【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆S6ROLCWdjI :2019/03/23(土) 09:15:09.54 ID:mHCNoPnp0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

この世界は「多様性のある世界」です。
完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
コテハン「推奨」です!
基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。

能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1550412867/】
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
2 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2019/03/23(土) 09:52:49.93 ID:qjuKmnzw0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
3 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2019/03/23(土) 13:40:09.43 ID:mHCNoPnp0
【街中】
【そいつは今日も買い出しに出かけていた。向かう先はスーパー。今日も今日とて料理の練習をしたくって】
【無数にブックマークしてあるレシピサイト。はたまたSNSのお料理アカウント、見ながら何を作ろうか】
【鼻歌交じり、呑気に考えているだけだった。だけだった、はず、なのに】

………………あれっ?

【スマホの液晶を撫でる指先がふと凍りつく。フォローしているお料理アカウントのひとつ、ホームを覗いて】
【目が釘付けになる――料理のりの字もないよくわからないリツイート。じっと見つめるのなら】
【そこからハッシュタグに飛んで、さらにまとめサイトにまで飛んで――歩む足取りが完全に止まる】

【黒いオーバーサイズのスウェットを、ワンピースみたいに着ている少女。目立つ赤髪。スマホを見つめる視線も同色】
【すっかり暖かくなったからタイツの類は履かないで――生足の先に靴下と、これもまた真っ赤な厚底靴】
【そんな出で立ち。街中に溶け込むにはまあすこし髪が目立つ、その程度の子だったけれど】

【(友達が実はカルトの残党だった。そしてそれを知り合いが――伴侶の属する組織が、工作して匿っていた)】
【(そんなことを知ってしまった。だけど彼女にとっては「そんなこと」どうでもよかった)】
【(一番肝要だったのは――ひとつだけまとめられた呟き、しかしさしたる反応もされなかったはずのそれ)】

【 「相手の女、冒涜者じゃね?」 】

…………………………、う、……ゔぇ、っ、

【――流れ続ける人混みに肩を押されて。思い出したかのように二歩、三歩ふらついてから――蹲る】
【スマホを持つ手と逆の手で口元を押さえていた。気分が悪くなったようだった。そうしていれば流れる人々も】
【さすがに少女を放置するわけにはいかなくなって――「大丈夫ですか?」「気分悪いの?」】
【彼女を囲むようにして、ほんのちょっとした人集りができる。その中心で彼女は――顔を、真っ青にしていた】
4 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 14:18:41.64 ID:QhqfSCns0
【――――国を越えての情報の伝達は、ネットワークが発達した今の時代、それこそノータイムで成立するもので】
【『コト』が起きてからさほどに間を置かず、『彼ら』は自分たちが、知らぬ間に危うい立ち位置にいる事を、知らされる事になる】



【――――風の国 『導人会』出張所】

――――ジャファー、ジャファー聞いたか!?
「声がでかいぞガゼル……言われずとも、こっちにも報告は届いたって……」

【現在、風の国にて急速に、知名度と支持とを伸ばしている、政治結社。次の国政選挙に名乗りを上げるだろうと、しきりに話題を浚っていた『導人会』】
【その最高幹部の2人――――ガゼルとジャファーは、共に切迫した様子で、顔を突き合わせていた】

……これは、どう考えれば良い? このカード……そうおいそれと切っていいものではなかったはずだが……!?
「言われずとも……相談なしに、こんな危ない橋を渡るもんかい。見ろ……流れの着火点は別だ
 恐らく……誰かの描いた絵だな。個人が、こんな詳しく事情をペラペラできるもんかい……
 誰かにとって、こっちの「突然の戦闘」によって、事情が変わった。だから、ついでに俺たちに導火線を引いてきた……んなところだろ」

【『外務八課』の存在。朧気ながら、彼らもその情報自体は触れていた。だが、まだ利用価値も準備も無いと、温めていたはずのものである】
【それが、急速にネットワーク上に拡散している。それどころか、その発信源の1つが、自分たちに連なる様な印象を与えるもので――――】
【――――拙速の裏工作が、自分たちに絡みついている。それを理解した2人の危機感は、徐々に煽られていく】

……『戦略・対策部』としては、どうする? こんな流れ、下手に巻き込まれれば、無用な火種だぞ?
「確かに……せっかく大っぴらに、国政に踏み込んでいけるかってところだってのに、ここで足を引っ張られたくはないな
 ――――けど、考えようによっては、上手い具合に調理できるんじゃないか?」
なに……?
「――――こそこそするから後ろめたいのさ。やるんだったら大手を振って、胸を張って堂々と、だ……
 ガヤなんざ使わず、表立ってグイグイ発言してけば良い。そしてヒットしたら……奴らに内政干渉の疑惑ありと、大々的に糾弾するんだよ
 後は今まで通りだ……水の国の醜態を踏むな、それは『魔能制限法』だけでなく、『外務八課』の存在も然りだ、と……手札に加えて、終わりだよ……」

【だが――――彼らも、ただでは終わらない。状況が変わったなら、それに対応して、もう1度利用するまで】
【狼狽は、さほど間を置かずに、狡猾にとって代わられていく――――】

――――簡単に言ってくれるな? それを言うなら、こちらの腹も堂々と探られかねんぞ?
「そんなの、今更だろう……? 疑惑なんざ、虚々実々、今まで俺たちにもついて回ってたじゃないか。何も変わらない……
 それに……そういう手合いを上手い事調理するのが、お前さん……『広報・実働部』代表、ガゼル=イヴン=カーリマン様じゃないのか?」
……本当に、簡単に言ってくれる……だが、まぁ良い……分かったよ。躓きの石は、向こうに蹴り返してやろう……そういう事だな?

――――それと、この流言の発信源、部下たちに探らせなければな……流石に、そこは押さえておきたい
「あぁ、そこから先は兵隊たちにお任せするよ。俺は情報収集と分析、作戦立案に専念だ……」

【――――彼らのするべき事は変わらない。水の国の醜態を殊更に喧伝し、その危機感の中、風の国を上手い方向に誘導する事――――それだけである】

/いわゆるソロール、絡み不要です
5 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 14:39:13.27 ID:QhqfSCns0
>>3

――――良い様だ、来な……!
<……本当に、意味あんのかよコレ……?>
しょうがないじゃないさ……見つかったら負け、遅くても負け……旦那の頼みだってんなら、少しくらい身を張るしか、もうしょうがない……
<そりゃ、そうだけどよ……――――っ、い、行こうお姉ちゃん?>
……えーと――――そうだね、急ごう……
{(……2人とも、ぎこちないの、もう少しどうにかならないのかしらぁ……?)}
<(うるっせ! 俺に女の振りしろとか、カメに空飛べって言ってる様なもんだぞ!)>
「(良いから2人とも……今は急がないと……)」

【雑踏の流れは、その時まではなんて事も無かったのだろう。その中に紛れた彼女らが、多少特異な見た目でも、それは正常の中に紛れていた】

【銀色のウェーブがかったロングヘアーに、目元をサングラスで隠し、毒々しい赤い口紅が塗られた唇をしている】
【全身は、飾り気のない黒のライダースーツで固められており、スマートな印象を与える】
【両手足が、どこか不釣り合いな細さの、鋼鉄製のものに接ぎ変えられている、身長160cm前後の女性と】

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、赤色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女】

【パーカーの少女の手には、やけにごつい銀色のジュラルミンケースが携えられており、それを重そうに持ち歩いている】
【いささか奇矯な2人組は、それでも人の流れの中を、静かに進行している、はずだった】

【――――蹲った少女の姿を認める、その時までは】

……、ん……?
<お、お姉ちゃん……あれ……?>
あの格好……ひょっとして…………?
――――おいお前、アーディンの旦那のとこに、前に顔出してた子じゃないのかい……?

【彼女らも彼女らで、蹲る少女を認めて、声をかけたのだろう。だが、そのニュアンスは、他の面々とは異なっていた】
【――――彼女らは、その姿にピンとくるものがあったのだ。知り合いの、知り合い。話だけは聞いていた、その赤色が、印象に重なって】
【2人は、歩みを曲げて、その少女に声をかける。何か、尋常ではない事が、あったのだろうと――――】
6 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 14:48:01.11 ID:mHCNoPnp0
>>5

……………………?

【朦朧とした目で近づいてくる二人を見上げる。顔色はやっぱりよくなくて】
【ただ、口元を隠していた手だけはのける。スマホはそのまま――例のまとめサイトを開いて】
【本当にぼうっと力なく、辛うじて前を見ているだけの状態だった。それでもなんとか口を動かし】

…………、……おねーさんは、……アーディンさんの知り合い?
そっか、そうだよ……うん。あたし、アーディンさんにたくさん世話になって……
夕月っていうの。ごめんネ、なんか、心配かけちゃったみたいで……大丈夫だから、

【ふらり、危うげな足取りで立ち上がるのだろう。そうして何でもないと言いたげな顔して笑うから】
【明らかに何かしら無理しているのは明白だった。本人的にはうまくやっているつもりなのだろうが】
【…………話題を変えたかったらしい。あるいは逸らしたかった。胡乱な速度で視線を動かして】

すっごい荷物持ってるじゃん――どしたの? 旅行用ではないよね、ケース……
ぎっしりお金が詰まってるとか? ふふ、…………けほっ、

【指さすのは少女が持ったジュラルミンケースだった。冗談めかして笑うのも、やはりどこか下手糞】
7 :ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 15:01:04.25 ID:QhqfSCns0
>>6

(――――随分な感じだねぇ。何があったってのさ……――――なんか、見てたのか?)

【サングラスの奥で、女性はふと考え込む。不意に体調を崩したというよりは、何かにショックを受けた様な状況だ】
【では、そのスマホに映っているのは何なのか――――流石に、そこを問いただすほどには、胸襟は開かれていなかった】

……やっぱりそうかい?
実はあたしもさ、あの旦那には色々と世話になっててね……話は、ちょっとばかりだけど、聞いてたのさ
――――あたしゃ、ブラックハートって言う。で、こっちが……何というのかな、友達、で良いのか……
<……リベルです。リベル=アシェル……よろしくね?>

【手を貸そうとも思ったが、何とか少女――――夕月は自力で立ち上がり、それを見守りながら、女性――――ブラックハートは名を名乗る】
【ただ、手を貸すのもどうかと言う話だったかもしれない。彼女の両手足は、鋼鉄のニセモノ。通常の義肢と違い、ある程度自在に操れているようだったが】
【そんな冷たい手を貸す事が、良かった事かどうかは、分からないのだ】
【そして、そばについている少女――――リベルも名を名乗る。本当ならその名は彼女『自身』ではないが、余計な事を言って、混乱させる必要もないだろう】

ッ――――……これかい。これはね……そのアーディンの旦那に頼まれた荷物なのさ
大事なもんでね……ただの一抱えのケースだけど、わざわざ2人掛かりでね……
<大事なものだから、直接運んで欲しいって言われて、私たちで……>
<(……なんて言えばいい、この場合……?)>
{(一緒に届けようとしてる所、とでも言いなさい。本当に下手くそなんだから……)}
<――――2人で一緒に、届けなきゃいけないんだ……>

【何かで、気持ちを紛らわせようとしているのは、分かる。それに、2人にとってもその方が好ましかった】
【問題なのは、夕月が興味を示した先――――ケースに触れられて、わずかに2人の表情が曇る】
【殊に『リベル』は、言葉に妙な間を挟んで、口ごもり――――実際には、言動のフリに悩んでいたのだが、荷物の言い訳に口ごもっている様に見えたかもしれない】

――――ともあれ、歩けるかい? 目立っちゃったからね……少し、フケようじゃないのさ

【先ほどまで蹲っていた夕月の周りには、まだ数人の通行人がいたのだろう。ブラックハートは、夕月に歩けるかと問いかけた】
8 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 15:13:32.95 ID:mHCNoPnp0
>>7

【――目を凝らさなくても。そのうちにニュースで見る羽目になるかもしれないのだから】
【ここで聞かなくていいのは本当のことかもしれなかった。「それ」に、何故少女がショックを受けていたか】
【そこまでは解らずとも。……それとも、アーディンに聞けば諒解できるのかもしれず】
【どっちにしたってここで聞かなくてもいい話なのは変わらないけど。それでもいつかは――ばれるのだろうが】

ブラックハート、さん、に……リベルちゃん。うん、よろしく。
……そんな大切な荷物だったんだ。そっか、アーディンさんが頼むくらいなんだったら
本当にすごいものなんだろネ、…………そっか。じゃあ、気を付けて――

【口ごもる動作にはさしたる反応を示さなかった。示す余裕もなかっただけ、とも言えるけど】
【それだけ聞いたら――あろうことかさっさと踵を返し、帰ろうとまでするのだった】
【今は誰とも会いたくない。そう言いたげな態度と言動、しかし実際のところ身体はそれについていかず、】

………………っあ、……へい、き……だよ。歩ける、あるいて、帰れるから……

【嘘もいいところだった。二、三歩目でよろけて倒れかけた。ならば腕を引っ張ってでも動きを止めて】
【どこかしらで休ませてやるのが「ただしい」はずだった。だけど少女はそれすら嫌がる素振りを見せるから】
【「何かあった」のはどう考えても明白だった。……それも、アーディンの知り合いたる二人には言い出せなさそうな】
【そういうことを隠していそうな気配。――なら、前言撤回、問い詰めてやったほうがいいのかとも思わせる】
9 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 15:32:27.33 ID:qRStJCCTo

【焼け付いたような白い午後だった。マスメディアの垂れ流すニュースは何時にも増して喧しかった】
【 ─── 水国の外務省に属している秘匿機関が、種々の違法な軍事作戦に関与し、剰え壊滅した筈のカルト教団/その幹部を雇用していたという風聞】
【街頭を見上げる人々の騒めきが途絶える事はなかった。誰もが誰もを疑っていた。この街に平和が齎された事などあったろうか】

【水国/首都フルーソ。"最高議会"野党の主要本部/その一ツである高層複合ビル、"ウォーターゲート"】
【硝子を基調に彩られた、ごく清潔なエントランス。 ─── 入口近く、柱の裏側。人影一ツが佇んでいた】



    「状況、開始。」



【冬も終わるというのに厚手のトレンチコートを着込んでいた。一瞥するに上等なスーツは一張羅にも見えた】
【ハンチング帽を目深に被って、 ─── 耳朶と口許に何かを付けていた。嗄れた声が独白のように囁いた】
【ひどく人目を引くべき男だった。それでも傾き始めた陽に晒されて雑踏は疎らだった。ならば、或いは】


/そんなに長いロールにはならないかもしれません。しばらく見ています
10 :ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 15:33:03.01 ID:QhqfSCns0
>>8

……色々訳ありでさ。あたしの身体、ほとんどがニセモノなのさ……
ま、生きてるだけで儲けものだから、今更そんなに気にしちゃ、いないんだけどね?

【夕月の機微から、ブラックハートは自分の体に、夕月がまた、何らかのショックを受けたらしい事を理解したようだった】
【苦笑しながら、黒鋼の腕で、金属繊維の髪を掻き撫でる。流石に、間接的に面識があったとはいえ、初対面の人間に対して詳らかに話す事でもない】
【ただ、自分は気にしていないと笑ってごまかすのが、精一杯だった――――夕月の方にも、事情があった事など露知らず】

(……流石に、メンテナンスも……限界が近いかもしれない。あたしゃ、くたばる前に……何が出来るってんだろうね……)

【そして、ブラックハート自身はと言えば、既にいつ死んでもおかしくない環境に身を置いている】
【表層を取り繕いながら、ふと心に陰が差さる。生き延びた事の意味を、なす事はできるのだろうかと】

あぁ……ちょっとあの旦那の『裏』に触れる事だし、ほら……今色々ときな臭いじゃないか、櫻州とか色々と、ね……
何とかしなきゃいけないのさ。だから……命を張る事にも、なるというか、ね……
<……本当は、『UT』にお世話になってるんだけど、私たち……アーディンさんが、気に掛けてくれたから、お手伝いをしてて……>
{(――――可愛くなってきたんじゃない? 初々しいランドちゃん?)}
<(うるせえぞルヴァ! お前後で覚えとけよ!?)>

【ケースについては、微かに仄めかす程度に抑えた。聞いている『敵』――――彼女のやり口なら、こんな会話からすらも、糸口を掴まれてしまいかねない】
【ただ、1つだけ言える事は――――ブラックハートとリベルもまた、戦っているという事だろう】

え……あぁ、大丈夫なら……――――ッ?
……夕月、あんたすっかり参っちゃってるじゃないのさ! 今は無理ってもんだ……リベル、少しばかり……!
<ま、待てよ! あぁ、いや……ちょっと待ってよお姉ちゃん! 『これ』は……!?>
……放っといて良いものだったら、放っとくさ……そうはいかねぇだろ、リベル……! 夕月、ちょ……――――ッ

【そのまま去ろうとする夕月を、釈然としないままに見送ろうとしていたブラックハートだが】
【そのコンディションが、想像以上に悪い事を悟り、思わず駆け寄る。同時に、明らかにリベルの言動が乱れるが】
【それよりも――――何か、意地を張ってる様な夕月の態度に、ブラックハートは唇を噛み締めた】

――――あたしに話せないなら、ラベンダーを呼ぶよ。あいつなら、なんか話してやってもいいんじゃないかい……?

【夕月の頑なさに、ブラックハートはラベンダァイスの名前を出す。もう少し、気心の知れた相手なら、という事なのだろう】
【そうして、通信端末を取り出す。このまま、夕月を放っておくつもりはない様だった】

……なんだ、なんかバズッてる……?

【連絡を入れるかどうか、それを勘案しながら端末を取り出したブラックハートは、通知に気づく】
【――――恐らくは、夕月の見たそれと同じ情報が、ブラックハートの下に届いているのだろう】
11 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 15:47:27.23 ID:mHCNoPnp0
>>10

えっ? …………あ、そんな、あたし別にそんなつもりじゃ……
身体がニセモノだなんて、そんなこと! ぜんぜん気にしてないよっ、これ本当だから――

【はっとする。間違えた風に捉えられてしまったことを深く恥じて、ぶんぶん首を振る】
【そうして言うことは取り繕っているようにも聞こえるかもしれないが――かぎりなく本当のことだった】
【そも、夕月という少女自身が「ニセモノ」の命をしているのだから。……それは今、どうでもいいかもしれないけど】

…………そうだね、櫻も、水も――いろんなことがあって。
アーディンさん、やっぱり忙しい? だったらパーティしてだなんてワガママ言えないや。
あのネ、……あたし、アルクさんやレグルスさんにたくさんお世話になったから。そのうち会いに行きたいって、

【「思ってたんだけど――」 声がどんどん細くなる。ふたりの口から聞くに、そんな暇はないのだと】
【理解してしまう。だから彼らに別れの挨拶を告げることすらできないのだって、我慢しなければならない】
【しょうがないって思っていた、こんな世界だから。だから――目の前のふたりもまた戦士であること、理解するのだろう】

…………っ、……ラベンダーちゃんにまで、迷惑かけらんないよ。大丈夫、ごめん……
ちょっと休んだらきっとよくなるから、だから――そうだな、それまでちょっとそばに居てくれたら、
それでいいから、――、…………。…………バズ、…………ああ、

【ブラックハートが端末を出すのなら、やっぱり意地を張ったように首を横に振るのだろう。そうして】
【彼女が何かに気付いたのを悟る。であるなら、諦めたような顔をして――嘆息交じりの声を上げた】
【ならば十中八九、「それ」が原因なのだとわかってしまうのだろう。だって夕月は、縋るような目つきをしていた】
【お願いだからそれを見ないで、なんて顔。しかし彼女らは初対面、そんな懇願に付き合ってやるほどの絆はないなら?】
12 :ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 16:10:25.04 ID:QhqfSCns0
>>11

お、おいおい……そんなに焦るような事でもないんじゃ――――
(ぁ――――アリア……そういや、「そういう事」も、有り得る訳か……)
ま……良いじゃないのさ。どうあれ『今』が、一番あたしらに結びついている。それだけさ……

【確かに、取り繕いに思えていた。ブラックハートとしても、昔に比べて丸くなったのか。それを宥めるような言葉がすんなりと出てきたが】
【――――そうれは同時に、相手の事を察する能力が低減している事も、意味していたのかもしれない】
【昔のブラックハートなら、もう少し早く察する事も出来ただろう。アリアの様に――――「自分みたいな」奴も、いない事はないのだろう、と】

――――あ……あぁ、そういう事かい……
……奴らの事は、あたしも悔しく思うよ……一度、危ない所を助けてもらっちまってたし、ね……
でも……そうだね。旦那、何でも近頃、敵に一杯食わされたって言ってて、最近ピリついてるのさ……
――――生きてるうちに、顔を合わせておくのが、一番なのかもしれないけど……――――『人間』どもはまだ、虐げ足りないし、泣き足りないらしい……ッ!
<……>

【夕月と、アーディン達との約束。それを聞くと、ブラックハートも表情を曇らせる】
【レグルスとアルクの、虚神との戦いの中での戦死。それは、流石に彼女も無関心ではいられない】
【落ち着いたら、その時こそ――――そんな約束を、一体どれくらい果たす事が出来るのだろう?】
【久々に、「『人間』の愚かしさ」を呪いたくなる心地が、ブラックハートの中から湧き上がっていた】

……逆に、こんな時だからこそ……アーディンの旦那には、息抜きが必要かもしれないって、話かもしれないけどね
――――切れちまいかねないよ。今のままだと……この世界、そのものが……
<お姉ちゃん……でも……>
……所詮、無いものねだりってか……やり切れんね……

【消沈する夕月を慮ってか、夕月の方から声を掛けたらどうかと、それとなく仄めかすブラックハートだが、静かにリベルが諫める】
【――――今の夕月は、明らかに精神的に摩耗している。とてもそんな気分にはなれないだろう、と】

……そうかい。でも、無理はしないで。確かに、少し落ち着いた方が良い……あたしらも、少し早いけどここで休憩と行こう……
――――ん…………

【少なくとも、そばに居てくれれば――――その言葉が聞けただけ、前進なのだろう】
【ブラックハートは連絡は諦めたようだが。もののついでとばかりに、ネットを閲覧してしまう】
【――――気持ちが急いていたのだろう。夕月の言外の懇願に、気づいてさえもいなかった】

――――なんだこりゃ。暇なのか……それとも感覚がアホになってるのか。こんな馬鹿馬鹿しい事で、よくもまぁ…………

【蜜姫かえで、そして『外務八課』の疑惑。それを目にして、ブラックハートは呆れた様な態度を見せるだけだった】
【『コト』の重要性を、理解していない。ただ、慌てふためく民衆の、集団パニックの様なもの、程度にしか、受け取っていなかったのだろう】
【夕月の不安は、取り越し苦労だったのかもしれない――――が】

――――『冒涜』…………ッ?

【――――ブラックハートが漏らしたその一言、声のトーンが下がったのは、間違いないだろう】
13 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 16:21:45.86 ID:mHCNoPnp0
>>12

…………そっか。今みたいなときこそ、……会ったほうがいいのかもしれないのか。
ならそのうちにでも行こうかな、えへへ……アルクさんとレグルスさんってどんなものが好き?
プレゼント、持っていきたいの――あたしはアルクさんにもらってばっかりだったから、……、

【曇り行く空気を振り払うようにして、またしても話題の転換。ふたりの墓前に供えるものについて】
【あれやこれやと思いを広げていくのも――束の間の話でしかなかったのだろう】
【近くのベンチにでも座って、三人は休息を取り始めるだろうか。そしたら、ブラックハートは見てしまうから】

【蜜姫かえで。外務八課。その単語が耳に入っただけだとしても、きっと夕月は怯えただろう】
【何せ前者は友達だった。後者に至っては、伴侶の属する組織だった。それが今や「炎上」だなんて】
【そんなスラングじゃ言い表せないほどに燃え上がっている。だけど問題はその次であり、】

……………………っヒ、………………、

【冒涜。その単語が、低い声にて紡がれたことに関して。夕月は間違いなく怯えの表情を見せた】
【なんなら顔なんか見ていなくてもわかってしまうのだろう。びく、と痙攣するように体が震えていた】
【それはどういう感情によるものだったろう。……ブラックハートが思い当たった節、「自分みたいな」、――】
【そこが引っかかるのかもしれなかった。すなわち、この少女は“冒涜者”とやらに害されたのではないか、と】

【そう考えることもできた。けれど実態は少し違うようにも見えた――夕月の表情を見返してみるなら】
【限りなく、「そんな怖い声を出さないで」と言いたげな。そんな顔をしているのだから】
【おかしな話だった、まるでこの少女が、“冒涜者”とやらの身内――それもいい意味でのもの、みたいな態度、取るのだから】
14 :ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 16:42:00.65 ID:QhqfSCns0
>>13

……本当ならね。会えるうちに会っておく。今はそれ、馬鹿に出来ないんじゃないか、多分ね……
――――2人の場所だったら、あたしも知ってるし、レグルスは1度、『会って』きた……

【今のご時世、どうしてもネガティブな意味合いを払拭し切れないが、それは大事な事なのだろう】
【レグルスの言っていた「悔いのない様に」――――例え戦士として生きる人間でなくても、個の心がまえは、大事なのかもしれない】
【それは、生者に対してだけでなく、死者に対しても同じ事だと言わんばかりに】

アルク? ……あいつはね、なんでも……意外と、料理なんかが好きだったそうだよ
よく、サンドイッチだのラスクだの、頬張ってたらしいし、たまに自分で作ってたらしいね……
<レグルスは……レグルスさんは、お酒……重たいビールなんかが、好きだって言ってました……
 お姉ちゃん……お墓参りに、お酒持って行ったって……>

【彼らは、アーディン程にはレグルスとアルクについては、詳しくない。それでも、その人となりを伝えることくらいは出来た】
【アルクについては――――かつての『たんぽぽ』でのやり取りが思い出されるだろう。中性的な風貌だったが、そういうところは得意だったらしい】
【そしてレグルスは、ある意味、言うまでも無い事かもしれない。見た目からして、豪快に酒を煽っているのが似合う奴だった】
【彼の下に持っていくとなると、もう酒以外に思いつかない。それが2人の見解らしい。それも、妥当なものだろう】

【――――そんなやり取りも、すぐに上塗りされることになる、その異変――――】

……背の、馬鹿高い女……? ――――まさか、アリア……!?

【関連情報を覗いていくと、1つ気になるものがあった。そのキーワードに、引っかかる人物が、記憶の中にあったのだ】
【――――自分の同類。恐らくはそうだった彼女。同じくレグルスを弔った彼女が、この騒動に関係している――――】

――――考えてみたら、このかえでってのも、あたしみたいなもんか――――

【呆れつつも情報を流し見して、その中にブラックハートの中に、妙な感慨がわき上がった】
【本当だったら、自分だって、今すぐにでも往来から石を投げつけられ、打ち殺されていてもおかしくない人間なのだ】
【それが、話題の渦中にあるという事――――思わず、己が身と重ね合わせて考えてしまい】

ッ――――、ゆ、夕月、どうした……?
お前、こいつと――――「この畜生」と、何かあったんだな……!? ――――ごめんな、それでそんなに……
<…………ッ、おね――――――――ブラックハート……ッ!>
あぁ、なんだ……ッ? ――――――――ッ?

【夕月の失調に、ようやく気付いたブラックハートが、慌てた様子でその顔を覗き込む】
【夕月を心配している様ではあったが、その言葉は、そして頬のヒクつきは、明らかな怒りを押し殺しているもので】
【ようやく、夕月の不調の原因が、この一連の騒動にあるのだと理解して、ブラックハートはバツが悪そうに、夕月に謝罪する】

【――――それが、「それだけではない」事に気づいたのは、リベルの方だった。彼女も、低いトーンでブラックハートの名前を呼びながら、その袖を引っ張り】
【改めて、ブラックハートは、夕月を、何かを言いたくて言い出せなさそうな、その微妙な態度に気づくのだった】
15 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 16:58:15.07 ID:mHCNoPnp0
>>14

………………、そっか、じゃあアルクさんにはお料理――ピクニックに持ってくみたいなやつがいいのかな。
あたし最近練習してるんだ、だからきっとマシなのが作れるようには、なったし、……レグルスさんはお酒、
そっか、………………そっか。ふふ、ふつうに、パーティの準備、するみたいな――――

【青い顔のまま。話の節々に意味深な沈黙を挟んで。話すのはやっぱり、話題を逸らしたいからか】
【少なくとも無理矢理作った笑い顔はもはや引き攣り顔と言ってしまったほうが、正しかった】
【そのまま楽しい、幸せな――近しい未来の話だけしていたい。させてほしい。どうか、そうさせて】
【願うように呟くのはほとんど譫言のような響きを持って、……しかし、ブラックハートは気づいてしまうから】

ち、が…………違うっ、……ちがわないけどっ、何もなかった、わけじゃないけどっ、
…………むしろたくさんあるんだけど、…………、そうだよね、「畜生」だよね。
ハートさんだってわかるもんね、何もされてないハートさんでも……こいつはひどいヤツだって。

あたしだって、…………あたしだってわかってるよ、“冒涜者”だなんて、
本当だったら生きてていいようなヤツじゃないってわかるよ、真っ先に死ぬべきヤツだって、わかってるよ――

【ほとんど独白のように一方的に喋り始めるのは、どこか強迫観念に囚われた患者にも似て】
【表情は依然として引き攣り笑いのままだった。いま自分が口にしていることが限りなく正しいと】
【自分で自分に言い聞かせて安心を得たがっているような――だのに身体はそれに反比例して】
【震え始めるのを、二の腕を掴んで抱きしめて、押さえつけるようにして――血反吐を吐くみたいに言うから、】

―――――やっぱりそうだよね。あたしがおかしいんだ、……ミアが今度こそ間違いなく殺されちゃうかもって!
そんな当たり前のことが、………………あたし怖いんだよ、だって、だってミアは、あたしの…………

【吐くものがなくなってしまったなら最後、本当に本当のことしか言えなくなってしまうのは道理だった】
【それでも最後の言葉だけはどうにか言わないようにして、我慢しているのは明白だった】
【唇は依然狂ったみたいに端を吊り上げて笑うのに、目だけが限界まで見開かれて、ぎちぎち音を立てそうなくらい】
【であれば、わからせてしまうのだ。この少女もどこか「おかしい」。だって何故だか、“冒涜者”を想うような言葉を、口にしている】
16 :ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 17:20:01.81 ID:QhqfSCns0
>>15

(……考えようによっちゃ、これ……これも、残酷だな……ドラッグに逃げるってのを、まんま見てるみたいだ……)

【なんて事のない話題に興じながら――――興じようとしながら、必死の作り笑いをしている夕月に、なんとも言えない心境になる】
【無理をしている事が、手に取る様に分かってしまうから。そして、その無理を、更なる『無理』で塗りつぶそうとしている】
【――――こんな時に「しっかりしろ」などと言うべきではない。正解が、正着手が見えないから、ブラックハートは何も言う事が出来なかった】

<……ブラックハート、ちょっと……>
――――夕月、今はもう何も考えなくていい。余計な事は、雑音は、もうこれ以上……ッ――――!?

【そんな無理が、逆方向に溢れ始めた――――リベルはもう、偽装している口調を投げ捨てて、ブラックハートに厳しい視線を向ける】
【ブラックハートとしても分かっていた。夕月に、この現実を見せるべきではない。シャットしなければならない、と】
【――――だが、もう遅すぎた。恐らく、崖際の巌を、転がしてしまったのだ】

――――ッ、ミア…………!?
<……ブラス、フェ、ミア――――ブラックハート、もしかして、夕月は……!?>
……言うんじゃないよ、『ランド』――――分かってる……分かってる。安くはないよ……何か、とんでもない、何か……あるのは、分かってるんだよ……!

【そして、夕月の口から漏れ出た愛称――――『ブラスフェミア』を表すのだろうその言葉に、2人は息を飲む】
【ブラスフェミア。恐らくは、夕月にとって、因縁浅からぬ関係であり、そして――――話題の渦中に居る、台風の目】

【――――もっと言えば、何よりも――――】

――――――――夕月、ちょっと良いかい…………――――この刻印、見た事は無いか……?

【ブラックハートは、少し間をおいて、取り出した紙に何やらマークを書いていく。30秒は掛からないだろう、書き上がったそれを、夕月へと示して】

――――これは、『ブラスフェミア』と言う人物を表す、或いは……彼女が自身で使っている、シンボルマークだって話だ……

【やりきれない様に、しかし抑えきれない怒りを表すように、ブラックハートは、努めて平明な事実を口にする】

――――アーディンの旦那の保護してた『子供』が、このマークを刻み付けられて、バラバラにされちまったんだ
……アーディンの旦那に、一杯食わした敵って言うのが……子供をズタズタにしてのけた、ブラスフェミアって女なんだよ……!

【そのマークの出所。それは、アーディンの――――恐らくは、彼の善意か何かで面倒を見ていた子供の、凄惨な有様にされた体に残っていたモノ】
【――――アーディンが現在、敵として戦っているのは。――――そこから先は、もう言う必要も無いんだろう】

【――――しかし。ここに来てブラックハートは、全く突拍子もない事を、口にし始める】

――――夕月。あたしゃ実は……元『機関』の操り人形だったんだ。セリーナが……命がけで助け出してくれて、アーディンの旦那が、世話を焼いてくれた……
おかしいよな? そもそも、敵としてさえ会った事のない、知らない他人に過ぎなかったってのに、さ……

――――他人であっても良い。話せる事があるなら、話してくれないかい? 思い違いかもしれないけど、あたしゃ……なんだか、あんたが……

【他人に隷属させられていた過去。それを持っているブラックハートは、夕月の事を「放っておけない」と思ったのだ】
【もしかしたら、何か束縛の下にあるのかもしれない。それが事実ならば、どうか話して欲しい、と――――】
17 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 17:41:07.81 ID:mHCNoPnp0
>>16

【描かれたシンボルを見て、引き攣っていた唇がぐっと噛みしめられる。それだけで十分だった】
【肯定も否定もしなかった、けれど前者であるのは明らかだった。だって見覚えのないものを見るなら】
【こんな顔などしないはずだ。こんな、――ああ全部が終わってしまった、なんて悟ったような、顔】

……………………こども、を、…………ずたずた……?

【そうしてオウム返しのように呟く声色にも――やはりどこか心当たりがあるとでも言いたげな色が含まれる】
【だって彼女は、件の女から直接聞いていた。「ちょっと難しいお仕事があるから」、つい最近のこと】
【であれば「それ」が「そう」だったのだと、理解してしまうのだ。もはや逃げる場所、逸らせる話題などどこにもなく】

【――――もいちどぐう、と唇を噛みしめる。何も言い返せることなどない。これで終いだと思って、けれど】
【ブラックハートがいくらでも言葉を選んで、思慮して、言ってくれているのがよくわかった。……わかったからこそ】
【夕月はひどくつらそうな顔をする。俯いてしまう。軽く頭を横に振るのであれば、それは決別の証となって】

………………ハートさん。ハートさんとあたしは、きっと、……違うよ。
ハートさんはきっとひどい人に無理矢理言うこと聞かされてたんでしょう? ……あたしはそうじゃない。
あたしはあたしの意思で生きてる、今も、昔も、これからも――だからあたしはかわいそうなんかじゃない。

あたしは、………………あたしの意思で、ブラスフェミアを見捨てない。
見捨てられない、じゃなくて――――見捨てたくない。だから、………………だから、

――――――――――――ごめんなさい。ねえ、伝えておいてくれる?
アーディンさんに、…………シャッテンさん、ラベンダーちゃん、……アルクさんと、レグルスさんにも。
あたしきっと、…………みんなに銃口を向ける、悪い子になる。ミアのこと、殺されるの、いやだから――

【束縛されている、と言うのなら――きっとその感情にそうされているのだ。“冒涜者”が術をかけたとか、】
【そういう話ではなくて。この少女はきっと、あの女に、捨てきれない――膨大な熱量を持った感情を抱いている】
【それはきっと、今しがた口にした人々への感情を束ねたって叶わないくらいに轟轟と燃えているものだった】
【もう消し方すらわからないのだろう。抑える方法すら。だから、――少女は徐に、提げていたショルダーバッグを探って】

――――――――ほんとうはごめんなさい、だなんて言えないくらいひどいことしてる自覚はあるの、
だけどやっぱり、どうしても、…………ごめんなさい。だから、…………アルクさんに、これを……
…………もうあたしにはこれを使う資格なんてないから。だから、……返しますって。ごめんなさいって。

あたしのことを赦さないでくださいって、………………伝えておいてくれるかな。

【取り出すのは――やさしい桃色に輝くクリスタル。上質な布に包んであって、大切にしていたことを示すそれ】
【それをそっと手渡そうとして、そのまま――立ち上がって帰っていこうとするのだろう。今度こそ。ふらついた足取りでも】
【引き留められたって振り返りそうにはなかった。だって、たった今、敵対宣言したばかりの相手だった。顔なんかもう合わせられない】
18 :ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 18:06:53.32 ID:QhqfSCns0
>>17

<……やっぱり、な……>
…………

【その反応を、傍から見ていれば、実に分かりやすいものだったのだろう。『リベル』――――現在は『ランド』の人格だが――――は、静かに頷いた】
【それを、ブラックハートも理解して。すぐにその紙を握りしめて、手を下ろす】

あぁ――――この国の、大物と手を組んで、上手い事その子を誘拐して、その『大物』に言われるままに、道具に仕立て上げちまったんだよ……ッ
あたしゃ、アーディンの旦那があんなにキレたの、見た事ないよ……

【自分たちの身に何があったのか、それをブラックハートは、知ってる限りに話していく】
【つまるところ、ブラスフェミアと言うその女は――――アーディンにとって、シャッテンにとって、不倶戴天の敵と化したのだろう】
【それこそ――――ラベンダーにとっての、アルクにとっての、鈴音の様に】

ッ、夕月……あんた…………ッ!

【被りを振る夕月の言葉――――それは決別の文句だった。ブラックハートは、やはり低い声で唸る】
【夕月の中に何があるのか。それは当然、今日初めて会ったばかりのブラックハートには分からない】
【分かるのは――――夕月は、その本心を明かす事は出来ないと決意し、そしてその『本心』に従い、自分たちと決別しようとしている、その事実だけだ】

――――夕月、違わない…………違うなんて、事はない!!

【渡された、アルクの形見。その中身は分からないが、ともあれ、ブラックハートの中に、それを叫ばずには居られない衝動が、込み上げてきていた】
【またも、無理をしながら歩きだそうとしている夕月の姿を前にして――――その衝動は、もう抑えが効かなくなっていたのだ】

――――自分の意志だからって、言ったな……? そりゃ、あたしも同じ事だ……同じなんだよ、夕月……ッ!
そりゃ、無理やりさ……無理やり、あたしゃ戦わされてた。でも……あたしゃ、別に嫌だなんて思っちゃいなかった!

――――あたしゃ、『人間』なんざ大っ嫌いなんだ……! 今も、正直言えば、それは変わらない……! 無理して、押さえつけてるだけさ……ッ!!
……両親はあたしを売り飛ばしやがった。友達は、あたしを嘲笑いやがった。機関はあたしから『人間』を奪っていったッ!
だから、あたしゃ……『人間』なんか大っ嫌いだった。どれだけ殺しても、飽きるなんて事は無かったんだ!!

気持ちだけが、己の道の全てじゃない!! あんた、そんな辛そうな顔で、旦那やラベンダーに「殺してやる」なんて言えるのかよ!?

【思いの丈を、それこそぶちまけるというに足る勢いで、ブラックハートは叫ぶ】
【――――自分の中の黒い火は、未だにくすぶり続けている。その中で、それでも自分には道がある】
【なぜ、夕月は違うなどと言えるのか。そして――――そんな状態で、どうして選んだ道に後悔しないなどと言えるのか】
【追いはしない。だが、その言葉を叩きつける。ブラックハートは、苛立ちとも辛苦とも取れない何かに、突き動かされていた】

/すみません、飯行ってくるので、次遅れますー
19 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 18:21:31.51 ID:mHCNoPnp0
>>18

………………そっか。あいつ、代価さえ貰えればなんでもやるもんね。
どれほどひどいことでも、……ひどいことされるのでも、なんでも、やるもん……

【どこか納得したように、やはり諦めきった声で呟くのだろう。しかし、代わりに謝るなんてことはしなかった】
【そんなことをしても無意味だと知っていた。冒涜者、その死で償うことすらできるのかもわからないのに】
【そんな無責任な言葉で、この場をなあなあにしようだなんて、できなかった。ぎゅうと目を瞑って】

違わないかな。どうだろう――――あたしはハートさんのこと、よく知らないから、あれだけど。
…………あたしは人のことが、みんなのことが大好きだよ。大好きな人のこと、傷つけるヤツ以外はみんな好き。
いろんな好きのカタチがあるの、友達としての好きとか、信頼できるから好きとか、それ以外にも――

――――――――でもね、「好き」にはね、順番があるの。どうしても。
覆せないの、みんなのこと好きだけど――それでも特別好きな人のことのことを、どうしても優先しちゃう。
あたしはそういう、―――――化物だから。化物だから殺すよ、みんなのこと。


     だってあたし、イズルのことが好き。…………冒涜者だなんて呼ばれていても。


【――唐突に、ふたりの知らぬ人名が出される。それが“冒涜者”の本名であることは想像に難くない】
【振り返らなかった。背を向けたままだった。然るに表情は見えなくて――見せたくなかったのかもしれない】
【辛そうな顔してるだなんて思わせたくなかった。あるいは、最早目にするだけでも悍ましいくらいの】
【化物の顔になっていたのかもしれなかった。だから見せなかったのは、少なくとも、最後の恩情であり】

【――――やはり立ち去ろうとするのだろう。分厚い靴の底を鳴らして、……今度は背中にどんな声をかけられても】
20 : ◆rZ1XhuyZ7I [ saga]:2019/03/23(土) 18:29:56.76 ID:juD1R3Ct0
>>764


「氷の国軍上級大佐メルツェル≠ニいう、ロクな手合いでないという事は肯定しておくよ。」


                ―――メルツェル先生。


【現れたのは無機質な雰囲気を漂わせる存在だった。】
【絹のような腰まで伸びる白髪、機械で出来た二本の角のようなものが耳の上より伸びており】
【瞳はカメラのシャッターのように幾重にも層が重なっており金属的な光を放っている】
【ネイビーのロングスカート型軍服の上から銀色のマントを羽織っている長身の女性。】

【その姿を見て少年は感極まったような、悲しみのような、複雑な表情をしてから】
【何か言葉を発しようとするが、メルツェルと名乗った女性はそれを制して少女へと向き直る。】


「貴女方の求めるシステムは我々の目指すところにも含まれる。それに」
「ご存知の通り、先日の戦闘によって我が軍は大きなダメージを受けた。尤も私もアーカイブで見たのみだが」
「故にそこを補う戦力のためのコストはそれなりに出せるだろう、貴女が求める額かは分からないが。」


「ただ、今すぐにでもというのであればそのようなシステムを一つ知っている。」
「石板の中の老人達≠ェ織りなす巨大な経済システムをね。」


【メルツェルと名乗った女は機械音声のような声色で淡々と話す。】
【氷の国軍―――先日の櫻州≠ナの戦闘において魔導海軍に敗れ去ったのは記憶に新しい。】
【であれば、狡猾な少女はそんな負け犬の話など相手にしない可能性もあるが】
【さっきまで騒がしかった少年も背後ですっかりとおとなしくなっていた。】
21 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 18:51:18.13 ID:qRStJCCTo
>>20



    「 ─── 大仰な名前だなァ。」「チェスの得意なツラには見えないけれど、まァ、いい。」



【パーカーのポケットに両手指を突っ込んだまま、少女は対手と向き合った。気取らない立ち方をしていた】
【肩の力を抜くというにも幾らかラフな体勢に過ぎるようだった。 ─── それでも笑っているのだから】


「"顧問"として働く分にはワタシも嫌いじゃない。 ─── そっからも少しデカい生き物にノシ上がれるなら文句はない」
「聞かせてみなよ。けれど手短にね」「枝葉末節のムズカシイ話は好きじゃあないんだ。そういうのは飛び込んでみてから判断する」


【小首を傾げながら問う声だった。 ─── 紅いフードの奥で色素の皆無な髪先が揺れた】
【慮外に大雑把な所のある少女であるらしい。だとしても、斯様に彼女は命を繋いでいるのだから】
【そういう遣り方に支障が無いほど世渡りに手馴れているのも事実であるのだろう。 ─── ポケットからガムを探っていた】
22 : ◆rZ1XhuyZ7I [ saga]:2019/03/23(土) 19:07:58.02 ID:juD1R3Ct0
>>21


「良ければ貴女の名前も教えてくれないか、その方がより接しやすい。」


【本当にそう思っているのか分からない無機質な表情でそう言った。】
【口元には微笑みすらも浮かばない、むしろ設計上そうできないかのように。】
【「いい佇まいだ」と、ポツリと呟くように相手を見つめると本題に入る。】


「ああ、ではまず顧問として契約を結ばせてもらうとしよう。」
「―――先程そこの男からも話があったと思うが昼の国≠ヨ介入する。」

「私が引き継いだアーカイブによればすでに星の国≠フ企業と共同して波紋は起こしているようだ」
「そしてそこに引き寄せられるように大きな渦が起こる。」


「貴女にはオブザーバーとして我が軍への進言を随時行って頂きたい。」
「できれば貴女の知るルートでの情報収集も行って欲しい所だが、それは本意ではないのだろう。」


「基本は、私とやりとりして頂ければいい―――。」


【そう言うとメルツェルは電源が落ちたように何も言葉を発さなくなる。】
23 :ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk [saga sage]:2019/03/23(土) 19:31:49.79 ID:QhqfSCns0
>>19

…………ッ!
<……『冒涜者』の肩書に、偽り無しって訳かよ……ッ!>

【2人は、思わず口元を噛み締める。それが、怒りから来るものである事は、容易に見て取れるだろう】
【尊厳ある個人から、命だけを残して、全てを引き剥がしていく。そんな事さえも涼しい調子でやってのける、そんな奴なのだろうと、2人は理解した】
【――――ブラックハートは、かつての己の『飼い主』を思い出して、ランドは、ただ義憤の故に、怒りを燃え上がらせる】
【あのアーディンが、怒りに我を忘れるのも、無理はないと、共感が一致して】

――――――――だから……だから――――それで、ブラスフェミアの為に、本気で好きだって言える友達を、弟分妹分を、1人残らず、殺していくって言うのかい……ッ?

【夕月の言葉は紡がれ、そして結ばれる。その全てを聞き届けて――――ブラックハートは、やはり低く、呻くような言葉を吐いた】

――――あんたは『化物』なんかじゃない。『人間』だ、呆れ果てるほどに『人間』なんだッ!!
誰かの事を「好きだ」なんて言える奴が……それを殺して回って、血にまみれる事に、後悔しないとでも思うのかッ!?
自分の手で、そばに居て嬉しいと思う人の命を捻り潰して、平気で居られる、そんなつもりでいるのかッ!?

そんな奴は初めから、誰かに心を許したりはしない――――嫌いでもない奴を殺せる奴は、そんなにみんなを好きになったりしないんだよッ!!

【――――『人間』だ。これは自分の最も憎む、愚かしさの代名詞としての『人間』そのものだ】
【ブラックハートは気づく。そして気づいたからには、もう黙っていられるはずがない。仲間たちのために、夕月には、爪痕を残しておかなければならない】
【無意味だろうが、過ちに気づかせる取っ掛かりになろうが、いずれ敵対した時の布石になろうが――――そこに何かを、残しておかなければならないのだ】

――――今のあんたに言っても無駄だろう。けど、これだけは覚えておきな……
そのまま行ったら……あんた死の間際、苦しむぞ、泣き叫ぶ事になるぞ……煉獄の火は、あんたに「これが正解だった」なんて、一瞬だって思わせてはくれないぞ……ッ!

――――レグルスが、愛してたと言った女を、自分で殺した時、どれだけ苦しんだか……夕月、見てなかったから、分からないんだろう……!
……アーディンの旦那たちが、やると言ったら、絶対だぞ……――――例え死んでも、思いを貫く方が大事だって、頑固者……
夕月……あんたもそうなんだろうが――――あいつらだってそうだぞ……あいつらは、死んでもあんたを止める
止められる前に……自分で止まらなきゃ、あんた――――「絶対に後悔する」。これだけは――――何があっても、忘れるな……ッ

【まるで、ifの自分を見ている様だった。グラトンの下から解き放たれなければ――――ブラックハートは、正に今語った言葉の通りに、死んでいただろう】
【――――先に逝ってしまったレグルスと、アルクの事を思い出す。彼らは、今の夕月を見れば――――死ぬだの死なないだの、考えるよりも前に止めようとするだろう】
【だが、哀しいかな。ブラックハートはもう、そんな力を宿してはいないのだ。彼らの様な、我を通す力を、彼女は持ち合わせていない】
【だから、悲鳴のように叫ぶ事だけで精一杯だった。捨て石として命を使うには――――これも残念な話だが、夕月は、彼女の中で、さほどに重くなかったのだ】
【それこそ、夕月の言う『順番』そのものだった。己以外のモノを背負うと、人はどうしてもそうなる。そんな己をブラックハートは歯がゆく思った】

【――――だからこそ言わなければならない。それで立ち止まるにしろ、死の際で後悔として焼き付くにしろ】
【少なくともその歩みは、過ちの道にあったのだと。それを、確信を以て――――】



<……ブラックハート……>
――――行くよ。みらいを……みらいを何とか、この国から運び出さなきゃ、ね……

【ケースの中、正にブラスフェミアの仕上げた『仕事』を携え、ブラックハートたちは去っていく】
【――――戦士の心が、慰められる時は、果てしなく遠いのかもしれない】

/戻りました&ありがとうござましたー!
24 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 19:33:03.14 ID:qRStJCCTo
>>22



   「イュン。 ─── イュン・ベルクト。そンな大切な名前でもないんだ。忘れて貰ってもいいよ」



【求められるなら、端的に少女は名前を述べた。軽薄に名乗っていた。音節全てに異国の訛りがあった】
【見れば顔立ちは真白く在ったが、鼻梁の輪郭は東洋の階調を帯びていた。得意な体質であるのかもしれない/いずれにせよ】



「ふゥん。 ……… ま、素性も知れないPMCsに任せて貰う分には、中々悪くない仕事を当てがってくれるのだ。」
「いいだろう。 ─── 引き受けようジャン?」「きししッ。 ……… 期待以上の働きは、してやるよ。」

「契約だの定款だの面倒臭いコトはこっちで遣り取りしてくれるカナ。」「 ─── そいじゃ、またネ?」



【 ─── 簡潔に快諾して少女は笑った。幼気な笑い方だった。死を鬻ぐ人間の面構えではなかった】
【対手に投げ付ける名刺も複雑な意匠ではなかった/「L.B.」判然としないそのイニシャリズムに】
【連絡先は綴られているのだから、確かに交わす言葉へ不足はないのだろう。 ─── 消え始めた夕焼けの残滓へ、広がり始めた夜の宵闇へ、去りゆき溶ける紅色の背中】


/このあたりでシメで……。おつかれさまでした&ありがとうございました!!
25 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/03/23(土) 19:42:54.11 ID:mHCNoPnp0
>>23

後悔なんかするくらいならその前に死んでやる。

【ただ一言だけ、言い返したのはそれだけだった。強がりの嘘っぱちかもしれないが】
【化物じゃないって言われても、人間だって言われても――彼女はもう、その道を選んだのだから】
【間違いだったって正解だったって構わない。彼女にとって肝要なのは、最後まで道を走り切って】
【燃え尽きて死ぬことだけ。踊り狂って死ぬ運命を選ぶ。誰かに足を斬ってもらって、楽になろうだなんて思わない】


【だって誰も知らないんだ。彼女にとって、冒涜者と呼ばれる女が――どういう存在であるかなんて】
【彼女だけが知っていればよかった。誰にわかってほしいわけでもなかった。だから、】
【――この日限りで少女は、日常風景から消え失せるのだろう。あんなに熱心にやってた料理の練習だって、無に帰して】


//おつかれさまでした、ありがとうございました!
26 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 21:24:07.67 ID:6YQiD33u0
>>9
【陽が首を傾げる。山々の稜線、地平の筋が赤々と燃え上がる。朱のインキが空に落とされ、滲む】
【人々は家路に着く。歩を進め、或いは歩を止め、自らの行く先を確かめている。誰も彼も、マスメディアに踊らされながら】
【騒めきが耳を満たす。狂騒が喉を潤す。変わりない街を一人行く】

【それは、白いトレンチコートを着た銀髪の男だった。やや老けた十代にも、若々しい三十代にも見える】
【ふらり、と高層ビルへ近づいていく。ポケットに手を突っ込み、ただの一般人にしか見えない風体で】


───────────────


【空気は未だ肌寒い。吐く息がほんのりと白く染め上がる。もうすぐ春が来ると言うのに、星はまだ目覚めてくれない】
【にわかに、その碧眼が入り口近くに佇む男を見据える。とても澄んだ、宝石のような双眸だった】

/よろしくお願いします!
27 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 21:31:52.26 ID:qRStJCCTo
>>26



【 ─── 射殺すような眼睛に、されど男は動じなかった。その装束は果たして隠れ蓑に類していた】
【インカムの入出力系を幾度か弄って、通信の指向性を変更しているようだった。張り巡らされるような静寂】



  「 ───………… 。」「 …………、 ─── 。」



【白いマスクに隠された口許が微妙ながら動きを示していた。 ─── 何か言葉を発しているらしい】
【然してそれも現今この彼我距離においては判然としなかった。何を語っているのか/誰に語っているのか】
【近付く事は容易であるのだろう。エントランスは疎らな人混みであるとはいえ、それだけの接近遭遇を図るには十分であった。であるなら】
28 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 21:40:34.51 ID:6YQiD33u0
>>27
【白い息を突き破る様に進む。両者を隔てるゲートを横切り、出入りする人々にぶつかることも無く】
【まるで、世界に干渉していないかのような歩み。誰一人として、彼の歩みを阻む者は存在しない】

貴方は─────────

【ひどく落ち着いた、聞いた者に安堵や高揚を抱かせるような声だった。それは1/fゆらぎとも呼称される】
【コンマ数秒の間、上唇と下唇が触れ、瞬きの後には既に開かれる】


円卓≠フ方ですか?


【穏やかに、和やかに、男はそう問いかけた】
29 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 21:51:30.21 ID:qRStJCCTo
>>28


               【掠れたような銃声が、だが甲高く共鳴した。】


【外套のポケットから仄かな白煙が立ち昇る。黒い風穴が在った。リノリウムに薬莢が転がった】
【1発/2発/3発 ─── 対手の頭部に照準されていた。精確であった。アイアンサイトさえ介していなかった】
【流れ弾もしくは貫徹した弾頭はアトリウムの構造に着弾した。偶然にそこは応力的な脆弱性であったらしい】
【 ─── 大袈裟な罅が入った。辛うじて割れていなかった。人混みの誰かが悲鳴を上げた】



     「 ─── 状況終了。状況終了。」「エコー、デルタ05よりチャーリー37」



【何れにせよ男は転瞬に駆け出していた。 ─── 蜘蛛の子を散らすような群衆に紛れようとしていた】
【その速度はしかし尋常なものであった。乾いた色味の背中を追う事は難しくなかった。または追いつく事も同等に】
30 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 22:05:02.50 ID:6YQiD33u0
>>29
【白煙が立ち昇る。まぁ、そうなるよなと思いながら、今日は非番だったことを思い出す】
【子飼いの能力者なのだから非番などある筈も無いのだが、任務を言い渡されていないのなら一応非番だ】
【ふっとポケットから出した手を弾道に合わせて振り抜く。次いで振り下ろす】
【銃弾は、豆腐を切るかの如く丁寧に裁断されていた】

そうですか

【虚空へ向けて返答する。騒めく人混みを一瞥もせず、駆け出す男を追従する】
【風を切り、群衆を抜け、なおも視線は一点を見つめる。付近のビル壁を駆け昇りながら疾駆そして、男の正面まで跳躍する】

悪いが、仕事なんだ
仲間の居場所を教えてくれるなら有り難い

【語り掛ける男は何をどう見ても、丸腰だった。振り抜かれた手に握られた、余りにも小さな何かを除いて】
31 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 22:12:38.34 ID:qRStJCCTo
>>30



  「 ────…………… 。」


【痙攣のような機微を男は示した。なにか明らかに動揺していた。それでもそれ以上を示す事はなかった】
【 ─── 諸手を上げて彼は降伏した。掌中には何も収まっていなかった。瞳だけが矢張り灰色だった】



  「出来ない相談だな。」「もう少し、妥協してくれ」



【マスクの下に隠した唇が述べた。微かに声が震えていた。動揺であるのに相違はなかった】
【追い詰められた立場の人間としては随分と悠長であった。妥協の余地があるものと信じているのだろうか】
【或いは何らかの時間を稼いでいるのかも知れなかった。少なくとも死に恐怖しない類の人間ではないらしい ─── 雑踏の誰かが携帯電話を取り出した】
32 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 22:28:27.23 ID:6YQiD33u0
>>31
【寸分の揺らぎすら介在しない瞳で、降伏の意を示す男を見据える。ヒットマンにしては、些か簡単すぎやしないか】
【そう疑問符が浮かぶ。先程所持していた拳銃であろう武装はどこに捨てた?放たれた弾丸は三発】
【仮にリボルバー式だとしても、後三発は残っている筈だ。故に、どこかおかしさも感じていた】

そこ、そこの貴方。撮影は厳禁です
皆さんも、これはちょっとした企画です。撮影してSNSに上げたりするのはご容赦を

【周囲の人間にそう告げる。どうやら、街中の人間を巻き込むつもりは毛頭無いようだった】


妥協、か
ウォーターゲートを狙うと言うことは、つまりそう言うこと
手放しに妥協してもらえるとでも?


【ゆっくりと距離を詰める。少なくとも、政府高官───それも野党側の───を狙ったであろう暗殺者】
【それをみすみす見逃す訳にはいかなかった】
33 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 22:36:33.35 ID:qRStJCCTo
>>32



「衆人環視の中、尋問でもやるつもりかい。」「 ─── "そういう約束"には、なっていない筈だが」


【 ─── 奇妙な台詞を男は吐き出した。明白になにか狼狽していた。恐怖しているようでもあった】
【コンバット・ハイに見失っていた本質性を漸く自覚してきた人間の声だった。落ち着くように彼は息を零した】


「なあ、何かの間違いじゃないか。」「 ……… こっちから撃っておいて何だが、妙な話だ」
「アンタみたいなのが"来る"とは聞かされてない。」「それなら、おれは抵抗したくない」


【成る可く冷静に事態を説明しようとしている語り口だった。 ─── それが例え第三者に理解しようもない内実であるとしても】
【語るというその行為に何かしらの希望を見出している挙措であった。続ける言葉には懇願さえ入り混じっていた】


「警察を呼んでくれたら、洗いざらい話す。」「 ……… それで手打ちにしてくれないか」
34 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 22:57:03.62 ID:6YQiD33u0
>>33
【男の語り口を聞かされても、彼には何ら理解のしようもない】
【そう言う約束にはなっていないと言われても、此方も何一つ聞かされていないからだ。故に、彼は既定の路線を維持するのみ】

申し訳ないが
此方は何も聞かされていない。それが事実だ
警察を呼んでも構わないが……

【彼は所謂野党側の人間だった。と言うよりは、野党側に協力する一部の、そう反異能派の飼い犬】
【秘匿され、隠匿され、その所業が表に出ることはない。しかし、確かに世界に存在する】

恐らく、君はここにいなかったことになる
それでも、良いと?

【確かに事件は起こった。だが、そこから先に起こした者がどうなるかは、わからない】

35 : ◆rZ1XhuyZ7I [ saga]:2019/03/23(土) 23:02:27.31 ID:juD1R3Ct0
>>24

「イュンか、いや覚えておくとしよう。」
「素性は先程の銃の腕を見れば十分さ、期待させてもらうとしよう。」


【イュンの去り行く背中を少年とメルツェルは見送り】
【投げ渡された名刺を軍服へと仕舞いながらその姿が見え無くなれば少年へと向き直る。】
【少年はやはり哀しそうな顔でメルツェルを見ていた。】


先生、俺たちは………。

「ああ、分かっているさ。ミヒャエルとコニーが斃れたのであればそれもやむなしだろう。」


【まるで諭すように無機質な声でメルツェルはそう告げた。】


//お疲れ様でした!ありがとうございました〜
36 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 23:06:23.32 ID:qRStJCCTo
>>34



「 ─── 雇い主の"背後"から詰められるよりはマシだ。」「 ……… アンタらの力にはなれると思うぜ」


【であれば、彼もまた"立場"を十全に理解しているようだった。今一度零す呼吸は絶望にも似ていた】
【 ─── 遠くからサイレンが聞こえ始めた。群衆を掻き分けて、数台のパトカーが現れるのだろう】
【携帯を取り出した何人かは既に警察への通告を行なっていたようだった。 ─── 安堵したように男は続けた】


「アンタが話の通じる人で助かったよ。」「 ……… 何か聞きたい事があるなら、今のうちに頼む。」


【軈て現れる警官の数人が、彼の両手に手錠をかけるのだろう。 ─── 去り際に対手へ向けられる男の瞥見は 】
【己れを制止してくれた彼に対して感謝さえしているようだった。最後に男は立ち止まった。それが短い出会いの最後であるらしい】
37 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 23:15:42.85 ID:6YQiD33u0
>>36
【男の素性がどうあれ、彼は上から指示によって動くのみ。引き渡しても、しなくても、正直どちらでも良い】

いいや、無い
どの道、君達と出会うのはこれが最後になるだろうから

【警察へと連行されていく男を見つめる。だが、最後に一つだけ聞きたいことが見つかった】
【警官を気にする素振りすら見せず、彼は男へと近づいていく。そして、互いの声しか聞こえない程の距離】


君はどこの誰だ?


【それは極めて個人的な興味だった。彼らがどこに所属する者なのか、その背後にいる者が誰なのか】
38 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 23:23:33.69 ID:qRStJCCTo
>>37



「 ─── アンタ、」「それくらいは知ってるんじゃないのか?」「 ……… まあ、いい。」




【 ─── 純粋に一驚を喫しながら、外される帽子とマスクと共に、彼は告げた。】
【卑近に過ぎる距離感には物怖じしていないようだった。声を潜めた意味合いを理解していないらしい】
【唇の片端を吊り上げて、彼は一息を吸い込んだ。 ─── 晒された素顔は、限りなく在りふれた面構えだった】





          「水国"最高議会"与党」「 ─── ご存知、イスラフィール議員だよ。」





        【にわかに群衆が動揺した。 ─── それきり、彼は警邏車両の座席へと消えていくのだろう】




/このあたりで〆でいかがでしょうか ……… !!
39 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 23:37:19.83 ID:6YQiD33u0
>>38
【男の言葉を聞き、彼はほんの少しだけ押し黙る】

あぁ、それが聞ければ十分だ

【そして、彼は限りなく平凡で、どこにでもいるだろう雰囲気の男が連行されて行くのを静かに見守った】
【車両の影が視界から消えた時、彼はおもむろに携帯端末を取り出し、何処かしらへ連絡を取る】


はい、はい、そうなります。あれはただの使い走りでしょう




えぇ────────────イスラフィールが、動きます




【邂逅、終幕】

/ありがとうございました〜!
40 :『駈込み訴へ』 ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 23:42:14.15 ID:qRStJCCTo


        <以下、水国全国紙"フルーソ・タイムス"■■■■年■■月■■号1面より一部抜粋>




「 ……… そうですね。おれが元々は水国の中央情報局に所属していたというのは、事実です」
「向こうでヘマをやらかして、丁度飯の食い上げって所でしてね。そんな時にお呼ばれした訳です」



「言っておきますが暗殺未遂で詰めるのはやめてくださいね。」「 ─── おれが依頼されたのは盗聴と盗撮です」
「次の最高議員選に向けて、彼らの決定的なスキャンダルを取ってこいと、 ……… そんな所でした」



「まァ実際、"本当に"議員の指示であったかは分かりませんよ。おれも実際に会った訳じゃないですから」
「ただ間違いなく彼女の息が掛かった人間からの下請けだったとは思いますね。 ─── 確信を持っています」



「 ─── ええ。"外務八課"でしたっけ?」「確かにそのような部署が、外務省の内部に存在しているというのは、事実のようですね。」
「詰まる所、彼らは"暗殺部隊"だ。設立時期は比較的新しいようですが、余り表沙汰にすべきではないブラック・オプス(注1:秘匿作戦)に関わっていたようです」


「その性質上、"適切"な人材は配属されていなかったようです。本来であれば死刑囚になるべき人材だとか、陸軍の実験機関が持て余していた戦闘用サイボーグだとか」
「今回の件について"彼女"が雇用されていたのも、理由としてはそんな所でしょう。 ─── 珍しくはありませんよ。この国の暗部には、"そういう"手合いが山ほど居る」


「"櫻州"に関わる諸々の事件にも噛んでたらしいですよ。おれも詳しくは知らないんですが、 ─── "そういう"連中が懇意にしてる集まりもあるとか」


「風国の"導人会"や氷国の"イヴァン"を始め、各国のマフィアだの情報機関だの解放戦線だの、そういう所とは敵対していたようですねえ。」
「いずれも多くは国益を損なう組織です。 ……… 時の政権から疎まれるのも無理はない。随分と重用されていたようですね。」


「え?  ─── そんなの無意味に決まってるじゃないですか。」「おれと同じく、彼らは"下請け"ですよ」
「幾ら八課をブッ叩いても蜥蜴の尻尾切りです。本当の病巣というのはホコリが出た先にあるものですから」




    「そうです。それが例えば、 ─── イスラフィール"最高議会"議員。」「彼女のような人間に、あたる訳ですね」




                          <引用終了>
41 :『駈込み訴へ』 ◆1miRGmvwjU [saga]:2019/03/23(土) 23:48:44.92 ID:qRStJCCTo
/Q.なにこれ
/A.水国"最高議会"野党の本拠にて、暗殺未遂・不法侵入・凶器準備集合などの嫌疑で逮捕された男の供述のようです

/Q.なんて言ってるの?
/A.「イスラフィール最高議会議員」が、次の選挙で有利な結果を出そうとする為、自身に不法な内偵を命じたと述べています。
  また先日より種々の疑義が向けられている「外務八課」に対しても彼女の深い関与があり、追及の対象は彼女"たち"に向けられるべきだとも述べています

/Q.これからどうなる?
/A.ちいさな火種から始まったスキャンダルが、水の国の政治体系全体に広がっていくかもしれません。流れに身を任せましょう
42 : ◆ImMLMROyPk [saga]:2019/03/23(土) 23:51:56.40 ID:6YQiD33u0
>>39
/此方のレスは取り下げさせていただきます。申し訳ないです
43 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/03/26(火) 21:46:19.57 ID:sOeATM5R0
【路地裏】

【昼夜問わずほの暗いその空間に微かに鳴ったのは、硝子製の何かが割れる音】
【ややあってそれを踏み砕く音が鳴れば】


…………ッ、ぐ……うぅ……がァ……

【若い女の呻き声。一つ響いて】


【白い少女、だった】
【月白色の肩まで伸びた髪に襟も装飾もないシンプルなデザインの白いワンピース。それ以外は何もない。足だって裸足で】
【金色の瞳。ひどく濁っていた。その下には隈が出来ていて】

……ひ……っ、ギ……っあ……っ

【苦し気に吐かれる息。ぶわり、と少女の身体から赤黒い光が沸き上がり、その全身を覆って】

──────ッ!

あ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァあぁぁぁ!!!!!

【ぎしり、とその金色の瞳が大きく見開かれたと思えば咆哮】

【瞬間、少女の頭頂部から髪と同じ色をした猫の耳が飛び出し、ワンピースの裾からも同じ月白色の猫の尾が飛び出て】
【その尾が狐のそれのように大きく膨れ上がる】
【尾の膨張は更に続き、やがて破裂するかのように二本に裂けて】

【少女は汗で顔に張り付いた髪を除ける事すらせず、荒く呼吸を繰り返し】
【片手の中、鋭い氷柱を一本生成して】
【震える息を大きく長く吐き出せば赤黒い光は二本に裂けた尾の片方へと移動し始め、やがてその全てが尾の一方へと纏わりつく】

【尾の一本がそう成り切ったならば少女は赤黒く光る尾を掴み、その根元目掛けて持っていた氷柱を振り下ろして】
【そのまま振り抜けば尾を掴んだ手でその赤黒く光る尾を千切り取ってしまい、地面へと放り投げる】

【次第に光を失っていく千切れた尾】
【少女は自分の方に残った尾の断面へと触れて凍らせるとふらり、と踵を返し】

……これ、で……やっと……眠れ、る……
【覚束ない足取りで何歩か進んだかと思えば、がくり、とその場に倒れてしまう】


44 : ◆Dfjr0fQBtQ [saga]:2019/03/28(木) 23:03:51.85 ID:KERTOXHzo
>>751

【ふん、と鼻を鳴らす、──── 溜息を漏らさなかっただけでも立派であった】


それを理解していただけるのでしたら、俺の考えている事を微かでも理解出来る様に尽力してもらいたいな
バカに付ける薬は無いが、バカをマシにする薬は山ほどある、古今東西ありとあらゆる王座に就く人材はバカ勢揃いだが
少なくとも俺がその国に関わっている以上、その人間そのものに関わらず啓蒙しなければならない


【敢えてクーデリアに対する言及は控えた、マナーニャには視線一つ向けない、端から興味など無い様子で】


人間に経済観念を叩き込みすぎるのも考え物でな、適度に愚鈍な大衆が居た方が経済は良く回る
うちの国民だけが聡明になったところで先細りなのは目に見えてる、些かあのソフトはオーバーテクノロジーの上
何よりコストが掛かりすぎる、現状アンタ一人で打ち止めだよ、言いたいこと分かるよな?

普通に考えれば分かる事を教える為にわざわざお膳立てしてる訳だ、成果は出て当たり前だろう


【胸を張るクーデリア、視線は微塵も揺るがない、女好きという噂であったが】


だから俺としてはアンタには今まで通り "お飾り" で居てもらいたい訳だがな、中身は兎も角 "ガワ" は男ウケには十分だ
俺を始めとした脳みそが考えた事をただ伝えるだけ、俺が求めてるのはそれだけの役割と、何回も言っているだろう?

それでもアンタは為政者になることを選んだ、本心で言ってるのかは知らんが言葉には責任を持て
現実を知らん脳内お花畑の女王様ほど、邪魔な身内はいないからな


【】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/03/29(金) 01:49:19.49 ID:J2G3IGXO0
【街中――川沿いの土手】
【太陽の傾く時刻だった、うすぼんやりと霞んだような春の空の向こう側、少しずつ夕暮れに染まって、カラスがどこかへ帰っていく空を】
【ゆったりと雲が横切っていく。だからきっと雲だってどこか家に帰るのに違いなかった。なれば夕方のチャイムの残響も遠く消えて、子供たちの嬌声、駆け抜けていく】

――――、そしたら、

【――新芽の吹き出した土手に並んで腰かける人影が二つあった。片方はまだあどけなさを残す少女だった。ならば学校帰りの女子高生に似て、】
【それでいて落ち着いた春らしい装いをしていた。投げ出した風に斜面を捉える爪先まで女の子だった。――浮かべる表情の幼さは幾らも子供ぽいのだとして、きっと個性であれば】
【けれどその傍らに腰を落ち着ける人影はきっと"それ"ではありえない。――ごく豪奢な狐の面を付けていた。そうして服装は櫻の着物であった、なら】
【端的に述べるのならば違和感の塊であるのだろう。少なくとも土手にいきなり座っている格好はしていなかった。そうなのだとして、二人、なにか仲良さげに話していた】

それでね、――――――――――――――、だから――――、うん……――――――――。

【そうして二人きっと真っ黒い髪と真っ白い肌が共通していた。そのうえで少女の眼差しは左右で色合いが異なっていた。黒色と赤色。瞬きのたびに色の変わる夕焼けを映し込んで】
【ふわりとした裾のロングワンピースに淑やかなボレロを重ねていた。これもお上品な踵の高さのサンダル、それでも剥き出しの素足の爪先、枯草の欠片が纏わりつくから】
【本当ははしゃぐ方法を十分に知っている子なのだと思わせた。――思いついたように膝を抱えた、その膝に甘えるよう、そうして見上げるようにとなりへ目を向けるなら】
【また何かを話す。きっと返事が返って。――そうしてきゃらきゃらと笑う声が鈴の音に似ていたなら、夕暮れの土手の景色、きっとりんと響くのだろうか】

ほんと? ――、――――すごい、――――――――――そうなんだ――、――――――――――――――――――……。

【――――――そうしてさらにいくらかの話題をやり取りしたのだろう時間の後、先に立ち上がるのは、きっと、櫻の装いをした方。うんとうんと長い毛先をそろと揺らして】
【口元に添えた指先が何か思いだして語る言葉を証明していた。――――、少しだけの間の後に、ふわと上体を折ったなら、未だ座ったままの少女の耳元、塞ぎ、】

「――――――やっぱり、あんた、世界なんて滅ぼしておくべきだったわ。馬鹿みたいね、"あたしたち"」

【それだけで音を防げるはずはなかった。櫻装の指先になにか魔術が煌めいていた。そうして事実指先を離された少女はきょとんと瞬いていた。何も聞こえなかったみたいに、なら、】

「――じゃね、あんまり心配かけさせちゃ駄目よ、"おかあさん"に。――――親孝行したいときには親は居ないっていうのが、世界のルールみたいだから」

――、うん! ばいばぁい、またね――。

【ひらり翻して櫻装は歩き出すのだろうし、取り残された少女は"はてな"を浮かべながらも、それでもまだもう少しだけ、その場に留まるつもりのようだった】
【誰かが居合わせるなら、どちらを観測することも十全に叶えられた。――少なくとも意味深に立ち去った狐面は思いのほか緩やかな足取りをしていた。少女は夕暮れを見ていた】
【そのうえで強いて何か述べることがあるとすれば、――やがて少女に見えぬ角度で土手から街並みへ降りた人影はその時点で指先に狐面を携えていた、ならばその顔すら夕暮れ色】
【赤色と黒色の色違いの眼差しが特徴的だった、少女と呼ばわるにはいくらか大人びていた。――なにか感情を抑え込むように深く細く吐く息の意味合い、春には似つかわしくない】
46 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/03/29(金) 02:10:28.96 ID:Uz5dw65/o
前スレ>>359
前スレ>>726
【横にいるミラの嬉しそうな顔も無理はあるまい。彼女は今、伴侶や友人たちを失い】
【孤独の中をさ迷い歩いている真っ最中だ。そこに、死した友との再会が待っていようとは】
【彼女の性格上、すぐ飛びついてもおかしくないところだったが、抑えているのは意地か空気を読んだか。いずれにせよツッコミを入れるほど無粋ではない】

【そう思いつつも、どこかカニバディールも高翌揚している自分を認識していた】
【大した仲でもない悪党同士、だというのにどうにも憎み切れない男だったから】

ふ、ふふ……探偵のお墨付きとは光栄だな。歳を経ても、その辺りの目利きは信頼できる

【だが、笑ってばかりもいられない。そこから語られる未来の姿は、あまりにも凄絶であったから】
【円卓は己の欲望の通りに事を運んだ。初瀬麻季音の死。タイムマシンの破壊。ロッソは探偵からまたお尋ね者へ】

【そして、戦争。支配。全ては円卓の望み通りに。きっとそれは、王も王妃も望まない形の未来だったことだろう】
【加えて、己の名がその未来でどんな意味を持つのか。聞いたカニバディールは、何とも微妙な表情を作った】

――――なるほど。ひとまず前言撤回だ、元探偵≠ニいうわけだな
しかし……確かに良いニュースと悪いニュースだ。名が売れるのはまあ悪い気分でもないが、私もとうとう人間をやめて病気になったか

円卓の望む戦争と支配、金と暴力の世界に水を差すには少々過激だな
黒幕どもへの対抗手段の一つとして、似た効果の薬を作って撒いた覚えはあるが
そんな何番煎じかのホラー映画のような効果を持たせた覚えはない……だが、いかにも私がやりそうな嫌がらせでもある

だが、それすら円卓どもにとってはかすり傷にもならず、その支配を後押しする結果にしかならなかったわけかね
後には、ノブレス・オブリージュの対極とも言うべき、究極の利己で塗り固められた箱庭の都市と、その支配者と奴隷たち
そしてそこからも弾き出された者たちが、荒野をさ迷う終末世界……

流行りのオープンワールド・ゲームの設定かと思うくらい、出来過ぎた話だな
円卓はそんなことを望んでいたのか。支配といっても、要は周りの世界を削り取って自分たちの掌に収まる範囲に仕立てただけじゃあないか
全く面白くもない……だが、そこにいたるまで僅か10年とは

――――私は、恐らくは今とそう変わらず、その混沌の中を溝鼠のように這い回っているのだろうな、恐らくは。私ならそうする
通信も制限……いやむしろ、円卓の都市以外で残っている方が不自然だな

その中で、お前は元の強盗団として生き、ミラさんやゾーイと再会して――――ああ、ミラさんなら切ってやったのだろうさ
そんなつまらん世界で、円卓の中に閉じこもっているはずもない。貴女ならそうだろう? ミラさん
ふ、ふ、音楽性に関しては、時間が必要だったようだな

……オーウェル。黒幕が破れたのなら、あの会社も崩壊したということか
その置き土産が、ニューロンシティに……未来のニューロンシティも、さぞかし物騒で愉快になっていそうだな
今でさえ、あの混沌具合だ。いや、それは今は関係ないな

事実、それはあった。お前たちはタイムマシンを使い、この時代へ飛んだ。だが上手くいかず、その新しい仲間とお前だけが
意図せずタイムスリップを起こし、この時代へ流れ着いた、と

この時代のロッソを殺したのは、そちらの時代の刺客かね。ミラさんの言う通り、まさにターミネーターだな
そうして、お前の方は記憶を取り戻して、霧崎さんとこうして再会も果たした……なるほど、なるほど……
どうやら、状況は依然として逼迫したままということだな

お前もこちらで情報を集めているだろうから知っているかもしれないが、ついこの間も水と櫻の間で
そちらの世界の布石になりそうな大惨事があったばかりだ。今なお、この世界すら着実にそっちの未来に近づいている
あるいは、黒幕勝利の世界に。どちらでも同じようなものだがな

【息をついてそう言うと、ひとまず異形は居住まいを正す。そしてミラへのちょっとした講義を聞いた】

……確かに年季に見合った語り口だ、ロッソ
ノー・パラドクス……事実としてお前がここに現れ、それによって生き返った。そういう世界になった
私もその辺りの理論は門外漢だが、事実だけを見ればいいのはわかりやすいな

シンプルにいこう。ロッソは蘇った。世界は依然として危機
ならば、それをどうにかするには。黒幕と円卓を潰すにはどうするか
やはり、まだここでは完成していないタイムマシンに戻ってくるのだろうな?
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/03/29(金) 18:11:14.29 ID:SspT+wjD0
>>45
/パソコン設定しながらですがのんびり再掲しておきまうっ
48 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/02(火) 17:22:59.27 ID:OGvwE10S0
【風の国、市街地】

【空と草原と風車が織りなす風の国の風景イメージとは、少々異なる場所だ】
【近隣にトリカゴ本部もある、その地域での中心的な市街地】
【立ち並ぶ煉瓦造りと、石畳みは、伝統的な情緒を醸し出し】
【その中でも、若者向けのカフェやレストラン、ブランドショップやその他雑貨店は上手く街の雰囲気に溶け込み】
【近年はSNSにアップロードする写真の、代表的なモデル区域である】
【そんな街中を、トテトテと人をすり抜け走って行くのは、1人の少年だった】
【黄に近い金色の髪の、歳の頃10か11位の少年、ハーフパンツに白い長袖のフード付き春用コート、背中には何か楽器のような物を背負って】
【時折、奇妙な事に女性向けのアクセサリーショップやブランドショップ、雑貨店に足を止めて、中を覗き見て】
【その度に、人にぶつかりそうになったりと危うい】

「雉……お姉ちゃん、何が嬉しいのかな?」
「此処良さげだけど、でも、足りないな」

【時折財布を覗き込みながら、時折肩を落としながら、そんな呟きとともに、また足を別の方に向けて】
【だが、他に目が行っていない為か、或いはやはり別の何かに気を取られている為か、誰かにぶつかり後ろに転んでしまい】
【財布の中身を路上にぶち撒けてしまう】
【多量に転がる小銭群】

「す、すみません!前を見てなくて……」

【慌てて起き上がり、小銭を拾い集めながら、ぶつかってしまった人にこう謝罪して】


//ゆっくりと待ちます

49 :クーデリア ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/04/04(木) 22:09:37.70 ID:jNO2o3Vro
>>44

【マーリンの発言に対し、クーデリアはぎぃー、と小さく歯を見せて食いしばる】
【この歯に着せぬ物言いに何度腹を立てた事かもはや数えてすらいないが言い返すべきと判断したところは言い返す】


おいその理屈だと5年前には誰もなりたがらなかった王位を
得た余なんかとびっきりのバカになるではないか!よくないぞ!その言い方はよくない!!

……そう、誰もなりたがらなかったんだよな。"キル"や先代……"ルーミア大姉上"の一件で荒れに荒れた直後だ
その復興の道のりはどうやっても自分の手に負えるとは思えない。他の王家の者達は当時それを恐れてなかなか勇み足が出せなかった
だからその間に率先して動いた事で王位継承権の低かった余が今の王になれたわけだが……

バカがなりたがるような役職かもしれんが、だからと言って誰も自分の愚かさを認めるのを恐れて王座を空席のままにする方がまずいからな
この国は「王国」だ、誰かがその座について民を収める事で国の安寧を保つ役割を行い皆を安心させてやらねばならぬのは事実


……なにより、そのバカで幼い者が王になると自ずと知恵者の助けを広々と借りやすくなるしな……おかげで物言い以外は実に頼りになる奴を呼寄せられたのだ


【本当に、物言いだけは本当に気に入らないがマーリンは本当に頼りになった】
【彼女が王になってから、いろいろな人間が外部からなんらかの『チャンス』を感じて足を運ぶようになった者達が大勢いたが】
【その中からクーデリアと"主任"たちが自分たちの目でアドバイザー候補者を面接などでふるい落とし、選んだのがマーリンだった】

【"教会"の枢機卿という確かな地位を持ち、なおかつ現実的な目線で物事を裁定し啓蒙していく手腕は本物だった】
【この4年、この男に世話になった事は数知れない……王座に直りながらクーデリアはこれまでの彼の働きぶりを軽く思い出したりもする】
【そしてAcquiesce≠ノ纏わる話の返事を受け取ると、クーデリアは頷きながら】


……「コストが掛かりすぎる」という言葉はオヌシが特に嫌う言葉だな、そこを余に優先し用意してくれた事も感謝してる
いずれは余がオヌシが何も言う必要すらなくバリバリ経済を回していける王になってくれることを期待しているのだろう?
だからこそ……最後のだけは断る。―――「オヌシらの脳みそが考えた事をただ伝えるだけ」の役割になるわけにはいかぬのだ


【傍らのマナーニャが、門前の秋雨が、赤絨毯の両側に並ぶ護衛官たちの表情が変わる―――要望を断るとは思わなかった】
【こんなところで彼の言葉に反するとはどういうことか……と考えてる彼らを尻目にクーデリアは涼やかにマーリンに微笑みつつ言葉を続ける】


今、余は「オヌシの考えた政策を一字一句歪めることなく」実行しておる。今の時勢だとなおさらそうするべきだからの
"結果"はオヌシの要望通りになってはいるから文句は言わせぬ。だがオヌシの政策を一字一句見直し、この政策を行う事でどんな効果が表れるかも
ちゃんと見直し、メリットとデメリットを入念に確認し、この政策に我らの命運を任せていいかを最終的に決断するのが王である余の役目であろう

成功した時は喜びを分かち合いつつ功労者のオヌシに労いの品を送り、失敗した時は余が批難を受け、損失補填も肩代わりなのだからな
"オヌシを任せて賭ける"のが今余にできる最大の王の務めだ…………未熟な今の余にはオヌシの力が必要だ、ゆえに一番大変な仕事を任せてるからの……

マーリン、オヌシの仕事は完璧だ。だから信じて『共に戦う』。……いざって時にはケツは持ってやるという奴だ
……"責任を持つ"というのはこういうものであろう?


【"主任"は陰で柔らかく微笑んだ。傀儡のイエスマンだけしかできない王でいるのではなく】
【現状、マーリンのやり方を伝えるだけしかできないならできないなりで、失敗した時はかばうと約束するのがクーデリアなりの誠意だと考えているらしい】
【人間面は好きに離れないが、それだけ、マーリンのやり方は信頼が置ける。ならば仲間なりに駄目では?と思った所は直し、必要がないと判断したらそのまま通す】
【そしてマーリンの仕事はケチの付けようがないと、クーデリア自身が判断した。ゆえに彼を信じて手持ちを賭ける所までが自分の務めと考えているようだ】
50 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 :2019/04/05(金) 20:24:45.62 ID:zF/yok9K0
【表通りから、そう遠くない路地裏。】
【差し込んだ月光とまばらに点いた建物の明かりだけが、】
【ひび割れたコンクリートに囲まれた無機質な世界を映し出す。】

【そこに荒い息を吐く複数の影があった。】
【影は大きく二つに分かれていた。】
【壁を背にし、両手を頭の上に挙げた一人の男。】
【そしてそれを囲む、多様な男たちの影。】

【囲む者たちの手には一様に木製のバットが握られている。】
【月光が照らす顔は、いずれも普通の市民の出で立ち、】
【しかし、その瞳には黒々とした憎悪の炎が揺れていた。】

お…おいちょっと待てよ、俺は助けようと…。

【囲まれている方はというと無精ひげの伸びた憂鬱とした顔、】
【鼻を横断する傷跡に、使い古された衣類。】
【光を失った瞳は暗く、濁りきった溝川の黒いヘドロの如く淀んでいた。】
【その相貌から老けて見えるが、声からして歳は三十代くらいか。】

一体全体、なんだよ!敵味方の区別もつかねぇのか!
「うるせぇ!糞能力者が!」
「黙りやがれ悪魔め!」
【男が何やら説明しようとするも市民達に遮られ、バットの一撃を肩に食らう。】
【痛みに唸る男は地面に倒れ伏し、自身を囲む者達を睨みつける。】
【一瞬、市民たちはたじろぐも直に憎悪を顔に浮かべ男に迫ってくる。】

OKだ。OK。好きに殴れ。
正し一分間だけ待――。
【鼻を横断する古傷をなでながら立ち上がった男。】
【その背中を木製バットの一撃が打ち抜く。】
【男は何とか前屈みで踏ん張る。】
【しかし腹部に強烈なひざ蹴りを食らい、また地面に倒れてしまう。】

ああ…ついてねぇな俺。
【男の瞳には止めとばかりにバットを振り上げる市民達の姿が映っていた。】
51 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/05(金) 20:49:20.11 ID:zF/yok9K0
【表通りから、そう遠くない路地裏。】
【差し込んだ月光とまばらに点いた建物の明かりだけが、】
【ひび割れたコンクリートに囲まれた無機質な世界を映し出す。】

【そこに荒い息を吐く複数の影があった。】
【影は大きく二つに分かれていた。】
【壁を背にし、両手を頭の上に挙げた一人の男。】
【そしてそれを囲む、多様な男たちの影。】

【囲む者たちの手には一様に木製のバットが握られている。】
【月光が照らす顔は、いずれも普通の市民の出で立ち、】
【しかし、その瞳には黒々とした憎悪の炎が揺れていた。】

お…おいちょっと待てよ、俺は助けようと…。

【囲まれている方はというと無精ひげの伸びた憂鬱とした顔、】
【鼻を横断する傷跡に、使い古された衣類。】
【光を失った瞳は暗く、濁りきった溝川の黒いヘドロの如く淀んでいた。】
【その相貌から老けて見えるが、声からして歳は三十代くらいか。】

一体全体、なんだよ!敵味方の区別もつかねぇのか!
「うるせぇ!糞能力者が!」
「だまりやがれ!悪魔め!」
【男が何やら説明しようとするも市民達に遮られ、バットの一撃を肩に食らう。】
【痛みに唸る男は地面に倒れ伏し、自身を囲む者達を睨みつける。】
【一瞬、市民たちはたじろぐも直に憎悪を顔に浮かべ男に迫ってくる。】

OKだ。OK。好きに殴れ。
正し一分間だけ待――。
【鼻を横断する古傷をなでながら立ち上がった男。】
【その背中を木製バットの一撃が打ち抜く。】
【男は何とか前屈みで踏ん張る。】
【しかし腹部に強烈なひざ蹴りを食らい、また地面に倒れてしまう。】

ああ…ついてねぇな俺。
【男の瞳には止めとばかりにバットを振り上げる市民達の姿が映っていた。】
52 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/04/05(金) 22:47:48.96 ID:q9wOqLb80
>>51
/まだいらっしゃいますか?
53 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/06(土) 00:06:48.15 ID:H7OHEUHk0
>>52
/スイマセン諦めて本読んでました。
54 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/04/06(土) 00:10:48.09 ID:3AJ62OFR0
>>53
/いえいえ、かなり遅れてのことでしたしお気になさらず!
/今からだと置き移行は確実ですし、きつそうですかね?
55 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/06(土) 00:27:17.64 ID:H7OHEUHk0
>>54
/申し訳ありません。明日は朝から用事が…
/昼ごろまた再度投下すると思います。もしお暇でしたら絡んでやってください。
/それでは、すみませんが、おやすみなさい〜
56 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/04/06(土) 00:28:53.61 ID:3AJ62OFR0
>>55
/わかりました、どうもすみません……
/私も明日はお昼以降は用事があるので、今回は残念ながら無理そうですが
/またの機会を心待ちにしております。おやすみなさい!
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2019/04/06(土) 16:13:03.43 ID:be51ApTS0
【酒場】


【とにかくその日、俺は昼間っから酔っ払っていた】
【この街のくたびれた酒場はそんな酔狂な数人の客のために】
【昼間から店を開けていた。店主は椅子に腰掛け、アンナ・カレーニナを読みふけっていた】

【店主は俺と同じぐらいの年でどちらも白髪で、白ひげをはやして80年代で時が止まっている】

【俺は酔っ払っていた。何をするでもなく今日はジョイ・ディヴィジョンの死を悼んでいる】

【サングラスをかけ、赤い派手な柄のシャツ、ジャケット。俺のスタイルはずっと変わらない】

【酔っ払っていて、白昼夢みたいな気分だった。そのほうがありがたかった】
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/06(土) 21:08:45.35 ID:riRCloU30
【街中――コインランドリー】
【夜遅い時刻だった、ゆえに一層目立つ室内の明るさに、けれど我先にと寄り付く虫は未だ出ぬ時期なら、虫取りのランプも今は沈黙を貫き通して】
【がうんがうんといくつかの洗濯機やら乾燥機が稼働している音以外はごく静かであるのだろう、――――――嘘。室内に設置された"時間つぶしエリア"のベンチ、誰かいて】
【傍らの机に伏せておかれたスマートフォンから流された音楽がコインランドリーの中、それでもうるさくはなく響いていた。音楽ゲームにもいくつか曲を出しているような同人メインのボーカリストの曲】

【――けれども、誰かが入ってくるならば、彼女は容易く音楽など消してしまうのだろう。つまんなげに膝に広げられているのはだいぶ古い雑誌だった。窓だらけの店内は昼間には快いかと思いきや、本には過酷であるらしく】
【表紙なんかはだいぶ色あせてしまっているから、表紙を飾る有名なアイドルもきっと浮かばれない。死んでないけど。――ふうとため息を吐いたなら雑誌を閉じる、百円ショップのちゃちな雑誌ラックに戻してしまって】
【こちらは単純に古びて色あせたらしいベンチに背中を預けたならあんまり心地よくない音で軋んだ、――そうだとしても、夜のコインランドリーはいやに静かで、なんだか別の世界にきてしまったみたいだけれど】

――――、――――――。

【――ごく黒に近い紺色の髪はけだるげに一つにまとめられていた。同色の瞳もけだるく瞬きを繰り返すなら、"こんな場所"に来るのに化粧なんてするはずもなく、ましてや肌には消えきらぬ日焼けが目立つなら】
【もともと化粧なんてものはあんまりしないのかもしれないなんて余談なのだとして。――部屋着にするにはまだ"生きて"るのだとして、外着にするにはちょっと"死んでる"ようなTシャツ、それからかざりっけのないジーンズと】
【足元はごくやる気のないスニーカーだった。それでもまだ何か許されるように見えるのはきっと彼女が百七十も超えるような背をしているからで。――――雑誌の代わりに眺める携帯電話、着信のバイブが響いたら】

…………――あ? 今どこ? あんたが溜め込んだ服と冬の毛布、洗いに来てんですけど。………………あ? ――小学生の留守番じゃないんだから掛けてこないでくれる……。
あんた大人でしょうよ。………………………………あん? コンビニなんか寄んないわ。コーヒーゼリー? コインランドリー代を誰が出してると思ってんの? やよ。
大人は自分で好きなもの買いなさいな。あたしは自分の分のコーヒーでも買っていこうかしら。じゃ。

【ごくうんざりした仕草だった、なれば漏れる声もまたごくうんざりとしたもので。――ぽつりぽつりと漏れ聞こえてくる声、もし誰か聞いているなら、それでもいくらか親し気な色を帯びるから、家族、なのかもしれなくて】
【そうだとしてげんなりする瞬間はどこまでも心底まで面倒くさがっているようだったから面白かった、――――やがて終わる、というよりか、いくらも"終わらせた"電話、終わるのなら、】

――――――、

【誰かいるのなら、謝罪と呼ぶには簡単に済ませすぎる目くばせが向くのだろう。目礼にも物足りない瞬き一つ。彼女はまた携帯電話、眺めだすから】
【――室内に休憩用のいすはそこしかなかった。同じベンチに腰掛けるのだとして、彼女は端っこにいたし、まして誰か来るならもういくらか端に寄るだろうか、――なんて】
【どうあれ彼女の用はまだ終わらないらしかった。そうして確かなのは、退屈げにソファのひじ掛けについた頬杖、とげとげと他人を拒むような気配は、きっとしていなくって、】
59 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/06(土) 21:39:38.90 ID:be51ApTS0
前スレ>>279 黒鉄さん宛

私は、ある事実に気づいてしまったのです。

私は数年前、AIの研究をしていました。
いや、アンドロイドのというべきですかね。ソフトとハード両面での研究です。

それは単に労働力の代替品としてではなく、真に人間とはなんたるかを知りたかったからです。
神に成り代わるつもりもありません。いえ、むしろこの世界の全てと同じように
我々も、偶然の産物でしか無いとしか言えないと言うことに気が付かされました。

ですが、それは我々が観察者という特別な存在であるが故なんですよ。

そして私は、もう一つ並行して研究していたものがあります。

ですがどれもこれも。この会社すら、結局は。

ある一つの願いをかなえるため他なりません。

世界の終わりはもう其処まで迫っています。

そのままの意味です。

等しく平等に。収束する先は一つです。大変、残念ですが。
60 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2019/04/07(日) 10:56:36.27 ID:KL9vjwRy0
スレをろくに使わないのに乱立だけしてパー速を汚していくRPGツクスレ住民
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1553305198/
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1553308211/
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1553313362/
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1553792134/
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1554359912/
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1554370531/
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1554401405/
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1554477730/
そんなゴミの溜まり場はこちら
厳重に処罰すべし
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/47528/1554267128/
61 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/07(日) 20:37:21.79 ID:ahaa66VV0
【元櫻州軍港】

「ーーッ!?」
「ぐッ!……」

【闇夜であった】
【それは先だっての、氷国海軍艦隊と魔導海軍連合艦隊の戦闘の跡地、まだ幾らも復興は遅れ、戦火の傷痕生々しき場所】
【春の夜は暖かくも、月のない日であった】
【人影が動いたとあれば、途端に苦悶の声を上げて、その場に倒れ伏して】
【そんな事が幾度も繰り返され、そして次にはその場に2人の人影がその身を起こした】

「杉原、妙だな」
「妙ですね軍曹」

【都市用迷彩に身を包んだ、2人組】
【男女の様で、手にはアサルトライフル、腰の弾帯には幾らかの武装を所持して】
【特徴的な程に身長の差のある2人だ】
【足元に転がる数体の死体を一瞥して、暗視ゴーグルを外して会話する】

「こりゃ復興とか死体回収とかじゃねーな、コイツら何か探してやがる」
「探し物なら我々もいっぱいありますがね……でもまあ、取り敢えずの予定時刻までには、掃除も間に合いそうですが」

【海兵であろうか、足元の陸戦用水兵服の死体を蹴飛ばしながら】
【2人は暗い汚れた海を見つめる】
【怪しく不安な夜だった】
【さりとて、この様な場所に誰か来る者がいるだろうか?】
【未だに船や航空機の残骸が所々浮かび、海底には無数の敵味方問わず、亡骸が沈む、この港に】
【訪れる者がもし居るならば、それはきっと、この2人と同じく表には出来ない誰かか、或いは何も知らない無垢な存在か】



//予約の投下です!
62 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/07(日) 21:02:46.16 ID:ffT8itun0
>>61

【宵闇に浮かび上がる丸いオレンジの光の列は櫻国から輸入した人魂ではなくて】
【軍用の乗用車の車列のヘッドライト。闇夜に対応するべく探照灯と機関銃を据え付けたそれだ】

【一体どこのだろうと考える必要もない。それは水国軍の迷彩と識別が備えられた公式の車列だ】

【探照灯は目ざとく、眩しく。2人を照らした。】


<其処ッッ!!何者だッッ!!武器を捨てて、その場に伏せろッッ!!>


【探照灯を向ける水国軍の兵士が車上より叫んだ。車は3台もあり、装備を見ると前後が護衛】
【真ん中が護衛対象といったような雰囲気だった。赴任して来た将校でものせているのだろうか】

【車を停め、兵士が2名降りてくる。車上より目のくらむような探照灯と銃口は向けられたままだ】
【護衛車両の助手席から顔を出す。見覚えがあるかもしれない。派手なビビットブルーのヘアカラー】
【片方を刈り上げたロングヘア。落書きだらけのSMGを握ったパンクスの女。】
【あの時、霧崎の護衛に居た、構成員の女だ。】
63 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/07(日) 21:19:18.94 ID:ahaa66VV0
>>62

「やべっ!杉原!軍だ!水国軍だ!」
「くっ……こんな時に!」

【照らされる探照灯に続き】
【軍用車の上から叫ばれる勧告】
【眩しげにそれらを確認すれば、言うが早いが、瓦礫を飛び越え身を隠す2人】
【アサルトライフルを構えて、そしてゆっくりと声の方向、軍用車両の車列を視認すれば】
【それは、まるで中央の車両を護衛するかの様な車列で、何処ぞの高級将校の着任であろうか、兎にも角にも運がない状況と言える】

「杉原……!」
「解ってますよ、目眩しぶち込んで、その後はモーターボートで離脱ですね……いえ、軍曹ちょっと待って下さい!」

【護衛車両の助手席、杉原と呼ばれた男はその女性を見た】
【パンキッシュな髪型、出で立ち、忘れもしない霧崎舞衣の身辺を警護していた、あの女性構成員だ】

「ちょっと待って下さい!」
「杉原です!霧崎さんですよね?お久しぶりです!」

【徐に立ち上がり、両手を上げて、護衛車両に向かい声をかけた、慌てて少女も立ち上がり、同じ様に両手を上げて】
64 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/07(日) 21:54:31.75 ID:ffT8itun0
>>63

【パンクスの女は気がついたようで、窓を開けあの気だるそうな目で見ていた】
【そして、中指を立てる。口がなにか言っている。聴こえないが、多分、Fから始まる言葉だ】
【振り返り、誰かと話している。しばらくの後、女が車から降りてきた】

ウチの知り合いだ。テェ出すな。

【気だるそうに、SMGを片手で肩に担ぎながら、兵士に言った】


<しかし………>

てめぇらは、イエッサーだけ言っとけ。

姐さんが呼んでる。

【構成員の女は杉原らの方に一瞥だけくれて、踵を返した。】
【兵士はなにか言いたげな様子だったが、どちらが上かはハッキリしているようだった】

まぁ、こんなところでまたお会いするとは。

【後部座席には霧崎一人が乗っていた。運転手は大男で…いや、大男というには】
【あまりにも大きく、あまりにも人間とは思えなかった。――多分、人狼?】

【霧崎はまたスーツ姿で飾り気は無いものの佇まいと気品でそれらをカバーしていた】
【側に置かれた一振りの赤い鞘の刀すら彼女からすれば彩りであった】

どうぞ、狭いですが。乗られますか?

【助手席に一人、後部座席に一人と言ったところだろう。――となると乗っていたパンクスは定員オーバーなのだが】
【乗れなくはないが後部座席を窮屈にするわけにもいかず】


『おら、降りろアーミー共。走って帰れ。クソッタレ。』


【と、先頭の車両に銃口を突きつけて、運転手以外をおろしていた】
65 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/07(日) 22:22:30.27 ID:ahaa66VV0
>>64

「あ、あいつ!確か冨獄会の!」
「相変わらずですね、一目で解りましたよ、でもこれで活路は見出せました」

【女性構成員は、杉原に対しては相変わらずの反応であった】
【最も、此れは杉原に対する個人的感情もあるのだろう】
【兎にも角にも、武装した兵士達はその場は構えた武器を下ろして渋々構成員に従った】
【どうにも、やはりと言うべきか、力関係は霧崎が上の様だ】

「霧崎さん、ご無沙汰しております」
「助かった〜、すまなかった、危うく水国軍とも一悶着やらかすとこだった……で、杉原何で嬉しそうなんだ?」

【あの時と同様のスーツ姿の霧崎は、やはり凛として高貴に佇んで】
【対して此方は迷彩に各種の装備と、軍人然としたそれで】
【後部座席へと乗り込んで、口々に挨拶を告げて】
【そして運転席の巨大なワーウルフと思しき、その人物に目を奪われ、次には哀れ、車両から強制的に下される兵士達はを可哀想な目で見送ると】

「霧崎さんは、どうして此方に?」

【此処は言わずもがな、櫻州の軍港があった場所】
【先の戦いで壊滅的被害を受けた場所、逆に言えば今はその痕以外は何も無い場所、霧崎が此処にいるのは、何か相応の理由があるのではないか、と杉原は聞いた】
66 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/07(日) 22:40:39.91 ID:ffT8itun0
>>65

【車列は数人の兵士を置き去りにて再び走り出した】
【これならば大手を振って検問も突破は容易だろう】

どうもすみません。最近、大きいのを雇ったもんで。
鼻が利きますので、重宝しているんですが。

【一体どこで拾ったかは一切謎であるが、パンクスに人狼】
【他の構成員も櫻の人間以外はそんな風変わりが多い。】
【そのことをとやかくいうのは野暮と言うものだろう】

端的に言えばビジネスです。水国絡みのゴタゴタを解決する
手伝いをとある人物から依頼されていまして。
まあ、櫻の国のことまでは頼まれてはいないんですが。

何分、櫻は顔が聞きます故、今後のことを考えて少し挨拶回り
しつつ…といったところですかね。軍関係者は古い武家の人間も
多く士官におりますから。私も武人の端くれ。コネクションは多少。

この辺の再整備なんかマフィアと役人の懐を潤すには絶好なんですよ?

【なんて冗談じみて笑うが、一切冗談には感じられず】
67 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/07(日) 23:00:49.90 ID:ahaa66VV0
>>66

「なるほど……」
「確かに、鼻は効きそうだな、後強そうだ」

【個性的なメンバーを揃えた冨獄会、社会から弾かれた者の受け皿としての極道、そのシステムは尚脈々と生きている様で】
【故に、強固な結束と仁義が盤石なる体制を築いていると言えるのだろう】

「流石ですね、霧崎さん」
「土地に事後処理に不動産、目の付け所はやっぱりって感じだな」

【往々にしてわかり易い話であって、こういった土地の利権関係や不動産業は、議員クラスの役人とそしてヤクザには伝統的に稼げるチャンスなのだろう】
【コネクションがあれば尚更であり、嗅ぎ取る嗅覚はまさにその道のプロ故だろう】

「こっちは散々だけどな……で、水国関係のゴタゴタってのは一体?」
「気になりますね、この状況下で櫻関係では無いとすると、我々が知らない話でしょうから……」

【検問も何も問われず通過する中、霧崎の何気ない一言が妙に気になって、そう聞いた】
68 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/07(日) 23:44:55.47 ID:ffT8itun0
>>67

【狼は寡黙であった。ただ黙々と運転手としてその仕事を全うしている】
【鼻を利かせ、耳をそばだてて、護衛にふさわしい仕事をしていた】

そんなヤクザに大手を振って歩かせるほどには情勢は悪いということですね。
バレて任を解かれるより、目先の小銭のほうが良いということは
それだけ政情を誰も信頼していないということです。

といっても、私は今、准公人のようなもの。ある人物の手回しあってのことです。

【霧崎は軍用の揺れる車内であっても、その姿勢を崩すことはなく】
【それは礼儀というよりかは武人としてのそれで、常に刀を抜ける、気を緩めることは無い】

黒幕と、円卓のそれですよ。それと新楼市に関する所。詳しくはお話することは出来ませんが
政治というゲームに相乗りする算段をつけているところです。

よもや私も駒の一つになるとは…面白いものですね。
69 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/07(日) 23:59:08.91 ID:ahaa66VV0
>>68

「まあ、この国の政治状況は今更言うまでも無いけどな」
「なるほど……ちなみに、そのある人物とは?」

【寡黙な人狼が器用に運転をこなし、また周囲に気を張り警戒をする中、霧崎の話に耳を傾ける】
【先程から、決して乗り心地の良く無い車内にあっても、姿勢を正し、崩さない霧崎はやはり格上の存在なのだろう】
【剣客としても、また、社会的立場としても、それをひしひしと感じてか、百合子は少々複雑な顔を見せて】

「政治に?」
「何だ、まるで議員選挙にでも立候補するみたいな言い方だな?」

【詳しくは言えない、この点もまた先だってと同じであるが】
【政治に参加する、という部分が気になる話で】
【訝しげに、そう2人は尋ねた】
70 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/08(月) 01:01:01.81 ID:FA0+oMxY0
>>69

その人物については…まだ伏せさせていただきます。
非常にシビアな段階です。それに私もまだ半信半疑と言ったところでして
本当に思惑通りに行くかはまだわからないのです。

【検問を過ぎ、軍関係者の詰所や資材置き場なんかが連ねる仮設の基地のような場所を抜けていく】
【こうも簡単に通り抜けるのだから彼女の言う話の説得力になる。】

まあ、そんなところです。例え、出馬しなくとも有力者の裏の仕事人という立場なら
相当な水国内での力を持つことができるでしょう。情報収集もたやすくなる。

黒幕はいざしらず、円卓と接触することはできるでしょう。もしかしたら
私も円卓になれるかも。

【また、彼女は笑ってみせるが――察しのいい者ならそれが完全なる冗談ではないと】
【その目が笑っていないことから察することができるだろう】

それで…貴方方は?こんな夜更けに散歩には少し、遠出もすぎるのでは?


/ここらで時間的に落ちさせていただきます…
/お疲れ様でした
71 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/08(月) 01:20:58.47 ID:dwakV2Lm0
>>70

「なるほど……いえ、すみません立ち入った質問を」
「ああ、流石に内情の奥までは聞けるとは思って無い、色々と気になる部分は出来たけどね」

【車窓から外は、軍の検問やら主要施設やらで】
【通常では、決して通り抜ける事は出来ない場所、霧崎の話はやはり事実の様で】

「出馬、やはり選挙に?」
「凄いな!当選すれば水国議員じゃないか!」

【やはり、と言うべきか、帰って来た返答は議員選挙への出馬の意思】
【真実味ある話であって、百合子などは目を丸くして感嘆するも、次に聞かされたワードに、2人は同時に眉を潜めて】

「明かせない話なのは承知ですが、霧崎さん……まさか、貴女に選挙出馬を要請した人物、有力者……コネクションとは」
「まさか、イスラフィール議員ですか?」

【目を笑わせない、その笑みに、幾分か落ちたトーンで杉原が問うた】
【眉根には皺がより、話の真剣味がかなり増していて】
【この問の裏に何かがある事を、霧崎も察するやも知れない】

「あ、ああ私達はアレだ、先の氷艦隊と魔導海軍の戦いで、事後処理に動いている魔導海軍の海兵の一部に、不審な動きありと掴んでな、こうして杉原と調査に来てたわけだ」
「ついでに、陸軍の仲間を櫻国から呼んでましてね、到着時の露払いも兼ねて少々……」



//了解です!ありがとうございました!お疲れ様です
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2019/04/08(月) 17:38:26.55 ID:0cs3Udwh0
【路地裏】

【獲物を前にした獣の吐息のごとく、不気味なほど生暖かい空気が、しなりと女の肌を撫でる】
【街の灯りは路地の先へと吸い込まれるように消え失せ、仄かな月光のみを足がかりにしなければならなかった】
【この場所、この時刻――この世界の住人ならば誰しもが知っている。それがいかに命知らずな歩みなのかを】


 ふーむ……。
 いい雰囲気だ。実に匂うじゃないか。


【それは、すらりと背の高い、二十代半ばぐらいの女である】

【白いジャケットに深紫色のインナー、黒いレギンスに赤褐色のブーツ。腰には大小多くのポーチが付いたベルトと、活動的な服装】
【桜花の柄の腰布とハーフアップに編み込んだ髪を留める二本の紅の簪が、どこか桜の国を思わせる風情を醸し出している】
【淡く月の光と同じ色を差す長髪は、毛先へと流れるにつれ鮮やかな新緑の色へと彩りを変えており――】
【深紫の瞳は優しく抱く宵闇のようでもあって、だがこの隘路の先の先よりまだ深く、見通しきれない何かを秘めていた】


 いるとしたら、このあたりのはずだ。
 ……ここまで来て見間違いでした、ってのはナシで頼むよ……。


【女は無造作な歩調で、きょろきょろと周囲を見渡しながら、誘われるかのように路地裏の奥へ奥へと進んでいく】
【こういう手合はおおよそ二種類に区別されるのが常である。すなわち、よほど腕に自身があるか、あるいはよほどの莫迦かだ】
【果たして女はそのどちらか。その目的はなんなのか。暗闇のなかにぽっかりと、怪奇と謎が浮かんでいる】

【銀色の風が吹いた。少なくとも、今宵の"怪異"はまだ、誰にも視られず此処にある】



/20時頃までまったり募集です
73 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2019/04/09(火) 03:54:40.32 ID:4JGzCKlZ0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2019/04/12(金) 19:26:47.50 ID:Fx9AeUNe0
/>>72で再募集 日付変わるまではおります
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2019/04/13(土) 17:26:47.57 ID:skfhwBbr0
>>72

やぁ、お姉さん。
良ければ僕と遊んでいかなぁい?

【相手から見て路地裏の奥側にある、影になってなっている室外機の上に座っている少女が声を掛ける】
【その少女は見た目14,5歳ほどで月光を反射する腰まで届く薄い色感の銀髪を有している】
【その銀髪は右側の側頭部でワンサイドアップで結われ、それをさらに三つ編みにして毛先を黒いリボンで結んでいる】

【服はこの闇夜に溶け込んでしまいそうな黒いセーラー服。その上に淡く広がるように血のような色のスカーフが浮かんでいる】
【タイツもパンプスも黒いので闇との境界線が滲んでいるようだ】

【顔には幼さの残る顔に違和感を刻むように右眼を縦に大きく通って刀傷が奔っている。しかし視力はあるようだ】
【だが違和感はそれだけではなく眼がその幼さの残る顔には不似合いなほどトロンと蕩けて口が無邪気に開けられている】

【室外機の上に片膝だけ立て刀を抱きかかえるように大事に抱えている】
【片方だけ放り出された脚がぶらぶらと揺れている】

/もしよければお相手お願いします
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2019/04/13(土) 18:07:44.93 ID:skfhwBbr0
/日にち見落としてました。
77 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/13(土) 21:47:31.19 ID:XM8fmrz/0
>>71

―――議員程度で、ですか。

そうです。イスラフィール議員です。
彼女の使いの者と接触したのです。

その密談からずいぶんの時間が経ちどうなるかはわかりませんが。
そして、正確にはニューロンシティの市長選挙です。

【明らかに、声色が変わった。表情は相変わらずの印象は悪くないが】
【何処と無く凄みを持った1000倍に希釈した微笑であった】

【彼女は最初はぼかしていたもののその話を詳らかにしたのだ】

言いたいことはわかります。ですが、しょうもない愚策程度では
いつになれば敵の懐になど飛び込めますでしょうか。

私はヤクザ、貴方方も国軍の一兵卒。所詮この程度。
どれだけ全力を尽くしたとて、世界を返せはしません。
鉄火場のニューロンシティを手中に収めるぐらいはできなければ。

世界の支配構造を変えることなどできません。

――それに霧崎家は“城無し”の霧崎と呼ばれたものです。
そろそろ、城を持てば先祖も喜びましょう?

【櫻の国の歴史を紐解けば何百年も前の戦、封建主義が色濃い時代】
【各地方の大名に仕える家々の一つに霧崎家はあった。】
【ときに先陣を切り、時に殿を務める。桐崎家はその戦の尤も過酷なところで戦った】
【その武は味方すら恐れさせ、どれだけの武勲をあげようと与えられたのは斬り裂きの異名だけだった】
【“城無し”の霧崎。もはや歴史にも殆ど残っていない。一族の殆どが戦場で死に絶えたのだから。】

【正義の名のもとにある、野望。富嶽会という組織の毛色はやはりこの女がもとであった】
78 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/13(土) 22:06:24.02 ID:XM8fmrz/0

【酒場】


【ここが何処の国でどんな雰囲気の店かはあなたに任せよう】
【天気も、時間も。星座占いの順位も任せよう】
【ただ、其処にふらっと来た男にBGMだけは任せさせてほしい】

【それとこの男を狙った刺客が約30分後にやってくることは運命づけられている】

【背の高い痩せた男だった。ボサボサの白髪であごひげをはやしていた】
【サングラスを掛けていてわかりにくいが、年は相応、50かもう少しといったところだろうか】
【ジャケットスタイルだがTシャツで、ブーツは編み上げ10ホールで脱ぐのがめんどくさそうだった】
【細身のジーンズの裾を捲って、開いているところに勝手に座るだろう】

来たのは20年ぶりだ

【なんて、冗談を真顔で言う。だって20年前にはここは存在していない。】

いいや、俺が20年後から来ただけさ

【なんて言い返すのだから。質が悪い。変わり者だ。赤マルに火をつけて彼は言った】


世界を変える気はないか?
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2019/04/14(日) 01:42:14.97 ID:3+hDHB7T0
【静寂が帳を下ろす夜の公園】
【日の下に見せる顔とは違い、そこに人を向かい入れるような雰囲気はない】

【だが今その闇の中に違和感を浮き上がらせて、少女が立っている】
【だらりと力なく垂らされた右手に握られた刀だけが、まるで闇の住民である証のようだった】

【風のない闇に長い銀色の髪が撫でられる】
【右側頭部の高い位置で三つ編みに編まれた髪が風を探すように、だが揺れることなく佇んでいる】

へぇ〜、こっちにもあんたみたいな奴っていたんだ。

【銀髪の少女の顔がいびつに歪む。口角が釣り上がっている】

【少女の目の前にいるのは巨大な犬のような…狼のような】
【だが唸っているように見えて一切声のようなものは発さず】
【双眸の眼窩に溢れそうに留まっている赤は実際に血なのか、視覚の機能を有しているのか判断つかない】

【それは闇が動物の形を模して形取っているだけのなにかだった】

【少女と闇が動いたのは同時だった】
【動物を模した闇は力強く走り、少女は自重を推進力の所以とする古武道に継承される動きで互いの間にある空間を潰合ってしていく】

【闇が一際大きく跳ねその漆黒の牙が少女の首元に届かんとしたとき、刀身が間を割って入り込みその進行を防ぐ】
【闇の方へと踏み込み、身体を入れその脚を軸足にすることで反転し、闇の力を受け流し進行方向へと切っ先を向けることで】
【闇は自らの力で前方方向へと身が流されていく】

【相手に力を加えられることなく自身の行動を制されるので、そのことに理解するのに反応が遅れる】
【だが、その身体能力を以て空中で捻りを加えながら反転し、後方の相手の方に向き直りつつ着地を決める】

遅イッッ!!

【闇が相手の姿を捉えたときにはもう既に必中の、必殺の間合いだった】
【闇は反射のように地を蹴っていた】

【二つの影が交差する】
【少女が落とした腰を通常の姿勢に戻すと顔には黒い何かがベットリと付いていた】
【口端をぺろりと舐めながら刀身を腰の鞘へと収めていく】

フフ

【笑い声が漏れていた。脚が公園の出口へと向かっていく】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/14(日) 18:32:32.39 ID:kIopf3CM0
>>79
/まだいらっしゃったりしますでしょうか……?
81 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/14(日) 20:07:13.71 ID:WJvnTUuj0
/>>78で再投下します
/違う内容でも一向に構いませぬ
82 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/16(火) 19:37:29.09 ID:aFr+Jfgm0
>>77

「ッ!?」
「す、杉原……」

【空気が変わった】
【その単語に、人名に明らかな反応を示したのだ】
【そして告げられるのは、やはりとも言うべき、そして考えたく無かった事実で】

「霧崎さん、貴女……」
「その様子じゃ、イスラフィールってのが何者か、チームMにとってどういう存在か、櫻州のあの戦いの裏で何をしたのか、知っているのか?」

【驚愕は隠せなかった】
【ニューロンシティの次期市長選挙、出馬の打診を飲んだと言う霧崎】
【だが、様子からすれば、ある程度の情報は得ているのだろうか】
【最も、それがアーディンやカニバディール、そして外務八課の知る情報と同一とは限らないが】
【少なくとも、それらをある程度知るこの陸軍諜報部の二人からすれば、彼女の決意が何を意味するのか……理解が出来てしまうのだ】

「支配構造に、ついには先祖ね、私は武家の出じゃ無いからな解らんが、明確だが曖昧な敵に取り入る事が城持ちになるのかねえ、なあ杉原」
「私は武家の出ですが、何分良いご身分の出自では無いので、しかし、武家には武家の大名や領主にはそれぞれの統治者の、矜持はあるのでしょう」
「ですが……霧崎さん、何を、いったい貴女は何を企んでいるのですか?」

【極道組織冨獄会、霧崎が見せた野望には、並々ならぬ執念と野望を感じて】
【圧倒されていた、二人は完全に霧崎の側面に呑まれていた】
83 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/19(金) 21:49:13.31 ID:r1wr6yY60
【表通りから、そう遠くない路地裏。】
【差し込んだ月光とまばらに点いた建物の明かりだけが、】
【ひび割れたコンクリートに囲まれた無機質な世界を映し出す。】

【そこに荒い息を吐く複数の影があった。】
【影は大きく二つに分かれていた。】
【壁を背にし、両手を頭の上に挙げた一人の男。】
【そしてそれを囲む、多様な男たちの影。】

【囲む者たちの手には一様に木製のバットが握られている。】
【月光が照らす顔は、いずれも普通の市民の出で立ち、】
【しかし、その瞳には黒々とした憎悪の炎が揺れていた。】

お…おいちょっと待てよ、俺は助けようと…。
【囲まれている方はというと無精ひげの伸びた憂鬱とした顔、】
【鼻を横断する傷跡に、使い古された衣類。】
【光を失った瞳は暗く、濁りきった溝川の黒いヘドロの如く淀んでいた。】
【その相貌から老けて見えるが、声からして歳は三十代くらいか。】

一体全体、なんだよ!敵味方の区別もつかねぇのか!
「うるせぇ!糞能力者が!」
「だまりやがれ!悪魔め!」
【男が何やら説明しようとするも市民達に遮られ、バットの一撃を肩に食らう。】
【痛みに唸る男は地面に倒れ伏し、自身を囲む者達を睨みつける。】
【一瞬、市民たちはたじろぐも直に憎悪を顔に浮かべ男に迫ってくる。】

OKだ。OK。好きに殴れ。
ただし十秒だけ待――。
【鼻を横断する古傷をなでながら立ち上がった男。】
【その背中を木製バットの一撃が打ち抜く。】
【男は何とか前屈みで耐える――が、】
【腹部を強烈なひざ蹴りが打ち抜き、またもや地面に倒れてしまう。】

ああ…ついてねぇな俺。
【仰向けになり、空を見上げた男の瞳には、】
【止めとばかりにバットを振り上げる市民達の姿が映っていた。】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2019/04/20(土) 19:23:55.48 ID:t6lvAVAb0

【水面に月が映るころ、春先の涼しい夜のこと――】

【風すらも凪いで、虫のさざめきがまばらに聞こえるだけの森のなかである】
【細い獣道を抜けた先、人気のない湖のほとり。そこに、すらりと背の高い、二十代半ばぐらいの女が佇んでいた】


 ふぅ。
 ……まあ、仕方ないか。


【白いジャケットに深紫色のインナー、黒いレギンスに赤褐色のブーツ。腰には大小多くのポーチが付いたベルトと、活動的な服装の女だ】
【桜花の柄の腰布とハーフアップに編み込んだ髪を留める二本の紅の簪が、どこか桜の国を思わせる風情を醸し出している】
【淡く月の光と同じ色を差す長髪は、毛先へと流れるにつれ鮮やかな新緑の色へと彩りを変えており、】
【深紫の瞳は優しく抱く宵闇のようでもあって、しかし視線の先の湖の深みのように、見通しきれない何かを秘めていた】

【女は困ったようにため息をひとつ付いた後、やがて意を決したかのように、ゆるやかに歩き出した】
【その行く先には一面に広がる湖しか存在しない。このまま行けば入水する羽目になるが、それでも止まる様子はなく――】


/日付変わるまで募集です!
85 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/20(土) 21:21:04.75 ID:0fqHGrsg0
>>84
糞…糞がっ…あいつらしこたま殴りやがって…。
【涼風に吹かれ藪をかき分けながら一人の男が湖に向かってくる】

糞ったれ、ド素人どもが…加減もしらねぇくせして…糞!
【大きくはれ上がった左瞼は片目をふさぎ、悪態を吐くだびに血がにじんだ口元が痛む】
【裂けた額からこぼれた血液に染められた顔は痛みと怒りに歪められ、まさに狂相と呼ぶにふさわしい】
【足を引きずる姿は手負いの獣といったところだろうか】

お!ついてる湖だ!
まずは顔を洗…

【湖をみつけ足を速めるが、先客の存在に気づき足を止める】
【しばらくそのまま見ていたが、ふと先客の足が湖に進むのを確認すると――】

おおっい!まて!早まんじゃねぇ!

【さっきまで引きずっていた足を懸命に動かし女性を追う】
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2019/04/20(土) 21:51:11.54 ID:t6lvAVAb0
>>85

【女の表情に躊躇いはなかった。静寂が支配する夜の森でなければ、声に気づかずそのまま湖に突っ込んでいったかもしれない】
【だが実際には男の介入が間に合った。女はブーツが濡れるのも構わず歩を進め、膝まで浸かったところで、「おや?」と呟いて振り返り――】


 ………ええ!?
 なんだなんだ! 入水自殺した自殺者の亡霊かなにか? それとも落ち武者とか!?


【男があまりに傷だらけだったので、女はそちらを幽霊かなにかと誤解したようである】
【しかし、それで逃げるでも怯えるでもなく。なぜか目を輝かせて男に近づき、至極失礼な台詞を浴びせるだろう】
【その様子を見るに……とりあえず、男が危惧したような意図で湖に入ろうとしたわけではないらしかった】


 うわ、それにしてもひどい怪我だね。
 一応応急処置用のキットは持ってるけど……幽霊に治療とか、意味あるのかな?
 キミ、そこんとこどうなの? 


【そちらに駆け寄った女は、興味津々といった様子でまじまじと男の全身を見つめ始める】
【そして迷った末に腰元のポーチから治療用具を取り出して、どうしたものかと首を傾げるのだった】
【……男が普通の人間であるのなら、とりあえず誤解を解くところから始めないとどうにもならなそうである】

87 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/20(土) 22:23:30.95 ID:0fqHGrsg0
…どっちかってーと他殺の線を疑うべきだろ。

【いきなり湖から引き返したと思えば故人として扱われる】
【先ほどまで自分が、入水しようとした相手を止めようとしてたのでは?】
【痛々しい口元が苦笑いで歪む】

なんだ、その感じだとそっちも男に振られて思いあまってたわけでも、
逆らい難い水への執着から水底の名状しがたき古き神々遺跡に向ってたわけじゃぁないようだ。
おっと俺の誤解は謝らんぞ。
夜中に水辺にまっ直線に向かう人間が、他に何に見える?

【仕返しとばかりに寂しい女性か、邪神を信奉するインスマ面の魚人と思ってたと言う】
【おまけに自己正当化…】
【呆れるばかりだが軽口が出るほどの余裕は取り戻したらしい】

後、一応まだ生者だ。
ほら見ろ足すけてないだろ。

【足元を見れば土まみれのブーツ】
【クタクタで色あせた様は男そのものを映すかのようだ】
【服も血に染まった白シャツにジーンズとみすぼらしく、】
【夜の山道には到底足りぬ装いだ】
【わけのわからない軽口をたたく余裕はあったようだが、全身には複数の暴行の痕跡がある】

後だ、応急処置はぜひともお願いしたいが…あいにくと返せるものなんてなくてな。

【気まずそうに血で固まった黒髪ごと頭を掻く】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/20(土) 22:39:15.37 ID:t6lvAVAb0
>>87

【男の了承を確認すると、「別にお返しなんていらないよ」と軽く笑って、女は応急処置に取り掛かるだろう】
【そうして体に触れていれば、必然、男が死人ではないことにも気づく。……なぜだか、ちょっと残念そうだった】
【ずいぶん手慣れた調子で処置を終える頃には、傷の痛みも多少はマシになっているだろうか】


 ああ、そういうことか。ごめんね、誤解させて。
 神秘を追っていたって意味では、その推理もあながち間違いじゃないんだけど……。
 まあとにかく、世を儚んで湖に飛び込もうとしたわけじゃなから安心してよ。


【ころころと楽しげに表情を変えながら、女はそんなことを云う】
【そもそもこんな夜中に人気のない森に踏み入る行動力といい、血や腫れに怯えひとつ見せない応急処置の手際といい、】
【一般的な女性の平均からはだいぶ外れた女のようだ。只者ではない――という表現よりは、単に"変人"と評する方が正しそうではあったが】


 ……ふふっ。
 にしてもキミ、面白い人だね。自分がこんな大怪我してるのにわたしを助けようとしてくれたのか。
 そんなお人好しさんが、いったいどんな大喧嘩に巻き込まれてきたのかな?
 

【いたずらっぽく上体をかがめて上目遣いで男を見やると、女は微笑して質問を投げかけた】
【怪我の様子から、男がなにか人為的なトラブルに巻き込まれたらしいということは察せられたようだ】
89 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/20(土) 23:11:55.62 ID:0fqHGrsg0
>>88

【楽しげに表情を変える女性】
【その姿を見たからか男の表情も和らいでいく】
【顔の血を拭えば鼻を横断する古傷以外は無精ひげが生えた普通の30代の男だ】

探検家か何かか?
なんだ本当に湖の底に遺跡か宝でもあるのか?

…その前に自己紹介まだだったな。

【気を使ってか傷に消毒液の類が染みても、表情は変えない】
【そのまま普通に会話を行おうとする】

ポール…ポール=ベイクドバットだ。
ありがとう、どうにも最近ついてないと思ってたが…。
今夜は例外らしい。

【自己紹介を終えると事情を話し始める】
【始まりはこうだ、普通のコンビニエンスストアで能力を用いた強盗を捕縛したが、】
【周囲の市民の反応が危険であり、また強盗が少年であったため、つい逃がしてしまった】
【市民の標的は彼に変わり、路地裏に追い詰められ怒りの制裁を受けることになってしまった】
【そこからは必死に逃げだしこの山にたどり着いたというわけだ】

【強盗を取り押さえる際、能力を使ったこと】
【最初から自分も標的であった可能性が高いことは伏せて上記の内容を話し終えると、】

お人よし何かじゃないさ…。
ただ…間抜けだっただけだ。

【自嘲しながら空を見上げる】

なぁ、今世界はどうなっちまってるんだ。

【浮世離れした事を言いながら空を見上げる黒い瞳には、】
【星も月も写らない、ただ狭間にある闇を見るだけ】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/20(土) 23:39:52.43 ID:t6lvAVAb0
>>89

【傷口に染み入る痛みも顔には出さず、淡々と話し続けるその仕草を、果たして女は見抜いていたかどうか】
【それはわからないが、女はさも「かわいいものを見た」とでも言いたげにくすりと笑って】


 いかにも。わたしは探検家であり、冒険家であり――"蒐集家"だよ。

 わたしはイスト。よろしくね。


【男の名乗りに、こちらもまた名乗り返す。女――イストは、どこか誇らしげにいくつかの肩書を並べ立てるだろう】

【ポールの話を聞きながら、女は近くの茂みに歩み寄ると腰をかがめて、入水前に置いておいたいくつかの荷物を抱え上げた】
【水筒や缶詰、火起こし用のライターなど、野宿用の道具らしきものがいくつか。さらに手帳サイズの冊子のようなもの】
【――そして最後に、深い緑に金細工が施された鞘を持つ、一本の刀】

【それらを回収すると適当に周囲を見渡し、近くに転がっていた大きめの石の上に腰掛ける】
【「まあ、座って話そうじゃないか」と笑い、紙コップに水筒の中身を注いでそちらに手渡すだろうか】
【ちなみに中身は酒だとかの小洒落たものではなく、ただのお茶。まあ刺激物ではないので、口の中の傷に染みることも無さそうだ】


 ふぅむ。それはまた、波乱万丈な夜だったね……。

 それでキミは――その子を逃したことを後悔してるの?
 そうでないのなら、わたしはキミが間抜けだとは思わないよ。


【一通り聞き終えると、芝居がかった挙措で神妙そうに唸ってみせる】
【話題の重さの割にイストの言葉は飄々としていたけれど、放たれたその問いだけは、妙に真剣であるだろうか】


 いま、キミに世界がどう見えているかはわからないけれどね。
 少なくともわたしには、この世界が輝いて見えている。
 自分の足で歩き回って探してみれば、楽しいことはあちこちに転がっているものさ。

 たとえばそう――。
 実はわたしは今日、この湖にネッシーを探しに来たんだって言ったら、キミは笑ってくれるかな?


【そうしてにまりと笑い、イストは自らがここに来た目的を告げる。……どう聞いてもふざけているとしか思えない話だ】
【しかし彼女の瞳は、彼が見上げる闇の只中にぽつぽつと光る星々よりも、爛々として真っ直ぐに輝いている】


91 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/21(日) 00:07:33.91 ID:/9DzDZSa0
>>90

【探検家または冒険家であり蒐集家――そしてイスト】
【相手の名乗りから必要な情報を抜き出し正体を推測する】
【これは疑心から来る行動ではなくポールが修羅場を経て得た習性だ】
【しかし、相手がどこにでもいて、何処にもいない生粋の趣味人といった結果しか出てこない】

後悔してるさ…助けてはやれなかったからな。
 
【茶を受け取り一言例をいってから飲む】
【一口目は切れた口内のせいで血の味がしたが、それでもポールにとっては救われるものがあった】

今頃逃げ切ってくれりゃぁ…いやそれも変か…。
まぁ自首して拘置所に泊ってくれてんのが最善かね。

【特に傷に染みることなく二口目】
【相手の飄々とした態度はむしろポールにとっても有難かった】
【芝居がかってはいるが決してこちらを軽んじてないのも伝わってくる】

ねっしーぃ???
おいおい本当かよ冗談だろ。


【噴出さずに済んだのは三口目にいってなかったからで――】
【なので心からの驚きと笑いだった】

見つけて、どうするんだ?
刺身にしてみるか?

【つい軽口をたたくが、その瞳に輝く星を見て、】
【ポールの瞳の中にもわずかな篝火がともる】
【まだ小さい光だが昔の自分を思い出す余裕が出てきたようだ】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/21(日) 00:31:40.14 ID:Nzsdb6a90

>>91

 くふふっ……そっかそっか。
 ヒトがやれることにはどうしたって限界がある。たとえ目的が達せられなかったとしても……。
 キミがその子に手を差し伸べてやったことだけは、悔いることじゃあないさ。


【ポールの答えに、イストはなぜか嬉しそうに吹き出した。励まそうとかけた言葉もどこか弾んでいて】
【「今度街で見かけることがあったら、説教しておいてあげるよ」などと軽口まで飛ばしてみせる】
【イストがポールを見る目は、まるで小さな子供でも見るかのように、妙に優しいものだった】


 いやぁ、あいにくと大真面目だよ。
 あちこち旅して回って、いろんな"怪異譚"を蒐集するのがわたしの趣味なんだ。
 ほら、この湖のこともめちゃくちゃ真剣に調べたんだよ?


【そこまで言うと先ほど回収した冊子をめくって、イストはあるページをポールへ開陳するだろう】
【さも論文でも仕立てるかのごとく、湖に棲むバケモノの目撃情報やスケッチなどが詳細に書き込まれている――】
【しかも途中の一説に「人間を好んで捕食するらしい」などという眉唾ものの情報もあって】
【どうやらさっきの入水は、およそ信じがたいことに、自分をエサにして怪物を釣るつもりだったようである】

【とにかく、ふざけているわけではない。この女はきわめて大真面目に、湖の怪異を探しているらしかった】


 わたしが蒐めるのは"怪異譚"だからね。無為に殺したりはしないさ。
 だから見つけた後は……そうだな。もし知性があったら友達になってみたいところだね。
 背中に乗っけてもらって海に繰り出すとかさ。ほら、ロマンがあるでしょ?


【生粋の趣味人――とポールはイストを評したが、それはきわめて正鵠を射ているようである】
【好奇心に駆られる少年のように、あるいは夢見る少女のように。イストは荒唐無稽な夢物語を語るのだ】
【まあ、これがいい歳をした女として正しいのかどうかはともかく。――彼女の世界が輝いているのだけは、たぶん間違いない】
93 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/21(日) 01:04:42.92 ID:/9DzDZSa0
>>92

説教ね…。

【自分も大した人間じゃないが…まぁ自分も会えたら言うだけ言っといてやるか】
【などと考えつつイストの話を聞く】

怪異譚か…なるほどなるほど。
大真面目だって事はよーくわかったよ。

【イストの冊子を見ながら話を聞いてると、】
【いきなり人を食べるという文字が目に入ってくる】

ええ!食うのかよ人!
まるでケルピーじゃねぇか!
あぶねぇ、こっちがネッシーの飯に…。

【眉唾なうわさに大げさに驚いて見せるも、あることに気づき不意に黙り込む】

イスカ…一つ聞きてぇんだけどさ…。
どうやってネッシー探すつもりだったんだ?
まさか…だがな最初湖に入っていったのって…。

【大真面目に夢を追い、世界を輝いてると捉える】
【その価値観はとても素晴らしい物なのは間違いない】
【しかし、ある種そういった人間がやりがちな危険な行動】
【さすがに己を餌にするというのはポールの予想と常識から大きく外れてた】

お前バカか!どうやったら自分を食おうって相手に知性と親交を期待できんだよ!
本当にケルピーの背中にのるのと同レベル…。
いや馬ほしがってるだけケルピーのがましか?

【思わず声を上げてしまうが逆に頭を抱えてぶつぶつと呟きだす】
【厄介なのは肉食川馬妖精が馬の姿に見入られた結果なのに対し、】
【イスカは形のない『怪異譚』というものを追いかけ、そのためなら命を賭けれるという点だ】
【ポールの頭の中ではもしかしたらケルピーに襲われた犠牲者のように、】
【水面に肝臓だけが浮かぶ事態になってたのでは…しかも自分も、という考えが浮かんでいた】




94 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/21(日) 01:24:34.16 ID:/9DzDZSa0
>>93

/イスカ…一つ聞きてぇんだけどさ…→イスト…一つ聞きてぇんだけどさ…
/訂正です。すみません。
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/21(日) 01:28:03.89 ID:Nzsdb6a90

>>93

【声を張り上げるポールに対し、イストはくつくつと楽しげに相好を崩すだろう】
【怪異譚なんてモノを集めているだけあって、本人もどこか"怪異的"というか。ヒトの驚く顔を見るのが好きらしかった】


 はっはっは! まあ、この情報が本当かどうかはわからないんだけどね。だから確かめたかったんだ。
 別に死ぬ気だったわけじゃないから、そこは安心してよ。襲われても生き残る自信はあるからね。
 こういうのも慣れっこなんだ。ほら、こういうお話に人食いのウワサは付き物でしょ? 


【真偽が確かでなかったとはいえ、間違いなく命懸けの試みだったそれを、イストは豪快に笑い飛ばして】
【口ぶりからするに、いままでも何度か、そういう"人食いのバケモノ"にも出会ったことがある……の、かもしれない】
【意外にも修羅場を潜ってきているのか――少なくとも、子供じみて笑う表情からは、そういう剣呑な雰囲気は感じられないけれど】


 そういうキミはどうなんだ、ポール。
 わたしはさ、冒険と浪漫のためなら――この異能に満ちた世界を"蒐める"ためなら、命を縣けられる。

 キミには、そういう"夢"はないの?


【自分のお茶をぐいと飲み干すと、イストはポールへ向き直って、今度はこちらから質問を投げかけるだろう】
【空の果てのように深く、瞬く星のように純真な光が宿る双眸。それがポールの瞳に灯った篝火を、正面から射抜かんとしていた】
96 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/04/21(日) 02:21:53.51 ID:/9DzDZSa0
>>95

【驚く自分に対し、楽しげなイストを見て言葉を失うが、次第に同じように楽しげに笑い出す。】

慣れっこかぁ。
ま、確かにそういうもんだよな。

【ポール自体も犯罪者相手に体を張る事は多い】
【それは覚悟だの信念だのというより、それを生業にしている故に身に着いた自信と慣れの面が大きい】
【前提として確かな経験と技術が必要だが、それについては二人ともノープロブレムだろう】

夢…ね。 

【篝火の炎が揺れる】
【それは一瞬消えかけ――不意に大きく燃え上がる】

ないな。俺にはない。

【確かな断言と共に言葉を続ける】

あるのは贖罪と実利だ。

【真剣な眼差し、だが贖罪と口にしながらもその眼差しは許しをこう罪人のものでなく】
【むしろ、己を含め全てを裁くかのような『覚悟』が見られる】

そのためなら命は惜しくない。
――だが絶対に死ぬわけにはいかない。

【逆、ある意味では同じ思い】
【射抜かれた瞳の炎は今だ輝きを放ち、過去の原罪を燃やしている】
【しかし取り返しのつかない罪は人の生では贖いきれない】
【だからこそ命は惜しまないし、絶対に[ピーーー]ない】
【許されない…ゴールのない旅路は夢と言うには荒涼としている】

まぁ、後は約束やらツケやらプライドやら…。
色々あるがお前みたいに『輝かしい黄金の夢』なんてのは俺にはない。

【そこまで話すと茶を口に運び、そのまま飲み干す】

色々とありがとな。
街の連中も徹夜で俺を探すほど暇人じゃないだろうし、街に降りるとするよ。
夜道だがこの程度何とかするくらいの『力』はある。

【もし町を抜けるなら今しかない】
【器を返すと立ち上がり礼を言う、その顔に藪を掻きわけていた時の狂相はない】

楽しかったよ、久しぶりにまともに人と話せた気がする。

【そして、ありふれた店名のダイナーの連絡先が書かれたショップカードを渡すと、】
【そのまま手を振りながら獣道を引き返していく】

じゃあなイスト!
もし治療費請求したくなったら、その店にかけてくれ。
代替何時もそこにいるからよ!
あと余計な御世話だが『力』があるなら街中じゃあんま使うな。

【月光に照らされながら、確かな足取りでポールは去って行った】

/すいません、眠気が…
/久しぶりのロールでしたが楽しかったです。ありがとうございました。
/それでは乙彼様でしたー。

97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/21(日) 02:54:47.13 ID:Nzsdb6a90
>>96

【ここまでの会話で、なんとなくではあったが――イストもポールの身の上を多少、読み取ろうとはしていた】
【他者に手を差し伸べる優しさを感じつつも、同時に荒事に慣れていそうな雰囲気は確かに感じ取っていたのである】
【そんな彼の瞳に滾る炎を、イストは静かに見据えていた。なによりも尊い宝物を見るような目で――】


 そっか、それは残念だ。
 けれど……キミがその"覚悟"を貫き通した果てに安寧を得られることを、わたしは心から祈るよ。ポール。


【イストは最後まで目を逸らさないままに、ポールの"覚悟"を聞き届ける。ふと、夜空を見上げて】
【彼にささやかなエールを送るのだった。それぐらいしか、いまは出来ることがなかったから】
【――黄金のように価値あるものでも、誰かに胸を張れるものでなくてもいい】
【彼の物語の最後のページに、輝かしい未来が記されることを祈って。最後に、目を伏せるのだった】


 わかったよ、もう遅いしね。名残惜しいけど今日はここまでだ。

 ふふっ――思えば、湖の怪異を探し求めた森の奥で、血みどろ男と語り合うなんて。
 これはこれで、大いに"怪異的"な夜だったと思わない?


【ポールから器と一緒に別れの言葉を受け取ると、イストは心底残念そうに眉を歪めたが、やがて自らも立ち上がった】
【いたずらっぽく目を細めて怪しく笑うその顔は、最後まで飄々としつつも、優しいものであっただろうか】


 ああ、ありがとう。縁があったら遊びに行かせてもらうよ。
 治療代はいらないから、ご飯でもおごってくれると嬉しいかな。

 ……それじゃあ、また会おう。
 もちろん、力の使い道には気をつけるさ。ふふふ、血みどろで森を彷徨う羽目になるのは嫌だからね!


【ショップカードを懐に仕舞うと、月明かりに照らされたその背中に下らない冗談を投げかける】
【そして、再び森に静寂が満たされたなら――あの冊子の新しいページを開いて、早速とばかりに筆を執るのである】

【書き記すは今宵の出会い。湖畔で飲んだ粗茶の味と、ポール=ベイクドバットの"怪異譚"――】



/お疲れさまでしたっ!
98 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/04/21(日) 13:33:46.98 ID:Ak/YWhMM0
>>82

……さぁ?

【霧崎は微笑む】

その首を刎ねるべき相手、というのだけ判っていれば良いのでは?

私は円卓を打倒することが目標です。ならばそれに見合ったスケールで
なければ意味がありません。世界の支配者と張り合うだけの。

その円卓に置かれた杯に毒を盛るにはそうしなくてはならないと言うことです。
堅牢に閉じられた扉をいくら叩いたとて、か細い我々には打ち破ることができません。
ならば、自ら招いてもらいましょう。

知っているでしょう?チームMの顔ぶれを。国盗りにはもってこいじゃないですか。

【霧崎は楽しそうだった。彼女の目には謀略が張り巡らされた戦が写っていた】
【昂ぶっていた。単に刀で切り合う、銃を撃ち合うような有り触れた争いを超えた】
【盗みを成そうとしているのだから。楽しくないわけがなかった】

とはいえ、黒幕を何とかするのが今は先決です。
生憎…そっちが難しいのですが。

さて…私はこれから新楼に向かわなくてはなりません。お二人はどうなさいますか?
その格好で街を歩くのは些か、目立ちましょう。
99 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/23(火) 23:05:36.64 ID:zPCLLi700
>>98

「円卓相手に、政治闘争の舞台で立ち回ろうってか?」
「しかも、その為に相手の用意した土台に敢えて乗っかる、と?」

【霧崎が示したのは、意図的に相手の懐へと飛び込む策】
【当然、危険と言えば相応の危険が付き纏い、そして何より得体が知れない】

「その様子なら、円卓の、イスラフィールが何をしていたか、先だっての戦いでどんな謀略行動に出ていたか、解っている様子だが、どの部分まで知っているんだ?」

【魔導イージス艦みらいといぶき、それを巡る一連の謀略】
【外務八課を巻き込んでの作戦行動、これらを霧崎が何処まで知っているのだろうか、と】

「随分と楽しそうですね……いえ、武家とは本来そう言う物なのかも知れませんが……」
「何人かは面識がある、が、そのチームMで国盗り?こりゃまた大層な事を考える……」

【霧崎の様子は、幾分にも、二人には奇異に映った】
【切迫した謀略の場において、何よりもその状況を楽しんでいるのだ】

「まあ、チームMの本分は本来そっちだからな〜、こうなっちゃ円卓も黒幕も無いのが現状だけど、杉原どうする?」
「……我々も同行します、新楼市まで」

【同行の意思を、霧崎に答えて】
【陰謀と謀略、暴力が渦巻く、その街まで……】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/25(木) 18:10:10.92 ID:eglF3Egj0
【路地裏】

【獲物を前にした獣の吐息のごとく、不気味なほど生暖かい空気が、しなりと女の肌を撫でる】
【街の灯りは路地の先へと吸い込まれるように消え失せ、仄かな月光のみを足がかりにしなければならなかった】
【この場所、この時刻――この世界の住人ならば誰しもが知っている。それがいかに命知らずな歩みなのかを】


 ふーむ……。
 いい雰囲気だ。実に匂うじゃないか。


【それは、すらりと背の高い、二十代半ばぐらいの女である】

【白いジャケットに深紫色のインナー、黒いレギンスに赤褐色のブーツ。腰には大小多くのポーチが付いたベルトと、活動的な服装】
【桜花の柄の腰布とハーフアップに編み込んだ髪を留める二本の簪、左腰に佩いた緑鞘の刀が、桜の国特有の風情を醸し出している】
【淡く月の光と同じ色を差す長髪は、毛先へと流れるにつれ鮮やかな新緑の色へと彩りを変えており――】
【深紫の瞳は優しく抱く宵闇のようでもあって、だがこの隘路の先の先よりまだ深く、見通しきれない何かを秘めていた】


 いるとしたら、このあたりのはずだ。
 ……ここまで来て見間違いでした、ってのはナシで頼むよ……。


【女は無造作な歩調で、きょろきょろと周囲を見渡しながら、誘われるかのように路地裏の奥へ奥へと進んでいく】
【こういう手合はおおよそ二種類に区別されるのが常である。すなわち、よほど腕に自身があるか、あるいはよほどの莫迦かだ】
【果たして女はそのどちらか。その目的はなんなのか。暗闇のなかにぽっかりと、怪奇と謎が浮かんでいる】

【銀色の風が吹いた。少なくとも、今宵の"怪異"はまだ、誰にも視られず此処にある】



/20時まで募集〜
101 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/04/25(木) 19:05:57.67 ID:W2213yFJ0
>>100

【――――腥いにおいがする。腥いにおいがする。腥いにおいがする。腥いにおいがする】

【たとえば牛、豚、鳥、なんでもいいけれど、ぎっしりと肉の入った――それもあまり新鮮でなくて】
【赤い液のしたたりが底にたまっているタイプのパック、そのラップを開いた瞬間のようなにおいが、きっと】
【あなたを、襲って――――。……異常を察知してそのまま逃げるのならば、それで平和に終わるのだけど】

【そうでないのなら。においの源を探して足を進めてしまうなら――行き着く先は袋小路だ】
【人影がある。立っているのがひとり、地面に頽れているのがひとり。ここまで書けば、もう、わかるのだろう】
【言うまでもなく周囲の地面には、赤い水面が広がっている。どこかから入り込んできた光がぎらり、】
【なにかに当たって反射される――刃だ。立っているほうがそれを持っている(あたりまえだが)、そして】

――――――――――ア、見られちゃったア!

【――「そいつ」は屈託のない笑顔であなたを出迎えるのだろう。女だった。幼い顔つき、けれど身体は】
【成熟して女性らしい丸みを帯びているのを――薄い薄い生地で構成された煽情的な下着で隠し】
【その上からモッズコートを羽織っている、なんて、とんでもないコーディネイトのやつだった。靴は履いていなくて】
【ぴちゃり。血だまりを裸足で踏み締めながらあなたのほうへ身体を向けるのだろう。笑ったまま】

ねえね、お姉さん。見逃してくれない? きょーはちょっと疲れちゃったのお、だから、
「ふたり」も「相手」するのはちょっとナー、って、思ってるところなんだけどお……

【顎の下あたりで内側に曲がる黒髪がひょこひょこ揺れていた。もみあげ部分だけ何故か長くて、銀色なのも】
【ばかみたいに楽しげに踊っていて――ぱかっと開いてあははと声を零す口には八重歯、それから】
【すみれ色した瞳はごく人懐こい色合いを帯びて輝いていた。少なくとも今はなかよしでいましょう、って】

――――――お姉さんが「その気」ならそれでもいいヨオ。どーする?

【しかしそれも次の瞬間には、獰猛に細められる。つまるところ、何も見なかったことにしてこの場を去るか】
【はたまたコレと同じになりたい? ――片手に握った刃の先で転がる死体を指す。首が、刎ねられていた】
【――――どちらか選べ。そう訊く側になっている。あるいは第三の選択肢でも探せるのなら、それでいいけど】

//よろしければ!
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/25(木) 19:33:01.47 ID:eglF3Egj0

>>101

【――はてさて。まず最初に述べるならば、女はまごうことなき変人である】
【先に言ってしまえば、この路地に迷い込んだ理由も"幽霊を探しに来た"という訳のわからないものなのであった】
【人並みの良識を持ち合わせているなんてお世辞にも言えない。――しかし、ただひとつだけ、】


 …………これはまた、参ったね。
 荒事ぐらいは想定のうちだったんだけどな。
 

【予想の百倍ぐらいひどい、なんて。異臭を察知してなんの迷いもなく突き進んだその先で、女は思わず自嘲する】
【血だまりに転がるかつてヒトだったものを前に――やや顔を顰めはするも、悲鳴を上げることも逃げ出すこともせず】
【この状況にあっていっそ清々しいほど真っ直ぐな視線で、下手人の彼女を射抜くのだった】


 見逃してくれって、それはどっちかっていうとこっちの台詞なんじゃないかなぁ。
 背を向けて逃げ出した瞬間に首と胴体がサヨナラしてそうな予感がプンプンするんだけど……わたしの気のせい?


【そんな風に、友達にでも語るかのような調子で笑いかけたなら――女は黙って腰の刀に右手を添えるだろう】
【あるいは踵を返せば本当に見逃してくれるのかもしれない。しかしどうしても、"そいつ"に背中を向けるなという本能の警告が消えない】
【逃げるよりも、戦ったほうがまだ生存確率が高い。それが女の出した結論で、それ故の臨戦態勢であった】

【――、いや】
【それ以上の理由も一つだけある。そう、ただひとつだけ、この軽薄な女にも明確に嫌いなものがあったからだ】


 それで、……そのヒト、なんで殺した?


【女は――無意味な人死にというものが、なにより嫌いだった】
103 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/04/25(木) 19:52:12.11 ID:W2213yFJ0
>>102

【彼女が刀に手を添えたのを見るなら、わあ、と歓声を上げるのだろう。疲れただなんてきっと嘘だった】
【そうして、女は――完全にそちらへ身を向けるのだろう。両手にひとつずつ曲刀を握っていて】
【ほとんど裸みたいな身体、白い肌には言い訳のしようもないくらいにべっとりと返り血がついていた】

【そして、】

? なんで殺したかってそんなに重要かナア? まあ、いいけどお……
ギンちゃんね、あっあたしギンコって言うの、だからギンちゃん――娼婦やってンだよネ。
そんでこの人が今日の「お客さん」だったからあ、

【「だからだよ」。 ――――、――、】

【理由にもなっていないのは明白だった。そもそも返答として成立していない。それでも女は平然としていた】
【自分が娼婦で、相手が客だから殺した。文章としておかしい。だけど奇妙なことに、こいつはそれを】
【あたりまえのことだと思っているらしい。口を開けたままヘラヘラ笑っていた。だからこいつは間違いなく、】
【社会的に存在を許されていいものではなく、そして――彼女のなにより嫌うものであるのだろう】

あははっ、アハ――――じゃあネ、質問返すけど、ギンちゃんはさっきみたいに答えましたア。
そしたらお姉さんはどーしますかっ? ギンちゃんのこと……殺しますかア??

【ぎしり、――牙を噛みしめるような笑みを浮かべて。ギンコと名乗るそいつは、両手の刃を握り直し】
【彼女の返答を皮切りにして、動き始めるのだろう。すみれ色はすっかり血を求める温度に昂って】
【とん、とん。裸足の爪先が地面を蹴る準備を始めていた――すっかり血に塗れているから、ペディキュアも見えない】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/25(木) 20:17:01.43 ID:eglF3Egj0
>>103


 ……そっか。「だから」か。
 うん。納得した。


【その、あまりにも子供じみて――。まるで、殺すための理由なんかなくて、殺したあとに勝手に理由がくっついて来たみたいなそれを】
【女は一度頷いて、あまりにもあっさりと受け入れるのだった。微笑を浮かべたまま半身を引き、鞘を握り込んで】


 ギンコちゃんか。可愛い名前だね。
 わたしの名前はイスト。職業は……自称になるけど"蒐集家"だよ。
 こういう怪しい場所を探検して、隠れている"怪異"を探すのが趣味なんだ。


【実を言えば。この子とは相容れないのだという、そのどうしようもない実感は、既に女のなかで事実となり始めていたのだけども】
【――決して表情は変えなかった。あまつさえ、そのへんの子供にでも自慢するみたいに、「かっこいいでしょ?」とウィンクをひとつ】
【その空々しいまでの場違いさには、しかし狂気も恐怖も感じ取れない。おそらくはこれが、この女のやり方なのだろう】
【たとえこれから殺す相手でも、どちらかが死ぬそれまでは。"少なくとも今はなかよしでいましょう"――ああ。ちょっとだけ、似てはいる】


 いやはやまったく。それにしても。
 幽霊目当てに彷徨えば、饐えたニオイに転がる素っ首! 飛び交う狂気と血塗れの刃ときたもんだ――!
 はは、嗤っちゃうほど"怪異的"だ。ぜんぜん嬉しくないけどね!

 そしてたぶん……キミという"怪異"には、こういう蒐め方が一番、相応しいようだ。
 ――悲しいけどね。それがわたしの答えだよ。


【相好を崩し、ため息混じりに演劇じみた台詞を吐いて、がっくりと肩を落とす。――それが最後であり、合図であった】
【上体が倒れたその勢いのままに、女……イストは一気に駆け出すだろう。悲しげに呟いたその声はしかし――】

【――抜刀。ギンコから見て右から左へ、横一閃の斬撃と同時に、彼女へと届くことになるだろうか】 
【ただシンプルに"速い"だけの斬撃である。避けられやすくもあるが、そうなったとき退避に転じやすい、そういう力の抜き方だ】
105 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/04/25(木) 20:32:38.73 ID:W2213yFJ0
>>104

イストさんって言うんだネエ。しゅーしゅーか? ……コレクターってことかナア。
うふふ、変なのお、ユーレイなんてどうやって集めるのお? ハコとかに入れとけるの?

【「まあそれはどうでもいいけどネ」、】

イストさんはこーいうトコあんまり来たコトないのかナ? じゃあひとつ教えといてアゲル。
たぶんネエ、ユーレイってもうちょっとお上品なトコにいるんだと思う――だってさ、

自分の死体見つめ続けるのってきっと悲しいコトじゃない。こんなトコ、ユーレイだって居たくないよ――

【――――じゃあなんでこいつはここに居るんだろう。決まっていた。死体を作るのが好き、だからだ】
【だからきっとイストのことだって殺す。両腕を動かす、コートの裾を棚引かせる――二本とも右へ】
【すればぎィんと甲高い金属音が鳴るのだろう。受け止めた。鍔迫り合いに持ち込むつもりだろうか、】

【だとすれば――イストは気付くだろう。こいつの膂力、左程鍛えてもいないような細さのそれから出すには】
【あまりにも過ぎた力を持っている。少なくとも人間の領域には収まらない怪力、ならばこいつは人間ではない】
【イストの力が「そうでない」なら、弾き返してしまうのだろう。あるいはそのまま押し合いに持ち込めたとしても】

――――――――――――――あッは!

【次の瞬間には、右足の裏をまっすぐ押し出してくるような前蹴りが飛んでくる。狙いは胴体、おなかの辺り】
【少なくとも何か練り込まれた技術、その一端として繰り出される「技」ではなかった。けれど】
【やはり並外れた怪力を持っているのであれば――直撃するのはあまりに危険だと悟らせる。だけどそれだけだ】
【所詮は乱雑に繰り出される喧嘩殺法にすぎない。回避だって簡単、だろうが――受け止めるには少し躊躇する】
【それくらいの勢いを持っている。少なくともノーガードで受けるなら、内臓のひとつやふたつは潰せるだろうが】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/25(木) 21:06:33.03 ID:eglF3Egj0
>>105


 ご忠告ありがとう、"ギンちゃん"。……ふふ、かわいいからこっちで呼ばせてもらおうかな。
 わたしが蒐めるのは怪異そのものじゃなく、それが生み出す物語……"怪異譚"の方なんだ。ああ、ちょっと難しいかな?


【顔も知らない誰かの死に、本気で涙を流せるほどに善くはなく。本気で怒りを覚えるには、少しばかり博愛が過ぎる】
【ギンコを恨み切ることも、動かない死体を悼み切ることもなく、ただただ、この物語を"蒐める"ことをいま決めた】
【せめて、そのヒトが"ここで死んだ"という物語だけは、この手に収めて持ち帰る。……たとえ、ギンコを殺しても】
【これがイストの性格であり、習性だ。そしてその悲しげな表情のまま、平気で刀を振るえるのもまた――】


あぁ――――重っもいな!?


【ガギギ、と。白く光る銀と赤く光る銀とが、その軌跡の交錯点で火花と共に停止した。受け止められる、そこまでは想定内】
【だが、三つの刃が拮抗していたのはほんの一瞬であって。――イストは「そうではない」側の存在なのだった】
【押し負けると見るや悪態をひとつ。即座に刀を引き寄せると体の前に晒しながら、後方に跳んだ】

【……予想の百倍ぐらい強い蹴撃、衝撃が刀越しに両腕を貫いて】
【よほど硬いのか刀身には傷一つなかったけれど、イストは痛みを堪えながら数メートル吹き飛ぶだろう。距離が、空いた】


 可愛い顔して怪力無双とは、恐ろしい子だなまったく。
 ――ならわたしも、少しばかり本質をさらけ出すとしよう!


【わざと跳んだのが功を奏して、刀を握れなくなるほどのダメージにはならかった。なのにイストは、刀を振るうことはなく】
【右手の刀はそのままに、なぜかなにも持っていない左手を振りかざすのだ。――桜の花弁じみた光の粒子は、"異能"の証】
【その袖口から突如、路地裏の闇を切り裂いて、淡く藤色に発光する奇怪な"蔓"が伸び上がるのが見えるはずだ】

【イストは勢いよく左腕を振り下ろす。つまりこれは――空を切ってしなる"蔓の鞭"による打撃攻撃!】
【蔓はそこそこ太く、強度も普通の植物よりは上だ。普通の女性の力だと、素手で引き千切るにはやや力不足だろう】
【……この場に普通の女性などひとりもいない、というのはさておき。この一撃、普通の鞭で打たれるのと変わりない威力はある】


【ただまあ、所詮はただの蔓だ。引き千切るのはともかく、刃物があるなら簡単に斬れる。しかし、ひとつ注意点を挙げるなら――】
【イストの作り出す植物はどれも、焼き払おうと思えば千度を超える熱量が必要になるほどの、異常なまでの"耐熱性"を誇っている点か】
【ただの植物と思って火で焼き払おうすると痛い目を見るかもしれない。――そもそも火なんて持ってないなら、関係のない話だが】
107 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/04/25(木) 21:22:48.37 ID:W2213yFJ0
>>106

うんっ、難しーい! だからもっとシンプルに行こーヨ、――イストさんの首を刎ねられたらギンちゃんの勝ち、
イストさんがギンちゃんの物語を持って帰れたら――イストさんの勝ち! あっはは、負けないぞー、お……

【離れる距離を詰めるためにギンコも駆ける――蹴りつけた地面に小さな小さなクレーター、のような罅割れ】
【そこまで観察できるのであれば、こと「脚力」に至っては殊更に異常であることを伝えるのだろう】
【そのままの勢いで愚直に突っ込もうとする。しかし――発光、異能の気配を察知するならば】
【急停止。すればまた踏み締める地面に罅が入り、笑うのをやめて――蔓を真っ向から睨みつけるのだろう】

ああっははハ――――おっきくて、ふっとぉい、こんなの受けたらひとたまりもないネエ!

【だけどそれも一瞬のこと。可笑しくて仕方ないみたいに笑う、そうしたらまた地を蹴りつけて――罅が一層細かくなる】
【ギンコは跳んだ。真上に、そして――轟とうなる風切り音を伴って伸びる蔓の上に、着地しようとするだろう】
【そのままその上を走る、走る、伝って、――接近が叶ったのなら「投げる」。右手に持っていた獲物を】
【見れば両手の獲物は、それぞれの柄同士が細いワイヤーのようなもので繋がれていた。ならば】
【鎖鎌のように扱うこともできるのだろう。事実ギンコはそうしていて、投げたそれが当たらなければ】
【即座に左の手首を返して、元の位置に戻そうとするのだろう。だけど、先程の蹴りと同じ。直線的で単純な攻撃で】

【――加えて。きっと彼女は頭がよくなかった。だからこの、光る蔓が「なにか」他の効力を持っている、とか】
【たとえば炸裂するとか――そういったことはまったく考えていないのだろう。だからこうして堂々と足場にしたし】
【それにきっと過信していた。自身の自慢の脚力ならば、何かあってもすぐ逃げられる。楽しげな顔がそう言っていた】
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/25(木) 21:57:46.45 ID:eglF3Egj0
>>107


 ああ、そうさせてもらうとしよう。
 ……喋りすぎるのはわたしの悪い癖でね。ここからは、こっちで語り合うとしようか……!


【跳ねるギンコの声を受け止めたなら、にまりと笑ってそう返す。彼女の言う通り、シンプルに戦闘用の思考だけが頭を支配して】
【然らばここまでのやり取りで、その怪力の――恐ろしき"脚力"の怪異にこの蒐集家が気づかないわけもなかった】
【距離を取れたはいいけれど、あの調子では一瞬で詰められる。さてどうしたものか、暢気に考えていたその矢先に、】


 ――――うわ!?
 くっ、思ったより器用なことをするなあ……!
 

【ひゅう、と思わず口笛が衝いて出た。冷や汗も一緒にだ。蔓を踏み台に走ってくるギンコに抱く感情は、心の底からの驚嘆と恐怖】
【蔓はイストの意思で自在に動かせるものの、残念ながらそこには、ヒトの重みを乗せたまま空中に静止できるほどの力はない】
【畢竟、蔦はギンコの体重に負けて踏み潰される形となるだろう。――となれば、蔓と左手で接続されたイストの体は、がくりと前へ引かれ】

【そこへ飛来してくる刃。防御の体勢は明らかに取れていなかったけれど――】
【あえて、イストは踏ん張るのをやめた。引かれる力のまま思いっきり転倒したのである。「ぶべっ」と情けない悲鳴が地面と頭との間に響いた】


 いてて……!
 やるね。だけど"その上"は――わたしの領域だよ、ギンちゃん。


【無様に地面に這いつくばるその醜態の結果……投げられた刃はイストの背中の上を通過し、ギンコの元へ帰ることとなるだろうか】
【同時に素早く起き上がり、脚に力を込めて跳躍。ギンコが距離を詰めてきていたこともあり、彼我の距離はすぐに剣の間合いへ】
【そして、怪しげな笑みと共に――イストの異能が発動する。ギンコの踏み付けているまさにその部分の蔓が、桜色の粒子を発し】

【――蔓がそこで、新しく四本に"分岐"する。すべてが一気に伸び上がって、ギンコの全身に巻き付こうとするだろう】
【加えて、この"蔓の拘束"の発動、タイミングとしては投げた刃がギンコの手元に戻るのとほとんど同時、といったところ】
【刃で切り払うのが間に合うか。捕まったとして、拘束する力は"普通の人間"なら脱出に相当手こずるだろうというぐらい】
【もちろん蔓の強度は相変わらずなので、たとえ捕まったとしてもギンコの力なら引きちぎれはするだろうが、】


 ――はッ!!


【そのために、一瞬でも隙が生じるのは必定。拘束が成ろうと成るまいと同じとばかり、"その瞬間"と重なるように、イストは刀を突き出す!】
【右肩へ向けて放たれるは、素早い刺突攻撃だ。先程の斬撃より膂力と体重を大きく乗せた、本気で"突き貫く"ための鋭い一撃――】
109 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/04/25(木) 22:25:34.69 ID:W2213yFJ0
>>108

【刃が空ぶることは想定内。だから涼しい顔して右手でぱしりとキャッチする、の、だが】
【――続く事象までは読めていなかった。見開かれるすみれ色、宙に投げ出される身体】
【まずいと思った瞬間にはもう捉えられていた。その瞬間にはもう、イストの刃が、届かんとするのだから】

――――――――――≪パーティ≫!!

【なれば此方も出し惜しみナシ、ということ。ギンコもまた異能を行使する――単純な術だった】
【目の届く範囲に、そう大きくはない障壁を生み出す。それだけのこと、しかも強度もそれほどではなく】
【突きを受ければばりんと音を立てて破片を撒き散らすのだろう、それ自体にさしたる殺傷能力はないけれど】

【そうして役目を終えた/終えさせられた障壁は、けれど立派に働いたのだろう。突きの衝撃を幾らか殺して】
【蔓を引き千切るだけの余裕を作り、しかし逃げ果せるには叶わず――貫かれるまでは行かずとも】
【浅い膚を引き裂さかれ、その内から鮮やかな赤色を撒き散らすところまでは「届く」。――地を蹴りつける音、】
【今度はギンコが後ろへ飛び退く番だった。相変わらず見開いた眼には、痛覚で刺激された興奮の色が混じり】

………………っはは、やーるぅ。ワリとイタいよ、コレ……
じゃあ何倍返しに、させて、もーらおっかなあ…………!

【またしても地を蹴るのだろう。距離を詰めるため――かと思いきや、今度は、軌道が違う】
【斜め上に跳んだ。逃げ場のないはずの空中へ? しかも、切っ先は未だイストに向けていない】
【ならばこれは何かしらの準備運動であることをわからせるのだろう。宙をはためくコートの裾が、まるで羽のようで】
【だけど落下に任せて毛先を上に向ける銀髪部分だけがウサギの耳のよう。いずれにせよ、人間の動きではない】
【そのまま、いくらか宙に滞在するのだろう。それを隙と見るかどうかはイストの自由だった、獣はそれを、待ち構えるから】
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/25(木) 22:51:15.86 ID:eglF3Egj0
>>109

【渾身の銀閃が煌いて、――結果的には彼女に血を流させることには成功した】
【しかしイストの意識は既にそこにはない。掌に残る硝子を砕いたような手応え、眼の前で展開されたそれを、】


 障壁の展開、か。なるほど、これがキミの異能というわけだね。
 興味深い……ふふ、楽しくなってきた!


【思わず、真っ先に楽しんでしまうのが、この女の性だった。砕ける障壁のその一欠片すら"蒐集"せんと、しかとその光景を見届け】
【そうしたならばようやく、ギンコに意識を向けた。反撃が来るかと思いきや後方へ退かんとするその矮躯を、熱に浮かされた瞳が追う】
【夜天に揺れる銀の髪に、月の兎を幻視した。愛らしくも美しくもあり、――油断すれば狩り殺される。その殺気を感じ取って、】

【――ならば輝く月輪ごと、わたしはキミを撃ち墜とす。瞬時に、そう考えた】


 さあ、来なさい。――勝負と行こうか!


【刀を一度、鞘に収める。桜色が舞う。先ほどまで展開していた蔓がするりと袖口に戻れば、次に現れるのは――太い"木の枝"だ】
【べきべきと痛々しくも逞しい成長音を響かせ、その木は肥大し、弧を描き、さらに細く編み込まれた蔓がそれを繋ぐ】
【―― 一瞬のうちに出来上がるのは、木製の"弓と矢"であった。その器用な錬成術は、"植物"でさえあれば変幻自在に操れる、そういうわけか】

【石の鏃を持つ矢を番え――"石"?――、弓を強く強く引き絞る。落下速度を計算して、狙うは彼女の腹の芯】
【そして――ギンコの目が良ければ。ほんの少しだけ、矢の一部であの桜色の粒子が散ったのが見えたかもしれないが、】

【――――手を離すだけの行為に、一秒と時間はかからなかった】
【目にも留まらぬ速度で、太い木の矢が風を切る。狙いは正確、刺されば血みどろ。――闇を穿ったこの一射を、ギンコはどう受け止めるのか】
111 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/04/25(木) 23:09:00.10 ID:W2213yFJ0
>>110

【あなたが楽しいならわたしも楽しい。そうとでも言いたげに、ギラつく笑顔が顔に固定され】
【空に月でも浮かんでいればよかったのに。そうすればそれを背負って、もっと美しく/狂おしくなれたのに】
【いずれにせよギンコと言う女は、楽しむのだろう。命の遣り取り、一方的に奪うのとはまた別の感触】

あっははははァ――――器用だネエイストさん、でもそれじゃダァメ。

【「あたしを撃ち落としたいんなら、もっと速くないと」 ――――転瞬。またもや障壁が展開される、】
【しかしそれは間違いなく防御のためにされたものではないと、わかる。だって射線上に作られていない】
【二枚、三枚。それはギンコの落ちゆく先、落下の軌道上に作られて――――「ばりん」!】

【砕ける音。それはギンコが踏み締めた衝撃で割れてしまった障壁の悲鳴。であるなら、】
【この瞬間、これらの障壁は彼女の「足場」となるために作られたものであったことを明かす。「ばりん!」】
【何枚も何枚も作っては砕いてゆく音。足場にしては飛び移り、足場にしては飛び移り――自由自在に】
【メチャクチャな軌道を描いてギンコは「駆け降りて」くるのだろう。結論としては、受け止めない。避ける】
【放たれた一射とすれ違うようにして――目まぐるしい速度でウサギは地上へ向かってゆく。そうして】

――――――――――首ィ、頂戴なッ!!!

【イストに向かって宙から駆け降りると同時、交差した両腕を解き放つようにして――左右から同時の斬撃】
【まるでハサミで切り落とすような軌道で。イストの首、まっすぐにそこだけを、狙うのだろう】
【夜闇を文字通り切り裂いて二重の銀色が走る。全力を掛けた攻撃、であれば速度も凄まじいもので】

【――――だからこそその後に残る隙は、大きなものになるのだろう。そうして彼女はまた、何も考えていなかった】
【どうして「石」が発生したか。そしてそこで咲き誇った桜色の意味。どうでもいいと思えるくらいには、血が滾っていたから】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/25(木) 23:45:17.23 ID:eglF3Egj0
>>111

【最初の感想は――しまった、とか、やばい、とかそういうものではなく。そういう使い方もあるのね、と。感心の方が強いのが、この女らしかった】
【障壁を足場に兎が跳ねる。空を駆けた一矢は容易くかわされた。間髪入れず、必殺の一撃が首筋に迫る。その、致命の瞬間に――】


 はぁ……。
 いや参ったよ。ギンちゃん、キミ強いなあ。


【――――そう、実を云うならば】
【それをすべて、イストは想定していた。足場にしたのは予想外だったが、障壁で防がれて失敗するぐらいのことは考えていた】
【蒐集家などと容易く自称はするが、それは即ち、ギンコのような凄まじい脅威とも数多くやり合ってきた――そういうことに他ならず】
【ひどく、戦い慣れている。格上に打ちのめされることに慣れている。なればこそ、この女のやることは、常に徹底していた】
【手札を隠し、最後の最後で背後から騙し討つ。――まさに今が、その時だった】


 わたしはキミほど速くないし、力も弱い。
 ただね――身持ちの"硬さ"には、結構自信があったりして。


【左右から迫る致死の刃、まずその右手側を受け止めていたのが、先ほど作った弓である】
【当然、ただの木などで受けられるはずもなく。これまでと違う千種色の粒子を見たならば、弓が――まるごと"石化"している】
【そして右から迫るもう一刃。――間違いなく首に直撃している。ならば何故、この憎らしい顔を貼り付けた首は落ちていないのか】
【首筋が、弓のそれとまったく同じように"石化"しているからだ。いや、剛力ゆえに藍鉄色の岩に刃は食い込み、そこから血が滲んではいるが】
【――生命を絶つ為に必要な血管には、ギリギリ届いていない。イストにとっても、ここは限界の賭けだった】

【"植物"だけではない。ここまで隠してきたもう一つ、すなわち"石化"の異能】
【ここでそれを使ったのは――必殺の後の大きな隙に。滾る熱狂からくるその油断に。滑り込ませる手を用意していたからだ】


 "咲きて"


【呟くのと、納めた刀に再び手を置くのが同時。――"居合"の構え】
【だがそれは、本命であり嘘でもあった。ギンコは気づけるか、抜刀せんとするその姿だけを警戒していたのなら、危うい】


 ―――― "惑彩" !


【斯くして、居合の一閃が放たれるだろう。逆袈裟に、鋭く速く。それは確かに驚異的だ。だがこの呟きは――居合の技に付けた名ではない】
【ギンコの背後の天空。先ほど放たれた矢が、空中で桜色に輝く。矢のなかに埋め込んで込めておいた"種子"が、主に呼号に応じて芽吹いて、】

【――――矢を"苗床"にして。凄まじい勢いで伸び上がった鋭い木の枝が、背後からギンコに襲いかかる!】
【前方からは居合。後方からは枝木の槍。どちらも皮膚を引き裂き臓腑に達する威力はある。その渾身の"挟撃"の結果は――――】
113 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/04/26(金) 00:04:57.65 ID:wiB1p+cK0
>>112

――――――――――え、

【食い込んだ刃のそれ以上動けないさまを、手に伝わる感触で察知した。すれば引っこ抜くしかないのだが】
【それにはまあ時間がかかる。であれば余裕もなくなる――前しか見ていない。そも余裕があったとしても、】
【後ろを振り向けるかはわかりはしなかった。そんなものはイフの話。現実には起こり得ないなら、意味はない】

【だから対応できたのは居合だけだった。「≪パーティ≫、」焦ったような声音で障壁を眼前に作り】
【さらにその向こうに戻ってきた刃で受け止める構え、――――「ばりん」。破砕の音が、鳴ったなら】
【障壁の残滓と散らばる破片に赤色が撒き散らされるのであろう。背後からおなかの辺りを突き刺されて】
【かふ、と息を零した。その中にも血が混じっていた。居合を受け止めた刃から、力が抜けてゆく】

【――そのまま膝を突くのだろう、かと、思われた。けれどギンコはそうしなかった、虚ろな手つきで背後を探り】
【自身に突き刺さった枝を――ぼぎり折って、力任せに引っこ抜く。そうすればまた血が溢れるとわかっていて】
【げほ、ともう一つ、今度は重たい咳を零して――それでも笑っていた。口の端から零れる血の止めようもないのに】

……………………あ゛、っははは、…………しょーがないな、きょうは、

【「ギンちゃんの、負け」。――そう口にするなら、これ以上もう動けないと言うことだろうか。……違った】
【すみれ色にて天を仰いだなら、その視線の先にまたいくつもいくつも障壁を作り出して――それを足場に】
【今度は駆け上っていくのだろう。そうして聳え立つ建物の屋上へ――逃げた。あれだけの傷を負っておきながら】
【だと言うならやはりあいつは人間ではなかった。だけどこれ以上戦えないと判断したのだろう、そういう思考だけは】
【やたら人間っぽかったから――奇妙であった。そういったところも、イストの欲を満たすに足りる怪異たるだろうか?】

【わからないし、わからせやしないけど。今宵残った事実としては――逃げたウサギは「今日は」と宣った】
【ならばいつか来る「今度」を期待しているのだろうと。それを待って、これからもこういう場所で人を殺すのだろうと】
【そういう物語の残滓だけ。――満足してくれるだろうか。してくれなくても。ウサギは、笑っていたのに間違いない】

//ここらへんでしょうか!おつかれさまでした、大変楽しかったです!
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/04/26(金) 00:25:42.05 ID:CcwABreg0
>>113

【掌に感じるのは、障壁を断ち刃と刃が弾けるその手応えだけ。首元に走る激痛に耐えながら、ただ策が成るその時を待ち】
【――その、結果として。イストは賭けに勝った。獣を貫く自らの眷属の姿を見やり、しかし最後までギンコから目を離すことはなく】
【やはり、とそう思ったのが正直なところだ。……この程度で蒐めきれる"怪異"ではない。これまでの手合わせで、それをひしひしと感じていた】


 そうだね。……今日のところは、わたしの勝ちにしておこう。
 キミの行いは許せないけれど――でも今宵の物語は、とても良いものになったよ。

 さようなら、ギンちゃん。うん、経緯はどうあれ、わたしはキミに逢えてよかったと思ってる。
 ――キミをこの手に納める日を、楽しみにしているね。


【継戦不能を察知するや素早く駆け上っていく彼女の姿を、しかしイストは追わない。弓で狙うこともしなかった】
【"石化"が解ければ――首元から少なくない量の血が吹き出す。即死するレベルではないが、すぐに処置しないと病院に付く前に倒れそうだったから】
【傷口を押さえたままの青白い顔で、しかしやはり柔和な笑みを崩さずに、去っていく彼女の背にそんな言葉をかけるのだろう】


【そして――少しばかり経って】


 ………………あ゛ーーー!!!! ヤバかった!!! マジでヤバかった!!!! 死ぬかと思ったあああああああ!!!!


【"蒐集家"という仮面が外れた素っ頓狂な女の叫び声が響き渡ったが、幸いにも聴くものは誰もいなかった……】
【一通り発狂したあと、ようやく傷口の処置を終えると、――取り出したる冊子に、痛みも忘れてさっそくとばかり書き記す】
【首を落とされ息絶えたそのヒトの容姿、顔つき、推察できるすべてをそこに書き残して、確かにこの世界に"在った"ことを証明するのだ】

【――そして、もちろん。そこには恐るべくも美しき、ギンコという名の"怪異譚"もまた、平等に添えられているのである】



/お疲れさまでしたぁ!!
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2019/04/29(月) 19:19:02.39 ID:w5okkF+10
【酒場】


【ここが何処の国でどんな雰囲気の店かはあなたに任せよう】
【天気も、時間も。星座占いの順位も任せよう】
【ただ、其処にふらっと来た男にBGMだけは任せさせてほしい】

【それとこの男を狙った刺客が約30分後にやってくることは運命づけられている】

【背の高い痩せた男だった。ボサボサの白髪であごひげをはやしていた】
【サングラスを掛けていてわかりにくいが、年は相応、50かもう少しといったところだろうか】
【ジャケットスタイルだがTシャツで、ブーツは編み上げ10ホールで脱ぐのがめんどくさそうだった】
【細身のジーンズの裾を捲って、開いているところに勝手に座るだろう】

来たのは20年ぶりだ

【なんて、冗談を真顔で言う。だって20年前にはここは存在していない。】

いいや、俺が20年後から来ただけさ

【なんて言い返すのだから。質が悪い。変わり者だ。赤マルに火をつけて彼は言った】


/再掲です。よろしければお願いします。
116 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/30(火) 22:38:59.77 ID:zO20mpyW0
【それは、今より遡る事二月以上前になる】
【能動的3分間と呼ばれた、かの櫻州軍港での大戦闘】
【人類有史においては、実にどれほど振りとなるかも解らない、国家間戦闘】
【その幕開けとなったかの戦いの、その前の話】
【この日、天之原将軍家居城より、会談を終えた櫻国三勢力】
【魔導海軍、連合艦隊司令長官蘆屋道賢は、ヨシビ商会社長秘書、馬酔木善弥をその場所へと内密に呼び出していた】


――天之原港、特務艦『橋立』――

「わざわざのお越し、痛み入ります善弥殿」

【少女がその係留された船の、その階段を昇り甲板へと立てば、そこには先ほども居城にて対面した道賢が待っているのだろう】
【軍艦でありながら、武装を持たない、賓客接待用の白い艦】
【各種通信設備と、内装、キッチンスペースは一流の物を揃え一部民間からも引き抜いた乗組員、司厨長はこれも専門の教育を施したまさに海の迎賓館】

「羽織のお召し物をこちらに、ご案内致しましょう」

【白い軍装の男は、恭しくも礼をして】
【その少女を迎え入れ、そして後ろについて案内するのだろう】
【通常の軍艦では食堂、と呼ばれるそこであるが、この船においてはその言葉は当てはまらない】
【一流西洋料理店さながらの内装と装飾】
【まさにレストランを思わせる、各国主賓を招き食事会を催す外交の部屋】
【赤いふわりとした絨毯を踏み、その広間へと入れば、給仕役の乗組員が、これもまた恭しく席へと案内するだろう】
【少女の他は、道賢しか居ない、後は給仕しか居らず、通常乗り合わせている筈の軍楽隊もこの日は見当たらない】

【全く秘密の、静かな食事会の始まりであった】


//予約のです、よろしくお願いします
117 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/04/30(火) 23:29:00.51 ID:gy5jaS5X0

>>116

【天ノ原港・特務艦『橋立』】
【その甲板に降り立ったのは二十歳にもならぬ年頃の少女】

【祖父と居城を出た後に態々着替えて来たのだろうか?その肢体は緋色を基調とした着物に包まれていて】
【礼の言葉を述べられれば少女は少しばかりやつれ気味のその顔に可憐な笑みを乗せる】

いえ、此方こそこのような素敵な場所に御誘いいただいて光栄です
その上貴方自ら案内していただけるなんて!

【心からの言葉、なのだろう。その歩みはどこか浮き足立っているようで】
【きらびやかな内装の船内を物珍しげに見渡しながらも進む姿は腹に何かを抱えた悪女、というよりはごく普通の、その辺りに居てもおかしくない町娘といった様子】
【俗にいうエスコートには慣れてすらいないのだろう。少し戸惑ったような表情すら浮かべて】

【そうして招かれた広間。席へと案内されれば少女は花のような笑みを給仕役へと向けて礼を述べ、席に着くのだが】
【給仕役と道賢の他は人一人いない状況にはたと気づいてしまえば自ずと「此れはただの食事会などではなく、仕事上の会談なのだ」と判ってしまったのだろう。その表情が少し強張って】


/よろしくお願いします!
118 : ◆zlCN2ONzFo :2019/04/30(火) 23:48:46.42 ID:zO20mpyW0
>>117

「さあ此方に、善弥殿……」
「我々海軍士官は、軍服を着た外交官とも呼ばれております故、此の様な特別な艦も運用しているのです」
「ふむ、良い色合いだ、善弥殿はやはり着物は此方の方が良くお似合いです」

【ゆったりと余裕を見せて、善弥を案内する】
【何処か浮かれ気味の少女の様子を、微笑ましげに、そして幾分も優しげな表情でエスコートして行く】
【船内はその照明に至るまで上品な物が選ばれ、やはり軍艦と言う部分を感じる事は無いだろう】
【さながら、洋上のホテルとも言える】
【やがて広間の、これもまた丹念な装飾に彩られ、クロスが掛けられたテーブルと椅子、そこに善弥を座らせれば】
【その対面に道賢が座して】
【そうすれば、直に前菜の真鯛のタルタルが恭しく目の前に置かれ、そして白のシャンパンがそれぞれのグラスに注がれるだろう】

「先ずは、善弥殿先の策におけるお働き、何とも素晴らしき結果となりました」
「全ては、そう、善弥殿のご活躍によるもの、この食事会は言わばほんの礼に御座います」

【善弥の緊張を見透かしたかの様に、こう優しげに言って】
【そしてグラスへ口を付けて】
【如何にも、少女が思う程に堅苦しい場では無い様で、仕事上のとは少々縁遠いのだろう】
119 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/05/01(水) 00:38:31.32 ID:ln19Vs4k0

>>118

【道賢の言葉に感嘆の息を吐きながら辺りを見回す善弥】
【着物の事を誉められればその頬は薄桃色に染まって。何かしらの気のきいた返しでもしなければとは思えど言葉にならない声が幾つも発せられるばかり】
【社長秘書だなどと大人ぶってはいてもやはり本物の大人の余裕には勝てないのだろう】
【しまいにはごくごく小さな声で、ありがとうございます、とだけ返して】
【その後は豪華絢爛といった様子の内装を見る方に気をやる事にしたようで】
【時折「これ本当に戦艦なんですかね……」「豪華客船というやつでは……」などと感嘆の声をあげつつも広間へと通される】

【そうして着いた席。並べられた前菜とシャンパンに目を向ければその表情は一瞬輝いてしまうが、すぐにハッとなって真面目くさった表情に戻って】
【緊張の面持ち。そんな彼女の緊張を見透かしたような相手の優しげな一言に、緑青の瞳をぱちりと瞬かせ】

ぇ、あ……ま、まぁ、当然ですよ!
なんたって"私の"闇狗部隊なんですから!
【ふふん、とどこか誇らしげな表情。乗せられて少しばかりいつもの調子を取り戻したようで】
【口走ったのは意味深な一言。ヨシビの所有部隊である闇狗をまるで自分だけの所有物であるみたいに発言して】
【そうしてグラスの中身を少し口にして】

本当に、私だって頑張ったんですよー?"彼ら"を"造りあげる"為にどれだけの試行錯誤を重ねた事やら……
【緊張はすっかり解れてしまったのか、再び吐かれる意味ありげな言葉。はぁ、とため息も吐かれて】


120 : ◆zlCN2ONzFo :2019/05/01(水) 01:04:35.89 ID:xwsLot5U0
>>119

【やはり、とも言えるのだろう、この暗躍と謀略の中においても年頃の娘の様な部分が出ている善弥だった】
【それを、道賢はただ優しげに、時に愛おしげに見つめて】

「ほほう、なるほど、流石は善弥殿だ……部隊の運用も差配も手の内と言う訳ですな、素晴らしい」
「……なるほど」
「つまり、闇狗部隊とは、そもそもまともな人間ではない、と?」
「なかなかに、苦労と研鑽の後造り上げられたのですね、闇狗は……」

【少々この問いは悪戯っぽく、そう答える様に問いかけた】
【先ほどからの少女の言を、考えてみるにそう言う事なのだろう、と当たりを付けて】
【人工生命か、あるいは自身も使役する式神の類か、はたまた……】
【真鯛のタルタルを所定のナイフとフォークで口に運び、シャンパンを合間合間に嗜み】
【やがて、二人が前菜を食し終えれば、次に目の前に来るのはスープ・ア・ロニオン・グラティネ】
【要はオニオンコンソメスープのグラタンだ】

「その実力、能力、善弥殿は、そうですな……ヨシビの頂点となり得るでしょう」
「現社長悠玄殿亡き後は、跡目を継がれるのでしょうかな?」

「それとも、その役目は将来の旦那殿、ですかな?」

【ここもまた、悪戯めかして訊ねて】
121 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/05/01(水) 02:04:22.23 ID:ln19Vs4k0

>>120

ええ、秘書である前に私は次期社長ですから!それくらいは出来て──
────っ!?
【自分を評価する言葉に自慢げに笑って見せる善弥。しかし道賢が悪戯っぽく投げ掛けた言葉にぎくり、と笑顔を固まらせ】
【えぇと……などと発せられた声。数十秒程何かを思案していたようだが】

……妲己様や他の人には内緒、ですよ?
【少しばかり困ったように笑ってそう口にすると、懐から鳥の形に切られた墨染の紙を一枚取り出す】
【手の中の紙へと込められていく魔力。墨染のそれがふわりと浮き上がれば瞬時に黒い小鳥へと変化して】

……これは鳥、ですが原理は一緒です
墨染の紙に魔力を込める事で実体へと変化させ、使役する……ようは使い魔だとか貴殿方のいう所の式神みたいなものですね
【中空で羽ばたくそれを掴んで握り締めてしまえば小鳥だったものはくしゃくしゃの紙屑へと変わって】
【……本来は企業秘密、なんですよ?と口元に指を一本当てて微笑む善弥】
【原理は道賢が察した通りではあるようだ】
【だが、そうであるとするならばこの少女は一人であれだけの部隊を操作していた事になり】
【だとすれば今日やつれ気味であったのも納得がいくのだろう】
【あれだけの数の部隊を操作し、破壊されても怪しまれないように形状を維持し続ける。さぞかし骨が折れた事だろう──たとえ、膨大な魔力を秘めていたのだとしても】

【コースは次へと移る。そうして、話もまた次へと移って】
【いずれはヨシビ商会の社長となり得るのだろうと言われれば善弥は、勿論私はそのつもりです、と頷いて】

お祖父様亡き後は……いえ、お祖父様が一線を退かれたら私が社長となります
伴侶の事は分かりませんが……兎に角そういう事で私達のヨシビは始まった……始まった筈、なんです

……それなのに……お祖父様ときたら……
【不満げに漏らされた声。それだけでも社長と秘書の間の不穏を匂わせて】

122 : ◆zlCN2ONzFo :2019/05/01(水) 04:13:35.00 ID:xwsLot5U0
>>121

「なるほど、やはり式の類でしたか……」

【くつくつと、愉快そうな笑みを浮かべて、動揺して慌てる善弥の様子を、さも楽しげに眺めて】
【そして、実際に墨染の紙を取り出し、それを鳥のように飛ばしてみせたのであれば】
【感心したような表情で、それを目で追い、そして再び視線を善弥へと向けて】

「素晴らしい、式の様でありながら式とは異なる存在とは」
「そうか、しかし、そうであったならば善弥殿、貴女の先程までの疲弊は理解もできるというものだ」
「あれ程の部隊をあれ程の精度で動かしていたのだ、その消耗も負担も一廉のものであったでしょうに」
「誠に痛み入る、本日はゆるりとその疲れを癒すが良いでしょう」
「無論、今見たものは内密にしましょう」

【感心し感嘆し、そしてその功績を称え、莫大な疲労を労う】
【余りにも大き過ぎる魔翌力の消耗と、運用の負担、効果は大きいが、少女の命すら危なかったのではないだろうか】
【やがて、スープが来て、そして話も移れば】

「ふむ、中々に認められず、そして悠玄殿もその席を退こうとはしない?」


【少女の様子から、そう予想して】
【口元を真白な、布巾で拭いながら、しかしいつの間にやら妖しい笑みを湛えながら】
【やがて、スープを食し終われば、また次の料理が運ばれて来るだろう】
【ポワソン(魚料理)の順番だ】
【黒タラのアイオリソース添え、料理が置かれると同時に、シャンパンも新たに注がれ】
【そして、善弥の手元に小さなしかし、如何にも高価な品が収められているであろう、小箱を手渡す】

「果たしてこの状況で言うべきか、渡すべきかは悩まれる、だがこの話の最中であるからこそ、意味があるやも知れませんな」
「開けてみると良い、果たして、どの返答となるかは解りませぬが」
123 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/05/01(水) 20:51:29.45 ID:ln19Vs4k0

>>122

ええ、そういう解釈で大丈夫でしょう
紙と墨と私の魔力さえ十分ならばある程度は量産出来ますし、本当の人間でもないのでその分のお金も節約出来ちゃいますし、大分重宝するんですよねー
まあ元が紙なんで火や水気に弱いっていうのと量産し過ぎちゃうと私の魔力が大変っていうデメリットはあるんですけど
【感嘆の声をあげる道賢に笑って返す善弥】
【労いの言葉をかけられればその笑顔に更に花が咲いて】

そう言っていただけるとありがたいです……!
……それに引きかえお祖父様ときたら孫が頑張ったっていうのに労いの言葉すらくれないし、休んでたのに引っ張り出されるし……ほんッと人使い荒いって言いますか……もー……
【そうしてぷすぷすと呟かれるのは社長である悠玄への愚痴。少しぼやいて我に返れば慌てて「すみません私とした事が!」などと謝って】

【話はいつしか跡目の事となって】

……認めて貰えない、というか……ええ、勿論私自身至らない所があるっていうのは分かっているんです
以前、自分の愉しみを優先して行った事で少しやらかして……ああ、でも別に会社に不利になるような事は一切していないんですよ?していないんですけど……兎に角、それが評価を落としている
それは分かるんです……分かるんですけど……
私には下手な事をするなと言っておいてあの人だって自分の姿を部下の前に晒したり……闇狗の事だって勝手に部下にばらして……何処から重大機密が漏れるか分からないのに……
それに……認められないというか……最近は軽んじられている気すらしてきて……
【少女は深くため息を吐く】

【そうして次の料理が運ばれてくれば手渡された小さな箱】
【相手の言葉に少しばかり不思議そうな顔をして、小箱を開いて】

124 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/02(木) 00:07:24.15 ID:bwpmM8UQ0
>>99

そうよ。

【霧崎は迷いなく言い切った】

大義を為す。そのためには。それぐらいのことをしなければ。

…新楼はカオス状態です。しかし、真実も其処に存在しているはずです。
貴方方の魔導海軍の件にとっても、なにか得るものがあるでしょう。
決して無駄ではないはずです。


私の元へとはあえて言いません。貴方方には貴方方の為すべき事があるわけですから。
…ですが、力をお借りするときはそう遠くないかもしれません。

その時は―――


【霧崎は何も言わず、ただ頭を下げた。武人としての姿がそこにあった】


正義の為に


【かくして、彼らは新楼市に向かう。時代は動こうとしていた】
【それは望ましい方向へか、それともそうではない方へなのか】
【ほんの小さな変化なのかそうでないかは未だ知れず…】



/だいぶ時間がかかってしまい申し訳ございませんでした
125 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/02(木) 00:08:16.57 ID:bwpmM8UQ0
>>99 >>124追記

/といったところで〆させていただきたいと思います。
/お付き合いいただきまして本当にありがとうございました!
126 : ◆zlCN2ONzFo :2019/05/03(金) 22:04:18.64 ID:OIY7aq3L0
>>123

「ふむふむ、そうか」
「なるほど……通常の式とは、やはり勝手が違うのだな」
「しかし、よくこれ程の数を……馬酔木の術式とは、いや、気になる物だ」

【ひとしきり、花が咲いた様に明るく話す少女に】
【笑顔をそのままで、時に相槌を打って、時に感嘆し】
【そう受け答えするも、彼女の祖父の話となれば一転し暗い顔を見せる善弥を見逃さなかった】
【(やはり、馬酔木の二人には、何かの隔絶がある、それも何か大きな隔たりが)】
【そう認識させるには、十分な材料であって】

【晩餐の席は、まだ続き】

「それはつらい事だ、悠玄殿には君の活躍も能力も、十分に伝わっていないと見える」
「悠玄殿が君の実力を十分に理解すれば、その時は……無論君が名実共にヨシビの頂点であろうに」
「だが……これはどうだろうか?」

【魚料理、しかしそのナイフとフォークを取る事はせず】
【手渡した小さな箱】
【善弥が箱を開ければ、その中には水国の一流ブランドで設えた、指輪が一つ】
【紛う事無き、婚礼の誓いのそれであり】

「商会、海軍、将軍家のこの先の為、とは決して言わない」
「この場でこの様な話など、随分と気の早い事かもしれない」
「この先は、君に選んで欲しい」
「どうだろうか、これは私の……率直な気持ちだ」

「私は君に、婚礼を前提とした交際を申し込みたい」
127 : ◆zlCN2ONzFo :2019/05/03(金) 22:11:02.93 ID:OIY7aq3L0
>>124>>125

「……杉原」
「解っていますよ、軍曹」

【テクノドッグス、黒幕、そこに円卓の介入】
【陰謀が二十三重と巡らされる、新楼の闇】
【霧崎が向かわんとしているのは、明確な獣道だ】

「お供しますよ、霧崎さん、頭を上げて下さい、我々は敵を同じくする者です」
「手を借りねばならないのは、我々も同じだ、戦うときは同じだぞ」

【こう答えて、改めて、その手を取った】
【車は、渦中の新楼市へと向かう】
【この先に出るのは、鬼か蛇か、あるいは魑魅魍魎か】
【状況は、未だようやく動き始めたばかりなのだから】


//では、こちらで〆で、ありがとうございました!
128 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/05/03(金) 23:26:41.18 ID:gswCKmna0

>>126

【談話と共に続く晩餐。善弥の能力や活躍が悠玄には伝わっていないのだろうと道賢が言えば彼女はふと俯いて】

──元々……

……元々、私の才を見出だしてくれたのはお祖父様だったんです
うちは存外古風でしたし、馬酔木家の跡取りなら兄様だっていましたから娘である私なんて放って置かれっぱなしで
家業である祓魔のいろはだって教えては貰えなかった
そんな私の魔力や才能を見出だしてくれたのは前線に出ていた父様や叔父様ではなくて彼らのエゴで幽閉されていたお祖父様だった
お祖父様のお陰で今の私はあるし、私のお陰で今のお祖父様があるんです
……勿論、ヨシビ商会だってそう……なのに……
【ぽつ、と語られた馬酔木の過去。嘗て少女の才能を見出だしたのは悠玄だったのだ、と】
【ならば彼女にとって今の状況は理不尽なものでしかないに違いなくて】

【手渡された小箱。その中身を見たのならば善弥の顔は喜びと戸惑いの入り雑じったものとなって】
【告げられる言葉。政略か否か、それは不明ではあるが】
【うら若き乙女の心を蕩かすには十分過ぎるもので】
【咲き誇る桜の如き色に上気した頬】
【初夏の湖の色をした双眸は夢見心地にとろんと蕩けて】

ゎた……、私で……良ければ……お願いします……っ!
【やっとの事で言葉を吐き出す】

【──其は蜘蛛の巣にかかるとも知らずに舞う蝶々にも似て】


129 : ◆zlCN2ONzFo :2019/05/04(土) 08:41:07.84 ID:hufxryg00
>>128

【奇妙な晩餐は静かに続く】

「……そうであったか」
「古い考えだが、洋の東西を問わず、魔術師の血統特有の話だ」
「なればこそ、君は悠玄殿に馬酔木本家に誇示すべきだ、誇るべきなのだよその実力を」
「そして、誇りに思ったその先にあるのは……」
「名実共に、君の望む未来だ」
「皆が君を認め、賛美する未来だ」

【やはり、と言うべきか】
【馬酔木の家は、古い魔術師の家系のようだった、加えてそう言った家柄には、跡取りの問題が付き纏う】
【子女の肩身が狭いのもまた、特有の問題と言える】
【女系ともなれば、その分本家の血は薄まる、薄まる率は上がる、古い考えに凝り固まった家柄であれば、やはり避けようとするは不可避で】
【魔術の優劣は血統によって決まる、そう考える者も少なくないのだろう】
【同じく陰陽家、魔術師の家系である蘆屋道賢にも覚えがあった為か、ほんの僅かに表情を濁したのは見間違いでは無いだろう】
【故に、馬酔木悠玄に拾い上げられた善弥の喜びは、また別格の物があったに相違は無く、現状のある種理不尽な扱われ方もまた、一際辛い物があるのだろう】

「この婚姻もまた、悠玄殿も本家の者も、ヨシビ商会とて君を誉とするだろう」
「敢えて言おう、善弥、我が妻よ」
「君を愛そう、この世界の果てまでも」

【指輪を渡し、年頃の奥ゆかしい乙女の如く、恥じらう様に返答する善弥の左手薬指に、その小さな指輪を嵌めると】
【癖の様な独特の、その密やかな笑顔を向けて、そう告げたのだった】


「誓おう、我等に在るのは、この世界を手にした輝かしき未来であると」

【指を絡ませ、手を握り、近付いて抱き寄せれば】
【そっと、口付けを迫るのだろう】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 13:49:43.26 ID:hplBwCVT0
とある桜の木の下で

【春は過ぎたことを彼女はやっと思い出す】
【ただ鮮やかな空に無理やりねじ込ませたみたいな葉桜がその身を風に任せて笑ってくるーー来るには遅かったねと言うように】
【花びら一枚すら残っていない見事な緑が深海の瞳に映るーーでもけして残念そうではなくてーーその姿もまた桜の木なのだと、桃色の唇がふわりと緩む】
【幾度となく踏まれたであろう木の根元の雑草に配慮するように彼女はそこに立っていた】
【陽に晒された髪は天の川みたいにキラキラ輝いてーー薔薇の髪留めがするりと滑るくらいに柔らかでーーそれに同調するように新芽色のワンピースがしゃらしゃら揺れた】
【彼女の気配に気づいた日向ぼっこ中の黒猫がその服と同じ目の色を丸くして逃げ出した】

あ、ごめんなさいーー

【ーー驚かせてしまって。しかし、もう遅い】
【黒猫の背中を見送ったら彼女はもう一度葉桜を見上げたーー葉の隙間から容赦なく刺す日差しに目を細めた。それを別れの挨拶とするように】

ーーまた来年来ますね

【そう、唇が動いたように見えた。ベージュの肩掛けバッグの紐を握りしめて彼女は木に背を向けた】
【ーー瞬間。つやりと薔薇の髪留めが音も立てずに地面へ落ちた】
【風も止んだ今彼女は落し物に気づかないーー】
【このままでは大切なそれに気付かず彼女はこの場を去ってしまうーーしかし誰かが気付いてくれれば、或いは】

//本日空いてる故お相手様募集します
//日常でも戦闘でも
131 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 14:22:47.69 ID:/q2u4W020
【水-氷間急行列車クーラオリエント急行---深夜】

【数か月前から運行を開始した水の国と氷の国を繋ぐ急行列車。】
【VIP向けの車両などもあり内部は綺麗な装飾が施されていて、乗客は全て個室が与えられている】
【窓の外に広がる雪景色も相まって、優雅な旅を演出している―――そんな中。】


                         【ガコン】


【何か、音がした。】
【深夜であるので元から外は暗いが、何か変だ】
【広がっていた雪山が―――黒い=Hそれはまるで狂気の山脈≠ニでも言うかのようなものだった】
【そして列車の中から人の気配が消えている、静まり返った社内には列車の音だけが響き渡っている。】

【ガコン】

            【ガコン】

                                 【ゴトン】



【―――何かが、始まっていた。】
【貴方の選択肢は部屋の外に出るか、留まるか。ただそれしかない】



//ギアさんの方こちらへお願いします!
//よろしければ>>130さんもいかがでしょうか?投下して頂いたところ恐縮ですが


132 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 14:41:37.76 ID:pUZIhJHb0
>>131
【その男がこの列車に乗り込んでいたのは、全くの偶然であった】
【亡き探偵の真似事を始めてそれなりに経ち、UTを失ってそれでも活動し続けてきたギア・ボックスも今の生活に慣れてきた】

【その日もある調査の依頼を受けて成し遂げ、深夜になってからようやく帰る目処が立ち】
【少なくない金を払って、どうにかこのクーラオリエント急行に飛び乗ったのだ】

【生き人形はいつもの一張羅。白いシャツの上に青いジャケット、深緑のカーゴパンツに黒いスニーカー。胸には探偵の形見、マリアのペンダント】
【肉体無き魂だけの生き人形の身体、服の下から存在を主張する四肢の球体関節。食べられもしないし眠れもしない生活】
【だが、ここ最近は魂の定着の度合いによるものか、睡眠の真似事くらいは出来るようになってきた。個室の椅子に腰掛けて、僅かな微睡みの中にある】


【そんな束の間の眠りは、無惨にも破られた】

……なんだ?

【まず感じ取れたのは音がないことだ。個室の外を時折往来していたはずの足音がさっきからまるでない】
【ふと、窓の外に目をやる。黒い。白いはずの雪山が、闇の中でなお濃い黒に覆われている】

【戸惑いながら立ち上がり、個室のドアから顔を出す。やはり人の影はない】

これは……何か厄介なことになったかな……

【生き人形は、腰に手を当てる。手が腰の中に沈み込む。引き抜く。その手には抜き身のサーベルが握られていた】
【狭い車内でも、サーベルによる刺突ならば対処は出来る。あの大会で、亡きレグルスとの試合にて使った突きの構えを取りつつ】
【室の外に滑るように出て、ゆっくりと歩き出す。何が起きているのか。不安と恐怖を押し殺して、生き人形の探偵ギアは、静かに行動を開始した】

/よろしくお願いします!
133 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/04(土) 14:53:42.57 ID:qCZlHq0U0
【酒場】


【深夜―――この街じゃ深夜に軽食が取れる場所は少ない】
【ここはバーと言うかレストランと言うか、まあそういう間の場所で】
【仕事終わりだとか暇を持て余した人間が来る】

【ふらっと、その男はやってきた。カウンターの適当な席に着く】

【何時も通りの日常。ぬるいスタウトのビールを頼む、変わったやつがそれを変える】

【正確にはこの男を狙った刺客が約30分後にやってくることで】
【それは、運命づけられている】

【背の高い痩せた男だった。ボサボサの白髪であごひげをはやしていた】
【サングラスを掛けていてわかりにくいが、年は相応、50かそれより若いというぐらいだ】
【ジャケットスタイルだがTシャツで、ブーツは編み上げ10ホールで脱ぐのがめんどくさそうだった】

来たのは20年ぶりだ

【なんて、冗談を真顔で言う。だって20年前にはここは存在していない。】

いいや、俺が20年後から来ただけさ

【なんて言い返すのだから。質が悪い。変わり者だ。赤マルに火をつけて彼は言った】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 15:04:50.82 ID:hplBwCVT0
>>131
>>132

【揺れる、揺れるーー少女らを乗せて】
【少女が乗っていたのは一般の個室ではあったがそれでもその部屋は大変に美しかったーー足を踏み入れた瞬間、VIPルームと間違えたのではと疑うほどに】
【少女は確かに用事があってその列車に乗っていた。済んだのか、済んでいないのかーーさして問題ではないのだけれど。ただの"買い付け"だから。月明かりに浮かぶ雪景色を薄金の髪を梳きつつ楽しんでいたわけでーー】

ーーん?

【丁度髪を梳きおわる頃だろうか。ドアを閉めていたとはいえ薄ら聞こえていた人々の声が無くなったのに気付いたのは】
【揺れる音、聞こえぬ声ーー】
【ざわ、と心臓が騒ぐ。違和感のような気持ち悪さのようなそんな擽ったさを覚えて少女は櫛を仕舞う】
【怪訝そうに深青の瞳が細められ、揺れる床に抵抗しながら立ち上がってか細い指をドアノブへとやり、そっとーー外へと出て】
【自分以外の気配を彼女は感じることができない。ぶる、と身体が震えている】
【誰かーー自分以外には誰かいないか、と物陰に隠れながらもあたりを見回してーー】

//>>130ですがこちらに投下します
//よろしくお願いします!
135 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 15:14:18.72 ID:/q2u4W020
>>132

【やはり列車の内部に音はない、ただ規則的に列車が走行する音が聞こえるのみ】
【―――そもそもこの列車はどこへ向かっている?予定通り氷の国へと向かっているのだろうか?】
【それとも、向かう先は………】



                  【ガチャリ】



【何か、音がした。静まり返った車内では車両ごとの扉の開け閉めも良く響く。】
【ズルリと、前の車両から何かが入り込んでくる。】

【全身をぼろ切れで覆い、わずかに見える四肢や顔はまるでマグマのように赤くひび割れ光っている人型】
【頭上には赤い光の輪があり、右手には鉄パイプのようなものを持っているのが見える。】

【それはユラリと揺れ動きながらギアに近づいていくと、徐に右手の鉄の棒を振り上げてギアの頭へと振り下ろす】
【単純な動きだ、見切るのはそう難しい事ではないだろうが―――】


                【Question?】【―――乗客はどこへ消えた?】


>>134

【少女が見渡せば見えるのは上記のそんな光景―――。】
【人ではないが人に近い姿をした人形と、人の姿をしているが明らかな異形。それが並んでいる。】
【しかもそれらはどうやら敵対しているようにも見えるが】


【しかして何か起きているのかを把握するのは難しいだろう、しばらくは様子を見るべきか】
【もしくは気づかれぬように別の車両に移動すべきか、選択が迫られる。】


136 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 15:32:51.91 ID:pUZIhJHb0
>>135
何だ、これは……この列車は、どこに向かってるんだ……


【思わず口をついてそんな言葉が出た。どうやらまだまだあの探偵には遠い】
【背後で初めてこれまでと違う音が聞こえた。弾かれるように振り向く】

【前の車両から現れたそれを見て、ギアは一歩後退りした。赤いひび割れた四肢と顔。ボロ切れで覆われた身体。頭の上には赤い光の輪っか】

天使にしては、禍々しすぎるよ……

【思わず苦笑すら漏れる。そうしているうちに、そいつはすでにこちらへと向かってきていた】
【右手の鉄パイプが振り上げられ、何の躊躇いもなくこちらへと振り下ろされる】

【サーベルを素早く構え、鉄パイプを受けて逸らす。そのまま、床を蹴って人影から距離を取ろうとするだろう】

(乗客たちは消えた……こいつにやられたにしても、死体すらない……)
(吸収された? それともこいつが乗客の一人?)

【思考が錯綜する。何しろ、この世界では何が起きてもおかしくはないのだ】
>>134の少女には、ギアは気付いていない】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 15:50:56.12 ID:hplBwCVT0
>>135
>>136

ーーおばけ!?

【声にならない叫びが飛び出しそうになる。慌てて口を抑えて物陰の奥の奥へと細い身体をねじ込んだーーたぶん、バレてはいないはず】
【目に映った赤い……おばけ……彼女の脳内ではそう変換ーー表現するのが精一杯だ。口を覆う指先から血の気が引き、凍えるかのように震えだす】
【しかしおばけのほかにもう一人ーーちゃんとみれなかったけど、恐らく"人"がいたのを彼女は見逃さなかった】
【彼の漏らした声もぼんやりと聞こえてきた。ちゃんと喋るということはきっと、あのおばけの仲間ではない。と、そう思いたいと心の中で手を組んで祈るーー刹那】
【頭上に振るは耳に不快感を与えるような聞き慣れない音がーー】

(闘っている……?)

【押し込んだ身体を自ら押し出すようにすず、と半分だけ顔をだすーー予想通り、彼らの戦闘が始まったのだ】
【逃げ出す、という選択肢は彼女にはなかった。確かにどうみたって普通の少女で、力もなくて、怖くて震えていて、どうしようもなかったけどーー】
【そっとワンピース越しに自分の太ももに触れるーー】
【そしておばけの隙を見て、戦う者の力になろうとにじり寄ってゆくのだったーー】
138 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 16:04:47.49 ID:/q2u4W020
>>136

【受け流された鉄の棒は床へと突き刺さり、絨毯のような素材の床は難なく砕けた。】
【徐に放たれた一撃であったが見かけ以上に強力な威力を持っているようであった。】
【異形はゆらりと身体をのけ反らせると、赤く血走った瞳でギアを見てから一気に身体を前のめりにする。】

                     【ドンッ】


【先程までとは比にならない、途轍もないスピードだった。】
【踏み抜かれた床は割れそのスピードを受けた窓ガラスにはヒビが走る】
【そんな異常なまでのスピードで異形はギアへと再び肉薄すると、鉄の棒で今度は胴を叩こうとするだろう。】



             『躊躇はやめたまえ、それは人ではない―――』



【異形の行動の成否に関わらず、突如としてその腕が宙に舞い落ちる。】
【カラン、と鉄の棒は床へと落下して異形は痛みに叫び声をあげるでもなくただ傷口に顔を向ける。】
【腕の切断面からは赤黒い血とは異なる液体が滴り落ちて、床へと到達すれば酸のように煙を上げる。】

>>137


『良い意志だ、ここに招かれただけはあるね。』
『―――いや、もしかすればそう言う事≠ゥ?』


【ふと戦う二体の人外へとにじり寄る少女の背後から声がする。】
【その声は人形を助けに向かう少女の意思を称賛した後、何か考えにふけるような間を置いてから】
【『まぁいい』と言葉を切った。どうやら上記で異形の腕を切断したのはこの声の主のようだった。】


『さて、隙は作った。キミの力を持って彼を支援するといい。』
『それが戦うと決めたものの使命であり辿るべき第一歩だからね―――。』


【男性の声はまるで教授するかのようにそう告げる。】
【確かに異形は武器を持った腕を切断されて、一時的に動きが止まった】
【少女が何かをするなら今だろうか?尤も人形の彼も何かしらのアクションをするだろうが】
139 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 16:25:45.02 ID:pUZIhJHb0
>>138
っ……!!
人間の力か、これが……!?

【いくら脆いとはいえ、鉄パイプの一撃は明らかに常人のものではない】
【その赤い目が向けられ、ギアの魂が戦慄する】

【その時にはもう、赤い怪物は恐るべき速度でギアの前に迫っていた。窓ガラスが割れ、床を踏み抜くほどの。鉄パイプが胴を強かに打ち据え、人形の破片が飛び散った】

ぐあっ……!!

【魂が伝える苦痛に悲鳴をあげるギアは、しかし確かな石を宿した人形の瞳で人影を睨み据えた】
【その眼前で、人影の腕が落ちた。赤黒い液体が垂れ落ち、床が焼ける。その時、ようやく耳にその言葉が届いた】

なんだ!? 誰だ……クソっ! わかったよ!

【ギアはようやくためらいを捨てた。サーベルを構えなおし、全速の刺突を人影の首に見舞おうとする。無論、赤黒い液体を警戒して、ギリギリの距離を保ったまま】

【必死の生き人形は、迂闊にもまだ少女に気付かない。少女が何かアクションを起こすなら、今は生き人形が少女の盾となる形になるだろう】
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 16:48:09.70 ID:hplBwCVT0
>>138
>>139

ーーーーーーっ!!

【異型の脅威的なスピードはガラスを割ると同時に少女の柔らかな金髪と薄いスカートを巻き上げた。近くにあった手すりに咄嗟に捕まりその軽い身体が浮き上がってしまうのを防ぐ】
【と、同時にーーやられる!ーーとも思った。しかし助けたい気持ちよりも、それを実行しようとする手よりも明らかに異型のほうが速かったーー】
【絶望。目の前の誰かが攻撃されてしまうーー間に合わない……それでも!一撃を食らったとしても彼が耐えてくれたならーー】
【と、少女が腰を浮かせた刹那ーー】

【舞い上がる異型の腕ーー】

【降り注ぐ知らない声ーー】

【"作られた"隙ーー】

【声の主は誰かわからないし振り返る余裕もないーーしかしそこに隙はできた】
【この瞬間から少女の目に映る全てがスローモーションに見えた】
【きっとそれは気のせいーー誰にだって起こる可能性のあるただの錯覚】
【それでも彼女にとっての必死の攻撃がやりやすかったのは事実で】

【海色の瞳は男の刺突と異型を捉えたーー】

【少女は太ももに括り付けていた銀色の……ただの水筒を思い切りその異型へ向かって放り投げた】
【投げられた銀色は真っ直ぐ飛び、異型の足に当たって叩きつけられて中身が吹き出る】
【中から出てきたのは水。そう、本当にただの水でーーそれが異型の流した液体の上から足元へと満遍なく広がってーー】

捉えてッーー!!

【まき散らかった水が柔く光、瞬間に散らばった液体に被さるように硬く、そして異型を逃さないようにその足へと向かってーー異型が彼女の攻撃を避けなければーー地面から無数に生えた槍のように刺さって動きを止めるだろう】
【動きを止められればきっと彼の攻撃はーー】
141 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 17:06:36.06 ID:/q2u4W020
>>139>>140


【少女が放った硬質化した水は異形の胴へと突き刺さり、動きを止める。】
【無数の水の槍が突き刺さった場所からは赤く煮えたぎるような液体が止めどなく溢れる】
【―――だが、確かに異形の動きは止った。】


【ガキンッと、まるで岩石にでも剣を突き立てたかのような感触がギアの手に伝わるだろう】
【だが確かにサーベルの切っ先は異形の首へと突き刺さりその動きを止めていた】
【―――異形はガクンと身体の力を失うと、その場に崩れ落ちてピクリとも動かなくなった。】


『見立て通りだな、二人とも良い動きだ』


【そして先程声をかけた人物が姿を現す。】
【鉛色の腰まである長髪に銀色の瞳をした20代後半、身長180cm程の男だ】
【全身は飾緒や勲章が幾つも装飾されたネイビーのコート型軍服で包まれており、右手には一振りの騎士剣が握られている。】
【奇妙な事にその左半身は手も顔も肌が水銀のような銀色に染まっており、光沢を放っている。】

【男はつかつかと二人の間へと進むと、満足げに口元を緩ませる。】


『―――だが、どうやらこの異変≠フ源はまだ消え去ってはいないようだ』
『この列車が異変に包まれたのか、それとも』

                  『我々≠ェ異変へと呼ばれたのか』


【男はそう言いながら床へ転がる異形の亡骸から襤褸切れをはぎ取る。】
【異形の顔面はまるで卵の殻のように剥がれ落ち、その下は暗黒が広がっていた。】
【無貌の異形―――それはギアの予想通り乗客が変貌したのもなのか?それとも】

【『キミは心当たりはあるかい?』】
【男は少女へと視線を向けて、感情の籠っていない瞳で見つめる。】

【そうして少女の返答を聞き終える前に進行方向の車両へと進んでいこうとするだろう。】
【ついていくか、ここに留まるか―――新たな選択が生まれた。】
142 : ◆L1hyTPHS6I :2019/05/04(土) 17:26:28.49 ID:WKtE7QYw0
>>133
【酒場】

【空腹に見舞われたため、来れば大抵の時間開いているこの酒場にやってきた】
【その少女は紫の髪と眼をし、黒いキャミソールとグローブとショートブーツに身を包んでいた】
【そこで肉やら野菜やら乗ったプレート頼み食んでいると、近くに座っていた壮年の男が酒をやりながら】

"20年後から来た"

【というようなことをいい出した】
【店内は静かで他に目を引くようなものはなく、なんとなく程度のもので】
【紫煙をくゆらせている男の方に視線を向けていた】

//まだいらしゃったら絡みお願いします…!
143 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 17:37:58.36 ID:pUZIhJHb0
>>140
>>141
!? 誰……いやありがとう!!

【その声を聞いてようやく、ギアは少女の存在に気づいた。当然驚きをもってその事実を迎えるが、すぐ意識を切り替える】
【誰かが目の前で傷付くのが嫌だという彼女の思いは知らずとも、彼女が自分を助けようとしていることはわかる】
【ならば、それに応えなくてはならない。ギアは眼前の怪物のみを見据えて、サーベルを突き出した】

【怪物の動きが止まる。恐らくは少女の力。的確な支援を受けて、ギアの攻撃は通った】

!!? 何だこの手応えは……!?

【その肉体もまた人のそれではないということか。岩石に剣を突き立てたような痺れが魂に伝わる。しかし、少なくとも急所は人と同じだったらしい】
【怪物が倒れるのを見てギアは息をつく。人形の身体なのでその真似だけだが。そして少女に向き直る】

ふうっ……ありがとう、助かりました
僕はUTのギア・ボックスと言います。ええと、貴女は……? もしや貴女もこの列車に乗っていて、これに巻き込まれたんですか?

【サーベルを収納し、努めて穏やかに声をかけるギアだが、そこへ新たな声が振りかかった。ギアはそちらにまたも向き直る】

その声、さっきの……!
軍人さん、ですか? 貴方も巻き込まれた口で……?

僕はUTのギア・ボックスです。貴方は……え、ちょっと!?
うわっ、なんだこれ……顔がない? 虚無を殻で覆ったみたいな……なんだこいつは……

僕たちが呼ばれた? 乗客が消えたんじゃなく、僕らが消えてこっちに引き込まれた、と?
ってもう歩き出してる……いや、こうしていても仕方ないな

【行動の早い軍人の後に乾いた人形の足音を響かせながら続く。その先に何が待っていたとしても、このまま一人取り残されるのはごめんだった】
144 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 17:58:22.29 ID:/q2u4W020
>>143

【後方についてくる二人を横目で見ながら軍服の男は満足げに口元を緩める。】
【次の車両への扉を開ける、どうやらそこは食堂車のようであった。】
【カウンターの奥にある厨房には煙を吹くポッドが見える、まるで先程まで誰かがいたかののように。】
【だが人の気配はない、変わらずの静寂が包み込んでいる。】


『ギア・ボックス………ほう、UTか久しく名を聞いていなかったが』
『だが会えて光栄だ、私は―――そうだな、オッツダルヴァ≠ニでも名乗っておこうか。』


【明らかに偽名じみた自己紹介をしながら軍服の男は歩みを進める。】


『さあて、この列車自体が異界と化したのか私達が異界に飲まれたのかは分からない。』
『ただどちらにせよ先程のような躊躇は命取りだ。善良な心を持っているのは良い事だがね。』


『―――さて、面倒事はさっさと切り抜けるとしようか』


【落ち着いた様子でギアへと返答していたオッツダルヴァは、騎士剣を再び構えながら振り返る。】
【その視線の先、さらに前方の車両から先程と同じ襤褸切れを纏った異形が1体、2体、3体と現れている。】
【オッツダルヴァは退屈そうに息を吐き出すと、虚空へ向けて剣を三回振る】

【その瞬間、新たに現れた3体の異形の肩や胴や首が切り裂かれる。明らかに間合いではないにも関わらず。】
【『さて一気にいくぞ』とオッツダルヴァは呟くと体勢を崩した異形へと素早く駆けていきそのまま幾度も剣を振りながら突破を図る】
【オッツダルヴァが剣を振るうたびに異形の身体は切り裂かれ赤黒い液体が飛び散るがそれも器用に躱していく。】

【二人もそれに便乗してついていけば、異形の多少の攻撃はあるが掻い潜れるだろう。】

//少女さんも同行している流れになります!
145 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 18:26:19.49 ID:RfvXQyZaO
>>144
【彼の笑みの意味を人形は測りかねていた。見立て通りという言葉からしても、まるで自分たちを便利な手駒を見つけたかのように見ているようで】
【しかし同時に、何か今の自分にはわからない大局を見ているかのようでもあった】

【ともあれ、歩みは進める。つい今しがた人だけが消えたような食堂車の様子を訝しむ。しかし、答えが用意されているでもない】

……ええ、もうUTを名乗って動いているのは僕ぐらいかもしれませんね
オッツダルヴァさん、ですか……ええ、こちらこそお会いできて嬉しいです
氷の国の軍人さん、ですかね?

【明らかに偽名としか思えないが、それ以上の詮索はしなかった。今はこの事態の打開が先決だ】

……はい。僕も命は惜しいですからね。もう躊躇いはしません
!! また出てき……な!?

【その軍人の腕がどれほどのものか、その片鱗をギアは見た。自分が少女の支援を受けてやっと一人倒した怪物を、こうも容易く三人も】
【彼も何らかの能力者か。だがそんな疑問など抱く間も無く、彼は走り出す】

【ギアはどうにかオッツダルヴァに続き、サーベルを振り抜いて異形の攻撃を防ぎ、赤黒い液体をかわし、時に少女をかばいながら】
【生き人形は乾いた足音を軍靴の音の後に続かせる】
146 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 18:47:35.00 ID:/q2u4W020
>>145


『たった一人になっても組織の意思を継いで戦い続ける、素晴らしいじゃないか。』
『私は―――さぁ、今はどうだろうね。』


【ギアの問いかけには自分自身でも決めかねているような曖昧な回答をする。】
【何とか三体の異形を掻い潜れば、再び客室が並ぶ車両へと到着する事になる。】
【足早に駆けながらオッツダルヴァは視線を一度窓の外へと向けて、そして立ち止まる。】
【まるで狼のように鋭いその眼は黒くそびえる山脈の奥を見つめている。】


          『見て見ろ、どうやら我々は悪夢の中へと迷い込んでしまったようだね。』



【オッツダルヴァの視線の奥、黒い山脈の奥に見えるのは巨大な山?いや、違う】
【それは巨大な生物の影だった、巨大と言っても山脈より巨大なのだ、もはや常識の範疇ではない。】
【鞘形類のようなその大きな影は身体から伸びる幾つもの触手をうねらせて深い霧の中へと消えていく。】
【その異常をあまり長く眺めてしまえば精神、魂に汚染が生じるかもしれない。】


『さて、どうやらこの先が先頭車両のようだ。いいかい?』


【そうこうしているうちに一行は先頭車両へと繋がる扉の前にいた。】
【オッツダルヴァはドアノブに手をかけながら視線を後方に流して問いかけた。覚悟はできているかと】
147 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 19:05:39.17 ID:RfvXQyZaO
>>146
……そうですね。たとえ一人でも、僕はUTのメンバーです
……ミステリアスな人ですね、貴方も

【ギアもそれ以上の追求はしなかった。彼のうちの迷いが何かは知らないが、そこにはおそらく余人が立ち入れない苦悩があるのだろう】
【そのまま客室へ、さらにその先へ。走り続けていたギアは、オッツダルヴァが突如立ち止まったことで危うくぶつかりかける】

ど、どうしたんですか!? 外……!!!
なん……だよ、あれ……!!

【思わずギアは呻いた。山脈であると、当然のように思っていたものが、あのような】
【巨大な怪物を見たことはあるが、あれほどのものは初めてだった。うねる触手の一本一本が、島ほどもあるように見えた】

【ギアは本能的な恐怖を覚えて目をそらした。こんな世界に長くいたら正気を保てなくなる】
【どうにか己の精神を留めるためにもギアは駆け、今度は閉ざされた扉の前で止まることとなる】

……ええ、いけます

【オッツダルヴァに短く返答し、ギアはサーベルを構えた。己の覚悟など、この冒涜的な世界の中では嵐の中の木っ端に過ぎないだろうと自覚しながら】
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 19:40:33.65 ID:hplBwCVT0
>>146
>>147

【自分はただただ普通に買い出しへと向かう途中だった。お店に出す商品の買い付け。どちらかといえば女性が好きそうな香り高いハーブティーだったり、柔らかにかおる香水の材料とか……そんなところ】
【だからオッツダルヴァと名乗った者の『心当たり』の問いには首を横に振った】
【自分のようななんでもない者が、なんの理由で……いや、理由なんてないのかもしれない。本当にただの、偶然で……?】

【少女は名を「フィオです」と名乗った。邪魔にならなくてよかったとギアに微笑み、手助けをありがとうとオッツダルヴァに会釈する】

【水筒をひろって彼らの後ろに付いていく。二人が強いから特にフィオは何もせずに守られてばかりだったのだけれど】
【それでもできるだけの補助はした。役に立ったかはわからないけど、きっと邪魔にはなっていないはずって信じて】
【ーーーーそして先頭車両前。フィオは二人の視線を追うーー目の前にーー】

嘘……山が……動いている……?

【フィオはそれをすぐに『生物』だとは認識できなかった】
【見れば見るほど不気味なそれは見てはいけないーーと自分の中の何かが警告してくるような……そんな禍々しさを放っていて】
【ぐ、と爪が手のひらに食い込むくらいに握りしめる。そうでもしないと泣き出しそうでーー】
【しかし二人の後ろ姿をみてふるふると弱くだが決意をしたように首を振る】
【もう片方の足に装備した水筒に触れ。こんなもので役に立てるかとか足手まといなんじゃないかなんて思いも巡るけどーー】

ギアさん、オッツさんーー
私、絶対に負けませんっ!

【キリと目の前の扉を睨みつけて】
【二人に向かって力強く、頷いたーー】
149 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 19:53:31.61 ID:/q2u4W020
>>147>>148

【二人の答えにオッツダルヴァは満足げに頷いてドアノブを回す。】


【扉が開く―――】
【その先は、列車の中であって列車の中ではなかった。】
【そこは古びた時計塔の内部であろうか、埃立ち蜘蛛の巣がある開けた空間。四方には巨大なステンドグラスと】
【奥にある一辺には時計盤の裏が見える、そしてそのすぐ前にある玉座に腰掛けている人物が一人。】
【深く座り、虚ろな雰囲気を纏うストライプの入った赤いスーツに同じ柄のソフト帽、銀色の長髪に赤い瞳といった風貌の隻腕の女性だ。】

【女性は三人へと顔を上げて、ゆったりと微笑む。】


―――やぁ、ようこそいらっしゃい来訪者の皆。
中々に面白い夢の中だろう?君達異能者、特に依り代になりやすい媒介≠以て行った結界術式は。

私はマリアベル、深淵渡り≠ネんて呼び名もある。


『ふむ、君の自己紹介に興味はないのだがこの現象の中枢である事に間違いはなさそうだね。』


【『であれば』とオッツダルヴァは騎士剣を構えてマリアベルに相対する。】
【―――聞こえるだろうか】


【ずるずる】   【ずる】ずる


                          【何かが這ってきている】
150 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/04(土) 20:02:26.22 ID:qCZlHq0U0
>>142
/すみません、離席してました…
/今からでもよろしければ是非お願いしたいです!
151 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 20:05:11.83 ID:RfvXQyZaO
>>148
>>149
【彼女の挨拶には、「よろしくお願いします、フィオさん」と笑顔で返した。それは、魂だけの人形になってしまった上にこの狂った世界に迷い込んだ身として】
【己の正気を保つための防衛行動でもあったのだろう。本来なら彼女の謙遜になおも恐縮しているところだが、この状況ではそんな余裕すらなかった】

【フィオの援護にまたも助けられて、オッツダルヴァの力に舌を巻いて。だが、そうしてばかりではいられない相手が扉の向こうには待っていた】


今度はなんだ!? この構造、時計塔か……?
空間の繋がりがめちゃくちゃだ……

……凝った玉座だ。お前が黒幕か
全く面白いよ、風邪を引いた時に見る夢の部類だけど

その言い草だと、僕らを狙い撃ちにしてやったわけか
何のつもりか知らないけど、こっちは深淵に沈む気は……

【どうにか虚勢を張ってサーベルの切っ先をマリアべルに向けたギアの言葉は途切れた。その不気味な音を聞きつけたからだ】
【オッツダルヴァやフィオの死角をカバー出来る位置に陣取ると、四方を素早く確認する。音の出どころはどこだ。何が迫ってきている】

【人形の身体では冷や汗も流せないが、この時ばかりはその方がありがたかった。魂は恐怖と戦い続けていたから】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 20:27:10.94 ID:hplBwCVT0
>>149
>>151

【隻腕の……黒幕のオーラを纏う女性にも対して態度の変わらないオッツダルヴァ】

【人形ーーフィオはまだ気づいていないがーーの恐怖を反映しない身体のギア】

【ーーそれとは対照的に。フィオの冷や汗はポタポタと涙みたいに顔に伝い、垂れ落ちて】
【涙じゃないからたくさん目に入ってしみるはずなのに瞬きもできない。フィオはもう目の前の虚ろな女性から逸らすことができない】


(ーーなんて言った?)


【媒介。彼女はそう言った】
【偶然……だと思っていた。自分がなぜかここにいるのも、巻き込まれてしまったのも】
【本来ならもう今頃目的地についてゆったりしていたはずなのに】

【『フィオ、お前は……いろんな……僕が思いつかないくらいの大きなものの媒介になりやすい体質だから』】

【亡き父親の声が頭に響くーー】

【『気をつけなさい、捕まらないようにね』】

ーーーーわ、私のせい?

【小さいながらも引きつった声、それはオッツダルヴァに聴いているのかギアへの質問なのかそれともマリアベルと名乗った女性に答えて欲しかったのかーー】
【なにかの這う音すら耳に届かないくらい、フィオの思想はぐちゃぐちゃに掻き回されてーー】
153 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/04(土) 20:35:19.08 ID:WKtE7QYw0
>>150
//お願いいたします!
154 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 20:35:53.36 ID:/q2u4W020
>>151


【ずる】


     【ずる】

                      【ずるり】



【気が付けば、時計盤以外の三方にあるステンドグラスに外側から何かが張り付いている。】
【それは触手だった、数十メートルにも及ぶかという巨大な触手がこの空間を取り囲もうとしている。】
【オッツタルヴァはその光景を横目で見ながら口元を緩める】

【そして、二人へと視線を流す。】


『二人とも、飲まれるな。』
『彼女が言うようにこれは人の精神に感応している悪夢のようなものなのだろう。』
『故にこちらが反応すればするほどに相手の思うつぼだ、付き合う必要はない一撃で決めるぞ。』


【『マリアベルとやらに一点集中しろ、周囲は私がやる』】
【そう言うと今にもステンドグラスを破らんとする触手に視線を向けてオッツタルヴァは剣を構える。】


【ずる】


      【ピシリ】


                                【ガコン】


                
                            【ガシャァァァァァッッッン】



【一呼吸のあと、触手はガラスを突き破り濁流のように内部へと流れ込む。】
【触手には無数の眼がついておりその一つ一つがギョロギョロと動き回る。】
【オッツタルヴァはそれに向けて高速で剣を幾重にも振る。】
【流れ込む触手は一瞬で細切れになり、それを踏み越えるように次の触手が流れ込む。】

【すかさず刃を振るうが、オッツダルヴァの体力がどこまで持つのか―――】
【ただ一点、触手が流れ込まない時計盤の前に座るマリアベルへの道は開けたままだ。】
【マリアベルはただ微笑んでいる、まるで児戯を見る母親のように。】


【オッツダルヴァの言葉を信じ、ただ一撃に全てを込めるべきか否か。】


【彼は二人に背を向けて斬撃を放ち続けながら視線だけを後ろへ向ける。】


『フィオくんと言ったか、それはきっと違う。キミの体質がどうあれこの結果はなるべくしてなったものだ』
『だがそこに自責の思いがあるのなら―――ただ前へと進め。』


『ギア・ボックス、彼女の道をサポートしてやれ。』

【『任せたぞ』とそれきりオッツダルヴァは口を開かなかった。】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 20:40:33.34 ID:f+x56qfE0

【深夜――】

【不気味な靄が微かに烟っていて見通しは利かない。気まぐれな風が木々を揺らす喧騒だけが、唯一確かなものだ】
【その"怪異"は森の奥深く、獣道を掻き分けて進んだ先でようやく見つかった。月よ陰れとばかりに天へと伸びる古塔の廃墟である】
【そこら中に崩れた煉瓦が散乱し、雨でも降ればすぐに倒れてしまいそうなほど頼りなく――それでいて、それは小動もせずそこに在った】

【春の陽気も消え去って、冷たく張り付くような空気が漂うその場所に、ひとりの人間がいる】


 ………。さて。
 どうするかな、ここから。
 

【それはすらりと背の高い、二十代半ばぐらいの女である】
【白いジャケットに深紫色のインナー、黒いレギンスに赤褐色のブーツ。腰には大小多くのポーチが付いたベルトと、活動的な服装】
【桜花の柄の腰布とハーフアップに編み込んだ髪を留める二本の簪、左腰に佩いた緑鞘の刀が、桜の国特有の風情を醸し出している】
【淡く月の光と同じ色を差す長髪は、毛先へと流れるにつれ鮮やかな新緑の色へと彩りを変えており――】
【深紫の瞳は優しく抱く宵闇のようでもあって、しかし丑三つ時の澱んだ闇よりまだ深く、見通しきれない何かを秘めていた】

【女は塔の入り口らしき部分の脇にしゃがみ込んで、ごそごそと何かをやっているようである】
【――その足元にあるのはヒトの死骸だ。恐怖にまみれた表情のまま命を失くした肉塊。飛び散った血は、未だ新鮮なままだった】


156 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 20:52:41.60 ID:pUZIhJHb0
>>152
>>153
……フィオさん。貴女のことは会ったばかりで何も知らないし、狙われる心当たりがあるのかもわかりませんが
単純に考えましょう。貴女にどんな事情があったとしても関係ありません。悪いことしてるやつのせいに決まってるでしょ

【そう言いつつも、流石にギアの身体はカタカタと乾いた音を立てて小刻みに震えていた】
【仮初めの器に魂だけの存在であるギアは、こうした精神に関わる力の影響をモロに受けてしまう】
【必死に視線を、意識を、眼前の敵一人へと固定する】

長引くほど、こっちの不利ってわけですか……わかりました
やってやりますよ。フィオさん、酷ですが今は全員でやらなきゃ勝てません。僕が先行します。続いてください

【精巧な人形の歯をギリリと噛み締め、ギアは身構える。ガラスが破られる音も、背後のオッツダルヴァの剣撃の音も、全て頭から締め出して】
【鋭く細く。狙うはマリアベルの心臓一点。サーベルの切っ先を向ける】

―――!!!

【無言の気合いと共に、ギアの靴底が破裂し、巨大なスプリングが飛び出した】
【その勢いでギアの身体はマリアベルへと飛ぶ一発の弾丸となる。サーベルを刺突の形に構えたまま、一直線に。回転しながら飛ぶ様はライフル弾の如し】

【マリアベルの視線から、フィオを庇う軌道だ。何の妨害もなければ、そのままマリアベルの胸の真ん中を刺し貫けるはず】
【当然、何の妨害もないはずはない。己の目立つ動きが、フィオのための囮となれば充分だと、そう考えて】

【捨て身の一矢の成否は果たして】
157 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/04(土) 21:00:38.08 ID:qCZlHq0U0
>>142

【ただそんなことを急に言ったところで誰もが冗談としか捉えず】

『じゃあ、明日のサッカーの結果を教えてくれ』

【だとか、そんなようなことを聞くわけだが】

20年も前のことを覚えてるか?マニアならまだしも、そんな細かいこと覚えちゃないよ

【煙草を吸いながら、彼は笑う。「それに」と付け足して】

もうすでに俺の知っている歴史とは違うかも知れないんだ。SFは好きか?
連鎖的に時間ってものは変化するんだよ。

【なんて預言者だとかそういうたぐいのペテン師がみな言う似たような理論を口にして】

だが、歴史が変わってなけりゃ…ここの店の名物のガーリックシュリンプは
先代のおやっさんの好物で、代替わりしてからは売ってないはずだ。あんたが甲殻類のアレルギーだから。

【ありきたりな会話は、酒場でのマナーみたいなものだ。100回同じ話をして、同じオチで笑う】
【15分後に刺客が来るという未来はイレギュラーだが、まだ誰も気づかない】
【少女の視線は目ざとく気がついているが、彼は何も触れなかった。見られたぐらいで難癖つけるほど若くない】

/よろしくおねがいします!!
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 21:13:59.28 ID:hplBwCVT0
>>154

きゃぁあぁッ!!

【純粋な驚きだった。思考に必死だったフィオはガラスの割れる音にこれでもかというくらいに驚いて】
【悪夢みたいな触手に、絶望してーー】
【飲まれるなとオッツダルヴァに言われたばかりなのにもう、あと人差し指でツンと押して仕舞えば飲まれてしまいそうなほどーーでも】

なるべくして……

【ぼやりと言葉を繰り返す】
【「お前は悪くない」っていわれたふうに聞こえたのならちょっと大袈裟なのかもしれないけれど、元々前向きなフィオだーーこの二人を巻き込んだのは自分のせいじゃなく、目の前にいるマリアベルなのであればーー話は別だ】
【ぱち、と両頬を叩けば戦ってくれているオッツダルヴァの背に向かって明るく、言い放つのだろうーー】

オッツさん、私、彼女に話つけてきます!!


>>156

【出会ったばかりの、まだ名前しか知らないギアの後ろについたーー】
【ーーあ、この人も怖いんだーーなんて妙に落ち着いたもんだから彼の震えが、恐怖が、伝わってきちゃって】
【それでも前へ進む彼の後ろを、先程開けた水筒の残りの水でーー水晶で応戦し】

【禍々しい空間に星みたいにきらきら散る水晶ーーやがてそれはマリアベルへ続く道になる】

ギアさんのいう通りです
悪い人が悪いんです!だからこの悪夢だってすぐに覚ましてーー

【もう片方の水筒を開けて投げればクルクルと綺麗に回転しながら針みたいに細いクリスタルが無数に出来上がって】

私たちみんなでお家に帰ります!

【弾丸のギアを援護するようにそのクリスタルはマリアベルへと向かって燕みたいに飛んでいくーーある程度の妨害なら弾くことができる……かもしれないがーー】
159 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 21:26:56.49 ID:/q2u4W020
>>156>>158


【弾丸のように、流星のようにマリアベルへと駆けるギアボックス。】
【それを援護するかのように無数のクリスタルを放つフィオ】
【マリアベルはその二人の攻撃に対して身じろぎすらしない、ただ口元を緩めて呟く。】


                 ―――正解♪


【そしてなんと二人の攻撃はマリアベルの身体と彼女の座る玉座を通り抜けてしまう。】
【そのまま時計盤へと突き刺さるだろう―――そして、その一撃がトリガーとなったのか】
【ガコンッと、時計盤が動き始める。】


【マリアベルはその様子を満足げに見てからオッツダルヴァへと視線を向ける。】


さて、かくして止まっていた時は動き出した。これでもういいんじゃないかい?


『―――やはりそう言う事か、全ての中心はキミではなく私か。』


ああ、そうだよあの日に死んだ君の怨念とも言うべき意志が働いた結果さ。


【まるで答え合わせをするように二人は会話を始める。】
【いつしか触手の侵攻は止っていた。オッツダルヴァは項垂れた様子で視線も定まっていない。】

【周囲へと視線を向ければ、この時計台の空間が徐々に崩れ始めている。】
160 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/04(土) 21:33:23.91 ID:WKtE7QYw0
>>157
【香辛料の効いた骨付きの肉を綺麗に食べ終わると、近くに備えられたテーブルナプキンで口を乱暴に拭きカウンターの上に転がす】
【席から降りると視線を向けていた男の方に近づいていき、席を引き改めて男の隣に座る】

【別に立ったままでも良かったのだが、身長が152cmしかないため見上げて話していてはあまり格好がつかないと思ったのだ】

お話してるところ申し訳ないですね。
重ねて不躾ですが、なぜ未来から来たというお話をしようと思ったのですか?

【と言葉通り不躾でしかない質問をする】
【その目には茶化そうなどという感情は宿っておらず、純粋に疑問に思っている目をしている】
【だが純粋であればいいなんてことは一切なく、それ故に寧ろより悪いこともある】

【それを聞き少女は男と同じ方向を向いた】
161 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/04(土) 21:34:20.81 ID:WKtE7QYw0
>>157
//よろしくお願いします!
162 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 21:40:36.88 ID:RfvXQyZaO
>>158
>>159
【眩いばかりに輝く水晶たちは、こんな時でなければ見とれていたくらいに美しかった】
【そんなクリスタルの群れと共にギアは飛ぶ。悪夢を払うため。だか】

な……!!?

【伝わった手応えにギアは絶句した。本人はおろか玉座すらにも触れ得ず。決死の攻撃は、むしろ何かの引き金を引いていた】
【即座にサーベルを時計の文字盤から引き抜いたが、すでに「時」は動き出していた】

なんなんだ……何を言ってる!?
オッツダルヴァさんがもう死んでる……?

!! 空間が……クソっ!! とにかくここにいちゃまずい!!
フィオさん、早く引き返すんだ!! オッツダルヴァさんは……

【ギアは叫びながら振り向き、入ってきた扉へと駆け寄ろうとする】
【フィオにはそう言うが、オッツダルヴァに対しては二の句が告げなかった。マリアベルの言うことが真実ならば、彼は恐らく戻れない】
【躊躇えば終わりだ。しかし、先ほど会っただけとはいえ、共に戦った彼を見捨てるのか】

【その逡巡も、恐らくは無意味なのだろう。いつも残酷極まるこの世界においては】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 22:03:06.59 ID:hplBwCVT0
>>159
>>162

なっーーーー?!

【すり抜けたクリスタルはパンッと音をたてて無残にも散る……】
【いや、散るだけならまだよかった】
【これを表現するに一番近い言葉はーーやらかしたーーだろうか?】
【先程までとは違う明らかな変動ーー止まる触手に、訳のわからない二人の会話】

な、なに?どういうこと?

【さっきまでの威勢は何処へやら、狼狽える瞳が揺らぐーーここで泣き出して周りの大人がなんとかしてくれるような本当に何もわからない赤ん坊だったらどんなに楽だったのだろう】
【もちろんフィオは何をわかっているわけでもない。それこそ赤子のようにーーでも《まずい》というのだけはハッキリわかっている。嫌というほど、感じたことがないくらいには】

【崩れ出す時計塔に後退り、駆け出すギアにわたわたと付いて走る】

【ーー何がどうなっているの!?と自分の声が頭に響く】
【抗うように、もがくように逃げるーーが、その歩みを止めてしまう者がそこにはいた】

オッツさん……っ

【項垂れた姿に思わず足を止める。なんならよろよろと駆け寄ってーー駆け寄ったつもりだけど駆けてるように見えない足取りでーー】

逃げましょう、危ないです、やられちゃいます!!

【服を掴んで、引っ張ってみる。先にいるギアのもとへ二人で行こうと、項垂れる彼の裾を、今出せる力いっぱいにーー】
164 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/04(土) 22:03:35.01 ID:qCZlHq0U0
>>160

【男は急に少女が隣りに座っても驚かなかった】
【まるでこちらに来るのが見えていたかのようだった】

…天気の話をするよりかはずっとマシじゃないか。
それより、何だ?今の話、信じるのか?

【ふっと笑って。店主に声を掛ける】

店主、嬢ちゃんにジュースでも出してやってくれ

【店主は待っててくれとバックヤードに消えた。すると男はサングラスを外す】
【その目は赤かった。白であるべきのところが真っ赤で、血のようで】
【瞳は真っ黒だった。不気味でそれでもどこか美しい】

………良くないことが起こりそうだ。離れていてくれ

【しゃがれた低い声を更にワントーン落とし、彼はそうつぶやいた】
【右手でタバコの火を灰皿に押し付け、もみ消して】
【彼は懐からゆっくりと、カウンターのしたで隠すように腰の拳銃を抜いた】

【44口径のような大型のそれ、シルバーは薄い赤みを帯びていて】
【美術品のような美しいエングレービングが全体に施されていた】
【それの撃鉄を、音を立てないように、ゆっくりと起こした】


【3分後、入り口から入ってくる2人組は入ってくるなり、男を見つけると】
【手にした拳銃を彼に向けるだろう】
165 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 22:16:23.94 ID:/q2u4W020
>>162


『―――それでいい、ギア・ボックス。』
『私に構うな、私は既に櫻州≠ナの戦いで敗れ死んでいる。ようやく思い出したよ。』
『だが道半ばで斃れた事や氷の大地へ戻ると言う怨念が水と氷を結ぶこの列車に取り憑いたのだろう。』


【オッツダルヴァは全てを悟ったように崩れ行く天井を見上げながらそう呟く。】
【もしギアが数か月前に櫻州≠ナ起きた出来事を知っていれば彼の顔にも見覚えがあるかもしれない。】
【彼は一歩も動こうとはしない。】

『そして生き人形≠ナある君と媒介体質≠ナあるフィオ君の二人が偶然乗り合わせた時』
『二人を依り代としてこの異界を作り上げたという訳か。』

―――そ、まぁ私がより意識を定着させやすいように少し術式を加えてるけどね。
中々いい悪夢が見れたよ、おかげで物語≠烽ワた少し揃った。

そして―――君たちの力によって彼の止まった時は動き出した。であれば
この空間も時期に終わる筈さ、私の術式も時計盤に連動させてあるしね。


【マリアベルはまるで舞台監督のように身振り手振りで説明しながら脱出しようとするギアとフィオを見る。】

>>163

【フィオに強く引っ張られるがそれでもオッツダルヴァはびくともしない。】
【だが視線を上げた彼はどこか満足げでフィオを見ると、彼女の頭を撫でようと右手を向ける。】

『いや、もういいんだ。私は既に終わった者だ今更どうにもならない。』
『ただ最期に君たち二人の前へ進む意思を見れただけで充分だったのさ。』


『付き合わせてしまってすまない、願わくば君のような子供が戦場に出ないような世界になるように』
『―――全ての子供に幸があるように、願う。』


【それだけ言うとドンッとフィオの背中を強引に押してギアの方へと突飛ばそうとする。】
【『彼女の事は任せたぞ、ギア・ボックス。勇敢な戦士』そうギアへ視線を向けると時計盤の方へと歩きだす。】



【時計塔の崩壊は止らない、オッツダルヴァの姿も瓦礫の中へと消えていく。】

【マリアベルは最後まで微笑みを浮かべたまま左手を掲げて指を鳴らそうと構え、そして―――。】


                    夢は終わりだ



                      【ガコン】




【―――】
【―――――】
【――――――――】


【気が付けば二人は列車の中、自室にいつの間にかいるだろう。異変が起きる前と変わらず。】
【耳を澄ませば部屋の前を行き交う足音や隣の部屋の話し声が聞こえてくる、そして】
【窓の外にも白く澄んだ雪山が広がっている。】

【もし廊下へと出て見れば二人は出会うかもしれない、何故なら二人の部屋は隣りあわせだったのだから】
166 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/04(土) 22:37:28.60 ID:WKtE7QYw0
>>164

ええ…そうですね、うまく言語化できないですけど、信じて話を聞いてみたいと思いましたね…。

【自分の言葉を自分で確かめるようにやや伏し目がちになりながら言葉を答えた】

ありがとうございます。

【バックヤードに消えていくマスターを目で追いながら言う。もちろんご馳走になったことへのお礼である】

あ、マスター料理美味しかったです。

【背中に向けそう言葉を発した】

【サングラスを外した男の目を見る。眼というのはそれだけで印象的なものだ】
【それは多分生物の本能に根ざしたものなのだろう】
【この少女は人工的に造られた人間だが、構造は同じなので同じようにそういう感情を持っている】

【その眼は殊更に印象的なものだった】
【本来であれば人の眼というのはそんなにじっと見るものではないが】
【それも忘れて思わずじっと見てしまうような…】

【何かに気付いたように再び見ていた方向に向き直る】
【その後男の言葉を聞き】

わかりました。

【と短く答え、席を立ち壁際に寄る】
【その後僅かに静かな時間が流れて、入り口から男の二人組が入ってきた】
【その二人組は入ってくるなり拳銃を構える】

【少女は驚かなかった。良くないことが起こると今席を共にしていた男が言っていたのだから】
167 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 22:41:43.61 ID:pUZIhJHb0
>>163
>>165
櫻州の……そうだその声、その顔……貴方まさか、あの件の氷の国軍の……!!

【ギアもあの件の情報は、ニュースやカニバディールとの情報共有によって知っていた】
【そして全てを悟る。やはり彼は死者であり、彼とはここで別れねばならないのだと】

たまたま、僕とフィオさんがそういう存在だったから……そういうことですか

マリアベルとかいう女は、何が目的かは知らないけどそれを助長した……
お前は気に入らないけど、ここから戻れるなら今回はもういい。出来れば二度と会いたくないね

……オッツダルヴァさん。いや、「テルミドール」さん。ほんのひと時でしたけど、共に戦えて光栄でした

【出口を確保しながら、ギアは芝居掛かったマリアベルを無視し、オッツダルヴァに、いやテルミドールに氷の国式の軍礼をすると】
【テルミドールに送り出されただろうフィオを促して先に出そうとする。任せたと告げられた言葉にはただ頷いて】
【ギアは崩れ去る夢の世界を後にするだろう】


…………。ひどい悪夢だ

【ギアは戻ってきた自室内でそう呟いた。降って湧いた一瞬の、されど濃密な悪夢。夢から醒めても、この先つきまとうだろう記憶であった】
【白い雪山を確認して、周りの人たちの音を聞いて、まずは戻ってきたことを実感し。ギアは部屋の外に出た】

【もしフィオと鉢合わせたのなら。何とも複雑な表情で、彼女に改めて現実での挨拶をするだろう。奇怪な戦いを共にした戦友として】
【そして、窓の外の雪山を再び見やると、静かに目を閉じてテルミドールへの黙祷を捧げた】
168 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/04(土) 23:00:06.89 ID:qCZlHq0U0
>>166

それが、良くない未来だったとしても?

俺は信じたくなかった。あんなクソッタレな世界が俺たちの結末だとな
だから、戻ってきたんだ。…世界をやり直すために

【彼の目は複雑だ。憂い、悲しみ、後悔のような悲哀と希望が入り交じる】


……いい子だ。

【入り口はカウンターの左側で、彼は跳び上がるように、カウンターから席を立った】
【2人組が拳銃を向けるより早く、彼はリボルバーを撃ち鳴らした】


<Bang!!>


【弾は2発で十分だ。無駄な銃声は起きず、彼の放った銃弾は2人の刺客の脳天を撃ち抜く】

【だが、それだけじゃない!】

【テーブル席で新聞を読んでいた男が立ち上がる。手には同じような拳銃を持っていた】


―――クソッ!!


【男は咄嗟に、腰に左手をやる。男はもう一丁のリボルバーを引き抜いた】
【黒色の対になるようなそれの撃鉄を起こしながらもうひとりの刺客に向ける】

【だが、その時バックヤードから店主が戻ってくる。】

【手に水平二連式、ロングバレルのショットガンを構えながら】

【キチリ。店主が構えた銃口の先に男を捉えた】

169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 23:03:46.80 ID:hplBwCVT0
>>165
>>167

【頭を撫でた手は、優しかった】
【今日会ったばかりで、なんなら名前だって偽名で、フィオは何一つ彼のことを知らないと言っても過言ではない】
【でもそれでも滲む泪は抑えられなくてーーポロ、と一雫。落ちた泪はキラリと水晶に変わって床に落ちたーーそれは彼女が使える魔力の限界を意味していて】
【押された背中、抵抗もなくギアのもとへと向かわせられーー促されるまま、現実へと向かう】
【最後にちらりと振り返って、ギア越しに二人の姿を見れたのか、見れなかったのかーー】

……私のバッグ……

【本当に唐突な戻り方だった。ドラマチックな演出があったわけでも、体を劈く痛みがあったわけでもなく、ただ当然に、ずっとそこに居たかのように立っていて。人々の声も聞こえてきて】
【安堵ともう一つ、よくわからない感情が込み上げてほろほろと目から水晶が零れ落ちる】

制御できなくなってる……

【そう言って列車の、豪奢な椅子に座って心が落ち着くまで一人で座っているのだろう】
【そうやって落ち着いて、列車も無事に目的地に着いて降りる時にでもギアと鉢合わせてーー「怖い夢でした」なんて強がってーーやがて目的地へそれぞれ向かうのかもしれないーー】
170 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/04(土) 23:07:37.46 ID:/q2u4W020
>>167>>169

【時間にして経過したのは数秒程度のようであった。】
【本当に夢だったのか、いやそんな事はきっと二人は分かっている筈だ。】

【―――そうして列車は進んでいく、その先に何があるのかも知らぬままただ真っすぐに。】



【異界列車=\――終幕】


//お二人ともありがとうございました!
171 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/05/04(土) 23:14:01.82 ID:pUZIhJHb0
>>169
>>170
【もともとのギアは小市民だ。だから人の心に踏み込む術など持ってはいない。フィオの抱える闇をどうにかすることは出来ない】
【だからせめて、フィオが了承するなら彼女に名刺を渡すだろう。「探偵の真似事をしてるんです。何か困ったことがあれば、協力しますよ」。そう言うのが精一杯だった】

【異界で体験した出来事、あれが何だったのか。闇の中に隠れた事実を知る時は来るのか】
【わからない。だから、また進み始めるしかない。フィオと別れれば、ギアは歩き出す。闇に包まれた未来へ向けて】
【あの戦いに恥じないよう、立ち止まらず進むのだと自分に必死に言い聞かせながら】

/お二方、長時間ありがとうございました!
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/04(土) 23:26:12.00 ID:hplBwCVT0
>>170
>>171

探偵って普通そんなにお強いですぅ?!

【なんて声が響いたのは言うまでもない】
【ペコペコしながら名刺を受け取り、私からもと渡されたのは彼女の経営するハーブ専門店《LIORO》のパンフレット】
【もし興味があれば……プレゼントとかにも……なんて言いながら恥ずかしそうに手渡ししーー】
【また機会があれば会えるといいですねーーそう言ってフィオレンティナは微笑んだ】


【やがて目的の物を手に入れたのならば、彼女はまたその列車にのって帰るのだ。今度はきっと何もなくーー】

//初ロールでしたが大変楽しかった&勉強になりました!
//お二方ありがとうございました!
173 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/04(土) 23:27:05.36 ID:WKtE7QYw0
>>168

【男の言葉を、表情を見】

そうですか…どんな未来も信じることから始まると思いますから…。

【伏し目がちになって僅かに俯きながら答えた】

【店内の新聞を読んでいた者が銃を構えた時点で咄嗟に反応していた】
【少女は壁際に寄ったときから備えていつでも戦闘態勢に入れるよう準備していた】
【だからそれは殆ど反射のようなものだった】

【少女の身体が筋力だけを由来にしている速度とは明らかに逸脱した速度で銃を構えた刺客へと一直線に突っ込んでいく】
【それは比喩ではあるが弾丸のような勢いで】
【そしてその勢いを足裏に乗せて刺客の胴体ど真ん中にめり込ませる】
【椅子とテーブルを激しくひっくり返しながら吹き飛んでいき】
【壁にヒビを作るほどの衝撃で激突する】

フゥゥ…

【呼吸を乱さないために整える呼吸を発しながら、すぐさま周囲に警戒を張り巡らせる】
174 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/05/04(土) 23:46:35.69 ID:gbipCJ3F0

>>129

だからこそ……ですか……

私は……お祖父様を見返してやりたい……
失敗だって取り戻せるんだって、私こそがお祖父様の後継者として相応しいんだって認めて貰いたい……
私は父様達とは違うんだって証明したい……
【その為だったら、と呟かれた声。固い意思の現れで】

【渡された指輪。ついととられた左手のその薬指、小さな指輪が嵌められれば少女は「ほんと、ですか?」と小さく尋ねる】
【本当に祖父に誉れとして貰えるのだろうか?そうなら良いのに】
【この世の果てまで愛してくれるだなんて、夢みたい、だけれども】
【そんな想いをその一言に乗せて】

……ええ、何処までも、御伴致します、道賢様

わたしの、いとしいひと──

【とられたままに絡められた指。重なりあった手と手】
【抱き寄せられた身体は白く、柔らかで】
【漂った甘い香り】
【桜色の両頬に挟まれた桜の色よりは濃くとも淡い色合いの花弁二枚】
【その口づけを、受け入れて──】


175 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/04(土) 23:52:30.18 ID:qCZlHq0U0
>>173

……いい言葉だ――――


【俺は咄嗟にテーブルの男に向けた銃の引き金にかけた指を離した】
【そして、見えていた。背後で店主が俺にそのタブルバレルを向けていることが】

【俺は人知れず、能力を使った。視界が真っ赤に染まっていき、赤と黒で構成させる】
【赤と黒のブルースは、時間を止める。実際に止めるわけじゃない。考える猶予を能力が与えてくれる】
【映画に良くある手法で『バレットタイム』というものがあるが(銃撃戦とかのシーンでゆっくりになったり止まったりするあれだ)】
【俺の視界はそうなって、ショットガンの散弾を避ける、算段をつける事ができる―――】


―――ッッ!!


【とはいえ、歳だ。考えたとおりに体が動くとも行かず、まるで転がるように背後からの一撃を避ける】

【激しいショットガンの爆音と、床板を撃ち抜く音が真横に聞こえ、俺は店主に向けて銃を向けた】


<Bang!!Bang!!Bang!!>


【床に倒れた俺はなんとか左腕を伸ばし、連射した。カウンターごと。木製のそれは軽々貫通し】
【店主の体に叩き込んだ。44口径に近いそれの威力は十分だ。店主は後ろに倒れ、リキュールが並べられた棚に激突し】
【ガチャガチャと瓶を降らせて、それが割れて。銃声の耳鳴りが消えて、静寂が戻ってくる】


……そいつ、死んだか?

【息が荒い。年だ。俺はせめて冷静に取り繕いながら少女に声をかけた】


――訊かれそうな事を先に答えておく。まず、襲ってくることが予知できていたわけじゃねえ。
未来を知っていたわけじゃない。まずは勘。何かが違った。俺の知っているこの店のはずだがな。
だから、店主にカマをかけた。甲殻類アレルギーだったのはオヤジの方だったはずだ。
…年をとるとな、くだらねえ昔のことばかり覚えているんだ。だが、店主は―――それで気がついたんだ。

―――能力者か、あんた。
176 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/05(日) 00:22:26.45 ID:yTUBpRST0
>>175

【三連撃の銃声を聞き、男の言葉とともに振り返る】

手加減はしましたけど――――わからないです。

【その言葉に偽りはなかった】
【やろうと思えば首に蹴りを叩き込み、折ることで確実に絶命させることは出来た】
【なので一応は手加減はしたのだが、相手が銃を構えている以上こちらもある程度のスピードは確保しなければいけなかったので】
【その速度での蹴りが致命傷にならないほどに抑えられていたかはわからない】

【壁にもたり掛かりぐったりしている刺客の側に近寄る】
【臨戦態勢に入り鋭敏になった感覚がその刺客の僅かに繰り返される呼吸音を感じ取る】

生きてますね。一応。

【男の方に向き直って答える】

能力者ですね。あなたも…

【歯切れ悪く聞き返す。倒れた店主の方に僅かに意識を向ける】
【蹴りを叩き込んだ後にすぐに店主の方を見た】
【ショットガンを発砲してるしてるとこで、それを躱しているとこだった】

【それは未来がわかっているような動きだった】
【未来がわかっていたから躱せたのか、能力があるから未来がわかったのか】
【確定だと思えるものは当たり前だがいつもなにもない】
177 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/05(日) 00:51:26.65 ID:TuM9NK7J0
>>176


―――暫くは起きないだろうな。まあいい、放っておこう
どうせ、こいつらは何も知りはしないさ。

【俺は拳銃をしまって、カウンターの上に置きっぱなしのタバコを手にとって火をつけた】
【店内にはもうすでに気配はない。俺はくわえたまま死んだ店主のショットガンを拾い上げた】

巻き込んじまっただけじゃなくて、助けてもらってすまない。
わかってるだろうが、狙いは俺だ。未来を変えてほしくない奴らの差金だ


【ショットガンに弾を詰めながら俺は話す。――見えた少女の表情を探る】
【表情という表情の少ないやつだ。だが、その動き】

――ただの能力者じゃあないだろう。何者だ。単なるガキじゃないだろう
戦い方がわかってる。そういう動きだ。

【俺は煙を吐き出して、そう聞いてみた。最初、隣りに座ったときは】
【もしかすると敵の一味かと思った。だが、違う。運命の偶然だ】

【能力者はそういう運命の偶然に巻き込まれ、付き合わされがちだ】


――俺の目は死角がない。視えるんだ。弾丸がどこを狙ってるかもな
…奢りのオレンジジュース。飲むなら今のうちだ

逃げるにしろ、裏口も表口も待ち伏せていることだろう。
警察に電話してっていう手もあるが、あいにく俺はそういうわけにも行かない

通りに出たら、逃げろ。それまでは悪いが、付き合ってもらうよ
178 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/05(日) 01:15:52.28 ID:yTUBpRST0
>>177

いいえ、私も反射的に動いたみたいなところありますから。

事情はわかりました…。

【少女の胸中には今は物言わぬ肉の塊となってしまった店主だった男が最後に作ったであろう料理のことが思い返されていた】
【それはこの少女が食べた料理】
【"簡単に人に手を掛ける人間にも美味しい料理は作れるのだな"とそんなことが思い返されていた】

【だがそれはとても声に出して言えるものでもなかった】
【簡単に人に手を掛ける人間とは自分となにも違いはないのだから…】

私の能力は一言で言ってしまえば身体能力を強化する能力です。
それ故に徒手空拳で戦う技術はそのまま有効に使うことが出来ます。

実戦の経験も…少なくないと思います。

【説明を聞いて先程の動きを納得する】

私まだお支払いまだだったんですよね。
貰い手がいないというのは少し寂しいものですね。

【すぐに前を向いて。軽く拳を握る】

私なら大丈夫です。きっと切り抜けられると思います。
179 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/05(日) 01:50:05.59 ID:TuM9NK7J0
>>178

【煙草をもみ消して、俺はジャケットのポケットから名刺を取り出した】


金もねえ、若くもねえ…大した礼はできないが。これでもしがない探偵だ。
なにかあれば連絡してくれ。未来から世界を変えに来るぐらいだ
多少は、使える人間なはずさ。

【手渡す名刺には大したことは書かれていない。ROSSOの名と電話番号だけだ】

だったら後日、本物の店主にでも払えばいい。―――こいつらに殺されてなけりゃな
明日は今日よりマシな一日だと祈ってるよ。それは俺にも誰にもわからない。

あんたが信じるなら、俺は祈る。

【俺はショットガンを構え、ドアの蝶番とドアノブを撃ち抜いた】
【ショットガンを投げ捨てて、両手に拳銃を構える。トゥーハンド。安っぽいガンマンの真似事】

じゃあな、ハヴアナイスデイ。

【祈りは無意味だ。何もできない人間が唯一できることだ。信じるということはいくらかの理性があるが】
【祈りは神性だ。神は信じていない。ただ、祈りという行為がやすらぎを与えてくれると信じている】
【自分たった一人で世界を救うだとか、変えるだとかできるだろうか。だけれどそれをするならば信じている】
【それよりももっと祈るしか無い。明日はマシだと】

【そう言って、俺はドアを蹴破った】



/てな感じの俺たちの戦いはこれからだ!!的なところで〆させていただいてもよろしいでしょうか!
180 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/05(日) 02:29:30.07 ID:yTUBpRST0
>>179

【差し出された名刺を受け取る】

わかりました。
何かあったときは連絡させていただきます。

【そして名刺に目を落とすと電話番号と"ROSSO"という名を確認する】

そうですね。
明日はどう転がるかわかりませんけど、
信じること祈ることがもしかしたらふと止まりそうになる足を再び進ませることもあるかもしれませんから。

【ショットガンを構えドアを吹き飛ばすロッソに向かって言葉を投げる】

私の名はフロイトといいます。
次はガキじゃなくてそう呼んでくださいね。

【その声はショットガンの銃声と着弾の派手な騒音にかき消されてロッソの耳には届いていなかったかもしれない】

実は私能力者を[ピーーー]ために造られた存在なんです。
もしまた出会うことがあればそれが良きものだと"祈って"。

【ロッソは既に床を蹴り走り出していたのでその言葉がまたしても届いていたかはわからない】

【今の音を聞き刺客はみな表口の方に向かっていったであろう】

【フロイトはロッソとは正反対の裏口へと向かって歩き出した】


//〆させていただきました! 絡んでいただきありがとうございます。
 楽しかったです!
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 14:55:11.28 ID:AkDEdh7Z0
/>>155で21時ごろまで再募集します
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2019/05/05(日) 17:32:55.66 ID:dzeJx68X0
>>155
>>181
//まだおられますでしょうかー?

【この森の鬱蒼たる雰囲気に似合いの、病んだような青白い月明かりが、地上を照らす】
【澄んだ夜気はしんと静まり返って、静寂が耳に痛いほど】
【女の行いの一部始終を見届けるのは、ただ、夜空に浮かぶ月ばかりだと思われた──その時だった】


 どうするかな、ってのは──その死体の、後始末の話か?


【後方。夜の帳の向こうから、ふと何者かが、女に問いを投げかける】
【凛と冷たく透き通った響きの声音。追求するような有無を言わさぬ厳しい語調は、言外に「お前が下手人か?」とも問うていた】

【さながら猫のように足音もなく歩み寄ってくる声の主は、ひどく中性的な容貌の女だった】
【切れ長の目に、鋭い鼻梁。固く引き結ばれた、薄い唇。櫻の面影を残しながらも、櫻国人離れした、亡霊のような白皙の肌】
【肩に掛かるほどの高さで無造作に切り揃えられた烏色の髪は、ほの青く月光を透かして夜風に揺れる】
【長身に比例して長い手足を包む、闇に溶けるような群青色の長外套には、裾と袖がゆったりと広がった、櫻で言うところの羽織のような意匠が見られた】

【おもむろに外套の前を合わせるベルトを解けば、こちらの腰にもまた、刀。帯びたる数は大小二振り】

 或いは──

【「何か、申し開きがあるのか?」】
【口数は少ないながらも、その挙措は何よりも雄弁に、己の意思を物語る】

【腰の白刃は未だ鞘の内にある。正義を語る長口上も、素人目に見て取れるような、大仰な構えもない】
【しかし、女はゆるく刀の柄に手を添え、左足を半歩引いて、ほんの微かに、重心を前方に傾けている】
【彼我の距離はやや離れているが、熟達した剣士にとっては十分に一足一刀の間合いの内】
【返答如何によっては即座に踏み込み、抜き打ちの一太刀で斬り捨てる腹積もりのようだ】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 18:21:14.09 ID:AkDEdh7Z0
>>182

【――後方に気配。そして剣呑な言葉を浴びせられると、女はゆっくりと立ち上がった】
【それによって、足元に転がる遺体の姿が詳らかになるだろうか。鮮血は頭部に集中しており、頭蓋骨に変形が見られる】
【鈍器のようなもので頭部に一撃――といったところか。振り向いた女の手にそれらしい凶器はないが、掌は血に染まっている】


 ああ、まいったな……。
 まさかこんなところに踏み込んでくる物好きが、わたし以外いるとは……。

 キミ、どうしてここに? "知ってて"来たのか?
 ……いやまあ、このヒトをどうするかってのもあるんだけど、それ以上に――、


【女は血を布で拭うと、芝居がかった挙措で頭を抱えてみせた。そちらの戦意に応ずるよう、右手を刀に添えたままに】
【なんともおどけた調子で、しかし瞳だけは真剣そのものでそちらを射抜いている。だが表情にはほんの少しばかり、焦りがあった】
【なにかひとつ切欠さえあれば。どちらかが少しでも得物を抜けば、この緊迫はお互いの刃となって弾けるのだろう。しかし――】
【それは斬撃としてではなく。真上から、がらりという音とともに降り落ちた】


 ――、避けろ!!


【女が吠えて左に跳んだ。次の瞬間には、お互いを巻き込むようにして塔の一部が崩落し、瓦礫が降り注ぐ】
【このままの立ち位置なら、ちょうどそちらの頭部に瓦礫が直撃する形になるだろうか】
【――先程の遺体の致命傷と、"偶然にも"全く同じ位置に重なるように】


/気づくの遅れてすみません、まだおります!よろしくです!
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2019/05/05(日) 19:14:42.37 ID:dzeJx68X0
>>183
//すみません、少し外してました!よろしくお願いいたします!

【脳天を一撃され、石榴の実よろしく頭を割られた死骸の惨状を一瞥すると、白皙の女は、ふむ、と何事か思案するように鼻を鳴らした】
【誰が、どのようにして殺害したかは、極論を言ってしまえば問題ではない。この異能者溢れる巷において、推理小説のお約束なぞ当てになるものではない】

 ──となれば、動機か。しかし、これも考えるだけ不毛な話だ。

 なぜと問われても答えに困る。偶然や気紛れの類いだと思ってもらって差し支えないよ。
 たまさか、今日は路地裏を見回る気分じゃなかったってだけの話だ。ここに辿り着いたのも、まあ、気分だな。
 嫌な気配のする方角へ、適当に足を伸ばして──

【張り詰めた鋼線のように剣呑な空気が、二者の間を静かに満たす】
【おどけた仕種に、焦った様子。そして此方の戦意に応じる備えにも、女は特に動じた様子を見せない】
【これが不慣れな街の自警か何かなら、当に焦って切り掛かっていても不思議ではないが──「抜かば、斬る」。言い換えれば、「抜かずば、斬らぬ」】
【女は淡々と、己にそれを課しているようだった。その視線は鋭くも一所に定まらず、どこか遠くを見るようにして、周囲全てに油断なく気を巡らしている】


 ああ、そういう事か。


【したがって、目の前の相手の警告に対して、反応が遅れるような事もない】

【真上を睨んで空いた左手を打ち振るえば、ひゅう、と小さく風切り音。闇に紛れてぼんやりと、黒い『何か』が瓦礫に向かって飛んでゆく】
【それは着弾と同時に、甲高い破裂音を立てて瓦礫のうち幾つかを打ち砕いた。一瞬のことだが、目を凝らせば艶消しの黒に塗られた小型の投げナイフが視認できただろう】
【コートの袖に仕込んであったらしい。鋭い投擲ではあるが、人の頭を容易に打ち砕く瓦礫の崩落を相殺しうる威力を持っているようには見えなかった──となれば、恐らくは異能力の類いか?】

 李下に冠何とやら、という言葉もあるが。自作自演で恩を売って油断させる、なんてやり口は如何にも迂遠だな。
 仮に私がお前で、お前が下手人なら──手八丁口八丁で私の注意を引きつけて、一撃で仕留める方を選ぶはずだ。

 ここは人通りが無い。死骸が一つから二つに増えようが、さしたる問題もないだろう。

【閑話休題。白皙の女はその場から一歩たりと動かずに、上方──瓦礫の落ちてくる先を見据えたまま、淡々と述べる】
【降り来たる瓦礫のうち、砂利と言ってよいほどに小粒の幾つかが、霰のように女の手足を打ち据えるが。彼女はこれといった負傷もなく、雨のような瓦礫をやり過ごした】

【「推定無罪、という訳だ。これが全くの偶然でないなら、恐らく──」】
【半ば独り言のように呟きながら、女は塔を睨んでいる】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 19:37:45.16 ID:AkDEdh7Z0
>>184

【肌を焼くような緊張感の中で、女は静かに彼女の動機を聞き届ける。しばし目を伏せ、思索に耽った】
【――つまりは、今宵二つの刃が出会ったのは"偶然"であると。合理的な理由ではあったけれど、いま一番聞きたくない言葉。実に――嫌な感じだ】


 おお……! すごいな。今のはナイフかな?
 あの大きさの瓦礫を簡単に打ち砕くとは、いかなる異能か……興味があるね。

 まあ、何はともあれ。十分に戦えるヒトのようでよかったよ。
 ……うん。本当に。


【降り注ぐ瓦礫に対し――こちらはというと、横っ飛びに転がって避けきることに成功していたのだが】
【真剣に考えていたのも束の間。目の前の相手が瓦礫を粉砕してやり過ごしてみせたのを見ると、女は急に顔を輝かせ始めるだろうか】
【ひとつ間違えば切り捨てられかねないこの状況でなお、興味津々といった様子でそちらを見やる。変人であることだけはたぶん、間違いない】
【それ以外で引っかかるとするなら、「腕が立つようで良かった」というよくわからない言い草だったが――】

【その答えを知りたいのであれば女の足元を見る必要があった。転がる瓦礫の中に、奇妙な箱の残骸のようなものが転がっている】
【先ほどのことだ。瓦礫を避けた拍子に、"偶然"女の懐からなにか箱のようなものが零れ落ち――これまた"偶然"瓦礫がそれを下敷きにしていて】
【かしゃん、と呆けた音を立ててそれは破壊されたのだった。よく見ると女の顔色は若干青くて、引きつった笑いが浮かんでいる】


 さて。突然すまない、通りすがりのヒト。実はいま、もの凄くまずい状態なんだよね。
 今宵居合わせたのがキミであったという"偶然"と、キミのその力に賭けることにして、ひとつ頼みがあるんだけど。


【女の額から脂汗が垂れるのがよく見えるはずだ。――そして急激に、周囲の空気が重くなっていくのを感じるだろうか】
【塔から銀色の靄のようなものが滲み出てきて、女の体にまとわりついた。身体が小刻みに揺れ、右手が強く刀の柄を掴んで、】
【――抜刀。銀閃が空を裂いたのと同時に、女はにこりとそちらに微笑を向けるだろう。若干、投げやり気味の笑いだった】


 ……わたしを、止めてくれない? 


【ウィンクと一緒に、「あ、できれば痛くしないでね」などと白々しい冗談が付け加えられれば――】

【次の瞬間、女が地を蹴った。瞬時にそちらへ踏み込むと、上段からの斬撃が降り注ぐだろう!】
【速さと鋭さは中々のものだが、特段異能じみたものはない単純な行動と攻撃である。女が見込んだ通りの実力ならば対処は容易か】
【この行動を「無罪」と受け取るか「有罪」と受け取るか、そして新たに死骸を増やすか増やさないかは、もちろんそちらの自由であった】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2019/05/05(日) 20:16:01.07 ID:dzeJx68X0
>>185
【偶然で、ないとしたら。その先を語る言葉は無く、女はただただ射[ピーーー]ような視線で、天を衝く古塔を睨むばかり】
【それは明らかに、目撃者二人をまとめて闇に葬らんとする「第三者の存在」を警戒する振る舞いだったが──】


 その辺りは企業秘密というやつだ。まあ、縁があれば詳しく知る機会もあるだろうさ。


【ともあれ、相手に向き直ると、女は刃さながらの硬質な態度を少しばかり軟化させて】
【目を輝かせる彼女に対し、にやりと口の片端を歪め、唇に人差し指を当てて微笑してみせるのだった】


 ところで。質問ばかりというのも気が引けるが、お前の目当ては『あれ』なのか?
 だとしたら乗り掛かった船だ。差し支えなければ、私も──何を言っている?


【さて。ここで女は、眼前の彼女に対して一つの提案をする】
【それは端的に言うなれば、彼女の目的を「真相の追求」と仮定した助太刀の申し出だ。彼女が見立て通り無辜であろうと、下手人であろうと、ここでこの事態を見逃す選択だけは無い】
【そう考えての提案であったが──ふと、女は相手の言動に、何やら妙な違和感を覚える。それも、相当に抜き差しならない類の違和感をだ】


 箱、か?それも、組み木細工のような──ッ!?


【何やら顔を青くした彼女の視線の向く先を辿るようにして、女は『それ』を見やる。ぱっと見は単なる、何の変哲もない小箱だ】
【しかし、それが破壊された途端に周囲に重苦しい雰囲気が漂い始めたと見るや、女もまた盛大に顔を顰めた】
【塔より滲み出し、漂う靄のごときもの。それが何であるか──小箱が如何なるものであるか、粗方類推することができたが故の、苦渋の表情だった】


 ……殺しはしないが、私は見ての通りの人斬り包丁だ。怪我一つさせずに事を収めるなどと、安請け合いはできないぞ。

 まあ、一つだけ救いがあるとするならば──こういう類の『人でなし』を斬った経験も、無くはないという事ぐらいか……!!

【推定、人ならざるものに取り憑かれたと思しき相手に対し、女は脇差を抜刀して──ほんの一瞬、太刀に手を掛けようとして逡巡しつつも──同じく上段に構える】
【敢えてそちらへ一歩踏み込むと刀を掲げ、上段より振り下ろす一太刀を物打ちを外して刃の根元で受け止め、鍔迫り合いの態勢へ移行】
【左手を自剣の峰に添えて押し込み、じりじりと相手の耐性を崩そうと試みる】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2019/05/05(日) 20:17:52.34 ID:dzeJx68X0
>>186
//sage忘れ申し訳ない……
//あと、誤:耐性 正:態勢 です
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 20:40:58.55 ID:AkDEdh7Z0

>>186


 お察しの通り。ふふ、キミ結構いい人だな。
 ――こんなときに何だけど、わたしは"蒐集家"のイストだ。よろしくね。


【踏み込み、斬撃。それが容易に受け止められたことに少しばかりほっとした様子を見せると、死線の交差するその至近で、女は名乗るだろう】
【その瞳に恐怖や動揺はなかった。――事情はどうあれ斬りかかったのだ。瞬時に斬り返されこの場で果てる覚悟もしていたようであったが、】
【太刀との中空で彷徨う彼女の手を見やると、やや暢気に、そして嬉しそうに顔を綻ばせたのだった】


 まあ、いまはギルドの依頼でここに来てるから、ただの冒険者と思ってくれていい。
 近くの村で噂になっていてね。曰く、近寄った者は決して帰ってこない呪い塔――だそうで。

 だからわざわざ護符まで用意して、調査と対処に来たってわけなんだけど……。
 いくつかの"偶然"に邪魔されて、ご覧の有様だよ。いやあ、参った参った! ははは!


【鍔迫り合いに力を込める両腕とはまったく無関係な苦笑を浮かべて、女――イストは一息に事情を説明するだろう】
【「大昔に貴族様の世継ぎ争いで相当血が流れたらしいよ」なんて、"怪異譚"としてはなんとも有りがちすぎる情報も付け加えられて】
【護符、というのはさっきの箱のことだ。それも"偶然"壊れてしまって、まんまと身体を乗っ取られているのだから間抜けな話である】
【ともあれ――"怪異"に身体を持っていかれて悠長に笑っている超のつく変人ではあっても、とりあえず、この女は悪人ではないようだ】


 こういう事態が初めてでないなら話は早い。頼もしいね。
 わたしのことは気にせず……いやまあ、ほどほどには気遣ってくれたら嬉しいけど。

 おほん。ともあれ、この怪異の基点はあの塔だ。
 あの中のどこかに、大元になっている何かが……うわっ!?


【イストはそう云って、目線だけで真後ろの塔の入り口を指し示す。古びてはいるが中に入ることはできそうだ】
【中は大広間になっていて、障害物は石で出来た女神像が奥に立っている程度。壁に沿うように螺旋階段が据え付けられ、上階まで続いている】

【ただ、この後どう動くかの判断の前に――イストを操る何者かが、動くだろう】
【このままでは体勢を崩されると判断したか、その身体は鍔迫り合いを避けて真後ろに飛んだ。そして転身、】

【――心臓。いや、本人の意志が介入したか、僅かに軌道は上振れして狙いは左肩へ。鋭い刺突が飛翔する!】
【威力のある一撃だが、その分大振りだ。危険ではあるものの、なんとか凌げさえしたならば隙は大きい】
【反撃に転じるでも、はたまたイストが述べたとおり塔の中に駆け込むでも、妨害を受けず好きなように行動できるだろう】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/05(日) 21:30:59.13 ID:dzeJx68X0
>>188

 人が好い、ね。あまりそういう世辞は言われたことがないから、擽ったいな。
 朔夜。人斬りが生業だ──最近はそうでもないが。以後よろしく。

【鍔迫り合いのその最中、相手の名乗りに応じて、女もまた名乗り返す。彼女同様にこちらもまた、生死の境に立ちながら、まるで散歩でもするような気軽な口調だったが】
【口調とは裏腹に、その表情は微かに苦い。──というのも、先の打ち込みで脇差しに生じた『ある変調』が原因だ】
【よくよく注意してみれば、刃の根元の一点に、小さな刃毀れが見て取れる。本来であれば避けえた傷だが、先の一瞬の逡巡が祟って僅かに振り下ろしを受け止め損なった結果だった】


(……こっちは数打ちだが、決して質の悪い品じゃない。利刀の差こそあるだろうが──精進が足らんな、私も)

 なるほど、ギルドに縁の者だったか。私も水の国のギルドとは懇意にして貰っているから、事によってはまた会う事もあるかも知らんな。
 まあ、何はともあれだ。概ね状況は理解できた。やれるだけの事はやってみるから、大船に乗ったつもりでいると良い。


【事情説明を諒解すると、女は鷹揚に、余裕たっぷりの挙措で大言壮語を吐いてみせた】
【先の失策は、おくびにも出さない──とまでは行かぬまでも、努めて気にしない風を装う】
【彼女ならば万が一にもそんな事はないとは思うものの、この手の案件において、被憑依者の精神状態の悪化が事態の悪化に直結する例はそう少なくもない】


 く、ッ──ふふ。どうした、それだけか?

 随分と手ぬるい太刀筋だ。手こずっているようじゃないか……このままじゃあ早晩、自力で体の支配権を取り戻すかもしれないな?

 さあ、どうする?なんなら私に乗り換えたって構わない。何にせよ決断は早い方がいいぜ──


【イストの助言に対し、彼女の選択は現状維持だった。人間には火事場の馬鹿力というものがある】
【古来、幽霊だの悪魔だのに憑かれたとされる人間が恐ろしいほどの膂力を発揮した事例は、枚挙に暇がない】
【足の速さであれ力の強さであれ、単純な出力勝負は極力避けるべきだと言えた。この状況で背を向けるのは、殊に危ない】

【朔夜はイストの体を乗っ取る何者かを挑発しつつ僅かに左肩を下げて踏み込む、掠めさせるような軌道で刺突をやり過ごした】
【相手の手に伝わるのは、がりがりと何かが擦れる硬質の手応え。コートの内部にプロテクターでも仕込んでいたのか】
【これにより後の先を突いて、前に前にと間合いを詰める。左手を自由にし、刀の間合いから拳の間合いへと到達するや否や】
【女が繰り出すのは、鳩尾を狙った左掌底の突き。見れば掌は、微かに陽炎のような空間の歪みを纏っている】
【直撃すればその瞬間勢いよく炸裂する指向性を持った不可視の斥力が、相手を後方に吹き飛ばし、大きく距離を開けるだろう】

【先のナイフが纏っていたものの正体も、おそらくこの力場か】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 22:01:20.77 ID:AkDEdh7Z0
>>189

【人斬り――そう名乗った朔夜に対しても、イストはなんら不安も動揺も見せないだろう】
【むしろそこに浮かぶのは、信頼の類であった。人斬りなどと名乗るのであれば、自分なぞに安々と斬られるような小物ではなかろうと】


 うん、すまないね。
 ――いきなりこんな状態で悪いけど、この縁がここで終わらないよう、わたしも努力するよ。 
 わたしの命、キミに預けよう。朔夜。


【道化じみた表情を一瞬引っ込ませて、心底申し訳なさそうにイストは苦笑する。そこだけは、ちゃんと本心のようだった】
【初対面の、それも人斬りに自分の命を預けようという女なのだ。胆力だけは一人前のようである】
【いまのところ敵意を向けてくるのは身体だけで、言動に不自然な点はない。これならば当面、精神まで汚染されることは無さそうだ】


 はは、いいぞ。いまのでちょっと怒ったみたいだ! まるで子供だな。いや、あるいは――。

 ――ぐっ!!


【一閃は肩をすり抜ける。――普通なら、というか普段のイストなら、その時点で回避動作に移っていたはずだったが、】
【彼女の身体のいまの持ち主はそうではないらしい。朔夜の挑発が利いたのか、銀色の靄が少しばかり濃くなって、】
【避けることなど考えず。まるで意固地になったかのように、更に一撃入れようと一歩踏み込んだ。――結果、掌底が直撃する】
【異能の斥力がイストの身体を後ろへ吹き飛ばし、そのまま塔の外壁を破壊して、中に叩き込んでしまうだろう】

【直後、塔全体が鳴動する。ほんの少しだが――塔が"傾いた"】
【立ち上った埃と煙で、イストも含め塔の中の様子も見えなくなっている。だが土煙が立ち込めるからこそ、引き立つだろうか】
【ちょうど、入り口から見えた"女神像"のあった位置。――そこで赤い光が弾ける】

【――"偶然"が発揮された。塔の側面部分の外壁"だけ"が一斉に崩落し、先ほどの比ではない量の瓦礫が朔夜に襲いかかる!】
【これだけの大崩壊にも関わらず、塔の側面だけが丸ごと剥がれるなんて偶然が起こるはずがない。そこにあるのは、必然の"殺意"だ】

191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/05(日) 22:46:02.84 ID:dzeJx68X0
>>190
【気丈に──というか、もともと肝が据わっているのだろうが──振る舞うイストの姿に、これならば今暫くは問題なかろうと踏んで】
【朔夜は無言のまま、彼女に小さく頷き返してみせた。ひとかどの剣士に命を預けるとまで言われたのであれば、同じ剣士として、その信には報いねばなるまい】


 どうした、埃まみれのお貴族様。お前の家が武門だか内政屋だかは知らないが、青い血筋のお家柄としては、この程度の武芸は嗜みのうちじゃないか?
 ──ああ。それともお前、召使いか何かなのかな。それだったら得心が行く。へえへえ、申し訳ありませんお嬢様。あっしは単なる一介の従僕でやして、荒事にはとんと縁がなく……って感じか?

 …………おっと、これは危ない。


【挑発が功を奏したとみるや、まあ言うわ言うわ。戦いの最中によくぞここまで舌が回るものかと思うほどの罵詈雑言をもってして、亡霊の晒した無様をあげつらう】
【悪意たっぷりの罵倒の最中にも、崩壊する瓦礫の奔流を刀と異能と暗器を交え、切り裂き、射落とし、打ち砕き、その立ち回りには一切の隙が見当たらない──が、しかし】


 ぐ、う……ッ!


【朔夜当人よりも先に、右手の得物が根を上げた。根本から刃がへし折れ、弾け飛んだ刀身がプロテクターの隙間を抜けて『偶然にも』左肩を裂いてゆく】
【痛みに歯を食いしばるその数瞬の隙を突き、雪崩を打って飛来する瓦礫の雨霰。咄嗟に頭部をはじめとした急所を庇いながらも殺意満点の乱打を浴び、朔夜は踵で土を削って後ずさる】
【駄目押しとばかりに繰り出された一際大きい瓦礫が、彼女の姿を覆い隠し──直後、盛大な土煙が巻き上がる。万事休す、か】

【そう思われた、その時だった】


 ……中々、に……面白い。血に狂い己の責務を忘れた俄か貴族の残り滓風情が、この私に、こいつを────


【「抜かせたな」】

【土煙を貫いて、青く、蒼く、光が舞う。ほんの刹那の間隙を縫って、狂ったように乱舞する】
【土煙の中から現れたのは、体の至る所に打ち傷を負いながらも、その手に携えた大太刀をもって、大岩をもはや原型を留めぬほどに刻み尽くした人斬りの姿】

【青く、蒼く。異能力、生体魔素、生命力──鞘の内より解き放たれるが早いか、柄を通じて朔夜の精神と肉体の精髄を吸い上げながら】
【月明かりを弾き返すばかりでなく、自ずから鈍い輝きを放ち始めた乱れ刃の大太刀は、常人でさえそれと判る『異常』を帯びていた】
【見るものが見れば、相当に格の高い妖刀、魔剣の類であると容易に知れるだろう。この世ならざる存在であれば──イストの内に巣食うものならば──尚の事】


 この『邂逅』を抜いたからには、有形無形の区別なく──もはや私に断てぬものは、この世に一つとないと知れ。亡霊。


【相手が元人間である以上、そこには必ず意志が生ずる。怨念に狂い、生前よりも劣化した知性であろうとも、付け入り、揺さぶり、心を挫く隙がある】
【まして、今や相手は人ならざる、魂と意志のみで彼岸に生きるものなれば。──この場の誰より強く、その唸り声を聞くだろう】

【己を十全以上に振るう使い手と一つとなり、妖気を纏って荒れ狂う、その刀の声。そして己の向かう先にあるもの全てを斬断せんとする意志を秘めた、必滅の刃の声を】
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/05(日) 23:17:03.14 ID:AkDEdh7Z0
>>191

【土煙が晴れると、瓦礫の山の中からイストがゆっくりと立ち上がるのが見えるだろうか】
【瓦礫の雨に見舞われた朔夜の方を少し心配そうに見やる、その気遣いは表情だけ。身体は刀をだらりと垂らし、構えなど一つも取っていない】
【――見て取れるのは、明らかな油断と侮りだ。銀の靄の先にいる何かが、ざまあみろ、と――そんな子供じみた感想を、イストの身体で表していて】

【だからこそ、か。――岩ごと土煙を引き裂いて顕れた、正真正銘の"人斬り"を前に、怯えるように情けなく後ずさったのは】


 ああ、朔夜――。それが、キミの本気か。凄まじいな。
 これは実に、狂気的にして、怪異的だ。刀使いの端くれとして楽しみだよ。キミの剣を魅るのが。

 ……って、あああああ! こら! 視線を逸らすな視線を!


【明らかとなった朔夜の"異常"を前にして、しかしイストの双眸だけは相変わらずだった。怯懦はなく、逆に楽しげに、抜かれた刀とその遣い手を見やる】
【しかし、それも一瞬だった。お前を殺すと唸りを上げる剣気を前に、まともに見るのも恐ろしい、とばかり。イストの意思に反して顔を逸してしまって】

【……そうしたならば、イストには見ることができた。朔夜にも見えるだろう。側面が剥がれたことで、塔の中身が見渡せる状態になっている】
【比較的きれいなのは一階だけだ。二階から上は、ひどいもので――】
【机やベッドなどの古びた家具が設置されているそこに、古いものから新しいものまで、無数の人間の死体が在った】
【絵本と一緒にベッドで寝ているもの、椅子に座っているもの。体勢はさまざまだが、いずれも"生活している"風に配置されている】


 この塔に近づいたヒトたちを、ああして役者として取り込んでいるのか?
 ……いや、役者というより、あれは……、っが!!?


【イストはどこか得心がいったように呟く。だが事態は、彼女にそれ以上の考えを中断させた】
【突如として、表情が苦痛に歪む。油の切れた機械のように不自然な動きで一歩踏み出し、跳躍。――地盤が、砕けた】

【ろくな助走もない跳躍のはずが、彼女の身体は数メートル空中へと躍り出て】
【そして空を切り、朔夜の頭部を叩き割らんと放たれるのは、必殺の勢いを帯びた兜割り――!】

【イストの表情が歪んでいるのは、先ほどの朔夜の推察通り、怪異によって限界を超えた筋力を強引に引き出されているがゆえだ】
【さらに、イストの使う刀が"偶然"にも妖刀、あるいは怪刀と呼ばれるものであり、非常に頑強であることも合わさって、その破壊力は凄まじい】
【岩をたやすく両断するほどの重撃だ。まともに受けてしまえば、どうなるかわからない――】



 ――朔夜。一瞬だったけど、見えたぞ。
 二階だ。部屋の奥にある大きな姿見。間違いない、あれが基点だ……!


【だが、そこさえ凌げば光明が見えるだろう。――朔夜の対処に関わらず、イストが先ほど見えた光景を伝えるからだ】
【二階の最奥に巨大な姿見が置いてある。イストと朔夜以外は誰も存在しないにも関わらず、そこには――子供の姿が映っている】

【――あの亡霊が、一体なにを思ってこれだけの屍を積み上げたのかは知れないが、】
【どうにかしてあの姿見を破壊すれば、この不毛な戦いも終わるだろう】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2019/05/06(月) 00:02:50.52 ID:70AwD7qX0
前々>>726-727(ロッソ)
>>46(カニバディール)

【長い、長い話だった。これまで起きてきた出来事をさらに濃く煮詰めたような、小難しく仄昏いストーリー】
【だが完全な暗闇ではない。灯火は確かにあった。少なくともロッソがいた未来では】
【ロッソは生き、自分も逃げ延び──或いは生き延び。ジルベールの事は気がかりではあったが】
【今は彼のことを気にしている場合じゃあなかった。──未来は、観測出来ないのだから】


…………あぁ、当たり前さカール
円卓の連中なんて、あたしの方が“切って”やったに決まってやがる

それに、よぉ────くくっ!
辛気臭ぇ時代に辛気臭ぇ音楽聞いてやがるんなら、どの時代のあたしだって文句言うだろうぜぇ?
そん時のゾーイにちょいと耳打ちしてやりてぇくらいだぜ
「あんま無理して合わせなくったっていいんだぜ?」って、よぉ


【長い、長い話だった。だが肝心なことはたった一言だった。ノー・パラドクス】
【そうだ。言われてみてはっとする。今までだってそうだった】
【どんな荒唐無稽なことが起きたって、この世界では“それが現実”なのだ】
【いくら理屈を捏ねくりまわし、足りない頭をフル回転させたところで──現実は目の前にある】

【ぎゃは、とミラは笑った。そうだ、今までなんだって苦手分野に足を突っ込んでいたんだろうか】
【頭を働かせることは自分の本分じゃあない。いつだってそうだ。感情のままに怒鳴って、喚いて】
【ムカつくから殴る、腹がたつから引っ叩く──笑いたい時に笑えないのなら、生きている意味なんてない】


あんたはいっつも、大事なことを言ってくれるぜ──“ロッソ”
危うく連中の…………円卓だとか黒幕だとかの得意分野にノせられちまうところだった
ここんとこ頭でっかちな連中とばっかりツラ付き合わせていたせいかな……ぎゃっは!ほんっと、あたしらしくねぇよなぁ!!

…………悪かったな。ベータだなんて言っちまって、よぉ
あんたは最初っからロッソで、それ以外の何でもなかったっつぅ話なワケだ


【「それにしたって」──笑いながらカニバディールを見る】


異能屍たぁ、あんたも出世したもんだなぁ!

…………戦争が始まってすぐにあんたは姿を消したらしいが──あんたは簡単には死なねぇさ
円卓のくだらねぇ<ガーデン>だとか<ファーマー>だとかをぶっ潰そうと企んでいたに違えねぇぜ
利用されるだけされて、名前を好き勝手使われて黙ってやがるようなお人好しじゃあねぇもんな、あんたはよぉ


【慰めでもなんでもなく、本心からそう思っていることは伝わるだろうか】
【触腕が8本も9本もあるクセに、ミラはその手のことには不器用だ。だからこそ】
【真っ直ぐストレートに彼を見る彼女の視線が、この言葉が彼の未来での無事を信じているが故だと語っていた】

/分けます
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2019/05/06(月) 00:03:54.69 ID:70AwD7qX0
>>(ロッソ)
>>(カニバディール)

【そしてもう一度、ロッソに視線を向ける。そうだ、彼はロッソだ】
【自分が知らない未来を知っていようが、妙に老けてようが──それでもロッソだ】
【いつか敵になることを承知で自分に力添えしてくれた彼への信頼】
【それは、彼女の中では今も揺るいじゃいなかった】


…………。……………………ロッソ
カールにはもう話したが、あたしは今<円卓>のど真ん中に居る
正確には座らされているってぇとこだが…………<円卓>をどうこうしてぇんなら、多少の手は回せる
…………まぁ、“多分”……、なんだけど、よ

<円卓>のブレーンの1人は、水の国最高議員のイスラフィールだ
どうにも<円卓>の舵取りは実質イスラフィール御一行様が握っているみてぇで、よぉ
連中、最終的には自分たちの言うことだけ聞くヤツだけ集めて<完璧な庭>っつぅヤツを作ろうとしているみてぇだ
そのためには<方舟>────タイムマシンが必要だって言ってた
んでもって、黒幕をぶっ潰して<庭>に行くためには<聖杯>ってぇやつもいるって言ってたぜ
あのクソアマ曰く、願いをなんでも叶えちまうステキなモノらしいけど、よぉ

あたしとカール的には、これからは円卓が起こした戦争で黒幕をぶっ潰しつつ…………
…………クソアマ御一行サマが<方舟/タイムマシン>に乗って<庭>に行こうとドヤ顔晒した瞬間に連中をぶっ殺そうぜって感じなんだ
まぁ────足りねぇ頭絞って考えた案だ。穴ボコだらけなのは分かっちゃいるが……


もしも可能なら、マキノに何か仕掛けを用意させてほしい
いや……どんな仕掛けかって言われりゃ全然ノープランなわけだが──
<円卓>のクソ野郎どもをぎゃふんと言わせられるような……それか、何か時間を稼げるような仕掛けっつぅ、か……?

いやもう、ほんと!あんたがまさか、こんな形で帰ってくるとは思ってもみなかったから…………
正直今、相当考えなしに喋ってるぜあたし。…………まぁ、普段からそんなに考えるタイプじゃねぇんだけど、よぉ
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/06(月) 00:09:20.57 ID:2duC5ev70
>>192
【絵本を読み聞かせる屍。椅子で寛ぐ屍。在りし日の亡霊の暮らし向きをありありと連想させる、死骸の配置】
【人々を無惨に殺し回りながらも、人並みに怒り、侮り、怯える──無垢ゆえの残虐性。まるで子供と言うよりは、これはもう、明らかに】
【『人でなし』を標榜する人斬りとて、なにも木の股から生まれ落ちたというわけではない。やり切れない、とばかり、朔夜は一つため息を吐いて】


 ──断てないものは一つとないってのは、流石に盛りすぎたか。情けない限りだな、全く。


【しかし、もはやその太刀筋に一切の容赦はなく。龍が地より天に昇るがごとき勢いでもって放たれた切り上げの一閃が、真正面から兜割りを迎え撃った】
【巨岩を紙のごとく断ち切るであろう剛剣は、本来であれば防御ごと、朔夜の頭蓋を叩き割ったことだろう──】
【しかし、蒼く輝く刀身に触れたその瞬間に、その勢いは大幅に削がれてゆき、やがて『静止する』】


 ──これは、技という程大層なものじゃない。しかし、私とこいつの編み出した、一つの理であるとは言える。

 刀と己の心身──ひいてはその異能力を合一させ、ものの有形無形を問わずあらゆるものを解き、弾き、分かつ。やがて到達するべき万象切断の極致、その先触れとも呼ぶべきもの。


【ほんの束の間の静止状態から、重力に従って徐々に落下へと移行するイストを見遣りつつ、彼女は淡々と語る】
【さながらそれは、イストの一撃が内包する、形を持たない『運動エネルギー』でも断ち切ったとでも言わんばかりの口振りで】



 仮に銘打つとするならば、『邂逅・絶蒼の太刀』──とでも呼ぶべきか。
 この状態は殊の外消耗が激しい。あまり長くは保たん。


【事実、そうとでも考えなければ、この不可解な事象には説明が付かなかった】
【斬れないものはないと大口を叩いておきながら、イストの佩刀が傷一つなく健在なのは、まあ、ご愛嬌というものだ】


 助言、痛み入る。
 終わらせてくるから、今暫く待っていてくれ。


【刀が纏う蒼い輝きが解けて消えるのと同時、朔夜の足元に陽炎めいた空間の歪みが生まれ、収束する】
【落ちてゆくイストと入れ違いに、足裏に収束した力場を爆ぜさせ、人斬りは虚空を駆けるようにして塔の二階部分にまで到達せんと試みる】
【そうして鏡の前にまで辿り着いたならば、おもむろに彼女は、鏡の中でうずくまる幼子に対し、「おい、そこの」と、ぶっきらぼうに呼び掛けるだろう】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/06(月) 00:36:11.53 ID:JqGEkMs70
>>195

【限界を超えた駆動に悲鳴を上げる身体――しかしながらその刹那、それを凌駕するほどの高揚によって、イストは痛みを忘れていた】
【自分でも制御できず放たれる一閃、その重みが消えてゆく。その貌に浮かぶのはやはり、この女らしい場違いな笑みなのだ――】


 ――力の表層でなく、深層までもを絶ち斬る太刀か。
 見事だ。こんなものを魅られるなら、こんな無様を晒した甲斐もあったよ。


【刀に宿った暴力がその絶技によってすべて抜き取られたのと同時に、イストの全身からすべての力が抜けていくだろう】
【限界駆動の代償か、着地もできず地面に倒れ込む。――銀色の靄が消える。この女ではもう、この人斬りをどうにもできない、と悟ったか】
【二階へと疾駆した彼女へ、イストは辛うじてウィンクをひとつ。「任せるよ」とだけ告げて見送るのだった】


【――特に妨害もなく、朔夜は二階の鏡の前に辿り着くはずだ。映り込むのは金髪の少年】
【周囲には見るも無惨な死骸が転がる。だが不思議と、彼の瞳には悪意らしきものはなかった。遊び疲れた、という風に苦笑して】


 【"おかあさん。おやつ、たべよ"】


【声は無い。だが口の動きだけで、そう云ったのがわかるだろう】
【それこそ、怒った母親の機嫌を取るような、わざとらしい上目遣いのまま――すっと、朔夜の背後を指さして】
【その先には小さな机の上があって、作りたてのスコーンと淹れたての紅茶が二つづつ、置いてあった】
【どれだけ経っているかわからないのに、その一角だけは埃ひとつ無く保存されている。どちらも腐っておらず、新鮮なままだ】

【椅子が二つ。ひとつには子供らしき白骨死体が座っている】
【もうひとつは空席――誰かに座られるのを数百年間、待っていたかのように】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/06(月) 01:28:41.53 ID:2duC5ev70
>>196
【酸鼻極まる光景と、それに相反する、無邪気な仕草】
【幾百、幾千の夜の孤独が、如何様にこの幼子の正気を蝕み、この凶行に至らしめたかは、部外者である彼女には知る由もないことだ】

【だが、類推することはできる。寒さに凍える夜。ほんの一時の、体温を持つ人間の暖かさ。死ねばやがて喪われる熱。ぶり返す孤独】
【親より先に逝ったか、親に取り残されて死に損なったかという違いこそあれど、その終わらない業苦は、賽の河原の石積みにも似ている】


 はあ。……私は未婚だ、阿呆め。まあ、いい。菓子だな?いいよ、食ってやる。
 よく黄泉竈食だなんだって言うが──黄泉路に引きずり込まれたんなら、あの世とこの世の境を斬って、無理矢理戻ってくりゃあ良いだけの話だ。
 それが終わったらこの鏡を斬る。魂ごと滅してやろうとも思ったが、そればっかりは勘弁してやる。


【黄泉竈食──死者の国の食物を口にしたものは、二度と生者の国には戻れないという謂れがある。それを警戒し、口にせぬまま基点を破壊する手もあったが】
【どうにも、そういう気分にはなれなかった。仮に罠だったとしても、罠を踏み抜いた上で、力づくで叩き斬ればいいだけの話、と】
【わざとらしい上目遣いに毒気を抜かれて、頭を掻きながら大きく嘆息し。ややあって、朔夜は空いた椅子に腰かけて】


 お前が本当に絵本を読み聞かせてほしい相手も、本当に一緒におやつを食べたい相手も、この世界にはもういない。
 また会いたいと望むのなら、さっさと往生するのがいい。

 ──で、砂糖とミルクは要るか? クロテッドクリームとジャムは……ああ、これか。


【不似合いな説教を口にしつつ、湯気立つカップを手に取ると、匂いを嗅いで「ダージリンか」と独りごち】
【ふと思い出したかのように、幼子にそう問いかけた。要るにせよ要らないにせよ、彼だか彼女だかの望むようにしてやってから、カップを配膳し、スコーンを取り分ける】
【自分の分のスコーンを二つに割って、クロテッドクリームとジャムをたっぷり塗って、一口頬張る】
【クリームの甘みと果実の酸味、生地に練り込まれたバターの香りが鼻に抜けるのを感じながら、紅茶を一口】

 ……夜は、寒かったろう。石造りの塔は底冷えする。暖炉も一人で点けられないんじゃあ、毛布にくるまったってロクに眠れるもんじゃない。
 だから誰かを殺しても構わないってんじゃあないが、まあ、お前が苦しかった、寂しかったっていう気持ちは汲んでやる。

【仮に母親を演じてやる事はできても、そんな物は一時の気休めに過ぎない。故に感じたことを、思ったままに口にする】
【この幼子はどうしようもなく加害者だが、同時に被害者でもある。情もなく斬り捨てるには偲びなく、さりとて甘やかしてやるには、その手は血に汚れ過ぎている】
【「美味いか?」──ぶっきらぼうに、また一つ問いを投げて】


 ……食い終わったら、お前はおかあさんの所に行くんだ。良い子にしてれば、きっと直ぐに会えるだろうよ。
 もし、お前をこの鏡に閉じ込めた奴がいて、そいつがまだのうのうと生きているなら。その馬鹿は私が斬ってやる。余計なことは考えなくていい。


【朔夜は静かに、淡々とした語調で、お前はもう誰かを恨んだり、苦しんだりする必要は無いのだと、溜息交じりに口にしてから】
【にやりと悪どい笑みを浮かべて、「私の怖さは十分よく知ってるだろう?下手人はさっきの三倍は怖い目に遭わせてやるから安心しろ」と嘯いた】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/06(月) 01:57:47.93 ID:JqGEkMs70
>>197

【朔夜が席に付いても、なんら異変は起こらないだろう。ただ朔夜がもし、姿見の方を向いたならば】
【その鏡の中でだけ、白骨死体のある席にあの少年が居て、嬉しそうに朔夜へ笑いかけるのが見えたはずである】
【飲み食いを行っても体に異常はない。――黄泉路に囚われるなんてこともなく。ただ、甘さとほろ苦さが口腔を満たすだろうか】


 【"さむかった"】   【"さみしかった"】  【"ごめんなさい"】


【――と。朔夜の優しい言葉を受け止めて、少年は音もなくそう云うのだ】
【目の前の女性が自分が本当に望んだ相手ではないのだと、果たしてわかっていたのかいないのか、】
【どちらにしても、鏡の中にしか存在し得ない悲しき亡霊はほんの少し俯いて、やがてこくりと頷くだろう】

【たっぷりと、ジャムと優しさが塗り込まれたスコーンの最後の一口を、少年は頬張って】


 【"おいしかった"】


【と。小さく笑う。世にも恐ろしい人斬りの笑顔を楽しげに受け入れて、儚い涙と一緒に、鏡の中から消え失せる】
【少年を繋ぎ止めていた最期の幻想が、いままさに、朔夜によって"斬られた"瞬間だった】

【ゆらりと、部屋全体が銀色の靄に包まれる。――少し経って靄が消えると、そこにあるのは廃墟だけだ】
【綺麗なままだった机は、重ねてきた年月を追想するがごとく粉々に砕け散り、少年の白骨死体もバラバラになって崩れた】
【地面に転がるのはボロボロのお皿とティーカップ。お菓子も紅茶も消えていて、朔夜の口の中からも味が消失しているだろうか】

【――そう。その味だけが、明確に幻だった。孤独の中に死した子供が、終わりのまどろみに描いた光だった】



 状況を鑑みるに――塔に幽閉されて、そのまま餓死したってところかな。
 独りで寒くて寂しくて、近寄ったヒトを"家族"として取り込んでいたんだろう。……笑えない話だ。

 なにはともあれ、迷惑をかけてごめんね、朔夜。
 そしてありがとう。キミのおかげで、この悲しい"古塔の怪異"を終わらせることができた。

 ……塔の古さの割に、怪異性を帯びたのが"つい最近"っていうのは、少し気になるけどね。


【やがて、よろよろとイストが登ってきて、そんな推察を述べるだろう。彼女の身体を覆っていた銀色の靄も綺麗さっぱり消え去っている】
【周囲に漂っていた冷たい空気も無くなって、残るのは春の夜の少しだけ肌寒い風だけだった。どうやら、決着は付いたようだ】
【イストは朔夜に礼を述べると、――少しだけ。斬ってやると朔夜が少年に云ったその"下手人"の影を、イストも感じたようだったが】


 まあ、ここでこれ以上考えても仕方がない。とにかく帰って休もう。
 村に宿を借りているんだ。良ければわたしが口利きしてキミの部屋も用意してもらうけど、どうかな?


【ともあれ、イストはそう述べると塔の外へ出ていくだろう。思い出したかのように雲間から現れた月が、帰り道を照らしていた】
【もしイストの提案に乗ったのなら、今宵は村で共に過ごすことになるだろうか。遺体の処理などやることは沢山あるが、この夜だけは祝宴だ】
【村人からも揃って歓迎されるだろう。飲んで騒ぐにしても、旅立った彼に思いを馳せるにしても、イストは朔夜に最後まで付き合うはずである】

【そうでなくとも――別れの時が来たならば。イストは丁重に恩人を送り出すだろう】
【そして次に会えるその時を願って、冊子に記すのである。恐ろしくも暖かな"人斬りの怪異"のことを、物悲しき"古塔の怪異"のその隣に――】


【――最後に、付記するならば。イストが掌底で塔に叩き込まれたとき既に、この塔は少し傾いていたのであって】
【翌朝には、巨大な轟音が森中に響き渡るのだ。操っていたものが消えたなら、最早形を保つことはできなかったのだろう】

【その、跡形もなく崩れ去った古塔の跡で】
【あの女神像の残骸から何かを拾って去っていく人影を、誰も見ることはなかった】



/この辺でしょうかっ お付き合いありがとうございました!!
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2019/05/06(月) 02:01:22.92 ID:2duC5ev70
>>198
//お疲れ様でした。お付き合いいただきありがとうございましたー!
200 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/07(火) 02:16:05.19 ID:SUNGDIGM0
>>193

あんなぁ…お前は本当に…

【頭を抱え、自分の髪を掻きながらなんとも残念そうに彼は言う】

俺たちはクソッタレな世界で戦わなきゃならなかった。なにより、自分と向き合わなきゃならなかったんだよ
ロックンロールってのはそういうものでもある。…まあ、オマエには難しかったようだけどな


【ミラはほとんど未来でも今と変わらない調子で、集ったアホどものケツを蹴り上げる役だった】
【ドアを閉める音も歩く音もうるせぇからどこに居るのかすぐにわかった】
【言う通り、俺が仲間とレコードをかけているとやれ「辛気くせえ」だとか「ノレねえ」とか文句を言って】
【ラモーンズだとかガンズだとかに替えられたものだ】
【こいつが居たことが俺の少ない幸運の一つだろう】

オマエのそういう所に、俺も助けられてた。それには感謝している。
20年後はミラの能天気なところにすらすがりたくなるほど地獄ってことさ

【いや、こっからはカニバディール向けの話なんだが、あれだ。別に“アイツ”に似てるからちょっととか】
【そういうのは無いからな。確かに雰囲気ちょっと似てるって思うときもあるが、アイツはアホじゃねえし】
【それに俺も20年もうだうだとしているような人間でもねえ。20年は世界が変わるには早すぎるが】
【一人の人間が変わるには十分な時間だろう】
【つーわけで、カニバディール。よろしく頼む】

そっから先のことはお嬢にバトンタッチだ。

【「俺は疲れた」とタバコを咥え、すでに何本目かのそれに火をつけた】


えっ?……あ、はい。失礼、食事がまだなもので


【すっかり、聞き役に回っていた霧崎はこの隙に鯛茶漬けを食べていたのだ】
【「なんで今振るんだよ」という恨めしそうな目線をロッソに送ったあと、箸をおいて】

あー……それで、まあ私も手を考えました。
私はイスラフィールの手の者と接触しました。接触されたというべきでしょうか。
…事が順当に行けば、新楼市の次の市長は私になるでしょう。

ミラさんが私を円卓の中心まで重用していただけるよう手を回してくれれば――
円卓内部でも、水の国の政治ゲームにおいてもそれなりに上手く立ち回ることができるでしょう。
……私が狙うはイスラフィールと同等、水の国最高議員の席です。

現在、水の国の政治において優位なのは黒幕派でしょう。寝首をかかれた円卓は慌てて
それを取り返そうとしている。それを利用します。円卓の影響力を増大させ黒幕を抑える。
しかしその円卓派は実際には我々の手の者―『王妃派』とでもしましょうか。

イスラフィールを失脚させる。私が今考えているのは此処までです。

黒幕が次に何をするか…は今の所掴めていません。先にタイムマシンを完成させれば
確実に何らかのアクションを起こすはず。


/テンポアップのため先にレスをしておきます!
201 : ◆zlCN2ONzFo :2019/05/09(木) 21:47:55.96 ID:H4FTfFYv0
>>174

「安堵するがいい、本当さ」
「君は、いや、我々はそう成れる」
「……そして、世界が、我々の実力の前に平伏するだろう」

【彼の一瞬の笑みに浮かべた感情は、果たして何であったのだろうか……】
【返答は、その細く白い指に指輪を嵌めながらであった】
【そして、指と同じく細りとした身体を抱き寄せ】
【顔を近づけ、拒まれる事が無い意思を確認したのなら】
【ゆっくりと、口づけをする】
【それは、時が周辺が鼓動を止めたのかの様に、長く感じたのかも知れない】

「永久に愛そう、死が二人を分つまで」

【次第に、指を絡め、舌を絡め】
【互いの上気を、決して咎める者は無く】

「船に上等な部屋を用意してある、許されるならば、今夜はそこに泊まると良い」

【そう、少女の耳元で囁くのであった】
202 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2019/05/10(金) 00:15:57.81 ID:EaKy239Z0

>>201

【ふ、と笑みを浮かべた道賢。善弥は安心したような表情を浮かべて微笑んで】

【時が止まるかの様に永く感じられた口付け】

【死が二人を分かつまで──】
【紡がれた甘い言葉】
【薄らと浮かべられた涙】
【その才を見出だされた"あの日"と同じくらいに、黴臭い蔵から祖父を解放し尚且つ分からず屋だった"あの人達"を殺してやった"あの日"と同じくらいに、もしかしたらそれ以上に、きっと嬉しくて】

【ならば、先を逝くのが『貴方』であるならばその黄泉路まで伴をするのだろう】
【そうして、先を逝くのが『自分』であるのならばきっと、地獄の業火がその身を焦がす刹那までその愛を信じ続けるに違いなくて】

【(だって、新しい"家族のかたち"をくれた男(ひと)、なんですもの──)】

【誰にも見咎められぬ逢瀬】
【囁かれた耳元までもが薄紅に染まっていたのはきっと逆上せからだけではなくて】

是非、そうさせていただきます
元々少し休暇をいただく予定でしたもの
一晩姿が見えなくとも気にされないでしょう
【薄紅に染まる目元。緑青がゆらりと揺れたのならば】
【愛慾の几帳は下ろされて──】



【名残の後朝、その先に待つは栄華か失墜か】
【其は未だ何人も識らず──】


/こんな感じでしょうか!
/絡みありがとうございました!
203 : ◆zlCN2ONzFo :2019/05/10(金) 01:14:54.30 ID:yOZJg/io0
>>202

「では、部屋に……我が妻よ、愛しい人よ」
「始めようか、我らが国盗りを」


【かくして、婚礼の夜は、混迷の世は始まりを告げたと言えるだろう】
【口元の笑みは、決して消える事はなく】
【笑みはより深く、より怪しくなり】
【それが何を示すか等は、本人のみしか解らない】
【夜の帳が降り、誠に甘美な時間が過ぎ行くが】
【果たして、誰が其れを遮ろうか】
【翌日には、かの祖父に、かの奥方公に、婚姻の報はなされるのだろう】
【世界はそれを何と呼ぼうか】
【なれば、こう呼ぼう、君は薔薇より美しい、と】



//お疲れ様です、これにて閉めです。
//ありがとうございました
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/14(火) 20:50:11.91 ID:lHlXGZ4e0
【――青空の向こう側の向こう側までも晴れ渡ったある日のことだった、あるいは何もかもが皮肉のように世界が煌めくのは、初夏に浮かれる日差しの作用にほかならず】
【なれば澄み渡る青空も真っ白に浮かぶ雲も、――――ほんの少し人間のための道を外れる、たったそれだけのことで見えなくなるのだから、ずいぶんと世界は簡単なものだった】
【だからきっと世界だってこんなにも簡単に滅ぼせてしまうのに違いなかった。だって見上げる空はもう色濃く茂る葉っぱの影の色、からりと爽やかな気候すら、気づけばじっとりと纏わる湿度にすり替えられて】

【――――そこは櫻のごくありふれた田舎町の一つだった。観光地めいた場所など一つもなく、外から人の来ることすらほとんどないような場所は、それでも、ごく立派な川の、その傍らにあり】
【その水で仕込んだ酒は知る人ぞ知る銘酒の一ツであるらしい。ただし酒と町の名はほとんど同じ知名度だった。――結局のところ、“ものを知ってる”ようなコアな客が愉しむ酒は、それでもきっと今年も仕込まれるのなら】
【どちらにせよ他所から来る人間なんてものはほとんど居ないのだろう。まして仕事などという風でもない年若い人間などというものは悪目立ちするらしい。――どこぞで自殺なんかでもするんじゃないか、なんて、失礼な話だけれども】
【けれどそうなのだとして、やはり人の口に戸は立てられぬものらしい。或いはおんなじ、“外”から来た人間だからなのかもしれなかった。――ましてや、同じような年ごろ、まだ若い女の、よく目的も知れぬ訪れとなれば、】

【(曰く、数年前にも"誰か"来たのだという。一人はあどけない少女。もう一人は、それよりいくらも大人びた男性。よりによってわざわざこの町を目指してやってきたのだというしその二人組は、)】
【(人が立ち入ればたちまち呪われ二度と戻ってこられない、なんていう伝説のある山を目当てに来たのだと言って。行かない方がいいという話にも耳を貸さず、そのまま山へ行ったのだという)】
【(都会から何か聞きつけて遊び半分にやってきたものなのだと思っていた。他所の文化や風潮を好奇心にて踏みにじってしまうことも十分にありえる年齢の人物たちであった。――――――その夜のこと、)】
【(二人は何事もなかったかのように山から下りてきた。それどころか、その少女の腕の中には、一抱えほどもある蛇の頭蓋骨が抱き留められていた。――そしてその二人組は一晩だけ町に泊まり、そうしてすぐにどこぞへ発った)】

【そんな奇妙なエピソードを誰かより聞くのは難しくないのだろう。刺激の少ない田舎町、話し好きのおばさんたちはとかく話題に飢えていたから。――とかく、その話を聞くことができたなら、】
【“彼女ら”は、その不可思議なよそ者の容姿にも触れるのだろうか、――長いアシッドグレーの髪に群青色の瞳が特徴的な男性と、それから、長い黒髪に色違いの瞳の少女。なれば、彼女らが言っている人物とは、一人は確実に"そうであると】
【思わすのに十分であった。長い黒髪はともかくとして、黒色と赤色の瞳の人物はあまり出歩いていないものだった。ましてや、同じ色合いをした少女が、蛇に由来のある伝承の残る山に登って、その骨を持ち帰ってきたのだと、言うのなら?】

【――――――――だから、山の中はごく静かだった。町外れと言っても、それは結局、人類が自然に負けた境界線でしかなかった。そこを一歩踏み出したなら、そこはもう、人間のための場所ではなく】
【がさがさと草と枝とを掻き分けて、足元でぼこり膨らむ根を避けて、そうかと思えばぼこりへこむ地面を避けて、そうやって歩いているだけで、何か取り返しのつかないこと、しているような気持ちにさせるから】
【やっぱり戻ろうか。"彼女"に何か関係があるのだとして、今更何もかも遅いのに違いない。そんな風に思っても/思わなくても、確認する携帯の電波など、あるはずもなくって、なら、戻るための道すら不明瞭にぼやける、刹那に】


【――事実として視界はぼやけていた。知らぬ間に薄らと霧が出ていた。瞬きの瞬間に、世界が白くくすんでいた。そうして、さっきまで充ち満ちていた不快さに等しい湿度は、途端に清浄たる涼しさに代わり】
【薄暗さは変わらぬまま、そうだとして葉の影より微かに差し込む日差しのかけらがそれでも何か神聖さを帯びているような気がした、――――――がさり、小さな音がする。その足元から。(けれど敵意はないから?)】
205 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/14(火) 21:21:07.26 ID:cDuJcACk0
>>204

【――登っているうちに辺りは暗くなり始めていた。だのに足音が聞こえていた、がさ、がさり】

【今更会えるなどとは思っていなかったけど。いなかったけれど、どうしたって、願ってしまうから】
【元気にやってくれているならそれでいい。道を違えたあたしのことなんか忘れて、幸せに】
【なってくれればそれでいいって、わかって、いたのに――その話を聞いてしまったのなら】
【赤い靴は勝手に踊り出す。それこそ呪われてしまったように。それしかできなくなるように、】

……………………はあっ、はっ、この靴で来るの、さすがにっ……無理があったかなっ、
でもこれ履いてないと、……きっと駄目、だから………………

【――山道にこんな靴履くのはきっと自殺志願者くらいしかいないはずだった。なのにこいつは呼吸していた】
【荒い息を吸いては吐いてを繰り返す。ならば服装だってそういう、とうてい山に適したものではなく】
【シャツの上からパーカー。ホットパンツに――暑いのに、何かを隠すようにサイハイソックス】
【何度も述べてる赤い靴は、バカみたいな厚底だった。本当にこの山の何もかもをバカにしているみたいなのに、】

……………………バカらし。帰……るにした、って……はあっ、……えっと。
こーいう夜の山では、動き回るほうが逆に危ないんだっけ……だから、
朝が来るまで待ったほうが、安全、で…………。……あれ、もう、朝、来ちゃった?

【表情だけがどこまでも何かしら、取り憑かれたように真剣みを帯びていたから――しかしそれも長くは続かず】
【途中で疲れ切って、よさげな樹でも見つけて背を預け、座り込んでしまうんだろう。そうしたら】
【なにかしら輝くのを見てしまうから。ふと目を丸くして前を見てしまう、そうして――ぞわりと肌を粟立たせ】
【その神聖さに怯えてしまう。彼女は冒涜的な化物であった、だからきっと「神様」には嫌われているはずだった、けど】
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/14(火) 21:41:15.50 ID:lHlXGZ4e0
>>205

【けれどその"神聖"は、決して彼女を拒みやしないのだろう。それが如何様な理由であるのかは知れなかった。――誰も真実を述べる者がいないのだから、仕方がないとはいえ】
【だってもはやこの山に神様などというものは居やしないのだ。そんな神様は滅んでしまって久しいのだ。だから、今ここに満ちる神聖はただの残り香、誰も踏み入らぬからこそ、残るだけのもの】
【なればいつか薄れてしまうのかもしれなかった。けれど、それはだいぶ未来の出来事のようにも思えた、だって、町の人はあんなにも今でもこの山に入ると呪われてしまうと信じている】

【(それとも或いは、この山の神様は貴女を決して拒めやしないのかもしれなかった)(だって)(だって)(――だって、)】
【(好きな人にもう一度会いたい)(その気持ちから何もかもを踏み外してしまった神様の場所だから)(きっとよく似た禁忌から出でた者を拒むなら)(それは自分の奇跡すら疑ってしまうことになって、)】

【(――――――だから、かは、分からないのだけれど)】


"――――""――――――――""――"

【――がさり、がさり、小さな音が連なっていた。かさり。山に棲む獣の足音とするには小さすぎたし、大型の獣が潜むような茂みは決してありやしなかった。なら、彼女の眼前、ごく背の低い茂みを、あるいは木の幹を、何かが這う刹那】
【ごく貴女の傍らから一つ何かがみょこんと顔を出した、――――――蛇。黒色と赤色とそれから黄色を纏う蛇。ごくありふれた色柄をした山棟蛇であったから、知ってさえいれば、その同定をするのはそう難しくもなく、ないのだけれど】
【知っているなら、それがうんと飛び切りの毒蛇だとも知っているだろうか。――そうだとして/それは間違いなく事実なのだけど、案外つぶらなまなざし、瞬くこともない鏡面に似た視線が見上げたなら、】

【あちらこちらからがさりがさり顔を出すのも"それら"であるのだろう。――そうして一匹一匹が顔を見合わせるようにきょとりきょとりと首を揺らすのなら、おそらくありふれた蛇ではないのだろう、と、思わす光景】
【みょこり顔を出した最寄りの一匹が、するり地面を這ってから、それから、その真っ赤な靴のつま先。まるでキスするみたいにすり寄って――くるん、と、その片足をまるで戯れるように一周だけ、ぐるりと回ってみせて】
【そうしたらするりと離れて行ってしまうから、――まるで人懐っこい野良猫のような仕草。見れば、ほかの蛇もまるで道案内するみたいに先導する一匹を/まるでおいでと誘うように振り返る一匹を追いかけて、するりするり、どこぞへ向かいだしていて】

【――全く何の知識もないのなら、間違いなく、黄泉か地獄かそれに準ずるどこかへの案内であるように思われた。けれどここは間違いなく蛇の山なのだと眼前の光景こそが証明していた。なれば、ここはきっとあの少女の知る場所であるから】
【歩みだすのなら、蛇たちはやはり先導するような仕草を繰り返す。――歩まぬのなら、蛇は行っては戻り行っては戻りを数度繰り返してから、まるで困り果てたようにどこぞへ姿を消してしまうのだろう。――どちらにせよ、静寂】

【人の言葉など聞こえてくるはずもない山の中の出来事は或いは怪談話にもよく似ていた。――そうだとして、何か頼れそうなものがほかにあるかといえば、著名の賢者すら首をひねるような光景】
【幸いにも蛇たちはより深く/より高く向かうようだったから、着いていくのなら、あるいはどこぞで携帯電話の電波だって拾えるようになるかもしれなかった。――――だなんて希望的観測が、過ぎるのかしら】

【――――――――どこかで何か動物の鳴き声がしていた。けれど恐ろしいものには感じられなかった。たとえ恐ろしいものなのだとして、この薄霧が護ってくれるような、そんな気がして】
【少なくとも確かであるのは、――迷ってしまった貴女を迎えに来る愛しい声は聞こえてこなくて。音楽ファイルの読み込めなかったゲームみたい、聞こえてくるのは足音と、蛇の這う音と、何かの鳴き声と、呼吸の音と、それから、(それから?)】
207 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/14(火) 22:00:23.50 ID:cDuJcACk0
>>206

【しばらくはじいっと音を聞いていた。それが地面からする音だとわかったなら、まつげを斜め下に落とし】
【見やる、蛇――であれば「彼女」の一部であるか、あるいは使い魔であるのかと認識した】
【そういえば一番最初の邂逅のときだって、「彼女」は大量の蛇を連れていた。こういった色の子ではなかったけど】

……………………鈴音、

【だとしたって、そう認識したのだから何も恐れることなどなかった。毒の有無など知るはずもなかったが、それでも】
【本能が、きっと大丈夫だと信じるように言いつけていた。だから足に這われても、何も怯えはしない】
【強いて言うならつややかな鱗の感触にちょっとだけぞわっとしたけど――本当にそれだけだ。だから立ち上がる】

あたしを、……迎えに来てくれた? ……なんて。
それはちょっと高望みがすぎるかな、あはは……ありがと。案内してくれるんだネ?
うん、ありがとう、歩けるよ――あんたたちよく見るとかわいい顔してる。初見はやっぱりビビるけど……

【したら、迷うことなく歩いていくのだろう。疲労の混じる顔に幽かな微笑を混ぜながら、話しかけてみたりするけど】
【当然なにかを返してくれるというわけではないから――それでもよかった。独り言を続けながら、歩き続ける】
【お迎えに来てだなんて、そこまで高望みはできなかった。だって自分が、勝手に会いたいと思って来ただけだから】

【だから――――なにか音がするのなら。しなくても。彼女は鈴ノ音を幻聴するのだろう】
【あり得ないことだったとしても、確かに彼女は聞いていた。それ以外何も聞こえなくなっていた】
【やがてどこかへ足を踏み入れる。童話の中で、教会にも赤い靴を履いていった愚かな娘は呪われたけど】
【もはやそんなことはどうでもよかった、だってとっくの昔から呪われている――穏やかな足取り。靴底を、鳴らして】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/14(火) 22:19:53.61 ID:lHlXGZ4e0
>>207

【漏れる言ノ葉の音律に、蛇の一匹がぴくりと顔を上げた。――そうしたらすぐ傍らで同じくすりすりと這っているやつに何か話しかけるみたいに、ずりずりって近づいて行って、疎ましがられている】
【ずいぶんと仲のいい蛇たちの様子、だけれども、蛇ってそんなに仲良くやっていくたぐいの生き物だったかしら。――きっと違うのなら、これは、何か夢まほろばにも似て奇妙な現象、生物学者が喚いても観測したい光景】
【それだけで何か神様の思し召しなのかもしれないなんて言いすぎるのかもしれないけれど、――やがてあなたは薄霧の向こう側に、林立する木々とも、地面を這う蛇とも、まったく異なったシルエットを見つけるのだろう。――人の形をして見えたから】

………………――――、あ? 何? お客さん……? 迷子じゃないの? こんな奥じゃなくって、町のほうに降ろしてやりなさいよ。……私は忙しいから。
あんたたちの神様をこさえてやってんじゃない。…………あー、もう、――――――。

【だからきっと声だってした。誰よりも早く彼女を先導していた蛇が、ぐんとスピードを上げたなら、誰よりも誰よりも真っ先に、薄霧の向こう側まで行ってしまって、その向こう側から、微かな声音が】
【誰かがいるとは思っていないのだろう。だからきっと"彼女"は蛇にのみ話しかけていた。誘われた誰かは、単なる哀れな迷子だと思っているらしかった。何か少しうんざりしたような声は、それでも、涼やかに鈴の音を宿していて】
【薄霧の世界の中で聞くのなら、それこそ何か神聖なように聞こえることもあり得るのだろうか。――だとしても、彼女はずいぶんとくだらない理由で以って"いなく"なってしまったはずだった。だからきっと間違いなく気のせいに違いない】
【――それでも蛇たちは貴女をそちらへと誘導しようとした。それは人語を介する何かに処遇を任せようとしているようにも見えたし、二人を引き合わせたいようにも見えたし、それとも或いは、何か壮大な計画があるようにも見えたし、】

【つまるところ蛇の表情は大多数の人間にはよくわからないということなのだけれど、】

【――――――"それ"は少女の形をしていた、腰の長さまで何の乱れもなくすとんっと落ちた毛先は、お空の上で一番上等な雲を紡いで、それから宇宙の染料で染めたみたいに、何一つ穢れない黒の色合い】
【そうして負けじと白い肌は頬にうっすらと血の気を透かして、そのかんばせの造形のあどけなさを際立たせるのだろう。どこか優しく呆れるように蛇を見つめる瞳は光の角度によって赤く透き通る黒色であるなら、何か少しだけ違うけれど】
【深い赤色のワンピースに魅せるためだけのコルセットを締めていた、袖から裾から溢れんばかりのフリルはその華奢さをこれ以上なく協調して、その傍らから覗く指先の白色が、地面より救い上げた蛇を腕まで躊躇いなく絡ませて、口吸いの距離感で語らい】
【足元を隠しこむソックスの色合いに、それから足元はやはり到底山に似合わぬ靴を履いていた。――かかとの分厚く高いストラップシューズ。そこだけ見れば二人、限りなく同類であるのかもしれない、なんて、思えちゃいそうな】

……ああ。もう。ごめんなさいね、うちの蛇が……。大変だったでしょ。獣道だから。――――まあ、ここ、獣なんて来ないけど。蛇道だわ。蛇の道は蛇――ということで、ほら、さっさと道案内。元居た場所に返してきなさい。

【薄霧の向こう側であるなら、互いに視界は悪いのだろう。そうだとして、その人影の姿を見るにあまり不足はなかった。――なればそいつはそちらに背中を向け続けていた、腕に絡めた蛇にケチをつけてから、足元に解き放ち】
【指先でわりにぞんざいに急かす、――それでも何か蛇がたじろぐのを見てから、ようやく振り返るのなら、それまでに相手のほうが動いたって良かった。それだけの時間は十分にあったし、――言葉を発するだけなら、瞬き一つの間に事足りる】
【どちらにせよ彼女は全部の始まりをあなたに譲るのだろう、――そうあれかしと神様すら望むみたいに。だって、こんな山奥で起こる出来事は、神様か何かそれに準ずるものが手引きをしたに、違いないんだから】
209 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/14(火) 22:32:38.45 ID:cDuJcACk0
>>208

――――――――――――鈴、

【まっさきに出かかった声を飲み込んだ。シルエットだけでわかってしまった。だけど、だからこそ】
【次の瞬間には「違う」とわかってしまうから。だってこいつがずっと祈っていたのは、「彼女」に対してだけだった】
【目の色が違うから。だから違うとわかった――だなんてそんな簡単な話ではなかった。だから、こいつは、】
【とびきり残念そうな顔を隠せもしないで、それでもなんとか隠しているような仕草を残して。苦笑いするのだろう】

………………ううん。いいコたちばっかりだった、蛇ちゃんたち――獣道だって平気だった。
見える? こんな靴で歩いてきたの。それでも平気だって言うんだから、……あたし結構すごいでしょ?
まあ――今はそんな話は、どうでもいっか。ごめんね、ちょっとだけ……ちょっとだけお話ししたいな。
それが終わったらすぐ帰るからさ、だからちょっとだけ、付き合ってほしいんだけど――――

【そうして赤い靴のバカ高い底を示す。きっと目の前の彼女ならば知らないだろうと思ったから】
【それから漏れる溜息はやはり苦笑に交じった音をしていた、けれどうんざりした、という意味合いではなく】
【何かかなしいことを悟ってしまった、みたいな、色合い。それでもなんとか笑っていた。振り返って、見てくれるなら】

ねえ、………………あんたの名前、なんてーの?
……白神、鈴音。ではないよね。あたしバカだけど、それくらいは、わかるよ、……わかるから、

鈴音はどこ行っちゃったのかな。……もう、あたしたちに愛想つかして、何処かへ消えちゃった?

【「あたしは夕月って言うんだけど」。きっと目の前の彼女には聞き覚えのない名なのだろう。名乗って、】
【相手の名を問い返す、何気ない会話に添えられる表情――だなんて到底していなかった。なにかもっと】
【競り上がってくる感情を、それでもここで零すことは許されない。理解して堪えているような顔をして】
【そしたらやっぱり、その上から無理矢理作ったぶさいくな笑顔をべたべた塗り付けるから――何もかも下手糞だった】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/14(火) 23:07:20.57 ID:lHlXGZ4e0
>>209

【ついと霧の向こう側から黒くて赤いまなざしが間違いなく貴女を捉えて、――はたりと瞬くところまでを余すところなく観測させた。であれば、間違いなく出かけた声は聞いたのだろう】
【ほら見たことかとでもいうみたいに頭を揺らす蛇の仕草だけが何かふざけたような滑稽さを帯びていて、――けれどきっとそれ以外の誰にもそんなつもりはないから、やはり浮いているだけのその仕草が目立ち】
【振り返る足取りが草を踏むのなら、しゃくんと割合に当たり前の音がした。――――――――とすり、ごくごく小さな足取りの音一つで、詰める距離は、歩幅一つ分しかなくとも、“それ”はやっぱり何か、違うから】

そう? まあ、そうよね――。お行儀の悪いようには育ててないもん。ただ、人が来るのに慣れてなくって。近頃まで、ここ、封じてあったから。……それで。
見えたわ。お靴はもちろん、お顔も。――まず一つだけ。ごめんなさいね、――あたしにとって、あなたは、読んだ本の登場人物みたいな、もので……。
――まだ、そこまでなじんでないの。あなたに関する記憶も含めて、私のお話と呼ぶには、少しだけ、ね。――、でも、知ってる。――――――――――元気?

【向き直り近づいた影の向こう側に小さな社があるのだとして、何か特別な意味があるようには思えなかった。そうだとしてよく見れば、足元には気づけば草むらに等しい茂みと、それからうっすらと水が満ち満ちていて】
【不可思議な光景なのだとして、それがここのルールらしい。――ルールと呼ぶほど大層なものでもないのかもしれない、高い山を登るなら酸素が薄くなって当たり前なみたいに、ここには水たまりができやすい、なんて?】
【ころと笑う声の鈴を転がすようなのが変わらないのが非道かった。――空っぽになった指先を口元に添えるのなら、いくらか無邪気な笑みも見せつけるのだろうか、それでも葉の隙間から覗き見る月より朧気に、隠すのならば】
【さくりさくりと足音は繰り返されていた。止めぬのならばずいぶんと近くまで近寄られるのだろう。――とはいえ、会話に問題のない距離でしかなかった。殴るこぶしも蹴るつま先も、そのままでは届かぬ距離感にて】

桜花鈴音。
そうやって名乗ることにしたの、――だけど、変わらない鈴音だわ。って言ったら、可哀相よね。――あなたにも、わたしにも。
だから……そうね……、なんて言えば、いいのかなあ。――――――短編集のお話が、あるでしょう? いろんなお話がいくつも入っているやつ。
あれって、――例えば真ん中から引きちぎっても、千切られたどっちか片方だけでそれなりに成立しちゃう。……あたしはその片っぽで、わたしはその片っぽで、

――それをノリでくっつけたら、元通りの一冊! ……そういう感じなんだけど……。まあ、もう片っぽは、さらにそっからシュレッダー掛けられちゃって、現在、誠意修復中――、ね?

【ごく大人びて笑った表情が、――なにかどうしようもない悲しみに似て翳るのを隠せるほどの距離/霧ではなかった。その名を名乗ることを悲しむのではなく、それ以外の何かを悲しんでいた、けど、】
【そうだとしてあまりひどく悲しんでいないようにも見えた。ならばあんまりに心の冷たいやつなのかもしれなかった。そうやって呼ばわったところで、彼女はやはりきっと何か悲し気に笑うだけなのだろう】
【だからせてめ何か冗談めかすように笑んで伝えた、ぺちんと気の抜けた音で合わされる両手は、間違いなく片手ずつが本のかけらを表していて、それで解決したらよかったのにね?】

――、どこかへ消えちゃったって言うよりは……。

【――だから彼女はその片っぽうの手を指先を口元に添えた、そうして一瞬なにか悩むような声はあいまいな音階を刻むのだろう。うーんとうなり声、それから、ついと振り返り見せつける背中の無防備さ、】

消えらんなかったのよ。

【「だから、…………………………」「……、」「、」「あれ?」】

………………もしかして、わたし、なんかした? こんなところで何してるの? 

【“だから”何かを説明しようとした背中がふーんと気の抜けた吐息の思考に浸される。そうしたら何かに行きあたるのだろうか、だって"彼女"には前例が何度もあって、あったし、きっと貴女だって聞いている】
【彼女によって異世界に引き込まれた人間の話。――なれば同じものを名乗る彼女だって知っているのだろう。けれど心当たりはないのだろう。何か慌てたように振り返る表情が、――あるいは馬鹿みたいに少し慌てていて、】
【初対面と呼ぶには少し親し気でもあった、――だとしても】
211 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/14(火) 23:27:19.11 ID:cDuJcACk0
>>210

…………桜花鈴音。そっか。そう、じゃあ、、初めまして――。
そっか、……そう。そっか、……そっか。じゃああたしの知ってる鈴音は、

【何かひとつひとつ納得してゆくような、或いは自分に言い聞かせて諦めるような声色にて、返答】
【それはどこか部屋の片づけをしているのに似ていた。使うものはきちんと棚に仕舞って、抽斗に入れて】
【飾るべきものは飾って――そうじゃないものは、箱に仕舞ってしまうか、それか、――――、】

【――いずれにせよ何かをためらうような沈黙の間を置いた。顔はぶさいくなままだった。それでも】
【真っ赤な相貌は相手の表情を見守ることを躊躇しない。ここで目を逸らしてはいけないと悟っていた】
【せめて見届けなければ、自分のやってきたことも、「彼女」のやってきたことも、なにもかも馬鹿らしい話で終わるから】

消えてない、なら、…………よかったかな。よかったかも。
んーん……「鈴音」はなんにもしてないよ。あたしが勝手に会いたいなって思っただけ。
そしたら蛇ちゃんたちが迎えに来てくれたからさ、だから――なんて勝手に期待しちゃった。

でもその期待も、ね、……少しだけ叶ったのかもしれない。
消えなくって良かった、鈴音が――これもまたあたしの自己満でしかないんだけどさ、
……もしかしたら、聞かせたら怒らせちゃうかもしれないけどさ、どうしても言いたいことがあって、

【「……だから」「伝えといてくれる?」「怒っちゃったら」「ごめんねって言ってたって、それも伝えて」】

助けてあげられなくって、ごめんね、って。
――――あたし散々言ってたんだ、鈴音のこと助けてあげるって、バカみたいに言って回って、

でもあたしそんなことできなかった。……できたかもしれなかったのにできなかった。

【きっとそれをどこまでも悔いていた。それを言うまできっと「死ねない」、そう思っていたのかもしれなくて】
【だからこそここに来たのかもしれなかった。そうして、ここに立ち入ることを許してもらえた――のかもしれなくて】
【何もかも「そうかもしれない」に過ぎなかった。けれど。けれど。「白神鈴音」が、まだ消えてない】
【そのことだけがこいつにとっての救いだった。それだけはどうしたって間違えようがなかった。――まだぶさいくに、笑っていた】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/14(火) 23:59:52.85 ID:lHlXGZ4e0
>>211

【はじめましてのご挨拶に、――そいつは割かし友好的に答えるのだろう。そもそも人間と敵対してやろうという意思すらないように思われた。――"誰かとは違って"】
【冗談めかすようにスカートのすそを摘まみ上げる仕草は、あんまり似合ってないのかもしれない。それよりもうちょっとだけ好き勝手に生きている人間の素振りが似合うように思えたから】

……そうなの。じゃあ、やっぱりわたしが呼んだのかもしれない。……今からねえ、神社ごっこをするの。まあ、こんな場所まで人間は来やしないし、“ごっこ”でしかないけど。
山奥だしね。こんなとこまで参拝に来いって、人間のほうが可哀相だし。……夕月ちゃんは、消えなくて良かったーって、思うのね。あたしと逆。――あたしはね、
消えた方がよほどマシだったって思ってるもの。――けど、消えらんないし、消せもしない。放っておいたら、それこそ間違いなく、“なにか”しでかすから、――。

見張り番みたいなもの。地獄の底の穴の上におうちを建てて、そこに暮らしちゃう感じ。

【なればそいつは気軽に言ってしまうんだろう、何か思い詰めてやってきたわけでは少なくともなかった。山登りに適するはずもない靴のかかとにもつま先にも泥のほんの少しもこびり付いてや、いないから】
【だからよっぽどあなたのほうが彼女のことを想ってくれているのに違いなかった。気づけば二人の足元には何匹もの蛇たちが好き勝手にくつろいでいた、――お話しながら指先が示すのは、傍らにある石造りの社】
【何かが崩れてその上に苔が生して草が生えたようななだらかな凸凹の中で、それだけがいやに奇麗だったから。"それ"が“神社ごっこ”の要であるのはきっと間違いなく、】
【――ならば神様がそこにいるべきだった。けれど眼前に存在する気楽な誰かは神様だなんて厳かなものをやるつもりはないようにしか見えないのなら、】

大丈夫よ、――今も、一緒に居るんだから。聞いてる。ぜんぶね。――――――ただ、そうね、

【背中を向けた肩越しに振り返って手招いた、そうして誘うなら、――社の前。二人佇むことになるのだろうか。そうして近づくのなら、社と胸を張って呼ばわるには少し物足りないものであるとも知れるのだけれど、】
【いつか"なにか"あったのだろう場所に、いまも"なにか"あった。掌に握り込めるほどのわりに大きい、銀色の鈴。それでも無造作に転がされていた。――神様のための場所と呼ぶには、やっぱり、ちょっと、物足りないけれど、】

他の人には、内緒よ? ここまで来て荒らされたら、たまったもんじゃないから。――――結局、わたしは、人間の身体をもらったところで、人間には戻れなかったの。
だぁーって、なんにも、解決していなかったから。――だからね、やっともらった人間の身体だって、取られちゃった。それで、今はね、身体だってないの。――それでも、消えらんなかった。

――――――――――――――から、ここを神社にしちゃおうと思って。へびさまのご神体、私ん家(よるのくに)にあるから、ここ、空っぽで。へびさまの結界も壊れちゃってるし……。

【なれば間違いなく彼女のための場所にしてやろうという積もりのようだった。まかり間違えてもウヌクアルハイなんて名前の神様のためではないに違いなかった。――そうだったとして、もはや誰もあれを信じやしないのだろうが】
【ろくなご利益もあるはずのない、ちーぽけな神様のための神社をここにこさえるつもりらしい。そのくせ、大仰な儀式も形式も礼儀も作法も気にした風でないのは、結局はどこまでも、何か納得させるための儀式でしかなく】
【だからきっといつか誰かがしてくれようとしたお葬式と意味合いは全く同じなのだろう。――それを貴女が知っているかは、分からないけれど、】

【(一緒に居るというのなら。今も見ているというのなら。或いは話すことだって叶うのかもしれなかった。けれど何も言わないのなら、こいつはそれを推奨しないのに違いなかった)(だとしても)(だとしても?)】

213 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/15(水) 00:22:42.91 ID:h4jMUaMU0
>>212

……消えなくてよかったってのは、あたしの自己満。これを言いたかったってだけだから、本当に――
きっとあんたの言ってることが正しいよ。白神鈴音はもう、消えてしまったほうが、……しあわせなのかもね。
そっか、…………そっか。神社やるなら、今度こそあたしここには来られないかも――

【「ゾンビなの。だから神聖さに中てられたら、浄化されて死んじゃう」 冗談っぽく笑う頬は薔薇色で】
【血の通った色をしているから、やっぱり冗談なのかもしれなかった。そもそもこんなこと、「鈴音」には】
【言ったこともなかったし――やっぱり?八百なのかも。はは、と笑う声に力はなくとも、瞬きは生きていて】

……………………。……人間にも、……戻れなかった、……なんて、
うそでしょ、ウソ……、……なんて、吐くメリットなんか、ないから……ほんとうの、こと、なんだね。
……、……鈴音は泣いてたよ。イルちゃんからもらった身体なんだって笑いながら、……、

あたしそれを、…………嬉し泣きなんだと思ってた、だけどそれも、そうじゃ、なかったんだね。

………………そっか、そっかあ、……じゃあ、あのね、ここが白神鈴音の神社になるんなら。
お祈り、していいかな……あたしほんとはお祈りなんかしちゃいけないバケモノなんだけど、それでも、

【しかしまつげの降りる瞬間に、静かに跪くのだろう。こいつが願った鈴音じゃない、桜花鈴音の御前に】
【両膝をついて、両手を組んで――その左の薬指に環が植わったことすら報告できていなかった】
【何もかもを悔やんでいるのだろう。だからそれはきっと祈りなどではなく、贖罪を冀う、告解でしかなく】

鈴音、ごめんね、…………ごめんなさい。あたしあんたを救ってみせるって、大口叩いて、
目的地もわかってないのにバカみたいに走り回って、それだけで満足しちゃって、……ごめん、ごめん、ごめんなさい!

ごめん、ごめんね、鈴音、りん、ね…………、……っ、あたしあんたの幸せを祈ってた、願ってた!
でもそれが足りなかった、あんたの力になれなかった、寄り添ってあげられなかった! 救ってあげられなかった!
なんにもできなかった! もしかしたら神様になれたかもしれないのに――そのときだってなんにもできなか、った、……、

……………………ごめんなさい、許して、許して、なんて、言っちゃいけないの、わかってるのに、
許してほしくて仕方ないよ、ごめんなさい、ごめんね、……ごめん、けっきょく、たんぽぽ、も、守れなくって、

あたし、………………どうしようもないほどバカで、無力で、それなのに――あんたの友達気取って、
ごめんね、こんなヤツ、傍にいたって鬱陶しかったでしょ? うざったかったでしょ? なのに、
あんたいつも笑ってくれたから――――勘違いしちゃってた、……ほんとに、ごめんね、……ごめんなさい…………。

【泣き崩れる、地面に落とす涙はすべて白神鈴音にのみ捧げられるのだろう。ゆえに勝手に口からまろびでる謝罪も】
【全部全部、白神鈴音のみに捧げている。馬鹿げた話だった。だって鈴音は、水が怖かったの、知ってるのに】
【こんなにたくさんの、涙というそれっぽい呼称をつけただけの水なんか供物として相応しいはずなどなかった】
【なかったけれどそれしかない。捧げる花の一輪すら、こいつは摘んでこなかった――ならば何もかもが、自己満足のため】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/15(水) 01:05:23.70 ID:DSINPimJ0
>>213

――――――――――ゾンビ?

【ぱちりと瞬いた。そのまなざしが何らかを示すのだとして、少なくとも、軽蔑や畏怖では決してないのだろう。それよりかもっと好意的/友好的な色、瞬きに添えたなら】
【きっと初めて自分以外の猫に出会った子猫みたいな顔をするのかもしれなかった、――二人猫だと騙るには、彼女は少し蛇のような尾っぽを持っているようだった、けれど】

あたしもねえ、死んで生き返ってるから――だから、大丈夫じゃない? 分からないけど――。ここの神様ねえ、――ああ、本当のほう。へびさまのほう。
あの人は、――もう一度、死んじゃった大好きな人に会いたいっていうだけで、全部頑張ったの。けど、――その結果を観測してしまったから。
さあ、今はどこへ居るのやら……あたしにもよくわからなくって。

【そもそも祀られるもの自身が、黄泉返ったようなものだから。むしろ何度も死んでは生き返るだけ穢れているのかもしれなかった。だから、気にしないかも、なんて】
【とはいえ、相手の仕組みを彼女は知らないから。――大丈夫じゃない?なんて軽く言っておきながらも、そのせいで何らかの出来事が起こるのは、嫌なみたいに】
【――そうして語らうのはそもそもすべての始まりのことなのだろう。大好きな人が死んでしまった。もう一度会いたかった。たったそのためだけに、なにもかも、なにもかも、】

……あの身体は、人間だった。けど、――――人間の身体に入っていてふさわしい魂では、もはやなかったの。
どこまで知ってるのかな、――自分が人間じゃなくなってしまったことを悔やみ続けてきたやつが。数年越しに、はいどうぞ、って人間の身体をもらったとして――。
「わあい! やったー!」って受け入れられるものかしら。――受け入れられる人もいるんでしょうね。けど、わたしには無理だった。たったのそれだけの話。

人間の身体に戻れたからといって、――――――――――――――。

【例えばうんと幼い子供だったなら、「ごめんね」「いいよ」で済んだ、のかもしれないけれど】
【もう少しだけ大人になってしまうと、途端に、「ごめんね」のたった四文字で、理不尽を許さねばならぬという理不尽に気づいてしまうし】
【もっと大人になったなら、その心の内側に詰まっているのが嘲笑と面倒くささと馬鹿馬鹿しさだと気づきながら、謝罪を受け入れないなんて心の狭さを世界が許さぬことまで理解する】
【そうして「いいよ」と笑って見せる表情は笑んでいるように見えたからって決して笑んでやいないのだと、だれもかれも気づかない。だって気づかれぬように笑むんだから】

【(まして形式上の「ごめんね」すら、なかったのかも、しれないのだから)】
【(だからきっと確かなのは、彼女はそのくだらない損するためだけの儀式に笑ってあげて「いいよ」って言ってあげて全部赦した"ふり"を、しなかったって)】
【/いままでたくさんゆるしてあげたよ】

【――――だから、(だから?)(だから。)彼女は、その懺悔を聞き遂げるのだろう。それが彼女なのかそうではないのかやはり彼女なのか結局彼女なのだろう。だから彼女は聞いていた】
【そうだとしてまなざしはごくあいまいな色をしていた。俯いて見下ろすのなら、瞳は限りなく黒く、けれど瞬きのたびに、かすかな光を抱き留めて、ほんの少しだけ赤みぼ帯びる】
【やがて思いついたかのように膝を折るのなら、足元はやはり水浸しであった。そうだとして、決してぬかるんではいなかった。そこに落ち行く涙の雫、その一つ、指先に捕まえて】

なら、わたしの代わりに世界を滅ぼしてくれる?

【濡れた指先がやさしくやさしく花をめでるようにその顎を持ち上げようとした、――――――桜の綻ぶような柔らかな笑み、吐息の気配、眦の角度は嘘と誠の境目を限りなくぼやかして、】
【ならば誰がしゃべっているのかすら分からなかった。彼女はずうっと一人称すら曖昧に振れていた。なれば彼女の前に居るのはだれかなのかもしれない。願われ続けてきた彼女なのかも、なんて?】
【――ふ、と、吐息の抜けるように笑った声が途端にいのちを取り戻すから、造花の花弁はその刹那にその涙だって飲み干して、咲き誇るうるおいと変えてしまうから】

なーんて。……、…………。

【それでも何かばつの悪い間があった、――、なにか混線してしまったような一瞬のノイズに似て。うふ、と、冗談めかす笑い声の温度、立ち上がる仕草に付随する、フリルの戯れと】

………………私は、残るから。どこかへ誰かと行くのでしょ? だったら、全部、置いて行っていいのよ。ここに。

【私は誰かの何かを赦せるようなものではないけれど。それでも、】
215 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/15(水) 01:35:26.72 ID:h4jMUaMU0
>>214

そう、ゾンビ。死んでから生き返ったの、……神様に喧嘩売るようなやり方で。
だから本当だったら神社もお寺も教会も全部ダメなんだけど――鈴音がいっとき許してくれてるのかも。

【ならばそれ以上のことは語らないのだろう。無駄でしかないのだから。閉じる唇、きっと何かを考え込んで】
【「死んじゃった」「大好きな人に」「会いたいって」「いうだけで」――誰かのことを思い出していた、けれど】
【そいつこそ正に神様に喧嘩を売る人だから、口にはしない。ゆるり首を振って、――跪いたまま】

【そうして何にも解決していないことを思い知る。鈴音はきっと罅割れたコップなのだとずっと思っていた】
【だからその罅を接着剤でくっつければ、中に注がれる水だっていつか零れることがなくなる、って】
【そう思ってたけどそうじゃなかった。罅なんかじゃなくて、底が丸ごと抜けていたのだと知る。そうしてそこに】
【いつか満たされる、満たされるのだと信じてやまない無慈悲な水だけが注がれ続けていたことを知って、】
【やはりこいつは泣くんだろう。気付けなくってごめんなさい。謝る資格もないのに、それしかやはり、できないから】

【持ち上げられる顎の角度は決して美しくない。美少女の丸みも、美女の真っ直ぐな鋭角もそこにはなく】
【こいつはそもそも美しい子ではなかった。だから泣けば、不細工な顔がさらにひどくなっていた。けれど】
【それを見られるのが恥ずかしいからって逸らすことは許されないと知っていた。だから、縁まで真っ赤に染めた目にて】

――――――――ううん。それは、できない。あたしは鈴音ではないから、……、
まだ世界が好きなの、でもね、……あのね、鈴音にだけは聞いてほしいんだ。

あたしのことね、世界で最初に助けてくれた人がいる。でもそいつは悪いヤツなの。
世界中のみんなから死を願われる、地獄で呪われ続けることを願われる、それくらいに悪いヤツ――
だけどあたしのことを助けてくれたことは絶対に、変わりのない事実だから、

あたしは、――――その人を守るために世界にケンカ売るの。滅ぼすまで行くかな、どうかな……
わかんないけど。……そのためにね、悪いことするよ、だからね、

【「鈴音だけはあたしに (不明瞭な声のくぐもり)(応援して/赦さないで/祈って) いてほしいの」】

【――――なんて言ったのかきっとわからないしわからせない。だけど鈴音なら、白神鈴音ならば】
【この気持ち、きっと「理解」してくれるって、これもまた勝手な願いを込めて/ヒトはそれを信仰と呼ぶのだろうか】
【それだけ言ったら立ち上がるのだろう。懺悔は終えたし、これからすることも伝えたし。きっと置いていくもの、たぶん、ない】
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/15(水) 03:31:20.11 ID:DSINPimJ0
>>215

………………少しだけ、おんなじね。

【何かを誤魔化すためだけにある沈黙が横たわる、ならば沈黙など慰めによく似た無意味でしかないんだろうか/ないのだろう】
【だって何かが似ていたところで私達(わたしとあなたと)が同じになるはずもないのだから。二人同じ悲しみに耽るにも、その境遇すら異なりすぎて】
【ましてや同じような傷口を擦り合わせるには、――こんなよくわからない少女の形をしているだけの誰かより余程優れた人があなたには居るのなら、】

…………下の川、見たかしら? 大きいでしょ。あれが、あたしたちのご先祖様。……といっても、さすがに川から生まれたわけじゃなくって。
うちの神様はあの川なのよ。そういうことになっているの。……源流がね、この奥にあるのよ。見ていく? 

【――だからきっと彼女は意図的に答えなかった。長い黒髪は光を受けると烏の羽のように艶めいた。そうして黒色のまなざしは光を受けたなら血のように色鮮やかに艶めいて】
【まったく何一つ関係ない物事を、ふっと、本当にふっと、思い出したような声が尋ねた、――「それとも」なんて声音はやはり努めて無機質を装う、鈴の音の理屈が述べるに、】

わたしと、あなたと、二人きりで話した方が、いいかしら。

【「だってなんだか狡いじゃない?】

あなたがそんな風に言ってくれてるのに、わたしはだんまりだし。――あははは、あたしが、抑えてるんだけど。……。
その間のこと、聞かないでおいてあげる。見ないでおいてあげる。その代わりに――、何かあったら、すぐに間に入ってあげるわ、それとも、
満足、したのなら――そうね、やっぱり源流でも見ましょうよ。だって、死んだ人間の言葉なんて聞いたり真に受けたり、しない方が健全だから。

【ならば提案なんてことをすること自体が不健全だと思っている節があった、――木の葉に咀嚼されてしまった月明かりはどこまでも朧気にぼやけて、感情すら不明瞭に照らすなら】
【視界の向こう側に微かに桜色が見えた。桜の木がそこにあるようだった。どうあれ桜の時期などこの国であってなお終わっているべきだった。――だからやはりここは何か異界に近しい】
【昔ッから、山の中なんて場所は人間の場所ではないから、怪異談も少なくなかった。――なれば死者と会話する奇跡の一ツ二ツあって何がおかしいというのだろう】

それとも帰る? お嫁さんをいつまでも神隠ししてたら旦那さんに殺されちゃう。

【やはり何かそこだけ浮いてしまったような社の傍らに佇むのなら人の姿をしているだけで彼女も忌まれるべき化け物なのだと誰にだって理解させた、】
【そうだとして異界の食べ物など勧めてくるわけではないし、望むのなら選択肢のどれだって彼女は許すのだろう。――あるいは、違った言葉すら、きっと】
【――こんな場所まで来てくれるのだから。来てくれたのだから。厚底靴で登山を敢行してくれたお礼と詫びくらいしたいと思うのは、きっと多分人間だってそうなんだろう】

【それとも或いは空っぽの神様に何かの意味を与えてもいいのかもしれなかった。この神様はこのお願い事を叶えるって思ってくれたなら、きっと神様ってそういうのが大好きだから】
【それとも或いは蛇を連れて帰ってもいいのかもしれなかった。*****の例もある。人間一人の魂を護ってみせるのに幾許か心許ないとして、無防備よりきっとマシだと思われた】
【それとも或いは邪神の聖地だと言って今のうちに焼き滅ぼしてしまってもいいのかもしれなかった。いつか世界を滅ぼそうとした神の神格を癒すためにこの場所はあるのだろうから】
【それとも或いは、――、だからきっとなんだってできた。なんだってしてしまう選択肢があった。それが叶うかは別として。どんなお願いごとも、誰にだって願う権利はあるはずで】

【――――願ったら叶うわけではないと、努力したから報われるわけではないと、愛したから愛されるわけではないと、知りたくなかった/知るしかなかった神様の墓標と、その成れの果て】
【どちらもそろって月の光の色をしていた。山中であるはずなのにここばかりが明るかった。帰ると言って背を向けるなら、その帰り道すら、こんなふうに明るく煌めくのだろう】
【ならばこれから行く先すらこんなふうに照らされるのかもしれなかった。だって、】

【(自分が食べたかった食事も欲しかった愛も向けてほしかった笑顔も掛けてもらいたかった言葉もなにもかもなにもかも、人に与えて、それで、底抜けの器を満たした気でいたのだから、)】
217 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/15(水) 13:35:47.48 ID:h4jMUaMU0
>>216

【川を見たかどうかの問いには、あまりに唐突な話題転換が過ぎたせいかどうか。違うかもしれないけど】
【ぽかんとした顔をして――はいともいいえとも言えず。ただ、涙の痕でひかる頬ばかりが間抜け面】
【まごつくように唇がさざめく、しかし音は立てなくて、けれど続く提案には何かしら、やはり何かしら】

――――――――鈴音に会いたい。会えるなら、勿論。

【どうしようもなく反応してしまうから。そうしたほうがいい? という問いかけに対する返答としては】
【いささか噛み合っていない言葉を、ほとんど反射的に返す。未だ涙の止まぬ瞳がまん丸くなっていた、】
【ほんとうに、そんなこと、できるの? そう言いたげに――でも「あなた」がそう言うのなら、そうなんだろうけど】

………………、なに、さっきの、わたしの代わりに――って言ったの、
あんたの「それっぽい」演技だった? ならもう、……本気で返したあたしがバカみたいになったじゃん。
あはは、もう、そうならそうと早く言ってよ――はは、ははは。……違うかな。違うよね。
代弁してくれたんだよね? 鈴音はきっと、本当に、そう言ってるんだよね? ……そう、なんだよね。

だったらそれでもいいよ、それでいいから、……ずるいなんて思わないよ。
鈴音の、……白神鈴音の口からあたしに何か言ってほしいの。そしたらね、

【「そしたらようやく(ふたたびの声のくぐもり)(納得できる/あきらめられる/もう大丈夫になる)ような気がするから」】

【――――結局のところこいつは、化物に成り果てようと、モトが人間なんだからどうしようもないのだ、】
【どうしようもないときの神様頼りはいつの時代だって誰もがやる。元から信仰心があろうと、なかろうと】
【然るにこいつが白神鈴音を探していた理由なんて、ただのひとつ、我儘でしかなかった。どうしても謝りたくって】
【それに何か返してくれるなら、もう「思い起こすことなど何もない」――今わの際で想うようなこと、考えてるの】
【果てしなくバカバカしいとしか言いようがなかった。だってもう、こいつは生きてないのに。とっくに死んでいるのに、】

【……だからこそ、だろうか。一度くらいは友達と桜が見たいって願ってしまうの、それもまた、人間にありがちな神頼み】
218 :ドラ ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/15(水) 20:37:59.06 ID:u+kf3lboo
【ある国、ある自然公園の広場にて】

【ようやくサンドイッチが食べられる事に若者は綻んでいた―――胃に物理的な穴が開いたせいで先月の半ばまで点滴で栄養を取り続けていたためだ】
【"いぶき"での死闘にて"ランスロット"の名を背負う男に敗北し、8時間に及ぶ緊急手術の末に一命をとりとめ、入院を続けており】
【今月の頭に退院、波紋呼吸の影響で内臓はすでに傷がふさがっており、再始動トレーニングに彼は勤しんでいた】


こう!いやまだ跳ねてる!もっと地に足を付けて動く!
うーん、これだとまた攻撃を阻まれちゃいそうだなあ、なるほど確かに体に悪い癖がついてるかもしれないなぁ
いっそリハビリがてら一から戦闘スタイル組み直そうかなあ?


【黒い短髪に真っ白な鉢巻き、『 I'll be back』とプリントされた白いシャツ、その上から赤色のベスト】
【手元に銀の腕時計、青いダメージジーンズにウエスタンブーツの、どこか幼い顔立ちの若者だった】

【だが、その服装には―――もしこの場にカノッサ機関員がいたならすぐに何であるかを理解し、『それが付いている状況に目を疑う』物がくっついている事がわかる】
【ベストの左腰には≪No.78≫と書かれたプレートが付いており、シャツの腕には≪No,91≫と刻印された金具と左肩には≪No,34≫と書かれたバッジ】
【そして、ジーンズには引きちぎられたような布が縫い付けられ、そこには≪No.59≫と書かれていた……そして、その全てに血痕が付着している】

【入院中のリハビリを得て、今日が実戦的なトレーニングの再開日だった】
【若者は珍しく真剣な顔持ちで鍛錬に挑みつつ、自分の足元に重点的に動きを見直しているようだ】

【一時間ほどぶっつづけで行ってた所で、彼はやがて伸びをして傍のランチョンマットまで歩き】
【作って来たスポーツドリンクとローストビーフサンドイッチ入りのバスケットを取り出して食べ始めていた】


まあまあ、うまくいってたかなぁ〜、ぼくは元々のみ込み早い方だし
足さばきの見直しが終わったらいくらでもぼくなりのスタイルを構築できるかもな、堅実なタイプを真っ向からぶち破るような戦い方をするなら
どうやるかな?……まあいいや、15分休憩タイム!!


【腰をマットの上に下ろして呑気な顔でガツガツ食べ始めるだろう】
【広場のど真ん中で堂々と休憩しているのだ、自ずと目立つ。会話をするのは容易そうだ】
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/15(水) 21:14:33.18 ID:RZRkKN870
>>218
【ふと、麗らかな春の陽気に影が差す。ほんの束の間、太陽に雲がかかったように、周囲の明度が一段落ちる】
【遅れてきた冬の名残を思わせる、一陣の冷たい風が吹き抜けたかと思えば──】


 これ見よがしに戦利品をぶら下げて、どうぞ殺してくださいと言わんばかりだな。
 

【かつん、と硬質な靴音一つ】

【彼の背後に忽然と、何者かの気配が現れ出でる。凛と冷たく透き通った響きを伴う、中性的な声音──振り向けばそこには、女が一人佇んでいる】
【切れ長の目に、鋭い鼻梁。固く引き結ばれた、薄い唇。櫻の面影を残しながらも、櫻国人離れした、亡霊のような白皙の肌】
【肩に掛かるほどの高さで無造作に切り揃えられた烏色の髪は、ほの青く日光を透かして春風に揺れる】
【長身に比例して長い手足を包む、闇に溶けるような群青色の長外套には、裾と袖がゆったりと広がった、櫻で言うところの羽織のような意匠が見られた】

 動きを見たところ、本調子でもないらしいな。
 ……見知らぬ考えなしの馬鹿なら捨て置くところだが、見知った顔では、お節介の一つも焼きたくなるというものだ。

【気配を殺して背後まで忍び寄ったかと思えば、初対面の相手に対し、随分と失礼な口を利く女だが──「初対面」?本当に、そうだろうか?】
【或いは青年は、彼女の顔に見覚えがあるかもしれない。だいぶ長い事目にしていない顔なので、思い出せない、ということもあるかも知れないが】
【彼は、かの水の国の森の奥、湖の只中に座す風霊統主の城内にて。もしくは、その付近にて】
【夜も昼もなくストイックに鍛錬に励む、その剣士の姿を幾度となく目の当たりにしているはずだ。あの頃から随分と年月を経たとはいえ、彼女は未だ、当時の面影を残している】
220 :ドラ ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/15(水) 21:42:26.25 ID:u+kf3lboo
>>219

―――?

【サンドイッチを頬張りながらゆっくり水筒のスポーツドリンクをコップに注いだところで背後からかけられる声に気が付いた】
【呑気そうな顔のまま―――最も袖に忍ばせた己の鉄扇を意識しながら、振り向けば若者は呆けた顔を見せる】
【見覚えのある顔だった。会話の回数こそ多くはなかったが―――織守共々「彼女」を巡って共に共闘した者に関しては印象は極めて強く残っていた】


―――……おやまあ!こんな突然の再会ってあるかしら!
こりゃあ驚いた!えらく久しぶりだねえ『朔夜』さん!元気にやっているとは耳にしていたけど……
シャバに出て以来"明確な意味"で、『かつての同僚』との再会に相なったわけだね!

確かに戦利品のナンバーは機関の連中を馬鹿にするために付け始めたモノだし、連中から見たらそうとしか見えないねえ


【うふふ、とかつてのようにおどけた様子を見せながら人懐っこい笑顔を向けつつ若者―――ドラは手をふって朔夜と呼んだ女性を迎える】
【ドラの方も面影を通り越して外見にほぼ変化が見られないくらいだ、当時を知る者が見ればすぐにでもわかるだろう、彼が使う波紋の影響だろうか】
【同時に、本調子でないことを見抜かれ服の上から古傷を抱えつつ、バツが悪そうにもう片手で頭をかきながら話を続ける】


……あはは、お見通しかぁ……相変わらず目ざといじゃないの
実はぼく今も戦ってるんだけどね。つい先日の事件で手痛い深手を負わされ負けちゃったんだよね
リターンマッチを挑む前に鍛錬してたわけさ……ああもぼくのスタイルが通じない敵は初めてだったよ、トホホ……

―――久々の再会だ、積もる話もあるし……まずはゆっくり話していかない?ローストビーフサンドイッチとか持ってきてるよ?


【「あとお茶とスポドリね」などと言いながら大き目のランチョンマットの上に置かれたバスケットを指さしながら】
【彼はかつての同僚との再会を喜び、暖かく迎え入れるだろう】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/15(水) 22:19:13.14 ID:Stpt5Ft/0
>>217

【なればそいつはごく曖昧な表情をしていた、――それを言葉に表すためには、三日三晩辞書とにらめっこをする必要があるような、ごく微細なる表情は】
【――けれどやがて苦笑によく似た形に落ち着くのだろうか。頑ななつぼみがほころぶ瞬間のような清廉さをなくした色合いは、咲き進んだばらの綻びにきっとよく似て】
【――――だから指先はせめて感情を整理するかのように社を撫ぜた、――――――――――――――小さな息継ぎの音が聞こえたなら、】

…………………………そうよね。こんな場所まで、来てくれるんだし。
アンケートしていいかしら? ほら、よくあるでしょ、このサービスをどこで知りましたか、みたいな。
どうしてこんなところ、来たの? 下だって、田舎でしょ? ここだって、こんな山奥だし。――それに、そんな靴だし。

あたし? あたしはねー、ズルして来た。

【眉の下がった表情は笑みと呼ぶにはいくらも弱く、けれども、釣られたようにかすかに下向く眦の角度と、眼をいくらも隠すように伏した長い睫毛の落とす影が表情を証明して】
【こんなところへと呼ぶにふさわしいだけの辺境であった。下と呼ぶ町すら、無名だが美味いとコアなマニアに褒められる酒を造るだけの場所。――長閑と呼ぶには十分だけど】
【いいところは人との濃密な関わりが生きているところだった。わるいところは、人との濃密な関わりが生き残っているところだった。――そんな感じの、ありがちな、場所】

【――故に、外から来た不審な二人組を覚えてもいたのだけれど。そしてきっと今となっては間違いなく彼女は“彼女”で違いないのだけど】

【冗談めかすような仕草と視線にて彼女は貴女の爪先を示すから、そんなじゃ山登りは大変でしょうって言っていた。――山と呼ぶには大人しい標高ではあったけど、】
【人の手の入ったハイキングコースでもきっと疲れてしまうお靴は、人の手なんて知りもしないような山道には間違いなく間違っていたから。――自分の履く靴も示すけど】
【ズルしたからいいらしい。――そういえば、例の少女も、わりに、どこだって出てくる神出鬼没なところ、あったけれど、なんて】

――ホントはそんなに制御できてないーって言ったら、カッコ悪い? 優先度がね、違うのよ……、"あたし"はオリジナルじゃないから……。

【――――――――あ、目そらした、】

【――なんて言ってやったら意地悪なのだとして、言ってやってしまって良いのに違いなかった。そうして十分に格好悪いのにも違いなかった、だけれども、】
【そもそも彼女らなんてものは格好良さを求められる性質でもないのかもしれない。――とりあえず指先をつんつん合わして言い訳を述べる仕草は、人外と呼ぶにも常人が過ぎる】
【だからきっと始まりなんて何か単純なボタンの掛け違え、――――なんて言われたら許せないから、"こんな"ところまで、来てしまった。だとしても】

いいよ

【やはりそれが礼儀だろう。だってやっぱり、こんなところまで、来てくれたんだから、】
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/15(水) 22:23:20.73 ID:RZRkKN870
>>220

 元気──まあ、変わりなくやっているという意味では確かにそうだが、最近は目立った活動もしていないな。
 私は『城』の管理者代行として、冒険者ギルドとの折衝やらに掛かり切りだったから──。

 耳にしていたって言うと、織守辺りにでも訊いたのか?
 あれも何年か前だった筈だが、最近出くわした「Justice」の構成員となるとそれくらいしか思い浮かばない。

【病み上がりの不用心を見咎めて苦言を呈するつもりで出てきてみれば、人懐こい笑みに毒気を抜かれて、溜め息一つ。朔夜は肩を竦めてドラに応じ】
【猫のように足音一つ立てず、ひょいと軽い足取りで敷物に腰かけた。先程の甲高い靴音は、どうやらわざとだったらしい】
【「暗殺を得手とする人間であれば、気配を悟らせずに相手に忍び寄るのは容易だ。私でなければ不意を打たれていたぞ」──という、言外の忠告だ】

【尤も、歴戦の古兵には釈迦に説法かもしれないが──】


 私の得手は白兵戦だ。曲がりなりにも腰に二刀を提げた侍が、他人の体運びの不自然さ一つ見抜けんのでは話にならんだろう。

 ……なるほど、そういう道理か。にしても、その格好はいただけないな。そういう見栄は戦場で思う存分張れば良い。
 誰が見ているとも──誰に狙われているとも知れない往来で、まして病み上がりにする格好じゃあないよ。重ねて言うが、命を縮めるぞ?


【余計なお世話と突っ撥ねられようとも、やはり、旧い知人を失うえも言われぬ後味の悪さとは、比べるべくもないということか】
【柄にもない老婆心に駆られて、再会早々お説教を垂れまくる朔夜だったが】
【もう昼下がりだ。そうこうしている内に小腹も空いてきたのか、「それじゃあ」と小言を切り上げてバスケットに手を伸ばす】
【昔は常に剣呑な雰囲気を漂わせていた印象のある彼女らしくもなく、積もる話など消化しつつ、のんびりとご相伴に与るつもりのようだ】
223 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/15(水) 22:32:26.91 ID:h4jMUaMU0
>>221

…………うわさを聞いた。黒と赤の、めずらしい目の色した女の子が、こんな危険な山に入ってって。
何事もなく帰ってったって聞いた。だから、鈴音だって、わかったの――それで。
そのあとはもう、言ったから、わかってるでしょ? 会いたかったからここに来た、……蛇ちゃんたちが案内してくれて。

【だから今ここにいるの。回答はごく単純なものだった。祈りなんて、いつの時代でも単純なものだ】
【死にたくない/生きていたい/幸せになりたい/ただそれだけ祈ることさえ罪だというのなら】
【罰だって受けたかった。祈りの届かなかったあの子のために。だから、苦行めいた靴、履いてたのかもしれず】

…………カッコ悪いってか、なんだろ、ちょっと……親近感湧いたかな、あはは。
あたしも結構不器用なトコあるから――え? そんなんと一緒にしないでほしい? ……うるさいな。
あはははっ、……あたし、あんたのことも嫌いじゃないな。桜花鈴音。……じゃなくて、

【「あんたの名前は?」 ばかみたいに律儀に訊くのだろう。くっつけられる前の名前。じゃないと、】
【フェアじゃない気がするから――まだ赤みの引かないツリ目、それでも目尻がちょっとだけ下がって、笑った】
【冒涜的ゾンビが神様にこんな態度取るの、きっと赦されるはずもないことだった。でもきっと、何故だか】
【許してくれそうな気がしたから。……許してくれなかったら謝るから。そんな、ごく少女らしい雰囲気、漂わせ】

【――どこかで花開く淡い色合いの咲く香りを、泣きっぱなしで真っ赤な鼻で吸い込む。幻覚だとは思わなかった】
【さくらの香り。春の香り、……彼女の香り、とは、ちょっと違うのかもしれないけど。赤い瞳を細めて、笑う】

……………………、…………久しぶり、鈴音。みっともなく泣き喚くところ見せちゃってごめんね。

【口にするのはごく簡単な御挨拶から――そしてきっと、さっきまでの醜態を見せつけていたことへの、やっぱり、謝罪】
224 :ドラ ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/15(水) 23:15:17.96 ID:u+kf3lboo
>>222

うふふ、ワケあっての事とはいえ長年アルカトラズ刑務所に服役していた
ぼくに比べたらずいぶん健全じゃないの!『城』に行っても誰もいなかったのは忙しかったからだったのか……
ああ、ぼくが聞いたのはジャンクちゃんからだよ。きみ用のW-Phoneが届いてただろ?彼女に頼んだ奴が

そっか……織守さんが"起きた"後、すでにきみに会ってたのか
ぼくも彼女が起きた後、別の組織に所属しているとジンジャー博士に聞かされたよ。今も世界のどこかで戦ってるんだってさ……
うふふ、こうして昔の仲間に会うと、どうしてもかつての仲間がどうしてるのか気になっちゃうよねぇ


【justice解散、UT設立の頃だったか、かつてジャンクちゃんと顔を合わせた事があった】
【その時点ですでに朔夜の健在は伝わっており、それをドラも聞いていたのだ、次いでお互い織守の健在を知っている事も理解する】

【<R.I.P>壊滅後、カノッサ機関も度重なる大打撃を受けボロボロになり一時解散していた時期があり、平和が戻っていた時期があった】
【長きにわたりjusticeの長として戦い続け、心身ともにボロボロだった織守を案じて、平和になった今のタイミングでjusticeも解散しようという声が上がり実行されていた】
【その後織守は幾年も眠り続けていたと聞かされていた。過去の戦いでジンジャーが彼女の復活に立ち会ったのだとも聞かされている】


皆今頃どうしてんのかな?まあ……多分元気にやってるんだろうけど
きみに会ったらなんか急に昔の事思い出しちゃったよ……他は誰の行方が分かってたっけ?
ほらほら、多めに作って来たから食べてよ


【座り込みながら服の、ナンバーズ達から奪ったいくつものナンバーを見比べながら朔夜の忠告を素直に聞く】
【本来の彼女ならなるほど……自分の聴覚であろうと音も聞き取れなかっただろう、暗殺者相手には見せびらかすのはやはりデメリットなのかもしれない】


あー、確かに普段着にする必要はなかったかもなあ、今度別の普段着買ってくるかぁ
どの道、最近カノッサ機関の連中また弱体化してきちゃってさ。ナンバーズをあまり見かけなくなったんだよ、だからあまり意味もなかったし
今はむしろ……正体がいまいちわかり辛い別の陣営がハバを利かせてきてるくらいさ


きみと敵対してる身だったらそれこそスッパリ首が泣き別れしかねないかもね!
忠告には頷くことにする!ただここ最近で一番悔しかったのはそれすらせず堂々とぼくの前に現れて
真っ向からぼくを斬り捨てて行きやがった奴が現れた事なんだよね

油断も隙もありゃしないよ……また世間が騒がしくなりそうだ


【まいったなぁ、とぼやきながらぐびぐびとスポーツドリンクを呑み始める。勢いよく飲んですぐに次の一杯を次ぐ】
【そしてまた口に近づけながら、近頃の治安の悪さを悩む様子を見せていた】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/15(水) 23:50:43.75 ID:Stpt5Ft/0
>>223

【「ふうん、そうなの……」】【返事はごく簡素に紡がれた、口元に添える指先は、何かを思い返して/それから何かを納得していた】
【"知って"いる出来事だったし、知っている出来事だった。限りなく"自分"がやったことであり、そうして自分には覚えのないことでもあった。――だとしても、】
【部屋に置かれた蛇の頭骨は見知っていた。――先祖の墓を発くような行いを誰も咎めてはいなかった。そもそもこの場合は墓ですらないから? なんて余談】

親近感ねえ……、はいはい、どーせそうですよ。できるかしら、私。"わたし"を。……料理もねえ、何年ぶりだか……。
レシピ。読んだことあるでしょ? ――――あの馬ッ鹿みたいなやつ。あたし、あれを解読しなきゃなんなくて。
まあ、書いたやつが含めて"私"だから、いいですけど? ――――だなんてレベルじゃないわ。何あれ? 

【指先越しに漏れる吐息はきっと湿っぽくて暖かいのだろう。何か捨てきれない情を含んで見せたなら、きっと光に照らせばきらきら光って見えるんだ】
【けれど今は限りなく夜だったから。――そうして、月明かりだけでは言い表せられぬ感情を照らし出すには少しだけ力不足であるのだから】
【投げやりに言ってみせるのは何か自分が誰かより劣っていることをようく理解したことのある人間の口ぶりに似ていて、――なら、やっぱり、何か別人の振る舞いもする】
【――暇があればいつもいつだって何か作って食べていた/食べさせていたような子とはやはり違うものなのだろう。だってあのなんとか手稿より難解なレシピ集】
【こいつだって読めていないと白状するのなら、――それでいて、それらはやはり余談に過ぎぬ。二人語らうのも、ありえたみたいなのだとしても、だけど、】

【それはどこかで現実逃避と全く同じ意味を宿すに違いないなら、】

【「白毒川」「鈴音」「――――、白い毒の川」「あの川、よく濁るのよ」「真っ白に濁って」「そうして氾濫するの」「――まぁ、白蛇を崇めるには十分ってこと」】
【けれど喪われた名であった。この世界に於いてその名はどこにも存在しないものであった。――故に、だから、何か語らうべきは彼女ではなく、】

226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/15(水) 23:50:58.00 ID:Stpt5Ft/0
>>223>>225

……………………いいの、

【――――ぽつりとした声は少しだけ掠れているように聞こえた。それでも確かに鈴の音を宿していた。ならきっと錆びた鈴の音、貴女の涙で錆びついてしまった?なんて】
【きっと自分の涙が銀色を赤錆色にしてしまったのだろう。だからきっと泣きじゃくって落ちた雫を磨り潰すように拭った指先の指紋すらそこにはきっと残っている】
【焼く前の陶器なら何度だって粘土に戻せるといったって限度があるんだろう。だからきっと彼女はとっくに限界を超えてしまったんだろう。なんにもなれない土くれでしかない】
【神様が人間を作ろうって思っても見向きもしないようなぼろぼろで痩せたなんにもない石だらけの泥。畑だって出来やしない。なんにも生えない、なにもない、なんにもない、】

【だからもういっかい、「いいよ」を繰り返して、】

――――――――――――――――――――――――――わたし、ね、世界を救ったんだよ。

【ぽつと漏れる声の意味を辿る必要は、ないのかもしれなかった。だって明確に何かおかしかった。だって彼女は世界なんて終わってしまえと願ったんだった、】
【それすら消極的な言葉でしかなかった。滅ぼしてやるでも終わらせてやるでもなく、滅んじゃえだなんて言葉を使った。「滅んじゃえよ、もう」なんて、失望したように】
【世界を滅ぼさなかったことで救ったなんて言うのかもしれなかった。だとしたら殺してやるしかないほどにばかげていた(死ねないけど)(死ねないのに)死ねないからこそ、】

――――ウェインさんと、エヌと。……きっと、たぶん、危なかったの、……あぶなかったんだよ。
三人で、わるいもの、追い返したの。この世界の思い出がいっぱいあって。……わたしは、嫌なことばっかりだって思ってた。だけど、"思ってたより""少しだけ"、

……………………………………………………だけど、"そう"じゃ、なかったんだね、

【ざあと再び舞い戻る薄霧の白はきっと彼女の表情をぼやかした。だからやはりここは彼女の聖域なのかもしれない、なんて、】
【だけどきっと表情なんて分かるんだ。――ばかげた自嘲の色で笑っている。"なにか"期待したんだ。何か。何を。ひどいこと言っても自分を選んでくれる誰か?】
【――ひどいことを言ってしまうような子でも愛してもらえる世界があるっていつか知ったから。だって自分が与えたんだから。(だからわたしだってもらっていいはず)】

【――――――――――――――――????】
227 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/16(木) 00:07:47.68 ID:phMFLjPA0
>>225-226

できるよ、きっと――だってあたしもできたんだから。
あれってさ、レシピっていうか……日記だよね、そっか落書き帳。あたしもぜんぜんわかんなくて――
でもなんとか、……なってたよ。たぶん。だからあんたにもきっとできるから、頑張ってね、

………………そう。白毒川ちゃん。あとはよろしく、ネ。

【であれば――彼女にすべて預けてしまうものの言い方をするのだろう。だからやっぱり】
【こいつはもうそのうち死んじゃうのかもしれなかった。無責任が過ぎた。それでもこいつはそう宣って】
【白毒川鈴音にはそれだけ、言って、――――聖域に身を浸す。不思議と身体は不調を訴えなかった】

【そうして。黙って、白神鈴音の声を聞いている。ことばを聞いている。そっか、の相槌も挟まない】
【笑いも泣きもしなかった、ただ、何かを悔やむような表情だけ堪えることができないのだから】
【やはりこいつは愚かだった。死体のようにたっぷり横たわる沈黙の後に、ようやく唇を、開いたなら】

――――――――――――救ったんだ、それは、初耳だったかも。
そ、だね、…………思ってたより、少しだけ、マシだと、思えた? うん、…………うん、

それでも「そう」じゃ、なかった、ね。そうね、………………そうかも。

【そんな感じでようやっと、相槌を、返した。鈴音の言葉をそのままオウム返しするみたいな】
【しかるにそれは会話じゃなかった。だから、語り始めるのだとしたら――タイミングを伺っているのかもしれない】
【話したいこといっぱいあった、――桜花鈴音越しにだいたいは聞かせてしまったけれど。それでも】
【なにか返事をしてほしかった、気持ちでいた、から――鈴音が語り終えるのを、きっと、待ってる】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/16(木) 00:38:36.63 ID:vZOf31By0
>>227

【「ヒメちゃんでいいのよ?」――――それがふっと残された一言。自称・ヒメはいろんな意味で痛々しいのだとして、人生の全部をずたずたに切り裂かれた蛇の子よりもきっとマシ?】

――――――――――――――――――――わたしが"こう"なったの、ぜんぶ、間違いだったんだって、
わたしね、ずっと、ずっと、ずっと、頑張って、生きてる、――つもり、だった、いろんなこと、考えて、いろいろ、――、頑張って、
大人になれないの、諦めて、お母さんになれないの、諦めて、死んじゃっても"へいき"なの我慢して、いっぱい、諦めて、我慢して、なのに、

なのに、

わたし、ずっと、ひとがまちがえたの、ひとがまちがえたこと、わたしじゃない、ひとが、まちがえた、こと、――、

自分だけ大人になって、自分だけ何もなかったような顔して、そうやって、生きてる、人の、――、大人になれないままのわたしを見ても、何も、何も、ない人の、ために、

わたし頑張って生きてたの、なのに、どうして、――――――――――――――――――――――――その間違いを、どうして、わたしが、

【なら怨み言はどこまで行っても何もかも遅すぎた、溜め込んで腐った感情はやがて底まで腐らせて意味をなくさせて、畢竟追いやられたのは彼女であるのなら】
【山の中に祀られる神様に結局だれもお参りなんてしないんだと誰でもわかった。ただ一ツだけ、カルトの玩具にされるよりはマシだと「だれか」が判断しただけなのだと、】
【今となってはそのカルトすらどこにもなく、生き残った人間は誰しも信仰を棄ててしまっていると、きっと知りながら。――ボタンが押したかったとひっくりかえって喚く子供のため、】
【溜息をわざとらしく聞かせてから抱き上げてやるのときっと全く同じ意味の行動なんだろう。――たぶん。だって彼女は恨みがましすぎる、今になってじゃないとなんにも言えなくて】

【――――――だからやはり会話ではなかった。分厚い霧を挟んであっちとこっち、人間の世界とそれ以外の世界。彼女はきっと未だにあちら側に立っているのだとして】
【なら救えないのかしら。さっきまで霧だって晴れていたはずなのに。ほんの少し前にしゃべっていた彼女の顔は、あんなにもきれいに見えたはずなのに。――――――――だのに】

夕月ちゃんは、

【(ぐちゃぐちゃの感情が喉に口に歯に引っかかって出てこない。出てこなくて良かった。だって貴女に言っていいことじゃなかった。そうだよ、だって、指輪の銀色、見えたから、)】



             なんでもない

【(生まれる前に、今の人生を知っていたなら、生まれてきたかった?)(なんて)】
【(まして)(わたしは生まれてきたくなかったよ)(なんて)】
【(いえるはずない)(いうべきじゃない)(だから)】

【――――そうだった。こんな場所まで来てくれるようなお友達に問いかけるべきではないから。そう、だから、だから、尋ねるべきは、正しい問いかけは、えっと、えっと、なんだっけ、】
【ああそう。きっとこれがいい。これが正しいと思えた。もうなんにもわかんないのに。――前にそう聞いた時には(貴女じゃない人に)とてもひどい言葉を浴びせかけられたけど、】
【ねえわたしはどうしたらいいの。迷子になってしまったの。いつから迷ってたのかももう分からないの。どこへ行けばいいの。どこにも行けない。この人生をやるしかない】

……………………………………、げんき?

【表情なんて見えなくて良かった。見えたとしても、どうせくだらない笑みしか浮かべてないんだから】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/16(木) 00:39:03.84 ID:wf1Gl+df0
>>224
【「服役ってお前、一体何を──いや、うん。大体分かるから言わなくていい」などと、冗談ともつかない軽口を叩きながらも】

 まあ、な。家賃代わりってんじゃあないが、『城』の本来の管理者はギルド連盟だ。
 あれの管理者でい続ける為には、それなりの有用性を示し続ける必要がある。だから、最近はあちこち飛び回って調査してたんだ。

 未知の環境や状況を調べるにあたって、学者様だの在野の能力者だのを広く招き入れる前に、まず先行して下地を整えてやる必要がある。先行調査ってヤツだな。

 ゼロからの調査だ。当然、それだけ危険も多い。未開の秘境に、古代の遺跡。ある日突然に口を開けた、異界への入り口。魔獣の大量発生に、怪現象──厄介な案件が引きも切らずだ。

【然して興味深い話でもないだろうが、と言わんばかりの気怠げな語調で、朔夜は自分の近況を報告する】
【「あすこを寝ぐらにしていた奴も多い──帰ってきたらギルドの職員に追い出されました、だなんて、笑えない話だろう?」と付け加えて】

【かつての戦友の留守を預かりつつ、俗に言う「悪の組織」との対決とはまた違った形で、民草の平和な暮らしを守る──というのが】
【どうやら、今の彼女の生業らしい。朔夜は淡々とした語り口とは裏腹に、どことなく楽しそうな表情をしている。案外、適職なのかもしれなかった】

 W-Phone……ああ、アレか。思い出した。そう言えばそうだったな。

 他の奴らがどうしていようが、私の知ったことじゃあないよ。私がどうしていようが、他の奴らの知ったことじゃあないように、な。

──ただ、壮健でいてくれれば良い。生きてさえいれば、いずれ再会する事もあるだろう。詮索だの積もる話だのは、その時まで取っておくさ。

【朔夜は目を細め、眩しげに空を見上げた。在りし日に想いを馳せるように、ぼんやりと遠くを見つめる】
【元より、正義の味方など柄でもない身。Justiceという組織が解散しようが再結成しようが、彼女にとってはどうでもよい話ではあったが】
【あの短くも色濃い時間を戦い抜いた戦友たちが、今、どこで何をしているのかについては、確かに気掛かりではあった。戦いの末に多くの戦友が傷付き、今となっては行方の知れぬものも数多い──】

【『壮健でいてくれれば』──かつて手の掛かる妹のように思っていた少女が、正義の旗頭としての重圧を一身に背負って傷付いてゆくさまを、最も間近で見据えてきた朔夜の言葉は、それ故かひどく苦い響きを帯びていた】

 まあ、不意を打たれて死ぬような事があったらつまらんからな──しかし、『ただ』、か。奥歯に何か詰まったようなものの言い方だ。
 言っておくが暗殺への心構えは一つの端緒に過ぎない。真に重要なのは、どれだけ常日頃から妥協なく、あらゆる戦いに備えて動いてきたかだよ。

 「常在戦場」──などと、俗に言うだろう。あれだよ、あれ。日常における些細な気構えや、身の運び方。
 その差はいざ戦場に立った時にこそ如実に顕れる。お前が斬られたのは、つまりはそういう事だろう。
 
 さあ、やろう……と思って行う、肉体や異能の操法の鍛錬だけが鍛錬じゃあない。
 ネル・ナハトの頭領の台詞を借りて言うが、重要なのは『理解』だ。私に言わせるなら、極意なんてのは案外その辺に転がってるもんさ。

【「……しかし、旨いなこのサンドイッチ。粒マスタードが効いてる。グレービーソースも良い」】

【こちらもサンドイッチを一口。味の感想もそこそこに、お茶で唇を湿らせてから、忌憚なき意見を述べる──こと戦闘が絡む物事に関しては、彼女はどうも生真面目な性質らしい】
【武家──戦士階級の娘として教育を受けたのもあってか、やはり暴力においては一家言あるようだ】
【「敵の正体が見えようが見えまいが、寄らば斬るまでの事」などと宣う──まあ、始終このような脳筋思考だったからこそ、あの過酷な戦いの中でも常に平然としていられたのだろう】

 そうだな、最近は妙にキナ臭い。魔能法──だったか?だいぶ前の話だが、立案から制定、そこから試験運用まで。幾ら何でも動きが早過ぎる。
 世論の妙な加熱ぶりといい。間違いなく裏に何かあるだろうとは踏んでいるよ。関係者を皆殺しにして解決する話なら楽だが、そんなやり方じゃあ機関と大差ない。

 全く、困りものだ。

【もっとも、脳筋とはいえ全く頭を働かせていないわけでもない。逐一騒動に駆けつけるとまでは行かずとも、世の動きに目を光らせているのは、彼女もまた同じようだ】

//申し訳ない、ちと寝落ちてました。
//続けるにせよ締めるにせよ、今日は一先ず、このレスで切り上げさせていただければ……
230 : ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/16(木) 00:50:33.60 ID:OzFa97Two
>>229
/了解いたしました
/この後ひとまずお返事を返して今日は失礼いたします!
231 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/16(木) 12:04:39.21 ID:ctas3934O
>>228

【やるせなく斜め下を向くまつげの向こう、赤い瞳はどこまでもまっすぐ前を向いていて】
【けれど何も言葉を発さなかった。震える鈴の音が訴える苦しみ、恨み、つらみ、全部】
【救って/掬ってやるにはもはや時が進みすぎていた。そも、たとえその瞬間に立ち会えたとて】
【そうしてやれたかどうかすらはっきりと確約できないのだから――どこまでも、後悔の色をしていた】
【だからってそうだったんだ、辛かったね、などという気休めにもならぬ労りの言葉だって】
【もはや掛けるには遅すぎると、痛いほどに理解しているから。「うん」。一言だけ、返すのは】

【だから何か、明確に遮断されているのにも気づいていた。あるいはそんな生易しいものじゃなくて】
【拒絶されているとさえとれるはずだった。だってこんな、何もかも遅すぎる時になってから】
【許しを請いに来るヤツだなんて嫌われて当然だ。――だけどこいつは、不思議と、そう思わなかった】

………………、……、鈴音は、やっぱり、やさしいね。

【だってそれを、傷つき果てた鈴音のくれる最後の恩情だと受け取ったから。何か言いたかったことを】
【噛み潰して、殺して、苦い汁を飲み下してまで我慢してくれるのを、やさしさ以外の何というのか】
【形容するすべをこいつは知らなかった。だから恐らく、鈴音が自分に何を問いたかったのかは】
【本当になんとなく、朧げに――理解した気にはなっているのだろう。だからといって答えはしないが】
【そうやって必死に必死に絞り出してくれたやさしさを無下になんてできなかったから。――だから、】

【ふたりを隔てるもやもやの中、恐る恐る――一歩だけ。ただの一歩だけ歩み寄るのだろう】
【それ以上はしなかった。だってそれ以上を許してくれるかどうかは、鈴音にだけ、ゆだねられるから】

【だから、】

…………んーん、全然元気じゃない! だってさ、あのね、桜花ちゃん越しに聞かせたでしょ?
あたし世界にケンカ売りに行くんだけどさーっ、まーじで全ッ然勝ち筋見えないもん!
どーやったって勝てる気しないね、始まる前から負け戦ってわかってんの! マジ萎える!
だから全然元気じゃないの、マジ病むーってヤツ――あはは、負けたらどうなっちゃうんだろ。
世界の平和を脅かしたバケモノーとか言われて、晒し首とかされちゃうのかなあ。やだなー、あはは……

――――それでもね、あたし、黙り込んで我慢してなんにもせずに「終わらせる」よりはね。
そうなったほうがずっとマシだなって思ったから。やるよ、戦う、どんなに酷い負け方するとしても――

戦うことに意義があるんじゃないかなあって。そう思えたの、たぶん、鈴音のおかげだから、

【「……だからね、ごめんなさい、だけじゃなくって。ありがとうも言いたかったの」】

【――しかるにこいつの言い分は、何もかもが自己満足でしかありえなく。そんなんで、どこまでも】
【言いたかったこと言えて満足できました、みたいな、晴れやかな笑顔をしてるんだから――やっぱり】
【本当に勝手が過ぎるんだからいくらでも怒ってやればいい。絶交しちゃえばいい――友達、なんだから】
232 :ドラ ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/16(木) 20:46:36.32 ID:OzFa97Two
>>229
【むしゃむしゃサンドイッチを頬張りながら、しばらく朔夜の話を聞き続ける】
【当然ながら彼女も自分のいない間の時間を彼女なりに生きてきたのだ、その道のりが垣間見えむしろホッとしているようだった】


斥候ってヤツだね。なるほど……
鉄火場慣れした朔夜さんの様な人材にしか任せられないタイプの仕事じゃないの

危険が口を開けて眠ってるかもしれない場所なんていくらでもある……頼もしい戦力が
危機を取り除いてくれるならそりゃあ心強いでしょ、justice出身って肩書きも今なお大きいしね。ぼくも今なおその恩恵を感じてる


【実のところ、彼は今でも戦場で「justice」を名乗っているくらいだ、思い入れは彼も大きい】
【コップのスポーツドリンクを空にすると二つ目のサンドイッチに手を伸ばしながら彼も空を見上げつつ呟き始める】
【続いて、他のjusticeメンバーが今どうしているかに関しては……やはり彼は思うところあるらしく見上げながら口を尖らせる】


"壮健"でいてくれれば……か、織守さんも今はそうあってくれているようだし
そうあってくれれば……どうしていようと気にする必要はないのかもしれないな……

("彼女"も……もし本人だとしたら、名乗り出ないのは気にしないでくれって意味なのかもしれな……
いややっぱ気になるからイスラフィールさんに対する探りを入れるのは続行しよう)


【などと、かつて同組織で特に親しかった少女によく似た政治家の女性の事を思い浮かべながら思いを整理していた】
/続きます
233 :ドラ ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/16(木) 20:47:10.90 ID:OzFa97Two
>>232続き
【加えて、往来での姿や暗殺に関しては……朔夜に指摘されたところで彼はまず言われた言葉をかみ砕くように目を見開きしばらく考え込むと】
【……こくり、と頷きなにか言葉にできなかったものがかちり、とはまるようなすっきりした顔で】


ああ、確かに……うん!そうだね!実際に彼……ああ、ぼくを破った男は
ミズキ・"ランスロット"・ヴァレンタインって名乗る色男の剣士だったんだけどね、彼は……とびきり"やりにくい"奴だった
相手を崩すスタイルを得意としているぼくに対し彼は一切自分の動きが崩れなかった、派手な技はなかったけど常に正道を行き……ぼくを圧倒した

その骨子が何なのか、どこから来ているのか……今朔夜さんの話を聞いてピンと来たかも
ミズキ君の動きを思い返せばまさに今言われた通りの"それ"。確信を持って言えるけど彼はまさにきみの言う通りの事を常に実践してるから崩れないんだ
―――……わかった、ありがとう。んじゃあまずはこの後で新しい普段着買ってこよう……

しっかし耳が痛いなぁ……よりにもよってキルベルクお気にのフレーズがぼくの助けになるなんて……ノビタ君が見てたら笑ってるな


【とても素直に受け止めた。つい最近に敗北を期したこともあって至らない所は真摯に受け止めているらしい】
【流石は武家出身。幼少から戦いを叩き込まれた”戦人の教養”ともなれば説得力も段違い、そうドラは受け止めていた】
【これがミズキと自分の一番の差だったのかもしれない。そこを乗り越えれば自分もまだ強くなれるはずだ、生きて戻って来たのだからその機会はいくらでもある】


うまいでしょ?その肉自体はぼくが狩ってロースト加工したんだけど調理したのはジャンクちゃんだよ
彼女、博士に任せてた自分の喫茶店でこういうサンドイッチも出してたんだ。最近は教えてた従業員に店を任せてるみたいだけど
忙しいみたいだねぇ。―――……いそがしくなった理由は明白。魔能法絡みの……今の案件のせいさ


【カノッサ機関のナンバーズたちを以前よりみかけなくなったとドラは言った】
【それと入れ替わりに暗躍するようになった勢力が確かに存在する―――"櫻国事変"と呼ばれたあの一見も元をたどればあの魔能制限法が原因となっているのではないか?】
【ジャンクちゃんもジンジャーも近頃姿を見なくなった。消えたセリーナを探すだけでも手いっぱいだろうに、その上今の案件で振り回されているのだから】


あの法律本当にクソじゃないかしら!法を成立したって犯罪犯す連中にとっては
ついでに破るモノが一つ増えたねーくらいの認識でしかないのはわかりきってるじゃないの……割を食うのは真っ当な異能者だけ
制定したって水の国に害を及ぼす以外の効果はないって頭のいい人は皆わかってたみたいだ

設立させた連中もぶっちゃけ"悪意"があってやったと見るのが自然……つまり内部にはそれを目的とした"背信者"がいる
というのはほぼ間違いないってさ


……この案件イスラフィールさんも頭にきてんのかなぁやっぱ……親能力者派の人だし


【胡坐をかいて膝に頬杖を突きながらぼやき始めるドラ】
【今世界の裏側で確実に悪意がにじり寄っているのはわかる……だが自分はそれを暴くとかは向いてる方ではないのでは?とも自覚しているため悩ましい顔をしている】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/16(木) 20:59:14.58 ID:6z+14K+X0
>>231

【だからきっと気づけば無音だった。世界中が二人だけになっちゃったみたい、なら私達どっちもほんとはあの時神様になってしまってて、世界なんてもう滅んじゃった後】
【世界が滅ばなかった夢からたった今この瞬間に目覚めただけ、二人で少しだけうんと長い夢を見ていて、だからこれから先の世界はもう何もかも不変でしかない】
【そういう現実の中に佇んでしまったみたいで、――けれど限りなく現実は現実のまま、夢なんて誰も見ていなくって、だって夢見てた未来なんてどっか消えちゃった】
【当たり前に大人になれると信じていたし、そしたらきっとお嫁さんになると憧れていたし、】
【そしたら、そしたら、――、お母さんにだってなれるって、当たり前に、思い描いて、いた、】

【(はずなのに)】

――――――、もっと、ほんとうに、優しい女の子になりたかった、

【気づけば夢なんて叶わなくって、優しくもないただくだらないばっかりの子になってしまった、こんなはずじゃなかったのに、って今更言っても遅いのに】
【それに本当に言いたい言葉なのかすら分かっていなかった。思い浮かんだ文節の一言一句確かめたくも、なんて本の何頁に書かれているのか、きっと分からないから】
【頭の中にある曖昧な形をなぞる表情は何よりばかばかしいと自分を評している人間の浮かべる笑みでしかない、嘘ばっかり吐きすぎたんだとして】
【ぐるっと世界を一周してきた鼻先に頭の後ろを小突かれたらどうせならそのまま貫かれて死んでしまいたいのに違いなかった、だって、】
【そしたらなんだか救われる気がして/何もかも自業自得だって/だって本当にそうだと思うし/だからってどうしたらよかったのかは分かんないけれど、】

――――――――――――――ぁは、は、……、もっと、ひどいかも、しれない、よ? もっとひどい、かも、しれなくって、
……なのに、するの。? ……。…………。

【薄霧の中に沈んだシルエットは、けれど一歩分の距離が見せてくれるのだろう。だからやっぱりへんなふうに笑ってるだけだった、なのにどこまでも泣き顔と等しい顔色】
【まばたくたんびに霧が深くなる気がした/けれどきっとそんなの気のせいだった。羨ましくって引きちぎれてしまいそうになる、いろんなこと、きっと、違う向きだから】
【向いてる方向が違えば見える景色も違って当たり前なんだけど、――それすら心が痛んでしまう。振り返ればいいだけじゃないかって、きっと分かってるけれど】
【それができたらもっときっと違う道をどこかで選べたに違いなくて、――後から並べ立ててみる後悔の色合い、遺言より無意味な音律、霧が食べたら、】

わたし、ね、……わたしね、すきでいていいのか、わからなくて、
――いろんなもの、ぜんぶ、ぜんぶ、……すき、って、言ってくれたら、そしたら、
すきでいていいんだって、【(沈黙)】――――――――――――――――――――――――、

【(何か意を決するような一瞬、)】

……夕月ちゃんは、どして、――――すき、で、いられるの、…………――ひどいこと、された、……でしょ? なのに、

【「ひきつった薄笑い。かわいくない。かわいいはずなんてない。だって世界で一番醜いことを言ってしまう瞬間だから、」】

わたしのこと、すき?

【――、――だって、いつか、この世界のどこでもない場所で会ったんだから。だから。たったのそれだけで何かを決めつけていた、ほんとはいろんなことなんにもしらないのに】
【だからひどく狡いことを言うのはどうしようもなく見苦しいし貴女のこと利用しようとしていた、――それでも世界が好きだって思える優しい子なら、】
【きらいだって言われてしまうことないに違いないって、――、自分が承認されたいだけ。ここに居ていいって思いたいだけ。たったのそれだけのために、だから、】
【彼女はきっと彼女のことを勝手だなんて思ってない/そう思えるだけの余裕なんてなくて/だから余程見苦しくって醜くってどうしようもない心だって剥き出しにしてしまうのなら】
【それこそ嫌いだと言ってやるのが正しいんだろう。――――――非道いこと言っても優しくしてくれる人がいる前例なんてもの、教えてしまったら、きっと、もう、だめになる】

【(世界に向けて非道いことを言った彼女は正しく否定されたから)(野良猫に無責任に餌をやるのと同じだから)(適当な治療法を末期の重病人に教えるのと同じだから)】
235 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/16(木) 21:50:26.07 ID:phMFLjPA0
>>234

【短く切り詰められた眉が顰められる。あなたは本当に優しいのにどうしてそんなこと言うの】
【そう言いたげだった。その顔は見えるんだろうか。靄の中にいたとして。――どうでもよかった】
【だから、微妙な表情の変化なんかよりもっとはっきり見えるように。首を横に振って見せて】

うん。する。…………あのね、あたしね、手足もがれて死んだんだ。
それをビデオに撮られてネットにばら撒かれてたの、8年間ずっと――――
だから今更晒し首なんて、……気にしないって言えばウソになるけど。でも平気。

あたしのやること、正しいも間違いも関係ないの、あたしがやりたいって言うからやるの。

【しかめっ面もやがては困ったみたいな笑顔になるのだろう。泣いてる子をあやすお姉ちゃんの顔】
【あたしこう見えても弟分とか妹分とか、けっこう居たんだよ。教えてあげたいよ。だからそんな顔しないで】
【しないでほしいから――悲しい顔して笑ってるんだろう。きっと。「…………本当はね」、教えてあげるよ、】

ううん、……あたし実はね、…………ホントは何も好きじゃ、ないのかもしれないんだ。
ただ、もう、疲れちゃったの。嫌いって言って泣き喚いて何かを憎むの、疲れちゃった。
諦めてるだけなんだよ。あのね――さっき言ったでしょ、あたしの死に様、ネットでばら撒かれてどうのって――

あたしその動画の中でたくさんたくさん助けてって、ごめんなさいもうしません許してくださいって、泣き叫んだの。
でも誰も助けてくれなかったし、許してくれなかったし――ましてやそれを見て、バカみたいって笑う人だっていたの。
だからね、「わかった」。期待するだけムダなんだって理解したから――何かを嫌いって言うの、やめただけ。
ぜんぶぜーんぶ好きってことにしとけば、ラクだから。恨んだり憎んだりするのは、あたし苦手だから。

【――ぜんぶ本当のこと教えてあげる。つまるところ博愛主義者の仮面を被った、誰よりひどい厭世家だってこと】
【受け入れるフリして諦めてるだけなんだって。それを愛してるって言っていいのか、本当はわかっていないんだって】
【本当はこんなに非道い女の子なんだってこと、あなたにだけ教えてあげるから。旦那様にも教えたことないんだよ?】

苦手だし、疲れるから、好きってことにしてるの。雨も、バスも、ピーマンも、全部――――

【だって、】

――――――――――全部愛してる。だから鈴音は、あたしの、

【「ともだちだよ」。 ――――彼女から告げられるファイナルアンサーはそれだった。それはとても卑怯な手法で】
【好きとも嫌いとも言ってない。靄が出ているのをいいことに、回答までもを煙に巻いた。だけどそれはどこまでも】
【どこまでもどこまでも――真実だった。だって現に今、世界中であなたにだけ本当のこと教えてあげてる】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/16(木) 22:58:32.44 ID:6z+14K+X0
>>235

【彼女はずっと俯いていた。眼差しは"こう"なってから一度も合っていなかった。だから口元の仕草ばかりを見せていた。なら、たぶん、赤い靴しか見ていない】
【あるいはそれすら恐れ多くて、地面の草でも見ているのかもしれない。――だから泣きたくなった、教えてくれたこと、教えてもらったこと、そんなのあんまりに敵わない】
【だってわたしがされたのは結局どこまでも個人的な出来事でしかなかった。何度かあった死を積み上げてみたって、貴女のいるところには届きやしないんだと(わかっちゃうから)】
【今すぐ消えてしまいたかった。神様は乗り越えられない試練を与えないなんて嘘だった。自分が乗り越えられなかったものを乗り越えてゆく人たちを、世界はそれから目を逸らすなって意地悪を言う】
【誰からも同情されてしまえる弱者になってしまえたならどれだけ良かったのだろうって思ってしまう。だって優しくないから。優しい子はこんな風に思わない。思うはずない。だって、優しいから】

――――――――、、

【――嫉妬に狂いかけた歯列が軋む音がした、獣みたいな醜い吐息を漏らさずに済んだことだけが一生のうちで一番誇れる出来事なのに違いなかった。だとしたら】
【ふわふわのお洋服はどこまでも死に装束、一生懸命に何か隠そうとする薄霧すら死に化粧に過ぎず、なら最後に全部燃えてなくなっちゃって終わるから、畑に撒いてしまってほしい】
【そしたら今度こそ世界を滅ぼしてみせる。人間が大好きな犬ならお花を咲かせてくれるけど、人間が大嫌いな蛇だから未来永劫一ツだって花なんて咲かなくしてあげるって】
【もっと深く俯くのなら、あるいはそのまま座り込んでしまいたいのかもしれなかった。子供みたいに振る舞うには、少し、大人になりすぎてしまったけど】

どして、

【だから彼女は沈黙を返した。それが一秒でも十秒でも一分でも百分でも七分でも十三秒でも何でもよかった、彼女の中で「なにか」が終わるだけの時間、それだけの時間を沈黙し続けて、】
【そしたらもしかしたら百年だって待たせてしまうのかもしれなかった。――そんなはずなかった。だって百年も大事な貴女を隠し続けたなら、わたしはやっぱり許されないから】
【だれかを怒らせてしまうまえに言葉を返してあげる、――だとしても、なにか不明瞭なノイズとよく似ていた、長い前髪に委ねたままの表情が何かを訴えていた、付点四分休符いっこ、】

――――――――――――――――――――――――――――っ、かんないよ、なんで、やめちゃえるの!?
なんで、……、なんで、…………、ずるい、……ずるい! わたし、だって、――――――――――――わたし、だって、

【"睨みつける"視線が、けれどひどく濡れていた。だから視線なんて涙のせいで乱反射、どっかに飛んでっちゃって、貴女に届くころにはうんと弱くて、ちっとも怖くない】
【泣いてしまっていた、そうして初めて目線がきちんと向けられた。そして訴えるのなんてやっぱりちっぽけな言葉、うらやましいって言いかえることも知らない、子供みたいな嫉妬】
【だって苦手なことだって我慢しないといけないんじゃないの? ――そうやって信じて我慢していた。――我慢するのをやめたらやはり分かりきっていたことになった、ゆえに】
【嫌い/苦手だからってやめてしまえること、やめてしまうことができること、わかんないしわかれないみたいに。だから魔法を使っているみたいに見えた、なんでもできちゃう魔法に見えたら】
【――――ずるい、って、また、繰り返す。言葉にならない「ずるい」のなりそこないも。かわいそうに死産した言葉の亡骸は見せつけるほど多くはなら/なれなくて、だから、】

わたしを、

【(不明瞭な声のくぐもり、)(いいこにしないで/えらいこにしないで/すごいこにしないで)】

【(誰かに何かあげるのはわたしが何か欲しいからなの)(誰かに優しくするのはわたしが優しくしてほしいからなの)(誰かに笑うのはわたしが笑ってほしいからなの)】
【(誰かに食べさせてあげたご飯はいつかのわたしが食べたかったご飯だし)(誰かに掛ける言葉はいつかのわたしが掛けてほしかった言葉だし)(わたしの全部はわたしがしてほしいことでできてて)】
【(それをいいことだって、えらいことだって、すごいことだって言われたら、どうしたらいいのか分からないの)(――きれいじゃないわたしを閉じ込めてしまう音)(厳重に鍵をする音)】

237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/16(木) 22:58:49.24 ID:6z+14K+X0


………………………………ほんとに?

【――だから、もしかしたら、友達だっていないのかもしれなかった。だって、好きって言ってもらえないと、その人への好意すら正当化できないのに、】

おともだちになって、くれる、の、?

【お友達なんて関係は不明瞭が過ぎて、だから、(だから?)(言い訳)(怖いだけ)(甘えてるだけ)(本当に?)(たぶん、ほんとうに)】

ほんとうに?

【だからやっぱり笑っていた。――それでもさっきよりはいくらも人に見せられる顔をしていた、】

本当に?

【本当に。】
238 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/16(木) 23:14:09.20 ID:phMFLjPA0
>>236

【相も変わらず笑っていた。怒られたって、嫉まれたって、怒鳴られたって、平気】
【そんなことよりもっと怖いの、知ってるから――いつかこうやって、あたしたち喧嘩したことあったよね?】
【あの時はあたしが怒鳴ってた。そしたらあんた、怖がって、泣きそうになって、震え上がってしまったから】
【――――だからそっちのほうがよっぽど怖かったよ。あんたがあたしを恐れて、二度と会えなくなるほうが余程】

さあ――――なんでだろ。……鈴音ほど、まじめじゃなかったからかな。
本当は、心の底から幸せになりたいだなんて願ったことすらなかったのかも。それくらいに、
あたしずるい子なんだよ。そう、ずるいの、ずるくって、すぐ逃げる、……あんたと違って。

本気の本気で幸せになろうと頑張ったあんたと違って――――あたし、ダメな子でしょう?

【だから今度の声は朝日よりよほど鮮烈に、はっきりと輝いて耳に届かせた。こんどこそあなたを否定する】
【否定する。否定する。否定する。鍵をかけるの? じゃああたしのとっとき、引っ張り出してこようかなあ】
【あんたには見せたことなかったっけ。大砲。ぶっ放すと天井だって落としてしまえるの。……もう、逃がさないよ】

【幻覚。教室。女の子たちはめいめいグループを作ってる。3人か4人くらいで固まって行動しているの】
【校則なんて怖がらずに好き放題アクセサリーを付けてくる子たち。机をいくつか寄せ合って勉強してる子たち】
【あるいはちょっとアニメっぽい表紙の文庫本、挿絵のページを開いてきゃあきゃあはしゃぐ子たち――の中で】
【きっとあたしたち、ひとりぼっち、ずつでしょう? あたし、ひとりでケータイ弄ってる。義理のハートが飛び交うSNS】
【そしたらあんたは何してる? 本読んでる? ……だとしたらきっと料理本かな。それをどうアレンジするか、迷って】

【 ふっと瞬きした瞬間に何かきらめいた気がするからさ。そっちを見たら――もしかしたら、目が合ったり、しなかった? 】

【(少なくともあたしはそうだって信じてるよ。信じてる。これは神様に捧げる祈りとは、違くて、)】



ホントに決まってるでしょ、ばーか!



【両腕、伸ばして見せるから。祈りのために組んでなんかやらない。抱き着きたいなら飛び込んでおいで、の、ポーズ】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/16(木) 23:51:25.30 ID:6z+14K+X0
>>238

【ならば今度は怯えた子なんていなかった。それよりも嫉妬していた、うらやましくって、ねたましくって、――震えてしまうとしたなら、多分、そのせいだ】
【ずるいずるいって言って泣きじゃくって肩を震わしていた、苦手だからやめちゃおうって思いついたことも、それをしてしまえたことも、そのための勇気があることも、】
【いろんなことなんでもかんでもずるく思えて仕方がないんだから、なんでも手渡したくなる、だってほしいから/なのにもらってくれやしないんだってもう知ってるから】

――――――――――――――――っ、

【涙がぼろぼろ溢れては落ちていく、そのたんびに透明でまあるい水面は光を悪戯に弄んで、彼女のまなざし、ところどころ赤く、黒く、宝石の煌めくみたいに】
【そうしたら宝石の涙を流す伝承のエルフみたいにも見えてしまうんだろうか。だったら彼女はきっと泣き虫だから、うんとうんと儲かるに違いない】

【――ぶんぶんって首を振る仕草にしぶきが散った、いろんな言葉に一緒くたに返してしまうのは狡い仕草、なら彼女だって狡くってしかたないのに、】
【そんなのごまかしちゃうみたいに、――広げられた両腕、納まる暖かさはありふれた平熱の温度。そうして伝わるのは女の子らしいと呼ぶには少し憚られる感触なのだとして、】
【せめてふわふわの衣服が隠しこんでくれるだろうか。だってそのために着てるんだ。痩せてかわいくない大人にもなれない無様なものを隠してしまいたい、そんな理由で、】
【暑苦しい姫袖だって溢れんばかりのフリルだって窮屈な編み上げだってがんじがらめのリボンだってなにもかもなにもかも全部、世界に対しての武装、武器で防具で、そのためだから】

【――――――ひぅ、なんて、ごく情けない音がした。そのすぐ耳元で。だって彼女は間違いなく飛び込んできた、人懐っこい犬よりなんにも疑わなかった】
【なれば続くのなんて子供みたいな嗚咽なんだろう、――山の中に響いていく声、もしも誰かが通りがかって聞いたなら(そんなことはありえないんだけれど)、精霊の歌声と間違うかしら】
【とりあえず確かなのは、それを耳元で聞くと結構/相当/かなり/――――――、だけれども、】

――――――ごめん、なさいっ、ごめん、なさぃ、わたし、――わたし、だって、ら゛って、――っ、――――っ、
――ひっ、ぅ、っ。っっ。……――っ。わたし。わたし、――夕月ちゃんのいってくれた、こと、きこえてた、
ないて、くれてるの、――しってた、しってて、――、しってて、むしした、――、しらない、ふり、した、だって、


だって、みんなに、おなじようにして、ほしくて、


――――かみさまなのに、それだけじゃやだって、――、がんばったから、――いっぱい"いいこ"したから、だから、だから、

【妖精の歌声にも精霊の歌声にも程遠いなら結局どこまでも蛇の鳴き声/そして蛇は鳴くはずないから、だからやっぱり何かおかしくて、(だって彼女は蛇なんだ)】
【ぎゅうって抱き着いた身体に抱きすがるのは放してほしくないんだろう。このまま手を離されてしまったら消えてしまうんだろう。だからめいっぱい力を込めてしまって】
【なら彼女にだって謝ることがあった。いつかのこと。あの時に名前を呼んでくれたこと、――――無視していたこと、謝る、告げる理由なんてどこまでも自分勝手が過ぎていた】

【いっぱい頑張ったから/勝手に】
【めいっぱいに"いいこ"をやったから/勝手に】
【苦手な"いいこ"をいっぱいいっぱい頑張ったんだから/勝手に】
【――頑張ったからご褒美をください/世界を滅ぼしちゃえるくらいの神様に/そうじゃないと世界なんて滅ぼしてやるという脅しを添えて、】

(【――――開け放たれた窓から緩く風が吹き込んだ。薄クリーム色のカーテンが揺れて、窓辺でしゃべくっていた男子どもを巻き込んだ】)
(【ふざけた悲鳴と笑い声にわずかに目線を上げた、――特別な友達なんていなかった。別に誰かに嫌われてるとか、無視されてるとか、たぶんそうじゃないけど】)
(【なんとなく誰とも仲良くなかった。誰に向けてでもない溜息をついて、図書室で借りた外国のレシピをまとめたような本に目を戻しかけた、刹那に、】)
(【ふっと目が合って、――――無視するには気が引けるから曖昧な目礼をした、そしたらなんだかそのあと気になっちゃって、ああそうだ、】)
(【このよくわかんない食べ物について、検索してもらえたりしないかな。――――だって今日携帯電話、家の玄関に忘れてきちゃったもん】)

ごめんなさい、

【その結果がどうだったなんて記すまでもないんだから、】
240 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/17(金) 00:09:19.88 ID:/SPIJ+VB0
>>239

【抱き留める。やっぱりこの靴履いてきてよかったなと思う、だってヒールがなかったらあたしあんたより背が低くて】
【……ああでも、あんたもヒール履いてるから意味ないかな。でも、低すぎるので受け止めるより余程マシ】
【つかまえた。そしたら艶やかな黒髪に、鼻先を埋める――いいなあ。あたしこんな癖っ毛だから、】
【こんなにきれいなさらさらストレート、憧れちゃってやまないよ。(それでもそんなの関係ないってきっと言ってくれる)】

【細い背を撫ぜると、背骨がひとつふたつみっつ――きちんと並んでるのがわかるから】
【だから誰にも文句なんか言わせない。あたしもこの子もここに居て、それはなんにも間違いじゃない】
【確信して目をぎゅうと瞑るなら――彼女の目からも涙がこぼれた。拭わない。二人ともにそんな、余裕なんてない】

うん。――――――うん。いいよ、なんにも、怒ってない。
ホントだよ、ねえ――もうあのヴェール、誰かにあげようとしたりしてないんでしょ?
そうだったら、それだけでいいよ。……あげてたら怒るけど、ふふ…………

【精一杯に抱きしめ返して返す言葉は、やっぱり何かずれていた。でもそれでいい気がした】
【もう一回それ被ってきてよ、なんてのはさすがに我儘がすぎるから、言わないでおいて――何度も何度も】
【あやすように背中を叩く。そのたびいいよって返す、馬鹿げた大人の儀式だとわかっていて】
【だって本当に怒ってないから。あんただってきっと、怒らないでくれていたんでしょう? わかってるよ、知ってるよ】
【あんたは勝手にやってたことだと言うけれど。そんな勝手な行動でも、確かに誰かが救われてたの】

【 「――――なに? それ何語の本なの、ちゃんと読めてる? 翻訳アプリ探してあげよっか」 】
【 けだるげな声は一瞬だけでもあんたを怯えさせてしまうだろうか。だとしたらばつの悪そうに、視線、逸らすから 】

いいよ。あたしは白神鈴音の全部を許す。だからね――――――

【「あんたには、あたしのこと、見ててほしいな。さいごまで」 ――はいこれ、って言いながら差し出すスマホと似たような気軽さで】
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/17(金) 00:54:27.00 ID:yufS24Si0
>>240

【だから彼女は子供なんかじゃなかった。それどころか平均より背は伸びてしまって、なのに身体がちいとも女の子ぽくならなくて、それがずっと恨めしくて】
【どれだけ食べたってちっとも丸みを帯びない身体に辟易していた、ほんのもうちょっとだけでも胸が膨らんでくれたら、その何倍も自信が持てたに違いないのに】
【それからこのまっすぐに落ちるばっかりの腰元だって、途中でほんの一センチ、ううん、二センチ、……、三センチくらい、へこんでくれたなら】
【そこまで来たら、後は、ぺったんこのお尻だって、あとちょっとだけ、ふわふわのパニエ一枚分だけでいいから、女の子みたいに、なってくれたら、……】

【――だからせめて着飾った、ふわふわのフリルとレースとに全部を隠してしまって、それから、真っ黒色の髪の毛、烏よりよっぽど大事に見繕いして、お風呂だってたっぷり入って】
【"幼馴染"の子がくれた林檎の香りの香水をほんの少し。そしたらやっと少しだけ自身が持てた、鏡越しに睨む自分のまなざしが少しだけ和らいだ気がした、――だのに】
【抱き着いてしまったら本当に全部バレてしまう。がりがりに痩せた身体。ふわふわのお洋服は全部はりぼて。髪の毛は確かに真っ黒くて艶やかだけど、林檎の香水は今日してない】
【それに何より醜い言葉だって吐き出してしまった後だから、その全部が無意味になっていた、どれだけ着飾って誤魔化してみせたって、醜悪で痩せぎすな本性、バレちゃったから、でも、】
【もしかしたらおんなじかしら。誰にも言ってないほんとの気持ち伝え合ったなら、「すき」も「きらい」ももらえなかったけど、「おともだち」、――それも確かに大事な言葉】

ごめんなさい………………。

【ちいちゃく揺らした首が何度目かも分からぬ謝罪を繰り返したなら、ぎゅうってすがる指先、一から十まで、全部そろってるって、その背中に伝えていた】
【誰にもあげてない。それだけが答えだった。だから多分怒られないで済んだ。その肩口に何度も何度も雫を落とすなら、あっという間に肩のところをびしょびしょにしてしまって】
【あるいはきれいな赤色の髪だって濡らしてしまうんだろう。それでも二人やっぱりそんな余裕ありはしないから、――だから、せめて仕返しに、彼女の髪だって濡らしてよかった】

(【「一応**語だけど、……、たまに翻訳変なところあるし、なんか、知らない食材を当たり前に使うから、よくわからなくって」】)
(【「携帯忘れちゃったの、――――*****って食べ物、なに? やさい……? っぽいけど、野菜の……なに? なんて草がどうなってるやつなの? 味は?】)
(【あまり怯えた風な様子は見せないのだろう。変なところで気が強かった。そのくせ変なところで気が弱かった。そういう子だった。だのに机のとこ、簡単に取りついて、】)
(【ありがとって笑って一緒に調べものタイム。なんとなくわかっちゃえば、二人で同じ本覗き込んで、謎の食材を推察したり、誤植を探して、そしたら、なんか、気が向いちゃって】)
(【二人での土曜日、外国の食べ物ばっか売ってる市場行ってみようよなんて話にだってなっちゃうのかも。そしたら帰りに動物園でパンダでも見ようか? パンダが先でもいいんだけど】)
(【そしたら次の日曜日には買ってきたもので一緒にこの料理作ってみよう。よくわかんなくなっても文句はいいっこなし。おいしくなくっても誰も責任取りません。そんな、約束して、――】)

242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/17(金) 00:54:43.24 ID:yufS24Si0
>>240>>241

――――――――――――――――――――――うん……。

【――耳と耳を擦り合わせるように頷いた、濡れてしまった髪の毛同士を絡ませるように、そしたら赤と黒、交じり合って、彼女の目の色みたいになるのかしら、なんて?】
【ちぐはぐな色した目はきっと違う世界を見せていたんだろう。いいこの世界とわるいこの世界。たぶんそう。なら今は交じり合ってしまって、やっと初めて、普通の子、なんて?】
【そんな風に言っちゃうのは大雑把すぎるのかもしれないけど。それっぽちじゃ何もかも言い訳には足りないのかもしれないけど。だからきっとなんにも足りないんだけれど、】

【やだって言わない。さいごなんて言わないでほしいなんて言わない。だって、――だって、夕月はずうっと味方でいてくれた、恩返しにはまだまだ足りないけど】
【ねえだってお友達が、――自分のいのちに納得できないままだなんて、そんなの、嫌だから、(だから、)】

ありがとう――――――。

【許さなくっていいから、さいごだなんて言わないで、――そんな風に言える勇気なんてありはしないんだ。許してほしい。何を。――わかんないけど、たぶんきっと、なにもかも】
【だからいつしか霧なんて出ているはずもなかった。足元には薄っぺらい水鏡なんてなかった。だからここは間違いなく現世で、だのに向こう側に覗き見える桜の花だけ、変わらない】
【だけどとりあえず蛇たちはいなくなっていた。多分帰っちゃってた。お見送りが必要なら彼女がするんだと思われた。――もちろん、もっと、おしゃべりしていても、いいから、だって、】

【(ずっと味方でいてくれて)(こんなところまで来てくれて)(秘密のお話してくれて)(許してくれて)いろんなこと全部、全部、――ありがとう、伝えきれて、いないから、】
243 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/17(金) 20:43:06.92 ID:/SPIJ+VB0
>>241-242

【体型など知ったことではない。そもそも自分だってお世辞にもいい体してるなんて言えないし】
【ましてやあたしたち友達なのに。目一杯オシャレして可愛く見せなきゃいけない恋人とのデート、】
【そんなシチュエーションでもないんだから――深夜にこっそり、部屋着のまま家から抜け出して】
【コンビニでスイーツ買って駐車場で食べちゃうヤンチャも、いくらだって、できるでしょう?】

ありがとうはこっちのセリフ――――やっぱあんた、やさしいよ、鈴音。

【だからわかってる。また何か、言いたいこと我慢してくれていること――わかるから、】
【またごめんなさいって言いそうになるのをなんとか留める。無限ループになりそうだから】
【やさしさに甘えて、話題を変えるのだろう――「ああ、そうね、この際だから」】

あたし、夕月って名前がホンモノじゃないって言ったことがあったでしょ?
教えたげるよ、あんたの名前はみっつとも教えてもらえたんだから――フェアじゃないじゃん。

シグレって言うんだ。時雨じゃなくて、Segulahって綴って、シグレ――、
…………ユーティライネン。こっちはね、ダンナの姓――シグレ・ユーティライネンっての。

【抱きしめあったままだったらさすがに動けない。だから手を繋ぐかたちに変えて、歩き始める】
【二人並んで帰り道、左手薬指の報告はささやかに――していいものか、すこし躊躇したけど】
【きっとあんたなら祝福してくれるかな、なんて、思っちゃったからさあ、――――、】

【――――、】

【「……えっ。は? 何が何だかよくわかってないモノ、料理に使おうとしてたの?」】
【「なにそのチャレンジ精神……」 ならばこいつは真逆だった。イキがってるくせに、実はビビり】
【だけど打ち解けられたら途端に馴れ馴れしくなる、めんどくさいヤツだった。だからお出かけのお誘い、】
【それには乗るけれど(後に「パンダ、思ってたよりゴツかったね……」と語る、けどキーホルダーは買う)】
【次の日のお料理に関しては弱腰になるのだろう。「料理ムリ、ピーラーないと皮むきできない……」】

【――そんな感じであるから、そのうち喧嘩だってするかもしれない。何せお互い気質が違いすぎる】
【ちょっとした言い合いっこから、クラスメイトの仲裁がかかりそうな危ういものまで。きっとする、】
【だけどそのたび仲直りだってきっとできた、だって、好きも嫌いもどっちもあるのが友達でしょう?】

【だから、――――、】

【――――別れの挨拶に何を用いるか迷っていた。「またね」と言えないのはわかりきっていたし】
【「幸せになってね」というのは……無責任が過ぎた。いくら自分が許しても、世界がそうするとは限らない】
【悲しいけれど理解していた。だからきっと「生きてね」というのも微妙に思えたし、ああ、でも】


あたし、――――鈴音と友達になれて、ほんとうによかった。


【――――、こうやって幻覚と現実とが結びつく瞬間って、きっとたぶん絶対にあるから】

【じゃあね、バイバイ、……桜花鈴音。結局は三人分にことばを渡してお別れ――「さようなら」。】



//こんなかんじで……長い間おつかれさまでした、本当にありがとうございました!
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/17(金) 21:31:26.93 ID:qQFbkDZf0
>>243

【――確かにそれでいいのかもしれなかった。だってわたしたちの一番最初は夜の公園で、思い出の中にはホットスナックの香りが漂って】
【ふっとコンビニに立ち寄ったときに唐揚げとかポテトとか気になっちゃう瞬間に、その時のことをほんの少しでも思い出してないかって言ったら、嘘になる】
【思えばあれからたくさんの時間が経っていた。いろんなことがあった(そしてきっと多分ありすぎた)。――だけど変わんないのはあの時食べたジャンクな味、】
【だってきっとおんなじコンビニで同じものを買ったって、もうレシピは変わっちゃってるんだ。だから思い出の中にしかなくなってて、だからこそ変わんないなら】

【無限ループを断ち切ってくれる勇気に甘えて、彼女はそんなことないって言わなかった。――だからやっぱりどこまでも甘えていた、ひどい話】
【それこそ恋人でもない誰かを無理やり犯すみたいなことをしたのに、――おともだちって言ってもらえて喜んでいるから、やっぱり悪い神様の成れの果て】
【だとしても今更何にもなれぬ残滓でしかなくって、たぶん、むかしの信者に見せたなら「これじゃない」って言われちゃう、そんな、ものだけど】

………………………………――――、

【ぱちりと瞬きをした、教えてくれたことが嬉しいみたいに少しだけ緩む眼差しを覆う長い睫毛が震えるようにゆっくり瞬いたら、黒と赤のはざまの視線、蕩けるように赤く帯びて】
【あなたの赤色をまねしたって言うには少しだけ何か違うのだけれど、――繋いだ指先の温度はそれでも互いにきっと生きているから、汗ばんでこそないけど、湿っぽいから】

(【「……どんな味か分かってたら、あるもので作ってもいいけど。こんなの聞いたこともないし、なんだかもわかんないし……」】)
(【「そもそも**語になってないし。……見てこれ、「し」と「レ」がごっちゃになってるし、「ラ」が「う」になってる」】)
(【――もしかしたらあんまり信用できないたぐいの本なのではないかとそろそろ思えてくるところだった。それでも出来上がりの写真はなんだかおいしそうだから】)
(【やっぱり信じてみることにしよう。おいしくなかったとしても一人で食べないならネタにもできる。――自分だけで作ってマズいんじゃ、単なる失敗作じゃない?】)
(【(だから彼女の感想は「パンダって、――結構汚れてるよね」。言いながらお揃いのキーホルダーを買う。それから、ほんとのパンダの赤ちゃんと同じ重さのぬいぐるみも】)
(【それからマヌルネコとか見ちゃうんだろう。かわいく撮れるまで粘ってみるけど結局ブレたのしか撮れなくて。せっかくのマヌルネコもブレブレじゃいいねだって二つだけ】)】
(【タピオカでもシバいてお行儀の悪い歩きスマホ、キーワード検索で別の人が撮った写真なんて見て、「これ絶対べつの動物じゃん」……ぶーたれる】)

(【「はいじゃあどうぞ」当たり前にピーラーを渡してくる笑みが悪戯っぽかった。そういうふうに人をからかう方法を知らないではないのだと、見せつけていた】)
(【そして二人一部翻訳の怪しいレシピ片手に、ときどき検索も駆使して、レシピサイトも見て、――やがて完成する謎の食べ物、見た目はレシピ本とおんなじ、味わいは、】)
(【――――本物を知らないから比べられはしないけれど、まあ、それなりにおいしいものができるのだろう。感激するほどおいしくはないのが、午後の気の抜けた気温とおんなじ】)


245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/17(金) 21:31:39.28 ID:qQFbkDZf0
>>243>>244

【「――――シグレって呼んでいい?」】


【だからきっと声は二重に重なった、山の中の景色と、それから、よくわからない謎のお料理を食べながらの景色と、】
【変に気が強いくせに変に憶病だから。教えてもらった名前をすぐに呼んじゃう勇気も、知ってた名前を呼ぶのに二日も必要な勇気も、どっちも等しい量】
【手つなぎで歩くなら彼女が少しだけ先導するのだろう、ならば帰りはずいぶんと楽な道を選んだようだった。――それでも厚底二人なのだけど】
【やがてだいぶ平坦なあたりに出れば、――――彼女はそこで立ち止まるんだろう。一緒には行けないみたいに。単に気まぐれで行かないみたいに、】

わたしも、――――――…………、

【――故に、ふっと手が離れる瞬間。もう二度と会えないんじゃないかと思ってしまいそうな瞬間。その指先に伝えるのは、一つ小さな転がり】
【見るのなら、――限りなく白く青色の珠が一粒、残されているのだろう。到底宝玉などとは呼べなくて/それでもありふれた石よりは何かを帯びているから】

おまもり

【――――微かに湿り気を帯びた石は清く水の魔力を帯びていた。この場所と同じだった。ならば石も、この場所も、ましてや彼女も、貴女を拒むはずないから、】
【あるいはいつだって逃げ込んできたっていいのかもしれなかった。悪いものは来ないから。入れないから。――――――、わたしが結界を引き継いでもいいでしょう】
【だけど/だから/そんな風に思ってしまった、思えてしまった、「ばいばい」って投げかけた背中を見送って。伏せる眼差し、振り向きざまの決意、】

【(誰に?)(私に)(あたしに)】

……………………わたしも、かえるよ、おうちに。

【だって友達にお願いされちゃったから、(見ていてって)】

/おつかれさまでした!
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/18(土) 17:50:40.74 ID:NsW8XzyZ0
>>232>>233

 斥候と呼ぶには些かやる事が過激に過ぎるきらいはあるが──まあ、概ねそんなようなものだよ。
 人間相手と違って、どれだけ殺そうが誰に気兼ねする必要もないのは楽だ。

 ……ああ、ネームバリューってヤツか。考えた事も無かったが──今思うと、妙に周囲のやっかみが多かったのはそういう理由かな。

【冒険者ギルドと言っても一枚岩ではない。中にはゴロツキと大差ないような手合いもいる。『正義の味方』の肩書きが、悪い方向に働く事も少なからずあっただろうが】
【べつだんそれを気にかける風でもない様子から察するに、そういった事柄や相手は、彼女にとっては心底どうでもよいものなのだったのだろう】

【「全員黙らせるのは、少しばかり手間だった」──などと、朔夜は他人事のように独りごちて】


 ──ふうん。ランスロット、ね。

 お前の口ぶりとさっきの鍛錬の様子で、どういう戦いだったかは概ね見当が付いたよ。
 お前は速度と身軽さに任せて跳び回り、相手を撹乱しようとした。相手はお前の戦いに乗る気がなかった。
 常に一歩引いて視野を広く取り、見に徹して期を窺う。深追いは避け、一定の間合いを保ち、牽制打を捌きながら細かなダメージを蓄積させて機動力を削いでゆき──そうして作った大きな隙に、本命を叩き込む。
 いや、或いは追い詰められたお前の捨て身の一撃に、カウンターを合わせたのかもしれないな。

 これは当て推量の類いだから、見当違いだったら、済まない。あくまで『私ならばこう殺す』という、単なる私見だ。

【敗北を受け止め、積極的に次の戦いの糧としようとするドラの姿勢を好ましく思ったのか、ふ、と微かに表情を緩めると】
【彼女は、彼が『ランスロット』なる敵手にどのような敗北を喫したのかについて勝手にあれこれ予想しだした。将棋やチェスで言うところの「感想戦」に近いものがある】

【気構えは重要だが、それだけで敵に勝てるなら苦労はない。まして、ドラほどの戦闘経験を持つ能力者を相手取って圧倒するなどというのは、精神論だけでは不可能な芸当だ】
【結果には、かならず原因が付いて回る。敗北したというのなら、そこには必ず敗因がある──ならば、前回と同じ轍を踏まない為にはどうするべきか】

【単純な話だ。敗因を洗い出して、一つ一つ潰していけばいい】
/続きます!
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2019/05/18(土) 17:51:30.15 ID:NsW8XzyZ0
>>246(続き)


 へえ、焼くところまではお前がやったのか。……生臭みがまるでない。下処理がしっかりしている証拠だな。
 それに、ソースやマヨネーズ、香辛料なんかの風味に負けないほど、肉の旨味が強い。熟成の進んだ、いい赤身肉だ。
 舌触りもいい。この焼き加減を掴むまで、長いこと練習したろう。

 さっき言った、ジャンクちゃんの仕事の細かさも相俟って……うん。これはそこらの喫茶店では、ちょっとお目にかかれない逸品だな。
 

【戦術の考察に真面目に取り組む一方で、また、朔夜はサンドイッチに舌鼓を打ってもいた。こうしたオンオフの切り替えの早さは、彼女の長所の一つだ】
【「他のメニューもこのレベルなら、毎日でも通い詰めるだけの価値があるかも知れんな」と、気難しい彼女にしては珍しく、手放しの絶賛ぶりだった】
【ハイペースに食べ進め、お茶で喉を潤して、二つ目のサンドイッチに手を伸ばしながら、苦悩するドラに向かって「何にせよ、今ここで悩んでいたって何が始まるわけでも無いだろう」と事もなげに言う】

 あれは民草の平和の為でない、支配者の為の法だ。管理する側にのみ大きな利がある。
 異能力の性質や、萌芽や成長の切っ掛けなんかは、精神的なものに多分に左右される。その一切をこの世界から排除するというのは、言わば精神的な去勢も同然だ。

 異能力という不確定要素を取り扱う権利を民衆の手から奪い尽くした、人間性の介在する余地のない管理社会。完全なる法の支配。まあ望みはそんなところだろうさ。
 「異能という力は、それを持つに相応しいものの手にのみ握られるべきだ」──耳触りのいいお題目に包まれてはいるが、言っていることは、かつてのGIFTなんかの選民思想とそう変わらない。

 「好き勝手していいのは、私たちとそのお仲間だけです」──つまりはそういう事。全く、お笑い種だ。


【無論、それは魔能制限法について楽観視しているという事と同義ではない。むしろ彼女はかの法律について、ひどく懐疑的な見方をしていると言ってよかった】
【そもそも、異能力やそれに類する要素の発露などというものは、往々にして当人にはどうしようもない、不可逆的なものである事が多い】
【そのような要因によって生き方に多大な制限を与えるということは、肌の色や髪の色を理由に他人に謂れなき差別の目を向けるのと同じこと。人の尊厳を丸きり無視した、ナンセンスな法案だ──】

 ……イスラフィール?

【聞き覚えのある名前を耳にし、朔夜ははたと首を傾げて「なぜ、そこで政治家の名前が出てくるんだ?」とドラに問う】
【政治の話で政治家の名前が出てくるのは至極当たり前なことだろうと言われれば確かにそうなのだが、これはそういう質問ではなく】
【水の国の上層部──「政治の世界」に深い関わりを持つ人間の名前を、なぜ政治に無縁そうなドラが、あたかも知り合いの事を語るように気軽なトーンで口にしているのか、という話だ】
248 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/18(土) 19:38:10.68 ID:69LiXVWa0
【水の国―――首都・フルーソ=z


【その一角にある寂れた酒場。】
【古びたレコードから途切れ途切れのジャズが聞こえる、まるでこのノイズすらも楽曲の一部と主張しているようだ】
【近くのビルの家賃収入で食っている壮年のマスターからすれば客がいようがいまいがどうでもいいのだろう。】
【そんな数名にも満たない客の一人、カウンターの端に腰掛ける人物。】


やぁマスター、こんな話を聞いた事はあるかい?
なんでもこのフルーソのどこかにある衛星センターの地下には隠された施設があったそうで
そこでは宇宙そのものの真理を追究していたんだけどある時開けてはならない扉を開けたそうだ
今では宇宙の深淵の一部と繋がって異界と化してるって話なんだけど、なんか知ってるかい?


【軽快な口調で話しかけるその人物。】
【蛍光イエローの目立つミディアムボブの髪に紫色の瞳を中性的な顔立ちの人物】
【全身は高級感のある黒いスーツとソフトハットで身を包み、右手の人差し指にZ≠フ刻印がされた黄金の印章指輪を付けている。】

【マスターが「知らないねぇ」と苦笑気味に答えると、その人物は両手を広げておどけてからバーボンの入ったグラスを飲み干す。】
【―――どうやら未成年ではないようだった。】


//それではこちらに宜しくお願いします!
249 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/18(土) 20:44:47.74 ID:UZKhPzZr0
>>248

――――面白い話だ。

【そんなそっけないコメントを2つ隣の席から投げつけるしゃがれ声は】
【マスターに勧められるがまま、クラフトジンのソーダ割りにライムを絞っていた】
【手元では灰皿で火のついた煙草が細長い煙を上げている。】

【そいつは長身で、髪の毛は肩まであり、そこらの今どきの女性と同じぐらい長く、白髪で】
【サングラスで目元を隠し、少し伸ばしたあごひげもまた白んでいて】
【ヨレヨレの花柄のシャツを着た、ジーンズとブーツの男で、首もとでシルバーのマリアのペンダントが揺れていた】


じゃあ、こんな話を知っているか?時間を15分だけ戻せる横断歩道があるらしい。
なんでもその交差点を何往復もして、20年も遡った奴が居るって話だ。



/すみません急に電話が入ってしまって…遅くなりましたがよろしくおねがいします!!
250 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/18(土) 20:53:13.07 ID:69LiXVWa0
>>250


―――やぁ、お洒落なペンダントをしてますね。いいセンスだ


【中性的な人物はカランカランとグラスを揺らして乾杯のような仕草を相手に向ける。】
【そしてその風貌に眼をやると少し眼を細めてから特に意図の感じられない言葉を投げかける。】
【よく手入れのされた蛍光イエローの髪は穏やかに揺れる。】


しかし15分だけ時を戻せる交差点とは中々面白い。
渡ってる人物以外の時を戻せるという解釈で合っていますか?

嗚呼、もしかして―――


【「貴方が?」と口元に薄い笑みを浮かべるとそこで言葉を切って再びグラスを口へと持っていく。】


//宜しくお願いします!
251 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/18(土) 21:04:17.34 ID:UZKhPzZr0
>>250

神様は信じちゃいない。…いいや、そいつが俺を救ってくれるとはな
だが、祈るべきものは必要なのさ。

【男は視線を一瞥くれたのだが、それはサングラスで覆い隠し】
【相手からすれば無視したように見えるだろう。男はそう話して】
【ジンソーダに口をつける。独特な雰囲気の味だった。文学的な心地よさがあった】

そう。…まあ、渡るのに15秒かかるのだったらその差し引き分
一体、『どれだけの時間を費やせば時間を巻き戻るのか』なんて考えたくもない。

……俺が?

【彼はフッと笑った】


俺はそんなめんどくさい方法はしないよ。

【男はすべてを否定はしなかった】
252 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/18(土) 21:21:09.64 ID:SozhrEXw0
>>251

―――意外にもロマンチストなんですね。


【黄金の印章指輪を付けた手をヒラヒラと振りながら軽い調子で返答する。】
【マスターは空き瓶を回収業者が来る前に店外に出す準備を始めており、カウンターの付近には二人しかいない。】
【2席分の空白が妙な間を生んでいた。】

【「どんなに労力をかけても戻りたい過去があるのならば、人はするでしょう」】

【そう言ってからくるりと身体を回転させてカウンターを背もたれのように両肘をつける体勢になる。】


では貴方はどんな方法を取りますか?エヴァン=B


【「ほらあったでしょう、妙に後味の悪い少し昔の映画」】


【「バタフライなんとか―――」】

253 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/18(土) 21:22:37.95 ID:SozhrEXw0
//どうでもいいですがしたらば落ちてます?
254 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/18(土) 21:49:22.00 ID:UZKhPzZr0
>>252


弱いだけさ。

【吸い差しのタバコを手に取る。少な気な言葉を煙で後を補完するように】


…バタフライエフェクトは駄作だ。勿論、単品のバタフライエフェクトは良い出来だし
Oasisの曲も………まあ、あの頃はLibertinesやStrokesの方が冴えてたけどな。

けど、彼処で終わらせておけばよかったんだ。2,3が傑作をぶち壊した。
安物になり下げた。繰り返しただけだ。蝶の瞬きどころか、旋風にもなりやしない

もう少し、映画の話をしよう。残念だったな、俺はよく飲み屋にいる
管を巻いた、懐古主義的な人間なんだ。捕まった、アンタが悪い。

いいか、あの映画はハッピーエンドなんだ。
勿論、ディレクターズカットの方を言っているんじゃない。
あの映画のラストはそうあるべきなんだ。

【男はようやっと相手の方に向き直って、話し始めた】


一つ一つの要素を丁寧に進めながら、主人公の心情が浮き出てくる。
ニューシネマなんかはそうだ。だがこれはSFだから整合性に理不尽さはない。
あくまでハッピーエンドに近い選択はあのフィルムの中ではあれなんだよ。
彼は何のために、過去に戻ったか。主目的、テーマに準拠するにはあれがベストだ
もし、ディレクターズカットのようなラストにしてはあの映画は単なるエンタメだ。


255 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/18(土) 21:54:05.00 ID:UZKhPzZr0
//おちてますね!
256 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/18(土) 22:08:23.56 ID:SozhrEXw0
>>254


【中性的な人物は苦笑か愉快か分からないような感情で肩を竦める。】
【「なるほど」と合間合間に簡潔に相槌をうちながら男の話に耳を傾ける。】
【空になったグラスにはマスターに断りもなくカウンターに手を入れて自分で注ぐ。】


難しい話ですよね、興行的成功や評論家からの好評を受けてしまうとどんどん連作になってしまう。
挙句の果てには他作品の怪物とコラボレーション等もしてしまってそのものの価値も落としていく。

………やはり貴方はロマンチストだ、シネマを芸術品と捉えている。


【「いいですよ、私も映画は好きですから」と中性的な人物は微笑んで頷く。】

つまり主題/テーマを疎かにしていない故のラストと。
確かに終わってみて支離滅裂な後味よりは多少の苦みも許容できるというものですね。


しかし―――過去に戻れるのであれば貴方はどうしますか?


【クルリと再び椅子を回転させ、肩ひじをついて相手と向き合う形になる。】
【口元を緩めて問いかける。】
257 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/18(土) 22:28:04.18 ID:UZKhPzZr0
>>256

しょうがないさ。どれだけ批判されようと数字は良かったんだ。
カッコつけた美術評論なんて無視される。

世界は本当は美しいんだ。クソッタレで雑多だからこそ。
後は切り取ればそれは映画になる。どんなもんでもな。


【短くなった煙草を灰皿に押し付けた。そしてすぐにまた次のタバコを取り出す】

人工甘味料より俺は安っぽいハチミツのケーキのほうが良い。


【煙草をくわえ、火をつける。氷が溶けて、汗をかいたジンソーダのグラスを傾ける】


世界を撮り直す。――次の監督は俺だ。矛盾だらけの脚本を書いて、1の評判に乗っかって
派手なプロモーションを繰り返して。端役を主役にして構成もカメラワークも主題歌も変える。

この世界は90分で終わらせない。
258 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/18(土) 22:39:27.79 ID:69LiXVWa0
>>257

―――これからの世界はきっとさらに数字が支配する事でしょう。
1か0か、それによって全てが決められ人の運命すら数字によって決定づけられるかもしれない。

貴方の言う美しさではなく白く漂白された世界が出来上がるかもしれない。

【「自然に合わせて混沌となるか、不自然な調和を求めるか」】
【相手に言うでもなく呟きながら煙草に火をつける相手をじっと見つめる。】

【「選択は迫っていますよ。」】

【そう、呟いた。】


出来るといいですね撮り直し=B
私はどちらかと言えば時間は前にしか進まないという考え方ですが。


ただまぁ―――貴方のような思想≠ヘ必要ですよ、きっとね。


【そう言うと同じく汗をかいてカウンターを濡らしているバーボンのグラスを口へと運ぶ】


それはそうと………何かお困りな事はないですか?


私―――探偵なんですよ。

259 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/18(土) 23:07:27.17 ID:UZKhPzZr0
>>258


重要なのは“アンタがそれをどう思うのか”だ。

ディジタルな世界が良いのか、アナログな世界がいいのか。

評論家は経済や世界を予測するが、するだけだ。世の中の多くのやつも
世界は神様が作ったものだと信じて止まない。
どちらかの立場に立つ勇気があるやつは少ない。

すでに答えは決まってる。

【吐き出した煙。煙草は日常だ。年を食った体にはたまに堪える。】


――思想じゃない。俺のは、ATTITUDE。
俺にはそんな思想なんてカッコつけたプランを書く暇は無くてね。



【―――探偵? その言葉を聞くと、彼は楽しそうに笑う】


俺も探偵だ。……ハハッ、そんな仕事をしているようなバカは俺だけだと思っていたよ。


そうだな。……戦争で一儲けして世界を都合よく牛耳る気で居る貴族気取りのアホどもと
コンピューターで世界を統一できると思ってる馬鹿なガキを両方ぶっ飛ばすにはどうしたらいい?

あとは50そこそこの野郎が食っていける仕事で探偵以外の方法が知りたいね。
職歴は水の国の連邦準備銀行から国家予算を盗んだことならある

【全部が嘘くさい話だった。まるで茶化しているかのような、映画にしてもB級の脚本だった】
260 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/18(土) 23:22:07.81 ID:69LiXVWa0
>>259

さぁてね、どうにも私は物事を一歩引いて見がちでして
だから探偵という職業はそれなりに性分に合っている気はしますけど。


【吐き出された煙が換気扇に吸い込まれる途中で横を通り過ぎる。】
【嫌な人間には嫌な臭いだが特に気にした様子は見られない。】
【ただ相手の言葉を興味深そうに顎に手を当てながら聞いているのみ。】

成程、クールですね。ですがそれならば思想警察≠ノ眼を付けられる事もない。

―――高度に情報化された社会だからこそ意外と探偵の需要もあるものですよ。


【そういって肩を竦めて微笑みながら天井についた換気扇に吸い込まれる煙を眺める。】


1つ目の質問ですが、どうやら貴方は思っているより大きなものを相手にしているようだ。
彼ら≠斃すには―――今はバラバラに分散した3つ目≠再び繋ぎわせるしかない。
二極化では結局のところどちらかに寄るしかない=B

2つ目の質問ですが―――まだまだこれからが探偵としての花では?


【そう言いながら「ただもしもの時は連絡をください、斡旋しますよ」】
【と連絡先をメモ帳に書いて差し出す、ただ携帯端末の番号だけがそこに書かれていた】


261 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2019/05/18(土) 23:59:25.37 ID:UZKhPzZr0
>>260

アンタの云う、探偵ってのは“ホームズ”や“エラリィ・クイーン”なんだろう。

俺の知っている探偵とは少し違う。
だがそれでいい。解釈は一つじゃないほうが面白い

【吸うたびにジリジリと短くなっていく煙草。もう何本目だろうか。】
【空になったグラスを眺めながら、彼は言った】

そのかわり普通の警察に追われるぜ。クールなのには変わらないがな
ジョー・ストラマーって知ってるか?…いいや、知らんだろう。
その人の言葉だ。数少ない、本当に世界を変えることのできた一人だ。

――俺の事務所とは大違いだ。金にならない仕事ばかりだ。助手が悪い。

【ハァ…とため息を付きながら、煙草をもみ消して。立ち上がった】


20年前にそれはもう考えた。合理的で正しい選択はな。結果はお察しだ。

……俺は俺のやり方をするよ。合理的なプランを練るのは向いてないらしい。
美しくて完璧な脚本もいいけどな。俺は兎に角フィルムを回す。

撮らねーと始まらないだろ。酷評でもいいから、勝負したら勝ちだ。

【メモ帳を受け取って、軽く番号を観て、雑にポケットに押し込んだ】
【――「探偵はゴメンだ」と言って。】


俺はすでに死んだ人間さ。アンタみたいな若いやつが咲かねえとな
……アンタが望めば世界はどうとでも変わる。良くも、悪くもな。


【「そろそろ仕事だ」と。彼は頭をかきながら言った。無駄に高い身長で】
【背中を丸めながらポケットに手を突っ込んで、ろくな挨拶もなくあるき出した】

もし、用があるなら旧市街に来てくれ。アンタなら探せるだろう。
………いくらでも“話してやるよ”。


【―――軋むドア。くすんだドアノブ。シケモク。カウンターに残る水滴。】


/サクッとまるっとこのへんで締めはいかがでしょうか!?!?
262 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/05/19(日) 00:23:06.23 ID:T9Fx/Npw0
>>261

確かに、視点は多い方がいいですね。


【言うだけ言って立ち去っていく探偵の背中へと視線を向けながら】
【もう一人の探偵はグラスを傾ける、少し思案したかのような間の後にクルリと振り返る。】

【足を組んで微笑みながらその丸まった背中を見送る。】


―――貴方の勝負、乗らせて貰いますよ。同業者のよしみでね。


私はジュライ=Bまたお話しできるのを楽しみにしていますよ。未来探偵。


【そう言うとジュライも会計を済ませて夜の闇へと消えていった。】


//ですね!お疲れ様でした!
263 :ドラ ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/19(日) 13:55:32.46 ID:VUyC9JIXo
>>246>>247

【表情もなく「黙らせた」の一言が飛び出したあたりでドラはうへぇ、と顔を歪めた】
【うっとおしい連中が湧いて出た際の朔夜の対応なんて大体想像がついたからだ。シンプルかつ手間のかからない方法でさっくり済ませたのだろう……】


……本当に変わりないようだねぇ、あまり無茶はしないでよ
いやきみの事は心配ないと信じてるさ、後は騒ぎにならない程度にお手柔らかに済ませてくれてるならもうケチの付けようもないけど!


【朔夜は無駄な装飾は好まず、もめ事が起きても簡潔に決着をつけるタイプであるとドラは見ている、そして荒事になったら絶対に容赦などない事も】
【何が起こったかはあえてこれ以上掘り返すまい、と彼は心に決めるのだった】

【ミズキ"ランスロット"ヴァレンタイン戦の内容、その大まかな内容の考察を聞いてドラは「おおっ」と思わず声を上げた】
【―――ほぼ当たりだ。自分の鍛錬の内容でそこまで読むとは……】


さっすが……!そこまでわかるのかい?大まかな内容はまさにそんな感じだった

そこに補足を付けるなら彼の能力はおそらく「鉄製の鎧だろうと剣で貫く」力と「剣を当てた相手の左半身の感覚を消す」……『左半身失調』を使ってきた
それがまた彼の絶妙な小技を駆使する戦術にピタリとハマるのさ。ほんの少しの体の動きでぼくの動きを阻害させ、無駄なく振るう剣はキャットのアーマーも穿つ威力
しのごうとしてもわずかにかするだけで相手の感覚を半分消し去りこちらの動きは大きく阻害する……やりにくいだろ?


【腕を組み、いつもの愛嬌溢れる顔でおどけたように戦闘の内容を公開していくドラ―――最も、重苦しさを振り払うための虚飾かもしれないが】
【そして、極めつけを放そうとばかりに一層声のテンションを上げ、指を一本立てながら決着の場面も説明する】


けどぼくだってね、彼がどこかで本命の一撃を放ってくるのは読んでたから彼の剣の動きに集中して最後、本命の一撃の軌道を見切ったのさ
"見切った"からこそ悔しかった、あの場面で空いた隙に一撃入れていたら引き分けには持ち込めたかもしれなかったのに……
でも入れられなかった。突然"いぶき"の甲板が崩れて炎が上がってね……誰も予想だにしない不確定要素、ぼくら二人の足元にとんでもない"悪運"が湧いてきた

だがミズキ君はその"悪運"をとっさの判断でみごと味方につけたんだ……"炎"でコンマ一秒届くのが遅れたぼくの一撃よりも早くぼくの腹を貫いた

……何が言いたいかわかる?「ぼくの運が悪かった」じゃあないぞ、彼には"読み切れなかった悪運"すらも味方に付ける『精神力』
何が起こるかわからない実戦の中でも揺るがず不測の事態すらとっさに利用できるほどの迷いのなさも持ち合わせてるって事……なんでそんな事できるのかずっと考えてたけど
今ならわかるよ。きみの言う通りの事を実践してる奴なら……常日頃戦いの気構え、身の運び方が常時染み付いて戦場でも発揮できればそりゃあ"できる"。……ね?強敵だろ?


【ままならない不確定すらも、味方に付けることが出来るのは……弛まぬ鍛錬で心身共に鍛え上げた真の強者だけだ】
【本当の意味で強い奴だから「これができる」のだとドラは心底思い知ったようだ―――同時に彼の口元には笑みが浮かんでいる】
【……おそらくは、「自分もこれができるようになってやる」と、そこまで成長してやると考えているに違いない】
/続きます
264 :ドラ ◆UYdM4POjBM [sage]:2019/05/19(日) 13:56:05.15 ID:VUyC9JIXo
>>263続き
【サンドイッチの称賛は半分は自分の仕事という事もあって満面の笑みで受け止めているようだ】


アルカトラズは本当にメシがしけててさぁ……なんか方法はないかなって図書館で勉強したのさ
で、うまいお肉の下拵えの仕方をばっちり頭に入れて、炊場担当に異動願い出してさ、育ててる牛や豚を出荷する際に肉の加工をやらせてもらったわけさ
おかげでおいしいお肉にありつけるようになった……サルベージの合間のいい暇つぶしにはなったね


【「ちゃんといい子にしてたんだよぉ?」などと得意げにしているが、そもそもいい子なら刑務所に入らないのではなかろうか】
【途中挟まれたサルベージとは……彼が収監された"訳あって"の訳に関係している事なのだろうか】
【思えば彼がおとなしく逮捕・拘留されているという事自体が結構イメージと違っているようにも感じられるが】


……魔能制限法、どうにかしてぶっ潰したいよね。どうやればいいかは……ぼくもいくつか案はあるけど準備は必要そうだし
いろんな人の話も聞いておきたいかなあ……ああそうそう、イスラフィールさんってのは若くして水の国の最高議会に席を置いてる政治家さんでね
今の状況をどうにかするためにいろいろ動いてる人な訳だ……そうだな、この話は朔夜さんにもしておこう。ぼくらにとっては『聞き捨てならない』案件を扱っているしね

織守さんや朔夜さんの他にも無事にしている"justice"の仲間がいないかネットとか使って調べてた頃にね、彼女は接触してきたんだ
目的は――――"justice"の再建。リーダーの座を降りた織守さんの代わりに彼女が二代目のリーダーになって再度正義の戦士として戦う組織を取り戻したがってる


【……なるほど。ドラや朔夜たち古参のjusticeメンバーにとっては本当に"聞き捨てならない"案件だ】
【あまり名を聞いたことのない政治家がなぜ突然justiceを復活させて戦おうと考えているのだろうか?そんな素質を……彼女は持ち合わせてるのか?】
【だが、ドラは面白そうな顔で懐からW-phoneを取り出して、画面をタップすると朔夜の方向に向けるだろう】


で、このイスラフィールさんにそんな資格があるのか?っていうのはこれからぼくが見定めていく事は決定事項なんだけどさ
これがまた面白そうな案件なんだ……ほら、これがイスラフィールさんなんだけど……どっかで見覚えない?


【ドラが向ける画面に映っているのは、演説中のVTRに映った女性だ―――だが古参のメンバーだからこそ、朔夜に『既視感』を抱かせるだろう】
【映っている政治家の豊満なプロポーションに、眼鏡をかけて理知的な印象を与えてはいるものの幼さが残る童顔に】
【そしてなによりも―――彼女の艶やかなその『紫苑色』の髪の毛に】

【―――過去にこの女性の特徴と似通った姿の少女が自分たちの仲間の中にいなかっただろうか】
【それこそ当時、同じく少年だった頃のドラが人一倍気をかけていた少女が……いたはずだ】
265 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2019/05/19(日) 16:42:11.72 ID:0YLEqp7W0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/21(火) 08:18:21.63 ID:CULgOVkf0
【生まれたての風が通りを吹き抜けた、ならば目覚めたばかりの黄金色した朝焼けを一番飾る冷たさ、時刻はうんと朝早くの頃合い】
【風の国、通りには小鳥たちの遊ぶ約束、今日はどこ行こうって話し合いに似て賑やかな声、開け放たれた酒場のドアから差し込む朝日は道筋に似て】
【――ずいぶんと久しぶりの光景のようにも思えた、少なくともここしばらくはあまり見ることのない光景だった、開け放たれたドアよりなびく不可視の一条】
【コーヒーと、炙られたパンと、それから蕩けるバターの香り。――――ならば誰かが朝食をこさえているのは明白だった、ならば?】

――――――――――、………………。

【――――椅子を背負った机の群れの中、椅子をおろしたテーブルが誇らしげに朝食を並べていた、備え付けのテレビが一番よく見えるところ】
【やはりコーヒーやトーストを並べて、それから、サラダに、目玉焼きに。或いはヨーグルトやフルーツすらも並ぶのなら、】
【誰かひとりが自分のために用意したと云うにはいくらも豪勢が過ぎた。――それでも間違いなく一人分の量ではあった。貴族の朝餉と呼ばわるには物悲しすぎたから】

……、

【――だからきっとごく曖昧な音律で椅子が軋んだ、朝日の差し込む店内の静けさを壁掛けの銃器が飾るのだとして、それでもなお寂しげなシルエットの人影一つ、】
【ごく黒い毛先を肩まで伸ばした少女だった。透き通るよに白い肌。あどけなさを残すかんばせはそれでも少女と呼ぶにはいくらか無垢さをなくしたように見え】
【光の加減によって黒と赤のはざまで明度と彩度をころり返るまなざしはしゃんと伸ばした背筋からテーブルの上のものを見下ろす、――ゆると手を合わす仕草のさなかに】
【ごく小さく紡がれる声は鈴の音のものなのだろう。そろそろ暑くなるというのに袖のたっぷり膨らんだ赤のワンピース、フリルとレースを詰め込んで膨らませたスカートの丸みと】
【その膨らみに誤魔化されるように願ったに違いない華奢な足元は爪先の丸いストラップシューズ、かかとの高いものであるなら、立てばその背丈を割合に大きく見せて】
【十六歳ほどの少女だった。だとして酒場の雰囲気など手に取るように分かっているような顔をしていた。――まして酒のにおいも煙草のにおいも店の中からは飛んでいた、なら、】

【――――ごく何かの意味を孕んでいた。山中に置かれたとってもおいしいおやつみたい。何かを誘い込むための仕草に似ていた、だなんて考えすぎかしら】
【どちらにせよふわり漂うコーヒーの香りに少しだけ差異が生まれていた、――、華奢な指先にて思いッきり練乳を絞りだされたなら、なるほど確かに、甘ったるさが混入して】

【(それとも或いは何か下らぬ感傷にも似ているのかもしれない。どちらにせよ、――分かる人間が見るのなら、彼女が誰かというのか、考えるまでもないのだから、)】

【点灯してなお見る気のあまりないらしいテレビが、それでも必死に何かを語っていた。曰く、今日はどこまでも天気のいい一日になるらしい、なら、】
【きっとどこまでも晴れやかな朝日の光景に、それでも夏の香りが混じり始めているのだろう。アイスキャンディー屋が大きく伸びをして準備体操するような、暑くなる、予感】

/次のお返事はきっと夜になってしまうのですが、のんびりとお待ちしております……
267 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/23(木) 12:38:17.92 ID:d/TpxLEn0
抵抗は無意味……さっさと身柄を拘束されなさい

【夜の人気のない港に声が響いた。その声を発したの黒いキャミソールワンピースを着た紫の眼と髪の色を持つ少女だ。下着のような格好のため肌が露出してる面は多いいが、余程身体に合うように作られているのかそれ以上に見えるということもない】
【少女が声を向けた相手は大柄の、見せるためではない使うための程よい筋肉の付き方をした男。そいつは今まで逃げていたのか、"ハァハァ"と息を切らしている。だがこれ以上はそれも無意味だと悟ったのか、"チッ"と舌打ちしつつ腰の後ろから刃渡りのあるコンバットナイフを引き抜いた】

【"フゥ……"と少女は溜め息を吐き】

あなたの能力は確か右掌から特殊な波動を発し、それに拠って握っている刃物の切断力を飛躍的に上げる――――とかそんなものでしたよね
悪いですけど、あなたの基礎戦闘能力とその程度の能力では私の追跡を突破することは不可能です

【少女がそう無慈悲に告げるが、男は構わずナイフを構えたまま真っ直ぐに少女へと突っ込んでいく。それを見て少女は構えを取る。そして青白い球体状の光が両手両足を包む。臨戦態勢に入った行動らしかった】
【男はナイフの間合いに入ると即座に踏み込みと共に少女の首元へと突きを繰り出す。自身の得物の間合いを正確に捉えている練度の高さ。常人では避けることも受けることも叶わない鋭い突き。その動きのどれもが先程の言葉で下卑されるような弱い男では決してない、ということを端的に表していた】

フッ――――

【だが少女は切っ先が喉先三寸のタイミングで、短く吐いた息と共に、手刀と呼ばれる小指の付け根から手首までの間の部分で刃の腹部分を払い横に受け流す】
【そしてそれに合わせて自身はその反対方向へとステップを踏むと、ナイフの軌道が横にズレたのと併せて僅かな動きだけでナイフを完全に躱し切ることができる】
【ナイフをギリギリまで引きつけられて躱されたこと、僅かな動きだけで躱されたことが併さって男は自身の突きが決まらなかったことに対する反応が一瞬遅れる】
【そしてそれに気付いたときに、同時にもう一つ気付かされることがあった。少女がこちらをジッと見つめていた。まるで瞳の中からこちらの感情まで覗き込もうとするように】

//続きます
268 : ◆L1hyTPHS6I [sage]:2019/05/23(木) 12:39:36.83 ID:d/TpxLEn0
>>267続きです

【その瞳を見てまるで本能のように理解させられる。"こいつはこの隙に攻撃出来たのに、敢えて攻撃しなかった"のだと。"自分は既にやられている筈だった"と。それに気付いた瞬間半ばパニックになるように少女が避けた方向へとナイフの刃を寝かせ、横薙ぎに払う】
【それは打刀に拠る突きを剣戟の主体としていた新選組の隊士が使っていた、平突きからの横薙ぎの連携のような攻撃。この精神状態の中で即座にそれを選び実践したのはやはりこの男が弱くないということを表していた】
【横薙ぎの斬撃は正確に少女の首を切り裂く軌道を取っており、決まれば頸動脈を悠に切り裂き、首をほぼ切断できる精度と威力を持っていた】

【だがこの斬撃が決まることはなかった。少女の突き上げた蹴りが男の斬撃の軌道を無理矢理捻じ曲げ、腕を上方向へとカチ上げていた。しかし男は"その隙"を見逃していなかった。このような脚を大きく上げる蹴りはその可動範囲の大きさの分、身体に還ってくる反動がありそれが隙となるのだ】
【男の目に希望の光のようなものが宿り、それに併さるように頸動脈を切り裂く袈裟斬り軌道の斬撃が振り下ろされる。少女の首が切り裂かれ、大量の血を吹き出している筈だった――――男の背後で"カラン――――"という金属質の物体が硬いものどうしで打ち合わる音が響く】

【眼の前の少女は血を吹き出しているどころか、一切の変化がない。脚は既に降ろされ、ほぼ直立と言ってもいい構えを取っていた。もう既に理解していた。だが本能が理解することを拒んでいた】
【少女の蹴りはナイフを持つ手を狙撃するように直撃し、ナイフを上空へと弾き飛ばしていた。今響いた金属音はその飛ばされたナイフが背後へと落ちた音だ。そして見なくてもわかる、その蹴りに拠って五指が皆あらぬ方向に折れ曲がってしまっていることに】

お前の能力は完全に無力化された。万が一にも私に勝てる可能性は無くなった

【無慈悲な宣告だった。男の目に動揺が浮かび身を翻そうとした。それは逃走しようとしたのか、それともナイフを拾いに行こうとしたのかは、わからなかった。だがそんなことはもう関係なかった。男の身が翻るよりも疾く、少女の右ストレートが正確に顎先を貫いていた】
【男がその場に項垂れるように崩れ落ちる。正確無比な打撃に拠って脳を揺らされ、完全に意識を絶たれていた。すぐに動き出しそうな様子も一切ない】

【少女は項垂れた姿勢のままの男を見下ろして言う】

ナイフがフラタクルエフェクトの範囲外に当たっていればどこであれ一撃で致命傷だった
模擬戦レベルではなかなか緊張感があったわ

【そして耳に手を当て小さな声で呟く】

指令のあった男を沈黙化させたわ。さっさと回収に来て

【と――――。少女は所持していたワイヤーで近くにあった街頭に意識のない男を括り付けると】

あーお腹へった

【と小声で呟き、その場を後にしようとした――――】


//死ネタはなしで戦闘ロール希望です。
絡んでくださる方いればお待ちしております。
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 09:40:57.59 ID:vqWS8lP7O
undefined
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 09:41:45.43 ID:vqWS8lP7O
undefined
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 09:43:15.29 ID:vqWS8lP7O
【水の国】

【太陽が元気な今日この頃ーー無風な本日は何をするにも絶好な……否、少し暑すぎる気候かもしれない】
【あちらこちらから「暑い」とか「喉が渇いた」と夏の始まりを感じさせる言葉が飛び交っている】
【繁華街は今日も忙しない。老若男女問わずとはまさにこのことで誰もが限りある時間を有効に使おうと早足で過ぎ去っていく】

【ーーそこは繁華街から少し離れた場所にあった】
【人が多く行き交う賑やかな場所から少し逸れた道。あまり詳しくない人には少し「そっちに何かあるの?」なんて不安になる道なのかもしれない】
【そんな道を進んでいけば気づくだろうかーー柔らかな花の香りが風がなくとも漂う一角に】
【そこは広すぎる庭付きの、豪奢な煉瓦造りの家が聳え立っていた】
【家にしがみつく様に絡んだ蔦までも手入れが行き届き、いささか広すぎる庭には季節の花が太陽を浴びて生き生きと咲き誇っている】
【花の香りはここからだったか、なんて気づけば貴方《貴女》は誘われる様に入って行くのかもしれない】
【花に詳しい人ならばここに並ぶ子たちの名前もひとつひとつわかるのかもしれないがーー踊る様な花々と可憐な香りを楽しんでくれたのなら】
【奥に現れるは『LIORO』と書かれた看板。あぁ、お店だったのかなんて気づいて重めの扉を開けたのであればーー】
【今度はまた違った香りがお客様を歓迎するだろう。木漏れ日の差す店内はたくさんのハーブ用品が綺麗に並んでいる】
【大瓶に入った茶葉、香水、石鹸……そんな商品がお客様を迎えてくれるだろう】

【キィッと扉が閉まる音と同時にひとりの少女が現れた。蜂蜜色のつやつやな髪の毛を二つにまとめ、深い海みたいな二つの瞳が優しげに細められて。細い体は膝までの白を基調としたセーラーワンピを身にまとっている。この子が店員であることは間違いなさそうだ】
【お店の奥の扉から出てきた少女は目の前の木のカウンターと一緒に置かれた椅子に手を付きながら、今日はじめてのお客様に笑顔を向けてーー】

いらっしゃいませ、何かあればお声がけくださいねっ

【なんて今日の太陽にも負けないくらいの笑顔で語りかけるのだろう】
//絡み募集中です!
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 15:05:56.69 ID:1k9/mtJO0
>>271

【天高く降り落つ季節外れの陽光と、真昼の繁華街の喧騒が織りなすまばらな熱気が、道行く人々の額に汗を滲ませていた】
【肌を焼く暑さに顔を歪めて歩いてゆく、そんな雑踏の中――とある、ひとりの女だけが】
【春先の心地よい風が吹き抜けていくかのごとく、するりと器用に人並みをすり抜けて、ご機嫌な表情で闊歩している】

【――ふと漂う芳しい香り。女がそれに釣られてふらふらと脇道に逸れていくのは、その性格からして必然であった】
【店の前にたどり着くと、女は興味深げに外観を見渡した。そして初見の店になんら気負うでもなく、無遠慮に扉を開くのである】


 やあ、こんにちは。
 こんなところにこんな雰囲気のいいお店があるとは、不覚にも知らなかったな。


【斯くして、現れた少女はこの女と対面することとなるだろう。その風貌を確認したならば、女はやや長身で二十代ぐらいに見えるはずだ】
【白いジャケットに紺色のインナー、黒いレギンスに赤褐色のブーツ。腰には大小多くのポーチが付いたベルトと、活動的な服装で】
【桜花の柄の腰布とハーフアップに編み込んだ髪を留める二本の簪、左腰に佩いた緑鞘の刀が、桜の国特有の風情を醸し出している】
【その淡く陽光の色を差す長髪は、毛先へと流れるにつれ鮮やかな新緑の色へと彩りを変えており――】
【深紫の瞳は優しく抱く宵闇のようでもあって、しかし夏の陽射しが創った真っ黒い日陰のように、どこか見通しきれない深みがあった】


 それにしても……んー、実にいい香りだ。
 ここではなにを売ってるの?


【店内に満ちる芳しさに身体を浸すように、女はやにわに大きく息を吸った。そして楽しげに表情を緩めたなら】
【少し身を屈めるようにして、少女の瞳の中の海をずいと覗き込むと、優しげな声色でそう問いかけるだろう】


/まだいらっしゃいましたらよろしくお願いします……!
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 15:40:46.62 ID:h4u3sLQo0
>>272

【店内の、ハーブの香りを纏って現れたのは綺麗な女性であった】
【絵に描いたような、ドラマのワンシーンのような、美しい女性の登場に店主の少女が息を飲んだのはもしかしたらバレちゃっているかもしれない】
【煌びやかな商品に負けないくらいの存在感と美貌ーー羨ましいなと思うのはきっとこの少女だけではないだろう】
【見惚れてしまったと言ってもほんの一瞬なんだけど。すぐに店員の顔を取り戻して少女はまたそういう風に振舞ってーー】

ここはハーブ専門店なんです。
お茶とか、化粧品とか、雑貨とか、そういったものを扱ってるお店なんです!

【けして広くはないが、たくさんのハーブ用品が並ぶ店内。女性の右側には小さなカフェスペース、左側にはお試しで使っていい石鹸とアンティーク調のくすんだ金の水道があって】
【少女は彼女の様子をちらりと見る。この店にふらりと寄ってくれたタイプの方だろう】
【であれば、何か目的があって来たわけではないはずだ。お花の香りに誘われたお客様】
【そんなお客様に少女は、小さなカフェスペースを指差して】

ふふ、こんな小さくてあまり知られていないお店にいらしていただきありがとうございます!
よければお茶していきませんか?
今日は暑いですから、冷たいハーブティーお出しできますよ

【なんて、ふわりと笑うのだった】

//ぜひ!お願いします!
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 15:59:11.66 ID:1k9/mtJO0
>>273


 なるほど、道理でいい匂いがするわけだ。
 別段ハーブとかに詳しいわけじゃないんだけどね。ついつい釣られてきちゃったよ。


【少女の返答に、女はゆるりと頷くと冗談めかして笑ってみせた。「店構えもお洒落だったしね」なんて付け加えたのもお世辞ではなく】
【やがて店内を見渡して、物珍しそうに品物に視線をやった。顎に手を当てほほうと唸る、いちいち芝居がかった仕草をする女だ】
【しかしあてどなく漂うその視線から、女がこの手のものに明るくないというのが嘘ではないことが読み取れるだろうか】


 ああ、ありがとう。確かに今日は暑かったからね。ありがたくいただくよ。
 ……ふむ。ところで、店員はキミだけなのかな?


【少女に促されるままに、女はカフェスペースへ進むと着席する。暑い暑いと、思い出したかのように左手で首筋を仰いだ】
【――そんな仕草の割には、女は汗ひとつかいていないように見えた。服装もあまり涼しげとは言えないもののはずだが、】

【それはともかく。女は猫のように大きく伸びをすると、またひとつ少女へ問いかけるだろう】
【言葉の調子は極めて軽い。さっき入ったばかりの店なのに、女はもうリラックスしているようだった】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 16:51:10.56 ID:h4u3sLQo0
>>274

ふふ、嬉しいです! ちゃんと育てたお花が香ってくれてるんだなって、思ってしまいますね!

【ーーと少女は上品に笑う】
【物珍しそうに店内を見回す女性に「好きなところみてくださいね」と声をかけて少女はレジカウンターの少し奥にある冷蔵庫へと足を伸ばす】
【手に取ったのはレモングラスティーとローズティーがそれぞれ入ったピッチャーでーー】
【透明な氷をガラスのコップに入れれば、かららという涼しい音が店内に響いた】
【ローズティーを三分の一、その上からレモングラスティーを注いで黒いストローをさせば】

レモングラスとローズのブレンドティーです、暑い日にはぴったりのさわやかなお茶ですよ

【と、ことと女性の前に差し出すだろう】
【涼しげなレモングラスと華やかなローズの香りーー飲んだら暑さも吹き飛ぶだろうか?ハーブティーの隣には小皿に置かれた数種類のドライフルーツが添えられていて】
【ふと、女性の質問に首を縦に降る】
【一人で継いだお店。まだまだ従業員を雇うほどの儲けはなかったりする】
【それは自分が未熟だということも示していて。ちょっと恥ずかしそうに、覗き込まれた瞳を細め少女はーー】

ふふふ、そうなんです。一人でやってるのでお話の相手は私しかいませんけど……よければゆっくりしていってください
と、ところでなんですけど……
それって、カタナって武器ですよね?お侍さんですか??

【ーー初めて見ましたーーが顔に思いっきり出ているのであった】
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 17:16:52.84 ID:1k9/mtJO0
>>275

【少女の挙措の節々から香る上品さを感じ取って、女は静かに目を細めるだろう。闇のような瞳はただ、深く在って】
【もし少女が敏感なら、女にひしひしと「観られている」ことを感じるかもしれない】
【といっても、別に悪意のある行動ではなかった。その"悪癖"が終われば、女は変わらず柔和な表情でハーブティーを受け取るだろう】


 うん、これは美味しいな! 体の火照りが抜けていくみたいだ。ありがとうね。

 へえ、ここをひとりで切り盛りしてるの? 見たところ若いのに、大変だね。
 ……せっかくだ。他のお客さんが来るまで、キミもちょっと一休みっていうのはどうかな?


【――ひとくち飲んで、ぷはぁと子供っぽい仕草で息を吐いた。ご満悦、といったところか】
【ドライフルーツに手を伸ばしつつ、女は首を小さく傾げて少女に着席を促すだろう】
【「わたしには気を遣わなくていいからね」と云って、ついでとばかりに片目を閉じてみせた】


 ああ、これ?
 まあ、出身は櫻の国なんだけど――実のところ、侍を自称できるほど刀に命を賭けてるわけじゃないんだよね。
 あちこち冒険するのに、これがいちばん取り回しが良かったから持ってるだけだよ。ほら、触ってみる?


【飄々とした性格の通りというべきか――人によっては自らの魂と同義とさえいえるであろう自分の刀を、女はあっさりと抜き取って】
【それこそお茶でも勧めるぐらいの軽さでもって、ひょいと少女に手渡そうとするだろうか。重いから気をつけてね、とだけ云って】

【緑鞘に金細工の施された美しい刀だ。ただ持っているだけで、大気を張り詰めさせるなにがしかの力を発しているかのよう――】
【少なくとも、腑抜けた表情でハーブティーに口をつける当人が、この刀の格に見合っているかどうかは怪しいものではあった】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 17:44:57.90 ID:h4u3sLQo0
>>276

【観られている……と、してもだ。どうらやこの少女は"そういうの"には鈍感らしい】
【たまにぱっちりと、その深い色の瞳と視線が合えばーーにっこりとなんの意味もなく、それこそ癖みたいに微笑むのだろう】

お口にあったようでよかったですー!
人によってはハーブの独特な香りとか、味とか、苦手な方も多いので。
そうなんです、父が亡くなったので自然とこう、継いで経営とか製造とか……私はまだまだ勉強中ですけど!

【ハーブティーが初めての方でも比較的、クセがありすぎずそれでもちゃんとハーブの香りが感じられるお茶を選んだつもりだ】
【一人で切り盛りする理由をさらりと述べて。経営に勉強に、あまり表情には出していないつもりだが大変なのは確かかもしれない】
【だから休憩のお誘いだって嬉しそうに頷いて、自分にも同じティーを用意して隣に座るのだろうーーとってもいい息抜きだ】

ほわぁあ!?お、重い!!こんなに重いの、取り回しがいいって本当です?!

【重いと云われて覚悟はしていたが、それを上回る重さに声が裏返る】
【それでもしっかり握ってその繊細で美麗な細工に目を輝かせる。こんなに綺麗なものなのに武器なんだ、なんて考えながら】

冒険、されてるんですね!
冒険といったらやっぱり、あれですかまさかお客様はトレジャーハンターでは?!

【安易な想像に思うだろう。こう口にした少女も言ってからそう思ったーーあ、ちょっと子供っぽかったかな、なんて】
【しかし興味があるのも嘘ではない。重い刀を女性に返しつつ、わくわくしながら返答を待って】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 18:05:55.17 ID:1k9/mtJO0

>>277


 ああ、元々お茶の類は好物でね。なんというかこう……草の味が好きなんだ。

 そうだったのか。でも店構えを見るに、立派にやっていると思うよ?
 綺麗でお洒落だし、うまく宣伝すれば女性に大人気の店になりそうだ。


【ドライフルーツを頬張りつつ、女はお茶を飲み進めた。特にハーブに苦手意識は無いらしい】
【……草の味、という評はなんとも微妙ではあったが、それはこの女が変人だからであって、味が悪いという意味ではなく】
【当人もそれは自覚しているらしい。自分も女であることは棚上げして、もう一度店内を見渡すとそう云った】

【ころころ表情を変える少女を嬉しそうに眺めながら、女は戻ってきた刀を仕舞うだろう】
【きらり、と――少女の問いに、女の瞳が輝いた。それは紛れもなく、目の前の少女よりもはるかに、子供じみた目であった】


 ふっ――よくぞ聞いてくれたね!
 トレジャーハンターでも間違いではないけど、少し風情に欠けるかな。
 
 改めて名乗ろう。
 わたしの名はイスト。探検家であり、冒険家であり――"蒐集家"さ。


【にまりと悪戯っぽい表情を浮かべ、わざとらしく腕を組んで、声を弾ませて――】
【女は自らをイストと名乗るのだった。ものすごく得意げな顔。たぶん、これがお決まりの名乗り文句かなにかなのだろう】
【少女が最初に抱いた印象のような、絵に描いたような美しい女性の顔はもうどこにもなく、ただ純朴な少年のような表情だけがそこに在る】

279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 18:25:05.87 ID:h4u3sLQo0
>>278

【褒められたことに明らかに?が紅くなる】
【久しぶりに褒められたのか、それとも褒められ慣れてないのか……どちらにせよ、その紅い顔には嬉しさも滲み出ていて】
【小さくお礼を言えば「おかわりもありますよ!」って誤魔化すように小皿にドライフルーツをこんもり盛り付けるのだった】


蒐集家、ですってーー!?


【あながち間違ってはいなかったトレジャーハンター……なんなら上回る答えに背中を反らして驚いて】
【自分の頭の中にある蒐集家についての知識を総動員させながら興奮したように早口で】


美術品とか、価値のあるもののコレクターさんですよね!!
じゃあほんとうに、ほんとうに冒険してるんだ!!
じゃぁ、イストさんのお家にはそういう素敵なものが溢れかえっているんですか!?


【興味津々。こういう話が好きなのかもしれない】
【少年のような表情の彼女を尊敬の眼差しで、手をぎゅっと握りしめて見つめる少女】
【しかしふと、力の入った顔が戻る】


ーー私、フィオっていいます!
ぜひ、お話を聞かせてください!!


【と、名乗ることを思い出したかのように名前を言えば、またキラキラとイストを見つめるのだった】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 18:45:24.17 ID:1k9/mtJO0

>>279

【女――イストがときおり少女に向ける表情は、まるで我が子を見つめる母親のようで、】
【朗らかに頬を染めた彼女の瞳を見つめて、「ありがとう」と笑うとまたドライフルーツに手を伸ばすだろう】
【ずいぶん食が進んでいるのは、それだけイストが少女との会話に熱を入れ始めた証拠に違いなかった】


 ――ふふふ、いい反応をしてくれるじゃないか、フィオ。

 蒐集家と云っても、コレクターとは少々趣が違ってね。
 わたしが蒐めるのは"怪異"であり"怪異譚"――。
 まあ簡単に云えば、古今東西を冒険して、あちこちにある不思議なモノやそのお話を集めるのがわたしの趣味なんだ。


【少女、フィオの輝かんばかりの表情にすっかり気を良くしたようで、イストは調子に乗って胸を張りながら続けた】
【蒐集家の他にも冒険家だとか探検家だとかとも名乗っていたが――"仕事"ではなく"趣味"というあたりに、なんとなく内情が伺えるか】


 だから物品を蒐めているわけじゃないんけど、職業柄、そういう"素敵なもの"にも多少の縁はあるよ。
 たとえばこの刀もそうだ。ただの剣じゃなく、"怪異"に干渉できる力を持つ妖刀……いや、"怪刀"ってところか。

 ……ふふっ。フィオもこういうの、好きなの?


【ちゃき、と。イストはゆっくりとした動作で刀を抜き、鏡のように美麗な銀の刀身をフィオに開陳するだろう】
【イストが探し求める"怪異"――つまりは幽霊やら怪奇現象やら、そういうモノに"触れる"ことのできる力がそこには在る】
【"蒐集家"にはお誂え向きの能力だ。「取り回しが良い」と言っていたのは、道具として使い勝手が良い、という意味だったのだろう】

【刀を鞘に戻すと、イストはくすりと嬉しそうに笑う。――フィオのきらきらした瞳の奥に、自分と同じ冒険心を探して】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 19:43:07.44 ID:h4u3sLQo0
>>280

怪異……怪異譚……

【イストの言葉を噛みしめるように呟く。不思議なモノ、それに不思議なお話ーー】
【たしかに、それを集めるだなんてイストの言う通り他の収集家やトレジャーハンターとは趣が違う】
【怪異を集める蒐集家。聞いたことのない彼女の趣味には好奇心がわくばかりでーー】

私、そういうモノを集める方がいるなんて本当に初めて聞きました
すごく、すごくすごく興味深いっていうか……
はい、私も、好きなんです。アンティークの家具とか食器とか……ぼたんとかそういうのを集めるのが大好きなんですけど、それとは全然訳が違います

【ファンタジーを目の当たりにして、その澄んだ声から昂りが感じられるだろうか】
【自身も、歴史があって美しいものが好きだったりする。もしかしたら体質がそうさせているーー呼ばれているーー部分もある可能性もあるが、それ以上に昔の創りが好きなのだ】
【が、先ほど触らせてもらった刀が"そういうもの"なのだと教えられればまたひどく驚くことになる】

なっ、そんな大事で貴重なもの、触らせてもらえてたんですか私ーー!!
私がアブナイ人だったらどうするんですかぁ!!盗っちゃいますよぅ!
そ、それにしても怪異に干渉だなんて……私の理解の範囲を超えてます!は、怪異に触れるってことは……ちょっと、陰陽師っぽいですね……!!もしかして、職業が陰陽師では?!

【……明らかにアブナイからは遠いのだろうけど……しかし、興味がありすぎて危ない人になっていることにフィオは気づいていないのであった】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 20:14:46.99 ID:1k9/mtJO0
>>281


 あはは、そっかそっか。
 変人奇人の誹りを受けることはしょっちゅうだけど、こんなに興味を持ってもらえるのは久々だな。嬉しいよ。


【イストも興が乗っているようで、その言葉数は多い。彼女はやや照れ臭そうに頬を掻いてはにかむだろう】
【普通の生き方をしていないことは間違いないし、本人もそう思っているが――理解を示してもらえることは、有難かった】

 
 わけが違う、なんてことはないよ、フィオ。
 わたしは怪異を追う。キミは歴史ある逸品を求める。――そこになんの違いもない。

 好奇心と浪漫の赴くままに、自由に生きて自由に出会う。それだけのことさ。


【すっと目を細めて、イストはフィオに微笑みかける。それは正道を外れても、自由に生きることを選んだものとしての台詞だ】
【あるいはこれが、"蒐集家"なんて馬鹿げた称号を掲げて生きていくための、彼女なりの矜持のようなものだったのかもしれないが――】
【「わたしには、こんな素敵なお店を作ることは出来ないだろうしね」と冗談めかして苦笑すると、イストはお茶を飲み干した】


 はっはっは! こう見えてヒトを見る目には自身があるんだ。キミは盗らないと思ったからね。
 残念ながら陰陽道までは会得できてないんだけど……。自称ではない正式な職業ってなると、まあ、"冒険者"かな。

 冒険者ギルドって知ってる? 色々な依頼を斡旋してくれる団体なんだけど、生計はそこで立ててるんだ。
 誰でも受けられるような簡単な仕事もあるし、フィオも興味があったら一度行ってみるのも面白いかもしれないよ。

 ――キミがもし、特別な力を持っているなら、なおさら重用されるしね。


【興奮するフィオをどうどうと諸手で制して、イストは哄笑しながら身の上を語るだろう】
【ギルドの依頼の話を出して、さり気なくフィオの反応を伺ってみる。ちょっとした気まぐれ程度のものなのだが、】

【"怪異"を蒐めるのがイストの趣味なのだから。そこには当然"異能"も含まれるのである】
【フィオにもそんなものがあるのかな、と。――蒐集家としてのちょっとした下心が、そこにはあった】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 20:41:14.37 ID:h4u3sLQo0
>>282

やだ、私ったらちょっと昂りすぎました
あまりこういう趣味って、人に言うこともなければ、同じ趣味を持つ人に出会うこともないじゃないですか……いや、同じ趣味の方なら下手したらライバルになっちゃうわけですけど
だから、こんな事聞いてもらえたのが初めてで、ええ

【一人でコツコツやってきた趣味だ。時には欲しかった物に手を伸ばす前に横から拐われるように買われてしまった経験もあったのだろう。それと同時に理解者も少ない】
【だから尚更、イストの思った通り人のものを盗るなんて絶対にしない子だ】

【いい休憩だと思ったが思わぬ収穫というか……知識の幅が広がってフィオはなんならもう店じまいしてもいいな、なんて思っているくらいだ】
【制されて落ち着いたのか、とりあえず一口ティーを飲んだ】
【そしてイストの話に聞き入る。冒険者にギルド。名前こそ知ってはいたが実在して、それも加入者が目の前にいるのもまた信じられなくーー】

もちろん、知ってはいました。ギルド。でも私には縁がないというかーー
特別な力なんてー!私、お茶出しと肩もみしかできません!

【私なんか、とでも言うように両手をふるふる振って。自分程度の能力じゃ、足手まといにしかならない、なんて思想も交えながら】
284 : ◆3kDP/Qhan2 [sage saga]:2019/05/25(土) 21:04:51.86 ID:1k9/mtJO0
>>283

【ずいぶんとジャンルは違えど、似たような趣味を持つヒトと会えて嬉しいのはイストも同じだった】
【――蒐集家として。いちいちヒトを"観て"しまうその悪癖は相変わらず、心の中でフィオの一挙手一投足を見据えていたけれど、】
【ここまで話してみて、イストはフィオを心を開くに値する人物だと感じていた。こういう素直な"ヒト"が――イストは、好きだった】


 まあ、いまのはただの冗談だよ。お店の方もあるだろうしね。
 さっきも言ったけど、わたしにはこんな大きな店を守っていくような才能はない。
 わたしからしたら、それも「特別な力」のひとつさ。

 ここは……お父さんの遺したお店、なんだったか。
 店構えを見ていれば、大事にしているのがよく分かるよ。


【フィオの持っているかもしれない"力"について、怪異を蒐めるモノとして興味は尽きないところではあったが――】
【あまり突っ込んで聞くのも"危ない人"になってしまうのでやめておこう、なんて思う良心が、驚くべきことにこの女にも存在したらしい】
【代わりに問うのは――このお店のことだった。この短時間で、イストはこの『LIORO』とフィオがいたく気に入ってしまっていたから】

【――親を亡くした子なんてものは、この異能の世界では珍しくはないのかもしれないけれど】
【フィオを見やる深い闇色の双眸の奥には、たしかに彼女を慮る色合いが覗いている】



285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 21:23:10.51 ID:h4u3sLQo0
>>284

そんなこと……ないですよぅ……

私、ちゃんとお店を守れているか不安でしたが、イストさんがそう観てくれるのなら少し…いやとっても安心しました。


【父親の残したこの店を褒めてもらえればまた、先程と同じように顔を紅くして。今度はちょっと視線を逸らすのだろう】
【あまり表に出さなかった自分の頑張りを、このお店を守るために働いた日々を見透かすように、褒めて認めてもらえたことがーー嬉しくて】


【お父様、私ちゃんとお店守れてますって心の中で報告をーー】

すごく、いい時間でした
イストさんが今日ここに来てくださってよかったです。……あ、もうこんなに話し込んじゃって!ごめんなさい、私いろいろ聴き過ぎちゃいました!!


【すっかり溶けてしまった氷を見てはっとする。時計を見て「あぁこんなに引き留めちゃった!」と慌てだし】


イストさんのお話、すっっごく面白くて時間忘れちゃってました、えへへ


【照れ隠しみたいな笑顔を浮かべる。その表情はいつも意識している「しっかり者のフィオ」の仮面が剥がれ落ちたような……いや。もう十分前から仮面なんてしていなかったのかもしれないけれど】
286 : ◆3kDP/Qhan2 [sage saga]:2019/05/25(土) 21:41:42.90 ID:1k9/mtJO0

>>285

【イストはどこか遠い目で、頬を染めて目を逸らしたフィオを見つめているだろうか】
【フィオがその心中で父親を思い返すその最中に、イストもまた心の中で小さく呟いた。――家族か、と】
【――もちろん、そこにある虚無と寂寥を表情に出したりはしなかった。ただ嬉しそうに笑う彼女を、母のような眼差しで見守って】


 ああ、ありがとう。お茶、美味しかったよ。

 ……ああ、そうだ。しっかり者の店員さんに、最後にひとつだけ頼んでいいかな。
 なにぶんこの手のものには疎いんでね。フィオのオススメの品をひとつ、選んでほしいんだ。

 ふふ、よろしく頼むよ。かわいらしい店長さん?


【イストもまた立ち上がると、丁寧にお礼を述べて。そして悪戯でも思いついたような顔で、フィオにひとつ頼み事をするだろう】
【蒐集家であり冒険者――未知と危険の隣り合わせに生きている女だ。適度にリラックスできそうなハーブでも選んでやるのが良いだろうか】

【くすくすと小さな笑いを零して、イストはまたフィオを観た。今度は見定めようとするそれではなく、純粋な親愛に満ちた暖かな視線だった】
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 22:12:55.61 ID:h4u3sLQo0
>>286

それなら任せてください!イストさんに気に入ってもらえる品を店長であるわたくしが選んで差し上げましょう!

【凛々しく胸を張るけどどこか子供っぽい。任せられればカウンターから店内へと出て、真っ先に並んだ大瓶の中に茶葉が入った一角へと向かう】
【3つ蓋を開け、近くの秤で量を調節しながら袋に入れて行く。透明な袋に〈LIORO〉の文字が白く印刷してある】
【そうしてできたブレンドティーを一旦カウンターに持って行き、ラッピングをしながら】

カモミールのブレンドティーです。乾燥リンゴとか他のお茶っぱも混ぜてますけど、ほのかに甘くて寝る前に飲んでもらうとリラックスできますよ
お茶っぱはお湯に浸して4分くらい抽出して飲んでくださいね!氷を入れる場合は5分くらいがいいと思います

【店長らしさが出ているだろうか】
【すらすらと説明すれば、同じ袋に空のティーバッグもいれて。それとおまけ用の保湿力の高い蜂蜜の石鹸も】

きっと気に入ってくれると思います!……なんて、ちょっと言い過ぎたかな、えへへ

【調子に乗り過ぎた自分を恥じるような笑み】
【でも言ったことに嘘はない。イストがこのお茶をいれたなら、柔らかな甘みがあるそれがきっとリラックスした気分にさせれくれるはずだ】
【その袋を渡したなら。少し惜しむように袋から手が離れるーー】

また、ぜひいらしてくださいね!
よければまたいっぱいお話聞かせてください!その時まで私もいろいろ集めますよ、アンティーク収集家のライバルに負けないくらい!
288 : ◆3kDP/Qhan2 [sage saga]:2019/05/25(土) 22:32:38.94 ID:1k9/mtJO0
>>287


【ラッピングされたブレンドティーを受け取ると、イストは懐から冊子を取り出して、フィオが話した淹れ方を書き付けるだろう】
【すべて書き終えた後――少し迷って、口元を釣り上げた後、なにかしらを追加で書き込んでいって】
【この素敵な贈り物をくれたお店と、そこを守る小さくも立派な店長のことを。忘れぬように、付記しておいた】


 うん、ありがとう。
 大丈夫だよ、きっと気にいるさ。キミとこの<LIORO>を、わたしが気に入ったようにね。

 いずれまた遊びに来るよ。そのときはもちろん、好きなだけ話をしよう。
 そしてキミの話も、もっとたくさん聞かせてほしい。
 ――フィオ。キミだけの"怪異譚"を蒐められる日を、楽しみにしているよ。


【やがて大筋を書き終えたなら、ぱたりと冊子を閉じ、同じように一寸だけ目を閉じる】
【それは小さな別れの儀式だ。名残惜しさを振り切って、イストはちらりと、なんの称号もないただのヒトとしての自分を覗かせた】
【目の前の少女の中にあって、そしてこれから生み出される"怪異譚"に、ひとりの友人として関わっていけることを願って――】

【「それじゃあ、またね!」と軽く手を振り、イストは店を出ていくだろう。いつの間にか日は傾いて、涼やかな風が吹いている】
【怪異と呼ぶにはあまりにちっぽけなその出会いは――しかし女の胸中に、この風よりも爽やかな"お話"として、確かに刻み遺された】



/長時間ありがとうございましたー!!

289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/25(土) 23:11:04.69 ID:h4u3sLQo0
>>288

【イストを見送った数分後、少女フィオは今日の営業を終わるための準備をしていた】
【closeの札をたて、鍵を閉めて。一緒に休憩した証を名残惜しそうに片付ける】
【あんなに褒めてもらったのはいつぶりだろうか。むしろお父様に褒めてもらったことあったっけ、なんて考えると手が止まってしまう】
【あぁ、いけないいけないと集中しながら片付けるけどやっぱり今日の出来事が楽しかったから、ふと思い出してはふわ〜っと笑ってしまう】

……怪異か……

【ぽつり、と呟くと自然に手が止まる】
【アンティーク調の水道、レジ、棚……なんとなく自分のお店を見回す】

……この体質も怪異ってことになるのかな

【父の言葉を思い出すーー】
【ーーフィオーーお前はーー】
【考えられないくらいーー大きなーーーー媒介にーー】

あーやめやめ! せっかく楽しかったのに!

【なんてわざと自分に怒ってみたりしてーー残りの作業を終わらせる】
【そして何事もなく、今日も無事に終了すれば】

またイストさん、来てくれるといいなぁ!
楽しかったなぁ……

【楽しかった夢のように、一瞬で終わってしまったステキな時間】
【そんな独り言を残して、フィオは店を後にーー扉をあけて二階の自宅へ帰宅ーーした】

//こちらこそありがとうございました!!
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/29(水) 22:07:39.84 ID:EqsuTjqp0
【街中――】
【ごく涼しい初夏の夜の匂いがした、ここ数日がおかしなくらいに暑かったのだとして、なんだか冬のように思えてしまうから】
【それでもどこかの飲み屋から帰るようなスーツ姿を見るでもなく見やるに、半袖のシャツを着ているのだから、辛うじて夏であるらしい】

……………………――――――――――――、へびさま?

【――なればひるり吹き抜ける風の温度は剥き出しの腕を撫でつけて酔っぱらいの頭を少しだけ冷やして駆けていく、そんな刹那に】
【長い毛先を乱されながら、唐突に少女が一人振り返るのだろう。――まるで鈴の音のように"りん"とした声、それでも何かの感情に揺らいで、微かな余韻】

あ……、……えと、ごめんなさい。探してる人の声がした、気がしたから……。

【そうして振り向いた彼女は足先すら止めてしまっていた、日曜午後の都心に比べたら十分に空いた道なのだとして、それでもがらんどうの幽霊街には程遠く】
【あるいは誰かが後ろを歩いていたら驚かせてしまうかもしれなくて、――もしかしたらぶつかってしまうかもしれなかった。そうだとして、彼女はまず謝るし】
【どちらにせよ同じたぐいの言葉を吐くのだろう。――急に立ち止まった言い訳一ツ、口元に添えた指先の隙間からかすかに聞こえる、ため息の湿度】

【――少女と言い切るにはいくらも高い背をした少女だった。腰まで届く長い黒髪はお行儀の良い編み込みのハーフアップ、滝より余程凪いだ毛先の温度】
【だからこそ真っ白い肌がずうっとずっと映えていた、――視線に重たげな影を落とす睫毛で雨宿りするよな眼差しは光の加減によって赤と黒を曖昧に移ろって】
【赤いワンピースを着ていた、リボンを編み上げた飾りとしてのコルセットとたっぷりと布地を詰め込んで膨らませたスカートの温度差に、足先の細さが際立ったら】
【もとより少しだけ高めの背丈にうんとかかとの高い靴を合わせていた、――こちらも編み上げのショートブーツ。かかとにひらりリボン飾りをあしらうなら】
【一目見るに十六ほどの少女のようでありながら、――きっとたぶん何か違うのだろうと思わせるようだった。或いは、UTなんて単語から連想して一つお花の名前、思い出すのならば】
【この少女のこと、いくらか分かるのかもしれなくて/けれど分からなくっても何一つ困りはしないのだろうから。きっと、】

…………――うんと高い背の、真っ白い髪の、男の人。……なんだけど……。たぶん……。

【――――――大人びて見せる物憂げさは本人も述べた通り、探し人に関するものなのかもしれなかった。なれば、ふと思いついたように尋ねる声、】
【――自分で探している人だというにごくあいまいな言葉を添えていた、けれど、なにかだましてからかってやろうという色でないのは、きっと、確かで】
291 :ラスラドーラ ◆nihwMyGNc6 [sage]:2019/06/01(土) 22:03:04.61 ID:qTuBWYfq0
【街中を歩く一人の男】
【蒸し暑い空気が漂う街を人の波を掻きわけて進む】

ちょっと、どいてくれよ――おお!

【紙袋につまった酒類と食品――それを両手に抱え歩く】
【眼前が見えぬほどのそれを揺らしながら歩く姿は危なっかしい】

くそっ!すっかり遅くなっちまった。

【紙袋の隙間から見える姿は三十代くらいか?】
【癖のある黒髪に同じ色の瞳】
【よれよれのシャツと、くたびれたボトムとブーツ】
【みすぼらしい格好とよろよろと歩く姿は偉く滑稽だ】
【しかし鼻を横断する古傷と、よろめきながらも周囲を警戒する鋭い目線が、】
【堅気の世界の人間ではないことを示しており――】

おおっと!アブねぇだろ!前見て歩け!

【しかし今は両手の荷に悪戦苦闘しながら歩くので精一杯】
【街を歩く人々を何とか避けて歩いて行く。】
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2019/06/02(日) 10:51:11.84 ID:frQ5voTh0
誰と関わっても必ずこじれる鈴音さん
赤木セシルアリアと来ていい加減被害者ヅラでは済まされないよ
みんなお前に嫌気が差して離れてるのそろそろ自覚しなよ
293 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/06/02(日) 18:08:40.16 ID:qgoDHIUj0
【国境都市ベロボーグ---郊外の軍施設】

【氷と水の国境線に位置し、どちらの国にの施設も存在している特異な都市。】
【気候はどちらかと言えば氷に近く霜のようなものが年中降っている。】
【そんな都市の郊外にある氷軍施設。軍施設と言う事だけは分かるがその詳細は公にされてはいない。】
【周囲はフェンスで囲まれているが、その一角に佇む人物が一人。】

やれやれ、担当範囲からあまり離れたくはないんですが………
ここも一応は範囲内、ですかね。しかし随分と空間位相に乱れが生じている。

さて、あまり大事になる前に片付けたいところですね―――。


【蛍光イエローの目立つミディアムボブの髪に紫色の瞳を中性的な顔立ちの人物】
【全身は高級感のある黒いスーツとソフトハットで身を包み、右手の人差し指にZ≠フ刻印がされた黄金の印章指輪を付けている。】

【その人物はフェンス越しに施設を眺めながら苦笑を漏らす。どこか芝居がかった仕草だった。】

【そしてその人物が見つめる軍事施設だが、異様≠ネ雰囲気が全体を包んでいる。】
【まるで異世界と繋がったような気配。能力者などの類であればそれに引き寄せられてきてしまうかもしれない。】
294 : ◆Dfjr0fQBtQ [saga]:2019/06/02(日) 19:27:44.59 ID:fZ8c9sPYo
>>293

【閉じた断章の狭間、切り取られた終末の一頁、然れど捲る薄皮細工の袂が揺れる】
【言葉と重なる終止符、縣に託した思いも空しく、溶けた泡沫に塗れる所業】



【 ──── 断罪と呼ぶにはあまりにも脆く、不可逆的な仕来りに従う】



わぁるいわぁるい子猫ちゃん、迷い込んだのは何処の箱庭かしら
手薬煉引いて引き金に括って、しとりと待ちわびるのは乙女の嗜みなの

ねぇそうでしょう、全ては時の赴くままに、本能を翳すには十分よ



【錦糸が綴った天蚕糸の如きか細い旋律は、色を含んだ情念を透かして、乳白色の情景に浸される】
【声色は引き寄せられる、後方から一つ、足音が重なって、緩やかな曲線美を彼女は示そう】

【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性であった】



──── 花は夭折しても尚美しく、曖昧さえも美しく飾るのだから
戯けた手向けも餞も、それまで大した忌みを持たないのでしょう

あら、久方ぶりの戯曲はお嫌い? 都々逸を解さない程風は変わってないのよ、ホントよ?


素敵で素敵なお兄様、貴方の声を聞かせてくださいな



【夜空を指先でなぞったなら、その先に残るのがきっとそんな色をしているのだろう】
【彼女の手は持つ、身長ほどもあろうかと、──── して誰が狙撃銃たる由縁をしって】
【佇む姿は弦楽奏者の如く、銃口を真っ直ぐと彼女は男へと向けていた】
295 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/06/02(日) 19:58:46.94 ID:qgoDHIUj0
>>294

【―――ソフトハットをおさえながらゆっくりと半身振り返る。】
【その表情から笑みは消えていた、どこか遠くを見るような視線は少女を見つめる。】
【フッー≠ニゆるやかに息を吐き出す。】

やはり歪み≠ノは歪み=c……ですか。
時の歪みは貴女にとってはどう見えますか?これも戯曲の一部であると?

【何時しかその手には握られていた。】
【幾何学的な碧の光が走った未来的な形状をした大型拳銃だった。】

【男は相手にその銃口を向ける。まるで相手の挨拶に答えるように。】


―――初めまして、ですかね。お嬢さん。

貴女にはこう名乗りましょう、私はオランチョ=B虚数探偵―――チンザノ・オランチョ=B


【オランチョはそう名乗ると、やはり遠くを見るように少女を見た】

//すみません反応遅れました!
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2019/06/02(日) 20:11:54.28 ID:wAfs/MtC0
【工場跡地】

【罅割れたコンクリートの灰色が視界をジャックするような建造物の群像】
【崩落した箇所からは錆びた鉄骨が歪に曲がり突き出し、何とも知らぬ廃液が滴る】
【咽び泣くように続く数日来の霧雨と、折からの茹だるような気温が不快指数を否応無しに上げ】

……、 けほっ

【崩落した屋根の下、月光と薄く降り掛かる雨とを浴びて片隅に蹲る、一人の青年の姿があった】
【整然とした黒羽織の和装に身を包み、肩口で切り揃えた白髪に黒い彼岸花を挿した彼は】
【足許の瓦礫を草履の足で蹴り払い、傍らの錆び付いた機械を支えに覚束なく立ち上がろうとする】

【年の頃は二十代後半、吊り目がちな葡萄色の双眸に目許の泣き黒子が映える、如何にも気の強そうな顔立ち】
【細い身体の線と白い肌は、百七十後半の背丈がなければ或いは女と見紛うこともあったろうもの】

クソが……、畜生 何処や此処、

【男は荒い口調と存外低い声で忌々しげに吐き捨て、苛立ちの強い視線で周囲を見回し】
297 : ◆Dfjr0fQBtQ [saga]:2019/06/02(日) 20:17:49.70 ID:fZ8c9sPYo
>>295

【目、眼、瞳 ──── 形容する言葉は数多あれど、その本質は等しく、見つめるという行為も相応に】
【マリンブルーと言葉を借りたがその実は、深海よりも深く、蒼穹の彩りを煮詰めたならば】
【その一端にでも至れるのだろうか、──── 兎角】

【彼女は見つめる、静寂に飽きた女神の如く、それでいて夢見がちな少女の様に】



どうかしら、私が見るのは何時だって一部よ、それで殿方の全部だもの
戯れも戯曲も悪戯も遊戯も、その本質は何時だって一つしかないでしょう?

──── 雄と雌との目合に、着いてくるのが雌雄ですもの


たまには下から突き上げられるのも、良い経験じゃなくて?


【指筋が顎をなぞるように揺らめいて、従うように銃口が唸った】
【細く線を描いた銃弾は、──── 真っ直ぐにオランチョの首筋を狙う】


【薄く揺らいだ夜に抱かれて、彼女はほんのりと頬を緩める】


チンザノね、覚えたわ、とってもとーっても素敵な名前、貴方で二人目よ
前の貴方も良い殿方だったわ、クールでタフで、それでいてとっても寂しい人

ねぇ、次の貴方はどちらかしら、頭蓋を割いたら見えてしまうなら



膨れた溜まった妄執を、私のナカに吐き出してくださらない?
298 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/06/02(日) 20:31:32.45 ID:qgoDHIUj0
>>297

言葉に品性はありませんが、佇まいは品格に満ちていますね。
まぁそれも当然か………曲がりなりにも、いや戯曲については語るべきではない。

その美しい瞳を歪めたくはないですが。


【重なる銃口と視線、オランチョはどこか芝居がかった様子で語る。】
【まるで慎重に火薬の中から宝石を摘まみだすかのような、どこか言葉を選んでいる様子だった。】
【「時が惜しいな」とポツリと独り言を呟く。】

【―――瞬間、放たれる銃撃。】

【オランチョは横に飛び引くようにして回避する。】
【だが狙撃中の一撃の威力は回避したからといってタダで済むものでもない。】
【地面は吹き上がり、小石や雪が周囲に撒き散る。オランチョの右足は弾かれた小石で浅く切り裂かれる。】

【滴り落ちる血を雪へと垂らしながら、オランチョは膝立ちになって未来的な形状をした大型拳銃を構える。】


―――私は彼と違って正当≠ナはないですがね。あくまで異聞未来史≠フ存在です。


終わった異聞、その後始末の清掃員というわけです。


【相手に語るようにそう言うと引き金を引く。】
【瞬間、銃口が光に包まれたかと思うと放たれるのは碧の光線。】
【光の道筋を作りながらそれは少女の右肩を貫こうとするだろう。直線の攻撃だ。】



299 : ◆Dfjr0fQBtQ [saga]:2019/06/02(日) 20:41:39.09 ID:fZ8c9sPYo
>>298

【吹き上がる銃声、タクトの様に揺らいだなら、逆さまに落ちた爪先が地面をたん、と叩いた】
【銃口を地面へと突き立て跳躍、大鷲が虚空を割く様に地面を滑り】
【 ──── 視線の先に白があった、雪の華、開いて咲いた割礼の様に】



御存知なのね、中々あの人も有名人だったのね、ならスキャンダルになるかもしれないわ
ふふ、いいの、でもそれで、いいのよ、私も彼も、非合法の夜に生きるのですもの
明日も分からない身なら、時折重なって確かめてみるのも風情でしょう?

足りない心の隙間を埋めるのは、正しい形だけじゃないのだから
膨らんだ思いを押し込めるのに、正攻法は狭すぎるもの

──── 高ぶりを沈めるのも、乙女の作法よ



【かくん、と世界から消える、──── 体勢を低くし光線を回避】
【横薙ぎ、ふるうは狙撃銃、長い銃身が長刀の様に脚を狙う】
【巻き上がる雪を頬に浴びて、新雪よりも淡い頬の色を透かした】



あら、異聞が紛れ込んでしまったならそれは正史ではないわ、平行調に移ってみても
靡かない音の響きを指して、私達はそれを不協と呼ぶのだから

なら私が絡め取って、この指先で示してあげるわ


やーよ、そんな所狙ってちゃ、殿方が見つめるのは、たった一つしかないでしょう?
300 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/06/02(日) 20:56:05.91 ID:qgoDHIUj0
>>299

勿論。ただ―――そこまでの道筋は決まっていない
私はただ逆説的に軌跡を辿っているに過ぎない、故にズレは生じる。

―――確かに、刹那主義は嫌いではありません。貴女とは同じ方向へ踊りたかったですね。


【苦笑する。それはどこか寂しげでもあった。】
【人と人の繋がりが断絶されてしまった異聞では、もはや叶う筈もない。】
【結局は交わり切る事のない存在。しかしこの世界においてならまだ捨てきれるものでもなかった。】

【横薙ぎに放たれる狙撃銃を少女とは対照的に跳躍で回避。】
【―――そして】


【オランチョは放たれた銃身の上へと立った=z
【細身ではあるがそれはあり得ない筈だった。】
【よく見ればノイズ=Bまるで世界に弾かれようとするようにオランチョの身体の節々にノイズが走る。】
【彼は儚げに微笑む。】


言ったでしょう。私は虚数探偵≠セと。

ここに在ってここに在らず。異聞の残響=\――ですが紳士ではありたい。


【そんな事を言っておいてオランチョは右足で少女の顔の側面を思い切り蹴ろうとする。】
【確かな重みのある鋭い一撃だった。それを放ち終えれば銃身に彼の体重(52kg)が降りかかる。】
301 : ◆Dfjr0fQBtQ [saga]:2019/06/02(日) 21:07:33.58 ID:fZ8c9sPYo
>>300

【寒空に吐いた息の果て、或いはその残滓に似て、それ程までに微かな揺れ】
【無表情はさながら仮面に近い、その色を崩さず、彼女は僅かな乱れを描く】
【不可解に適する正解は存在しない、けれども虚数こそが最適解であるのなら】

【苟も彼女はそれを飲み込むのだろう、白磁の首筋は水差の様に】



実像を追いかけるのが探偵の仕事ではなくて? 虚像に化かされるのは衆愚の務めでしょう
それとも貴方は湖面に意図を張り巡らせて、そうして水晶の先を手繰るのかしら

だとすれば、その曖昧に満ちた首筋の先に、染み込んだ赤を見せて欲しいわ



【狙撃銃を手から放す、左の手が蹴りを防いでも尚、──── 体重の乗った重たい蹴り】
【瞬きの如くか細い腕がミシリ、と鳴って、衝撃で数歩彼女は飛び退いた】
【地面へと落ちる狙撃銃、──── 否、──── 違う=z



不在を証明するのなら、力は最も遠くにあるの、乱暴狼藉では濡れないわ
配慮care≠忘れちゃいけないのよ、スナークに対する礼儀は、乙女に通ずる隠喩ですもの
硝子細工を弄ぶ様に優しく、貴方の指先で触れてしまわなきゃ

──── 体温ですら溶けちゃうの、純白よりも淡い白は、穢れを知らないのよ


【銃が地面に 沈み込む そこにあるのは魔法陣、硝子で出来た細やかな代物】
【まるで湖の如く、銃は沈み、乗っていたならばオランチョもまた、沈みこむだろう】
【更に何もしなければ、膝下あたりで、沈下は止まる、地面に飲み込まれたが如く】

【銃は彼女の右の手に出現する、虚空から取り出す様相で】

302 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2019/06/02(日) 21:23:33.86 ID:qgoDHIUj0
>>300

然り。流石ですね白雪の狙撃手。
故に私は異聞であり、そうあるべきではない′フに正統ではない。

―――ですが中身/ATTITUDEは固くそして熱くありたい。それが探偵であるのなら。


【そう言って銃身に体重を乗せた瞬間硝子の沼によってオランチョは沈み込む。】
【「これは………スマートではありませんね」】
【そう言いながら頬には汗が一滴伝う。表情は崩さず、だが危機感は感じながら。】

多芸ですね、まるで白鳥だ。

………気づいていますか?もうあまり時間はないようです。
貴女の目的が崩壊≠ナあるならそれはあと数分持ちこたえれば叶う事になる。


【機械的に、オランチョは少女に銃口を向けて二回引き金を引く。】
【そして再び放たれる碧の光線。だがこんかいは同じような直線に見えて違う。】
【少女が回避しようとすれば僅かにカーブを描いてホーミングする。】


【―――二人の後方の軍事施設では、何か白い光があふれ始めていた】
【ふと何か雪ではない白い粉のようなものが降ってくる。それは………塩≠セった。】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2019/06/03(月) 08:28:06.27 ID:atblpkd5o
夕月からセシルへ

https://imgur.com/HiakuCI.jpg
https://imgur.com/OYsfY9q.jpg
https://imgur.com/Oqte1Aw.jpg
https://imgur.com/VBIu8Bc.jpg
304 : ◆rZ1XhuyZ7I :2019/06/04(火) 00:16:58.47 ID:wFfXZLXyO
>>303
経緯などお話を伺いたいので一度舞台裏でお話可能でしょうか。
ご検討よろしくお願いします。
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2019/06/04(火) 15:04:04.41 ID:POszt9oH0
ドーモ。あやベン・ニンジャです。
私の愛した故郷が私と負けず劣らずの狂人大乱闘の会場だと証明されて本当に嬉しいです。
テーブルの下に悪意のナイフを隠しながら至高の物語を織り上げる、これこそパー速なりきりというもの。
しかしこれではかつて私が追い出されたのは筋違いだし、追い出した意味もなかったわけで。
そういう点ではとても残念と言うほかありません。
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2019/06/06(木) 09:24:07.22 ID:XdXIeUfsO
◆rZ1XhuyZ7Iさんは議論スレに書き込んでくれるのは嬉しいけどもっと文章を推敲して読み易くしてくれるともっと嬉しい。
感情面ばかり表に出過ぎてる上にちょっと読み辛い。
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) :2019/06/06(木) 18:17:27.93 ID:CdkldLTT0
まあスレの外に関係性を持ち出してる時から見えてた結果だよね
結局議論ごっこも堂々巡りで進展しないし表面だけ仲良しでワイワイやってたらこんなもんだろうね
楽しくも出来ない遊びを何でやってんだか
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2019/06/07(金) 14:05:26.94 ID:jyIj1dziO
あげて
309 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2019/06/08(土) 02:18:29.89 ID:1hZnJnCSo
>>193
>>194
ふ、ふ。ミラさんなら間違いなくそうするさ。たとえ世界線をいくつ跨ごうともな

違いない。音楽に造詣が深いわけではないが、私とて同じ文句を言うことだろう
ただでさえそんな息苦しい世界で、ますます気が滅入る音楽など聞きたくはないからな

【ミラの生き方は、カニバディールには今まで戦ってきた正義の味方とはまた違った形で眩しく映った】
【あらゆる姿に変身する能力や、その触手のみならず、彼女はその思考が、意思が柔軟なのだろう】
【それでいて、自分の思いを貫くことすらしてみせる。彼女は、強い】

ふ、ふふ……!! ああ我ながら、いかにも私らしいやり方で世界に名を刻んでやったようだ
ああそうだとも、しぶといのが私の取り柄だ。今の私でも、きっとそうする。未来の私もそうしていることだろう
やられっぱなしは性に合わない。貴女と同じだ、ミラさん

【あまりにも真っ直ぐな彼女の視線に、同じく真正面から視線を返す】
【彼女は自分の気持ちを偽らない。そんな彼女が己の生存を信じている。これ以上の保証もないだろう】
【それに、しぶとさは自負するところだ。己はきっと生きて蠢き続ける。これまでも、これからも】


>>200
【ロッソとミラのやり取りは、黙して聞いた。ロッソとの付き合いは短くはない。ゆえに、それはわかった】
【20年。個人にとっては十分すぎる時間だ。よくわかっている。“彼女”のことは、自分の中でも降り積もる時間の向こう側だ】
【確かに了解した。カニバディールはただロッソに視線を返した】

【そこからは、霧崎の話に耳を傾ける】
【変わりゆく世界。流れゆく時間。そこに生きる人々も不変ではいられないことだろう】

【それでも、その中で足掻き続ける。霧崎の情報全てを飲み込むと、カニバディールは改めてそれを己に言い聞かせた】
【生きて、生きて、まだ生きるのだと】


――――全て、承知した。あとは、やるだけだ
生きる≠ニしよう

【カニバディールはそう締めくくった。生きる。これまでも、これからも】

/ちょっと上手くまとめきれなかったところはありますが、これにて締めとさせていただきたく思います
/ロッソさんの方、ミラさんの方、改めまして長期間のお付き合いありがとうございました!
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2019/06/14(金) 00:36:53.12 ID:W9XBAl76O
等しく誰からも忘れられてた人間が何故か勝手知ったる顔で一席ぶって書き込んだ挙句あたりまえのように誰からも反応して貰えてないの最高に空気くん≠チて感じで好きだよ。かわいそうだから構ってあげる。
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2019/06/14(金) 01:54:09.01 ID:mtGsBz9H0
騙りだろうけどもし本人ならマジ草だわ
こいつ自分から愚痴スレ民COして引退宣言したくせにしばらくしたら復帰願い出して当然のごとく拒否られてた奴だろ?
その後も何度かバレバレの新規騙りしてスレに出入りしてたしどんだけ未練ったらしいんだよ
312 : ◆Rinne/R.E. [sage saga]:2019/06/23(日) 23:51:14.69 ID:LB+IBXF70
【街中――――公園】
【春薔薇もとうに終わった薔薇のアーチはこなれた緑色の葉っぱ、昼間であればうんと広げて喜ぶのだとして、今は夜であるのなら】
【いちご色したお月様もとうに欠けてしまった後のお月様がうすぼんやりとした雲の向こう側から瀞むような月明かりを受けて、それでも僅かな艶めきを忘れず】
【日差しに伸びた新芽のぶんだけ歪な形になったところをひょいと潜る人影一つ、蜜柑の房によく似た形のお月様に照らされるのなら、仕草のたびに影だってどこまでも】

――――――――――――――、あれ、

【いくつも連なった薔薇のアーチは春先や秋口ならば見る者だれでも魅了して見せると豪語して止まぬもの、けれども夏の入り口となれば、それでも緑の色どりはごくごく何か癒す色をして、】
【数個目を気儘に潜り抜けたところで、――ぽつと漏れる声が一つあった。なればやはりごく気儘な声音であるのだろう。赤い薔薇が咲くなら千本の鳥居にも似通う最中に、硬質の足音すら止めて】
【――曖昧に溜息を吐くような音節があった、ともすれば誤差にも等しい数秒の出来事。「――――止まってる」。つぶやきに付随するのはりんと涼やかに響くような/ちゃらりと掠れたような金属質の余韻】
【――――言葉を述べたのが涼やかなる金属質で、なにかこすれ合うようなのが掠れた金属質だった。見るなら長く伸びた影の手元より延びるもの、鎖と、丸みと、然るに懐中時計と思しきもの】

壊れちゃったかな。……まだ五年ぐらいなのに。
……――兎でも通るなら、あげるのに。遅刻しないもの。止まってるから。

【どこかうんと遠くで雨でも降っているような温度の風が吹き抜けたなら、――鈴の音によく似た笑い声は小さな反響、鎖ごと吊るして覗き込む仕草が文字盤を煌めかせるなら】
【あるいは夜闇の中、ちかりちかりと遠くまで誰かがここに居ると知らせるのかもしれなかった。――そうでなくても、どうせ誰かが居るのなら、彼女の姿を見つけるのは容易いのだけれど】
【――だから/だから?/だから。彼女はやがてふらりとアーチとアーチの隙間から逃げ出すんだろう、やはり昼間ならごく好ましいのだろう花壇を無視して、夜に全身を投げ出す刹那に】

【腰まで伸びた黒髪が月明かりにごく彩度の低い虹色の艶めきを抱いた、なれば真っ白の肌は余計に映えて、あどけなさを十全に遺すかんばせを彩るには十分すぎるほど】
【ふと俯けばごく黒く見える眼差しはけれど月明かりを臨むのならどこまでも明るく透き通るのだろう。光の加減によって色を変える眼は瞬きのたびにすら煌めきの彩度もまた変えるから】
【そうして裾を揺らすのは緑みに黒いワンピース、そうだとしてごく細く描かれた生成りの縦縞が軽やかさを添えて、だとしてもたっぷりとした裾が翻るたびに覗くパニエの布地は物理的に重たげだけれども】
【かかとの分厚いストラップシューズの底にはあまりお淑やかではないのを証明する程度には泥がこびり付いているのだろうから、】
【――見やるに十六ほどの少女であるのだろう。眩しい朝よりか余程暗がりの夜のほうを好むような表情をしていて/けれどこんなに遅い時刻に出歩くにはやはりまだ少し幼すぎるようだから】

――――――いつの間に、止まってたんだろう。もう日付も変わっちゃったのかな。

【やがて丁寧に整えられた花壇すら通り過ぎて、芝生の地面にためらいなくお尻を委ねるなら。やっぱりお淑やかな乙女ではありえなかった、スカートの柔いふくらみだけではごまかせない何かを隠しているのに違いない】
【手元に弄ぶのはやはり旧びた懐中時計、何か少し弄ったらば戻せやしないかといじくる指先は、――すぐに飽きてしまって蓋ばかり何度も鳴らして開閉を繰り返す、今度は蓋だって壊れてしまいそうなのに】

音々ちゃんがメールしてきたらお誕生日。

【――――――そのうちそれだって飽きてしまって、ぼんやりと膝を抱えだす。夜風はどこまでも涼しく柔らかいから、きっと散歩に良く適していた】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 15:30:12.82 ID:/WVhDhtX0

【街中ーー商店街】

【微妙にハズれた天気予報、雨が降るっていうからお気に入りの黒い傘を持ってきたのに、実際は曇り止まりーー夏なのに少し肌寒くて薄手の長袖が欠かせない】
【人もあまり出歩かない微妙な時間帯。いつもは賑わっている商店街は、今は静かに感じる】
【結果的に邪魔になってしまうことになった傘の持ち手を腕にかけ、一人の少女が二つに結ばれた金髪を揺らしながら歩いている】
【生成りの、見るからに肌触りのよさそうな長袖のワンピース。裾についた大振りのフリルが控えめなヒールの音に合わせて楽しげに揺れ、肩掛けバックが少女の腰の高さで跳ねている】
【なんだか育ちの良さそうな雰囲気の少女だが、踊る洋服とは違ってその顔は曇り空みたいに翳っている】
【憂鬱な青い瞳、いつもはにっこりと明るい印象のさくらんぼみたいな唇は固く閉じられ、白い肌は一層青白く、なんなら具合でも悪いのかと感じさせるような、そんな印象を抱かせる】

【ーーやがて少女は足を止め、とあるお店へ消えていった。ーー園芸店。この商店街の中でもひときわ大きく目立つ場所。広すぎて全フロア回るには一日掛じゃないと達成し得ないそんなお店】
【ーー1時間後。買う物が決まっていた少女はそのくらいで園芸店から出てきた……両手にいっぱいのビニール袋に入った植物を持ちながら、ヨロヨロとふらつく足で店を後にする】
【最初は無表情で歩いていた少女だが、やがてその細腕がぷるぷる震え、顔に疲れが出はじめて。腕にかけていた傘がぽとっと落ちた。それを拾うために一旦全部植物を地面に置いて……】

もう……もう、嫌……重い……

【漏れるような声だった】
【長袖にはビニールをぶら下げたせいで深く皺が刻みこまれ、無理に一人で運ぼうとした植物たちは斜めになってーー】
【人通りの少ない道で、少女は一人休むようにその場に丸くなってしまうのであった】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 15:50:14.69 ID:pvzro5Ex0
>>313

【初心者が作りさしで飽きてしまったようにでこぼことした空の色、見上げれば明るくとも、いつ降り出すかなんてきっと、お空の上の人しか知らないのなら】
【だからきっとお空の上の人たちだって、空を見上げているのに違いなかった。こんなに晴れるなら水やりをしないと草だって枯れてしまうかしらと思った時に、きっと雨が降るのならば】
【そしたら雲の上だってもしかしたらあんまり晴れてないのかもしれなかった。――――だなんて考えてみたところで、空の色は変わらないし傘は置き忘れたくないし、少しだけ寒いから】

――――――――――――どうしたの、

【――だからきっと傍らに腰を折る気配は、少女がくたびれ果ててしまってから、数分後の出来事。腕の重たさが消える前の、けれど早く戻らねば本当に雨が降りだすかもという逡巡のさなかの頃合い】
【喩えて述べるのなら、ごく鈴の音のように涼やかな声だった。夏祭りの人込みの中ですら聞き間違えようもないような透き通り高い声は、疑いようもなく彼女の性別を伝えてみせて】
【あるいはその前に気づくことも十全に叶うのだろう。――かかとの高い靴を履いているときの足音をしていた。そうして事実まなざしを向けるのなら、一緒に丸くなるようにしゃがむ姿、やはり】

【腰まで伸びた長い黒髪の少女。うんと艶めく手入れの賜物を遠慮なく見せつけるなら、滑り落ちる肌もまたどこまでも白い色、花嫁が纏う衣装の布地より余程白く透き通り】
【あどけなさを手放す前の少女のかんばせ、つんとつって丸いまなこの色合いは黒とも赤とも取れず、あるいは光の角度によって黒と赤との配分を変えて見せる特異な色が目立ち】
【リボン飾りとフリル飾りのやたらと多い衣装を纏っていた。ピンクベージュを基調にしたワンピース。それでも引き締めるべき部位には濃い色をあしらって、せなに滑る髪すらその役割を担うから】
【ふわり膨らむスカートのすそを、――気にしてはいるようだけれど、その先っぽが地面にこすれることについてまでは頓着していないようだった。本当に少女の傍ら、尋ねる距離感にて】
【かかとの高いストラップシューズの爪先がわりにお淑やかに整えられているのが似合うような、それとも気取って見せたような、どちらとも取れる年ごろの、】

手伝おっか?

【――――どちらにせよ、尋ねる声に悪意のようなものは介在しないのだろう。ただ目についてただ気になったのでただ聞きに来たというような顔をしているものだから】
【ともすればありがちな恩を売って得をしてやろうという意識すらないのだと伝えていた、――道端に落ちてたハンカチを柵に乗っけておいてやるような、そういう、温度感】
【故に、否と返せばすぐにでもいなくなってしまうのだろう。その代わり、頼んでみせたら、彼女は間違いなく自分の言葉を遂行するのだと、伝えてもいた】

/ひさしぶりなのでちょっといろいろゆっくりめとかになっちゃうかもですが、よろしければ……!
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:27:12.47 ID:/WVhDhtX0
undefined
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:28:32.37 ID:/WVhDhtX0
>>314

【少女が彼女の登場に気づいたのは声を掛けられてからだった】
【陰と疲れが塗り込まれた、丸くなって落ち込んだ体に染み入るみたいに優しく降る鈴の音は、具合の悪そうに閉じられた瞳を開かせるのには十分だった】
【青い瞳ですぐ隣に同じようにしゃがんでくれている少女をとらえる。曇り空でも輝くみたいに艶やかな黒髪、美しく揺らめく不思議な瞳を持つ少女ーー】
【その瞳に、自分の視線が吸い寄せられるような感覚ーーーー抵抗もせずにじっと見つめてしまう】
【あまりにも遠慮なく、自分の隣に現れた少女を見つめる自分に気づいてやっと、少し視線を逸らした。少女のふわふわなワンピースが地面についてしまっている】

……手伝って……くれる………………えっ?

【現実に戻ってこれたのは、少女の二言目の思ってもない台詞を聞いたからだった】
【あからさまに疲れていることと、キャパオーバーな荷物をみて自分がこれらを家に持ち帰るなんて「無理」だと察してくれたのだろうか】
【当然のように。見返りとか恩とか、そういうものを期待してます感0の、今の自分には神様が遣わしてくれた天使のような、ちょっと大袈裟なんだけどそう感じてしまうくらいに有難い一言を、現れた少女が言ってくれている】
【「いいえ、迷惑をかけるわけにはいきませんから」いつもだったらそう言っているだろう、少女の口から、溢れるみたいにーー】

//続
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:29:26.77 ID:/WVhDhtX0
>>314

……お願いします……

【素直な言葉だったーー】

あ、でも重いですよ、植物。土とか鉢とかもあるので、結構、重いです。
このくらい持ってもらえたらあとは自分で持てるのでちょっとそこまでお願いしても、いいですか?

【ちょっとそこまで、というには少し家は遠いのだけれど……】
【荷物の三分の一、持った感じ軽い方だと感じた子らを分ける】
【分けながら、「助かった」とホッとしたのか、?は徐々に桃色に戻り、陰っていた海色の瞳も輝きを取り戻してーー】

ありがとうございます、私一人だったら絶対に家に運ぶまでかなり時間がかかってしまっていたかと……ちょっと無理に買い込んじゃいました、あははお恥ずかしい……
私、フィオっていいます。よければお名前、教えてもらっていいですか?

【隣に誰かが来てくれた安心感がそうさせるのか、口数も増えて照れ笑いまで浮かべる】
【フィオーー自らをそう名乗った少女は分けた自分がもつ植物たちと傘を持ち上げると「あぁ! とっても楽になりました!」って嬉しそうに微笑んだ】

//ぜひおねがいしますー!私も久しぶりなのでゆっくりなペースになってしまうかもしれないのですが、よろしくお願いします!
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:56:18.78 ID:pvzro5Ex0
>>316-317

【そうして彼女を見やるなら、きっと目だって合うのだろう。そうしたなら、やはり改めて尋ねるように、彼女は無言のままに小さく首を傾げる、「だいじょうぶ?」って窺って】
【だからきっと彼女からしたなら、少女のこと、よーっぽど疲れていると思っているのかもしれない、なんて。――意識の浮上と同時に漏れ出る声音に、少しだけの笑みを添え】
【――少しだけ/困ったような/揶揄うような/慈しむような、――そういうなんだか少し変な顔をしていた、ひっくり返ったまま起き上がれなくなったひよこちゃんを見てるような、なんて、失礼かしら】

――――うん、いいよ、だいじょうぶ。そしたら――――、……ん。重たいの、大丈夫だよ。お酒の瓶とか、いつも運んでたし――。
……はあい。そしたら、――もらうね。傘も持とうか?

【どちらにせよ、少女から素直な言葉を引き出せたなら、彼女は立ち上がるのだろう。ふわりと靡くスカートの裾は足の華奢さをこれ以上なく際立たせるから】
【そうして袋の一つでも二つでもくださいなと差し出す指先のなんとか細いことか。――そのあたりでいくらか不安になるのかもしれなかった、彼女、重たいものなんて、持てるのかしらって】
【少しだけ高い背をしゃんとさせるさまは見ようによっては自信ありげに心強いのだとして。――――――だとしても、実際に渡せば、"思ったより"当たり前に、持てるのだろう】
【なら伝える言葉もきっと嘘じゃない。重たいもの持ち慣れているからって。――だけれども、変に押し付け合い奪い合いになる前に渡された分を受け取るのだろう、】
【――そうだとして、少しだけお姉さんぶるように首を傾げた、せっかく二人になって両手の数も増えたのだから、って、言いたげに】

よいしょ、ううん、私も――たまに買いすぎるから。
いろんなもの見てると、いろいろ思い浮かんじゃって――、……お花、好きなの? 

私の友達にもね、お花がうんと好きな子がいるの、……――――、鈴音、だよ。

【照れ笑いに返すはにかみは自分もたまにこうなってしまうからと言っていた、とはいえ彼女が買い込みがちなのは食料品、ではあるのだけれど】
【組み合わせ次第でいろんな顔を見せてくれるのは植物も食べ物もきっとよく似ているから、きっとたぶん、無理に訂正するほどの誤りであるはずもなくって】
【声音に潜む親しみが述べる名にまで染みていた、鈴音/りんねと名乗るなら、髪の色合いもあって、おそらく櫻のほうの血を引くのだろうと】

楽になったなら良かった。

【――――どうあれ、目を細めた笑みの吐息の色合いは無邪気さによく似ているから。だって途端に華やぐフィオの顔を見たなら、きっと誰だって人助けの尊さに思いを馳せるもの】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 17:29:59.94 ID:/WVhDhtX0
>>318

あぁ、傘助かります!
雨降るっていうから持ってきたのに、雲だけ大袈裟で全然でした

【腕のところでブラブラ揺れて、時に足にぶつかっていた傘が、優しい彼女に預けられる】
【その時に見えた白くて細い指。それはフィオを不安にするには十分で】
【えっーー荷物、持てるんですか??】
【そう、喉元までせり上がってきたのを静かに飲み込む】
【一応軽い子らを選んで渡したつもりだったけど、それすら持てるのか不安になるくらい細い指。ふわふわのお洋服の下はどんなに細い体が包まれているんだろうと考えてしまうほどの細いーーあぁ、脚も細い】
【酒瓶だなんて目の前の少女には似合わないもの、私を安心させるために言ったことなよかもしれないーー】
【そんな考えが頭をぐるぐるして、傘を渡す手が一瞬引っ込められたのだけどそれすら彼女は受け取って、持ってくれている】
【しゃんとしてはいるけど、まだなんとなく不安は拭えないまま、家の方向に向かって歩き出す】

//続
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 17:31:12.93 ID:/WVhDhtX0
>>318
私、お店を出しているんです。大々的に宣伝はしていないからあまり有名ではないのだけれど、ハーブのお店なんです。
思ったより早く継ぐことになってしまったから、まだまだ勉強不足なせいで……足りなくなってしまったぶんをとりあえず買いに来たんです

【よく見るとまだ幼さが残るフィオの顔。どう考えても店を継いでいい年齢ではないーーお店の話をすると少し悲しそうに瞳を細めて、知識不足な自分と前の店主の父のことを思い出して悲しげな笑顔を浮かべて】
【配分ミスなのか枯らしてしまったのか、詳しくは言おうとしないのだが言われてみれば買った植物は全部ハーブで。袋に入って入るけれど、なんとなく香ってくるのがわかるだろうか】

鈴音さん、ですね!
ふふ、本当に助かりました。鈴音さんみたいな方に声かけてもらえて、私すごく幸運です。
え、お友達、植物好きな方いらっしゃるんですか!? 私、周りにそういう子あんまりいなかったのですごく羨ましい……です

【さっき会ったばかりなのに、優しい鈴音にすでに心を許しているのか、口調は丁寧なものを心がけているようだが、その声色からはもう親しみ、嬉しさ、楽しさ……そういうものが滲み出ていて、人懐っこさが伺える】

私、ちょっとそこまでなんて言ったんですけど……お店、もうちょっとかかるんです
鈴音さん、この後用事とかそういうの、無いですかね……?

【急な心配。だいぶ楽になったから出る言葉ではあるのだが】
【歩いて行ける距離だけど、どちらかといえば自転車向きな距離。手伝ってくれる鈴音の今日の予定なんて気にしたりして。もし無いのなら、お店でお茶でも用意したいなんて思ったりしながらーー】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 17:57:52.94 ID:pvzro5Ex0
>>319-320

【そうやって預かる傘も、彼女は特に気にした風もなくぶら下げるのだろう。それを見ているフィオがどんなふうに不安がっているのか、知っているのかいないのか――多分ないけど――】
【持ってしまえばふらついたりなんてことは当然ないのだとして、"だとしても"、やっぱり、どちらかと言えば、お箸より重たいものは素敵な花束しか持ったことないですとでも言い出せそうな風であったから】
【不安をぬぐい切れないのはきっと仕方のないことだった、――ちょっとやっぱり彼女は少し細すぎる、みたい】

――――お店。そうなんだ? ハーブのお店……、ああ、だから――、――私もハーブ、よく使うよ。お料理が好きなの。だから……。
……最近はお料理ばっかりしてるの。お料理と、お散歩と――――しばらく、ずっと、"忙しかったから"。

【――ぱちと瞬いた眼で尋ね返した、ハーブのお店と聞いて、少しだけ目線を下げる、――ちらり。堂々と見るのは少しだけ憚られるらしい、それでも袋の中から香るものに、中身を理解するなら】
【こちらはずいぶんと楽しげに漏れる声、お料理をするのが大好きだから、ハーブだってよく使うの、なんて。であれば、フィオの出すという店に興味があるのだという表明にも似て】
【お料理をしてお散歩をしてなんてずいぶんと気儘な生活をしているらしい、あどけなくも店を構えるのだというフィオに比べたなら、ずいぶんと、「だめなひと」っぽく聞こえてしまう】

……なら、よかった。さっきもお散歩をしてたの、私――――眩しいの、少し、苦手だから。これくらいのお天気のほうが好き。だけど……雨は、あんまり。
降ってくるようなら帰ろうかなって思っていたら、女の子が困っていたから。――うん、お友達に居るの、とーっても、お花が好きな子。

お花って言うか……植物、が好きなのかな。いろんなこと、知ってて。

【それでも時としてお姉さんのような顔をするのが上手な娘だったから。見た目だけで述べるのなら十六歳ほどに見えるのだけれど、まなざしの色の移ろうのに似て、年齢すらもどこか朧気に】
【見ようによっては十四にも十八にも見えるのだろう。それは浮かべる表情によるのかもしれなかった。夜空の月が雲によって容易く表情を変えるみたいに、それよりずっと近い距離感にて】
【眩しいのは嫌いだけど雨も嫌いなんて我儘を言うのさえ許される年齢に今は見えた。――厳密にはそういう感じの表情をしていた。女の子が困っていたから、なんて言う瞬間には、悪戯ぽく笑むけれど】
【"友達"については、花というより植物全般が好きであるらしい。「私も、おうちのお庭に植えるやつを選んでもらったりして」なんて言うから、仲のいい友達らしい】

ううん……、私ね、実は……、

【――――――――――――ざわりと冷たい風が吹き抜けた、雨が降り出す一歩手前に似て、思わず見上げてしまう空は相変わらずの曇天模様、ああもう今にでも雨が降り出してしまいそう?】
【なんて不安になる刹那に、彼女はぽつと切り出すのだろう。鈴の音を沈痛そうに潜めたなら、次に続く言葉の色合いを嫌でも思い浮かべさせる、そんな刹那に】

…………――――――この後も、別に、用事なくって。退屈なの。

【――、けろりと元通りに戻る声音は、きっとおそらく、いや、ううん、間違いなく。フィオのことを揶揄おうとしていた、そんなのひどいって怒っちゃっても、いいくらいに】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 18:49:44.03 ID:/WVhDhtX0
undefined
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 18:50:23.37 ID:/WVhDhtX0
>>321

【華奢……すぎるように思える鈴音が、持たせてしまった荷物を「重い」と言い出したら、その時は自分の荷物だものちゃんと家まで運びます。今度は弱音を吐かずに、と心に決めてーー】

お料理上手なんですね! お料理好きな方はたくさんいるけど、ハーブも使うのはかなり上級者かと! ーーあぁ、お友達植物上級者さんですかっ!?

……忙しかったのですか、お疲れでしょうに。それなのに手伝わせてしまって……ありがとうございます
そういえば、よくお酒の瓶を運んでるって先程仰ってましたけど……お酒……お料理……あ、もしかして鈴音さんってシェフです?

【料理が好き! 得意! という子はたくさんいるけれど、ハーブを使いこなす子はそうはいない。料理に関してはおそらく彼女の方がハーブの知識は上、かも知れない。なにせフィオは料理に得意意識はない。……もちろん、ハーブの店を構えているのだから知識はあるのだけれど、まだ自信は無かったりする】
【ーーふと脳裏に酒瓶の入ったカゴを持ち上げる鈴音が浮かんだーー勝手に想像する鈴音はそれを持って少しよろつきながらどこか店のような場所に入って行くーー】
【そんな想像と、いつも運ぶなんて言ってたお酒の瓶を結びつけて、勝手に職業を想像してーー】

//続
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 18:51:26.67 ID:/WVhDhtX0
>>321
実はーー?

【鈴音の声色と冷たい風がその後の答えを演出する。ーーあ、ダメなやつ。あまりよろしく無い答えを想像する。手伝わせちゃダメなやつ。ーーと、青ざめた顔をするフィオなんだけど。すぐにそれはーー】

えっ、あ、何も無いんですか!!
もー!! ビックリしましたよ、大事な用事があるのかと思いましたよ!!ぜひお店でゆっくりしていってくださいよぅ!

【ちょっとだけ、怒って見せたような、ほおお膨らませる仕草をしてみるんだけどすぐに笑って】

【ーーそんな会話、していると。】
【長い道のりもあっという間で。雨が降る(かも)前に、自分の自宅兼店へと到着して。自転車の距離だってあっという間だったーー会話っていいなぁ、なんて思うフィオ】

【そこには広すぎる庭付きの、豪奢な煉瓦造りの家が聳え立っていた】 ?【家にしがみつく様に絡んだ蔦までも手入れが行き届き、いささか広すぎる庭には季節の花が曇り空の下でも生き生きと咲き誇っている】 ?【入口の鉄格子には《close》の看板が。それはそのまま、少し大袈裟な装飾の鍵を取り出して南京錠を外せば、門を開けてーー】

どうぞ! ここまで本当に助かりましたー!

【曇り空に負けない、太陽みたいに輝く笑顔で鈴音を招き入れてーー】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 19:19:10.53 ID:pvzro5Ex0
>>323-324

――――そんなに、上手だなんて程じゃあ、ないの。自分が好きでやってるだけ。うんと高いホテルみたいな料理は作れないし……。
レシピを見たら一つ一つは作れるけど、そういう、コースみたいなのは本当に――やったこともなくて。……そう? そうかな、……。

じゃあ、上級者かな? ふふ、――――天音ちゃんは上級者だよ。……お店の場所、教えよっか?
五月くらいは忙しくって毎年いつもピリピリしてるんだけど。今ぐらいの時期なら大丈夫だよ、たぶん暇してると思うから。

【フィオの言葉にほんの少しだけ下がる眉の角度はきっと櫻の気質に似ていた、謙遜によく似て、けれどきっと、本当に好きでやっているばっかりで、上手いとか、あんまり考えたことがない】
【おいしいって言ってもらうのは嬉しいけれど、一流ホテルのフルコースみたいなのは食べたことがあっても気後れするばっかりだった思い出と、よくわからないナントカ風の大名行列の思い出】
【思い返して再現しようとしてみたことがないではないけれど、"上手く"出来やしないだろうとはようく分かっているものだから。――それでも、フィオの口ぶりに少しばかし譲歩する形になって、】
【――最終的には上級者かも、なんて言って笑っている。唇に添えた指先の影から、隠せるはずない笑い声が小さく漏れ出て。どうやら友人とやらの名前、それから、紹介しようか、なんて】
【――――勝手に決めちゃってもヤな顔しないだろうという信頼があるらしい。それでもやはり特別軽くはない袋を反対側の手に持ち替えながら、】

ううん、大丈夫。最近やっと落ち着いたの。――――去年ね、ずっと、遠いところに行ってて。最近帰ってきたところ――それと、お引越ししようかなって、思って。
いろいろ見ているところで――、――シェフ、なんて、格好よく呼んでもらえるほどじゃないの、お料理はするけど。後は、給仕さんかな。酒場の給仕さん。

【また小さく笑っている。おしゃべりするのが楽しいみたいに/そうして事実として楽しんでいるようだった。口ぶりからすれば、むしろ久しぶりの平穏であると言いたげで】
【「いいところがあったら教えてね」なんて冗談めかしてから、――そんなにも大層なものではないけれどという言葉は添えられるけれども、大筋としてはそれで良いらしかった、どこぞで料理を作っていると】
【そのうえで給仕までやるというのならあまり大きくはない店なのかもしれないとも。――"酒場"って言うのは少しだけ不思議かもしれなかった、だって、彼女、大人にはちっとも見えなくて、】

――――――――ふふ、あははっ……、なんにもないよ――、ごめんね? フィオちゃんて、なんだか、揶揄ったら、楽しそうで……。ふふっ、……ふふふふっ――、
でもほんとは――そうなの、お店を見せてもらえたらいいなあって思って、――これは本当だよ。今日じゃなくっても、見せてもらおうって思ってて。

【――だって大人って言うのは人をからかって楽し気に笑ったりなんてしないものだもの(本当はそんなことはちいともなくて、ないのだけれど)】
【両手が空っぽでここが喫茶店のテーブル席だったならおなかでも抱えてしまいそうな笑い声、笑うたびに転げるような鈴の音がするから、やっぱり笑い転げているのに違いなかった、意味合いとしては限りなく】
【それでも泣いてしまうほど爆笑するでもないから、余程怒らせてしまうことはないだろうか。――ないといいのだけど。頬を膨らます仕草に向けるのが無邪気であるのも、次ぐ表情の予想なんてついてるみたいに】

【だから、】

――わあ。フィオちゃんのお店、ここ? 

【道中の会話はやはり弾むのだろう。取り留めない雑談も。雨が降り出しやしないかと不安がって空を見上げる必要はなく、重たさに項垂れて地面を見下ろす必要もなく、二人おしゃべりでもしていたら、それでいいから】
【やがて目的地まで辿り着くなら、彼女だってぱちりと瞬いて、顔を鮮やかに染めるのだろう。どこかおとぎ話に出てくるおうちみたい、自分も割に広すぎる家に住んではいるけれど、】
【立地が立地なものだから花なんてほとんど育ちやしない――夜の国だから――なんて余談ではあるのだけれど、脳裏に過ぎるのはやはり今度はおひさまのある国にしよう、なんて、当たり前の、(まあ本当に余談なのだけれど)】

【――――お邪魔します。なんて言って、招き入れられる作法は、礼儀知らずと呼ばわるにはいくらも丁寧に。けれど隣国の姫の私室に招かれるより余程砕けていた。だからきっとどこまでも、友達の温度によく似て】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:41:52.22 ID:/WVhDhtX0
>>325

家庭料理系上級者ーー!!
一番ホッとするやつ、です!
ああ!なるほど給仕さん、ということはウェイターさん……と? あ、でもお料理も作って提供している、ということはですよーー
やっぱりシェフです、鈴音さんシェフ!!


……ちょ、ちょっとそんなに笑わないでくださいよう、揶揄うのーーよくないですよ!!

【簡単に騙された自分がちょっとーー恥ずかしくなったようだ】

【サイズの違う、赤石の敷かれた道はお店の入り口へと直に続いて行く。道に添えられるように置かれた鉢植えたち。この時期は千日紅が並べられているーー赤い花が二人が歩くたびに挨拶するみたいに少し、揺れて】
【もっと奥には大きな木が、煉瓦の家に影を落とす。その下には遠目からでもわかる、アンティークなベンチとテーブルが2セット。晴れた日ならばここでお喋りもよかっただろう】
【店の扉の横には《LIORO》の看板。この店の名前だろう。多分、聞きなれない言葉なのではないだろうかーー実のところ、フィオもどこの国の言葉なのか、どういう意味なのか、わかっていなかったりするーーこの話はまた別のところで】
【開けるのに力がいる重めの扉の鍵をあけ、塞がった両手の代わりに肩で押すようにしてあげれば、ふわっと優しい香水みたいな香りが二人を歓迎する】
【大瓶に入った茶葉、石鹸、そして一つ一つ香りの違うルームフレグランスの瓶ーーなど。一つ一つの在庫は少ないけれど、沢山の、女の子が好きそうな商品が店内に所狭しと並んでいるーーこれが】
【ハーブ専門店LIOROーーだ】

//続
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:42:20.65 ID:pvzro5Ex0
>>323-324>>325
/すみません、三十分ほど……?少し離席しますっ、ご迷惑おかけします!
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:43:53.49 ID:/WVhDhtX0
>>325

そうです、ここが私のお店でーーお店の読み方は「リオロ」……らしいです!
ここまでありがとうございました!! ほんっっとうに助かりました鈴音さん!
あ、お荷物はそこに置いてもらえれば……はい、あとは自分でできるので……ぜひそこに座ってください!今、お茶用意しますので!

【レジカウンターの隣……擦れた金色の流しがあるところとは逆側の、そこ】
【休憩スペースみたいにこれまた古いタイプの椅子とテーブルが置いてあって。そこに鈴音を案内する】
【その後すぐに、先程へっとへとに疲れ切った顔をしていたとは思えないくらい機敏に動き出すフィオーー自宅だとやはりなんとなく、気の持ちようというか……違うのだろう。おそらくーー】
【置いてもらった植物たちをせっせと店の奥に運び入れる。その辺りを覗いてもらえば、他にも沢山まだなんの施しも受けていない植物たちが置いてあるのが伺える。フィオのドタバタ音くらいしか聞こえない店内。今日は休みのようだとはいえ、他の従業員の痕跡は一切ない。一人で経営しているのだろう】
【ある程度片付けが済んだかと思えば、あっーー! と、声を上げる。何事かとみてもらえればペンと紙を握りしめたフィオが向かってくるのが見えるだろう。そしてーー】

ぜひ、お友達さんのお店教えてください!
今度行ってみたいです! ぜひ!

【お店の場所を教えてもらおうと、紙とペンをそっと渡して】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:44:32.99 ID:/WVhDhtX0
//>>327 了解ですー!!お待ちしております!
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:44:42.99 ID:pvzro5Ex0
/タイミング最悪でごめんなさいでした!!改めて少し離席します、もうしわけないです……
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 21:45:58.83 ID:pvzro5Ex0
>>326>>328

【――――なんだか実態以上に期待させてしまったような気がした、何か述べようとすればするほどにかえって悪い気がするけれど、本当にそんなに特別に上手なわけでもないのに】
【あー、とか、んー、とか、ごくあいまいな声を数度上げて。――何か意を決するような小さな吐息一つ。なんにも言わないことにしたらしかった。もしも振る舞う日が来たとして、】
【がっかりさせてしまったらどうしようかな――なんて今のうちから考えているあたりはあまりプラス思考ではないのだけど。ただやっぱり"シェフ"という単語には、何か、違う感じ、覚えているらしく】
【結構最後のほうまで喉の奥に魚の骨が引っかかっているような、いないような、そんな顔をしていたのだけれど、とは、余談】

――――――――すごい。とってもきれいに手入れしてるんだね、家(うち)は……留守にしてる間に、その……雑草が……。……。たくさん。
だから――いいなあ、次はもっと小さいおうちがいいって思ってたけど、お庭はあったほうが楽しそう。おうちは小さくても、お庭が大きなところ……。

【素敵な場所。どうやら彼女はすでにこの場所をそう判断したらしかった。広々としたお庭を、フィオがあっちへ、こっちへ、草たちの世話のために飛び回る光景すら思い浮かぶようだったし】
【事実としてよく手入れされていること、きっと見たらすぐわかるんだろうから。ひらひら揺れるスカートの裾が千日紅の赤色を一つ引っ掛けて揺らしてしまえば、少しだけびっくりしたみたいに振り返り】
【そのまま腕にぶら下げた荷物の重さに任せるみたいに、もう半回転、またぱたぱたとフィオの後ろをついていくんだろう。ハイヒールの足音もすっかりと慣れたものだから、ようく手入れされた庭先、転ぶこともなく】

リオロ――――……、……――――らしい。

【――そうして招き入れられる店内、扉が開いた瞬間にふわりあふれ出てくる香りは、客人をもてなす人懐こい子犬より余程にぎやかに、毛並みを撫ぜられない代わりに、嗅覚を撫ぜてゆくから】
【けれど彼女はきっとなぜか入り口で立ち止まってしまっていた。元からまあるい眼をもっともっと丸くして、瞬き一つ、二つ、三つ、――それ以前から紡ぎかけていた言葉を紡ぎ終わるまでに、十数秒をかけて】
【(それは別に嫌な態度というわけではないのだけれど、彼女はほんの少しだけありふれた人より優れた嗅覚を持っていたから、少しだけ、びっくりしてしまっていて、)】

【あるいはフィオから見れば、自分の店なのに名前もよくわかっていないのか、なんて、驚いたように見えてしまうのかもしれなかった。――――その意図が絶無だとは決して言えないのだけれど】

――――あ、ううん、いいの――気にしないで。これぐらいのことなら、ほんとうに……いつだって大丈夫だから。
はあい、そしたら――、お言葉に甘えちゃおうかな。…………ちょっとだけ、見ていてもいい? いろんな匂いがして、気になるの。

【そこに、と言われた場所に荷物を降ろして。そうしたら、傘も――どの辺がいい、って聞いてから、そこへ戻すんだろう。そうして両手を空っぽにしてしまうなら、これくらいはいつでも大丈夫って】
【さっきの言葉通りに重たいものは確かに持ち慣れているらしかった。なるほど料理をするなら重たい食材とかもたくさんあるのだし、それで慣れているのかもしれない】
【酒場でもあるというなら、酒もたくさん届いたりするんだろう。とはいえ、ほんとに、その細い中のどこに筋肉をしまい込んでいるのか、みたいなことは、よくわからないけれど――】

【――とかく。片付けに奔走するフィオの傍ら、商品を見ていていいか、なんて、尋ねる声は楽しげであるのだろう。そういう意味ではなるほど確かに彼女だって女の子、】
【ダメと言われるのなら、大人しく椅子にちょんと座っているのだろうけれど。その場合は幾分もほほえましい感じでフィオを眺めたりするのだろうから、やっぱりちょっぴり揶揄い交じり?】

【聞かれる店については、当然教えるのだろう。曰く水の国にある園芸店らしい。ただ何かの専門店というよりかは、本当に、ひっくるめて"園芸"のお店らしい】
【ちなみに件の"天音"という人物の特徴も教えてくれるんだろう。背が大きいらしい。「お靴履いた私より大きいよ」――そしたら余裕で百七十は超えているんだろう】
【「黒っぽい青色の髪してるの」「少しぶっきらぼうかもだけど、怖い人じゃないから」「私が紹介したって言ったら、だいじょうぶ」――等々、便利な(?)情報もしっかりばっちり伝えるから】

/おまたせしました!
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:22:43.48 ID:/WVhDhtX0
>>331

ちょっと、私一人だと広すぎちゃって。これでも狭めたんですよ、自分ができる規模で。運営できるように。
……だから、きれいって言っていただけるのすっごく嬉しいです。ああ、私ちゃんと綺麗にできてるんだって、認識できます。お店って「綺麗が普通」だから、どんなに頑張って綺麗を保てててもそれが、普通……だからその……ハイ。

【要は《褒めてもらえるのが嬉しい》らしい。自分の頑張りがどれくらいのものなのか測る物差しが無いから、いつもこれでいいのかという自問自答の中で生きているフィオにとって、今かけれてくれ鈴音の言葉はすごく、嬉しいし、努力が認められたみたいに思える一言だった】
【お日様より早く起きて日付が変わってしばらくしてから寝る毎日ーーもう、慣れたから苦痛ではないのだけれど、その努力が認めてもらえるのは励みになる】
【ーー褒められるのは結構くすぐったかったりするのだけれど】

そう、らしいーーーー
んです、あはは

【フィオが捉えたのは「そっち」だった】
【店名の意味を聞かぬまま亡くなってしまった父親ーーフィオの中の後悔のひとつである】
【誤魔化すような乾いた笑いーーそんな気はなかったけど少し演技がかってしまっただろうか、とも思ったけれどーー】
【鈴音の、店内を見て回りたいという声に「オッケーです!」って腕で丸を作ってみせる】
【店内に並べられたお茶コーナーや化粧品コーナー、あとは草模様の便箋とかリースとかの雑貨を鈴音が見て回っているのならばふと思い出したようにフィオが声を上げる】

//続
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:24:23.11 ID:/WVhDhtX0
>>331
いろんな匂い……そうだ、私はもう慣れに慣れているのであんまりなんともないのですが、強い香りが苦手だったりハーブの香りが好きじゃなかったりすると具合悪くなる場合もあるので、その場合は遠慮なく言ってくださいね!
曇ってますけど、暑くも寒くもないし、お外にお茶、お持ちしますので!

【ここに来る客はこの香りが好きだ、という方が大半だが、自分が(ある意味強制的に)連れてきたとなれば話は別である】
【ーー苦手で具合悪くなる人もいるのだ。この香りがーー】
【鈴音が外に行きたいといえば、フィオは先程外に置いてあったテーブル席に案内することになる。もし、「そうなったら」遠慮なくお申し付けくださいーー】

天音さん、ですね……特徴も覚えましたよ!
今度絶対に行きます! さっきのお店より良かったらこっちで仕入れようかなぁ……あそこのお店、たまにしおしおしてる子がいるのがちょっと辛かったり……
あ、鈴音さん紅茶って好きです?
つい最近仕入れた「アイスワインティー」っていう紅茶を淹れようかなあって思ってるんですけど……

【紅茶にグレープの香りがついた、ワインぽい紅茶なんですけど、と説明を付け足して】
【紅茶好きには大体美味しいと言ってもらえる一品だが、紅茶だって人によって好き嫌いの激しい飲み物だからと、一応確認を取って】
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:51:54.25 ID:pvzro5Ex0
>>332

【わりに上機嫌そうな顔をしていた、いっぱいの香りに包まれてしまった瞬間は少し驚いた仕草ではあったけれど、慣れてしまえばなるほど悪くはない、と思えて】
【これがもっと強い香りだったならもう少しぐらい呼吸をひそめたりしたのかもしれないけれど、それも必要ない程度だったから。楽しげに店内に這わす視線が、ふとフィオへ戻るのなら】

――――そういうことを言う人は、誰か他の人が綺麗にしてくれた場所を、それが当たり前だって思って暮らしてきた人だから。
自分でお掃除とかしたことないんだよ、お花のお手入れだって、……知らないうちに、なんか、すごいへんな虫、ついてるするし……。……気持ち悪いようなやつ。

……だから……えっと、とっても、素敵だと思うの。きれいで、素敵なお店。

【「私はそんなに苦手じゃないけど」】
【――あるいは、もっと気の利いた事を言おうとした残骸が"これ"なのかもしれなかった。きれいで当たり前だなんて言う人は、今まで誰かに当たり前にきれいにしてもらっていただけなんだって、】
【だからそんな風な言葉を言うやつがもし板として、気になんてしなくていいとまで言っているつもりなのかもしれなかった。――言葉足らずなのはどうしようもない事実としても】
【お庭のお花が綺麗なのだって努力の賜物だと言いたいに違いないのに。きもちわるい虫の話をしたいわけではないのに。――だから最終的にはちょっとだけ目を逸らしてから、戻し、】

【なんかイイカンジにシメた。シマった?】

そうなんだ、……――じゃあ、それもいつか、分かるといいよね。図書館とか行ったら、分かるのかな。……私、あんまり、本は読まなくて。
お料理の本なら、読むんだけど……。あれは、本っていうか、レシピ――? だから、だめかな――。

――――――――――ううん、大丈夫だよ。ありがとう。ハーブの匂いもね、結構好きだよ。ラベンダーの匂いが一番好き。チョコミントのアイスも好き!
だから、ありがとう。――お外の席は、今度、晴れたときに借りようかな。でも……もうすぐ夏だから、秋ごろになっちゃうかもだけど。

【誤魔化す笑みに、――あまり"その"つもりが強いわけではなかった彼女は、あまり気づかなかったのかもしれなかった。代わりに、いつか意味が分かるといいよね、なんて、】
【図書館に行けば分かるものなのだろうか。言ってはみたものの、自分はあまり図書館とか、行ったりしないタイプだから。――レシピの本を眺めて、そういう使い方】
【だからあまりお役に立てないんだろうけど、――気遣いには笑って返す。曰くラベンダーの香りとか好きだと。チョコミントのアイスも好きだと。――――後者も確かにハーブ、ではあるけれど、】
【――そうして付け加える一言は、――また遊びにこようかなって言っているのに等しかった。今度はお客さんとして。或いは、今度も、になるかもしれないけど】

【見せてもらった中でもいろいろ気になったものもあったし――なんて。そんな折に、紅茶について尋ねられるなら、】

"それ"は、天音ちゃんのお店なら大丈夫。天音ちゃんが毎日死ぬほど見てるから。……って言ってた、お仕事の時は、あんまり、行かないから――。
紅茶は、……――うん、好きだよ。だいたい、なんでも……、いろんな名前はよくわからないけど。

【どうやら件の店にはしなびた草なんてものはないらしかった。雑草すらピンピンしてるに違いない。――それはさすがに駄目かもしれないけれど】
【紅茶についてはだいたい何でも好き、というか、――正しくは、何がどれという紅茶かというのをあまり認識していないらしかった。すなわち、出てきたもの、おいしく頂きます――そういう合図に違いない】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 23:22:06.32 ID:/WVhDhtX0
>>334

【海色の瞳が驚いたように開かれたーー】
【しかしすぐにその瞳は褒められた子供のように純粋な喜びで輝き出す。気の利いた言葉じゃなかった(鈴音にとっては)かもしれないが、フィオには十分すぎて。しばらく、キラッキラの、太陽が反射した水面みたいな目で鈴音のことを見つめるだろう】
【変な虫の話だって「わかります!! わかりますー!」って、敬語ながら年頃の女の子の会話みたいなテンションで返すし、「すごく小さい虫なら素手で潰せるようになりました!」なんてそこはあまり年頃の女の子らしくない成長……を報告したりして】
【そして、また綺麗って言われればーー大きく「うん!」って頷いて。最高に子供っぽいけど、今日1の最高の笑顔なのは間違いないだろう】

図書館、私も利用しますけど植物の名前ではないみたいで……いつかわかる時が来ればいいな、くらいで……あ、もし鈴音さんがどこか別のところでこの意味を知ることがあったら、その時はぜひ教えてくださいね!


ーー嫌いではない、です?
あー、よかったです!一応置いている香り系サンプルは香りの強さを調整したり蓋したりはしてるんですけど、なかなかこういうお店だから、無臭にするのは不可能で……でも、嫌いじゃなくて本当によかった、です!

わ、天音さんのお店ますます楽しみになってきました!
愛情込めてお世話してらっしゃるんですね、天音さん! 本当にお好きなんですね、植物ーー

あ、チョコミントアイスありますよ!紅茶と一緒に出しますね!

//続
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 23:23:51.43 ID:/WVhDhtX0
>>334
【そう言って、やっと買った植物の諸々が終わったフィオはお茶の準備に取り掛かる】
【アイスとホットどっちにしようかな、なんて片付けながら考えていたけど、チョコミントアイスを出すならホットの紅茶をお出ししよう】
【奥の冷蔵庫からチョコミントアイスの箱を取り出し、カッチカチだから少し溶かしているあいだにお湯を沸かす】
【淹れる手際はさすがというか、見事なものだった。これは得意なのだろう。店内にアイスワインティーの香りが上書きされるように漂う】

【準備ができたーー店内を見て回っている鈴音を呼び寄せるように声をかけるだろうーーそして、二人が席に座ったらーー】
【ーー白に青い花柄のティーカップが二つ、テーブルに並べられた】
【その隣にはガラスのカップにはいったチョコミントアイスが二つーー小花のスプーンが添えてある】
【ぴかぴかのティーカップに注がれる紅茶。湯気と共にまた、ワインを感じさせる香りが広がってゆくーー】


今日は本当にありがとうございました、手伝ってもらえて、こうして一緒にお茶までできて……私、すごく嬉しいんです
ふふふ、今日という日に……かんぱーい!

【乾杯は大間違いな気がするーーが、今のフィオのテンションがそうさせたのだろう】
【もちろん、ジョッキをぶつけるような仕草とかワイングラスをカチンとやるような乾杯じゃなくて、ティーカップをくいっとあげるような、まるでスカートをつまんでちょこんと挨拶するような……そんな、乾杯】
【その紅茶を口に含んだら。フルーティーで芳醇な味わいを感じることが出来るはずだ】
【淹れ方は完璧ーーたぶん、美味しいって言ってもらえる…………ハズ】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 23:44:24.85 ID:pvzro5Ex0
>>335-336

【もうちょっといい言葉の選び方があったんじゃないかしら。とりあえず確実なのは気持ち悪い虫の話はやっぱりしなくていいと思った。でも今更言い直すのも、なんて、思考は堂々巡り】
【だからか一瞬彼女の反応は大いに遅れて、――気づいた瞬間には、真夏の海みたいにきらきら光る笑顔との対面、「わ、」なんて声と吐息のはざまの音階、気圧されるようなほんの一瞬のかんばせ】
【けれど何かちゃんと伝わってくれたのだと思えたなら、彼女も破顔するのだろう。言葉の拙さで変な風に伝わってしまうのはやはり彼女としても本意ではないのだから、】

【故にあまり淑女らしくはない成長についても何とも言わない。そもそも彼女はわりに虫が平気な性質だった。だから余計にキャアとか言ったりしないし、ドン引きする理由もなく】
【お日様なんかよりよっぽど鮮やかに明るい笑みを彩るみたいに相槌を重ねてゆくのだろう、ここはとってもきれいで素敵な場所だって。何度も】

うん、ようく嗅いだら苦手なやつも、あるとは思うけど――。これっぐらいなら、大丈夫。
んーん、むしろ無臭だったら、あれっ?ってなっちゃうかも。私は少しびっくりしちゃっただけなの、だから――「こういうの」、とっても素敵だと思う。
私、昔から、匂いにちょっと敏感で――だから、それだけなの、気にしないで……今は、うんと素敵な香りだって、分かってるから。

――ん、天音ちゃんは人間よりも植物のほうが好きかもね。

【いろんな香りがあるものだから、それは仕方がないのかもしれないけど。とかく、今の状態であればお店の中は彼女にとっても快適であるらしい。だから大丈夫だって、】
【むしろ心配させてしまったことのほうが申し訳ないような顔をして、――昔から鼻が利くんだって白状する、今はもう慣れてしまったから大丈夫。ちゃんと素敵な香りだって分かっている、って】
【それよりもハーブのお店なのだから。いっぱいたくさんの素敵な香りがした方がいいって――そのほうがもっと素敵だって伝えたなら、"天音ちゃん"という人間はもしやわりに変人なのかもしれないけれど】

――――――やったあ。そしたら、ごちそうになろうかな……。お荷物を運んだだけなのに。

【――情けは人のためならず、なんてつもりでやったわけでもないのだろうけど。結果としてお茶とアイスまで頂けるのなら、それはもう十分すぎるくらいだって、思えちゃうような】

――ううん、私こそ。素敵なお店を教えてもらって、お茶と、アイスまでいただいちゃって……。……まだいただいてないけど。
はあい、かんぱい――。――いただきます。

【だからお礼はおしまいにしてしまおうって提案にきっとよく似ていた。お荷物を持ったのに見合うだけはもう十分にもらったのだと。だからこれ以上は大丈夫だと、】
【あとは普通においしく二人でお茶を飲めたならってそう誘うみたいに、――確かにまだいただいていなかったけど。それでも二人、おんなじ言葉を使って、それでも所作は淑やかに】

――――――――――――……、わあ、おいしい! この紅茶――、あんまり飲んだことない感じ……。

【そうして口に含むなら、――――暖かなお茶がどこも火傷にしないで胃に落ちてゆくまでの沈黙を挟んでから、彼女は黒赤のまなざしを丸くするのだろう。きっとフィオが思った通りの表情と、声音をして】
【おいしいって溢れた笑みが消えてしまう前にもう一度カップに口付ける、ゆるり吹いた吐息が紅茶の水面を幾度と揺らして、――――「おいしい」。そうやってまた、ささめくから】
【もちろんアイスが溶けてしまうほどゆっくりゆっくりと紅茶を楽しむわけではないけれど、――アイスが不安がってしまう前に、スプーンを手に取って、】

こっちもおいしい。

【――――ごく少女らしく笑うのだろう。嬉しげな吐息に嘘はほんの一片すら含まれないから】

/そしたら申し訳ないです、ここで一度凍結していただくことは可能でしょうか……?
/明日は来られるの夜になってしまうのですが、遅くとも十時半ごろにはお返事できるようになると思います……
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 00:12:27.93 ID:GaPv5wi50
>>337

【乾杯を受け入れてくれたのなら満足そうに頷いてーー】
【カップに唇を添えてーーちら、と視線は鈴音のほうへ】
【お茶を淹れただけだけど、店を構えるプロとしては相手の反応がきになるところ。自分の淹れたお茶が飲まれる瞬間は何度も経験はしているけど、まだ緊張するーー自信がないわけではないんだけれど】
【紅茶を飲んだ鈴音が、美味しいと顔を綻ばせて喜んでくれたなら。漸く自分も紅茶を口に含んだ。あ、美味しく淹れられている!】

この紅茶、ふつうのスーパーじゃあんまり売ってないかも、です!
専門店とか、変わったものしか扱わないお店とか……芳醇ですよね、いいワイン具合です。……ワイン、飲んだことないんですけどね

【未成年ですし。そう、付け加えて】
【ふと、紅茶を楽しむ鈴音をまたじっと見つめてしまうーーそういえばおいくつなんでしょう、って少し首を傾げて】
【お姉さんっぽい仕草や、甘えたくなるような優しさのようなものを持っているような気が……するけれど、見た感じは16の自分とあまり変わらないような……】
【…………私、今日ずっと鈴音さんのこと見つめ過ぎている気がする】
【カップを手に持ったまま、またその赤いような黒いような、綺麗な瞳に吸い寄せられてしまう】

ーーーー私、鈴音さんのこと見つめ過ぎですよね〜……髪の毛とかすっっごくサラサラで、色も白くて美人だし……女の子として憧れちゃいます

【照れ隠しでカップで顔の半分を隠してみせる】
【アイスを食べる姿を幸せそうに見つめちゃいながら、半分独り言のようにそう、つぶやいて】

//わかりました!大丈夫ですよ!お返事お待ちしておりますね!
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:16:58.23 ID:PTUgAe9V0
>>338

【そうして覗き見るなら、きっと彼女は紅茶の作法にいくらか慣れていた。とはいえ余程格式張って育て上げられた、というよりかは】
【きちんとしている誰かを見てなんとなく真似して、それなりの回数お茶をしてきたというような。――――嬉しそうにアイスをほおばる表情はやはり淑女とは少し遠いから】
【だとしても、手をうんと伸ばして見せたら、その指先くらいは触れそうな振る舞いをしていた。背伸びの少女と呼ばわるには、怠惰に染まり始めた頃合いによく似ていた、なんて余談だけれど】

――――そっかあ。UTも……、少し変わった紅茶とか、置けばいいのに。あれしかないの、ティーバッグの……なるだけたくさん入ってて……一番安いやつ。
あとはコーヒーばっかり。コーヒーなんて、――徹夜した後くらいにしか飲まないのに。苦いから。…………。

ワインは、――私も苦手だから、あんまり。"これ"は飲みやすいけど

【普通のスーパーにはないらしい紅茶。だとしたらもっとちゃんとしたお店に行けば見つかるものだろうか、――あんまり行ったこと、ないものの】
【別に一番安いティーバッグで普通においしく飲めてしまうものだから。企業努力を褒めるべきか、それとも、こだわりの薄い舌先を褒めるべきか。きっと多分どっちもなんだろう】
【とはいえ、いろいろと難癖付けてなんでもかんでも楽しもうとしない人よりきっと余程マシだった。――そうして彼女はどうにもコーヒーが苦手らしくて。なんでも、うんと苦いから】

【――カップを戻してささめいた、「味も匂いも……ちょっとね」。ワインは彼女的にはあんまりお気に召さないらしい。まるで普通に飲んだことのある口ぶり、けれど彼女はやはりあどけないまま】
【だから本当は"わるいこ"なんじゃないかって悩ましてしまうのかもしれなかった。そうなのだとして、何か口を挟ませるほど意味深さを与えはしなかった、ごく当たりまえのことみたいに】
【チョコミントのアイスを楽しんで冷えてしまった口の中を紅茶で温める。――長い睫毛をたっぷりと伏して、その向こう側の瞳はこんなにも夜空より余程黒いのに】
【ふと視線に気づいたかまなざしを持ち上げるのなら、――瞬間、世界が終わる日の夕焼けなんかよりも余程赤く透き通るのだろう、紅茶よりも紅いから、瞬きはいくらか揶揄いがちに、】

――――――――――――、ふふ、ありがと? ――そんなこと言えないぐらい、フィオちゃんだって、かわいいと、思うけど……。
それに、私は、もう少し大人っぽくなった方がいいのかも。この間ね、二十六歳になったから。

【もう一度カップを戻す音が小さく鳴いた、陶磁器の触れ合う音はどこか彼女の声と似通いながら、それでも彼女の声のほうがなぜだか無機な気がする、けれど事実として肉声として扱うなら】
【照れるにしては少しだけ曖昧な笑みを浮かべてはにかんだ、指先は一瞬だけ何か迷うみたいにしてから、チョコミントアイスをへずってやることを優先して】
【あるいは気障な男みたいに前髪にキスでも落としてやろうとしたのかもしれない、なんて、――本当は、ほんとは、ちょっと揶揄って頬でも突っつこうかなって、思ってた】

【――なら、くすり今度こそ意味深に笑う、唇についたチョコレートの破片をなめとる舌先の赤色は、きっと、ほんとに、ワインの味だって知っているんだと、思わせて】

/おまたせしました!
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:53:08.63 ID:PTUgAe9V0
>>338>>339
/すみません、少しご飯を食べてきます……
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:57:32.38 ID:wmimc3lmO
>>339

【紅茶を飲む姿がどうも芸術的で小さく息が漏れる。指先一つの仕草とか、羨ましいくらい長い睫毛とか。可愛らしいお洋服とか……絵画みたい、なんて。でもアイスを頬張る姿でーーあ、小動物系少女。リスっぽい。とか、印象をころころ変えさせる】

ーーーー今の紅茶ってどんなに安くてもだいたいが美味しいですから。いろいろ研究されて、いい方法で栽培してたくさん出荷できるようになって。一番安いやつっていうのが本当は一番美味しかったり…………したりして
コーヒーも浅煎りだと全然苦くなかったりするんです。チョコの風味とか、トマトっぽい風味とかーー結構、あるんですよ

飲みやすいって言ってもらえてよかったです。仕入れた甲斐がありました!

【安いのが一番美味しい、は店を開く身としてどうなんだろう、なんて喋りながらぼんやり考えてしまったけど、多くの人の舌に合い、多くの人に買われているのなら間違いではないだろう】
【“それ”以上のものとなるとあとは趣味。好きだから買う、飲む、集めるーー】
【もちろん紅茶だけじゃなく、コーヒーにだって言えることだろうーーフィオもそんなに飲まないのだけど】


ーーーー……?
……? …………ん? ーーーー二十六歳、ですか……?

【可愛いなんて言われて照れ笑いを浮かべたのは一瞬だけだった。年齢を聞いて何かの間違いかなって首をかしげる。聞き間違い? ーーーー思った以上に離れていた】
【質問するみたいに聞いたのに、妙に焦っちゃっててろんと溶けたアイスを口に入れる。まだ固いチョコの破片が?のところに刺さったーー痛い】
【10も離れているなんて思ってなかったから、結構失礼な態度をとっていたかも知れないと不安がこみ上げるーー「なんか、すみませんでした……」って蚊の鳴く声で謝ってーーでも鈴音の言葉に、あっーーて気づいて】

ーーこの間なった、ってことは最近お誕生日だったんですね! おめでとうございます!
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 23:59:25.37 ID:PTUgAe9V0
>>341

【そうしてきっと彼女はそんな風に思われていること、知らないんだった。アイスを食べて、紅茶を飲んで。――そういうのを気儘にやっている、気取らないなら、自然体とも呼べるけど】
【自然体――まあ自然体、だろう。特別に気取ってなんていなかった、余所行きのようなお洋服だって普段着の温度、しんと口をつぐんで目を閉じて見せたなら、甘い夢に耽る女の子のお人形みたい】
【だけれどもこうして喋って笑ってお茶を楽しむ彼女がお人形であるはずもないから、――代わりにあるのは甘いアイスと暖かな紅茶。きっとほとんど、暖かいお布団の中の甘い夢と同じ意味】

そうなの、……そうなの、でいいのかな。安いやつ買っても、ああこれおいしくないなあ――って思うこと、あんまりなくって。
あるとしたら……――ファミレスのドリンクバーの紅茶。あれはおいしくないね、お湯の温度が、きっと低いんだと思う。

……コーヒーは、よくわからないんだけど。チョコはともかく――トマトの味のコーヒーって、おいしい?
ちょっと……なんだか……思い浮かばなくって――。

【――だから結局は、安くっておいしいのがあるのだから、冒険とか背伸びとかはしなくても大して困らない、ってことなんだろう。でっかい箱で買ってきたら、最後のやつまでおいしく頂けちゃうなら】
【なるほど確かにダージリンとかアールグレイとかすら考えること、あんまりないのかもしれない。ファーストフラッシュ。セカンドフラッシュ。それなあに?とまで、言いやしないけど】
【ただ、――コーヒーの味がトマトって言うのはよくわかんなかったらしい。青っぽい方のトマトなのか、よく熟れた方のトマトなのか。疑問は尽きない、ような、そんな感じ】

――――うん、ふふ、――そう、二十六歳だよ。この間……六月の終わりに。
見えないでしょ、よく言われるの。――――だから、気にしないで? 年齢とか、わたし、あんまり、気にしなくって……。敬語とかも、特別には使わなくていいから。
そんなに"ちゃんと"した大人でも、ないし……。お父さんのお店、こんなに綺麗にしているフィオちゃんのほうが、立派かも――。

【――――やっぱりなんだかフィオのことは揶揄いたくなってしまうのかもしれなかった。ふふって笑っているのが確信犯の声音をしていた。お行儀悪く、机に頬杖ついてみせたら】
【見えないでしょうと言うが本当に見えやしないんだから狡かった。このままどこぞの制服を着て学校に通っていたって問題が全くない、――それをしていないのが大人の証拠?なんて】
【“だから”というわけでもないけど、敬語とか、かしこまるとか、そういうのは一切要らないんだと言って。――あまりちゃんとした大人ではないもの、なんて、理由になっているのかしら】

【(あるいは、フィオの年齢によってはあまり覚えてないのかもしれないけれど――この少女、当時も全く同じ顔をして、どこぞの正義組織で、ボランティアなんて、したりしている)】
【(一時期はテレビでいろいろやっていたりしたものだった。孤児や事情があって食事にありつくことが難しい子供たちのためのボランティア、無料の炊き出し、――"たんぽぽ"なんて名前の、)】

うん。ありがとう――。

【にこり笑ってほおばった分でアイスはおしまい。紅茶も――きっと、あと少し】

/大変お待たせしました……
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 00:41:41.72 ID:1n7dSYM+O
>>342

ああ……ドリンクバー……
温度も低いし、きっと茶葉を頻繁に変えたりしないだろうし、開けっ放しにする人も多いだろうし……酸化、しちゃってるんでしょうね……
ーー飲んだ瞬間、「あ、トマトの味する!」って思うくらいにはトマトでした。若いトマトの味でしたーー意外に美味しかったです。
……こればかりは説明じゃ伝わらないのが残念です

【……ファミレス、いくのかな……?】
【家族連れや学生がわいわい食事をする中、そこだけ別空間みたいに、お洒落な喫茶店、お城の一角のように、優雅にお茶を飲む鈴音を想像してーー】
【今目の前でしてくれたみたいにきちんとして紅茶をーー美味しいとは言えないやつーー飲む鈴音】
【ーーーーうーん、想像の中の彼女の周りだけ、薔薇が咲く……】

見えない、です。
正直同じくらいかなって、思ってました。
いえ、立派だなんてそんな……そうなろうとは、足掻いているんですけどーー

【机への頬杖につられるように、自身も両肘をつくーー両手は?を包むように抑えられ、隠れないびっくりを少しでも見えないように】
【このまま何も知らなければしゃべる言葉に敬語が消えていたかもしれないけれど。変に真面目なフィオにはなかなか難しいだろう。ただでさえ、敬語癖なのに】
【立派なんて言われればまた照れっと笑って。結ばれた、艶やかな金髪に指を絡ませて照れを逃す】

【綺麗に食べてくれた、アイスの乗っていたお皿。紅茶ももう、無くなりそう】
【ちらと店内の陶器の時計を確認すれば、なかなかの時間ーー】

あ、長居させてしまいましたね!
荷物も持ってもらって、お話まで付き合ってもらっちゃってーー

//お疲れ様です!大丈夫ですよー!
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 01:01:19.90 ID:W1mjTzlL0
>>343

――――――"ああいう"紅茶を初めて飲んだら、私、きっと、紅茶なんて嫌いになってたかも。お店の一番安い茶葉を買って、水道のお水を沸かして、――それで、おいしいのに。
……でも、こういう紅茶もとってもおいしい。今度から、買ってみるね。知り合いに紅茶好きな人がいるから。――――あの子は"安い"紅茶のほうが好きだって言うけど。

そうなんだ、……。……ミルクとかお砂糖も入れるのかな。もしよかったら、今度、私にも飲ませてほしいな――、素敵なお店だから、ね、また今度。来てみたいの。

【――とは言え、ドリンクバーをそんなに大量に摂取するなんてときは、だいたいが話の弾む気心の知れた友達とだろうから。そういうおいしくない紅茶すら、何かに色どりを添えるのだとして】
【だとしてもあまりおいしくないものはあんまり飲みたくないから、おいしくしてくれたいいのになんてどうしても思ってしまう。安い茶葉と普通の熱湯。それのどこが難しいのかしら――なんて】
【コーヒーに力を入れているという喫茶店でおいしくない紅茶が出てきたこともあるし。もしかしたら紅茶って結構難しいのかもしれない。――そうやってのんびり考えている、傍らで】
【こういう紅茶もたまには買ってみようかなって思ったのは、間違いなく、フィオが淹れてくれた紅茶がとってもおいしかったから、に違いない】

【――――――そしたら彼女はちょっとだけ我儘をする。トマトの風味がするコーヒー、飲んでみたいなって。だけれど、きっと、自分で買ってみたりするのはちょっと怖いんだ】
【だからまた遊びに来るから――もちろんお客として――その時に飲ませてほしいな、なんて、そんな我儘。お得意様になるのかどうかは、コーヒーの味次第、なのかも……?】

【なんて、】

――だいじょうぶだよ。足掻いたりしなくっていいの、みいんな、――きっといつか、立派に大人になっていくから。
私はちょっぴり頑張らなくっちゃいけないけれど。

【笑いによく似た吐息が漏れた、そうして見るなら彼女は確かに笑んでいるのだろう。けれどそれは疑うまでもない笑みというよりは、複雑な感情の寄り集まった結果、強いて述べるなら笑みである、とでもいうような】
【フルーツ売り場で発狂した人が何もかも一つの鍋に集めて煮詰めて作ったジャムが、それでも何か辛うじていちご……っぽい……ような……。――そんな感じがするような、不確かな、仕草】
【足掻いたりしなくたって立派になれるよって。――適当なこと言ってるだけって言われてしまうのかもしれなかった、そうだとして、たとえ立派になりきれなくとも、それで良いんだと思っている風でもあって】
【――だから最後に残るのは微かな羨ましさなのかもしれない。けれど気のせいかもしれない。だってそれくらいに曖昧な顔を、していて――いるから――】

――――あ。ううん。私こそ……お休みの日なのに。急に来て……お茶とアイスまで頂いちゃって。
今度はお客さんとして来るね。お引越しだってしたら、――お部屋がいい香りだと、嬉しくなるかも。

【けれどそんな顔は長続きしないのだろう。釣られるように時計に目をやった、瞬きの直後にフィオの言葉を聞くなら、もう一つ続けて瞬きをする。そしたらふわり首を揺らして、】
【今度こそちゃんとしたお客さんとして来るねってやっぱり宣言するのだ。引っ越す気ではいるけれど、いつになるかはわからないけど。――そうだとしても、ほかにも、とっても素敵なお店だから】
【いつ来るかはわからないけど、きっとぜったいいつか来るから。――そうしてそれはきっと、そう、遠くないから】
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 01:37:29.49 ID:1n7dSYM+O
>>344

ミルク、たっぷり入れて美味しいタイプのコーヒーも用意しておきますね!
トマト風味はコーヒーにしては薄味なので、そのままで飲んだ方がーーーー味見も出来ますのでなんなりとお申し付けくださいませ


【一杯飲みきれるか不安なら。二口分くらいの味見も出せると伝えて。ここにはコーヒー、紅茶の他にもブレンドハーブティーが数種類あってーー】
【今度はぜひ、そちらもお勧めさせてくださいねーーーーそう言ったフィオは16とは思えないくらい大人っぽくーーーー頑張って背伸びしているというよりは、“そうなってしまったーーそうならざるを得なかった”道中を真面目に真っ直ぐ登り得たみたいにしっかりしたものだった】

ーーああ! なんかこっぱずかしい!

【…………と、いう雰囲気を自ら壊すスタイル。ーーどうやら一瞬だけ、そう“なれる”だけなのかーーそれとも、思ったより歳が離れていたとはいえ、友達みたいな温度でお話しした鈴音だからこそ、店員モードは恥ずかしく感じてしまうの、かもーー】

普通の、フレーバーじゃない紅茶もありますから!ぜひ、お知り合いさんにも!
連れてきてくれれば、美味しいの淹れますので!!

【あはは!と分かり易すぎる作り笑い照れ隠し。とりあえず、食器を重ねてみる】
【ーーでも、あれ、と】
【何か複雑な含みの鈴音の表情に、手が止まる】
【笑っている、様には見えるのだけれど、純粋なそれじゃなくてーーその感情は、】

……一緒に、頑張りましょう
頑張るって言ったって、この世界で地に足つけて歩いているだけで私は偉いと思っていてーーその中でも楽しく生きるために、守りたいものを守るために頑張らなきゃいけない時もありますけどーー
頑張るのに疲れたら、ぜひ休憩しにきてくださいね

【フィオにはその複雑な表情が何なのか答えを汲み出すことは出来ない】
【ちょっぴり頑張らなくちゃーーと彼女は言った。頑張らなくちゃいけないことがあるなら、頑張った分だけ、人は休まなくちゃいけないから】
【その安らぎがここにあればいいな、なんて。また来てくれるって言ってくれているから、その時は心地の良い安らぎが提供できればいいなってーー】
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 02:05:21.61 ID:W1mjTzlL0
>>346

――ん、そういうのがたくさんあった方が、嬉しいなあ……。……徹夜した後の朝はね、コーヒーを飲むの。練乳を一杯入れて……苦くて、甘いやつ。
それと……トーストにバターを塗って。お塩かはちみつか、好きな方をかけて。それから、目玉焼きと――適当なサラダと。ハムとかベーコンがあったら、卵と焼いちゃって。

そういう朝ごはん。もう一回、一緒に食べたい人がいるんだけど――。……、その時のために、おいしいコーヒーも用意しておかなきゃ、かな。なんて……。
はあい。じゃあ、今度の時は、いろいろ見せてもらおうかな。帰る時は"今日のフィオちゃん"みたいになっちゃうかも……。

【ミルクとかお砂糖とか。そういうふうにしておいしいコーヒーがやっぱりうれしいのは、味覚がお子様に等しいからなのかもしれない、それをなんとなく自覚しているのだとして、】
【無理に大人びて治す気なんてないに違いなかった。――――そうしてこぼれるささめきはいつかを思い返して。頬杖にて隠しこんだ口元がどういう表情をしているのかは定かではないけれど】
【なにか少しだけ寂しいような目をしていた。だから間違いなく誰かのことを思いだしているに違いなかった。――けれどまたすぐに"いつも"の表情に戻る。どこかあどけないような、大人びてないもの】
【――冗談めかすのもよく慣れていた。なるほど確かにこんなふうに年下で遊んじゃう人は立派ではありえない。…………きっと多分そういう意味合いでは、ないんだろうけど】

あははは、……どうかな。来るかもしれないし、来ないかも。

【ごく大人びた仕草を見せるフィオを細めた眼差しが見つめていた、――ただ、"知り合い"は来るかどうか分からないらしい。そしてそれはきっとこの店がどれだけ素敵であっても】
【そればっかりはどうしようもないらしい。来られそうなら、と述べるに留まってしまう。「――忙しい人だから」。フォローらしき苦笑い、曖昧に添えたら】

ん、――ありがと。そうだね、私も……頑張る。頑張らなくっちゃ。"失敗"したんだ、――とっても大きな、失敗。もしかしたら、――もう二度とないかもしれないぐらいの、チャンス。

【私は世界に納得したかった/けれどできなかった/世界は私がなにかに納得できるほど優れたものではなかった】

【だけれども、とても大切な友達が、今度は、頑張るって言っていたから。――それを見届けたかった、それに、"今度はもう失敗しない"】
【――くすり小さな笑みの吐息が漏れた、カップに残った紅茶を最後にくうと飲み干すのなら、向ける笑みの色合いは如何に見えるのだろう、明るいかしら、それとも?】

ありがと。――私が失敗したの、ね、お休みしなかったからかもね。頑張ったら、頑張れるから。いっぱい頑張ったの、それで……。
"もっと頑張ればよかった"? ――ううん、"もっと休めばよかった"。

【頑張り"すぎる"こと、あんまりよくないって、気づくのが少しだけ遅かったから。あんまり生きるのは得意じゃないみたいだった、だってお料理よりずうっと難しくって】
【どこか自嘲げな吐息一つ、――そしたら、彼女はゆるり立ち上がるのだろう。「――そしたら、」、呟き一つ、】

お休みの日に、あんまり長居しても、悪いから――。今日は、ご馳走様でした。そしたら……また来るね。今度は、ちゃんと、お客様で。

【なんてご挨拶。少しだけ唐突なのかもしれないけれど、――なるほど確かに、窓の外のお天気は、さっきより少しだけ傾きつつあって、少しだけ不穏さを増している】
【時刻のわりに暗くなってしまった外の色合い、――それでも寂しげでは決してないのは、ここに来ればきっと会えるって、二人分かっているから】
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 02:26:55.88 ID:1n7dSYM+O
>>346

…………すごく、
すごく理想的な朝ごはん……
少しだけですけど、ジャムと蜂蜜もあるのでーーなんならもうちょっと種類、増やしておきますね!
今日の私みたいにーーそれくらいたくさん、お気に入りが見つかりますように

【まるで目の前にそのご飯があるみたいに、ものすごく美味しそうな説明をしてくれるから、】
【甘いコーヒーってすごく美味しい。朝の眠くて3秒動きを止めれば寝落ちしそうな体に暴力的なド甘い刺激ーーあれがクセになる】
【深煎りブラックコーヒーはまだ苦手だけど、ミルクや砂糖という味方がいればーー】
【そういえばもう夜ご飯の時間なんだって思い出してーーよし、今日は朝ごはんみたいな夜ご飯にしよう】
【ーーと、ひっそり決意するフィオだった】

知り合いの方、お忙しい方なんですね
ーーいつか、お会いできる日があればいいです。

【会える可能性は低い気がするーー鈴音の、口調とか雰囲気からそう感じたのは果たして正解か、それとも】

失敗の次には必ずチャンスが来ますから
鈴音さんがすごーく体力があって、頑張れるって思っていても、意外とそうでない時もありますからーー
ーーええ、またぜひ遊びに来てください!
あ、今度は鈴音さんのお料理も、私食べに行きたいです!

【ーー出口まで歩いていく。あぁ楽しかったなって。今日買い物に行って、キャパオーバーな量買ってーー見つけてもらってよかったなって、そう思えた】
【窓から差す光はないーーすでに真っ暗で一人で帰らせるのはなんだか申し訳ない気になってしまう】
【重めの扉をあげれば、夜の冷たい風がうねるように押し入ってくる。ーー結局雨は降らなかったみたい】

暗いなぁ……帰り、一人で大丈夫ですか?

【と、やっぱり心配になってーー】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 02:46:32.50 ID:W1mjTzlL0
>>347

――――――でも、パンなら、スクランブルエッグもいいな。くしゃくしゃのスクランブルエッグ。粉チーズを少しだけ入れてあげてもいいかも。それに、ケチャップをかけて――。
バターとお塩のトーストに挟んで食べたりするの。サラダのレタスをもらっちゃって、それからカリカリに焼いたベーコンも挟んじゃって。
……目玉焼きだと、挟めないでしょ? やろうと思えばできるけど。私は、半熟のやつが好きだから。……でも、少しだけふんわりした感じが残ってるトーストに、無理やりに挟んじゃって食べるのも、好き。
卵の黄身がね、ぼたぼたって垂れちゃうけど。それをね、パンの耳ですくって……。――ひとりの朝ごはんの時にしか、そんなの、できないけど。"かわいく"ないから……。

でも――、そんな風に、練乳を入れたコーヒーを飲む日は、目玉焼きから。底がちょっぴり硬いやつ。とろとろの黄身と、それから……少しだけ固まった黄身。どっちも食べられる、おいしいやつ。

【――はあーとちいちゃいため息が漏れた。おいしい紅茶をいただいたらなんだか朝ごはんを食べたくなっちゃったみたい、別にそんなにお腹が空いているわけでもないはずなのに、】
【そう、強いて言うなら、なんだか、朝ごはんって言う概念を摂取したい。――うんと爽やかな朝に食べたい。なんて言いつつ、うんと甘いコーヒーは徹夜明けだと身体は覚えている。そういう矛盾点】
【スクランブルエッグを挟むなら薄焼きでカリカリにしたトーストがいい。目玉焼きを挟むなら、もうちょっと分厚いトーストがいいな。そういうこと考えていると、あっという間にほんとの朝が来ちゃいそう、】

――――だけどね、ご飯の朝ごはんも好きなの。炊き立てのぴかぴかしたごはんでしょ、それから、お味噌汁と、お漬物と……。それだけでいいね。その代わりに、お味噌汁には具をいっぱい入れて。
ダシも自分で取っちゃうの、でもそんなに丁寧なやつじゃなくって。おかかも、煮干しも、そのまんま。具にしちゃってもいいような――。ああ、でも、目玉焼きも欲しいな。
ハムエッグと、お味噌汁と、ご飯と……。これからの時期ならきゅうりのお漬物。お茄子よりね、きゅうりが好きなの。それから……温かい緑茶。

【なのに話は終わらないんだから酷い話だった。――はーっと今度はもう少し大きなため息。パンの朝ごはんもいいけれど、ご飯の朝ごはんもいいよねって言いだしてしまう、なら】
【もしかしたら彼女は食いしん坊さんなのかもしれなかった。少し手の大きな男の人ならぐるっと掴んでしまえそうなぐらいに細い腰なのに、いろんなもの食べるの、きっと大好きに違いない】
【――――さんざん話してから笑って見せる、フィオがひっそりと決意したその瞬間のことだった。もしかしたら"わざと"なのかもしれない。けれど、人の心を読めるはずはないのだ、きっと、そう、だから、多分、偶然】

うん、ありがと――――――、……、や、ううん、ありがとう。
私のお料理も、いつか食べに来てね。酒場だから……、夜は、まあ、おじさんとかが多いけど――お酒なんて飲まなくっていいから。
ごはんだけ食べにおいで。――お店、風の国にあるの。UNITED TRIGGER。

【一瞬ためらうような沈黙は、――その裏側では、彼女は自分が"なに"を失敗したのか考えていたのだけれど、それをフィオが知る必要はきっとなかった、少なくとも、今、この時点では、確実に】
【これから先のことは分からないけれど。 笑ってみせる表情が翳らないなら、それが今の答えでいいんだろう。――ならば料理だって食べに来てほしい。ここからだと或いは遠いかもしれないけれど、】
【もしも機会があったなら。――――――伝える名前はどうにも"有名"なものではあったが。近頃とんと聞かぬ名でもあった。――そうして、出口まで送ってもらうなら、】

大丈夫だよ。フィオちゃんこそ、――今度は、買いすぎないように気を付けて。
それじゃあ、――、またね。ごちそうさまでした。天音ちゃんにもよろしくね。

【自分は大人だからと言外に述べた、――とはいえ見た目は大人ではないのだから、あんまり変わらないような気もしたけれど。冗談めかして言い置いたなら、外の空気にくるまれて】
【曇天の空模様を見上げる、――分厚い雲は黒いけれど、それが雨雲なのか夜の色なのかはよくわからなかった。それでも振り返る間際の表情、どちらにせよ、好意の色をしているなら、】

【――そうやって彼女は去っていくのだろう。だから空もそれを見送るみたいに、――結局、雨は降らないまま、次の日の朝は、うんと、うんと、晴れたらしい】

/おつかれさまでした!
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 03:06:35.14 ID:1n7dSYM+O
>>348

あーーーー、目玉焼きーーーー半熟ーーーー
カリカリのベーコン……レタス、、

……和食、ってやつですよね!
私、そういえばお味噌汁って飲んだこと、ないかもしれないです。ハイ。
お漬物も、そういえば……塩っぱいってことくらいしか……でも、聞いてるとおいしそう、です。すごく

【フィオに刺さったのは洋の朝食のほうだったーーと、いうのも和食を食べる習慣がほとんどないから当然の様な気もするのだけれど】
【それでも、彼女の表現はそれだけで“美味しそうーー食べたいー!”って思わせる魅力があった】
【彼女のお店で和食がもしあれば、それを頼んでみるのもいいかもしれないーー】

風の国のーー聞いたことあるかも……!
有名な場所なんですね! じゃぁきっとみんな知ってるし、知らない土地でも迷わず行けそうな気がします!

【まだ、お酒は飲めないけれど】
【楽しみが、増えた! 風の国にある、鈴音のお店に、お料理に】
【こんなに美味しそうにご飯を表現できるのだもの、これは、ものすごく……期待できそう】
【なんてわくわくしちゃってーー】

本当に今日はありがとうございました!
天音さんのお店にも、行きますね!

……ーーまた、ね!!

【帰る後ろ姿に大きく手を振ってーーもしそれに応えてくれたのならさらに大きく手を振って】
【その、1時間後くらいだろうかーー言うまでもなく彼女の食卓に並んだのはふわふわの甘い香りのパンと、カリカリのベーコンと、半熟の目玉焼きーー】

//絡みありがとうございました!とても楽しかったです!
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2019/09/13(金) 16:09:47.31 ID:0/Lw3R2v0
【街中――――川沿いの東屋】
【ごく静かな夕暮れだった、花嫁のヴェールよりも余程繊細な霧雨が降り頻る日。屋根の元より何人たりとも出しはせぬと誓った神様の降らしたみたいに、行き先を拒む雫たちは】
【けれど逆らったところで罰など下るはずもないのだから、見ようによっては邪魔ものの少ない散歩を楽しむに適した日であると思われた。――問題があるとしたら、雨に濡れる爪先ぐらいなのだろう】

――――――――あれ、こんにちは。

【――なれば雨とは言えごく明るい空の色、いくらか大らかな気持ちになれば傘がなくても困りはしない程度の雨脚、流れるにもごく静かに流れるばかりの川の水面を見下ろす高さの、屋根の下】
【誰か歩むならば人影を一つ見出すのだろうか。それとも或いは、錫の音のように澄んだ声を聴いて気づくのだろうか。――少女がひとり東屋の、ぼろちいベンチに腰かけているようだった】
【だけれど発せられた声は観測する"だれ"かに向けたという色をしていないのだから、――と目を凝らすに、直後、少女の坐るベンチと同じく古びたテーブルに、飛び乗る、しろいかたまり】
【やがて身体を屈め丸め毛づくろいを始めるに野良猫なのだと思われた。――彼女はその白猫に声をかけたらしかった。事実、向き直り時折にと話しかけている声は不明瞭でも、微かに聞こえ】

【腰まで届く黒髪をハーフアップに束ねていた、フリルとリボンをあしらったバレッタは重たげでも純に黒い毛束をきちんと抱き留めて、】
【真白い肌に瞬くのは黒く赤いまなざし。どうにも光の角度で黒と赤と移ろう気分屋であるらしいまなこは、今はすっかりと猫を見とめて、けれど誰か来るのならば向き直りもするのだろうか】
【胸元にリボンをあしらったブラウスにぷわり裾を広げたジャンパースカートを重ねて、手首の位置で絞った袖にも、ひらり揺れるスカートの裾にも、たくさんのフリルをあしらったなら】
【灰桜と薄墨とを基調にした曖昧な色味であっても沈んだ風には決して見えないのだろう。どうあれ投げ出すように伸ばす足先にはかかとの高い靴、頬杖ついた指先が猫へ伸びて、避けられ、苦笑一つ、】

――、雨宿りに来たの? ただのお散歩? 縄張りの確認かな、

【ねうとただの一度すら鳴きもしない猫を相手に独り言を重ねるのを見るに、どうにも動物の類は好きなものなのだと思われた、】
【――その傍らには開いた後に閉じたままの傘が立てかけられて、けれどもうとっくに乾いているのを見るに、なれば彼女もまた雨に困っているのではないと、その証明に等しければ】
【――――やはりどこへ行くでもなく、ただただぼんやりとした時間を過ごそうとしているのに違いない。だとして彼女はどこぞの給仕であるとか、悪い神であるとか、――そんな噂、ないでもないから】

566.10 KB Speed:1.9   VIP Service パー速VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大4096バイト 最大66行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)