過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/06(土) 19:31:07.81 ID:6QX93pwdo
・はたらく魔王様! 真奥×恵美

・恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」2巻
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 の続きです。

・原作三巻分(非アニメ化範囲)のIFのため、原作三巻の既読推奨。
 ただしネタバレ上等で恵美好きのアニメ組の方も
 良ければどんなイベントが起きるか参考にどうぞ
 
・原作でも明言されていない部分の独自解釈あり

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:31:40.40 ID:6QX93pwdo
恵美「あっつぅ……」

燦々と照る太陽の下を歩きながら独りごちた。

頭がぼうっとする中、手に持った紙袋の重みがずしりと感じられる。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:32:08.81 ID:6QX93pwdo
恵美「とりあえず、はいこれ」

ベルに持っていた紙袋を手渡した。

鈴乃「あ、ああ……これが、例の?」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:33:00.08 ID:6QX93pwdo
千穂「遊佐さん、今日はそれを渡すために?」

恵美「ええ、あとベルの買い物に付き合いにね。家電とか、携帯とか」

彼女は元々この世界に長く留まるつもりがなかったため、最低限の私物しかない。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:33:31.33 ID:6QX93pwdo
恵美「……それにしても、皆で何やってたの? この暑いのに焚き火?」

彼らの足下には、まだ微妙に燃えている何かの燃え殻らしきものがあった。
単純な疑問だったのだが、意外にも彼らは顔を見合わせてから言ってきた。

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:33:57.63 ID:6QX93pwdo
真奥「何かに掴まれ! ゲートだ!」

咄嗟に私もベルも階段の手すりにしがみつく。
このゲートが"入り口"なら、触れれば問答無用でどこかに飛ばされてしまう。
だが、
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:34:24.85 ID:6QX93pwdo
恵美「……魔界にこういうリンゴとか、ある?」

真奥「……ねえよ。つーかさっきの光のゲート見たろ、悪魔が開けるもんじゃない」

そう。これは、何者かによって送られてきたのだ。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:34:50.71 ID:6QX93pwdo
恵美「……な」

私だけじゃなく、全員が絶句した。

リンゴから赤ん坊ほどの人間の手が生えて、聖剣の一撃を受け止めていた。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:35:17.26 ID:6QX93pwdo
赤ん坊「……ぷひっ」

二度目のくしゃみ。解けた皮が再び集まり、黄色いワンピースとなり赤ん坊の身を包んだ。

真奥「……ん?」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:35:44.39 ID:6QX93pwdo
混乱しながらも、私も行かないととベルに渡した紙袋を拾う。
そこで気づいた。

恵美「あれ、貞夫……千穂ちゃんは?」

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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:36:11.05 ID:6QX93pwdo
タオルケットの上ですやすやと眠る赤ん坊。
その周りで、私達はアイスクリームを黙々と食べていた。
楽しみにしていたというのに味がしない。

すぐに食べ終えてしまい、否応なしに現実逃避の時間が終わる。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:36:38.58 ID:6QX93pwdo
彼が助けを求めるように後ろを振り向いたが、全員無言だった。
とりあえず無責任にがんばれーと心中で応援する。
再び彼が赤ん坊に向き合った。

真奥「その、お前は、なんだ?」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:37:05.85 ID:6QX93pwdo
真奥「……お父さんやお母さんは、いるのか?」

アラス・ラムス「おと、おか?」

真奥「つまりその、アラス・ラムスの、パパとママのことを教えてほしいんだ」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:37:31.63 ID:6QX93pwdo
アラス・ラムス「んしょ、しょ」

そんな私達をよそに、アラス・ラムスは覚束ない足取りで立ち上がった。
どうやらもう立てる年齢のようだ。

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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:37:58.31 ID:6QX93pwdo
アラス・ラムス「まま」

それは子供のよくやる、ただの単語の繰り返しではなかった。
アラス・ラムスはその言葉と共に、人差し指を向けていた。

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:38:25.71 ID:6QX93pwdo
恵美「で……どうするのよ、これから」

真奥「どうするのったって、どうすりゃいいんだ」

その視線は、私の腕の中のアラス・ラムスに向いている。
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:38:52.55 ID:6QX93pwdo
結局、今決めなければいけない現実的な問題は、この子の世話を当面どうするかということだった。
一人暮らしで仕事のある私には難しく、六畳一間に男三人の魔王城も赤ん坊の養育環境としては望ましくない。
家族と暮らす千穂ちゃんの家に預けるのは、危険に巻き込む可能性も含めて論外だ。

鈴乃「私は別に仕事があるわけでもないし、引き受けても構わないぞ。これでも大勢の子供の面倒を見た経験はある」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:39:24.24 ID:6QX93pwdo
やはり仕事は休むべきだった、そう思った。

アラス・ラムスが現れた翌日のこと、色々と思い悩みながら仕事をしていたら梨香に目をつけられ、
口を滑らせて"まま"になったことを漏らしてしまったのだ。
無論エンテ・イスラのことは伏せて、貞夫の知り合いの子供にそう呼ばれている、ということで誤魔化したが。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:39:51.73 ID:6QX93pwdo
買い物を済ませ、一緒におむつなど最低限必要そうなものを買ってから
再び魔王城に戻ったときのアラス・ラムスの喜びようときたらなかった。
その顔を見たときには、もう私はすっかり母親気分になっていたのだ。

恵美「私、明日は会社休むわ。有給……は正直厳しいけど、何とかねじこんで」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:40:19.70 ID:6QX93pwdo
一つため息をついてから貞夫が言った。

真奥「……恵美、やっぱお前は普通に帰って普通に会社行け」

真奥「魔王城で保護すると言った以上、こいつについては俺らで責任持つ。芦屋、いいな」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:40:47.50 ID:6QX93pwdo
仕事も終わり魔王城へ急ぐと、そこには昨日の面子全員と、
顔を輝かせて私を待ち受けていてくれたアラス・ラムスの姿があった。

貞夫と芦屋、それに隣室のベルの顔に少々疲れが見える。

以下略



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