過去ログ - 京太郎「限りなく黒に近い灰色」
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1: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 03:41:01.75 ID:w4MVYybr0
はじめに。
ライドウと咲の二次創作です。ライドウの未来に咲がある設定でやっています。
いくつか注意してほしいところがあります。
一つ。 文章がものすごく長い。
二つ。 設定が激変しているキャラクターが多いので気に入らないと思うことがあるかも知れません。
三つ。 前回「操り人形よ糸を切れ」の内容を引き継いでいます。

内容について。
まったく恋愛要素がありません。
今回はほのぼの八割で進行します。

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2: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 03:46:17.69 ID:w4MVYybr0
 六月、インターハイ長野県大会会場で、宮永咲は立ち止まっていた。きょろきょろとあたりを見渡して、どこに進めばいいのかと必死に頭を働かせている。完全に道に迷っていた。

 彼女は控え室までの道のりがさっぱりわからなくなっているのだ。トイレに行くために控え室から出て、トイレにたどり着くまではよかったのだ。

 問題なのはトイレから出てからだった。というのが、トイレから出てきた宮永咲はちょうど人の移動に巻き込まれてしまったのだ。
以下略



3: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 03:48:44.16 ID:w4MVYybr0

 宮永咲はやったと思った。これで控え室に戻る道がわかる。そう考えたのだ。宮永咲が声をかけようとしたときだった。

 とても背の低い少女が宮永咲に話しかけてきた。背の低い少女は少し日焼けしていた。日焼けしている少女はこういった。

以下略



4: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 03:51:35.96 ID:w4MVYybr0

 須賀京太郎に、宮永咲は声をかけていた。

「京ちゃん? どうしたの」

以下略



5: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 03:57:20.55 ID:w4MVYybr0
 五月の終わりごろ。夕方の清澄高校の廊下を京太郎は歩いていた。授業がすっかり終わり、部活動の時間である。

 灰色になってしまった髪の毛をいじりながら、足音をまったくたたせずに廊下を進んでいく。京太郎は、高校生になってからは麻雀部に所属している。

 ほんの数日前まではまったく休まずに通っていたのだが、さまざまな事情が重なりここ数日は部活に顔を出せていなかった。
以下略



6: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:01:26.45 ID:w4MVYybr0
京太郎たちが部室に到着したときには部員たちが部活動を行っていた。京太郎以外はみな、女子である。三年生が一人、二年生が一人、一年生が京太郎を入れて四人。

 部長が見守る形で部員たちが麻雀卓を囲っていた。麻雀部なのだから、その活動は麻雀である。野球部が野球をするように、麻雀部の部員ならば、やることは決まっている。

 宮永咲と京太郎が部室に入ってくると部員たちの動きが止まった。今まで聞こえていた音がぴたりと止まるのだ。学生服のすれる音がうるさく感じるような静寂にはいった。
以下略



7: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:06:31.24 ID:w4MVYybr0
 
 部活動が始まって、数十分後のことだった。京太郎を染谷まこがほめていた。

「なんじゃあ、今日は調子がええのぅ」

以下略



8: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:13:32.35 ID:w4MVYybr0
 しかし、どこで壊れたのかわからないという答え方でも嘘ではない。正確にどのタイミングで携帯電話が壊れたのか、京太郎にもわからないのだ。

 京太郎の答え聞いて原村和がこういった。

「本当に無事でよかったですね。早く犯人が見つかればいいのに」
以下略



9: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:16:36.45 ID:w4MVYybr0
 宮永咲の心配する声も聞かずに京太郎は金庫に手をかけて持ち上げた。京太郎は古びた金庫の底に手をやって、ほかの二人が手伝う前に持ち上げたのだ。ヒョイという擬音が似合う動きだった。

 むしろ軽すぎたのか持ち上げすぎてバランスを崩していた。京太郎は、そこそこ重たいといって情報を得ていたので、結構な力を入れて金庫に挑みかかったのだ。そうしていざ持ち上げてみると、それほど重くない。

 そうなってみると重たくもないのに力を入れすぎたということになるわけで、勢いがあまって体のバランスを崩しかけたのである。
以下略



10: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:21:21.87 ID:w4MVYybr0

 髪の毛の話をしているとき異変に気がついたものが一人いた。染谷まこだ。異変といってもたいしたものではない。京太郎の灰色の髪の毛が、かつて

「金髪だった」
と断言できたのが、染谷まこだけだったのだ。ほかの部員たちは宮永咲も含めて
以下略



11: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:25:18.54 ID:w4MVYybr0

 麻雀部の部員たちと校門で別れた京太郎は一人で帰り道を歩いていた。京太郎は帰り際に買い食いでもしないかといって誘われた。しかし、「さっさと帰ってきて休め」と両親から言いつけられていたので、断ったのだった。

 そうして、少し早歩きで、普通目に見るととんでもないスピードで帰り道を進んでいた。

以下略



12: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:30:23.11 ID:w4MVYybr0

 京太郎が答えようとしたところで、ソックが先に答えた。

「漫画だな。宇宙生物と耽美な高校生が戦う話。古い小説を原作にしてて面白いんだ。

以下略



13: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:34:18.74 ID:w4MVYybr0
 京太郎が母の元にたどり着くと母がこういった。

「晩御飯ができたわよ。食べましょう」

 母の髪の毛は綺麗な金髪だった。しかし日本人だ。京太郎よりもずっと背が低い、どこにでもいそうなおばさんだ。京太郎が持っているふんわりとした雰囲気は母親から受け継いだものだろう。
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14: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:38:19.68 ID:w4MVYybr0
 朝ごはんを食べ終わった京太郎がリビングでくつろいでいた。本日は龍門渕のパーティーに一応呼ばれているので、京太郎はワイシャツとスラックスという格好をしていた。

 そもそも一般市民の京太郎にとってパーティーなどという上流階級の催し物というのに縁がない。そのため、さっぱりその手の服装というのも持っていなければ、どういう振る舞いをするべきなのかというのもわからないのだ。

 しかも、急な話であったから、良い対応をするという気持ちさえわいていない。一応、家族に相談してみたものの、家族もまた一般市民であって、当たり障りのない格好をしていけばいいだろうというようにしかいえなかったのだ。
以下略



15: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:42:12.59 ID:w4MVYybr0
 玄関から出てきたところでハギヨシに招かれて、車の後部座席に京太郎は乗り込んだ。今まで生きていてまったく触れる機会がなかった超高級車を前にした京太郎の動きは非常にぎこちなかった。自分の体がぶつかって、何か失敗してしまったら大変なことになるという考えが頭にあるのだ。

「弁償だとか、そういう話になったとしたら終わりだな」

 そんな悪い考えが頭に浮かんできてしまい、全身を上手く支配できなくなっている。
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16: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:48:25.96 ID:w4MVYybr0
 ハギヨシの質問を受けた京太郎は答えた。

「いえ、まったく何も決めていません。あと、須賀さまはやめてもらえますか。なんだか、ざわざわするので」

 ずいぶんはっきりと言い切った。そして運転手にもハギヨシにもわかるくらいに、所属をどうでもいいと思っているのがわかる口調だった。京太郎は自分がどこの組織に所属するべきなのかまったく考えたことがなかった。
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17: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:51:45.64 ID:w4MVYybr0
 しかし普通に道が長かった。そのため思ったよりも話が合うハギヨシと運転手とで京太郎は暇をつぶしをしていた。

 といってもたいしたことではなくただの世間話である。車の中でいろいろと話をしているときに、京太郎は自分の趣味を聞かれた。実にたいしたことではない。そのときに京太郎はこういった。

「麻雀ですかね、最近は漫画を読んだりしてますけど」
以下略



18: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:56:14.41 ID:w4MVYybr0
龍門渕の屋敷に到着した京太郎は、車から降りた。龍門渕の駐車場で車は止まっていた。

 車から降りた京太郎は背伸びをした。背伸びをしたときに体がパキパキと音を鳴らした。

 体を伸ばしているときに京太郎は綺麗なメイドさんを見つけた。大きく目を見開いて、非常に京太郎は集中していた。
以下略



19: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:03:53.06 ID:w4MVYybr0

 ハギヨシの案内で屋敷の中を進んでいるとき何人かお手伝いさんとすれ違った。先ほど見かけた若いお姉さんから、かなりいかついおじいさんまでいろいろと働いていて、年齢層はばらばらである。

 時々京太郎が見つけたメイドさんと同じようなメイド服を着ている人もいて、服装もバリエーション豊富だった。

以下略



20: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:08:31.82 ID:w4MVYybr0
 実に混沌とした光景を見てハギヨシの眉間に深いしわができた。完全に怒っていた。
 またほとんど同時に京太郎の眉間に深いしわが寄っていた。怒っていたわけではない。ハギヨシの怒りのオーラが炸裂することを思い、心を痛めたのである。

 ハギヨシが現れたことでやや騒がしくなったのだがそれも落ち着いて、金髪の長い髪の少女、龍門渕透華が京太郎に挨拶をした。

以下略



21: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:13:14.67 ID:w4MVYybr0

 息を切らせているメイドさんにハギヨシが声をかけた。

「どうしました、井上さん」

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