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【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】

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184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2019/05/05(日) 19:14:42.37 ID:dzeJx68X0
>>183
//すみません、少し外してました!よろしくお願いいたします!

【脳天を一撃され、石榴の実よろしく頭を割られた死骸の惨状を一瞥すると、白皙の女は、ふむ、と何事か思案するように鼻を鳴らした】
【誰が、どのようにして殺害したかは、極論を言ってしまえば問題ではない。この異能者溢れる巷において、推理小説のお約束なぞ当てになるものではない】

 ──となれば、動機か。しかし、これも考えるだけ不毛な話だ。

 なぜと問われても答えに困る。偶然や気紛れの類いだと思ってもらって差し支えないよ。
 たまさか、今日は路地裏を見回る気分じゃなかったってだけの話だ。ここに辿り着いたのも、まあ、気分だな。
 嫌な気配のする方角へ、適当に足を伸ばして──

【張り詰めた鋼線のように剣呑な空気が、二者の間を静かに満たす】
【おどけた仕種に、焦った様子。そして此方の戦意に応じる備えにも、女は特に動じた様子を見せない】
【これが不慣れな街の自警か何かなら、当に焦って切り掛かっていても不思議ではないが──「抜かば、斬る」。言い換えれば、「抜かずば、斬らぬ」】
【女は淡々と、己にそれを課しているようだった。その視線は鋭くも一所に定まらず、どこか遠くを見るようにして、周囲全てに油断なく気を巡らしている】


 ああ、そういう事か。


【したがって、目の前の相手の警告に対して、反応が遅れるような事もない】

【真上を睨んで空いた左手を打ち振るえば、ひゅう、と小さく風切り音。闇に紛れてぼんやりと、黒い『何か』が瓦礫に向かって飛んでゆく】
【それは着弾と同時に、甲高い破裂音を立てて瓦礫のうち幾つかを打ち砕いた。一瞬のことだが、目を凝らせば艶消しの黒に塗られた小型の投げナイフが視認できただろう】
【コートの袖に仕込んであったらしい。鋭い投擲ではあるが、人の頭を容易に打ち砕く瓦礫の崩落を相殺しうる威力を持っているようには見えなかった──となれば、恐らくは異能力の類いか?】

 李下に冠何とやら、という言葉もあるが。自作自演で恩を売って油断させる、なんてやり口は如何にも迂遠だな。
 仮に私がお前で、お前が下手人なら──手八丁口八丁で私の注意を引きつけて、一撃で仕留める方を選ぶはずだ。

 ここは人通りが無い。死骸が一つから二つに増えようが、さしたる問題もないだろう。

【閑話休題。白皙の女はその場から一歩たりと動かずに、上方──瓦礫の落ちてくる先を見据えたまま、淡々と述べる】
【降り来たる瓦礫のうち、砂利と言ってよいほどに小粒の幾つかが、霰のように女の手足を打ち据えるが。彼女はこれといった負傷もなく、雨のような瓦礫をやり過ごした】

【「推定無罪、という訳だ。これが全くの偶然でないなら、恐らく──」】
【半ば独り言のように呟きながら、女は塔を睨んでいる】
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