門・人だ」
占い師「あとの5つは?」
天才「魔王城の正面側にある六道門・地獄。それと六道門・畜生」
占い師「嫌な名前ね」
天才「んで、内部にある六道門・餓鬼と六道門・修羅」
魔道士「……あれ? あとの1つはどこにあるんです?」
天才「上」
召喚士「上……?」
天才「六道門・天。文字通り、死へと誘う天への門だ」
召喚士でも、上って空ですか!? どうやって門を……」
天才「それはもう開いてる。気にする必要はねぇ」
魔道士「な、何でそんな事分かるんですか……っ?」
天才「ここに書いてあるからだよ。聖王様の直筆でな」パシッ
822 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/12(日) 23:34:23.52 ID:FeTBEK6Po
>>1
乙
とうとう主人公がただの概念と化したか
823 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2012/02/12(日) 23:58:44.69 ID:68EUtiCAO
死「」
824 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/13(月) 00:25:51.18 ID:q7X72jKvo
あーあ戦士
フラグ立てちゃった
825 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 00:32:49.95 ID:O6X6SWCco
>>824
探偵居ないから大丈夫
826 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/13(月) 02:17:46.08 ID:U4PkX3uo0
いちおつ
六道門・人…いきなりネクロかよwww
827 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 04:30:23.81 ID:e7AqgFJDO
いちょつ
死わろたw
828 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:20:58.25 ID:juZCjIx3o
召喚士「つまり、残る5つの門を開けば、ベルゼブブは倒せると?」
天才「もちろん、ベルゼブブ本体も始末する必要はあるけどな」
占い師「……」
天才「とにかくまずは、六道門・人の開門だ」
召喚士「ですね」
魔道士でも、どうして聖王はここに手紙を残したんでしょう?」
天才「決まってんだろ、魔力がねーからこの森に入って来る事が出来たんだ」
ババ様「そういう事さ」
魔道士「それは分かってますけど、それなら最初から……」
天才「王宮や本国の連中にも伝えてはいただろうよ」
魔道士「……?」
天才「だがな、結局は都合の悪い連中に、歴史から抹消されちまったのさ」
召喚士「この森は魔力の少しでもある者が入れば、バフォメットの餌食になる……」
天才「聖王がそこまで把握してたかは知らんが、ようやくここまで辿り着ける刻が来たって事だ」
召喚士「それがあなたの言う、聖王が待っていたという事なんですね」
829 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:21:39.77 ID:juZCjIx3o
ババ様「そうじゃ。聖王はベルゼブブを倒せる力を持つ連中をずっと待ってたのさ」
占い師「……っ」
天才「正直なところ、六道門の存在は俺様も一部の記録しかなかったから公には出来なかった」
召喚士「でも、これで大義名分が得られましたね」
天才「ああ。聖王直筆の手紙。この存在があれば、他の連中も確信に至る」
ババ様「……行くのかい? 六道門・人へ」
天才「当たり前だろ。何しにここまで来たと思ってんだ」
魔道士「そうですよっ、もう少し……もう少しなんです!」
ババ様「悲しいねぇ」
占い師「……?」
ババ様「これも宿命かねぇ。悲しい事が多すぎるよ本当にね……」
天才「いずれは乗り越えなくちゃならねぇ事だ。それに、悲しみを越えてこそ真の強さがある」
ババ様「アンタはとうの昔に乗り越えたつもりでいる」
天才「あ?」
ババ様「泣くんじゃあないよ? 他の連中に示しが付かないよ」
天才「……バカにしてんのかテメェは」
830 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:24:38.61 ID:juZCjIx3o
…
ザッザッザッ
戦士「……しっかし、何とも奇妙な所だぜ」
盗賊「……」
戦士「ここに住んでる連中は、みんな予言の力を持ってるって事だよな?」
盗賊「だろうな」
戦士「何で、こんな所に住んでんだろうな? これじゃ魔物はあおろか、人と接する機会もねーぞ」
盗賊「……」
――「その為に、ここに住んでいるのだ」
戦士「……あんたもそうなのか?」
予言男「ああ、そうだ。僕は予言男。よろしくね、戦士くん、盗賊さん」
盗賊「――っ!!」
戦士「……予言の力か」
予言男「僕のは大局的なものではなく、個人的なものが深くみえる力でね」
戦士「名前程度はすぐにお分かりってか。凄いもんだ」
831 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:25:12.79 ID:juZCjIx3o
予言男「君らは全く、恐れたりはしないんだね」
戦士「今更だよ。その程度の事は何度も経験してきた」
予言男「そうか。強いんだな」
戦士「あんたらがここにいる理由……何となく分かった気がする」
予言男「……」
戦士「人と関わりたくねーんだろ? その、力のせいでさ」
予言男「そうだよ。こんな力は人を不幸にする事しか出来ない」
戦士「そんな事はねーだろ。人を救う事だって出来るはずだ」
予言男「そう行ってこの森から出て行った祖先も多数いる。だが、誰1人帰ってはこなかった」
盗賊「……」
予言男「共存なんて許されないのさ。我ら、予言の民はね」
戦士「やりもしねぇで、どうして分かるんだよ?」
予言男「……分かるさ。そういう運命なんだよ」
戦士「なぁ、あんたは自分の未来が予言出来るのか?」
予言男「残念ながら。予言の民は自分に関わる予言は一切見えない」
832 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:26:00.03 ID:juZCjIx3o
戦士「だったら分かんねーじゃんかよ。駄目かどうかなんてさ」
予言男「……」
戦士「それによ、運命は変えられるんだろ? そんな運命なら、自分の手で変えちまえよ」
予言男「僕は、戦士くんのように強くはないんだ」
戦士「ああ、弱いな。ちっぽけなくらい弱い」
盗賊「戦士」
戦士「何もしねーで卑下する奴は弱い。何かして駄目でも、それは弱さじゃねぇ。分かるか?」
予言男「……あ、ああ」
戦士「強さなんてのは色んな形がある。そん中で自分がどの強さなのか理解する事だ」
予言男「……」
戦士「何もしねーで弱いなんて言ってるのはな、慎重じゃねぇ。ただの臆病だ」
予言男「……そう……だね」
戦士「ここから出てった連中が帰って来ないのは、弱いからじゃねぇ。強さを手に入れたからだ」
予言「……強さを?」
戦士「ああ。仲間っていう強さを手に入れて、帰る必要がなくなったのさ」
833 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:29:28.04 ID:juZCjIx3o
予言男「!?」
戦士「予言男さんよ、あんたも強くなってみろよ」
盗賊「……」
戦士「外の連中はきっとあんたを受け入れてくれる。俺が保証する」
予言男「戦士くん……っ」
戦士「駄目ならまた帰ってくればいい。ただそれだけの事だろ?」
盗賊「そうだ。駄目で戻る事は恥ではないぞ。行動した結果、強さだ」
予言男「……」
戦士「なんなら俺が案内してやる! でもちょっと待っててくれ、先に魔王を倒してくっからよ!」
予言男「……ぷっ、あはは。戦士くん、君は本当に面白いね」
戦士「は……?」
予言男「ありがとう。戦士くんのお陰で少し変われた気がするよ」
戦士「あ、ああ……」
予言男「それじゃ、頑張って魔王を倒してくれ」
戦士「お、おうっ」
834 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:30:02.21 ID:juZCjIx3o
予言男「そしたら、僕も勇気を振り絞って、外の世界に出てみるよ」
戦士「そん時は声かけてくれよ!」
予言男「うん。きっとまた会える」
盗賊「予言の力か?」
予言男「見なくても分かるよ。そんな気がする」
戦士「そっか。楽しみにしてるぜ!」
予言男「うん。3人に会えるのをきっと楽しみにしてるよ!」
盗賊「……?」
予言男「それじゃまた! あ、そうそう。頭上には気をつけてね戦士くん!」
戦士「へっ?」
タッタッタッタッタッ
戦士「頭上……って、何だ?」
ヒュオッ……ズガン!!
戦士「……い……ってええぇぇ!!」
盗賊「あ、頭上……」
835 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:30:26.89 ID:juZCjIx3o
天才「何をサボってやがんだテメーは!」スタッ
戦士「いきなり脳天チョップかますなアホっ!!」
召喚士「あ、いたいた」
盗賊「話は終わったのか?」
天才「まぁまだ聞きてー事は山ほどあるけど、そんな時間はかけてらんねーしな」
ババ様「母親の事とかな」
天才「……」ピクッ
ババ様「おや、違ったかい?」
魔道士「母親……?」
ババ様「ああそうさ。この子の母親は魔道士ちゃん、アンタ――」
天才「関係ねーよ」
ババ様「……」
天才「これから死にゆく人間が、んな事聞いて今更どーすんだよボケ」
ババ様「冥土の土産じゃないかい」
天才「アホか、くだらねぇ」
836 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:30:57.98 ID:juZCjIx3o
ババ様「アンタはいいのかい?」
占い師「私?」
ババ様「何か、聞きたい事もあったんじゃないのかい?」
占い師「……今は別にいいわ。先にすべき事があるもの」
ババ様「そうかい」
占い師「落ち着いたら、またゆっくり聞かせて頂きます」ペコリ
天才「さて、寄り道に時間くっちまった。目的地に急ぐぞ」
召喚士「え、ええ」
魔道士「それでは、お邪魔しました」
ババ様「しっかりな。窮地でも決して臆するでないぞ。仲間がきっと助けてくれる」
召喚士「はいっ」
戦士「……さてと、目指すは魔王城か」
盗賊「ああ。ついにだな」
召喚士「……」
一同は森に住まう予言の民の下を離れ、魔王城を目指し進んで行った。
837 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:31:38.91 ID:juZCjIx3o
〜北方、北関〜
左翼長「援軍はどうだ!?」
騎士長「司令部も魔王軍の攻撃を受けてるみてーだ。しばらくは出せそうにもないな」
左翼長「ちっ。まさか援軍を出しちまったこっちがピンチとはな……」
北関兵「司令っ! 正門側より魔王軍の奇襲です!」
左翼長「迎撃しろぉ! 弓兵とバリスタに城壁の上から狙撃させろ!」
騎士長「ええい、使えるワーカーはいないのか! 誰でもいいっ、前線で兵の援護を――」
ジャリッ
騎士長「……?」
――「カモーン! リンドブルム!」
左翼長「召喚士かっ!!」
番長「いかにも。さぁ、援護は任せるでゴワス!」
親衛隊長「さぁ……レッツ、パーティーターイム!!」
バシュウウゥゥゥゥ!!
番長「カトブレパス、一気に殲滅するでゴワス!」
838 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:32:22.64 ID:juZCjIx3o
ゴッゴオオオオォォォォ!!
北関兵「うおぉっ! 魔物が一瞬で石化した……っ」
リンドブルム「ゴアアァァァァーッ!」
ドッゴオオォォォォン!!
北関兵「いけるっ、これならいけるぞ!」
騎士長「押し返せぇ! 一気に北関から遠ざけるのだ!」
弓兵「東側からも来ていますっ!」
左翼長「何ぃ!? 東門の守備は間に合うか!?」
北関兵「手薄ですっ! 特に魔道兵が足りておらず……」
騎士長「急いで手配しろ! くそっ、まさか東側とはな……」
左翼長「東方からの援軍が来ると思って手薄にしてたが、裏をかかれたか」
ズッドオオオオォォォォン!!
左翼長「な、何の音だ!?」
騎士長「東側……まさかっ、陥ちたのか……?」
左翼長「報告しろっ! どうした!」
839 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:33:02.87 ID:juZCjIx3o
北関兵「ひ、東側……援軍です!」
騎士長「な、何いぃ!?」
左翼長「どこの部隊だ!?」
北関兵「分かりませんっ、しかし……魔道士のようで……」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴオオオオォォォォ!!
火の先生「全く、国軍が聞いて呆れるわい」
水の先生「火の先生、愚痴はあとあと! 魔物が迫ってますよ!」
左翼長「あ、あれは……!?」
テクテクテク
学園長「私の我が儘に付き合って貰ったのですよ」
左翼長「学園長!? ど、どうしてここに……」
学園長「私達とて本国の者。そして多少なりとも力はあります。黙ってみているわけにはいきません」
騎士長「た、頼もしい限りですが……」
学園長「危険ですか? それならば、貴方達がいるじゃない」
左翼長「……っ」ドキッ
840 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:33:32.08 ID:juZCjIx3o
騎士長「よ、よし! 学園長らを援護しつつ、東の敵を追い払え!」
北関兵「おぉーっ!」
学園長「それでは引き続き、私達も参りますよっ」
火の先生「それそれぇーっ!!」
水の先生「じゃんじゃん弓を射るんだっ。いくらでも付加してやるぞっ!」
騎士長「これなら、何とかなりそうだな――」
ドドッドドッドドッ……
伝令「北より魔王軍、約2000が侵攻中!!」
騎士長「だあぁ!! 次から次へとぉ!!」
左翼長「本当は打って出て追い払いたいところだが……」
騎士長「バカ言え! 半数以上は防衛用の兵なんだぞ!」
左翼長「分かってるよ。篭城が俺らの仕事だからな」
騎士長「こっちだって出撃してーのは山々なんだよ」
左翼長「赤備えの血が騒ぐか?」
騎士長「そんなんじゃねぇ。戦う者としての性分だよ」
841 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:33:57.46 ID:juZCjIx3o
ドドドドドド……
左翼長「……ん!?」
騎士長「おい、誰か勝手に出撃したのか!?」
北関兵「ま、まさかっ」
騎士長「じゃああの騎馬隊は一体……」
ドドドドドド……ドォンッ!!
左翼長「――!?」
皇太子「待たせたな、北関は無事か?」
騎士長「陛下っ!!」
北関「へ、陛下だ! 陛下が来たぞおおぉぉ!!」
ワアアアアァァァァ!!
左翼長「ナイスなタイミングだ! 崩れ掛けてたがこれで見事に持ち直した」
帝「東方の皆よっ、本国の兵に負けても良いのか!?」
旗本「上様に恥をかかせるなっ! 武士道を見せてやれいっ!」
槍侶「うおおぉぉぉぉーっ!!」
842 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:34:42.39 ID:juZCjIx3o
ドドオオオオォォォォ
左翼長「よーし! これで東側の連中は正門側にまとめてやったぞ」
ドドdッドドッドドッ
将軍「無事か!?」
騎士長「そっちは?」
将軍「東方の援軍がかなり大きい。私はここに防衛として加わるぞ」
騎士長「助かるぜ!」
将軍「陛下と東方の皆はこのまま川中島を目指すそうだ」
左翼長「東方司令部はどうした!?」
将軍「既に北へ向かっている!」
左翼長「了解だ。すまんが早速m、防衛にあたってくれ」
将軍「おもったより少ないな……っ」
左翼長「他からの救援が多くてな。一通り派遣しちまった」
将軍「防戦向けのワーカーと兵か。まぁ仕方ない」
左翼長「防衛線はお手のものだろ? 頼むぞ!」
843 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:35:37.31 ID:juZCjIx3o
〜北方、地獄の壁〜
青龍士官「なっ、何だあのバケモノは……っ」
アマゾネス「おさげっ! 色黒っ!」
色黒「……く……うぅ」
ポニテ「何なのよおおぉぉ!!」
竜騎士兵「い、一撃で上空の半数近くを……落としただと……!?」
青龍兵「援軍はまだかよぉ! この人数じゃ……限界があるっ!」
黒い物体「アアオオオオオオォォォォォ!!」
カッ!! ズッドオオオオォォォォン!!
ツインテ「ふにゃああぁぁぁぁ!!」
青龍士官「空は狙い撃ちだれるっ、一旦地上に降りるんだ!」
竜騎士「了か――」
バシュンッ!! ズッガアアアアァァァン!!
青龍兵「くっそぉ!! 隊長っ、なんなんですかアレは!?」
青龍士官「……着陸しろ」
844 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:36:59.08 ID:juZCjIx3o
青龍兵「隊長ぉ!!」
青龍士官「いいから早く降りるんだ!!」
青龍兵「……っ」
バシュウウゥゥゥゥ……スタッ
青龍士官「被害は?」
アマゾネス「3人やられた……っ。1人は軽傷だが、あとの2人はすぐに戦うのは難しい」
青龍士官「……すまんが、戦えるものは手を貸してくれないか?」
アマゾネス「……それはもちろんだ。あいつらがやられて、そのまま黙って引き下がれるか」
竜騎士兵「どうします? あの攻撃はちょっと厳しいですよ」
青龍士官「俺が1人、空中で囮になる。全員で地上と低空から一斉攻撃を仕掛けてくれ」
アマゾネス「!?」
青龍兵「無茶ですよっ! 死ぬ気ですか!?」
青龍士官「死にはせん。俺の腕をなめているのか?」
竜騎士兵「いくら隊長の腕とはいえ……あの中を飛行するのは……」
青龍士官「時間がない。とにかく配置につけ。あとは何とかする」
845 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/13(月) 18:37:25.09 ID:juZCjIx3o
中途半端ですがここまでにて!
本日もご支援ありがとうございました!では失礼!ノシ
846 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 18:39:22.14 ID:HxhQWCYA0
>>1
乙
出たよドSwwwwww
847 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/13(月) 20:46:33.13 ID:ecTPbTso0
>>1
おつ
これから天才が泣くようなことが起こるのか……
848 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/13(月) 21:40:54.09 ID:v6z1TGJpo
>>1乙
役割とはいえ北方司令部の活躍するところはなさそうだな
849 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 23:31:12.20 ID:PU9JFJB20
>>1
おつんつん
青龍士官フラグ建ってるけど大丈夫かなぁ。。。。。
850 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/02/13(月) 23:41:29.23 ID:P/gqra6+o
気になるところ多々だなもう気になってしょうがない
851 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/14(火) 00:09:24.10 ID:of26FpX/o
はらはらwkwk
852 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/14(火) 01:17:54.59 ID:Sq4XBg3AO
>>1
おつ
853 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/15(水) 15:45:52.71 ID:YGHpdfYi0
復活
854 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 16:14:42.51 ID:I6FXJVWIO
大人しく待つ
855 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 16:22:40.98 ID:4uGS3LMR0
バレンタインデーにおちるとはw
856 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 16:25:59.15 ID:6eAuR8gDO
復活ぅぅぅぅ!!!
繋がらない間そわそわしっぱなしだったぜー
857 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 17:34:02.56 ID:nq+ZLTgIO
バレンタインデーだから運営もおれたちも忙しかったんだろwwwwww
言わせんな
858 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 17:59:03.25 ID:7OmZsL2fo
…
アマゾネス「彼は大丈夫なのか?」
竜騎士兵「大丈夫なわけあるか!」
アマゾネス「……だろうな。分かった、私も行ってくる」
竜騎士兵「あっ、おい!!」
バシュウウゥゥゥゥ
青龍士官「さてと、俺に出来るだろうか」
ワイバーン「ふっ、もはや特攻だなこれは」
青龍士官「笑うなよ。兵が見ている」
ワイバーン「さーて、行こうか。死出の羽ばたきへ」
青龍士官「……青龍先生、どうか導いて下さい」
黒い物体「アオオオオォォォォ!!」
ギュイイィィィィ……バッシュウウウウゥゥゥゥン!!
青龍士官「かわすううぅぅ!!」
ワイバーン「オオォォォォ!!」
859 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 17:59:25.73 ID:tviY3ABA0
今日誕生日なんだが…
昨日も今日も暇だったお
860 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 17:59:29.61 ID:7OmZsL2fo
上空を拡散する閃光。その中をワイバーンが縦横無尽に飛行する。
張り巡らされた蜘蛛の糸の間を縫うような、針の穴を通すような作業。
全神経を集中させた回避行動。その作業は困難あどの一言で済むものではない。
青龍士官「……見える、見えるぞ!」
バッシュウウウウゥゥゥゥ!!
ワイバーン「もっとだ、もっと魔力をよこせ!」
青龍士官「おおぉぉぉぉ!!」
閃光が止む事はなく、3度、4度と撃ち放たれている。
それを回避する事は容易ではない。しかし、回避している。並外れた努力ではない。
そこまでのレベルに到達したのは青龍士官の努力であり、才能である。
しかしその閃光を回避するにはワイバーンにおいても高速を要する。
消費する魔力は膨大であり、ワイバーンはそれを求め続ける。
青龍士官もそれに応じて魔力を差し出し続けるが……。
ワイバーン「青龍士官っ、どうした!?」
青龍士官「……っ」
861 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:00:03.54 ID:7OmZsL2fo
先程より連戦をこなし、かつ、バハムートの召喚までも行っていた。
青龍士官の魔力は思いの外、残量は少ないものであった。
ワイバーン「速度が落ちるぞ! これでは……っ」
青龍士官「もう少しだぁ! 地上からの攻撃が始まるまでええぇぇ!」
ゴアッ!!
ワイバーン「くっそおおぉぉ!! 防御しろっ、当たるぞ!!」
青龍士官「――っ!!」
ドガアアァァァァ!!
青龍士官「…………!?」
オルトリンデ「あとは……頼むわよ……」ボシュッ!!
ヘルムヴィーゲ「私らが盾になるから――」ボシュッ!!
青龍士官「ワルキューレ……!? な、何故……っ」
ブリュンヒルデ「主も長くは持たないっ、早く……頼むわよ!」
青龍士官「!?」
アマゾネス「くっ、ううぅぅぅ!!」
862 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:01:04.37 ID:7OmZsL2fo
青龍士官「何をしているっ!! 退がるんだ!!」
アマゾネス「お前にだけ……任せてはおけない!」
黒い物体「オアオオオオオォォォォ!!」
ブリュンヒルデ「さ……せないいぃぃ!!」
ドッゴオオォォォォン!! ボシュンッ!!
アマゾネス「あぐぅ……っ」
青龍士官「枯渇するぞ! もういいから退がれ!」
ワイバーン「人の心配をしている場合か!」
キュイイィィィィ……バッシュウウウウゥゥゥゥン!!
アマゾネス「しまっ――――」
青龍士官「うおおぉぉぉぉ!!」
バチイイィィィィ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
ポニテ「長ぁーっ!!」
シュウウゥゥゥゥ……
青龍士官「……ぐ……っく」
863 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:01:31.07 ID:7OmZsL2fo
アマゾネス「何故っ、庇って……」
竜騎士兵「隊長っ! まずいっ、落ちる……」
ツインテ「誰か……助けてぇ!!」
ガシィ!!
青龍士官「…………?」
ハーピー「大丈夫〜? うふふっ」
アマゾネス「ハーピー……? だ、誰……」
ザッザッザッ
朱雀嬢「何者かは知りませんけれど、これ以上はさせませんわ!」
玄武娘「ですのっ!」
青龍士官「あ……れは……」
朱雀嬢「さぁ、魔物を倒しますわよ!」
玄武娘「はいですの! リヴァイアサン、いくですのー!」
リヴァイアサン「グアオオオオォォォォ!!」ビリビリビリッ
青龍兵「リ、リヴァイアサンだとぉ!?」
864 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:02:09.52 ID:7OmZsL2fo
ドッドオオオオォォォォン!! ズガガガガアアァァァァ!!
黒い物体「……ッ」ザザッ
スタッ ザザァ
朱雀嬢「大丈夫かしら?」
青龍士官「す、すまない……っ。助かった」
朱雀嬢「傷は浅いみたいですわね。あとは任せてですわ」
玄武娘「あの魔物は何ですの?」
青龍士官「分からぬ。ベヒーモスのようだが……」
玄武娘「近づいてくるですのっ!」
黒い物体「アオオオオォォォォーッ!!」
ズッズウウゥゥゥゥン
竜騎士兵「な、何だあれはっ!!」
近づく黒い物体は月明かりに照らされ、徐々にその正体を明らかにする。
巨大なベヒーモスの体。その頭部にはベヒーモス以外の何かがある。
角のように生えているそれは、人間の上半身であった。
865 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:02:46.77 ID:7OmZsL2fo
両腕のない、口は半開きとなり、白目をむいた生気を感じぬ人形のような姿。
それはかつて、東方司令部の副司令を務めていた男。
それはかつて、ベヒーモスを召喚する側の存在であった男。
人間と魔物が合体したその存在は、もはや物体と呼ぶ以外に手立てはなかった。
黒い物体「オオアアアアァァァァー!!」
朱雀嬢「なんなのよ……これはっ!!」
玄武娘「うえぇ……っ、気持ち悪いですの……」
竜騎士兵「言ってる場合か! くるぞぉ! 迎撃ーっ!」
ドッドオオォォォォン!!
青龍兵「ごわっ!」
玄武娘「なんて力ですのおおぉぉ!!」
バチィッ!! ズザザザザアアァァ
玄武娘「擦りむいたですのぉ、女賢者さぁん!」
朱雀嬢「とっくにはぐれたですわよっ! ガマンなさいな!」
玄武娘「うええぇぇ」
866 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:03:37.91 ID:7OmZsL2fo
青龍士官「奴は拡散攻撃を持っている。地上からだけでは的になるだけだ」
玄武娘「どうすればいいのですのおぉ!?」
青龍士官「地上と空、2点より攻撃を仕掛けるのだ」
朱雀嬢「地上と空……」
ドッヴォオオオオォォォォ!!
朱雀嬢「それでっ、作戦は……どうするの!?」ザザッ
青龍士官「上空で囮になりっ、攻撃をひきつける……のだ!」ゴロゴロッ
玄武娘「どうすればいいんですのおおぉぉ!?」ヒョイッ
青龍士官「俺が囮を務めたいところだが、先程ので魔力が……」スタッ
アマゾネス「……私もだ」ズザァ
竜騎士兵「分かってますよ、ここは俺らが――」
朱雀嬢「わたしが行きますわ」
玄武娘「朱雀嬢ちゃん!?」
青龍士官「……いけるのか?」
朱雀嬢「攻撃を引きつければ宜しいのでしょう? 速さならば、誰にも負けませんわ!」
867 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:04:15.28 ID:7OmZsL2fo
…
青龍兵「いいか? 俺らが召喚獣を出してダミーになる」
竜騎士兵「嬢ちゃんはその隙に空へ出てくれ!」
朱雀嬢「了解ですわっ。さぁ行きますわよ……ペガサス!」
ペガサス「青龍の世話になるとはな。不思議なものだ」
バシュッ!! シュウウウウゥゥゥゥ!!
竜騎士兵「いっけぇ! ワイバーンを飛行させろぉ!」
青龍兵「なんだか、久し振りだよな」
竜騎士兵「……?」
青龍兵「こうやって地上からワイバーンを眺めて、召喚するのってさ」
竜騎士兵「そういやそうだな。昔はこれが当たり前だったんだけどな……」
青龍兵「ああ。でも今じゃ寂しいもんだよな、一緒じゃねぇってのはさ」
竜騎士兵「本当だよな。いつからか、召喚獣の背に自分の身を預けるのが当たり前で……」
青龍兵「心地良くなってたよな。これが本当の姿なのかもな。俺達、人間と召喚獣のさ」
竜騎士兵「そうだな。心を通わせて対話して、当たり前の事なのにな……」
868 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:04:46.50 ID:7OmZsL2fo
バシュウウウウゥゥゥゥ
ワイバーン「朱雀の、我らが壁になる。うまくやれよ!」
リンドブルム「貴様らに手を貸すわけではないが、白虎よりは数段マシだ」
ペガサス「此方とてそのつもりだ。それに我が意思は背上の主に委ねておる」
朱雀嬢「……!?」
ペガサス「我は我が主が好きで、動いているだけの事」
朱雀嬢「ペガサス……っ」
ワイバーン「フッ、麗しい話じゃないか」
ペガサス「貴様等は違うのか?」
リンドブルム「昔は違ったさ。人間など我らをただ利用するだけの存在。興味も関心もなかった」
ワイバーン「だが今は……人間が好きだ。人と言葉を交わし、好意を持ったよ」
ペガサス「……プライドの高い青龍連中も、変わったものだな」
リンドブルム「さぁ、お喋りはここまでだ。行くぞ!」
ワイバーン「しっかり頼むぞ、朱雀の!」
朱雀嬢「……任せてですわっ!!」
869 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:05:17.38 ID:7OmZsL2fo
バシュウウゥゥゥゥ……ゴオオォォォォ!!
黒い物体「オアオオオオォォォォーッ!!」ビリビリッ!!
キュイイイイイィィィィ……
ワイバーン「来るぞぉ!!」
バッシュウウウウゥゥゥゥン!! ドッドオオオオォォォォン!!
リンドブルム「空の王者たる青龍を……なめるなよおおぉぉ!!」
数百にも及ぶ閃光は夜空を昼間のように照らした。その眩さは前線からも目視出来る程である。
それ程までに強烈な光は、1匹、2匹と青龍召喚獣を消滅させていった。
ワイバーン「まだ……まだああぁぁ!!」
リンドブルム「行けいっ!! 光の軌跡……しっかりとその目に焼きつけよ!!」
ズガガガガアアァァ!! ボンッ!! ボシュウウゥゥ!!
朱雀嬢「……っ」
ペガサス「くぐり抜けたぞっ!」
朱雀嬢「せめてもの……っ、一撃いいぃぃ!!」
ペガサスが放つ無数の流星が、黒い物体の頭部を捉えた。
870 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:05:54.29 ID:7OmZsL2fo
ズドドドドドドド!!
黒い物体「アアアアオオオオオオォォォォォォ!!」
ペガサス「ちぃっ、効いてないか」
朱雀嬢「構いませんわ。こちらの狙いは倒す事ではありませんもの」
ペガサス「そうだったな。ここからが本番だ」
朱雀嬢「さぁ、鬼ごっこですわ!」
黒い物体「オオアアアアァァァァ!!」
キュイイイイィィィィ……バッシュウウウウゥゥゥゥン!!
ペガサス「来たぞ!」
朱雀嬢「一度見ていますわっ! かわしてみせる!」
またしても放たれる閃光の中を、めまぐるしく動き回る朱雀嬢を乗せたペガサス。
戦いのさなかではあるが、華麗に舞う天馬はとても幻想的なものである。
当たらぬ攻撃。それを察してか黒いベヒーモスのようなそれは、次第に閃光を増した。
拡散する光はその全てが上空へと向けられ、朱雀嬢とペガサスに照準を合わせる。
やがて黒い物体の上半身もが空を向き、地上からの隙を見出した。
871 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:06:26.59 ID:7OmZsL2fo
青龍士官「今だああぁぁ!!」
若き士官の号令が周囲に響き渡った。それを皮切りに無数の召喚獣が舞う。
ある者はワイバーンの背に身を預け、突撃しまたある者は全身全霊の魔力を、
信頼すべき相手である召喚獣に託し、敵を討つべく疾走させる。
アマゾネス「これで……決める!!」
竜騎士兵「ワーカーに負けていられるかぁ! 我らはっ、選ばれし竜騎士隊だぁ!」
ポニテ「私だってぇ、役に立ってみせるんだからぁ!」
玄武娘「朱雀嬢ちゃん……頑張ってるですの」
リヴァイアサン「ゴアアアアァァァァ……ッ」
玄武娘「私だって……やってやるですのおおぉぉ!!」
リヴァイアサン「ガアアアアァァァァ!!」
ドッドオオオオォォォォン!! ズッガアアアアァァァァン!!
青龍士官「空を駆け、猛攻を掻い潜り仕掛ける力はもう残されてはいない」
黒い物体「オアアオオオオォォォォ!!」
青龍士官「それでもっ、まだあと一撃を放つ程度の魔力は……残っている!!」
872 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:07:33.60 ID:7OmZsL2fo
シュイイィィィィン
青龍士官「バハムート……最後の一撃っ、見舞ってやろうぞ!!」
バハムート「ゴッガアアアアァァァァ!!」
地上を這うバハムート。空を制する王のあるまじきその姿。プライドなどそこにはない。
それでも、青龍士官とバハムートの振る舞いは勇敢であり尊大であり猛者であった。
バハムートは一度、大きく首を空へと向けると、口内よりとてつもない光を一気に放った。
一直線に黒い敵へと向けられた光は、豪快な爆発音を立てて対象へと直撃する。
ドッズオオオオォォォォン!!
黒い物体「……オオ……アアアアァァァァ!!」
青龍士官「撃ち抜けええぇぇぇぇ!!」
竜騎士兵「隊長の攻撃に合わせろ! 奴を……ブチ破れぇ!」
青龍兵「おおぉぉぉぉ!!」
追撃に次ぐ追撃。その相乗効果により、バハムートの放った一撃が大きく膨れ上がった。
攻撃は黒い物体の顎部を下から押し上げ、その咆哮を打ち消した。
そして眩い一撃は顎を貫き、額上に生えていた人であったものを一撃の下に消滅させた。
873 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:08:18.71 ID:7OmZsL2fo
ドッゴオオオオォォォォォォ!!
玄武娘「とどめ……ですのぉ!!」
朱雀嬢「くらえですわ!!」
ガカアアアアァァァァ!! ズッガアアアアァァァァン!!
リヴァイアサンとペガサスによる最後の攻撃が、頭部を吹き飛ばされた黒い体を襲う。
攻撃の為か生えていた宿主の消失の為か、巨体は腐り果てたように溶け出し、
骨を剥き出しにしながらその場に崩れ落ちると、やがて霧散するかのように消えていった。
コオオオオォォォォ……
竜騎士兵「お、終わったのか……?」
ポニテ「やった……のよね……っ」
バシュウウゥゥゥゥ スタッ
朱雀嬢「玄武娘っ、魔物は?」
玄武娘「倒したですのー! やったですの!」
朱雀嬢「……そう。ふーっ、何とかなって良かったですわ」
玄武娘「大勝利ですのっ!!」ニコッ
874 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:09:26.66 ID:7OmZsL2fo
ザッザッザッ
青龍士官「ご苦労だった。感謝するぞ」
朱雀嬢「いえいえ、お気になさらずですわ」
玄武娘「そうですの! みんなの力で倒したんですの!」
アマゾネス「あの時よりもまた更に、強くなったのではないか……?」
朱雀嬢「どうなのかしら。まぁ、迷いがなくなって……吹っ切れた感じですわ」
アマゾネス「そうか」
朱雀嬢「さーて、私達はこれで失礼致しますですわ」
アマゾネス「もう行くのか?」
朱雀嬢「北ではもっと激しい戦いが続いているはずですわ」
玄武娘「そうですの! 私達の目的はそこですの!」
朱雀嬢「それでは失礼」フワッ スタスタスタ……
竜騎士兵「……年頃の少女にしか見えないんだけどな」
青龍兵「す、すげぇモンだよ……っ」
青龍士官「それはそうだろう。お前らでは足元にも及ばぬ存在かもしれんぞ?」
875 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:10:04.81 ID:7OmZsL2fo
アマゾネス「……?」
青龍士官「何と言っても、玄武先生の実孫と朱雀本家の正当な後継者だからな」
竜騎士「――っ!?」
青龍兵「う、噂には聞いていたが……あれがそうか……っ!」
青龍士官「……さて、こちらも少し休憩したら、すぐに北へ戻るぞ」
竜騎士兵「了解です! 手の空いているものは現場検証と戦闘報告をまとめろっ!」
おさげ「長〜っ」タッタッタッ
アマゾネス「お前ら……っ、大丈夫か!?」
色黒「な、何とかぁ……」
アマゾネス「そうか、良かった」
青龍士官「もし傷を致したり休息を取るならば、この壁沿いに進めば北関が……」
アマゾネス「構わぬ。このまま我らも北を目指すさ」
ポニテ「そうよっ。あの2人が我慢してるってのに、こっちが休んでいられないわっ!」
竜騎士兵「おぉっ、日の出だ!!」
青龍士官「……さて、どう出る魔王軍」
876 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:10:49.03 ID:7OmZsL2fo
〜北方、川中島〜
南方副司令「逃がすかこのヤロウ!!」ドッゴオオォォ!!
白馬騎士「側面からあたれっ! 今なら切り崩せるぞ!」
剣士「おおぉぉーっ!!」ザシュウウゥゥ!!
眼鏡「……日の出だ」
ジュニア「よーし! これでアンデッドどもは出てこれねぇぞ、ハッハ!」
魔法剣士「他の魔物も退いているな」
ジャーン!! ジャーン!! ジャーン!!
西方参謀「追撃の合図だ、深追いはするなよぉ!」
西方副司令「司令に続けぇ〜っ!」
ドドオオォォォォ
大軍師「初日はひとまず、乗り切りましたかな」
青年兵「大変なのはこれからですけれどね」
大軍師「ええ。追撃で1キロ……いや、2キロは押したいところです」
青年兵「そろそろだとは思うんですが……」
877 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:11:29.45 ID:7OmZsL2fo
ドドッドドッドドッ……
伝令「ご報告致します! 東側より東方司令部、及び東方国からの援軍到着っ!」
青年兵「来たかっ!!」
伝令「更には、北の森を攻略した陛下が合流との事でございます!」
青年兵「――っ!?」
大軍師「やりましたか。これは頼もしい限りです」
青年兵「……よし。援軍に合流し、東側を中心に戦線を押し上げるのだ!」
大軍師「前線の騎士団長を後退させるよう」
伝令「かしこまりました!」
ドドッドドッドドッ……
国軍兵「大元帥っ! 西側、追撃の隙を突かれ、魔王軍が反転致しました!」
青年兵「何!?」
大軍師「やってくれますね」
青年兵「仕方ない。本体を西へ流しつつ、そのまま北上して魔王軍を押し返すのだ」
エリート「いや、それには及ばぬようだ」パッカパッカ……
878 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:11:58.92 ID:7OmZsL2fo
青年兵「どういう事ですか?」
エリート「報告致せ」
伝令「はっ。西国からの援軍が間もなくこちらへ到着するとの事です!」
青年兵「!?」
北方兵「なっ、何だあれは!?」
大軍師「どうしました?」
騎士団「山が……動いている……っ!!」
青年兵「山……?」
ドドドドドド……
エリート「ど、どういう事だ!? 本当に山が動いているぞ!!」
大軍師「……いやっ、あれは山ではないようですよ」
青年兵「あれは……っ!!」
ドドドドドドッ!! ドドオオォォォォ!!
王子「いけぇーっ! このまま山を下り……魔王軍へ突撃を敢行する!」
セクメト「オオオオォォォォ!!」
879 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:12:32.66 ID:7OmZsL2fo
西国兵「陛下に続けぇ! スフィンクスっ、まっすぐ突っ込めー!」
大軍師「西国の召喚獣……セクメトにスフィンクス……」
エリート「山の正体はあれか……っ」
ドッガオオオオォォォォン!!
オーガ「な、何だコイツら――」ゴシャッ!!
西国兵「ブチかませぇ!!」
西方司令「重い物を背負った連中だな。我らも負けてはいられぬぞ!」ブワッ
西方魔道長「泣いてる場合かいっ! さっさと援護するよ!」
ドドオオォォォォ……
大軍師「これで戦線は保てましたね」
青年兵「工兵っ、すぐに築城の準備を! 一夜で築きあげるのだ!」
エリート「本当に……可能なのか?」
大軍師「簡易的な城ですからね。一番の問題である資材の輸送はあれが助けてくれますから」
エリート「川か。考えたな」
大軍師「上流より小船と筏で流せば、手配は可能ですからねぇ」ヒラヒラ
880 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:13:13.90 ID:7OmZsL2fo
ドッズウウゥゥゥゥン
王子「遅くなってすまぬ。かろうじて間に合ったかな?」スタッ
青年兵「お陰様で無用な兵を動かさずに済みました」
王子「それは何より。実は手間取ったのにはわけがあってな」
大軍師「最北の村ですか?」
王子「いかにも。魔王軍の強襲を受けていた」
エリート「大丈夫なのか!?」
王子「そちらも魔物は殲滅した。多少の被害はあったようだがな……」
青年兵「そうですか……」
エリート「まずは初日の被害状況を確認する必要があるな」
大軍師「ええ。それにはまず、前線の撤退と東側の援軍が此方に合流してからですね」
エリート「陛下が到着したのか!?」
青年兵「はい。先程、そのような伝令が入りました」
エリート「そうか。これで優位に進める事が出来るな……!」
青年兵「各指揮官と主要人物をここへ集めよ! 築城の手は休めるな!」
881 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:13:58.94 ID:7OmZsL2fo
〜北の森、入り口〜
女賢者「……うぅ、また迷った……。朱雀嬢ちゃんと玄武娘ちゃん、どこに行っちゃったんだろ」
テクテクテク
女賢者「この森の中かな? 行ってみよ――」
ガシッ!!
女賢者「きゃっ!?」
男隊員「こんな所で何してやがる! ここがどういう場所か分かってんのか!?」
女賢者「はああぁぁ!! 人だぁ! 良かった〜んふふっ」
女隊員「あれ? この人って確かワーカーの……」
ボス「上位ワーカーの女ですよね?」
男隊員「何で単独行動してんだ? 特務か?」
女賢者「ちょっと聞いてよ〜」
格闘家「何かワケありのようですね」
男隊員「分かった分かった、聞くから何だってんだよ」
女賢者「実はそのぅ……」
882 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:14:48.82 ID:7OmZsL2fo
…
格闘家「……」
ボス「……」
男隊員「……なぁ、それ何ていうか知ってるか?」
女賢者「遭難?」
男隊員「迷子っつーんだよバカ!!」
女賢者「ひえぇっ」
男隊員「心配して損したぜ全く……」
女賢者「ごめんなさい〜」
女隊員「でも、放っておくわけにはいかないッスよねぇ」
格闘家「連れて行きますか?」
男隊員「……メンドクセーけど、まぁ役に立ちそうだしな」
女賢者「ありがとう〜んふふっ♪」
ボス「それでは行きますか?」
女隊員「本当に森の中に入って、大丈夫なんスよね?」
883 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:15:52.25 ID:7OmZsL2fo
男隊員「報告じゃ陛下が中のバケモンを倒してくれたらしいからな」
格闘家「俺が、入ってみます」
男隊員「おう。死んだら墓はここでいいか? ヒャハハ!」
女隊員「不謹慎な事を言わないッスよ!」
格闘家「……行ってきます」
ザッザッザッ……
格闘家「問題なさそうです。多分」
ボス「大丈夫みたいっすね」
男隊員「おーし、そんじゃこのまま、魔王城の裏側を目指すぞー」
女賢者「おーっ!」
ボス「おーって……気楽な人だな……」
女隊員「やる気があっていいじゃないッスか! さぁ行くッスよー!」
ボス「お、おー」
男隊員「あんた、名前は何だっけか?」
女賢者「女賢者です、ヨロシクね〜んふふっ♪」
884 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:18:11.58 ID:7OmZsL2fo
〜北の森、内部〜
戦士「日が昇っちまったな」ザッザッザッ
魔道士「結構歩きましたけど、まだ着きそうもないですね」
天才「丸1日はかかんだろ。相当距離あるからな」
占い師「そんなに……っ?」
天才「イヤなら帰っていいぞー。どうせお前は役に立たん。ハーッハッハ!」
召喚士「……」
盗賊「とにかく、このまま進むしかなさそうだな」
天才「どうせ魔物なんざ出ねーし、今のうちに魔力なり回復させとけ」
召喚士「ええ……」
天才「こっから先は連戦だろうし、まぁ途中で仮眠も取りながら進むぞ」
戦士「そんなノンビリで大丈夫なのかよ?」
天才「むしろ早いくらいだ。主戦場は3日は動きもねーだろうし」
魔道士「そうなんですか?」
天才「そんだけデカイ戦だ。一部だけじゃなく大局を見とけって話。ハーッハッハッハ!」
885 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:19:33.46 ID:7OmZsL2fo
〜川中島〜
ドドッドドッドドッ
騎士団「遅くなって申し訳ない!」
大軍師「おや? 騎士団長殿は?」
騎士団「負傷の為、今は治療にあたっておりまする」
青年兵「大丈夫なんですか!?」
騎士団「本人は問題ないと……」
ドドッドドッドドッ
皇太子「戦況はどうか!?」
エリート「陛下っ、ご無事で!」
皇太子「ああ、心配無用。森の魔物は何とか成敗した」
青年兵「皆様もご苦労様です」
帝「微弱ながら助太刀させて頂くぞ」
名代「将軍殿は北関に駐屯、東方司令部は前線の交代を致しました」
大軍師「分かりました。それではこれで全てのようですね。始めると致しましょうか」
886 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 18:19:48.33 ID:gMq7dPXJo
>>859
俺と誕生日一緒だなwwww
おめでとう
887 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:21:33.51 ID:7OmZsL2fo
集まった諸将が設置された円卓を囲み、地図を食い入るように見つめる。
大軍師「まずは初日の動きをご説明致します。布陣については簡略に説明致します」
青年兵「総兵力は37万あまり。うち、多国籍軍が20万、ワーカーが17万」
大軍師「戦役という広い視野で言えばそうですが、主戦場における兵は、
西国軍の3万と東方軍、及び東方司令部、海峡の4万を除く30万」
青年兵「北関のワーカーが16万程度。北方司令部や北関などの拠点にいる兵を除き、
川中島に駐屯する兵力はざっと12〜13万というところでしょう」
皇太子「どれ程の被害だ?」
大軍師「詳細はこれからですが、前線の大隊壊滅状況などから見ますと……」
青年兵「3000近くは失ったと考えております」
皇太子「情けない。そんなにもの命を失ったというのか……っ」
エリート「状況から判断すれば、少ない被害です」
皇太子「そういう問題ではない」
青年兵「陛下の仰る通りです。命の大きさに大小はありませんから」
大軍師「次に、西側の戦況です。お願い出来ますか?」
王子「うむ。西国軍はほとんど無傷といっても過言ではない」
888 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:22:36.61 ID:7OmZsL2fo
白馬騎士「おぉ……っ」
王子「北関を出陣してから魔王軍の小規模部隊を幾つか撃破し、
そのまま補給地点である最北の村へ入った」
大軍師「そこで更に、交戦されたのですよね?」
王子「交戦とは言っても、ほとんどは屯田兵の皆が奮闘してくれた結果だ」
皇太子「……」
王子「そこからは強行軍の為に、軍馬は西国兵長に後から向かわせている」
青年兵「それで召喚獣を……」
王子「ああ。山を越えるにはその方が格段に早いからな」
大軍師「了解致しました。他の部隊は?」
西方参謀「こっちは一時、崩れかけたが、まぁ何とか踏ん張った」
西方副司令「死者は分かっているだけで70名程度。負傷者は300余りというところです」
西方司令「重いものを失ってしまった……ぐくっ」ツツーッ
大軍師「戦果を見れば殊勝ですよ。流石です」
青年兵「東側の様子はいかがですか?」
889 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:23:31.43 ID:7OmZsL2fo
南方司令「特に被害はないな。あまり激しい交戦はなかったからな」
南方参謀「東側は割りと手薄で、どっちかって言うと魔王軍は中央寄りに流れていたわ」
大軍師「……成程」
青年兵「他には?」
皇太子「バフォメットの討伐は完了した。天才と召喚士らはそのまま森を進んでいる」
名代「北関なる場所で敵と交戦中でありました」
青年兵「確か、将軍が駐屯したと」
皇太子「うむ。5000程を北関に回した」
エリート「5000か……」
大軍師「伝令の話では、地獄の壁付近に張り付いた魔王軍がかなりの箇所にいるらしく、
その掃討の為に、かなりの援軍を出したそうですよ」
青年兵「その隙を突いて、北関を狙われたか……」
大軍師「北方司令部も同様のようですね」
青年兵「……中央はどうです?」
白馬騎士「騎士団長殿が前線となり、かなりの数を食い止めました」
890 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:23:59.19 ID:7OmZsL2fo
剣士「しかし、やはり正面からぶつかっただけあって……被害も……」
大軍師「3000の大半が中央の主力ですからね」
魔法剣士「まぁその分、魔王軍も相当数を削ったがな」
エリート「どの程度かは分かるか?」
ジュニア「どうだろうな、1万やそこらは余裕で越えてると思うけど」
眼鏡「アンデッドの撤退も重なったから、何とも判断し難いね」
大軍師「構いませんよ。本格的な掃討は2日目からですし」
皇太子「いよいよ城を築くのか?」
青年兵「はい。上流からの資材と後方からの資材、それに……」
白虎長「白虎と青龍の召喚獣にも運ばせています」
大軍師「既に着工しておりますし、夜中には完成しますよ。邪魔が入らなければ、ですがね」
エリート「入らないと思うか?」
大軍師「まさか。向こうも気付けば躍起になって仕掛けてくるでしょうね」
青年兵「数は揃いました。押し返すには十分ですよ」
皇太子「その通りだ。これ以上の損害は許されぬ。それを踏まえて挑むのだ」
891 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:24:31.52 ID:7OmZsL2fo
…
テクテクテク
青年兵「失礼します」
騎士団長「おぉ、大元帥か。これはすまぬ……っ」
青年兵「そのままで結構ですよ。傷の具合はいかがです?」
騎士団長「この程度で戦線離脱など騎士団長の名が廃るというもの」
青年兵「……あまり、ご無理はなさらぬよう」
騎士団長「君はまだ若い。経験も浅ければ、思考も若さ特有のものがある」
青年兵「……」
騎士団長「戦場に長く居座っているとな、感覚がおかしくなってくるのだ」
青年兵「どういう事です?」
騎士団長「多少の無理をしてでも戦わねば、示しが付かぬ。それこそが武の誉れ、とな」
青年兵「しかし……」
騎士団長「そしてこう思うのだ。戦場で死ねる事こそ至高とな」
青年兵!?」
892 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:26:38.22 ID:7OmZsL2fo
騎士団長「なぁに、死にはせん。しかし、仮に命を落としても悔いはないという事よ」
青年兵「騎士団長殿……っ」
騎士団長「一夜城は何が何でも衛る。それが騎士団の勤めだからな」スクッ
青年兵「ま、まだ立たぬ方が……」
騎士団長「魔王軍は退いたとは言え戦いの最中。そう長く休んでなどいられぬ」
ザッ スタスタスタスタ……
青年兵「……っ」
大軍師「あまり、無理はして欲しくないのですがねぇ」スタスタ
青年兵「……死ぬ覚悟でした……騎士団長さん」
大軍師「止められますか?」
青年兵「……いえ……っ」
大軍師「ならば、間接的に援護するしかありませんね」
青年兵「騎士団には前線から後退させ、築城の防衛を任せましょう」
大軍師「承知致しました、大元帥殿……ふふふっ」スタスタ……
青年兵「……っ」
893 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/15(水) 18:28:39.62 ID:7OmZsL2fo
2日分なのに書き溜めしてないあはは…ごめんなさい…
>>859
>>886
魔道士「お誕生日おめでとうございます〜っ!!」
盗賊「おめでとうだな」
ちなみに2月14日を過ぎてしまったので、
バレンタインデーオマケはなくなりました!
それでは失礼致します!ノシ
894 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/02/15(水) 18:36:05.74 ID:YOQ6NGD50
<ちなみに2月14日を過ぎてしまったので、
バレンタインデーオマケはなくなりました!
…嘘…だろ!?
895 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 18:38:02.50 ID:4MLxDplDO
いちょつ
まさかの火曜日に当たったらこんなことになるなんて…
896 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/15(水) 19:04:18.22 ID:BZqd7nvZo
さらっと言ってるが口惜しすぎるwwww
897 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/15(水) 20:17:09.89 ID:M+M19AU80
いちおつ
魔道士フォメットはたぶんバレンタインのおまけだなって思ってたのに…
残念すぎる
898 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 20:17:53.81 ID:ktI0ZYhDO
ちくしょう……ちくしょう……!
899 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/15(水) 20:24:35.09 ID:R4Xe7us6o
>>1
乙
なんか今年からバレンタインデー15日に変わったらしいよ
900 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 22:29:16.35 ID:fWNVYefj0
>>1
おつんつん
魔導士フォメッとないとか\(^o^)/
901 :
し、仕方ないわねっ!
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:30:53.24 ID:Hm53Qk7Qo
…
盗賊「……はぁ」
それは昨年の事。盗賊の手作りチョコを食べた戦士は……お察し下さい。
盗賊「今年こそは同じ過ちを繰り返すわけにはいかぬ……」
スタスタスタ
盗賊「……ん?」
院長「さぁ、いらっしゃい。出来立てのフィナンシェはいかがかね〜」
盗賊「これだっ!!」
院長兄「!?」
盗賊「そうか私を雇ってくれ!」
院長兄「な、何を言っているのだ……!?」
盗賊「どうか! さぁっ!」ズイッ
院長「いや、人は足りているし……」
盗賊「どうかっ!!」ブルンッ
院長「……いいでしょう」
902 :
別にこれは
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:31:49.68 ID:Hm53Qk7Qo
…
盗賊「よし、出来た……っ」
院長兄「見た目は問題ないな」
盗賊「た、食べてみてくれ」
院長兄「うむ。では――」
常連「すまん、フィナンシェを急ぎで100個頼む」
院長「100個!? そんな無茶を……」
院長兄「盗賊ちゃんが作った30個を足せば、何とか出せなくはないが……」
常連「何でもいい! とにかく急ぎなんだっ、頼む!」
院長「……仕方ない」
ゴソゴソッ ガサッ
常連「金はあとで払いに来るから!」
盗賊「ま、毎度〜」
院長兄「まぁ……仕方ないか」
盗賊「それじゃ、もう1回作る」
903 :
みんながリクエストしたからとか
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:32:33.13 ID:Hm53Qk7Qo
〜数時間後〜
院長兄「毎度〜」
ザワザワザワ
院長兄「ん? 何だ?」
院長「何やら病院が騒がしいな」
盗賊「……ほんとだ」
ガヤガヤガヤガヤッ
ドクター「集団食中毒!? 一体、何を食べたんだ……っ」
常連「し、死ぬううぅぅ……っ。助けてくれぇ……っ」
ナース「先生っ、患者の数は30名あまりに……」
ドクター「……間に合わないかもしれないな。何とか救いたいところだが……くっ」
院長兄「……」
院長「……」
盗賊「……」
その後、謎の食中毒事件は死者もなく、無事に収束したと言う。
904 :
日頃の感謝とか
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:33:10.90 ID:Hm53Qk7Qo
…
魔道士「召〜喚士さんっ!」
召喚士「はい?」
魔道士「今日は何の日だ?」
召喚士「今日ですか? えぇと……野菜の特売でしたっけ?」
魔道士「もぉ〜っ、違いますよー」
召喚士「えぇっと……」
魔道士「今日は、バレンタインデーでしたっ! えへへ!」
召喚士「あ……っ」
魔道士「駄目ですよ〜大切な日なのに忘れちゃったら〜」
召喚士「す、すみません……」
天才「仕方ねーんだよ、コイツは縁なんてず――――っとなかったんだからよ」
召喚士「……」
魔道士「……」
天才「……何だよ」
905 :
バレンタインだからとか
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:33:42.57 ID:Hm53Qk7Qo
…
盗賊「……まずい事になった」トボトボ
弓使い「あら、盗賊ちゃん!」
盗賊「弓使いさん……」
弓使い「どうしたの? 今日は1人――」
盗賊「弓使いさぁん!!」ダキッ!!
弓使い「へ、へぇっ!?」
…
弓使い「……ふぅん、なるほどねー」
盗賊「うっ、うぐぅ……」
弓使い「それじゃこれから、ウチで一緒に……どう?」
盗賊「……え?」
弓使い「幼女と一緒にこれから、手作りチョコを作ろうかと思って、買出しに来たのよ」
盗賊「い、いいんですかっ!?」
弓使い「もっちろん♪」
906 :
そんなつもりで
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:34:15.39 ID:Hm53Qk7Qo
…
弓使い「えっと、ブランデーとか少し買っておこうかな」
盗賊「お酒? えっと、じゃあ……これは?」カチャッ
弓使い「うーん……紹興酒は要らないわねぇ」
盗賊「……そっか」
弓使い「あとは、フルーツも使っちゃおうかな♪ ストロベリーにブルーベリー」
盗賊「これは?」
弓使い「……うん、冬虫夏草とサルノコシカケは要らないわね」
盗賊「そ、そうだよね……」
弓使い「あとは……ココアパウダーにあっ、無塩バターとベーキングパウダー!」
盗賊「じ、じゃあこれもっ」
弓使い「鮭お切り身とちくわぶは全然要りません」
盗賊「……はい」
弓使い「それじゃお会計しましょ」
盗賊「……はい」
907 :
書いたりしたわけじゃ
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:34:50.53 ID:Hm53Qk7Qo
…
魔道士「去年は失敗しちゃったので、今年はちょっと嗜好を変えてみましたっ♪」
召喚士「失敗!?」
魔道士「じゃじゃーん!」
召喚士「こ……れは!?」
魔道士「抹茶のロールケーキに抹茶の生チョコ、抹茶わらび餅に抹茶大福です!」
召喚士「お、おおぉぉ」
魔道士「今年は東方の素材をうまく生かした手作りスイーツで勝負ですっ!」ドンッ!!
召喚士「勝負……!?」
魔道士「さぁどうぞ、食べてみて下さい♪」
召喚士「で、では……いただきます!」パクッ
魔道士「……」ゴクッ
召喚士「お、美味しい……すっごく美味しいですこれっ!」
魔道士「本当っ!? 良かったぁ〜えへへっ!」
天才「……おい、オチねーのかよ。くそがっ!!」
908 :
ないんだから
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:35:33.86 ID:Hm53Qk7Qo
…
チャッチャッチャッチャッ
弓使い「出来たー!」
幼女「出来たー!!」
盗賊「で、出来た……っ」ボロッ
幼女「お姉ちゃん、手の指……大丈夫?」
盗賊「うん。魔王討伐より傷だらけになったけど」
弓使い「と、ともかくこれで完成ねっ!」
剣士「ただいまー」ガチャッ
幼女あ、お父さんおかえりなさい〜」
剣士「おぉっ、チョコ作り? どれどれ」
弓使い「ちょっとぉ、気が早いわよ、もう〜っ」
剣士「へへー。いっただっきまーす!」パクッ
盗賊「あぁっ! それは私の――」
ドターン!! ピクピクピクッ
909 :
勘違いしたり
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:36:06.70 ID:Hm53Qk7Qo
弓使い「きゃああぁぁぁぁ!!」
幼女「お、お父さん!!」
盗賊「……」
パアアァァァァ
魔道士男「剣士……剣士……」
盗賊「ぎゃあ!?」
魔道士男「迎えに来たよ。さぁ、一緒に行こう」
盗賊「駄目ええぇぇぇぇ!!」
こうして剣士は2週間ほど入院生活を満喫(?)したのであった。
…
盗賊「……もういいよ」グスン
戦士「盗賊、こんな所にいたのか」
盗賊「戦士……っ」ウルウル
戦士「お、おいっ! 何……涙目になって……」
タッタッタッ ギュッ
910 :
しないでよねっ!///
[sage saga]:2012/02/15(水) 22:37:01.53 ID:Hm53Qk7Qo
盗賊「ごめんねぇ……っ!」
戦士「ど、どうしたんだよ……!?」
盗賊「私っ、不器用だし……いつも戦士に……」
戦士「盗賊……」
ギュッ
盗賊「へあっ!?」
戦士「何があったか知らんが、お前が泣くなんて似合わねーぞ」
盗賊「……どうせ……か弱くないもんっ」
戦士「そうじゃねぇって。お前には笑顔でいて欲しいんだよ、俺は」
盗賊「せ、戦士……っ」ドキーン!!
戦士「不器用だろうが何だろうが、俺はお前が傍に居てくれやあそれでいいんだよ」
盗賊「戦士ぃ……っ!」ギュウウゥゥ
戦士「ははっ、そんじゃメシでも食いに行こうか」
盗賊「うんっ。へへ……っ」ニパァ
天才「……だからオチろっつってんだろうがコルアアァァァァ!!」
911 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/15(水) 22:37:35.08 ID:hYY4/EpWo
しね
912 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 22:40:04.72 ID:KcJTJ6lSO
>>1
ツンデレ乙!!
913 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 22:41:18.51 ID:SzWO+vwRo
これはいいツンデレ
>>1
>>1
のチョコは俺がもらった
914 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/15(水) 22:48:28.67 ID:hn1Fkv+ao
このチョコレートちょっと苦すぎじゃないか・・・
915 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/15(水) 23:08:59.87 ID:4+H6imYmo
ここにきて初めて天才に共感した
916 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
:2012/02/15(水) 23:19:07.76 ID:BZqd7nvZo
名欄ツンデレワロタwwww
917 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/15(水) 23:35:33.51 ID:BZqd7nvZo
そしてsage忘れ orz
918 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 00:00:50.75 ID:LDavbgIDO
>>1
乙っす
そういや盗賊はメシマズ嫁だったか……戦士の志望フラグは世界が平和になった後も立ち続けそうだな……
919 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/16(木) 00:20:25.66 ID:1fJxfYyMo
>>1
乙
望んでおきながらこんなこというのも何だが、男性じん[
ピーーー
]
もちろん俺にもチョコレートくれたんだよね?きっと、二次元から三次元へ変換するさいの不具合でまだ届いてないだけでさ。魔導師ちゃんの手作りチョコレート食べたいな
世界中の大好きを集めても、君に届けたい思いに足りないよ魔導師ちゃん好き好き
920 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/16(木) 00:25:17.43 ID:06hshCNco
戦士に盗賊はオトサれたけどな
921 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 00:30:12.27 ID:tvXyffdDO
>>920
剣士も盗賊にオトサれたけどな
922 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 01:46:37.00 ID:Edy88lQDO
おい
女隊員からはチョコねぇのか>>1乙
俺は年中募集中だぞおい
923 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/16(木) 01:47:45.46 ID:ZiDOroLAO
>>1
おつ
一夜築城の作戦は秀吉がやった奴だな。前面だけ作って後ろが張りぼての
924 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 07:39:40.40 ID:J+qsKsdIO
鮭お切り身入りのチョコェ…
925 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 09:15:33.17 ID:1W+pKSip0
天才さん................
926 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 09:35:53.82 ID:7B/SY6pDO
いちょつ
せんししね
927 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/16(木) 11:58:15.79 ID:v1fLB+5Fo
魔道士「去年は失敗しちゃったので、今年はちょっと嗜好を変えてみましたっ♪」
召喚士「失敗!?」
等身大コカトリスチョコ=失敗の自覚あったのかwwww
928 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 17:52:44.23 ID:btF30EqHo
…
バシュウウゥゥゥゥ
青龍士官「ただいま戻りました」スタッ
青年兵「首尾は?」
青龍士官「はい。地獄の壁付近まで押し込まれましたが、何とか撃退致しました」
青年兵「そうか」
青龍士官「大元帥、少し宜しいか?」
青年兵「……?」
白馬騎士「それでは我ら、前線へ赴きまする」
王子「行くぞ、馬が来るまでは召喚獣で盾を務める!」
ザザッ ドドオオォォォォ……
青年兵「……それで、何かあったのか?」
青龍士官「交戦したのはドラゴンだけではない。妙な魔物がいた」
青年兵「妙な魔物?」
青龍士官「ああ、実はな――」
929 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 17:54:18.34 ID:btF30EqHo
…
青年兵「ベヒーモス……?」
青龍士官「それに、東方副司令らしき姿もあった。融合していて理性はなかたようだがな」
青年兵「東方副司令は既に死んだはずだ……っ」
青龍士官「俺もそう聞いている。だが実際いたのだ。黒いベヒーモスとしてな」
青年兵「まさか……」
青龍士官「ネクロマンサーだろうな。手は打ったのか?」
青年兵「陛下が北の森を攻略した。既に特遊を手配したよ」
青龍士官「なら、良いが」
青年兵「ネクロマンサーは俺がこの手で殺すよ。心配はするな」
青龍士官「青年兵、それが心配なのだ」
青年兵「何が?」
青龍士官「仇討ちに固執するなと言っている。お前の仕事はもっと他にあるはずだ」
青年兵「それは分かっているさ。だけど、奴だけは絶対に許せないんだ」
青龍士官「……」
930 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 17:55:17.73 ID:btF30EqHo
ザッザッザッ
名代「青年兵殿、少し宜しいですか?」
青年兵「はい、何でしょう?」
名代「召喚士殿からのご伝言で、いざという時には預けている座敷童子を――」
スタスタスタ
青龍士官「……」
大軍師「ご心配ですか?」
青龍士官「……あいつは真っ直ぐすぎて、それは頼もしい事だが」
大軍師「時として、危うい事もある」
青龍士官「普段は押し殺しているが、感受性が強いあまり……」
大軍師「暴走しかねない、というわけですね。まぁ、そこはご安心下さい」
青龍士官「……」
大軍師「その為の軍師です。ふっふ」
青龍士官「そうですね」
大軍師「さ、我らも参りましょうか」
931 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 17:56:06.43 ID:btF30EqHo
スタスタスタ
青龍士官「他の青龍隊は?」
大軍師「現在、築城の資材を運んでおります」
青龍士官「そうか、いよいよ……」
大軍師「拠点さえ築けば良い、というわけではありませんが」
青龍士官「これで防御から攻撃に転じる事が出来るというわけですね」
大軍師「その際には、竜騎士隊のお力も存分に発揮して頂く事でしょう」
青龍士官「そうしたいところだが、どれ程持つかどうか……」
大軍師「おや、既に枯渇ですか?」
青龍士官「そこまでは陥っていないが、ドラゴンの群れなどが来られては対抗しうるは困難」
大軍師「城が出来れば兵器も導入出来ます。半日の辛抱ですよ」
ザッザッザッ
青年兵「2人とも、ちょっと来て頂けますか?」
青龍士官「……?」
大軍師「軍議ですか? すぐに参りましょう」
932 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 17:56:52.59 ID:btF30EqHo
…
騎士団長「私に休んでいろと申す気ですかっ!」
大軍師「……?」スタスタスタ
エリート「しかしだな、君の負傷は楽観視出来るものではない」
騎士団長「この程度の傷で……」
エリート「君にはまだ前線で戦って頂きたいのだ。その為に養生せよと申している」
騎士団長「しかし……っ」
エリート「分からぬ男だな。これは命令だ、背けば陛下への反逆と捉えるぞ!」
皇太子「物騒な言い回しはやめよ。騎士団長の身体を思っての事だ」
騎士団長「く……っ」
皇太子「恥じる事はない。君は勇敢に戦い、そして己の身に傷を負ったのだ」
騎士団長「陛下……っ」ザシャッ
皇太子「君の代わりなど務まる者は居らぬ。だからこそ、今は休んで貰いたいのだ」
騎士団長「……承知……致しました」
皇太子「さて、再開致そうか」
933 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 17:57:50.19 ID:btF30EqHo
エリート「丁度、大軍師と青龍先生も来た事だしな」
青龍士官「出撃ですか?」
青年兵「悩んでいるところさ」
南方司令「ここは打って出るべきであろう。正義は我らにあるからな!」
西方参謀「正義は関係ねーだろ。ここは慎重に様子を探るべきだ」
皇太子「しかし、敵の数が少ない今こそ、更に戦線を押し上げる好機でもある」
剣士「ごもっともですが、敵の動きが分からぬ以上、兵站が伸びるのは避けたいところです」
南方副司令「かといって夜まで馬鹿みたいに待つのも愚策。一部でも出るべきだろうな南方
西方副司令「しかしそうなると、犠牲を覚悟の上での編制となりますよ」
帝「それならば東方軍が喜んで参戦致そうではないか」
エリート「そうはいかぬ。そこは最善の策で、然るべき編制を行うべきだな」
皇太子「さて、どうする……青年兵」
青年兵「……私は」
大軍師「私から申し上げさせて頂きましょう」
青年兵「!?」
934 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 17:58:59.37 ID:btF30EqHo
大軍師「結論から述べますと、少なからず出撃はすべきであると考えます」
エリート「魔王軍への牽制か?」
大軍師「それもありますが、攻撃を絶やさぬ事が重要」
西方参謀「まぁ、間隙突かれちゃシャレにならんしなぁ……ヒック」
大軍師「それに攻撃をし続ける事で、相手もこちらの正確な兵力を計れなくなりますからね」
南方参謀「そうよっ。休む事なく攻撃していれば、相手も数が多く感じるものねっ!」
名代「攻撃し続ける事で、相手に休む間を与えぬ意味も持ちますね」
大軍師「では大元帥、ご決断を」
青年兵「決断ですか。ここでノーと言えますかね」
大軍師「それが大元帥のご意見であれば、我等は従うのみですよ」
青龍士官「……」
青年兵「言うつもりもありませんけどね。攻撃を仕掛けます。このまま具体的な編制を」
南方司令「よーし。それでこその正義よ」
西方司令「正義か……実に重い。ずっしりと響き渡るわ」ツツーッ
大軍師「それでは編制を行います」
935 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:00:07.48 ID:btF30EqHo
ザザッ
大軍師「既に出撃中である西側の西国軍と中央の南東国、
ワーカーなどは現状のまま、増援は東側を中心に打って出ます」
エリート「それでは西がかなり手薄にならないか?」
大軍師「初日に様子を見ると、魔王軍は西からの攻撃に重点を置いておりました」
西方副司令「確かに、奇襲や伏兵もわんさか居ましたね」
大軍師「おそらく魔王軍も思ったほどの戦果は上げられなかった」
皇太子「だからこそ敵も厚みを増してくるのではないか?」
大軍師「その裏を取ります」
青龍士官「魔王軍は西を諦め、東側から来ると?」
大軍師「西国の援軍が向こうにもかなりのインパクトを与えたでしょう」
西方参謀「確かにあれは強烈だった。魔物を一気に押し返したからなぁ……ヒック」
大軍師「そして東側はこちらも、昨日は手薄とまではいかぬものの、
中央や西側ほどの兵力は持たぬままで、対等する事が出来ました」
南方参謀「そうねぇ。魔物の隊も少なかったんじゃないかしら?」
南方副司令「なんだか隊列も混乱気味だったしな。慣れてないような素振りだった」
936 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:01:54.79 ID:btF30EqHo
大軍師「それを踏まえて考えますと、魔王軍はおそらく、東側に兵を増やしてくるでしょう」
皇太子「あえて敵の策に乗るという事か」
大軍師「多数を相手にする事となりますが、こおで打ち破る事が出来れば……」
青年兵「魔王軍にとっては致命的なダメージを与えられる……っ」
大軍師「しかし、流石に此方も全ての戦力を振るわけには参りません」
エリート「逆を突いて、西側から来られでもしたらひとたまりもあいからな」
大軍師「はい。そこで、中央に遊軍を設置致したいと思います」トントン
青龍士官「位置としては、川中島のやや北側か」
大軍師「ここに、二段構えにて陣を敷きます」
エリート「二段? どういう事だ?」
大軍師「前衛が魔王軍を迎え撃つ部隊。そして後衛が遊軍です」
南方副司令「この位置が重要なのか?」
大軍師「ここからであれば、東西どちらの急にも対応が可能なのですよ」
青年兵「しかしそれには、軍を一気に指揮できる者でなければ難しいですよ」
大軍師「居るではありませんか、統率力で右に出る者はなかなか居りませんよ」
937 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:02:42.26 ID:btF30EqHo
皇太子「……?」
エリート「馬鹿を申せっ! 陛下にそのような真似をさせられるかっ!」
大軍師「おや、ここに来てそのような事を。前衛ではありませんよ?」
エリート「そういう問題ではない!」
大軍師「エリート様がご一緒であれば、恐るるに足らぬのでは?」
エリート「……っ」
大軍師「という事で、宜しいですか陛下?」
皇太子「望むところだ」
大軍師「小覇王のお力、とくと見せて頂きましょう。ふっふ」
南方副司令「肝心の前衛はどうするのだ? 騎士団長不在の中、前衛など……」
大軍師「全員はどうでしょうか?」
南方副司令「全員ではない、前衛だ」
大軍師「ですから、全員で前衛というのは如何でしょうか」
西方副司令「はああぁぁ!?」
西方参謀「全員で前衛だと? ぶっははは! 相変わらず奇妙な策を思いつきやがるぜ……ヒック」
938 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:03:22.62 ID:btF30EqHo
エリート「全員とは……此処に居る全員の事か!?」
大軍師「それ以外に居りますかな?」
エリート「川中島がガラ空きではないか!」
大軍師「通さねば良いだけの事です。それに、此処では作業中の兵がおります」
青年兵「傍からみれば駐屯しているように見えるという事ですか?」
大軍師「しかも資材は川と青龍、白虎の召喚獣。いかにも戦闘準備のように見えませんか?」
帝「……凄いものだな。まさか工兵まで囮に使うとは」
大軍師「ただでさえ数で劣っているのです。使える者は何でも使わねば勝てませんよ」ヒラヒラ
青龍士官「それで、東側の部隊は……」
青年兵「東方軍と南方司令部にてお願い致します」
南方司令「承知した!」バシッ
帝「任せておけ。期待に応えてみせようぞ」
大軍師「残る者は中央に布陣致します。さぁ、行きますよ」
皇太子「騎士団及び王宮兵は私に続け。遊軍として後ろから布陣するぞ」
青年兵「……もってみせる……築城まで!」グッ
939 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:03:53.90 ID:btF30EqHo
…
ドッガアアァァァァン!!
魔法剣士「……ふー」
ジュニア「もうそんなモンでいいだろ。敵さんも本腰じゃねぇみてーだし」
魔法剣士「深追いは禁物か」
ジュニア「おっと、アイツらも丁度、戻ってきたみてーだぜ……ハッハ」
ザッザッザッ
魔法剣士「どうだ?」
眼鏡「うん。やはり東側の方が攻めやすいみたいだね」
賢者「魔物の統率が……乱れているよ……ふぅ」
ジュニア「後ろじゃ築城も始まったみてーだし、ここは一旦、本隊と合流すっかね」
魔法剣士「そうだな」
オオオオォォォォ……
魔法剣士「ガーゴイルの群れか。大した数だな」
眼鏡「……」
940 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:04:24.90 ID:btF30EqHo
バサッ バサッ バサッ
トロル「おい、後退命令だ。行くぞ」
ガーゴイル「もう後退か?」
トロル「なんか知らねーが、こっちの部隊は命令違反する奴が多くてな」
ワーウルフ「ああ。言う事聞かねーもんだからよぉ、マトモに戦えねーっつの」
ガーゴイル「ふーん。そりゃあ困ったなー」
トロル「もういい、行くぞ」
ガーゴイル「俺ぁ、もう少し偵察してから戻るわ」
ワーウルフ「仕事熱心だね。やられんじゃねーぞ」
ゾロゾロゾロ……
ガーゴイル「……ふん、誰がやられるかっつーんだよ!」
ザザザザッ スタッ
――「どうだ?」
ガーゴイル「問題なしっす。まぁアイツら頭悪そうだから分かんないっしょ」
――「油断はするな、引き続き頼むぞ」シュバッ
941 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:04:58.58 ID:btF30EqHo
…
タッタッタッタッ
玄武娘「んおっ!? あれはなんですの……?」
朱雀嬢「ワーカーのようですわね。それに国軍も……」
白虎兵「よーし、いいぞ! 真っ直ぐだ真っ直ぐ!」
朱雀嬢「あの、何をなさっているのかしら?」
白虎兵「何だ、お嬢ちゃん方!? こんな所で危ないぞ!」
玄武娘「えっへん! こうみえても私達、ワーカ――」
白虎嬢「朱雀嬢ちゃん、玄武娘ちゃん!」タッタッタッ
朱雀嬢「あら、白虎嬢じゃない。ここで何しているのかしら?」
白虎嬢「丁度良かったわ〜。ねっ、手伝って〜」
朱雀嬢「……?」
白虎兵「お知り合いですか?」
白虎嬢「朱雀嬢ちゃんは朱雀本家の跡取り。玄武娘ちゃんは玄武先生の孫なのよ〜」
白虎兵「――っ!?」
942 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:05:33.67 ID:btF30EqHo
…
玄武娘「なるjほど〜! お城を作るんですの!」
朱雀嬢「召喚獣で運ぶとは考えましたわね」
白虎嬢「召喚獣は力持ちだし、人の手で運ぶより全然早いもの〜」
ヘルムヴィーゲ「だからって……私達までえぇぇ……」フラフラ
朱雀嬢「だって、そんな重たい丸太、運べませんもの」
ブリュンヒルデ「最近……召喚獣使いが粗いぞ、マスター」
朱雀嬢「ごめんなさいですわ。でも、もうしばらくの辛抱ですわよ」
オルトリンデ「へっ?」
朱雀嬢「魔王を倒して世界が平和になったら、魔力もなくなりますもの」
玄武娘「そしたら……っ、召喚も出来なくなっちゃうんですの!?」
朱雀嬢「そういう事ですわ。だからもうしばらくの辛抱――」
玄武娘「それは嫌ですのぉ!! 寂しいですのーっ!!」
ブリュンヒルデ「マスターと会えなくなっちゃうなんて……」ウルウル
朱雀嬢「もぉーっ! なんなのよあなた達は!」
943 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:07:34.95 ID:btF30EqHo
〜最北の村〜
副官「……」
ザッザッザッ
青年「……駄目だ。旦那の遺体は見つからないみてぇだ」
副官「遺体って、勝手に殺さないでよっ!」
青年「あ、あぁ……すまん」
テクテクテク
青年「……?」
サモナー「すまない、ここは何と言う村かな?」
青年「最北の村だが、あんたは……?」
サモナ−「魔王討伐に参加するワーカーなんだけど、魔王城はこっちの方角であってたかな?」
青年「あ、あぁ。でももう、戦いは始まっちまってると思うぞ?」
サモナー「だろうね。でも、間に合わないって事はないだろ?」
青年「そりゃまあそうだけど……あんた1人か?」
サモナー「……1人といてば1人かな」
944 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:08:00.80 ID:btF30EqHo
青年「……?」
サモナー「とにかくありがとう。それでは失礼」
青年「あ、おい……っ」
テクテクテクテク……
青年「行っちまった……。変わった奴だな」
ドドッドドッドドッドドッ
伝令「副官殿はおられるかー!」
青年「伝令かっ! おおい、こっちだこっちー!」
伝令「おぉ、最北の村は無事ですか!? 魔王軍の攻撃を受けたと聞いたが……」
青年「見ての通りだ。村は……問題ねぇよ」
伝令「……そうか。前線からの伝言だ。間もなく築城が始まる、物資の輸送を頼む」
副官「……了解」
伝令「こっちで不足しているものはあるか? 伝えておくぞ」
青年「人手が足りねぇ。次、襲われたらもつか分からん」
伝令「了解だ。増援を手配するよう伝えておく! それでは輸送の件、頼んだぞ!」
945 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:08:37.22 ID:btF30EqHo
〜北方司令部〜
参謀「準備は出来ましたか? 出発しますよっ」
ジリリッ ジリリッ ジリリッ
通信兵「こちら北方司令部! 間もなく川中島目指し、出発致します!」ガチャッ
北方兵「しかし、全軍出撃とは……司令部は大丈夫なのか……っ」
参謀「気に病む事はない。どうせ空だ。魔王軍が得ても何も出来まい」
弓兵「ましてや結界石で覆われて、立ち入る事が出来る箇所だって少ないしなぁ」
参謀「此処を襲うには北関から地獄の壁沿いを伝って来なくてはならない」
北方兵「直には最北の村や、戦場が多々ありますからね」
参謀「つまり、北関でしっかりと防衛さえしてくれれば、此処も安泰というわけです」
弓兵「……大丈夫かな」
参謀「その為に援軍を送ったのです。信じましょう、司令らを」
北方兵「そうだそうだっ! 何たって……なぁ?」
参謀「お手並み拝見ですね」
ドドォ……ガラガラガラッ
参謀「初代、特殊遊撃強襲隊……か」
946 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/16(木) 18:17:30.57 ID:btF30EqHo
なんだかもうすぐスレが終わりそうなので、
次の投下あたりで1回切りますね。また無駄に長くなっちゃったし…すまぬ
それではここまでにて失礼!ご支援ありがとうございました!ノシ
947 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 18:43:01.91 ID:czkP1rTno
>>1
おつ!ついにサモナーさんも覚悟が決まったか・・・
948 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 19:17:32.50 ID:D2/x/JoDO
はやく! はやく特殊オッサンチームの活躍を!!
乙
949 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/16(木) 19:56:04.84 ID:T5tsM4+/o
>>1
乙
召喚出来なくなるのか、寂しいな
でも命を犠牲にしたら呼べたりしないのかな?
950 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/16(木) 20:24:04.92 ID:yhzhiNMm0
>>1
おつ
戦乙女の華麗さが……
951 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 22:12:57.38 ID:UpkN8QHDO
>>949
サモナーの事かな?
サモナーは既に生命力を削って召喚してるはず
西へ魔王討伐に行ってた時で既に死にそう感じだったし、長くないっていう話は結構前から出てたと思うよ
後は神官から聞いているアレをやってるかどうかだよな…
952 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 22:22:24.98 ID:9K8BkEO4o
魔法剣士眼鏡ジュニア賢者の安定感は以上
953 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 22:36:50.20 ID:EiUtwJSbo
昼過ぎになると、空模様は一変し、曇り始めた。
ポツ ポツポツ……
魔道士「雨……」
占い師「嫌ねぇ。森の中だから、多少は避けられるけれど」
天才「仕方ねぇな。ちと早いが休息にすっか」
戦士「んじゃ、休めそうな所を探すとすっかね」
召喚士「ひどくならなければいいですけどね……」
盗賊「雨は臭いや視界を遮る。戦いには不利だ」
天才「特におっぱいニンジャみてーな戦い方だとなぁ」
盗賊「!?」
戦士「まぁ時間はあるんだろ? 何があるか分かんねーし、焦らず行こうぜ」
魔道士「ですねっ!」
召喚士は時折、天才と占い師がふと見せる悲しい表情を見逃さなかった。
それは胸を締め付けるようで、不安で、でもそれは問う事は出来なかった。
一同は小雨の散る森の中をただ真っ直ぐ、魔王城目指し進んだ。
954 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 22:37:25.92 ID:EiUtwJSbo
〜川中島〜
ドドッドドッドドッ……
北方兵「布陣完了致しました!」
大軍師「さて、いよいよですね。行きましょうか」
青年兵「全軍、勇敢に戦うべし!」
オオオオォォォォ!!
青年兵「皆が勇者である! 命を粗末にするな! 行くぞぉ!!」
ドドオオォォォォ
東方司令「動いたか」
女剣士「そのようですね」
当方参謀「さぁ、こちらも存分にかき回してやろうぞ」
ズッズウウゥゥゥゥン
王子「本隊も動いたな。さーて、西国の皆よ! 突撃ぃーっ!」
エリート「陛下、参りましょう」
皇太子「本国の……いや、人間の意地を見せてやれい!」
955 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/16(木) 22:51:56.57 ID:EiUtwJSbo
…
コオオオオォォォォォ
アスタロス「……」
ベルゼブブ「随分と押されているようだな」パタン
アスタロス「……我が、遂行を」
ベルゼブブ「良い良い。余が少し遊んでやるとしよう」
アスタロス「主、それは――」
ベルゼブブ「構わぬ。あそんでやるだけだ」
スクッ
ベルゼブブ「幾らもがこうが、人間程度の力は脆弱だと言う事を教えてやらねばな」
アスタロス「どうか……ご自愛を」
ベルゼブブ「自愛する程の事があれば良いがな。フッフフフ」
フワァッ ブオンッ!!
開戦2日目の攻防。この日は両軍にとって忘れ難き闘いとなった。
かけがえのないものを失う事は、真に悲しい事である。
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第五十八部、完〜
956 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage saga]:2012/02/16(木) 23:06:44.95 ID:LbJCTzy1o
>>1
乙
ブブブ
マジかよ、また魔王が誰か殺すのか
てか死ぬの早すぎだよチクショーーー
957 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/17(金) 00:08:51.21 ID:2vvB2K5AO
>>1
おつ
958 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 00:15:51.37 ID:fso5b6sDO
とりあえず、
>>1
が参謀として参加してるのは伝わった
959 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 01:20:09.49 ID:0bEYfGBf0
>>1
おつんつん
960 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 01:41:21.66 ID:qkEAP7GSO
1おつ!
RPGならアンラ、ラーバナ、イフリー、マラが四天王で
ベルゼが魔王みたいな感じだな。それぞれの行動的にも。サタンさん裏ボスで
パズズの封印される前ってどんな行動取ってたんだろう
961 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/02/17(金) 01:52:49.51 ID:wkCsd1KAo
>>1
乙
南方副司令の語尾はもうこのままにして欲しいな南方
あと大軍師と天才の過去は明かされるか心配、天才残り短いから
962 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/17(金) 02:19:34.87 ID:RIQArlsL0
いちおつ
魔王が出てきたら策も何もないな…
963 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 03:52:24.50 ID:DEXbnweW0
a
964 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 07:15:31.50 ID:+Hxga3IIO
当方読者「一乙」
965 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:15:19.56 ID:zYfY9ksBo
ザアアアアァァァァ……
魔法剣士「……」
うつろな目で空を眺めていると、降り注ぐ雨の滴がはっきりと分かった。
泥に塗れ、激痛を伴い、意識も朦朧とする中、仰向けに地べたへ転がる。
……ああそうだった。魔物に攻撃を食らって、吹っ飛ばされたんだっけ。
ちっ、またあの夢か。これでもう何度目になる事やら……。
いつになったら見なくなるんだろうか。この悪夢は。早く、早く覚めてくれ。
……――
父『……逃……げ…ろ…』
母『……』
妹『ママーッ! 起きてーっ!! 足が痛いよぅ……!』
魔法剣士『父さん!! 母さんっ!! い、妹……っ!!』
オルトロス『グルオオオォォ!!』
魔法剣士『みっ、みんなぁ…!! やめて! もうやめてよぉー!!』
妹『ママーッ!! お兄ちゃ――』
966 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:16:29.18 ID:zYfY9ksBo
グシャアァァッ!!
魔法剣士『――!!』
オルトロス『オオォォォォ!!』
僕を納屋へ隠してくれた隣のお姉ちゃんが、化物に食べられる光景が見えた。
狼のような複数の頭部と巨大な全身は真っ赤に染まり、大きな遠吠えを上げる。
でも、もう1匹の魔物が、追い払ってくれたんだっけ……。
オルトロス『……邪魔をするな。ケルベロス』
――……
オルトロス「……邪魔をするな。ケルベロス」
眼鏡「……」
魔法剣士「……眼……鏡」
ありがとう眼鏡。俺は君を……忘れない――――。
967 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:17:12.14 ID:zYfY9ksBo
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第五十九部〜
968 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:18:09.47 ID:zYfY9ksBo
〜川中島、本陣〜
三男「……っ」
青龍士官「三男陛下。小雨が降ってきました。屋根のあるこちらへ……」
三男「ここで構わぬ。皆が勇敢に戦っているというのに、私1人、雨宿りなど出来ません」
青龍士官「……分かりました。ではせめて傘を立たせましょう。おい」
ザッザッ……バサッ
伝令「ご報告致します! 北関より研究機関、間もなくこちらへ到着の模様っ」
青龍士官「北方司令部からの資材は?」
伝令「白虎の別働隊とワーカーがあたっております。こちらももう間もなく到着かと」
青龍士官「分かった。竜騎士隊、動けるものは交代で空から周囲の警戒にあたれ」
ザッザッザッ
騎士団長「う、動きはどうだ……?」
青龍士官「騎士団長っ!? 大丈夫なのですか?」
騎士団長「先程も申したであろう。寝ている場合などではない」
青龍士官「し、しかし……」
969 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:18:45.26 ID:zYfY9ksBo
三男「騎士団長殿、私からも頼む。傷を癒し、然るべき舞台において戦って頂きたい」
騎士団長「お言葉ではありますが、私にとって然るべき舞台などありませぬ」
三男「……」
騎士団長「私にとっては、大小関係なく、どんな戦場であっても然るべき舞台なのです」
三男「成程」
騎士団長「ですから、戦場に居る限りは、休む暇などないと言う事であります」
三男「承知致しました。ならば、私の傍を片時も離れぬように」
騎士団長「有り難きお言葉。では早速、準備をしてまいります」ザッザッザッ
青龍士官「宜しいのですか?」
三男「目の届かぬ所で無理をさせるくらいならば、傍に居てくれた方が良いでしょう」
青龍士官「確かに。それでは、お任せ致し――」
ドオオオオォォォォン!!
青龍士官「な、何の音だ!?」
竜騎士兵「東側のようですっ!」
青龍士官「急ぎ、状況確認しろっ!」
970 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:20:40.30 ID:zYfY9ksBo
〜川中島、本隊〜
老将軍「何が起きているのじゃっ!」
青年兵「戦況報告っ!」
北方兵「魔王軍っ、東側より出現!!」
白馬騎士「何!? 東だけなのか!?」
大軍師「……おかしいですね」
青年兵「偵察に出ますっ! 出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィィィン……バシュウウゥゥゥゥ!!
青年兵「……っ!!」
ドドオオオオォォォォ……
青年兵「な……んだっ、これは!!」
ワイバーン「大した数だな」
青年兵「急いで引き返すんだ!」
ワイバーン「忙しいな、全く」ゴウッ!!
青年兵「くそ……っ、魔王軍め……!!」
971 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:21:22.73 ID:zYfY9ksBo
バシュウウゥゥゥゥ……ザザッ
大軍師「如何でした?」
青年兵「やられましたっ!」
大軍師「やはり……っ」
剣士「どういう事ですか!?」
大軍師「魔王軍はここ、中央と西側を無視し、全軍を以って東側に侵攻したのです」
弓使い「――っ!?」
青年兵「その通りです。上空から見る限り、その数はラーヴァナ軍にほぼ匹敵します」
大軍師「ざっと20万といったところでしょうかね」
老将軍「どうするのじゃ!?」
青年兵「本隊を動かすにしても時間が掛かりすぎる……」
大軍師「それに、敵の姿がないとはいえ、中央を空けるのはやはり難しいですね」
青年兵「機動力のある精鋭……」チラッ
剣士「……?」
青年兵「剣士さん、南東国の皆様……っ、お願い出来ますか?」
972 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:21:59.98 ID:zYfY9ksBo
白馬騎士「東側への救援ですな。お任せ下さいませ」ジャキッ
老将軍「ようやく働き甲斐のある仕事が回ってきたわい!」
白馬騎士「華国の諸君、いざ参るぞ!!」
華国兵「おおぉぉぉぉーっ!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴ……
青年兵「物凄い威圧だ……っ」
剣士「南東国の特色はこの威圧と南方馬に勝るとも劣らない騎馬ですからね」
青年兵「剣士さんもどうか、お気を付けて。頼みます!」
剣士「ええ、ありがとうございます。それじゃ行くよ、弓使い、幼女!」
弓使い「ええっ、行きましょ!」
幼女「援護なら……私に任せてっ」ドドッドドッ……
大軍師「志願とは言え、心が痛みますか?」
青年兵「……っ。まさか、一時の感情に流されては、大戦には勝てませんよ」
大軍師「おや、無用な心配でしたか」
青年兵「sてと、お次は……」
973 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:22:40.85 ID:zYfY9ksBo
ドドッドドッドドッ
伝令「陛下よりお伝えいたします! 遊軍、東側へ出るかどうかご指示をとの事!」
青年兵「難しいな……。大軍師殿、ご助言を頂けますか?」
大軍師「恐らくですが、動かす必要はないかと」
青年兵「根拠は?」
大軍師「……」スッ
青年兵「西……ですか?」
大軍師「西に布陣する西国。無視されてこのまま黙っているとは思えませぬ」
青年兵「……確かに」
大軍師「恐らく、真っ直ぐ東へ進むでしょう」
青年兵「なるほど。そこに西方司令部と白虎先生率いる白虎隊が加われば……」
大軍師「遊軍は動かさずとも、背後から魔王軍を捉える事が出来ます」ヒラヒラ
青年兵「もし空いた西側に魔王軍が迫るようであれば、遊軍を回せば良い……」
大軍師「そういう事になりますね。ふっふっふ」
青年兵「あなたが居てくれて、本当に頼もしい限りですよ……っ」
974 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:23:17.72 ID:zYfY9ksBo
〜川中島、西側〜
王子「…………」
西国兵「陛下……東側で戦闘が始まった模様です……」
王子「いちいち言わずとも、このような高地に居れば目視出来る」
西国兵「は、はい……っ」
王子「つまり、こちらからもあちらからも丸見えと言う事だ」
西国兵「は、はい」
王子「敵の目にも目立つように、わざわざこのような布陣を敷いたのだ」
ワナワナワナ……バキィ!!
王子「……分かっていながら無視するとは、ナメた真似をしてくれる!!」
西国兵「陛下っ、気をお静め下さいませ!」
王子「この状況でぇ、冷静になどなっていられるものかぁ……!!」
ゴゴゴゴゴゴ……
王子「全軍……我に続けええぇぇ!!」ドウッ!!
西国兵「し、出陣ーっ!!」ドドォ……
975 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:23:48.01 ID:zYfY9ksBo
〜川中島、本隊後衛〜
エリート「西側の西国が動きましたね」
皇太子「ああ。我らも勢いに乗じて、続くとしようか」
エリート「いえ、それはなりません。西側が動いたからこそ、我らはここに留まる必要があります」
皇太子「魔王軍が伏兵を仕掛けてくると?」
エリート「可能性が0ではありませんので」
皇太子「……」
ドドッドドッドドッ……
伝令「前衛より伝令ですっ。遊軍はこのまま待機との事っ!」
エリート「青年兵や大軍師の意見も同じようですね」
皇太子「歯痒いが止む無し。我らはこのまま戦況を見極める」
ポツポツポツ サアアァァァァ
皇太子「……本格的に降ってきたな」
エリート「長雨が続いて足場が悪くなれば、こちらが不利になりますな」
皇太子「兵力、戦場において不利なのに天候にも恵まれずか。天地人とはよく言ったものだ」
976 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:24:21.07 ID:zYfY9ksBo
〜川中島、東側〜
ワアアァァァァ……
南方司令「何が起きた……?」
南方副司令「ええいっ、浮き足立つな!」
スケルトン「死ね死ね死ね死ね――」
ザシュウウゥゥゥゥ!! ガシャッ
東方司令「これはどういう事だ」
女剣士「なんて数だっ、くそ……っ!」
タタタッ……スタン
くの一「戻りましたっ」
女剣士「どうだった?」
くの一「とてつもない数です……っ。この先、ずっと敵の姿が続いております!」
東方参謀「とは言っても、最前線のここが崩れれば後方に敵が雪崩れ込む」
東方司令「そんな事は分かっている。四の五の言っていないでさっさと魔物を倒せ!」バシュッ
東方参謀「やっておるわ!」ドゴオオォォォォン!!
977 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:24:59.50 ID:zYfY9ksBo
ドドッドドッドドッドドッ
帝「前方の東方司令部が魔王軍と衝突しただと?」
名代「かなりの数が居るようです。急行致しましょう」
帝「南方司令部の動きは?」
名代「更に東側より回り込んでおります。なにせ、敵の数が多く戦線が長いようで」
帝「一ヶ所を突破しても混乱は与えられぬ……か」
旗本「如何なさりますか?」
帝「こちらも寡兵だ、大軍にあたったところで泡のように消えるは必死」
旗本「固まって……突撃ですか?」
帝「総本山の連中が居れば、一枚岩として奮闘出来るであろう?」
名代「それでもかなり、危険は伴いますぞ」
帝「その為の式神であろう。しっかり頼むぞ名代殿っ」ガカッ……ドドッドドッ
名代「上様っ!」
旗本「う、上様に続けぇっ! 遅れを取るなぁ!」ガカッ
帝「楽に行かぬのは百も承知の上。皆を信じてぶつかるのみじゃ……っ!」
978 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:25:35.25 ID:zYfY9ksBo
…
ジュニア「んっ?」
ドドオオォォォォン!! ザンッ!!
魔法剣士「あれは、西国の召喚獣か」
眼鏡「このまま魔王軍に突撃するつもりらしいね」
ジュニア「どうする? 俺らは西国に続くかそれとも……本陣に戻るか」
魔法剣士「本陣は狙われていないようだし、問題はないだろう」
賢者「そうだね……ふぅ」
ジュニア「んじゃ、このまま突っ込むとすっかね」
眼鏡「あれだけ魔族が出たんだ。逆に考えれば、魔王城は今や手薄という事になるね」
ジュニア「ピンチは最大のチャンスってか? ハッハ――」
ガカアアァァァァッ!!
ジュニア「何だぁ!?」
魔法剣士「落雷……いやっ、違う!」
眼鏡「この威圧……っ、ま……まさか……っ!!」バッ!!
979 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:26:35.08 ID:zYfY9ksBo
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
青龍士官「何事だ!!」
国軍兵「あ……あぁ……っ」
突如、川中島の本陣頭上に発生した落雷のような光。
雨の降りしきる上空を見上げる兵らは、そこに腕を組んで佇む魔物の姿を目にする。
魔物の凶悪で、残虐で、慈悲のかけらも無い威圧は、彼らに震えと嘔吐を誘う。
国軍兵「ぐ……おえぇ……っ!」ビチャッ
工兵「あ……か……はっ」ガクガク
三男「な、何が起きているのだ……っ」
周囲の雨が黒く染まる。待機が震え、雨粒は落下の速度を弱め、
次第に空中で静止し、重力の法則を無視し、再び上空へと舞い上がってゆく。
空高く、黒い雲は渦を巻き、魔物の頭上で巨大なエネルギーを生み出す。
青龍士官「退避ーっ!! 築城作業をやめて逃げろおおぉぉ!!」
響き渡る怒号と叫び。悪魔の雷が雨雲を切り裂き、地面へと落ちた。
ベルゼブブ「無力なる人間共よ。余の力、その身で味わうが良い」
980 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/17(金) 18:27:17.95 ID:zYfY9ksBo
本日もご支援ありがとうございます!当方、大変感謝致します
それではひとまずここまでにて失礼致します!ノシ
981 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2012/02/17(金) 18:43:08.61 ID:BR5E6LyHo
いちおつ
982 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/02/17(金) 18:47:17.49 ID:+njT3Fnyo
いちおつ
983 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 18:48:59.51 ID:eoDDTNWDO
いちょつ
すんどめおつ
984 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 19:56:10.13 ID:qkEAP7GSO
>>1乙!
ここまで精鋭がそろってんのに久々の絶望具合だな
985 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 20:03:39.90 ID:eg5ac/zJo
いつも絶望さ
986 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 20:10:57.68 ID:4u6oW11DO
眼鏡たんを頃すのはやめてぇぇぇぇ!
頃すならいらない賢者でb
987 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/17(金) 20:20:27.32 ID:Sug6eDmG0
>>1
おつ
嵐がすぎるまで ひたすら耐えるしかないな
988 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/17(金) 20:25:26.06 ID:LFz8kEjso
犬が死ぬのだけは耐えられない
989 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage saga]:2012/02/17(金) 20:28:25.30 ID:wQFjEFPKo
>>1
乙
今までの中じゃベルゼブブが一番強いのかな?一人ぼっちの魔王が最強とばかり思ってたが
990 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 20:39:26.99 ID:fg0xTyxjo
これがテヘペロジェノサイドの序章だというのか・・・
991 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/17(金) 21:36:31.52 ID:JXSpWCZKo
あぶないあぶない。すっかり忘れてました!
37スレ目とか頭がおかしくなって死ぬ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329482009/
では次スレでもよろしくジェノサイド☆テヘペロ!ノシ
992 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagesaga]:2012/02/17(金) 21:40:57.67 ID:KhPURCRTo
>>1
乙!
yes!!ジェノサイド☆テヘペロ
993 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage saga]:2012/02/17(金) 22:24:32.92 ID:0CH2rxgfo
>>1
乙
ジェノサイド!ジェノサイド!
さあ、血祭りだぜ~殺るぜ~超殺るぜ~
994 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/18(土) 00:17:54.31 ID:sKoEAZG80
>>1
テヘペロ☆ジェノサイド
995 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/18(土) 00:41:16.27 ID:8Q4GiH6yo
埋め埋め埋め
996 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/18(土) 00:41:27.32 ID:wKPL11XOo
埋め埋め
997 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/18(土) 00:41:37.42 ID:lPHqa00Ko
埋め
998 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/18(土) 00:41:45.95 ID:zM4mHUf5o
梅
999 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/18(土) 00:42:44.19 ID:hlFL535xo
最後はあげるよ
1000 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/18(土) 00:45:35.74 ID:m0NNPZaSO
1000
1001 :
1001
:Over 1000 Thread
____ r っ ________ _ __
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 ̄ ̄ く_/ \ `フ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | |____丿く / <´ / `- 、_// ノ\ `ー―--┐
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1002 :
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ぱんつの想うところによるね @ 2012/02/18(土) 00:39:01.67 ID:+CO0e2Vqo
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アスカ「学園都市ぃ?」 @ 2012/02/17(金) 23:54:35.45 ID:3hrdLFODO
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ハリケーンミキサー @ 2012/02/17(金) 23:45:29.49 ID:5VpIaw44o
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ほっとする言葉を集めるスレ @ 2012/02/17(金) 23:09:49.68 ID:9bPpzGxIO
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鳴上「月光館学園?」 @ 2012/02/17(金) 22:50:37.31 ID:3a00OthAO
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嫁宣言して60分以内に嫁AAにお断りされなければ結婚避難所 @ 2012/02/17(金) 22:43:07.82 ID:EhmlP/Yho
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【レンム】VIPでテイルズウィーバーやってるwwwwwww【新規も復帰も】 @ 2012/02/17(金) 22:30:30.38 ID:sGHAf2Hho
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【Fate】汝、自らを以って最強を証明せよ【コンマで聖杯戦争】 @ 2012/02/17(金) 22:25:41.62 ID:wLTdHgTj0
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