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【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】

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339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:16:58.23 ID:PTUgAe9V0
>>338

【そうして覗き見るなら、きっと彼女は紅茶の作法にいくらか慣れていた。とはいえ余程格式張って育て上げられた、というよりかは】
【きちんとしている誰かを見てなんとなく真似して、それなりの回数お茶をしてきたというような。――――嬉しそうにアイスをほおばる表情はやはり淑女とは少し遠いから】
【だとしても、手をうんと伸ばして見せたら、その指先くらいは触れそうな振る舞いをしていた。背伸びの少女と呼ばわるには、怠惰に染まり始めた頃合いによく似ていた、なんて余談だけれど】

――――そっかあ。UTも……、少し変わった紅茶とか、置けばいいのに。あれしかないの、ティーバッグの……なるだけたくさん入ってて……一番安いやつ。
あとはコーヒーばっかり。コーヒーなんて、――徹夜した後くらいにしか飲まないのに。苦いから。…………。

ワインは、――私も苦手だから、あんまり。"これ"は飲みやすいけど

【普通のスーパーにはないらしい紅茶。だとしたらもっとちゃんとしたお店に行けば見つかるものだろうか、――あんまり行ったこと、ないものの】
【別に一番安いティーバッグで普通においしく飲めてしまうものだから。企業努力を褒めるべきか、それとも、こだわりの薄い舌先を褒めるべきか。きっと多分どっちもなんだろう】
【とはいえ、いろいろと難癖付けてなんでもかんでも楽しもうとしない人よりきっと余程マシだった。――そうして彼女はどうにもコーヒーが苦手らしくて。なんでも、うんと苦いから】

【――カップを戻してささめいた、「味も匂いも……ちょっとね」。ワインは彼女的にはあんまりお気に召さないらしい。まるで普通に飲んだことのある口ぶり、けれど彼女はやはりあどけないまま】
【だから本当は"わるいこ"なんじゃないかって悩ましてしまうのかもしれなかった。そうなのだとして、何か口を挟ませるほど意味深さを与えはしなかった、ごく当たりまえのことみたいに】
【チョコミントのアイスを楽しんで冷えてしまった口の中を紅茶で温める。――長い睫毛をたっぷりと伏して、その向こう側の瞳はこんなにも夜空より余程黒いのに】
【ふと視線に気づいたかまなざしを持ち上げるのなら、――瞬間、世界が終わる日の夕焼けなんかよりも余程赤く透き通るのだろう、紅茶よりも紅いから、瞬きはいくらか揶揄いがちに、】

――――――――――――、ふふ、ありがと? ――そんなこと言えないぐらい、フィオちゃんだって、かわいいと、思うけど……。
それに、私は、もう少し大人っぽくなった方がいいのかも。この間ね、二十六歳になったから。

【もう一度カップを戻す音が小さく鳴いた、陶磁器の触れ合う音はどこか彼女の声と似通いながら、それでも彼女の声のほうがなぜだか無機な気がする、けれど事実として肉声として扱うなら】
【照れるにしては少しだけ曖昧な笑みを浮かべてはにかんだ、指先は一瞬だけ何か迷うみたいにしてから、チョコミントアイスをへずってやることを優先して】
【あるいは気障な男みたいに前髪にキスでも落としてやろうとしたのかもしれない、なんて、――本当は、ほんとは、ちょっと揶揄って頬でも突っつこうかなって、思ってた】

【――なら、くすり今度こそ意味深に笑う、唇についたチョコレートの破片をなめとる舌先の赤色は、きっと、ほんとに、ワインの味だって知っているんだと、思わせて】

/おまたせしました!
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