過去ログ - 提督「傑作だなぁオイ。笑えるぜ」
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1: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:28:34.86 ID:J1uwhgey0
一一二五。横須賀軍港。
たった今追浜海軍航空基地からキ105が飛び立った。
峰山防空基地に待機する舞鶴鎮守府所属の技士達が艦娘全員の擬装を持ってそれに搭乗してやってくることになっている。
提督「さて」
先程から艦娘達と協議の上図上演習にて航路などを決定していた。
提督「南鳥島の襲撃時間は恐らく明るくなったらになるはずだから、五時半ごろと見ておくべきか」
それに間に合わせたいなら・・・。
提督「飛行機に増槽をつけて、1250kmは飛んでもらうとすれば空母には600〜700kmほど進んでもらうだけでいい。一応は間に合いそうだな」
先程まで襲撃時刻に間に合わないのではないかと心配していたから安堵する。
提督「増槽をすべて使いきれば空母への帰還はできないだろう。南鳥島についても格納庫には空きがないだろうから、滑走路待機命令を出しておくように。滑走路待機でも入り切らなければもう野原にでも行っていてもらうしかないが・・・」
赤城「その点はこちらで対応します」
提督「よし、頼んだ」
提督「それで部隊編成だが、南鳥島への援軍機を派遣するのは赤城と加賀の二隻のみだ」
隼鷹「ええっ、うちらの出番はなしかい?」
提督「まぁ待て」
提督「先に空母機動部隊の行程を説明する」
海図上に空母と駆逐艦を模した置物で輪形陣を作る。
提督「白露型全艦が随伴しつつ、赤城、加賀が最大戦速で650km航行の後、全機発艦。そしたら空母起動部隊はその地点に待機、白露達駆逐艦は対潜警戒を最大にして後続の速吸の到着を待つように。空母は燃料がまだあるだろうが、駆逐艦はそうもいかないだろうからな」
五月雨「水上警戒はしないんですね?」
提督「大方の水上艦は司令所に集結しているだろう。心配は潜水艦だけでいい」
五月雨「了解です」
提督「後続の速吸には名取、長良、暁型、秋月が続く。速吸には全艦の補給を担当してもらう」
速吸「え”」
提督「必要なのは燃料だけだ。真水とかそういう一切は持ってこなくていい」
速吸「速吸も行くんですか・・・?」
提督「あ?」
速吸「行きます・・・」
提督「戦艦とかの大型艦は最大戦速で南鳥島までいっても燃料は余っているだろうから、それほど心配はしなくてもいいだろう」
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2: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:30:37.51 ID:J1uwhgey0
提督「それと空母機動部隊指揮は五月雨に一任するから、心しておくように」
五月雨「提督は来ないんですか?」
提督「舞鶴もないってのに、泳いでいくのか?」
3: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:31:50.05 ID:J1uwhgey0
・・・それは散布しにいく味方機の安否を度外視している。海上の風速もわからないからうまくいくかも判断できない。これは加賀が許すはずがないし、提督も許せるはずがない。
もっと奇策を練られないか。こう単純な作戦では意味がない。看破されれば終わる作戦ではだめだ。第二、第三の作戦も平行して考えなければならない。
提督について来た五月雨が提督の顔を不安げに覗きこむ中、提督は一人考えに耽っている。
4: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:32:36.02 ID:J1uwhgey0
時間経過。横須賀軍港埠頭。護衛艦ありあけ前。
降りてきた艦長を呼び止め、緊急に護衛艦が必要である理由を説明する。
隣で五月雨が提督の手を握り、目で訴えかけるように艦長を見つめる。
5: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:37:06.84 ID:J1uwhgey0
提督「当の速吸率いる補給艦隊は、速吸、名取、長良、五月雨、涼風、暁、響、雷、電、秋月。空母機動部隊の出港を追いかける形で単縦陣を組み巡航速度にて航行、途中空母機動部隊に出くわしたら直ちに洋上補給を行うように」
提督「水上打撃部隊は、護衛艦ありあけに登場し目的地まで移動。着き次第扶桑、山城、ビスマルク、加古、古鷹、飛鷹、隼鷹、大鳳は空母を後ろに複縦陣、戦艦がその前に傘上に展開」
扶桑「・・・わ、わかりました」
6: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:38:18.66 ID:J1uwhgey0
飛鷹「最大高度を飛んでも被害は免れないわね」
低めの声で、飛鷹が提督を見て言う。
提督「それは・・・」
7: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:40:01.09 ID:J1uwhgey0
皆が首を縦に振る。
提督「作戦名は天日作戦。天照大神様と日本を守るための作戦にふさわしい名前だな」
五月雨「神様を私たちが守るって、とんでもなく罰当たりな発言な気がすると思うんですけど」
8: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:41:06.91 ID:J1uwhgey0
武蔵「いや、大丈夫だぞ提督。枕なら最高のものがある。世の男でこれで安眠できないやつはいない」
提督「胡散臭いな・・・。どんなやつなんだ?」
武蔵「ずばり」
9: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:41:53.70 ID:J1uwhgey0
大和「私が来るとは思いませんでしたか?」
提督「来てもおかしくはないと思ってはいたが、俺はお前の参加を許した伊藤元帥の真意を問い質したいところだ」
大和「一度は裏切った仲ですもんね」
10: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:42:48.26 ID:J1uwhgey0
どんなに言い繕っても言い訳にしか聞こえないのだとその言葉で思い知らされた。
「十年だ。わかるか?十年だよ。何人の艦娘が死んだ?数えてないか?味方が死んでいくのは愉快だったか?」
遅れてその言葉を思い出す。
11: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:43:35.39 ID:J1uwhgey0
後悔しながら、提督が向かった方向を眺めた。
提督が五月雨とまた夫婦漫才をしている。
陸奥が提督に詰め寄ろうとする五月雨に絡んでいて、さっきまで武蔵を止めていた長門が今度は陸奥を止めている。
12: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:44:54.72 ID:J1uwhgey0
横須賀は伊藤の臆病さを知ってたからいいとして。
十三湊は・・・、言うまでもないし。
・・・。
13: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:46:15.47 ID:J1uwhgey0
一四三二。追浜海軍航空基地。
キ105が着陸した。
プロペラの風が滑走路に吹き荒ぶ中、中から艤装を乗せた車が吐き出される。
14: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:47:25.56 ID:J1uwhgey0
一方。補給艦隊。
速吸「ぐぇぇ、重いです・・・」
五月雨達にとっては巡航速度でも補給艦の速吸にとっては全力疾走。なかなか辛いらしい。
15: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:48:42.73 ID:J1uwhgey0
大和「彼女たちは良くも悪くも自分の性能を知っていますから。相手が水平爆撃をしてきても、それは被害を減らすための方策だと早
合点してくれる可能性もあります」
長門「それはあるかもしれないが・・・」
16: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:49:22.70 ID:J1uwhgey0
飛鷹「丁度鶴翼の陣形って感じね。中央から行く隊は平常通り水平爆撃をしてもらうつもり」
隼鷹「ちょ、ちょっと待って。それだと翼の部分の味方は敵の直上で爆弾を投下するってことかい?それじゃ急降下爆撃と何も変わらないじゃないか」
飛鷹「ううん、右翼と左翼の皆には航空魚雷を持たせてある。急降下爆撃じゃないわ。・・・艦攻も十分危ないけどね」
17: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:49:59.74 ID:J1uwhgey0
一九〇〇。太平洋上。
月と星空が微かに照らす海上を、空母機動部隊は南鳥島へとひた走る。
赤城「最初の増援を断られてるのに、いきなりなにも言わずに送っても大丈夫でしょうか?」
18: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:50:43.69 ID:J1uwhgey0
一九二六。
爆雷を投射しながら相変わらずの全速で南鳥島へ向けて突っ走る。
すでにこの約三十分の間に八本の魚雷が発射されており、危うく春雨が当たりそうになった瞬間もあった。
19: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:51:25.77 ID:J1uwhgey0
飛んで火に入る夏の虫。
その虫は空母機動部隊。
このままいれば壊滅必至の状況で、活路を見出だすにはどうするか。
20: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:52:21.12 ID:J1uwhgey0
立て続けに二回も言葉を続けられて、提督は失笑してしまう。
提督「話が早くて助かる。俺が言いたかったのはその通りだ。頼むぞ、五月雨」
五月雨「任せてください。伊達に戦ってきてませんから」
21: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:52:57.53 ID:J1uwhgey0
二〇一〇。空母機動部隊。
所詮は潜水艦、ものの一時間程度で振り切ることは容易だった。
白露ら護衛の駆逐艦が、途中で勢い余ったのか水上航行を開始した十二隻の潜水艦を砲撃で直ちに撃沈した為、相当数が減っていると思われる。
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