過去ログ - P「光射す日常――」
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1:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:15:04.97 ID:qgOebLqx0
【昼、事務所】

P「これで完成だな……」

エンターキーを押し、作業を終える。
事務所に居るのは俺だけだった。
律子は竜宮の営業で今日一日出払っているし、音無さんの姿も見えない。
ただ、今はそれを気にするよりも。

P「社長に報告しないと」

数日前から進めていた資料作成がようやく終わったのだ。
早く社長に報告しなければと思い、印刷された企画書を持って社長室へ向かう。
扉をノック――しようとして、慌てて自分の身なりを整える。

P「ジャケットよし。襟元よし――」

一つ一つ口に出し、着崩れている箇所を直していく。
だらしない格好で入室する訳にはいかない。それが報告ともなれば尚更だ。
いくら765プロが家族のような関係を築いているとは言っても、これから会うのは上司なのだ。

P「最後にネクタイよし……と」

いつも着用している青いネクタイを締め直し、今度こそ扉をノックする。
しばし待つと。

高木「入りたまえ」

という社長の声が聞こえてきた。
ノブを握って回し、開けた室内へ足を踏み入れようとする。

P「失礼します――あれ?」

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2:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:15:44.90 ID:qgOebLqx0
社長だけかと思っていたが、中にはソファに座っている音無さんが居た。
出かけたのではなく、社長室に用事があったのだろうか。
彼女の前のテーブルには、コーヒーの注がれたカップが置いてある。
向かい側に社長が座っているところを見るに、何か話をしていたようだ。
間が悪かったかもしれない。そう思って、社長に確認を取る。
以下略



3:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:16:12.86 ID:qgOebLqx0
高木「コホン……それはさておき、報告を聞かせて貰えるかね?」

社長が真剣な顔になり、場の空気が緊張する。
俺は企画書を持ち直して立ち上がり、説明を始めた。

以下略



4:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:16:44.16 ID:qgOebLqx0
小鳥「私も楽しみです!プロデューサーさん、ファイトですよ?」

P「ええ、勿論です!」

音無さんも企画書に賛成してくれた。
以下略



5:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:17:18.75 ID:qgOebLqx0
高木「これからまた、キミには頑張って貰う事になるからね。丸一日休みにできなくて心苦しいが、せめて英気を養ってくれ」

その気遣いは嬉しかったが、反射的に『断ろう』と思った。
律子が出払っている今、音無さん一人に負担をかけてしまうからだ。
けれど、そんな俺の考えはお見通しだったらしく。
以下略



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2013/09/11(水) 00:17:56.74 ID:qgOebLqx0
P「皆を活躍させてやれるって考えたら、自然と……なんて、ちょっとはしゃぎ過ぎでしたね」

小鳥「そんな事ありませんよ。頑張ってるプロデューサーさんを見てると、私も『やるぞ―!』って気分になりますし」

笑顔のまま『おー!』と握りこぶしを突き上げる音無さん。
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7:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:19:12.57 ID:qgOebLqx0
【翌日の朝、事務所】

P「眠れなかった……」

早めに帰して貰ったというのに、全く眠れなかった。
以下略



8:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:20:00.78 ID:qgOebLqx0
P「千早と春香のグラビア撮影があるけど……」

事務所に集合するのは8時だ。
撮影に至っては9時から始まる。
だというのに、どうして俺はこんな時間に出社してしまったのだろう。
以下略



9:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:21:14.76 ID:qgOebLqx0
【暗い空間】

P「ん……?」

瞼を開くと、そこは見慣れない場所だった。
以下略



10:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:22:01.85 ID:qgOebLqx0
P「あれは……」

同じく果てのない天井から、水滴が断続的に落ちてきている。
自分の立ち位置からおよそ3メートルほど先だろうか。
波紋が起こり、そこにぼやけた輪郭が浮かび上がった。
以下略



11:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:22:38.46 ID:qgOebLqx0
P(いや、無表情と言うよりは……)

あまりに冷たすぎる瞳。
まるで人形のように虚ろで、おぞましさすら感じてしまう。
不気味に思って一歩距離を置こうとするも、足は動かない。
以下略



12:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:24:33.79 ID:qgOebLqx0
【朝、事務所】

P(ここは……事務所か)

さっきの空間から抜け出した先は、見慣れた事務所だった。
以下略



13:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:25:20.14 ID:qgOebLqx0
千早「プロデューサー」

P「何だ?」

短い呼び掛けに対し、こちらも簡潔に返事をする。
以下略



14:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:26:15.71 ID:qgOebLqx0
P「本音なんだけど……千早こそ、どうして似合わないなんて思うんだ?」

千早「それは……私は他の皆のように、愛想もスタイルもよくありませんから……」

胸の辺りを気にしつつ、千早は細い声でそう言う。
以下略



15:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:27:07.66 ID:qgOebLqx0
春香「もちろん!プロデューサーさんも心配しないでいいですよ?私に任せてください!」

満面の笑みで、そう言ってくれる。
春香の笑顔には助けられてばかりだ。

以下略



16:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:27:35.73 ID:qgOebLqx0
P(でも、楽しいからいいか)

千早は面と向かって褒めさせてくれる事が少ない。
他人にも厳しいが、自分にはもっと厳しいのだ。
それは自分の容姿についても例外ではなく、いい写真が取れても全く誇ろうとしない。
以下略



17:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:28:03.48 ID:qgOebLqx0
P「そうか……よし!それじゃあ二人とも、今度の雑誌に期待してるぞ!」

激励の言葉と共に、二人を送り出す。
そこで春香が。

以下略



18:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:28:47.72 ID:qgOebLqx0
P「ふぅ……俺も頑張るとするか!」

一度深呼吸をし、気合いを入れる。

P(うん?)
以下略



19:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:29:31.04 ID:qgOebLqx0
【暗い空間】

P「またか……」

目を開けると、さっきの空間に立っていた。
以下略



20:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:30:00.84 ID:qgOebLqx0
P「他には……」

そういえば、さっきの水面が気になる。

P「凪……って言うのかな、これは」
以下略



21:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:30:56.85 ID:qgOebLqx0
P「雪歩、か……?」

ふわりとした白いワンピースに、身体の正面を隠すような立ち方。
ショートカットの髪が揺れて、どこか儚い印象を受ける少女。
それは、自分のイメージする彼女を的確に表しているものだった。
以下略



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