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【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】

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207 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2019/05/14(火) 22:00:23.50 ID:cDuJcACk0
>>206

【しばらくはじいっと音を聞いていた。それが地面からする音だとわかったなら、まつげを斜め下に落とし】
【見やる、蛇――であれば「彼女」の一部であるか、あるいは使い魔であるのかと認識した】
【そういえば一番最初の邂逅のときだって、「彼女」は大量の蛇を連れていた。こういった色の子ではなかったけど】

……………………鈴音、

【だとしたって、そう認識したのだから何も恐れることなどなかった。毒の有無など知るはずもなかったが、それでも】
【本能が、きっと大丈夫だと信じるように言いつけていた。だから足に這われても、何も怯えはしない】
【強いて言うならつややかな鱗の感触にちょっとだけぞわっとしたけど――本当にそれだけだ。だから立ち上がる】

あたしを、……迎えに来てくれた? ……なんて。
それはちょっと高望みがすぎるかな、あはは……ありがと。案内してくれるんだネ?
うん、ありがとう、歩けるよ――あんたたちよく見るとかわいい顔してる。初見はやっぱりビビるけど……

【したら、迷うことなく歩いていくのだろう。疲労の混じる顔に幽かな微笑を混ぜながら、話しかけてみたりするけど】
【当然なにかを返してくれるというわけではないから――それでもよかった。独り言を続けながら、歩き続ける】
【お迎えに来てだなんて、そこまで高望みはできなかった。だって自分が、勝手に会いたいと思って来ただけだから】

【だから――――なにか音がするのなら。しなくても。彼女は鈴ノ音を幻聴するのだろう】
【あり得ないことだったとしても、確かに彼女は聞いていた。それ以外何も聞こえなくなっていた】
【やがてどこかへ足を踏み入れる。童話の中で、教会にも赤い靴を履いていった愚かな娘は呪われたけど】
【もはやそんなことはどうでもよかった、だってとっくの昔から呪われている――穏やかな足取り。靴底を、鳴らして】
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