1:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:07:45.88 ID:AWhlWl6p0
前スレ
ex14.vip2ch.com
途中から荒らされて読み辛くなっていますので、その補完です
187までは普通に読めます
2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:08:35.62 ID:AWhlWl6p0
ロア「ふざけてなんかいない。至って真面目で冷静に努めてる。私にあれだけのことをして、殺されなかっただけマシだと思えよ」
花陽「凛ちゃんがあなたになにをしたっていうんですかっ!!」
ロア「はあ……あのねえ、その娘がなにもしなくたって、あんた達がμ'sであるってだけで私には受け入れられないの。抹殺対象なの。殺しても殺し足りないぐらい憎らしいの。何故だかわかる?それはあんた達がμ'sだからよ」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:09:33.37 ID:AWhlWl6p0
上着を脱いで布団代わりにすると、抱き抱えていた凛ちゃんをそっと寝かして立ち上がる。
取り出したナイフを構えると、やつの死を睨む。
ああ、今日は線を見逃すことはない。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:10:24.03 ID:AWhlWl6p0
ロア「そう易々と──」
右手の線を狙う斬撃は、奇しくもやつのナイフに阻まれた。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:11:09.08 ID:AWhlWl6p0
花陽「かはっ……!」
ぎりぎり受け身は取れたものの、正面から波動を受けた影響で中がやられたらしい。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:12:33.90 ID:AWhlWl6p0
ロア「いいや、嘘だ!その証拠に私は唯一の親友を失い、スクールアイドルも続けられなくなり、しまいには人をやめなければ引っ込みがつかないところまで来てしまった……!!その苦痛が、怨嗟が、あんたに理解できるのかっ!!」
花陽「ぐっ……!!」
ロア「そうよ、誰かを笑顔にしたいという願いが綺麗だったから憧れたっ!!ステージで輝く姿が眩しかったから心惹かれたっ!!自分もあんな風に誰かの為になれるならと、持てる全てを捧げて走り続けたっ!!」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:13:28.18 ID:AWhlWl6p0
花陽「あなたは間違ってる……スクールアイドルは、そんなものじゃない……」
ロア「認めろよ。所詮アイドルなんて、偽りの笑顔を晒すだけのくだらない仕事だってね」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:14:21.81 ID:AWhlWl6p0
ロア「クックックックッ……アハハハハハッ!!凄い、あの時以来だわ!転生者の血をこの身に受け入れたときの快感とそっくり!あの時は身体どころか魂まで生まれ変わるんじゃないかって思うぐらいだったけど、あれに勝るとも劣らない快感ね!」
なにも感じない。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:15:32.57 ID:AWhlWl6p0
ロア「そうそう、立ち上がってもっと私を楽しませ────」
花陽「凛ちゃんは、まだ生きてるの」
ロア「……?さあて、どうでしょうね。人間としては終わってるだろうけど、吸血鬼としてなら生きていけるんじゃない?まあ、どちらにしたってあんたはここで────」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:16:27.81 ID:AWhlWl6p0
ロア「いいかげんに、しろっ!!」
足元から発せられた波動に勢いを殺され、そのまま地に叩き伏せられた。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:17:14.50 ID:AWhlWl6p0
ロア「さて、記念にそのナイフは貰っておきましょうか。じきに消えるあなたには必要のないものよ」
あいつを倒さな……いと……
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:18:07.91 ID:AWhlWl6p0
/35
眼が覚めたあと最初に視ることになったのは、真っ白な天井でした。
白一色の壁紙に蔓延る線と点。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:19:17.16 ID:AWhlWl6p0
良かった、凛ちゃんも無事だったんだ。
安心したついでに、少しだけ身体を動かしてみる。
すると、意識を失う前とは違うところに気がつきました。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:20:07.27 ID:AWhlWl6p0
花陽「どうして……私を助けてくれたんですか……?」
綺礼「私は代行者としての責務を果たしただけだ。そこに特別な意味などない」
花陽「そう、ですか……でも、力を貸してくださったことには……変わりありません。ありがとうございます」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:20:54.16 ID:AWhlWl6p0
シエル「西木野さん、ちょっと……」
そのまま二人は病室から出て行き、残されたのは私と言峰さんだけ。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:22:26.26 ID:AWhlWl6p0
花陽「……全ての人を助けることができないから、ですか」
綺礼「そうだ。男は正義の味方として、誰も血を流すことのない世界……つまり恒久的な世界平和を望んだ。
しかし、それは人の領分を越えた、決して叶わぬ願い──己が理想の内にある矛盾に苦悩しながらも、男は走ることを止めなかった」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:23:58.85 ID:AWhlWl6p0
花陽「そんなことって…………」
綺礼「男は何かを成し遂げることもなく、何かを勝ち取ることもなく、その短い生涯を終えた……これが正義の味方になろうとした男の末路だ」
花陽「……なにか救いはなかったんですか」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:24:55.15 ID:AWhlWl6p0
私の発言を心の中で反芻しているのか、言峰さんは目を閉じて黙り込みました。
十秒ほど経過したあと、言峰さんはゆっくりと目を見開く。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:25:41.67 ID:AWhlWl6p0
そのときが愉しみだと──続けて言うつもりだったのでしょう。
だけど、言葉にせずとも理解できた。
おかげで私は、背筋が凍るのではないかと思うくらいぞっとさせられた。
20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:26:35.91 ID:AWhlWl6p0
再び歩み始めた言峰さんは病室の引き戸を開き、こちらに振り返って一言────
綺礼「救いを得たければ迷うな。友の命をどうするのかは、お前次第だ」
21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:27:22.90 ID:AWhlWl6p0
真姫「花陽っ!?」
シエル「なにをしているんですか、小泉さん!」
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